JP6945302B2 - ガラス付建具 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスパネルとガラスパネルの下辺を支持する下方フレームとを備えたガラス付建具のうち、下方フレームが、室外側フレームと室内側フレームとを断熱材により連結した構造を有する、断熱用のガラス付建具の改良に関する。
建物躯体の開口部には、採光や換気等を目的として、窓装置を設ける事が行われている。この様な窓装置を構成する窓枠の枠材や窓障子用の框材は、一般的にアルミニウム合金から造られている。但し、アルミニウム合金は熱伝導率が高い為、枠材や框材の室内側部分の表面の温度は外気の温度に近くなり、そのままでは室内の冷暖房効果を損なう可能性があるだけでなく、冬期に結露が生じて、床やカーテン等を汚損する可能性がある。
この様な事情に鑑みて、例えば特許文献1には、枠材や框材を、アルミニウム合金製の室外側フレームと合成樹脂製の室内側フレームとを連結する事により構成する構造が開示されている。この様な従来構造の第1例の場合、室内側フレームを構成する合成樹脂の熱伝導率が低い為、室内側フレームの温度を、外気の温度に拘らず一定に保ち易くする事ができる。この為、室内の冷暖房効果を向上させられると共に、結露の発生を防止できる。但し、この様な従来構造の第1例の場合、枠材や框材全体をアルミニウム合金製とした場合に比べて、耐久性や耐候性が低くなる。又、例えば窓装置の組み付け作業時には、溶接による火花の影響や傷などの配慮も必要になる。
この様な事情に鑑みて、例えば特許文献2には、枠材や框材を、アルミニウム合金製の室外側フレーム及び室内側フレームと、これら室外側フレームと室内側フレームとを連結する合成樹脂製の断熱材とから構成する構造が開示されている。この様な従来構造の第2例の場合、室外側フレームと室内側フレームとの間には、熱伝導率が低い合成樹脂製の断熱材が存在する為、これら室外側、室内側両フレーム同士の間での熱伝達量が少なくなる。この為、室内側フレームの温度を、外気の温度に拘らず一定に保ち易くする事ができる。従って、室内の冷暖房効果を向上させられると共に、結露の発生を防止できる。又、室内側フレームを合成樹脂製とした場合に比べて、耐久性及び耐候性の向上を図れる。更に、窓装置の組み付け作業時に於いても、溶接による火花の影響や傷などの配慮も軽減される。
特開平10−184199号公報 特開平10−196228号公報
ところが、上述した様な従来構造の第2例の場合、次の様な問題を生じる可能性がある。
例えば窓障子を構成する下框を、それぞれがアルミニウム合金製の室外側フレーム及び室内側フレームと、これら室外側フレームと室内側フレーム同士を連結する合成樹脂製の断熱材とから構成した場合、断熱性能の向上を図るべく、断熱材をガラスパネルの下方に位置させると、ガラスパネルの重量の一部を断熱材によって支承しなければならなくなる。この結果、長期間に亙る使用により、断熱材に変形が生じて、下框に歪みが生じる等の問題を生じる可能性がある。
本発明は、上述した様な事情に鑑み、下方フレームに歪み等の変形が生じる事を防止できる、ガラス付建具の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のガラス付建具は、ガラスパネルと、このガラスパネルの下辺を支持する下方フレームとを備える。
このうちの下方フレームは、例えばそれぞれがアルミニウム合金製の室外側フレームと室内側フレームとを、例えばポリアミド6(ナイロン6)などの合成樹脂製で帯状(板状)の断熱材を介して連結する事により構成されている。又、前記下方フレームのうちで、前記ガラスパネルの下辺が挿入されるガラス溝の底部の一部を、前記断熱材により構成している。
特に本発明の場合には、前記ガラス溝の底部を構成する前記断熱材の下方で、且つ、前記室外側フレームと前記室内側フレームとの間部分に、前記室外側フレームと前記室内側フレームとのうちの何れか一方に支持された状態で、例えば金属製の補強部材を配置している。
そして、この補強部材により、前記ガラス溝の底部を構成する前記断熱材の下面を支承している。
本発明では、前記補強部材を、前記断熱材を前記補強部材に対して結合する結合部材の一部を除いて、内側に何も配置されていない中空状に構成している。また、前記補強部材を、前記室外側フレームの室内側面と前記室内側フレームの室外側面とのうちの何れか一方の側面に開口した、例えばあり溝状の係合溝内に、前記補強部材に設けられた係合突条を係合させる事により、この補強部材を前記室外側フレームと前記室内側フレームとのうちの何れか一方に支持している。
本発明を実施する場合、例えば、前記室外側フレーム及び前記室内側フレームを、アルミニウム合金製とする事ができる。アルミニウム合金としては、例えば、A6063S−T5材(JIS H 4100)、即ち、0.20〜0.6重量%のSiと、0.35重量%以下のFeと、0.10重量%以下のCuと、0.10重量%以下のMnと、0.45〜0.9重量%のMgと、0.10重量%以下のCrと、0.10重量%以下のZnと、0.10重量%以下のTiと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残りをAlとしたものを、好ましく使用できる。
又、本発明を実施する場合には、前記下方フレームを、窓障子(可動障子又は固定障子)の下辺を構成する下框とする事ができる。尚、この場合には、本発明のガラス付建具は、窓障子(ガラス障子)となる。
或いは、本発明を実施する場合には、前記下方フレームを、窓枠の下辺を構成する下枠とする事もできる。尚、この場合には、ガラスパネルの下辺を下枠により直接支持する構造となる為、本発明のガラス付建具は、窓装置となる。
又、本発明を実施する場合には、前記ガラスパネルを、セッティングブロックを介して、前記ガラス溝の底部に載置する事ができる。
上述の様な構成を有する本発明によれば、断熱材に加わるガラスパネルの重量を、補強部材を介して、下方フレームを構成する室外側フレームと室内側フレームとのうちの何れかのフレームに支承させる事ができる。この為、断熱材の変形を防止でき、下方フレームに歪み等の変形が生じる事を防止できる。
本発明の実施の形態の1例に係る窓装置を建造物の室内側から見た正面図。 同じく図1のA−A断面図。 同じく図1のB−B断面図。 同じく図1のC−C断面図。 同じく可動側上枠及び固定側上枠と中間方立との連結部を上方から見た図。 同じく図5のE−E断面図。 同じく図5のF−F断面図。 同じく図5のG−G断面図。 同じく可動側上枠及び固定側上枠と中間方立との連結部を上方から見た状態で示す模式図。 同じく可動側下枠及び固定側下枠と中間方立との連結部を上方から見た図。 同じく図10のH−H断面図。 同じく図10のI−I断面図。 同じく可動側下枠と中間方立と連結部を上方から見た状態で示す模式図。 同じく下框に設けられたセッティングブロックを上方から見た図。
[実施の形態の1例]
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜14を参照しつつ説明する。本例は、外動片引き式の窓装置1に、本発明を適用した場合に就いて示している。窓装置1は、矩形枠状の窓枠2と、窓枠2の内側に面内方向(窓枠2の幅方向、水平方向)に関する移動可能に建て込まれた可動障子である外障子3と、窓枠2の内側に面内方向に関する移動不能に固定された固定障子である内障子4とを備えている。
窓枠2は、面内方向に配置されて上辺を構成する上枠5と、同じく面内方向に配置されて下辺を構成する下枠6と、鉛直方向に配置されて左右の縦辺を構成する1対の竪枠7a、7bと、面内方向中央部に鉛直方向に配置された中間方立8とを備えている。そして、上枠5及び下枠6の面内方向両端部と1対の竪枠7a、7bの上下方向両端部とを、それぞれタッピングねじ等を用いて連結する事により、窓枠2を矩形枠(角部が直角状である四角枠)状に構成している。
本例の窓装置1の場合には、外障子3が閉鎖状態で位置する面内方向に関する片側部分(図1、2の左側半部、可動側部分)と、内障子4が位置する面内方向に関する他側部分(図1、2の右側半部、固定側部分)との、それぞれの断熱性能を確保すべく、窓枠2のうち、面外方向に関して外障子3及び内障子4とそれぞれ整合する部分(外障子3及び内障子4のそれぞれの周囲)に、複数の断熱材9a〜9gにより構成された断熱ライン10、11を設けている。
そして、上述の様な断熱ライン10、11を設ける為に、窓枠2を構成する上枠5及び下枠6のそれぞれを、面内方向に関して2分割構造としている。具体的には、上枠5を、面内方向に関して中間方立8を挟んで両側に配置された、それぞれの断面形状が異なる可動側上枠12及び固定側上枠13から構成している。このうちの可動側上枠12は、閉鎖状態での外障子3の上方に位置しており、固定側上枠13は、内障子4の上方に位置している。同様に、下枠6を、面内方向に関して中間方立8を挟んで両側に配置された、それぞれの断面形状が異なる可動側下枠14及び固定側下枠15から構成している。このうちの可動側下枠14は、閉鎖状態での外障子3の下方に位置しており、固定側下枠15は、内障子4の下方に位置している。
更に、上枠5を構成する可動側上枠12及び固定側上枠13、下枠6を構成する可動側下枠14及び固定側下枠15、竪枠7a、7b、並びに、中間方立8のそれぞれを、アルミニウム合金製の室外側フレーム(室外側枠材)及び室内側フレーム(室内側枠材)を、合成樹脂製の断熱材によって面外方向に連結した連結構造としている。
尚、アルミニウム合金としては、例えば、A6063S−T5材(JIS H 4100)、即ち、0.20〜0.6重量%のSiと、0.35重量%以下のFeと、0.10重量%以下のCuと、0.10重量%以下のMnと、0.45〜0.9重量%のMgと、0.10重量%以下のCrと、0.10重量%以下のZnと、0.10重量%以下のTiと、個々が0.05重量%以下で合計が0.15重量%以下の不可避不純物とを含み、残りをAlとしたものを、好ましく使用できる。又、断熱材9を構成する合成樹脂としては、ポリアミド6(ナイロン6)や、これにガラス繊維を含有したものなどを利用できる。
次に、窓枠2を構成する枠材毎に、構造を具体的に説明する。
[上枠5の構造]
上枠5を構成する可動側上枠12は、面内方向に関して中間方立8の片側(図1、2の左側、可動側部分)に配置されており、図3に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された可動側室外上枠16及び室内側に配置された可動側室内上枠17を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状(板状)の1対の断熱材9a、9aにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する可動側室外上枠16の室内側面と可動側室内上枠17の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝18a、18bを形成している。そして、断熱材9a、9aのそれぞれの幅方向(面外方向)両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝18a、18b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝18a、18bの上下方向幅を縮める(かしめる、断熱材9a、9aの幅方向両端部を抑え付ける)事で、可動側室外上枠16と可動側室内上枠17とを断熱材9a、9aを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9a、9aが、外障子3の上方(面外方向に関して外障子3と整合する室外寄り部分)に配置されている。
上枠5を構成する固定側上枠13は、面内方向に関して中間方立8の他側(図1、2の右側、固定側部分)に配置されており、図4に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された固定側室外上枠19及び室内側に配置された固定側室内上枠20を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9b、9bにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する固定側室外上枠19の室内側面と固定側室内上枠20の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝18c、18dを形成している。そして、断熱材9b、9bのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝18c、18d同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝18c、18dの上下方向幅を縮める(断熱材9b、9bの幅方向両端部を抑え付ける)事で、固定側室外上枠19と固定側室内上枠20とを断熱材9b、9bを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9b、9bが、内障子4の上方{面外方向に関して内障子4(ガラスパネル86)と整合する室内寄り部分}に配置されている。又、1対の断熱材9b、9b同士の間には、スポンジ状の発泡ポリエチレン93を設けている。
上述した様に、本例の場合には、可動側上枠12に設けられた断熱材9a、9aと、固定側上枠13に設けられた断熱材9b、9bとが、面外方向に関してオフセットした位置に設けられている。この為、可動側上枠12と固定側上枠13との断面形状は大きく異なっている。
そして、上述の様な構成を有する可動側上枠12の面内方向に関する他端面と固定側上枠13の面内方向に関する片端面とを、中間方立8の上端部に対してそれぞれ結合固定している。
この為に、図5〜7に示す様に、可動側上枠12を構成する可動側室内上枠17の面内方向に関する他端面を、金属板製の張板21aにより塞ぐと共に、中間方立8(後述する中空状の室外側方立47)の上端部に略L字板状の裏板22を上方から挿入した状態で、張板21a、中間方立8及び裏板22のそれぞれ整合する部分に形成された通孔内に、面内方向に関して片側から他側(図5の左側から右側)に向けて複数の結合ねじ23a、23aを螺合し更に締め付けている。
これに対し、図5、6、8に示した様に、固定側上枠13のうちの室内側半部の面内方向に関する片端面を、金属板製の張板21bにより塞いだ状態で、張板21b及び中間方立8(後述する室外側方立47及び室内側方立48)のそれぞれ整合する部分に形成された通孔内に、面内方向に関して片側から他側に向けて複数の結合ねじ23b、23bを螺合し更に締め付けている。
更に、図9に示した様に、可動側上枠12の室内側面と中間方立8(後述する室内側方立48)の上端部室内側部分との間部分、及び、固定側上枠13の室内側面と中間方立8(室内側方立48)の上端部室内側部分との間部分に、それぞれ略L字状の上部ジョイント部材24a、24bを、それぞれ複数のねじ25、25により固定している。尚、本例の場合には、可動側上枠12(可動側室内上枠17)の内側、及び、固定側上枠13(固定側室内上枠20)の内側に、それぞれが金属製で矩形板状の裏板26a、26aを設けると共に、中間方立8(室内側方立48)の内側に略コ字状の裏板26bを設けて、ねじ25、25による結合力を高めている。尚、中間方立8に対する可動側上枠12及び固定側上枠13の結合作業は、中間方立8に対して固定側上枠13を結合した後に、中間方立8に対して可動側上枠12を結合する。
更に、面内方向に関して可動側上枠12と固定側上枠13との間部分で、中間方立8(室内側方立48)よりも室外側に存在する部分に、シール材27を充填して、可動側上枠12と固定側上枠13との間部分の隙間を塞いでいる。更に、可動側上枠12と固定側上枠13の下面に対し、これら可動側上枠12と固定側上枠13とを掛け渡す様にして、外障子3の上端部を案内する為の長尺上の上部案内レール部材28を、複数のねじ29により下方から固定している。
本例の場合には、この様にして上枠5を構成し、上枠5を構成する可動側上枠12及び固定側上枠13を中間方立8の上端部に対してそれぞれ結合固定している。
[下枠6の構造]
下枠6を構成する可動側下枠14は、面内方向に関して中間方立8の片側(図1の左側)に配置されており、図3に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された可動側室外下枠30及び室内側に配置された可動側室内下枠31を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9c、9cにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する可動側室外下枠30の室内側面と可動側室内下枠31の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝35a、35bを形成している。そして、断熱材9c、9cのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝35a、35b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝35a、35bの上下方向幅を縮める(断熱材9c、9cの幅方向両端部を抑え付ける)事で、可動側室外下枠30と可動側室内下枠31とを断熱材9c、9cを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9c、9cが、外障子3の下方(面外方向に関して外障子3と整合する室外寄り部分)に配置されている。又、1対の断熱材9c、9c同士の間には、スポンジ状の発泡ポリエチレン93を設けている。
下枠6を構成する固定側下枠15は、面内方向に関して中間方立8の他側(図1の右側)に配置されており、図4に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された固定側室外下枠33及び室内側に配置された固定側室内下枠34を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9d、9dにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する固定側室外下枠33の室内側面と固定側室内下枠34の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝35c、35dを形成している。そして、断熱材9d、9dのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝35c、35d同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝35c、35dの上下方向幅を縮める(断熱材9d、9dの幅方向両端部を抑え付ける)事で、固定側室外下枠33と固定側室内下枠34とを断熱材9d、9dを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9d、9dが、内障子4の下方{面外方向に関して内障子4(ガラスパネル86)と整合する室内寄り部分}に配置されている。又、1対の断熱材9d、9d同士の間には、スポンジ状の発泡ポリエチレン93を設けている。
上述した様に、本例の場合には、可動側下枠14に設けられた断熱材9c、9cと、固定側下枠15に設けられた断熱材9d、9dとが、面外方向に関してオフセットした位置に設けられている。この為、可動側下枠14と固定側下枠15との断面形状は大きく異なっている。
そして、上述の様な構成を有する可動側下枠14の面内方向に関する他端面と固定側下枠15の面内方向に関する片端面とを、中間方立8の下端部に対してそれぞれ結合固定している。
この為に、図10、11、13に示した様に、可動側下枠14の面内方向に関する他端面を、金属板製の張板21cにより塞いだ状態で、可動側下枠14の室内側面と中間方立8(後述する室内側方立48)の下端部室内側部分との間部分に、略L字状の下部ジョイント部材32を、それぞれ複数のねじ36、36により固定している。尚、本例の場合には、可動側下枠14(可動側室内下枠31)の内側に、金属製で矩形板状の裏板37aを設けると共に、中間方立8(室内側方立48)の内側に、金属製で略矩形板状の裏板37bを設けて、ねじ36、36による結合力を高めている。尚、中間方立8に対する可動側下枠14及び固定側下枠15の結合作業は、中間方立8に対して固定側下枠15を結合した後に、中間方立8に対して可動側下枠14を結合する。
これに対し、図10、12に示した様に、固定側下枠15の面内方向に関する他端面を、金属板製の張板21dにより塞いだ状態で、張板21d及び中間方立8(後述する室外側方立47及び室内側方立48)のそれぞれ整合する部分に形成された通孔内に、面内方向に関して片側から他側に向けて複数の結合ねじ23d、23dを螺合し更に締め付けている。
更に、面内方向に関して可動側下枠14と固定側下枠15の室外側半部の上面に対し、これら可動側下枠14と固定側下枠15とを掛け渡す様にして、外障子3の下端部を案内する為の長尺状の下部案内レール部材38を、複数のねじ39、39により固定している。下部案内レール部材38は、上部案内レール部材28よりも大型に構成されており、外障子3を案内する為のレール本体38a以外に、面外方向に離隔した状態で垂下した3つの垂下壁部40a、40b、40cを備えている。
本例の場合には、この様にして下枠6を構成し、下枠6を構成する可動側下枠14及び固定側下枠15を中間方立8の下端部に対してそれぞれ結合固定している。
[竪枠7a、7bの構造]
左右の竪枠7a、7bのうち、面内方向に関して片側(図1、2の左側)に配置された竪枠7aは、図2に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である室外側に配置された可動側室外竪枠41及び室内側に配置された可動側室内竪枠42を、面内方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9e、9eにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する可動側室外竪枠41の室内側面と可動側室内竪枠42の室外側面とに、それぞれ面内方向に間隔をあけて係止凹溝43a、43bを形成している。そして、断熱材9e、9eのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝43a、43b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝43a、43bの面内方向幅を縮める(断熱材9e、9eの幅方向両端部を抑え付ける)事で、可動側室外竪枠41と可動側室内竪枠42とを断熱材9e、9eを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9e、9eが、外障子3の側方(面外方向に関して外障子3と整合する室外寄り部分)に配置されている。
又、左右の竪枠7a、7bのうち、面内方向に関して他側(図1、2に右側)に配置された竪枠7bは、それぞれがアルミニウム合金製である室外側に配置された固定側室外竪枠44及び室内側に配置された固定側室内竪枠45を、面内方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9f、9fにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する固定側室外竪枠44の室内側面と固定側室内竪枠45の室外側面とに、それぞれ面内方向に間隔をあけて係止凹溝46a、46bを形成している。そして、断熱材9f、9fのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝46a、46b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝46a、46bの面内方向幅を縮める(断熱材9f、9fの幅方向両端部を抑え付ける)事で、固定側室外竪枠44と固定側室内竪枠45とを断熱材9f、9fを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9f、9fが、内障子4の側方{面外方向に関して内障子4(ガラスパネル86)と整合する室内寄り部分}に配置されている。
[中間方立8の構造]
中間方立8は、上述した様に、上端部を可動側上枠12及び固定側上枠13に連結されていると共に、下端部を可動側下枠14及び固定側下枠15に連結されている。又、図2に示した様に、中間方立8は、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された室外側方立47及び室内側に配置された室内側方立48を、面内方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9g、9gにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する室外側方立47の室内側面と室内側方立48の室外側面とに、それぞれ面内方向に間隔をあけて係止凹溝49a、49bを形成している。そして、断熱材9g、9gのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝49a、49b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝49a、49bの面内方向幅を縮める(断熱材9g、9gの幅方向両端部を抑え付ける)事で、室外側方立47と室内側方立48とを断熱材9g、9gを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、断熱材9g、9gが、内障子4の側方{面外方向に関して内障子4(ガラスパネル86)と整合する室内寄り部分}に配置されている。
上述の様な各枠材を連結する事で構成される本例の窓枠2には、面内方向に関して片側半部(図1、2の左側半部)である、閉鎖状態で外障子3が位置する可動側部分の室外寄り部分に、複数の断熱材9a、9c、9eにより構成される外障子3の三方(面内方向他側を除く三方)を囲む可動側断熱ライン10が形成されている。これに対し、窓枠2のうち、面内方向に関して他側半部(図1、2の右側半部)である、内障子4が位置する固定側部分の室内寄り部分には、複数の断熱材9b、9d、9f、9gにより構成される内障子4の四方を囲む固定側断熱ライン11が形成されている。
次に、上述の様な構成を有する窓枠2の内側に面内方向に関する移動可能に建て込まれる外障子3、及び、窓枠2の内側に面内方向に関する移動不能に固定される内障子4の構造に就いて、それぞれ具体的に説明する。
[外障子3の構造]
外障子3は、上辺を構成する上框50と、下辺を構成する下框51と、それぞれが左右の縦辺を構成する縦框である召し合わせ框52及び戸先框53とにより、矩形板状のガラスパネル54の四辺を囲む事により構成されている。又、本例の場合には、ガラスパネル54の周囲を取り囲む様に、外障子3を構成する各框50〜53により構成される框枠体55に、複数の断熱材9h〜9kにより構成された框側断熱ライン56を設けている。又、断熱性能の向上を図るべく、框側断熱ライン56の面外方向に関する形成位置を、窓枠2の可動側部分に設けられた可動側断熱ライン10とほぼ一致させている。そして、この為に、框枠体55を構成する上框50、下框51、召し合わせ框52及び戸先框53のそれぞれを、アルミニウム合金製の室外側フレーム(室外側框材)及び室内側フレーム(室内側框材)を、合成樹脂製の断熱材によって面外方向に連結した連結構造としている。
尚、框枠体55を構成する各框50〜53に関しても、アルミニウム合金として、例えば、A6063S−T5材(JIS H 4100)を使用する事ができ、断熱材を構成する合成樹脂としては、ポリアミド6(ナイロン6)や、これにガラス繊維を含有したものなどを利用できる。
[外障子3を構成する上框50の構造]
上框50は、図3に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された室外側上框57及び室内側に配置された室内側上框58を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9h、9hにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する室外側上框57の室内側面と室内側上框58の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝59a、59bを形成している。そして、断熱材9h、9hのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝59a、59b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝59a、59bの上下方向幅を縮める(断熱材9h、9hの幅方向両端部を抑え付ける)事で、室外側上框57と室内側上框58とを断熱材9h、9hを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、上框50の下端部に、ガラスパネル54の上辺が挿入されるガラス溝60aが設けられている。又、断熱材9h、9hは、ガラスパネル54の上方(面外方向に関してガラスパネル54と整合する部分)に配置されており、下方に配置された断熱材9hは、ガラス溝60aの底部の一部(室内側半部)を構成している。又、室外側上框57の上端部には、上面に開口する状態で、上部案内レール部材28と係合可能な上部案内溝61が設けられている。又、1対の断熱材9h、9h同士の間には、スポンジ状の発泡ポリエチレン93が設けられている。
[外障子3を構成する下框51の構造]
下框51は、図3に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された室外側下框62及び室内側に配置された室内側下框63を、上下方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9i、9iにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する室外側下框62の室内側面と室内側下框63の室外側面とに、それぞれ上下方向に間隔をあけて係止凹溝64a、64bを形成している。そして、断熱材9i、9iのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝64a、64b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝64a、64bの上下方向幅を縮める(断熱材9i、9iの幅方向両端部を抑え付ける)事で、室外側下框62と室内側下框63とを断熱材9i、9iを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、下框51の上端部に、ガラスパネル54の下辺が挿入されるガラス溝60bが設けられている。又、断熱材9i、9iは、ガラスパネル54の下方(面外方向に関してガラスパネル54と整合する部分)に配置されており、上方に配置された断熱材9iは、ガラス溝60bの底部の一部(室内側半部)を構成している。又、室外側下框62には、下部案内レール部材38(レール本体38a)と係合可能な戸車65が設けられている。又、1対の断熱材9i、9i同士の間には、スポンジ状の発泡ポリエチレン93が設けられている。
[外障子3を構成する召し合わせ框52の構造]
召し合わせ框52は、図2に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された室外側召し合わせ框66及び室内側に配置された室内側召し合わせ框67を、面内方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9j、9jにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する室外側召し合わせ框66の室内側面と室内側召し合わせ框67の室外側面とに、それぞれ面内方向に間隔をあけて係止凹溝68a、68bを形成している。そして、断熱材9j、9jのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝68a、68b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝68a、68bの面内方向幅を縮める(断熱材9j、9jの幅方向両端部を抑え付ける)事で、室外側召し合わせ框66と室内側召し合わせ框67とを断熱材9j、9jを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、召し合わせ框52の面内方向に関する片側端部に、ガラスパネル54の側辺が挿入されるガラス溝60cが設けられている。又、断熱材9j、9jは、ガラスパネル54の側方(面外方向に関してガラスパネル54と整合する部分)に配置されており、面内方向に関して片側に配置された断熱材9jは、ガラス溝60cの底部の一部を構成している。
[外障子3を構成する戸先框53の構造]
戸先框53は、図2に示した様に、それぞれがアルミニウム合金製である、室外側に配置された室外側戸先框69及び室内側に配置された室内側戸先框70を、面内方向に離隔する状態で互いに平行に配置された合成樹脂製で帯状の1対の断熱材9k、9kにより、面外方向に連結する事により構成されている。この為に、面外方向に対向する室外側戸先框69の室内側面と室内側戸先框70の室外側面とに、それぞれ面内方向に間隔をあけて係止凹溝71a、71bを形成している。そして、断熱材9k、9kのそれぞれの幅方向両端部を、互いに整合する位置に設けられた係止凹溝71a、71b同士の間に挿入した状態で、これら係止凹溝71a、71bの面内方向幅を縮める(断熱材9k、9kの幅方向両端部を抑え付ける)事で、室外側戸先框69と室内側戸先框70とを断熱材9k、9kを介して連結している。本例の場合には、この様な状態で、戸先框53の面内方向に関する他側端部に、ガラスパネル54の側辺が挿入されるガラス溝60dが設けられている。又、断熱材9k、9kは、ガラスパネル54の側方(面外方向に関してガラスパネル54と整合する部分)に配置されており、面内方向に関して他側に配置された断熱材9kは、ガラス溝60dの底部の一部を構成している。
[外障子3に関するガラスパネル54の支持構造]
上述した様に、本例の場合には、下框51に設けられたガラス溝60bの底部の一部(室内側半部)を、合成樹脂製の断熱材9iにより構成している。この為、長期間に亙る使用によって、断熱材9iに変形等が生じるのを防止する為、この断熱材9iの下方で且つ面外方向に関して室外側下框62と室内側下框63との間部分に、1対の補強部材72を設けている。これら各補強部材72は、それぞれ中空状に構成されており、面内方向に関して下框51の両側端部に設けられている。又、補強部材72には、上端面に平坦面状の支承面73が設けられていると共に、室外側面に上下方向両側に突出した係合突条74が設けられている。そして、支承面73を断熱材9iの下面に対して当接させた状態で、補強部材72と断熱材9iとをねじ76により上方から結合している。又、この状態で、係合突条74を、室外側下框62の室内側面に開口したあり溝状の係合溝75に係合(スライド嵌合によりねじ76の結合位置まで移動)させて、補強部材72を室外側下框62に支持している。
本例の場合には、上述の様な構成を有する框枠体55に設けられたガラス溝60a〜60dの内側に、ガラスパネル54を設けている。ガラスパネル54の下方には、図3、14に示した様な、断面略L字形の1対のセッティングブロック77が設けられており、セッティングブロック77は、下框51のガラス溝60bの底部を構成する室外側下框62及び断熱材9iのそれぞれの上面に載置されている。又、セッティングブロック77の室内側端部には、上下方向に貫通した切り欠き77aが設けられており、この切り欠き77aの内側に、補強部材72と断熱材9iとを結合する為のねじ76が配置されている。本例の場合には、この様なセッティングブロック77を介してガラスパネル54の重量が断熱材9iに加わる為、それぞれのセッティングブロック77の下方に、セッティングブロック77よりも面内方向に関する全長の長い補強部材72を配置している。よって、断熱材9iは、セッティングブロック77と補強部材72とにより上下に挟持される事で、変形に対して保護されている。又、ガラスパネル54の外周縁寄り部分の両側面と、ガラス溝60a〜60dの開口部との間部分を、それぞれシール材94a、94bによりそれぞれ全周に亙りシールしている。
上述の様な構成を有する外障子3には、この外障子3の閉鎖時に戸先框53が竪枠7bと勢い良く衝突する事を防止する為、制動装置78を設けている。制動装置78は、上枠5を構成する可動側室内上枠17の下面に面内方向に沿って支持されたラック79と、外障子3を構成する室内側上框58の室内側面に支持された制動装置本体80とから構成されている。制動装置本体80は、ラック79と噛合自在なピニオン81と、ピニオン81が外障子3の閉鎖方向への移動に伴い回転した場合にのみ、ピニオン81の回転抵抗を大きくする抵抗付与手段とを備えている。又、外障子3を構成する戸先框53と竪枠7aとの間には、ロール式網戸装置82が設けられている。ロール式網戸装置82は、外障子3の開閉動作に併せて、巻き取り軸83からネット84を引き出したり、巻き取り軸83にネット84を巻き取ったりする。又、ネット84の端縁に固定された網戸用框85の上端部は、外障子3と同様に、上部案内レール部材28により面内方向に案内される。
[内障子4の構造]
これに対し、内障子4は、矩形板状のガラスパネル86から構成されており、このガラスパネル86は、窓枠2の内側に直接固定されている。具体的には、ガラスパネル86の上下左右の四辺を、上枠5を構成する固定側上枠13の室内側の下端部に設けられたガラス溝87aと、下枠6を構成する固定側下枠15の室内側の上端部に設けられたガラス溝87bと、竪枠7bの室内側部分のうち、面内方向に関して片側端部に設けられたガラス溝87cと、中間方立8の室外側部分のうち、面内方向に関して他側端部に設けられたガラス溝87dとに、それぞれ挿入している。
又、上述の様にガラスパネル86の各辺をガラス溝87a〜87dの内側に挿入した状態で、ガラスパネル86の上方(面外方向に関して整合する部分)には、固定側室外上枠19と固定側室内上枠20とを面外方向に連結する断熱材9b、9bが配置されている。又、ガラスパネル86の下方(面外方向に関して整合する部分)には、固定側室外下枠33と固定側室内下枠34とを面外方向に連結する断熱材9d、9dが配置されている。又、ガラスパネル86の側方(面外方向に関して整合する部分)には、固定側室外竪枠44と固定側室内竪枠45とを面外方向に連結する断熱材9f、9f、及び、室外側方立47と室内側方立48とを面外方向に連結する断熱材9g、9gが配置されている。
[内障子4に関するガラスパネル86の支持構造]
又、本例の場合には、ガラスパネル86の下方に位置する1対の断熱材9d、9dのうち、上側に配置された断熱材9dは、ガラス溝87bの底部の一部を構成している。この為、長期間に亙る使用によって、断熱材9dに変形等が生じるのを防止する為、この断熱材9dの下方で且つ面外方向に関して固定側室外下枠33と固定側室内下枠34との間部分に、1対の補強部材88を設けている。これら各補強部材88は、外障子3に設けられた補強部材72と同様にそれぞれが中空状に構成されており、面内方向に関して固定側下枠15の両側端部に設けられている。又、補強部材88には、上端面に平坦面状の支承面89が設けられていると共に、室内側面に上下方向両側に突出した係合突条90が設けられている。そして、支承面89を断熱材9dの下面に対して当接させた状態で、補強部材88と断熱材9dとを図示しないねじにより上方から結合している。又、この状態で、係合突条90を、固定側室内下枠34の室外側面に開口したあり溝状の係合溝91に係合(スライド嵌合によりねじの結合位置まで移動)させて、補強部材88を固定側室内下枠34に支持している。
又、内障子4を構成するガラスパネル86の下方には、断面略L字形の1対のセッティングブロック92が設けられている。セッティングブロック92は、固定側下枠15のガラス溝87bの底部を構成する固定側室外下枠33の上面、断熱材9dの上面、及び、固定側室内下枠34の上面にそれぞれ載置されている。本例の場合には、この様なセッティングブロック92を介してガラスパネル86の重量が断熱材9dに加わる為、それぞれのセッティングブロック92の下方に、セッティングブロック92よりも面内方向に関する全長の長い補強部材88を配置している。よって、断熱材9dは、セッティングブロック92と補強部材88とにより上下に挟持される事で、変形に対して保護されている。又、ガラスパネル86の外周縁寄り部分の両側面と、ガラス溝87a〜87dの開口部との間部分は、それぞれシール材95a、95bによりそれぞれ全周に亙りシールしている。
以上の様な構成を有する本例の外動片引き式の窓装置1の場合には、窓枠2の可動側断熱ライン10と框枠体55の框側断熱ライン56との面外方向に関する形成位置を近づける(面外方向に関してほぼ一致させる)事で、断熱性能の向上を図っている。そして、この為に、外障子3のガラスパネル54の下辺を挿入する、下框51に設けられたガラス溝60bの底部の一部を、合成樹脂製の断熱材9iにより構成している。但し、本例の場合には、断熱材9iの下方に、室外側下框62に支持された補強部材72を配置し、この補強部材72の支承面73によって断熱材9iの下面を支持している。この為、ガラスパネル54から断熱材9iに加わる重量を、補強部材72を介して、室外側下框62に支承させる事ができる。従って、長期間に亙る使用に拘らず、断熱材9iに変形等が生じる事を有効に防止でき、下框51に歪み等の変形が生じる事も防止できる。
同様に、本例の場合には、外障子3の周囲(面外方向に関して外障子3と整合する部分)に設けられた可動側断熱ライン10とは別に、内障子4の周囲に固定側断熱ライン11を設けて、可動側部分と固定側部分とのそれぞれの断熱性能の向上を図っている。そして、この為に、内障子4のガラスパネル86の下辺を挿入する、固定側下枠15に設けられたガラス溝87bの底部の一部を合成樹脂製の断熱材9dにより構成している。但し、本例の場合には、断熱材9dの下方に、固定側室内下枠34に支持された補強部材88を配置し、この補強部材88の支承面89によって断熱材9dの下面を支持している。この為、ガラスパネル86から断熱材9dに加わる重量を、補強部材88を介して、固定側室内下枠34に支承させる事ができる。従って、長期間に亙る使用に拘らず、断熱材9dに変形等が生じる事を有効に防止でき、下枠6(固定側下枠15)に歪み等の変形が生じる事を防止できる。
更に、本例の場合、窓枠2のうち、外障子3が閉鎖状態で位置する面内方向に関する片側部分と、内障子4が位置する面内方向に関する他側部分とに、面外方向にオフセットした状態で、それぞれ別々の断熱ライン10、11を形成している。この為、窓枠2のうちで、断熱ライン10、11よりも室外側に存在する各枠材(可動側室外上枠16、固定側室外上枠19、可動側室外下枠30、固定側室外下枠33、可動側室外竪枠41、固定側室外竪枠44、及び、室外側方立47)の温度が外気の温度に近づいた(例えば冷やされた)場合にも、断熱ライン10、11よりも室内側に存在する各枠材(可動側室内上枠17、固定側室内上枠20、可動側室内下枠31、固定側室内下枠34、可動側室内竪枠42、固定側室内竪枠45、及び、室内側方立48)の温度が、外気の温度に応じて変化する事を有効に防止できる。この為、例えば、面外方向に関して外障子と整合する部分にのみ断熱ラインを形成した場合の様に、内障子全体が断熱ラインよりも室内側に位置する事に起因して、窓枠のうちで内障子を支持した各枠材の室内側部分(室内側フレーム)の温度が、外気の温度に応じて変化し易くなる事を防止できる。この様に、本例の場合には、外障子3が配置された可動側部分と内障子4が配置された固定側部分との両方で、断熱性能を十分に確保できる。
尚、本発明は、ガラスパネルの下辺を窓障子を構成する下框によって支持する構造に適用する事ができるが、この場合の窓障子は、窓枠内に面内方向に移動可能に建て込まれる可動障子に限らず、面内方向に移動不能に固定される固定障子でも良い。又、上述した実施の形態では、内障子を構成するガラスパネルの四辺を、窓枠の内側に直接固定する構造を例に説明したが、ガラスパネルの四辺を框枠体により支持した内障子を、窓枠の内側に固定する構造を採用する事もできる。
1 窓装置
2 窓枠
3 外障子
4 内障子
5 上枠
6 下枠
7a、7b 竪枠
8 中間方立
9a〜9k 断熱材
10 可動側断熱ライン
11 固定側断熱ライン
12 可動側上枠
13 固定側上枠
14 可動側下枠
15 固定側下枠
16 可動側室外上枠
17 可動側室内上枠
18a〜18d 係止凹溝
19 固定側室外上枠
20 固定側室内上枠
21a、21b 張板
22 裏板
23a〜23d 結合ねじ
24a、24b 上部ジョイント部材
25 ねじ
26a、26b 裏板
27 シール材
28 上部案内レール部材
29 ねじ
30 可動側室外下枠
31 可動側室内下枠
32 下部ジョイント部材
33 固定側室外下枠
34 固定側室内下枠
35a〜35d 係止凹溝
36 ねじ
37a、37b 裏板
38 下部案内レール部材
38a レール本体
39 ねじ
40a〜40c 垂下壁部
41 可動側室外竪枠
42 可動側室内竪枠
43a、43b 係止凹溝
44 固定側室外竪枠
45 固定側室内竪枠
46a、46b 係止凹溝
47 室外側方立
48 室内側方立
49a、49b 係止凹溝
50 上框
51 下框
52 召し合わせ框
53 戸先框
54 ガラスパネル
55 框枠体
56 框側断熱ライン
57 室外側上框
58 室内側上框
59a、59b 係止凹溝
60 ガラス溝
61 上部案内溝
62 室外側下框
63 室内側下框
64a、64b 係止凹溝
65 戸車
66 室外側召し合わせ框
67 室内側召し合わせ框
68a、68b 係止凹溝
69 室外側戸先框
70 室内側戸先框
71a、71b 係止凹溝
72 補強部材
73 支承面
74 係合突条
75 係合溝
76 ねじ
77 セッティングブロック
77a 切り欠き
78 制動装置
79 ラック
80 制動装置本体
81 ピニオン
82 ロール式網戸装置
83 巻き取り軸
84 ネット
85 網戸用框
86 ガラスパネル
87a〜87d ガラス溝
88 補強部材
89 支承面
90 係合突条
91 係合溝
92 セッティングブロック
93 発泡ポリエチレン
94a、94b シール材
95a、95b シール材

Claims (5)

  1. ガラスパネルと、このガラスパネルの下辺を支持する下方フレームとを備え、
    このうちの下方フレームが、室外側フレームと室内側フレームとを断熱材を介して連結する事により構成されていると共に、前記下方フレームのうちで、前記ガラスパネルの下辺が挿入されるガラス溝の底部の一部が、前記断熱材により構成されている、
    ガラス付建具であって、
    前記ガラス溝の底部を構成する前記断熱材の下方で且つ前記室外側フレームと前記室内側フレームとの間部分に配置された補強部材により、前記ガラス溝の底部を構成する前記断熱材の下面が支承されており、
    前記補強部材は、前記断熱材を前記補強部材に対して結合する結合部材の一部を除いて、内側に何も配置されていない中空状に構成されており、
    前記補強部材は、前記室外側フレームの室内側面と前記室内側フレームの室外側面とのうちの何れか一方の側面に開口した係合溝内に、前記補強部材に設けられた係合突条を係合させる事により、前記室外側フレームと前記室内側フレームとのうちの何れか一方に支持されている、
    事を特徴とするガラス付建具。
  2. 前記室外側フレーム及び前記室内側フレームが、アルミニウム合金製である、請求項1に記載したガラス付建具。
  3. 前記下方フレームが、窓障子の下辺を構成する下框である、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したガラス付建具。
  4. 前記下方フレームが、窓枠の下辺を構成する下枠である、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したガラス付建具。
  5. 前記ガラスパネルが、セッティングブロックを介して前記ガラス溝の底部に載置されている、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したガラス付建具。
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