JP2001517843A - 散乱放射方式による煙報知器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 散乱放射方式による煙報知器であって、測定室内に煙粒子の出入り可能な測定フィールド（５）が設けられており、この測定フィールドに合わせてビーム投射装置（６）のビーム方向が配向されており、測定フィールド（５）内で発生する散乱放射がビーム受光装置（７）により受光される。煙粒子の検出にあたり最良の放射効率を得る目的で、測定室は内側が鏡面化された中空楕円部材（３）の一部分として構成されており、測定フィールド（５）は中空楕円部材（３）の第１の焦点（１）に配置されており、ビーム受光装置（７）は中空楕円部材（３）の第２の焦点（２）に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、独立請求項１の上位概念に記載の構成に関する。

【０００２】 火災の早期検出のため、一般に煙報知器が用いられる。煙の粒子を検出する方
法は、煙粒子のところで散乱する放射の測定に基づく。散乱放射の方式に基づく
この種の報知器は通常、前方散乱の特性を利用している。なぜならば、これによ
りビーム受光装置においていっそう大きい信号を得ることができるからである。
このような煙報知器は、ビーム投射装置（一般にパルス化される）、ビーム集束
レンズ、およびたとえばホトダイオードなどのビーム受光装置から成り、これに
は必要に応じて散乱した放射の散乱円錐を捕捉するレンズが伴う。ビーム受光装
置とビーム投射装置はじかに見通せる関係におかれているのではなく、それ相応
の機械的な措置により光学的に互いに分離されている。ビーム投射装置とビーム
受光装置との間は鈍角であり、検出すべき煙粒子における散乱角度もまた鈍角で
ある。

【０００３】 このような前方散乱式の煙報知器のほかに、後方散乱による形態もある。この
場合、ビーム投射装置とビーム受光装置が並置されていて、散乱角度は鋭角であ
る（ドイツ連邦共和国特許 DE 38 31 654 C2）。

【０００４】 公知のやり方の欠点は、散乱した放射の僅かな成分だけしかビーム受光装置に
当射せず、他方、残りの散乱放射は測定のためには失われてしまうことである。
さらにこの場合、有利な測定結果のうちのそれぞれ一方つまり前方散乱または後
方散乱の一方しか利用されない。

【０００５】 発明の利点 請求項１の特徴部分に記載の構成を備えた本発明は、以下の利点を有する。す
なわち本発明によれば、煙粒子において散乱するほぼすべての放射を、測定信号
としてビーム受光装置へ供給することができる。この信号には、前方散乱放射も
後方散乱放射も、また、すべての中間領域における散乱放射も含まれている。こ
のことで測定全体の感度が高まる。それというのも、捕捉されない放射による損
失がほとんど生じないからである。さらに本発明による煙報知器によれば、種々
の粒子直径に基づく散乱特性も考慮される。

【０００６】 従属請求項には有利な実施形態が示されており、有用であればそれらの特徴を
組み合わせてもよい。

【０００７】 ビーム投射装置として発光ダイオード、半導体レーザまたはフラッシュランプ
を設けることができる。

【０００８】 図面 次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。

【０００９】 図１から図３には、本発明による種々の煙報知器の縦断面図が示されており、
図４には、本発明による別の実施例の斜視図が示されている。

【００１０】 種々の図面において実質的に同じ部材には同じ参照符号が付されている。

【００１１】 実施例の説明 図１には、中空楕円部材３の焦点１および２を通る断面をもつ基本的な配置構
成が示されている。中空楕円部材３の内側は鏡面化されていて複数の開口部４が
設けられており、これらの開口部は中空楕円部材３の内面に比べて小さく、つま
りたとえば内面の最大１０％である。第１の焦点１およびそのすぐ周囲は測定フ
ィールド５を成しており、そこにおいて煙の粒子を同時に、ビーム投射装置６に
より照射し焦点２においてビーム受光装置７により検出することができる。この
場合、ビーム受光装置７にはビーム集光装置が属しており、それが第２の焦点に
取り付けられている。しかしその場所に、代わりにビーム受光装置そのものを取
り付けてもよい。ビーム集光装置としてたとえば、図平面の下方または図平面の
上方に位置する中空楕円部材３のシェル半部に対する半球レンズをそれぞれ用い
ることができる。

【００１２】 ビーム受光装置は、１つまたは複数のホトダイオードまたはそれと等価のコン
ポーネントによって構成することができる。ホトダイオードを図２に示されてい
るように、一方のホトダイオードが有利には後方散乱による放射を受光し、他方
のホトダイオードが有利には前方散乱による放射を受光するよう配置することが
でき、この場合、後方散乱の領域は受光角８によって表されている。このように
することで、種々の散乱角度から受光された散乱放射をただ１つの評価ユニット
で互いに別個に評価することができ、個々の粒子サイズに典型的なそのつどの火
災の種類を推定することができる。角度範囲のその他の有用な評価も可能である
。

【００１３】 中空楕円部材３により形成されたミラーには図１に示されているように、煙の
粒子を測定フィールド５へ導くことのできる複数の開口部４を設けることができ
る。これらの開口部４の所要表面積は全表面積よりも小さく、したがって中空楕
円部材３により反射するビーム成分はたいして損失しない。

【００１４】 また、図３に示されているように、開口部４ａを通して煙を入れることができ
るようにする目的で、中空楕円部材３の長手軸の端部において一方の円頂部また
は両方の円頂部を切り取ることもできる。

【００１５】 さらに図４に示されているように、測定のため煙粒子を自由に出入りさせるこ
とができるようにする目的で、中空楕円部材の一方の部分シェル９だけを使用す
ることもできる。このような解決手段は、構造的に簡単な構成であるという点で
優れている。ここでも他の図面と同様、ビーム投射装置６から測定フィールド５
へ向かう区間の延長線上に誘導灯１０（Lichtfalle, light trap）が配置されて
いる様子が示されている。また、ビーム受光装置７のための半導体素子１１が概
略的に描かれている。

【００１６】 既述のすべての実施例に、光学的な煙報知器では一般的であるように、外光が
中空楕円部材３に入るのを阻止する目的でラビリンスないし迷路（Labyrinth） を設けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による煙報知器の縦断面図である。

【図２】 本発明による煙報知器の縦断面図である。

【図３】 本発明による煙報知器の縦断面図である。

【図４】 本発明による別の実施例の斜視図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2G059 AA05 BB01 CC19 DD12 EE02 FF06 GG01 GG02 GG10 JJ11 JJ13 KK01 KK03 LL04 5C085 AA03 BA33 CA07 FA06 FA20

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定室内に煙粒子の出入り可能な測定フィールド（５）が設
   けられており、 該測定フィールドに合わせてビーム投射装置（６）のビーム方向が配向されて
   おり、 前記測定フィールド（５）内で発生する散乱放射がビーム受光装置（７）によ
   り受光される形式の、 散乱放射方式による煙報知器において、 前記測定室は、内側が鏡面化された中空楕円部材（３）の一部分を有しており
   、 前記測定フィールド（５）は中空楕円部材（３）の第１の焦点（１）に配置さ
   れており、 前記ビーム受光装置（７）は中空楕円部材（３）の第２の焦点（２）に配置さ
   れていることを特徴とする、 散乱放射方式による煙報知器。
2. 【請求項２】 前記中空楕円部材（３）はほぼ完全に閉じられているが、煙
   を入れるのに十分なサイズの小さい開口部（４）が設けられている、請求項１記
   載の煙報知器。
3. 【請求項３】 測定室へ煙を入れるため、前記中空楕円部材（３）の長手軸
   周囲の円頂部にそれぞれ１つの開口部（４ａ）が設けられている、請求項１記載
   の煙報知器。
4. 【請求項４】 前記中空楕円部材の一方の部分シェル（９）だけが反射器と
   して用いられ、そのまま残された開口部は測定室へ煙を入れるために用いられる
   、請求項１記載の煙報知器。
5. 【請求項５】 後方散乱を捕捉するために第１のビーム受光装置（７ａ）が
   設けられており、前方散乱を捕捉するために第２のビーム受光装置（７ｂ）が設
   けられている、請求項１から４のいずれか１項記載の煙報知器。
6. 【請求項６】 ビーム投射装置（６）として発光ダイオードが設けられてい
   る、請求項１から５のいずれか１項記載の煙報知器。
7. 【請求項７】 ビーム投射装置（６）として半導体レーザが設けられている
   、請求項１から５のいずれか１項記載の煙報知器。
8. 【請求項８】 ビーム投射装置（６）としてフラッシュランプが設けられて
   いる、請求項１から５のいずれか１項記載の煙報知器。