JP6945846B2 - 粉体圧縮成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体を圧縮して医薬品の錠剤、食品、電子部品等を製造するために用いられる粉体圧縮成形機とともに用いられる、臼孔に粉体を充填するための充填装置に関する。
回転盤のテーブルに臼孔を設け、各臼孔の上下に上杵及び下杵をそれぞれ摺動可能に保持させておき、臼孔及び杵をともに水平回転させて、上杵及び下杵の対が上ロール及び下ロールの間を通過する際に臼孔内の粉体を圧縮成形する回転式の粉体圧縮成形機が公知である。
有核錠、即ち原料粉体により構成される層の中に核錠その他の内核や半導体集積回路チップ(電子デバイス、ICタグまたはRFIDタグと呼称されるものであることがある)等を内蔵する錠剤を成形するにあたっては、粉体を充填した臼孔に核となる物を投入し、その後臼孔にさらに追加の粉体を当該物に覆い被せるように充填してから、上杵及び下杵による圧縮打錠を実施する(例えば、下記特許文献1及び2を参照)。
臼孔に粉体を充填するための充填装置には、単純に重力により粉体を臼孔内に落とし入れるオープンフィードシュー(例えば、下記特許文献3を参照)や、内蔵した攪拌羽根を回転させて粉体を攪拌しながら臼孔内に落とし込む攪拌フィードシュー(例えば、下記特許文献4を参照)がある。
特開2002−065812号公報 特開2015−229181号公報 特開2011−255397号公報 特開2015−221458号公報
既に粉体が充填され核が投入されている臼孔に追加の粉体を充填する際、充填装置としてオープンフィードシューを使用すると、必要十分量の粉体が臼孔に入りきらないおそれが生じる。
他方、攪拌フィードシューを使用すると、追加の粉体の充填圧力により臼孔内で核が移動し、核の位置が完成した成形品の中心からずれてしまうことが起こり得る。あるいは、追加の粉体を充填する最中に、臼孔の直上に攪拌羽根が存在する状況で臼孔の底となる下杵を引き下げることによって、臼孔に蓋をして臼孔内を減圧するような状態となり、やはり核が適正な位置からずれる懸念がある。
本発明は、粉体圧縮成形機のテーブルに設けられた臼孔に粉体を充填するときに、既に臼孔内に配置されている物が適正な位置からずれてしまう問題を回避しようとするものである。
本発明では、上下に貫通した臼孔が設けられた運動するテーブルと、前記臼孔の上下に配置される杵及びこれを上下摺動可能に保持する杵保持部と、前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる所定位置に設置され、直下を通過する臼孔に粉体を充填する第一の充填装置と、前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる前記第一の充填装置よりも下流側の所定位置に設置され、直下を通過する前記粉体が充填された臼孔に当該粉体とは別の核となる物を投入する投入装置と、前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる前記投入装置よりも下流側の所定位置に設置され、直下を通過する前記核となる物が投入された臼孔に粉体を充填する第二の充填装置とを具備し、前記第二の充填装置が、臼孔の移動の方向に沿った上流側に粉体を攪拌する攪拌羽根を有さず供給された粉体を臼孔に落とし入れるオープンフィードシュー部を備え、かつ臼孔の移動の方向に沿った下流側に粉体を攪拌する攪拌羽根を有し供給された粉体を攪拌羽根で攪拌しながら臼孔に落とし込む攪拌フィードシュー部を備える粉体圧縮成形機を構成した。
このようなものであれば、臼孔に粉体を充填するに際して、まずオープンフィードシュー部から臼孔に必要量の粉体のうちの一部が注がれ、しかる後に攪拌フィードシュー部から同臼孔に残りの量の粉体が充填されることとなる。オープンフィードシュー部から臼孔に落下する粉体による圧力は、攪拌フィードシュー部からの粉体の充填圧力よりも小さい。故に、オープンフィードシュー部から注入される粉体によって臼孔内に配置された物が適正な位置からずれる可能性は低い。そして、攪拌フィードシュー部から臼孔に粉体が充填されるときには、臼孔内に配置された物がオープンフィードシュー部からの粉体に覆われている。従って、臼孔内に配置された物が適正な位置からずれてしまうことが防止される。
本発明に係る粉体圧縮成形機の第二の充填装置は、特に、粉体を圧縮してなる基体の内に粉体とは別の核を埋設した有核成形品を製造する粉体圧縮成形機において、既に成形品の核となる物が投入されている臼孔に粉体を充填するために用いることができる。また、前記臼孔が前記オープンフィードシュー部の直下に位置している時期に、当該臼孔に挿入している下杵を引き下げるように動作させることも好ましい。
なお、粉体とは、微小個体の集合体であり、いわゆる顆粒などの粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末の集合体とを包含する概念である。粉体の例としては、主薬を含む粉体の他、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、保存剤等を挙げることができる。二種類以上の粉体を混合した粉体も本発明にいう粉体の一種であり、主薬を含む粉体にステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を混交したものもまた粉体に該当する。
本発明によれば、粉体圧縮成形機のテーブルに設けられた臼孔に粉体を充填するときに、既に臼孔内に配置されている物が適正な位置からずれてしまう問題を回避できる。
本発明の一実施形態における回転式粉体圧縮成形機を示す側断面図。 同実施形態の粉体圧縮成形機及び充填装置を示す平面図。 同実施形態の粉体圧縮成形機の円筒図。 同実施形態の粉体圧縮成形機による成形品の成形工程を示す要部拡大断面図。 同実施形態の粉体圧縮成形機による成形品の成形工程を示す要部拡大断面図。 同実施形態の充填装置を示す要部拡大平面図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の回転式粉体圧縮成形機(以下「成形機」という)は、粉体M1、M2を圧縮してなる基体の内に核Kを埋設した有核製品を製造するためのものである。製品が医薬品の錠剤である場合、粉体M1、M2は、有効成分を含む粉体、または有効成分及び賦形剤を含む粉体である。核Kは、原料粉体M1、M2とは異なる有効成分を含んだ核錠(内核)であったり、集積回路チップであったりする。
はじめに、本成形機の全体概要を述べる。図1に示すように、本成形機のフレーム1内には、回転軸となる立シャフト2を設立し、その立シャフト2の上部に接続部21を介して回転盤3を取り付けている。回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転即ち自転する。
回転盤3は、テーブル(臼ディスク)31と、上杵保持部32と、下杵保持部33とからなる。図2に示すように、テーブル31は略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を設けてある。臼孔4は、テーブル31を上下方向に貫通している。テーブル31は、複数のプレートに分割されるものであってもよい。また、テーブル31自体に直接臼孔4を穿ち形成するのではなく、テーブル31とは別体をなしテーブル31に対して着脱可能な複数個の臼をテーブル31に装着し、それら臼の各々に上下方向に貫通した臼孔を穿っている構成をとることもできる。
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能であるように、上杵保持部32と下杵保持部33とで保持させている。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3とともに立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7を取り付けている。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2ひいては回転盤3及び杵5、6を回転駆動する。
図2及び図3に示しているように、上杵5及び下杵6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、上杵5及び下杵6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15が存在する。予圧上ロール12及び本圧上ロール14は、上杵5の頭部51を押圧し、予圧下ロール13及び本圧下ロール15は、下杵6の頭部61を押圧する。そして、予圧上ロール12及び予圧下ロール13並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、臼孔4内に充填された粉体M1、M2を杵先53、63の先端面で上下から圧縮するべく、上杵5及び下杵6を互いに接近させる方向に付勢する。
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な胴部52、62とを有する。回転盤3の上杵保持部32は、上杵5の胴部52を上下に摺動可能に保持し、下杵保持部33は、下杵6の胴部62を上下に摺動可能に保持する。上杵5及び下杵6の頭部51、61はそれぞれ、回転盤3(及び、臼孔4、上杵5、下杵6)の回転方向に沿って延伸するガイドレール19、20と係合する。胴部52、62の先端側即ち頭部51、61と反対側に連なる杵先53、63は、臼孔4内に挿入可能であるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径である。
上杵5及び下杵6は回転盤3とともに公転し、その過程でガイドレール19、20の軌道に沿って上昇し、また下降する。そして、杵5、6の頭部51、61がガイドレール19、20から離脱した後、ロール12、13、14、15が杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。ロール12、14は上杵5を下方に押し下げ、ロール13、15は下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6の頭部51、61上の平坦面に接している間は、杵5、6が臼孔4に充填された粉体M1、M2に対して所要の圧力を加え続ける。
本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3の回転方向に沿って先に進んだ下流の位置には、成形品回収部16が存在する。成形品回収部16には、臼孔4から押し出された成形品を案内するダンパ17を設置している。ダンパ17は、成形品回収位置18側を基端とし、その先端が臼孔4の回転の軌跡よりもテーブル31の中心側にあるように延びている。下杵6により臼孔4から押し出された成形品は、このダンパ17に接触し、成形品回収位置18に向かって移動することとなる。
しかして、図2に示しているように、本成形機においては、臼孔4に粉体M1を充填する第一の充填装置X1、粉体M1が充填された臼孔4に核Kを投入する投入装置Y、粉体M1が充填され核Kが投入された臼孔4にさらに追加の粉体M2を充填する第二の充填装置X2、上述した予圧ロール12、13、本圧ロール14、15、並びに成形品回収部16を、回転盤3の回転方向に沿ってこの順に配置している。なお、図2及び図6において、テーブル31(及び杵保持部32を含む回転盤3並びに杵5、6)は反時計回りに回転する。
第一の充填装置X1及び第二の充填装置X2は、回転するテーブル31の外周部、臼孔4の回転軌道の直上に位置し、その直下を通過する臼孔4に粉体M1、M2を充填する。第一の充填装置X1には、既知のフィードシューを採用することができる。即ち、第一の充填装置X1は、単純に粉体M1を臼孔4内に落とし入れるオープンフィードシューであってもよく、内蔵した攪拌羽根を回転させて粉体M1を攪拌しながら臼孔4内に落とし込む攪拌フィードシューであってもよい。これに対し、第二の充填装置X2は、後述するように、オープンフィードシュー部X21と攪拌フィードシュー部X22とを組み合わせたものである。なお、第一の充填装置X1が充填する粉体M1と、第二の充填装置X2が充填する粉体M2とは、同種のものであることもあれば、別種のものであることもある。
第一の充填装置X1と投入装置Yとの境界部には、第一の充填装置X1から注がれたが臼孔4内に入らずにテーブル31上に残留した粉体M1が投入装置Y側に向かうことを防止するための誘導板X11を設立している。テーブル31上に残留した粉体M1は、誘導板X11に当たって一旦はテーブル31の回転中心に近づく方向に、即ち臼孔4から離れる方向に誘導される。
加えて、第二の充填装置X2の上流側の端部近傍には、テーブル31上に残留した粉体M1を第二の充填装置X2に回収するための誘導板X23を設立している。誘導板X11に当たってテーブル31の回転中心に近づく方向に変位した粉体M1は、テーブル31の回転とともに移動した後誘導板X23に当たり、再度テーブル31の外周に近づく方向に、即ち臼孔4に近づく方向に誘導されて、第二の充填装置X2に開設した回収口Rを通じて第二の充填装置X2内に回収される。最終的に、回収された粉体M1は、第二の充填装置X2において粉体M2とともに臼孔4に充填されることとなる。
第一の充填装置X1の下流かつ第二の充填装置X2の上流に所在する投入装置Yは、回転するテーブル31の外周部、臼孔4の回転軌道の直上に位置し、その直下を通過する臼孔4に成形品の核Kとなる物を投入する既知の装置である。通常、投入装置Yは一つの臼孔4に一個ずつ核Kを投入し、一個の成形品に一個の核Kを内蔵するようにする。但し、複数個の核Kを内蔵した成形品を製造する場合には、一基の投入装置Yから各臼孔4に複数個の核Kを投入するか、各臼孔4に一個の核Kを投入する投入装置Yを回転盤3の回転方向に沿って複数基設置することとなる。
投入装置Yの下流かつ与圧ロール12、13の上流に所在する第二の充填装置X2は、図6に示すように、テーブル31の回転に伴う臼孔4の移動の方向に沿った上流側にオープンフィードシュー部X21を備え、かつ臼孔4の移動の方向に沿った下流側に攪拌フィードシュー部X22を備えている。オープンフィードシュー部X21は、既知のオープンフィードシューと同様、当該充填装置X2に供給される粉体M2を重力により臼孔4内に落とし入れる。これに対し、攪拌フィードシュー部X22は、既知の攪拌フィードシューと同様、その内部に回転する攪拌羽根X221を有しており、当該充填装置X2に供給される粉体M2を攪拌羽根X221で攪拌しながら臼孔4内に向けて圧力を加えながら落とし入れる。
臼孔4に充填するべき粉体M2を第二の充填装置X2に供給するための供給口X20は、当該充填装置X2の筐体の頂壁に開設されている。供給口X20は、オープンフィードシュー部X21に位置してオープンフィードシュー部X21に直接粉体M2を投入するものであってもよく、攪拌フィードシュー部X22に位置して攪拌フィードシュー部X22に直接粉体M2を投入するものであってもよく、あるいは、オープンフィードシュー部X21と攪拌フィードシュー部X22の中間の部位に位置して当該部位に直接粉体M2を投入するものであってもよい。一基の充填装置X2に供給口X20が二箇所以上開設されてもよく、その場合にはオープンフィードシュー部X21側と攪拌フィードシュー部X22側とにそれぞれ供給口X20が設けられることが好ましい。第二の充填装置X2への粉体の供給には、供給口X20に管路を介して接続される図示しないバッファタンクを用いる。
本成形機を用いた成形品の製造の工程は、以下のようになる。まず、図4(I)に示すように、第一の充填装置X1がその近傍を通過する臼孔4に粉体M1を充填する。なお、粉体M1の充填に先んじて、滑沢剤を噴射する図示しない噴射装置が、臼孔4の内周面、臼孔4に挿入されている下杵6の杵先63の上面、及び臼孔4の上方に控えている上杵5の杵先53の下面に、滑沢剤を吹き付けて塗布することがある。
次に、図4(II)に示すように、投入装置Yがその近傍を通過する臼孔4に核Kとなる投入物を投入する。
そして、図5(III)に示すように、粉体M1が充填されかつ核Kが投入された臼孔4が第二の充填装置X2の近傍を通過するときに、第二の充填装置X2が当該臼孔4に追加の粉体M2を充填する。
しかる後、図5(IV)に示すように、上杵5及び下杵6が予圧ロール12、13に押圧されて臼孔4内の粉体M1、M2を予圧縮し、さらに本圧ロール14、15に押圧されて臼孔4内の粉体M1、M2を本圧縮する。結果、粉体M1、M2を圧縮してなる、核Kを包含した成形品が完成する。
本実施形態では、上下に貫通した臼孔4が設けられたテーブル31及び臼孔4の上下に配置される杵5、6を上下摺動可能に保持する杵保持部32を有している回転盤3と、テーブル31の直上かつ臼孔4の回転軌道と重なる所定位置に設置され臼孔4内に粉体M1を充填する第一の充填装置X1と、テーブル31の直上かつ臼孔4の回転軌道と重なる第一の充填装置X1よりも下流側の位置に設置され臼孔4内に粉体M1、M2とは別の核Kを投入する投入装置Yと、テーブル31の直上かつ臼孔4の回転軌道と重なる投入装置Yよりも下流側の位置に設置され臼孔4内に粉体M2を充填する第二の充填装置X2とを具備する粉体圧縮成形機を構成した。
充填装置X2は、運動するテーブル31に設けられた臼孔4に充填される粉体M2を当該臼孔4の上下に配置される杵5、6により圧縮して成形品を成形する粉体圧縮成形機とともに用いられる、テーブル31の直上かつ臼孔4の移動の軌跡と重なる所定位置に設置されて直下を通過する臼孔4に粉体M2を充填するためのものであって、臼孔4の移動の方向に沿った上流側に粉体M2を攪拌する攪拌羽根を有さず供給された粉体M2を臼孔4に落とし入れるオープンフィードシュー部X21を備え、かつ臼孔4の移動の方向に沿った下流側に粉体M2を攪拌する攪拌羽根X221を有し供給された粉体M2を攪拌羽根X221で攪拌しながら臼孔4に落とし込む攪拌フィードシュー部X22を備えている。
本実施形態によれば、臼孔4に追加の粉体M2を充填するに際して、まずオープンフィードシュー部X21から臼孔4に必要量の粉体M2のうちの一部が注がれ、しかる後に攪拌フィードシュー部X22から同臼孔4に残りの量の粉体M2が充填されることとなる。オープンフィードシュー部X21から臼孔4に落下する粉体M2による圧力は、攪拌フィードシュー部X22からの粉体M2の充填圧力よりも小さい。故に、オープンフィードシュー部X21から注入される粉体M2によって、臼孔4内に配置された核Kとなる投入物が適正な位置からずれる可能性は低い。加えて、オープンフィードシュー部X21から注入される粉体M2によって、既に臼孔4内に充填されている(即ち、成形品の下層を構成する)粉体M1の上表面(即ち、成形品の上層を構成する粉体M2との界面)が荒らされてしまうことも抑えられる。
そして、攪拌フィードシュー部X22から臼孔4に粉体M2が充填されるときには、臼孔4内に配置された核Kがオープンフィードシュー部X21からの粉体M2に覆われている。従って、臼孔4内に配置された核Kが適正な位置からずれてしまうことが抑止される。
さらに、オープンフィードシュー部X21においては、その直下を通過する臼孔4の直上に攪拌羽根が存在しておらず、当該臼孔4が攪拌羽根によって上方から塞がれてしまうこともない。臼孔4がオープンフィードシュー部X21の直下に位置している時期に、当該臼孔4に挿入している(その杵先63の上面が当該臼孔4の底となる)下杵6をガイドレール20によって引き下げるように動作させれば、臼孔4内を減圧するような状態を招くことがなく、核Kが適正な位置から変位してしまうことを回避できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、充填装置X2の攪拌フィードシュー部X22が包有する攪拌羽根X221の数は、一個でも複数個でもよい。
また、粉体圧縮成形機における投入装置Yと第二の充填装置Xとの間(投入装置Yの下流側かつ第二の充填装置X2の上流側)、テーブル31の直上かつ臼孔4の回転軌道と重なる位置に、粉体M1及び核Kが投入された後の臼孔4に上杵5が挿入される前に核Kと接触して当該核Kを押さえる押さえ部材Zを設置することも考えられる。押さえ部材Zは、上杵5とは別体をなし、臼孔4に投入された核Kを同臼孔4内の粉体M1に向けて押し込む役割を担う。
粉体圧縮成形機に押さえ部材Zを設けていれば、追加の粉体M2の充填時に、その粉体M2の圧力により核Kが適正な位置からずれることが確実に阻止される。また、投入装置Y自体に核Kを粉体M1に向けて押し込む機構を組み込む必要がなく、投入装置Yの複雑化及びコストの騰貴を招くことがない。加えて、上杵5を臼孔4に挿入して核Kを粉体M1に向けて押し込む仮圧縮を行わずに済むため、回転盤3の回転速度を高速化することが許容され、単位時間内により多くの数量の成形品を製造することが可能となる。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形ができる。
本発明は、粉体を圧縮して医薬品の錠剤等を製造するための圧縮成形機に適用できる。
3…回転盤
31…テーブル
32…杵保持部
4…臼孔
5…上杵
6…下杵
K…核
M1、M2…粉体
X1…第一の充填装置
X2…第二の充填装置
X21…オープンフィードシュー部
X22…攪拌フィードシュー部
Y…投入装置

Claims (2)

  1. 上下に貫通した臼孔が設けられた運動するテーブルと、
    前記臼孔の上下に配置される杵及びこれを上下摺動可能に保持する杵保持部と、
    前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる所定位置に設置され、直下を通過する臼孔に粉体を充填する第一の充填装置と、
    前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる前記第一の充填装置よりも下流側の所定位置に設置され、直下を通過する前記粉体が充填された臼孔に当該粉体とは別の核となる物を投入する投入装置と、
    前記テーブルの直上かつ前記臼孔の移動の軌跡と重なる前記投入装置よりも下流側の所定位置に設置され、直下を通過する前記核となる物が投入された臼孔に粉体を充填する第二の充填装置とを具備し、
    前記第二の充填装置が、臼孔の移動の方向に沿った上流側に粉体を攪拌する攪拌羽根を有さず供給された粉体を臼孔に落とし入れるオープンフィードシュー部を備え、かつ臼孔の移動の方向に沿った下流側に粉体を攪拌する攪拌羽根を有し供給された粉体を攪拌羽根で攪拌しながら臼孔に落とし込む攪拌フィードシュー部を備える粉体圧縮成形機
  2. 前記臼孔が前記オープンフィードシュー部の直下に位置している時期に、当該臼孔に挿入している下杵を引き下げるように動作させる請求項1記載の粉体圧縮成形機
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