JP6945922B2 - キャビネットの防音構造 - Google Patents

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Description

本発明は、屋内に設置されるキャビネットの防音構造に関するものである。
通信機器やサーバーなどの電子機器を収納するキャビネットには、内部機器の発熱によるキャビネット内の温度上昇を抑制するために、換気扇及び換気孔が設けられていることが多い。このようなキャビネットを屋内に設置する場合には、換気扇による騒音が問題となることがある。
換気扇をキャビネットの天井面に設けると、換気扇が発生する騒音が室内に直接拡散する。このため特許文献1に示すように、キャビネットの底面に換気扇及び換気孔を形成し、床面とキャビネットの底面との間に形成される空間の周囲をスカート枠により囲むことが提案されている。
特許文献1では、スカート枠に吸気用の開口部を形成するとともに、その内側に水平な吸音フィンを設置している。ところが開口部の開口面積を小さくすると十分な吸気量を確保することができない場合があるという問題があった。
実開昭63−39739号公報
本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、十分な吸排気量を確保し、しかも設置環境に応じて開口部の位置を変更することにより騒音を低減させるようにしたキャビネットの防音構造を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明のキャビネットの防音構造は、床面から所定の高さに設置される底面に換気孔が形成され、この換気孔の内側に換気扇が取り付けられたキャビネットと、このキャビネットの底面と床面との間に形成される空間の周囲を閉塞する防音カバーとからなり、この防音カバーは、前記空間の周囲の少なくとも2面を閉塞できる形状の板材と、辺の長さが伸縮自在となるように前記板材と組み合わされるスライド部材とを備え、前記空間の周囲の少なくとも1面を換気用開口部としたことを特徴とするものである。
なお、前記防音カバーは、板材を伸縮自在に組み合わせた構造とすることができる。また前記キャビネットは、構成部材の繋ぎ目にパッキンを設けたものとすることができる。また前記キャビネットは、内面に吸音部材を設けたものとすることができる。さらに前記キャビネットは車輪を備えたものであり、前記防音カバーは車輪止めを備えたものとすることができる。
本発明のキャビネットの防音構造は、キャビネットの底面と床面との間に形成される空間を閉塞する防音カバーを、前記空間の周囲の少なくとも2面を閉塞できる形状の板材からなるものとし、前記空間の周囲の少なくとも1面を換気用開口部としたものである。このため換気用開口部の開口面積を十分に確保しつつ、換気用開口部の方向を設置環境に応じて変更して騒音を抑制することが可能となる。
本発明の参考形態を示す分解斜視図である。 本発明の参考形態において防音カバーを取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の参考形態において防音カバーを取り付けた状態を示す外観斜視図である。 本発明の第の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の第の実施形態を示す下方斜視図である。
以下に本発明の参考形態及び実施形態を説明する。
図1から図3は本発明の参考形態を示す図である。図1において、1はキャビネットであり、この参考形態では縦フレーム2と横フレーム3と奥行フレーム4とを組み合わせたフレーム構造となっている。
5はキャビネット1の天井面、6は底面である。天井面5には換気孔7が複数形成されており、底面6にも換気孔8が複数形成されている。図示されていないが、底面6の換気孔8の内側には換気扇が取り付けられている。しかし天井面5の換気孔7には、換気扇は設けられていない。換気孔7はキャビネット1の天井面5のほか、背面や側面に形成してもよい。
キャビネット1の下側の四隅には、キャビネットを移動可能とする車輪9が取り付けられている。これらの車輪9はストッパ付きのキャスターであることが好ましいが、底面6と床面との間に所定高さの空間を形成できる支持部材であれば、その構造は任意である。底面6の換気孔8に取り付けられた換気扇は、この空間からキャビネット1の内部に空気を吸引し、キャビネット1の内部を通過して内部機器によって温められた空気は天井面5の換気孔7を通じてキャビネット1の外に排出される。吸排気の流れを逆にし、底面6の換気孔8から空気を排出することも可能である。
10はキャビネット1の底面6と床面との間に形成される空間の周囲を閉塞する防音カバーである。この空間は底面6の周囲から床面に鉛直方向に延びる4面により囲まれた直方体状である。この参考形態の防音カバー10は板材をコの字状に屈曲させ、前記空間の3面、すなわち前面と左右側面を閉塞できる構造の一体形成品である。このため空間の後面は、開放されて図3に示す換気用開口部11となる。
防音カバー10の高さは上記空間の高さ、すなわち底面6と床面との距離とほぼ等しくなっており、防音カバー10は底面6と床面との空間に前面側から差し込むように取付けられる。この防音カバー10はキャビネット1に対して着脱自在としておく。キャビネット1への取付け方法は、磁石、両面テープ、ねじ止め等の任意の手段を採用することができる。なお、防音カバー10は自立可能なものとし、その上部がキャビネット1の底部に密着可能であれば、必ずしも固定されていなくてもよい。
図2と図3に、防音カバー10をキャビネット1に取り付けた状態を示す。13は背面板、12は側板、17は扉である。換気扇を回転させると、換気用開口部11から吸引された空気が底面6の換気孔8を通じてキャビネット1の内部に吸引され、キャビネット1の内部を通過して内部機器によって温められた空気は天井面5の換気孔7を通じてキャビネット1の外に排出される。
この換気用開口部11はキャビネット1の底面6と床面との間に形成される空間を囲む1面の全てを開口としているため、通気面積を十分に確保することができる。このため、キャビネット1の熱対策に応じて換気扇の風量を大きくしても、十分な吸気量を確保することができる。また換気扇の風量を大きくしたことによる騒音の増加も、防音カバー10により抑制することができる。
また、キャビネット1はその背面板13が壁面に向くように設置されるのが一般的であるから、換気用開口部11をキャビネットの背面方向に向けておけば、換気扇の騒音が放射される方向は壁面方向のみになり、その他の方向は防音カバー10で閉塞されているので、室内の騒音を低減できる。
また室内のコーナー部にキャビネット1を設置する場合には、キャビネット1の2面が壁面に向くこととなるので、換気用開口部11を2面に形成することができる。
図4は本発明の第の実施形態を示す分解斜視図である。前記した参考形態では、防音カバー10は前記空間の前面と左右側面とを閉塞できるコの字状の一体形成品としたが、第の実施形態では、3辺がそれぞれ伸縮自在となるようなスライド部材を備えたものとなっている。具体的には2つのL字状部材10Aと、それらの短辺間に位置するスライド部材10Bと、それらの長辺側端部に位置するスライド部材10Cとが組み合わされている。このように各辺を伸縮自在な構造としておけば、キャビネット1のサイズ毎にそれぞれ防音カバー10を作成する必要がない。また、キャビネット1の設置位置に応じて、換気用開口部11の位置の調整も容易に行えるようになる。なお図4では防音カバー10をキャビネット1の側板12の方向から挿入している。防音カバー10の構造は実施形態に限定されるものではなく、他の伸縮自在な構造としてもよい。
図5は本発明の第の実施形態を示す分解斜視図である。この実施形態はキャビネット1の構造に特徴があるもので、フレーム構造のキャビネット1の構成部材である側板12、背面板13、天井面5、底面6等とフレームの繋ぎ目に気密性の高いパッキン14を施し、構成部材の繋ぎ目からの騒音の漏れを削減し、防音性を向上させたものである。
また図5に示すようにキャビネット1の換気孔7、8以外の内面に吸音部材15を設ければ、換気扇の音漏れとともに内部の電子機器の騒音を吸音部材15によって吸収し、防音効果を高めることができる。図5の実施形態では吸音部材15は側板12の内面側や天井面5の裏面などに設けられている。しかし必ずしも換気孔7、8以外の全面に吸音部材15を設ける必要はなく、防音効果を高めたい面にのみ設けることもできる。
図6と図7は本発明の第の実施形態を示す斜視図である。この実施形態では、防音カバー10に車輪止め16が形成されている。車輪止め16は防音カバー10の前端部付近の両側にコ字状に形成されており、図7に示すようにキャビネット1の車輪9が嵌り込む構造となっている。このような構造とすれば、キャビネット1の車輪9と防音カバー10との相対位置を決定することができる利点がある。
なお、以上の実施形態ではいずれもキャビネット1を単体として説明したが、キャビネット1は複数連結されたものとしてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、換気用開口部11の開口面積を十分に確保しつつ、換気用開口部11の方向を設置環境に応じて変更することにより、室内の騒音を抑制することが可能となる。
1 キャビネット
2 縦フレーム
3 横フレーム
4 奥行フレーム
5 天井面
6 底面
7 換気孔
8 換気孔
9 車輪
10 防音カバー
10A L字状部材
10B スライド部材
10C スライド部材
11 換気用開口部
12 側板
13 背面板
14 パッキン
15 吸音部材
16 車輪止め
17 扉

Claims (4)

  1. 床面から所定の高さに設置される底面に換気孔が形成され、この換気孔の内側に換気扇が取り付けられたキャビネットと、このキャビネットの底面と床面との間に形成される空間の周囲を閉塞する防音カバーとからなり、この防音カバーは、前記空間の周囲の少なくとも2面を閉塞できる形状の板材と、辺の長さが伸縮自在となるように前記板材と組み合わされるスライド部材とを備え、前記空間の周囲の少なくとも1面を換気用開口部としたことを特徴とするキャビネットの防音構造。
  2. 前記キャビネットは、構成部材の繋ぎ目にパッキンを設けたものであることを特徴とする請求項1に記載のキャビネットの防音構造。
  3. 前記キャビネットは、内面に吸音部材を設けたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のキャビネットの防音構造。
  4. 前記キャビネットは車輪を備えたものであり、前記防音カバーは車輪止めを備えたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャビネットの防音構造。
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