JP6945424B2 - 導電性炭素皮膜の形成方法 - Google Patents

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本発明は、例えば燃料電池のセパレータとして用いられるステンレス板の表面に導電性炭素皮膜を形成する方法に関する。
固体高分子型燃料電池は、燃料極と空気極の間に水素イオンを選択的に通す個体高分子を配置し、燃料極と空気極の外側にセパレータを配置している。このセパレータは水素と酸素の通路を形成するだけでなく、集電板として機能するように表面に導電性皮膜を形成している。
本発明者は、実用的で高性能な燃料電池のセパレータとして、特許文献1に、ステンレス鋼板に実測加工率9.0%以上且つ78.5%以下の冷間圧延処理を施し、オーステナイト組織の一部を応力誘起マルテンサイト組織に変態させ、次いで前処理として表面を研磨した後に洗浄し、更にArガスを用いたエッチングを行い、この後、プラズマCVD法によって緻密で欠陥が極めて少ない導電性に優れた炭素皮膜の形成方法を提案している。
特許文献2には、電着性を有する樹脂中に導電性材料を分散させた電着液を用いて金属基体上に電着させて樹脂層を形成し、この樹脂層に炭化処理を施して炭素リッチの保護層を形成すること(請求項6)、エポキシ電着液に導電性材料としてのカーボンブラックを樹脂固形分に対して75重量%添加すること(段落0029)、導電性材料としてナノカーボンが考えられること(段落0016)、樹脂層に施す炭化処理は、樹脂層の材料の5%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)℃〜500℃で行うこと(段落0014)、焼成温度が500℃を超えると、保護層の材料が脆くなったり、材料痩せや金属基体の焼きなまし(軟化)が生じるので好ましくないこと(段落0019)が記載されている。
特許文献3は電着塗装ではなく、刷毛塗りやディッピングなどの一般的な塗工方法で導電性塗料を金属表面に塗布し、これを乾燥後に非酸化雰囲気で550〜850℃で熱処理すること(請求項4)、導電材料としての炭素系材料の比率は2〜30質量%であること(段落0058)が記載されている。
特許文献4にも特許文献2と同様に基材表面にカチオン電着塗装によって炭素含有樹脂膜を形成すること(段落0039,0040)、樹脂膜を200〜800℃で炭化させること(段落0049)が記載されている。
特許文献5〜7には、多孔質炭素皮膜の形成方法として、樹脂溶液を基板表面に塗布し、乾燥させて皮膜を形成し、この皮膜を焼成して炭素化することで、基板表面に炭素膜を形成することが開示されている。
特許文献8には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂に、四塩化炭素などのハロゲン化炭素化合物を混合して加熱(400℃程度)することで樹脂を炭素化することが開示されている。
特許第5638231号公報 特開2008−41269号公報 特開2013−222617号公報 特開2009−134910号公報 特開2002−141069号公報 特開2007−269575号公報 特開2009−107898号公報 特許第1374255号公報
燃料電池のスタックにあっては、セルを構成するセパレータに集電体としての機能を持たせている。集電体として要求される特性はガス不透過性と電子導電性であり、先に挙げた特許文献1〜8のセパレータは、これらの特性は有するものの金属製のセパレータの場合、導電性不足やクラックの発生などの耐食性に劣る問題がある。
具体的には、特許文献1に提案した方法によれば、緻密で欠陥の極めて少ない炭素薄膜を形成することができる。しかしながら、CVDによって炭素薄膜を形成するため、処理環境が複雑で反応性も高くないことから、低価格化に問題がある。
特許文献2では、カーボンブラックの量を75重量%以上としているが、これではカーボンの量が多すぎて膜にクラックが発生してしまう。逆にカーボンの量を少なくすると、導電性が悪くなってしまう。特に特許文献2で記載している焼成温度は500℃以下であるが、この温度では強固な膜を形成することはできない。
特許文献3に開示される刷毛塗りやディッピングで導電性樹脂膜を形成し、これを焼成すると、膜厚の均一性が確保できず、塗膜に発生するピンホール(特に膜厚が薄い箇所では基板表面にまで到達してしまう微小欠陥)を皆無にすることができない。また、カーボンナノチューブなどのナノカーボンを塗料中に均一に混合して刷毛塗りやディッピングを行うことは極めて困難であり、特許文献3の技術をそのままナノカーボンを材料とした電着塗装に転用することはできない。
特許文献4にはカチオン電着塗装で炭素含有樹脂皮膜を形成し、この樹脂皮膜を200〜800℃で炭化させることが記載されているが、どのような炭素を用い、どのような割合で樹脂に添加するかについては何ら記載されていない。
また特許文献5〜7に開示される方法で形成された炭素被膜(導電被膜)も、ポアが存在し緻密性がない。更に特許文献8に開示される方法で作成した炭素被膜は導電性が悪い(貫通抵抗値が大きい)という問題がある。
炭素成分を含有する樹脂膜を焼成(例えば450℃)する場合、樹脂は96%収縮し、添加したカーボンブラックなどの炭素は収縮しない。したがって炭素成分の添加割合が多い場合には、炭素成分がそのままの大きさで残るため、膜にクラックなどが発生しやすくなり、耐久性に劣ることになる。逆に炭素成分の添加量を減らすと膜の強度は高くなるが、十分な導電性を得ることができない。
上記のトレードオフをいずれの特許文献も開示していない。例えば、特許文献2には炭素成分の例としてナノカーボンが記載されているが、このナノカーボンの添加量については何ら記載されていない。仮に実施例に記載されたように75重量%以上のナノカーボンを添加した場合には、焼成後の被膜の強度が不十分になる。また、特許文献4には炭素の添加量として2〜30質量%が記載されており、仮に下限値を採用した場合には、比較的少ない添加量と言えるが、そもそも特許文献4は刷毛塗りやディッピングを前提としており、電着塗装と全く塗工方法が異なり、特許文献4の条件を電着塗装の条件に転用することはできず、更にナノカーボンを添加した樹脂塗料を刷毛塗りやディッピングすること自体想定外である。
本発明者らは、炭素成分をカーボンナノチューブ、カーボンナノシートやグラフェンなどのナノカーボンとして添加量を少なくすれば、焼成により樹脂成分が大幅に収縮しても樹脂成分を分離(クラックの原因)することなく、しかもナノカーボンであれば樹脂成分間に連続した状態で残るため、導電性も確保できるとの知見を得た。
本発明は上記の知見に基づきなされたものである。即ち、本発明に係る導電性炭素被膜の形成方法は、ステンレス鋼板の表面に電着塗装によって樹脂被膜を形成し、この樹脂被膜を乾燥させた後に焼成して炭素被膜とするにあたり、前記電着塗装の樹脂材料には0.1wt%以上1.9wt%以下のナノカーボンを混合し、且つ焼成温度を500℃〜800℃とした。
前記ナノカーボンとしては、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノシートなどが考えられる。
カーボンの添加量自体を少なくすること及びカーボンとして微細なナノカーボンを選定することで、焼成によって樹脂分が収縮しても間に残ったカーボン成分がクラックの起点になることはなく、しかもナノカーボン同士が連続するため導電性も高くなる。ナノカーボンを混合した樹脂にはナノカーボンと複化された樹脂も含まれる。
前記樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、ポリブタジエン系、エポキシーポリアミド系などのカチオン樹脂、これらカチオン樹脂に塩化物等のハロゲン化物元素を導入して、焼成時に脱ハロゲン化水素を容易にすることで炭素−炭素二重結合の形成を容易にした樹脂、またはガラス転移温度を低下させることで低温焼成を可能にした樹脂が挙げられる。
また、焼成温度を500℃〜800℃としたのは、500℃未満の場合には焼成不十分で導電性が劣り、800℃を越える温度で焼成しても生成皮膜と基板との密着性能が低下するためである。
本発明によれば、樹脂材料に混合する炭素成分をナノカーボンとし、且つナノカーボンの混合割合(添加量)を0.1wt%以上1.9wt%以下としたことにより、焼成後にステンレス基板の表面に形成される炭素膜の導電性が高まり且つポアなどの欠陥のない炭素膜を形成することができる。
自動車などに積載可能な小型で軽量な燃料電池に用いられる金属材料を用いたセパレータとしては表面処理を施さない金属セパレータは存在しない。現在用いられている金属セパレータとしてはチタン基板上に炭素被覆したもの(例えばトヨタMIRAIに用いられている)やステンレス基板に金などの貴金属めっきを施したものなどが実用化されているが、製造時における作業行程が複雑なため低価格化は困難である。従って、表面処理工程の簡素化・簡略化によって耐食性と高導電性を併せ持つ炭素被覆ステンレス鋼セパレータの製造が可能となるならばによるコストと性能の両面で炭素被覆ステンレス鋼に比肩するものはない。本発明を実施することで大幅な価格低下が可能となる。また、性能的には据置用炭素セパレータと同等のものを製造することができる。
本発明に係る導電性炭素皮膜の形成方法を適用したステンレス(鋼)板をセパレータとして用いた燃料電池のセルとスタックの斜視図 カーボンを添加しないアクリル樹脂単独皮膜の焼成温度と貫通抵抗(mΩ)の関係を示すグラフ。 カーボンブラックを1wt%添加したアクリル樹脂塗料(実験例1)の焼成温度と貫通抵抗(mΩ)との関係を示すグラフ。 アクリル樹脂にアセチレンブラックを種々の方法で混合した皮膜を焼成温度600℃で形成した皮膜のアセチレンブラックの添加量と貫通抵抗(mΩ)との関係を示すグラフ。 アクリル樹脂(FEM6722)(ナノカーボンの添加量は0%)についての焼成温度と貫通抵抗(mΩ)との関係を示すグラフ。 未被覆ステンレス鋼及び各種の方法で炭素被覆したステンレス鋼の分極曲線を示す図 本発明方法によって作成したセパレータと、炭素素材からなるセパレータとステンレス(鋼板)からなるセパレータの発電特性を比較したグラフ 炭素膜の貫通抵抗とナノカーボン添加量との関係を示すグラフ 腐食電流及び浸漬電位とナノカーボン添加量との関係を示すグラフ
燃料電池のセルは図1の右側に示すように、陰極(燃料極)と陽極(空気極)の対向面間に触媒層を介して高分子電解質膜が配置される。高分子電解質膜としては水素イオンを選択的に透過させる物質、例えばスルホン酸基を有するフッ素ポリマーなどが挙げられる。
陰極及び陽極の外側にはセパレータが設けられ、セパレータと陰極との間に水素の通路が形成され、またセパレータと陽極との間には空気(酸素)の通路が形成される。
陰極とその外側のセパレータ間に水素を供給し、陽極とその外側のセパレータ間に空気(酸素)を供給する。供給された水素は陰極の触媒において電子と水素イオンに分かれ、水素イオンは高分子電解質膜内を通って陽極に至り、陽極とセパレータ間に供給された酸素と反応して水になり、電子は陽極に流れて電気を発生する。
前記セルを直列に接続して図1の左側に示すスタックが構成される。このスタックにおいて前記セパレータは集電板としても機能するように、表面に導電性に優れた炭素皮膜が形成されていることが好ましい。
参考実験例1
以下の条件で炭素皮膜を形成した。
塗料:アクリル樹脂(製品名:パワーニックス)を99wt%、カーボンブラックを1wt%としたペーストを調製した。
電着条件:浴温30℃で200Vまで昇圧し180秒保持した。
焼付け条件:電着後の皮膜を純水で洗浄した後、30分で120℃まで昇温し、1時間保持した後、30分で170℃まで昇温し、1時間保持した。
焼成条件:180分で、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃まで昇温し、2時間保持した。
参考実験例1と同一条件で、カーボンブラックを添加しないアクリル樹脂単独皮膜を形成した。
図2はアクリル樹脂単独皮膜の焼成温度と貫通抵抗(mΩ)の関係を示すグラフで、図3はカーボンブラックを添加した参考実験例1の焼成温度と貫通抵抗(mΩ)の関係を示すグラフである。これらのグラフを比較すると、特に低い焼成温度と言える500℃付近において、炭素添加被膜の抵抗が小さくなっていることが分かる。
また、図3からは処理温度(炭素化温度)が400℃以下になると、抵抗値が極端に高くなり、導電性を示さなくなることがわかる。但し、この結果はカーボンブラックについてのものであり、カーボンブラックよりも導電性のよいカーボンナノチューブ、グラフェンまたはアセチレンブラックを添加した場合には400℃でも導電性を示す可能性がある。
図4は上記参考実験例1の条件のうち、処理温度を600℃に固定し、アセチレンブラックの添加量を変化させたものであり、この図4からアセチレンブラックの添加量は1.0wt%以上10.0wt%以下であれば好ましい抵抗値が得られることが分かる。添加量が1.0wt%未満の場合は炭素皮膜の導電性に改善は認められず、また10.0wt%を超えると、焼成後の炭素皮膜の基板との密着性が悪くなり剥離(表面に粉末)が生じてしまう。この添加量については他のカーボンも同じ傾向を示した。
参考実験例2
以下の条件で炭素皮膜を形成した。
塗料:アクリル樹脂(製品名:FEM6722)を100wt%としたペーストを調製した。
電着条件:浴温30℃で200Vまで昇圧し180秒保持した。
焼付け条件:電着後の皮膜を純水で洗浄した後、30分で120℃まで昇温し、1時間保持した後、30分で170℃まで昇温し、1時間保持した。
焼成条件:180分で、500℃、600℃、700℃、800℃まで昇温し、2時間保持し、膜厚40μmの炭素皮膜を得た。
上記によって形成された炭素皮膜の貫通抵抗(mΩ)を図5で示した。
図5から焼成温度(処理温度)が高くなるほど、貫通抵抗値が大幅に低下することが分かる。
先に示したアクリル樹脂とここに示したアクリル樹脂は構造(Tgを低下させたもの)が変わっている。
高温焼成(700℃以上)では焼成後皮膜の表面粗さが増加し、付着性が低下すると思われる。これは分極曲線の結果(曲線E)からも推定できる。また、低温(600℃以下)での抵抗値が他の皮膜と比較し小さいことが分かる。
図6の分極曲線から、種々の条件で作成した炭素被覆ステンレス鋼の耐食性に関し言えることは、未処理材と比較して全ての被覆材料の腐食電位は貴にシフト(0V付近から0.4〜0.7Vにシフト)すること、腐食電位から1V付近までのアノード電流は概ね10mA/cm2以下を示すことから、金属セパレータに要求される基準値を満足していることが分かる。また、焼成温度は他と異なるが、最も有効な処理法はアクリル樹脂+0.5%AB(アセチレンブラック)である。
図7は、参考実施例1で作成した皮膜を形成したセパレータと、従来のステンレスのみからなるセパレータ及び高価ではあるが高性能の炭素セパレータとを比較したグラフである。
このグラフからも明らかなように、参考実験例のセパレータは炭素セパレータとほぼ同等の性能を発揮している。
アクリル樹脂及びエポキシ樹脂の他に、ポリブタジエン系、エポキシーポリアミド系等のカチオン樹脂、これらカチオン樹脂に塩化物等のハロゲン化物元素を導入して脱ハロゲン化水素を容易にすることで炭素−炭素共役二重結合の形成を容易にした樹脂、またはガラス転移温度を低下させることで低温焼成を可能にした樹脂も、ナノカーボンを混合する樹脂として用いることができる。
実験例1
以下の条件で炭素皮膜を形成した。
塗料:アクリル樹脂(製品名:パワーニックス)に対し、ナノカーボン(カーボンナノチューブ)0.1、1.0、1.5及び2.0wt%添加してペーストを調製した。
電着条件:浴温30℃で80Vまで昇圧し120秒保持した。
焼付け条件:電着後の皮膜を純水で洗浄した後、30分で120℃まで昇温し、1時間保持した後、30分で170℃まで昇温し、1時間保持した。
焼成条件:180分で600℃まで昇温して2時間保持し、炭素皮膜を形成した。
形成した炭素被膜の貫通抵抗(mΩ)とナノカーボンの添加量との関係を図8に示す。
図8から、ナノカーボンの添加量が0.1wt%では貫通抵抗(mΩ)が約10mΩで添加量が1.0wt%では抵抗値は約5mΩと変化しないことが分かる。
したがって、ナノカーボンの添加量が0.1wt%以上が好ましい。
実験例2
以下の条件で炭素皮膜を形成した。
塗料:アクリル樹脂(製品名:パワーニックス)に対し、ナノカーボン(カーボンナノチューブ)0.1、1.0、1.5及び2.0wt%添加してペーストを調製した。
電着条件:浴温30℃で80Vまで昇圧し120秒保持した。
焼付け条件:電着後の皮膜を純水で洗浄した後、30分で120℃まで昇温し、1時間保持した後、30分で170℃まで昇温し、1時間保持した。
焼成条件:180分で600℃まで昇温して2時間保持し、炭素皮膜を形成した。
形成した炭素被膜の腐食電流(μA/cm2)及び浸漬電位(V)とナノカーボンの添加量との関係を図9に示す。
図9から、+1.0V(vs.SHE)印加時の腐食電流は10μA/cm2以下が求められており、低い値が求められており、低いナノカーボン添加量で利用することが望ましい。また、腐食反応の起点となる浸漬電位は、発電時の電位を考慮すると5.5V以上であることが望ましく、ナノカーボンの添加量が2.0wt%のとき、著しく低下したため、添加量の上限を1.9wt%とすべきことが分かった。
本発明に係る製法で製造された導電性炭素皮膜を備える基板は、自動車用燃料電池に限らず、災害用補助電源、ショッピングセンター等のオンサイト用電源、ホビーや家庭用の電源、定置用燃料電池発電所などに組み込むことが可能である。

Claims (2)

  1. ステンレス鋼板の表面に電着塗装によって樹脂被膜を形成し、この樹脂被膜を洗浄した後に焼付けて乾燥させた後に焼成して炭素被膜とする導電性炭素皮膜の形成方法において、前記焼付けは2段階に分けて行ない、また前記電着塗装の樹脂材料には0.1wt%以上1.9wt%以下のナノカーボンが混合され、前記焼成は500℃〜800℃とすることを特徴とする導電性炭素皮膜の形成方法。
  2. 請求項1に記載の導電性炭素皮膜の形成方法において、前記焼付けは30分で120℃まで昇温し、1時間保持した後に30分で170℃まで昇温することを特徴とする導電性炭素被膜の形成方法。
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