JP6945177B2 - 煙感知装置、コンセント、照明器具及びパワーコンディショナー - Google Patents

煙感知装置、コンセント、照明器具及びパワーコンディショナー Download PDF

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Description

本発明は、煙感知装置並びに当該煙感知装置を備えるコンセント、照明器具及びパワーコンディショナーに関する。
従来、煙などの粒子を検出するセンサとして、光散乱式の粒子検出センサが知られている。例えば、特許文献1には、投光素子と受光素子とを備え、投光素子からの光の、検知領域における粒子による散乱光を受光素子で受光することにより、気体中に含まれる粒子を検出する粒子検出センサが開示されている。
特開2015−200629号公報
上記従来の粒子検出センサでは、投光素子からの光のうち粒子による散乱光以外の光、すなわち、迷光を少なくするため、粒子検出センサの筐体の内部にラビリンス構造が設けられている。このため、筐体のサイズが大きくなり、粒子検出センサの小型化が難しい。
そこで、本発明は、煙の有無を検知することができる小型の煙感知装置並びに当該煙感知装置を備えるコンセント、照明器具及びパワーコンディショナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る煙感知装置は、気体が流入する流入口、及び、流入した気体が流出する流出口を有し、前記流入口から前記流出口までを接続する流路が内部に設けられた筐体と、前記流路の少なくとも一部で上昇気流を発生させる気流生成機構と、発散光を出射する発光部と、前記流入口から流入した気体に煙が含まれる場合に、前記発散光のうち前記煙によって散乱された散乱光を受光するための受光部とを備え、前記受光部は、前記発散光が直達しない位置に配置され、かつ、前記受光部から発散する範囲からの光を受光可能である。
本発明の一態様は、前記煙感知装置を備えるコンセントであってもよい。
本発明の一態様は、前記煙感知装置を備える照明器具であってもよい。
本発明の一態様は、前記煙感知装置を備えるパワーコンディショナーであってもよい。
本発明によれば、煙の有無を検知することができる小型の煙感知装置などを提供することができる。
実施の形態に係る煙感知装置の外観斜視図である。 実施の形態に係る煙感知装置の断面図である。 実施の形態に係る煙感知装置の煙が発生している時の動作を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る煙感知装置の煙が発生していない時の動作を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る煙感知装置の受光部が出力する受光信号の一例を示す図である。 実施の形態の変形例1に係る煙感知装置の断面図である。 実施の形態の変形例2に係る煙感知装置の断面図である。 実施の形態に係る煙感知装置を備えるコンセントの外観図である。 実施の形態に係る煙感知装置を備えるダウンライトの外観図である。 実施の形態に係る煙感知装置を備えるパワーコンディショナーの外観図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る煙感知装置などについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行、垂直又は一致などの要素間の関係性を示す用語、及び、長方形、円形又は直方体などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直上方としている。
(実施の形態)
[概要]
まず、本実施の形態に係る煙感知装置の概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る煙感知装置1を示す外観斜視図である。図2は、本実施の形態に係る煙感知装置1の断面図である。具体的には、図2は、図1のII−II線における断面を示している。
図1及び図2に示すように、煙感知装置1は、筐体10と、抵抗素子20と、発光部30と、受光部40とを備える。さらに、煙感知装置1は、基板50及び基板60を備える。
煙感知装置1は、煙の粒子による光の散乱を利用して煙を検知する光散乱式の粒子検出センサである。具体的には、煙感知装置1は、筐体10内に煙が取り込まれた場合に、発光部30が発した光のうち煙の粒子によって散乱された散乱光を受光部40が受光することで、煙を検知する。
煙感知装置1は、煙の有無のみを簡易的に精度良く検知する。本実施の形態では、煙感知装置1は、煙の量の大小の判定は行わない。煙感知装置1は、最大幅が例えば2cm以下である小型かつ軽量の煙感知装置である。煙感知装置1は、小型かつ軽量であるので様々な電気製品などに搭載することが可能である。煙感知装置1の搭載例については、後で説明する。
以下ではまず、煙感知装置1の各構成部材について説明する。
[筐体]
筐体10は、図1及び図2に示すように、気体が流入する流入口11及び流入した気体が流出する流出口12を有する。筐体10の内部には、流入口11から流出口12までを接続する流路13が設けられている。流路13は、流入口11から流入した気体が流出口12まで流れる経路である。
筐体10は、煙感知装置1の外郭をなす外郭筐体である。筐体10の外形は、内部に設けられた流路13と同様の形状を有する。本実施の形態では、流路13は、L字状に形成されており、筐体10は、L字状の側面を有する。具体的には、筐体10を構成する側面のうち、yz面に平行な側面の形状がL字状、すなわち、大きさの異なる2つの長方形が組み合わされた形状である。より具体的には、筐体10の外形は、大きさの異なる2つの直方体が組み合わされた形状である。
図1及び図2に示すように、筐体10は、流入口11が設けられた第1筐体部10aと、流出口12が設けられた第2筐体部10bとを備える。第1筐体部10a及び第2筐体部10bの各々の外形は、略直方体状である。第1筐体部10a及び第2筐体部10bが一体成型されることにより、筐体10が形成されている。
第1筐体部10aは、流入口11と、流路13の一部である第1流路13aとを有する。流入口11は、第1筐体部10aの壁面を貫通する開口である。図1に示すように、流入口11は、例えば、x:1.2mm×z:1mmの矩形の開口であるが、これに限らない。流入口11の形状は、正方形、円形又は楕円形などでもよい。第1筐体部10aには、複数の流入口11が設けられていてもよい。
本実施の形態では、第1流路13aは、流入口11から、その貫通方向(y軸方向)に延びている。具体的には、流入口11が水平方向に向けて開口しているので、第1流路13aは、水平方向に延びている。図2に示すように、第1筐体部10aの下面には、発光部30及び受光部40が実装された基板50が、第1流路13aに面するように配置されている。第1筐体部10aの壁の内面及び基板50の上面によって、第1流路13aが形成されている。
第1流路13aは、xz断面の形状が略一定の大きさの矩形であり、y軸方向に向けて真っ直ぐに延びている。第1流路13aの幅(x軸方向の長さ)は、例えば、流入口11の横幅と略同じであり、1.2mmである。第1流路13aの高さ(z軸方向の長さ)、すなわち、基板50と、基板50に対向する第1筐体部10aの内面(すなわち、天井面10c)との距離は、例えば2mmである。第1流路13aの幅及び高さは、奥に向かうにつれて漸次小さくなってもよい。第1流路13aの長さ(奥行き方向、y軸方向の長さ)は、例えば1cm以下である。
第2筐体部10bは、流出口12と、流路13の一部である第2流路13bとを有する。流出口12は、第2筐体部10bの壁面を貫通する開口である。図1に示すように、流出口12は、例えば、x:1.2mm×z:1mmの矩形の開口であるが、これに限らない。流出口12の形状は、流入口11の形状と同じでもよく、異なっていてもよく、例えば正方形、円形又は楕円形などでもよい。第2筐体部10bには、複数の流出口12が設けられていてもよい。
本実施の形態では、第2流路13bは、第1流路13aから連続して、流出口12まで延びている。具体的には、第2流路13bは、鉛直方向に延びている。つまり、第1流路13aと第2流路13bとは、L字状に接続されている。
図2に示すように、第2筐体部10bの下面には、抵抗素子20が実装された基板60が、第2流路13bに面するように配置されている。第2筐体部10bの壁の内面及び基板60の上面によって、第2流路13bが形成されている。
第2流路13bは、xy断面の形状が略一定の大きさの矩形であり、z軸方向に向けて真っ直ぐに延びている。第2流路13bの幅(x軸方向の長さ)は、例えば、第1流路13aの幅と同じであり、流出口12の幅と同じである。第2流路13bの長さ(z軸方向の長さ)は、例えば、第1流路13aの高さの2倍であり、4mmである。
図1及び図2に示すように、流出口12は、水平方向に向けて開口している。具体的には、流出口12は、流入口11と同じ方向(y軸の負方向)に向けて開口している。つまり、流出口12を貫通する方向(y軸方向)は、第2流路13bが延びる方向(z軸方向)と直交している。
なお、流出口12が鉛直上方に向かって開口していないので、筐体10の内部に埃などの異物が侵入するのを抑制することができる。これにより、煙以外の埃などによる誤検知を抑制することができる。
本実施の形態では、筐体10の内部に形成された流路13は、単純な構成を有する。言い換えると、筐体10は、ラビリンス構造などの光トラップ構造を有しない。
例えば、流路13の屈曲数は、2つ以下である。具体的には、流路13は、第1流路13aと第2流路13bとの接続部分と、第2流路13bと流出口12との接続部分との2ヶ所で屈曲している。流路13は、分岐を有さず、流入口11から流出口12までを1本の経路で結んでいる。流路13上に位置する障害物は、壁51のみである。なお、流路13は、直線状に形成されていてもよく、障害物が全く配置されていなくてもよい。
本実施の形態では、筐体10の最大幅が所定の範囲内になるように構成されている。具体的には、筐体10の最大幅は、例えば2cm以下である。筐体10の最大幅は、筐体10を構成する各頂点のうち最も距離の離れた頂点間の距離である。例えば、筐体10の最大幅は、図1に示す頂点P1及びP2間の距離に相当する。筐体10の大きさ及び形状、並びに、流路13の大きさ及び形状は、筐体10の最大幅が所定の範囲である限り、特に限定されない。
筐体10は、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂などの樹脂材料を用いた射出成型及び切削加工などによって形成されている。筐体10の少なくとも内面は、黒色などの光の吸収率の高い色で構成されている。例えば、筐体10は、黒色顔料又は黒色染料などが含有された樹脂材料を用いて形成されており、筐体10の全体が黒色である。
[抵抗素子]
抵抗素子20は、流路13の少なくとも一部で上昇気流を発生させる気流生成機構の一例である。具体的には、抵抗素子20は、通電されて発熱することで周囲の空気を温めることで上昇気流を発生させる熱源の一例である。抵抗素子20は、例えば、基板60に実装されたチップ抵抗である。抵抗素子20の両端には、図示しない電源が接続されている。
なお、基板60は、例えばセラミック基板であるが、これに限らない。基板60の少なくとも上面は、黒色塗料で塗られていてもよい。
[発光部]
発光部30は、発散光を出射する。本実施の形態では、発光部30は、集光レンズを有しない。すなわち、発光部30が出射する発散光は、広い範囲に広がって進行する。発散光は、例えば赤外光であるが、これに限らない。
図2には、発散光の広がる範囲をドットの網掛けを付して示している。図2に示す断面は、発光部30の光軸を通る断面である。図2に示す断面において、発散光がなす角度は、例えば60°以上であり、好ましくは90°以上であり、より好ましくは120°以上である。例えば、発散光は、ランバーシアン配光を有する。
本実施の形態では、発光部30は、LED(Light Emitting Diode)チップを有する。具体的には、発光部30は、SMD(Surface Mount Device)型のLED素子である。
発光部30は、時間の経過によらず光出力が略一定の連続光を発散光として出射するが、これに限らない。発光部30は、パルス光を発散光として出射してもよい。
[受光部]
受光部40は、発光部30が出射した発散光のうち煙によって散乱された散乱光を受光するための受光部である。受光部40は、集光レンズを有しない。すなわち、受光部40は、受光部40から発散する範囲、つまり、広い範囲からの光を受光可能である。
図2には、受光部40の受光可能な範囲を破線の斜線の網掛けを付して示している。図2に示す断面は、受光部40の光軸を通る断面である。図2に示す断面において、受光部40の受光範囲がなす角度は、例えば60°以上であり、好ましくは90°以上であり、より好ましくは120°以上である。
受光部40は、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタなどの光電変換素子である。受光部40は、発散光の波長成分に受光感度を有する。
受光部40は、発光部30からの発散光が直達しない位置に配置されている。ここで、直達とは、煙の粒子及び筐体10の内壁などに反射又は散乱されることなく、発光部30から受光部40に直接、光が到達することである。つまり、受光部40には、発散光が直接入射しない。受光部40に入射する光は、少なくとも1回、反射又は散乱された光が入射する。
本実施の形態では、発光部30と受光部40とは、板状の壁51を挟んで近接配置されている。発光部30と受光部40とは、例えば1mmの間隔で配置されている。例えば、壁51の根元から発光部30までの距離、及び、壁51の根元から受光部40までの距離はそれぞれ、壁51の高さより短い。発光部30と受光部40とは壁51から等距離に配置されているが、これに限らない。例えば、受光部40の方が発光部30よりも壁51に近い位置に配置されていてもよい。
壁51は、発光部30及び受光部40が実装された基板50の一部である。壁51は、発光部30と受光部40とを光学的に隔てている。壁51の高さ(z軸方向の長さ)は、例えば、第1流路13aの高さの半分以下である。これにより、第1流路13a上の障害物になりにくい。
例えば、発光部30と受光部40とは、同一の基板50に実装されている。基板50は、例えば、セラミック基板などであるが、特に限定されない。具体的には、発光部30と受光部40とは、パッケージ化されている。これにより、発光部30と受光部40との位置関係を予め固定しておくことができるので、組み立ての際のバラツキを抑制することができる。このため、発光部30からの発散光が受光部40に直達するのを抑制することができる。
本実施の形態では、受光部40は、煙の有無の検出が容易になるように、煙による散乱光が入射した場合にのみ、所定の閾値thより強度が大きい受光信号を生成する。受光部40は、煙が発生していない場合には、所定の閾値thより強度が小さい受光信号を生成する。
具体的には、受光部40は、散乱光のうち、受光部40から所定の距離以下の第1範囲で散乱された第1光を受光した場合に、第1光を光電変換することで、所定の閾値thより高い強度の受光信号を出力する。このとき、第1範囲には、流路13の一部が含まれている。具体的には、第1範囲には、第1流路13aの中央付近であって、煙90が通過しやすい部分を含んでいる。例えば、第1範囲は、図2に示す断面では、斜線の網掛けが付された略扇形の範囲で示される。
一方で、受光部40は、受光部40から所定の距離より離れた第2範囲で散乱された第2光を受光した場合に、第2光を光電変換することで、所定の閾値thより低い強度の受光信号を出力する。第2範囲は、第1範囲以外の部分であって、第1範囲より遠い部分を含んでいる。具体的には、第2範囲には、第1筐体部10aの天井面10cなどが含まれる。
このように、受光部40は、近い部分からの光を検出して大きな信号強度の受光信号を出力し、遠い部分からの光を検出できずに小さい信号強度の受光信号を出力する。
[動作]
続いて、本実施の形態に係る煙感知装置1の動作について、図3〜図5を用いて説明する。
図3及び図4は、本実施の形態に係る煙感知装置1の動作を模式的に示す断面図である。図3は、煙90が発生している場合を図示している。図4は、煙90が発生していない場合を図示している。
本実施の形態に係る煙感知装置1は、常時動作している。具体的には、煙感知装置1は、商用電源又は電池などからの電力供給を受けて動作する。
煙感知装置1では、まず、抵抗素子20には電流が供給されて、抵抗素子20が発熱する。図3及び図4に示すように、抵抗素子20の発熱によって、筐体10の内部の第2流路13bには、上昇気流91が生成する。上昇気流91は、筐体10内の気体を流出口12から押し出すので、筐体10内の流路13には、図3及び図4の太矢印で示される気流92が生成される。気流92は、流入口11から筐体10内に取り込まれ、第1流路13aを水平方向に進み、第2流路13bを垂直方向に進んだ後、流出口12から外部に放出される。
煙感知装置1では、抵抗素子20への電流の供給と同時に、又は、気流92が生成された後、発光部30及び受光部40に電力を供給する。これにより、発光部30から発散光が広い範囲に出射され、受光部40は、散乱光の受光が可能な状態になる。なお、図3及び図4には、発光部30から出射される発散光の一部のみを光L1として図示している。
図3に示すように、煙90が発生している場合、発光部30からの光L1は、煙90によって散乱されて、その散乱光L2が受光部40に入射する。煙90は、火花又は火災の発生により生じる複数の微粒子の集まりである。煙90による散乱による光強度の減衰は少なく、散乱光L2は、光L1と同等の光強度を有する。このため、受光部40は、入射した散乱光L2を光電変換することで、強い信号強度の受光信号を出力する。
一方で、煙90が発生していない場合、図4に示すように、発光部30からの光L1は、煙90による散乱を受けないため、第1筐体部10aの天井面10cにまで到達する。天井面10cで光L1の大部分は吸収され、一部のみが反射光L3として受光部40に入射する場合がある。反射光L3は、煙90による散乱光ではなく、検知対象外の迷光である。
反射光L3は、発散光の一部である光L1が第1筐体部10aの天井面10cで反射された光であるので、その強度は十分に小さくなる。つまり、発光部30は、供給された電力を変換して発散光として出射するので、発散光の一部である光L1の強度が小さくなる。さらに、光L1は天井面10cで吸収されるので、受光部40に到達するまでには十分に減衰する。このため、受光部40には、検知可能な強度の光が実質的には入射しない。したがって、受光部40が出力する受光信号の信号強度は、煙90が発生している場合よりも低くなる。
図5は、本実施の形態に係る煙感知装置1の受光部40が出力する受光信号の一例を示す図である。図5において、横軸は時間、縦軸は信号強度を示している。
図5に示すように、煙90が発生していない場合には、受光信号の信号強度は低くなる。このとき、ノイズなどの要因によって信号強度の強弱は発生するものの、図4を用いて説明したように、受光部40には、強度の強い光が入射しないので、信号強度の大きな変化が表れない。一方で、煙90が発生した場合には、散乱光L2が受光部40に入射することで、受光信号の信号強度が高くなる。
以上のことから、煙感知装置1では、信号強度と閾値thとを比較することで、煙90の有無を検知することができる。閾値thは、例えば、煙90が発生していないときの信号強度より大きく、かつ、散乱光L2に相当するピークのピーク強度より低い値である。煙感知装置1では、信号強度が閾値thを超えた場合に、煙90が発生していると判定し、信号強度が閾値thを超えない場合には、煙90が発生していないと判定する。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る煙感知装置1は、気体が流入する流入口11、及び、流入した気体が流出する流出口12を有し、流入口11から流出口12までを接続する流路13が内部に設けられた筐体10と、流路13の少なくとも一部で上昇気流を発生させる気流生成機構の一例である抵抗素子20と、発散光を出射する発光部30と、流入口11から流入した気体に煙90が含まれる場合に、発散光のうち煙90によって散乱された散乱光を受光するための受光部40とを備える。受光部40は、発散光が直達しない位置に配置され、かつ、受光部40から発散する範囲からの光を受光可能である。
これにより、受光部40が、発光部30が出射する発散光が直達しない位置に配置されているので、受光部40には、発散光が直接入射しない。受光部40には、発散光のうち煙によって散乱された散乱光と、筐体10の内面で反射された反射光、すなわち、迷光とが入射し得る。このとき、発光部30が発散光を出射するので、特定の方向に進行する光の強度が強くならずに、広い範囲に弱い光を出射することができる。このため、煙90による散乱光の強度と、迷光の強度との差を大きくすることができる。
具体的には、筐体10の流入口11から流入した気体に含まれる煙90は、発光部30及び受光部40に近い位置を通過するので、煙90による散乱光の強度は強く、受光部40によって検知することができる。また、受光部40の受光範囲が広いので、特定の方向からの光だけではなく、広い範囲からの光を受光することができる。一方で、筐体10の内面によって反射された迷光は、筐体10の内面での吸収などによって、その強度は十分に弱くなるので、受光部40によって検知されない。
このように、特定の方向への光が強くならないので、筐体10の内部にラビリンス構造などを設けなくても迷光の強度を十分に小さくすることができる。また、発光部30及び受光部40のいずれも集光レンズを備えないので、筐体10の内部にレンズを配置するスペースを設けなくてもよい。したがって、筐体10を小さくすることができるので、本実施の形態によれば、煙90の有無を検知することができる小型の煙感知装置1を提供することができる。
また、例えば、発光部30と受光部40とは、板状の壁51を挟んで近接配置されている。
これにより、板状の壁51によって発散光が受光部40に直接入射しないので、発光部30と受光部40とを近接配置することができ、煙感知装置1を小型化することができる。
また、例えば、発光部30と受光部40とは、同一基板に実装されている。
これにより、発光部30と受光部40とを同一基板に実装することで、部品点数を削減することができ、煙感知装置1の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、例えば、発光部30と受光部40とは、パッケージ化されている。
これにより、発光部30と受光部40とがパッケージ化されていることで、部品点数を削減することができ、煙感知装置1の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、例えば、受光部40は、散乱光のうち、受光部40から所定の距離以下の第1範囲で散乱された第1光を受光した場合に、第1光を光電変換することで、所定の閾値より高い強度の受光信号を出力する。受光部40は、散乱光のうち、受光部40から所定の距離より離れた第2範囲で散乱された第2光を受光した場合に、第2光を光電変換することで、所定の閾値より低い強度の受光信号を出力する。第1範囲には、流路13の一部が含まれる。第2範囲には、筐体10の壁面であって、受光部40に対向する部分が含まれる。
これにより、煙90の有無を精度良く検出することができる。
また、例えば、流路13は、発光部30及び受光部40が配置された第1流路13aと、抵抗素子20が配置された第2流路13bとを有する。第1流路13aと第2流路13bとは、L字状に接続されている。
これにより、流路13の形状が非常に単純になる。したがって、筐体10の内部にラビリンス構造などの光トラップ構造を設けなくてよいので、筐体10の小型化、すなわち、煙感知装置1の小型化を実現することができる。
また、例えば、発光部30は、LED(Light Emitting Diode)チップを有する。
これにより、発光部30を小さくすることができる。発光部30が小さくなることで、煙感知装置1の小型化を実現することができる。
また、例えば、筐体10の最大幅は、2cm以下である。
これにより、煙感知装置1を十分に小型化及び軽量化することができる。このため、煙感知装置1を様々な電気製品に搭載することができる。
本実施の形態に係る煙感知装置1は、流出口12からの周囲光が受光部40に入射しにくいので、煙感知装置1の周囲に蛍光灯又はLEDランプなどの光源が存在する場合に、特に有用である。なお、煙感知装置1の周囲に光源が存在する場合に、筐体10の外側に遮光性能の高いシートを設けてもよい。これにより、煙感知装置1の感知精度を高めることができる。
(変形例)
ここで、上述した実施の形態に係る煙感知装置の変形例について図面を用いて説明する。なお、以下に示す変形例では、上記の実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
[変形例1]
まず、変形例1について図6を用いて説明する。図6は、本変形例に係る煙感知装置101の断面図である。なお、図6は、図1のII−II線に相当する断面である。
図6に示すように、本変形例に係る煙感知装置101は、図2に示す煙感知装置1と比較して、流出口12とは異なる位置に流出口112が設けられている。流出口112は、設けられた位置が異なることを除いて、実施の形態1に係る流出口12と同じである。
図6に示すように、流出口112は、筐体10のy軸の最も正側の壁面を貫通するように設けられている。これにより、気流92は、流入口11から流出口112までスムーズに流れやすくなる。
なお、流出口112からの外光が受光部40に入射しやすくなるため、例えば、筐体10の全体を暗所に配置してもよい。あるいは、流出口112の外側に光の入射を抑制する庇などを設けてもよい。筐体10の全体が暗所に配置されている場合には、流出口112は、筐体10の上部(天井部)に設けられていてもよい。つまり、流出口112は、抵抗素子20と向かい合う位置に設けられていてもよい。これにより、流入口11から流入した気流92は、抵抗素子20が発生させる上昇気流に沿ってスムーズに筐体10の外部に排出される。
このように、本変形例に係る煙感知装置101においても、実施の形態と同様に、小型化を実現することができる。
[変形例2]
次に、変形例2について図7を用いて説明する。図7は、本変形例に係る煙感知装置201の断面図である。図7は、図1のII−II線に相当する断面である。
図7に示すように、本変形例に係る煙感知装置201は、図2に示す煙感知装置1と比較して、流出口12とは異なる位置に流出口212が設けられている。さらに、煙感知装置201は、流入口11が鉛直下方に向かって開いている。簡単に言い換えると、本変形例に係る煙感知装置201は、実施の形態に係る煙感知装置1を垂直に立てて配置したものに相当する。
煙感知装置201の筐体210は、実施の形態1に係る煙感知装置1の筐体10と略同じであり、水平面に対する姿勢が異なる。具体的には、流入口11は、鉛直下方に向かって開いており、第1流路13aは、流入口11から鉛直上方に向かって延びている。第2流路13bは、第1流路13aの上端から水平方向に向かって流出口212まで延びている。流出口212は、水平方向に向かって開いている。これにより、流路13の屈曲数は1つになるので、気流92をスムーズに流すことができる。
なお、流出口212が鉛直上方に向かって開口していないので、筐体210の内部に埃などの異物が侵入するのを抑制することができる。これにより、煙以外の埃などによる誤検知を抑制することができる。
本変形例では、気流生成機構の一例である抵抗素子20は、第1流路13aに配置されている。具体的には、抵抗素子20は、流入口11の近傍に配置されている。これにより、上昇気流が第1流路13aに発生する。なお、抵抗素子20は、流入口11の外側に配置されていてもよい。
本変形例に係る煙感知装置201では、例えば、発光部30及び受光部40は、流路13の上昇気流が発生している部分、すなわち、第1流路13aに配置されている。
以上のように、本変形例に係る煙感知装置201においても、実施の形態と同様に、小型化を実現することができる。
(その他)
以上、本発明に係る煙感知装置などについて、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の一態様は、図8に示すようなコンセント300としても実現することができる。図8は、本発明の一態様に係るコンセント300の外観図である。図8に示すコンセント300は、差し込みプラグ310が挿入されるプラグ受け301と、煙感知装置1とを備える。コンセント300が備える煙感知装置1は、例えば、コンセント300の裏面側に配置される。
このとき、煙感知装置1は、差し込みプラグ310がプラグ受け301に挿入されたことを検知した場合に、動作を開始してもよい。これにより、トラッキングの発生による煙の有無を効果的に検知することができる。すなわち、差し込みプラグ310がプラグ受け301に挿入されていない場合にはトラッキングが発生しないので、煙感知装置1の動作を停止しておくことで消費電力の削減に貢献することができる。
また、煙を検知した場合に、煙感知装置1は、コンセント300のプラグ受け301への電力の供給を遮断してもよい。例えば、コンセント300がリレースイッチなどを備える場合には、煙感知装置1の検知結果に応じてリレースイッチのオンオフを切り替えてもよい。
また、例えば、本発明の一態様は、図9に示すようなダウンライト400として実現することもできる。図9は、本発明の一態様に係るダウンライト400の外観図である。図9に示すダウンライト400は、電源一体型のダウンライトであり、煙感知装置1を備える照明器具の一例である。ダウンライト400が備える煙感知装置1は、例えば、電源回路を収納する回路筐体部401の内部に配置されている。
なお、ダウンライト400は、電源と灯具とが別体で構成されてもよい。電源と灯具とは、ケーブルなどで接続されており、当該ケーブルの近傍及び端子台などに煙感知装置1が搭載されていてもよい。
また、例えば、本発明の一態様は、図10に示すようなパワーコンディショナー500として実現することもできる。図10は、本発明の一態様に係るパワーコンディショナー500の外観図である。図10に示すパワーコンディショナー500は、一般家庭などの施設内の電力供給などを制御する装置であり、煙感知装置1を備える。パワーコンディショナー500が備える煙感知装置1は、例えば、パワーコンディショナー500の外郭筐体501の内部に配置されている。
このように、煙感知装置1は、十分に小型化されているために、様々な電気製品に搭載することが可能になる。また、煙感知装置1の搭載位置も特に限定されず、例えば、ダウンライト400の回路筐体部401の外側面、又は、パワーコンディショナー500の外郭筐体501の外側面に取り付けられてもよい。また、煙感知装置1の搭載数は、複数個であってもよい。
また、煙感知装置1は、コンセント300、ダウンライト400及びパワーコンディショナー500以外にも様々な場所に設けることができる。例えば、煙感知装置1は、ベースライト若しくはシーリングライトなどの他の照明器具、又は、エアコン、電子レンジ若しくは加熱調理器などの他の電子機器に搭載されてもよい。また、煙感知装置1は、電子機器に限らず、壁材、天井材又は床材などの造営材に取り付けられて、壁裏、天井裏又は床下などに配置されてもよい。また、煙感知装置1は、自動車、電車又は飛行機などの移動体に取り付けられてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、発光部30及び受光部40が第1筐体部10aの下面に配置されている例について示したが、これに限らない。発光部30及び受光部40は、第1筐体部10aの側面又は天井面10cに配置されていてもよい。例えば、発光部30及び受光部40を第1筐体部10aの天井面10cに配置することで、煙90の通過する部分により近づけることができる。これにより、煙90による散乱光の強度と、迷光の強度との差をより大きくすることができるので、煙90の検知精度を高めることができる。
また、例えば、上記の実施の形態では、煙感知装置1が気流生成機構の一例として抵抗素子20を備える例について示したが、これに限らない。例えば、煙感知装置1は、ファンなどの送風機を気流生成機構として備えてもよい。ファンは、例えば、抵抗素子20と同様に、第2流路13bの下部に配置されていてもよく、あるいは、流入口11及び流出口12の少なくとも一方の近傍に配置されてもよい。ファンなどの送風機は、筐体10の外部に配置されていてもよい。
また、煙感知装置1は、気流生成機構を備えなくてもよい。例えば、ダウンライト400の発熱、又は、パワーコンディショナー500の発熱によって生成した気流が、流入口11から筐体10内に取り込まれるような位置及び姿勢で煙感知装置1が配置されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、101、201 煙感知装置
10、210 筐体
11 流入口
12、112、212 流出口
13 流路
13a 第1流路
13b 第2流路
20 抵抗素子(気流生成機構)
30 発光部
40 受光部
50 基板
51 壁
90 煙
91 上昇気流
92 気流(気体)
300 コンセント
400 ダウンライト(照明器具)
500 パワーコンディショナー
L1 光
L2 散乱光

Claims (10)

  1. 煙感知装置であって、
    気体が流入する流入口、及び、流入した気体が流出する流出口を有し、前記流入口から前記流出口までを接続する流路が内部に設けられた筐体と、
    前記流路の少なくとも一部で上昇気流を発生させる気流生成機構と、
    発散光を出射する発光部と、
    前記流入口から流入した気体に煙が含まれる場合に、前記発光部から出射されて、集光レンズを介さずに広がった発散光のうち前記煙によって散乱された散乱光を受光するための受光部とを備え、
    前記受光部は、前記発散光が直達しない位置に配置され、かつ、前記受光部から発散する範囲からの光を受光可能であり、
    前記流路は、
    前記流入口から当該流入口の貫通方向に延びる第1流路と、
    前記第1流路に接続され、前記貫通方向に直交する方向に延びる第2流路と、を含み、
    前記煙感知装置は、
    前記第1流路を形成する壁の一部であり、前記発光部及び前記受光部が実装された第1基板と、
    前記第2流路を形成する壁の一部であり、前記気流生成機構が実装された第2基板と、を備え、
    前記流出口は、前記流入口と同じ方向に向けて開口している、
    煙感知装置。
  2. 前記発光部と前記受光部とは、板状の壁を挟んで近接配置されている
    請求項1に記載の煙感知装置。
  3. 前記発光部と前記受光部とは、同一基板に実装されている
    請求項1又は2に記載の煙感知装置。
  4. 前記発光部と前記受光部とは、パッケージ化されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の煙感知装置。
  5. 前記受光部は、
    前記散乱光のうち、前記受光部から所定の距離以下の第1範囲で散乱された第1光を受光した場合に、前記第1光を光電変換することで、所定の閾値より高い強度の受光信号を出力し、
    前記散乱光のうち、前記受光部から前記所定の距離より離れた第2範囲で散乱された第2光を受光した場合に、前記第2光を光電変換することで、前記所定の閾値より低い強度の受光信号を出力し、
    前記第1範囲には、前記流路の一部が含まれ、
    前記第2範囲には、前記筐体の壁面であって、前記受光部に対向する部分が含まれる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の煙感知装置。
  6. 前記発光部は、LED(Light Emitting Diode)チップを有する
    請求項1〜のいずれか1項に記載の煙感知装置。
  7. 前記筐体の最大幅は、2cm以下である
    請求項1〜のいずれか1項に記載の煙感知装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の煙感知装置を備えるコンセント。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の煙感知装置を備える照明器具。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の煙感知装置を備えるパワーコンディショナー。
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