JP6944149B2 - 積層体の製造方法および接合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つ以上の被接合部材を接合させる方法および接合装置に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイには、多くのフィルムが使用されている。各々のフィルムは異なる素材でできていたり異なる加工を施してあり、それらは通常積層されている。このような積層フィルムとしては偏光フィルムと位相差フィルムとを積層した広視野角偏光板や、円偏光板、あるいは、偏光板と輝度向上フィルムとを積層した光学機能フィルム等が挙げられる。
上記フィルムは多くのフィルムから構成されており、例えば円偏光板の場合は、偏光板を構成する保護フィルム、偏光機能を有する偏光子、直線偏光を円偏光に変換する位相差フィルムなどからなり、各フィルムは通常、接着剤または粘着剤を用いて接合される。
接着剤による接合は、対象となる材料が良好な接着性を有する場合は良いが、接着性の悪いフィルム同士を接合する場合は、そのような接着剤を探索しなければならない。あるいはフィルムの表面を溶剤等で溶かして接着させるなど、フィルムそのものに大きなダメージを与えなければならない場合もある。また、熱硬化型の接着剤では、硬化温度がフィルムの耐熱温度よりも高い場合はフィルムの熱劣化を引き起こすために使用することが出来ない。さらには、接着剤に含まれる揮発性成分によっては人体に有害な場合もあるために、適用できる条件は限られている。
粘着剤による接合は、粘着力により接着性の悪いフィルム同士であってもある程度接合は可能となる。しかしながら、粘着層が粘着力を発現するにはある程度の厚さが必要であり、その厚さに伴う層間での歪みなどが発生することがある。また、薄型化が求められる用途では適用できる条件は限られてしまう。
よって、接着性の悪い材料同士を限りなく薄い厚さで強固に接合できる技術が求められている。そのような技術として、特許文献1には、プラズマ処理による表面処理、次いで水蒸気あるいはシランカップリング剤のガスを処理表面に吸着させ、被接合部材同士を積層し、加熱処理することで強固な接着力で接合剤同士を接合できるいわゆるプラズマ接合技術が記載されている。この技術によれば、接合する各々の材料(フィルム)にダメージを与えることなく、かつ、ほとんど接着層としての厚みがない状態で接合が可能である。
特許第5670878号公報
特許文献1において、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)フィルムとCOP(シクロオレフィンポリマー)同士の接合や、PET(ポリエチレンテレフタレート)とCOP同士が良好に接合することが記載されているが、材料の種類によっては十分な接合力が得られない場合があった。そのような場合には、プラズマ処理中にドープするガスの種類や濃度、あるいは吸着させるシランカップリング剤の種類等を調整することにより改善することが可能であるが、個々の条件を調整することは設備的に複雑となるだけでなく、安定した接合力を生産毎に得られなくなるおそれがある。
従って、本発明は、多様な異なる種類の部材を接着層としての厚みがほとんどない状態でより簡便に強固に接合する接合体を製造する方法および接合装置を提供することを目的とする。
このような目的は、以下の(1)〜(6)に関する本発明により達成される。
(1)第1の被接合部材と第2の被接合部材とが接合した接合体を製造する方法であって、
第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行うプラズマ処理工程と、
プラズマ処理が施された第1の接合面および/または第2の接合面に、水蒸気、シランカップリング剤、またはこれらの混合物を含むガスを付着させるガス処理工程と、
第1の接合面と第2の接合面とが接するように、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが重ね合わされた積層体を形成し、2.0MPa以上10.0MPa以下にて圧着する圧着工程と、
前記積層体を加熱または電磁波照射する接合工程と
を含む接合体を製造する方法。
(2)前記プラズマ処理工程が、減圧雰囲気下または大気圧下不活性ガス雰囲気中で処理される(1)に記載の接合体の製造方法。
(3)前記大気圧不活性ガス雰囲気が、水素、酸素、窒素、および二酸化炭素のいずれかまたはこれらの2種以上の混合物を0.01%〜10%含有する(2)に記載の接合体の製造方法。
(4)前記水蒸気が、前記接合工程を行う環境中に存在する水分である(1)〜(3)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
(5)環境中に存在する前記水蒸気の量が5〜15g/mである(4)に記載の接合体の製造方法。
(6)第1の被接合部材と第2の被接合部材とを接合するための接合装置であって、
第1の被接合部材を搬送する第1の搬送ユニットと、
第2の被接合部材を搬送する第2の搬送ユニットと、
第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行うプラズマ処理ユニットと、
第1の接合面と第2の接合面とが接するように第1の被接合部材と第2の被接合部材とを重ね合わせた積層体を2.0MPa以上10.0MPa以下にて押圧する圧着ユニットと
を備える接合装置。
本発明は、多様な異なる種類の部材を接着層としての厚みがほとんどない状態で簡便に強固に接合する接合体の製造方法および接合装置を提供することができる。また、本発明に係る接合体の製造方法は、接合の際に水蒸気のみを用いる場合は、有害な低揮発成分が含まれないため、人体に対しても無害である。
本発明の接合装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明の接合装置の他の一実施形態を示す概略図である。
[接合体の製造方法]
本発明に係る接合体の製造方法は、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが接合した接合体を製造する方法であって、(1)プラズマ処理工程と、(2)ガス処理工程と、(3)圧着工程と、(4)接合工程とを含む。接合体の製造方法は、これらの各工程の間また各工程と同時に、被接合部材の搬送工程や、スリット加工工程、処理の準備工程等の、プラズマ接合のために一般的に実施される工程をさらに含んでいてもよい。
第1の被接合部材および第2の被接合部材としては、例えば、プラスチックフィルム、ガラス、金属、および紙、並びにこれらの部材表面に樹脂層を設けたプラスチックフィルム、ガラス、金属、および紙等が挙げられ、好ましくはプラスチックまたは樹脂層を設けたプラスチックフィルムである。プラスチックとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミド、シクロオレフィンポリマー、およびトリアセチルセルロース等が挙げられ、また、樹脂層を設けたプラスチックフィルムは、例えば、支持体としてのプラスチックフィルム上に紫外線硬化型樹脂や、熱硬化型樹脂、コレステリック液晶等の重合性液晶からなる樹脂層が形成されたフィルムである。
<プラズマ処理工程>
プラズマ処理工程では、第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行う。プラズマ処理および次いで行われるガス処理は、第1および第2の被接合部材は片方のみに施してもよく、両者ともに施してもよい。プラズマ処理は、減圧雰囲気下または大気圧化不活性ガス雰囲気中で処理されることが好ましい。プラズマ処理は、減圧下または大気圧下で発生させた不活性ガスや酸素ガス等のプラズマを第1および/または第2の接合面に照射して、その表面を活性化する処理である。プラズマは、公知の任意の手段により生成させることができるが、例えば、電極間に印加した直流電圧や高周波電圧、 あるいはマイクロ波などによる電界によって加速された電子とガス分子との衝突電離を利用して生成させることができる。使用する放電ガス種と投入電力により被処理面の親疎水性(親水基または疎水基の導入)、粗さ(凹凸)、および化学的活性度が大きく変化するが、放電ガス種および投入電力は被接合部材の種類等に応じて当業者が適宜決定することができる。放電するガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガス、並びに、不活性ガスと酸素、窒素、水素、および二酸化炭素のいずれかとの混合ガスが挙げられる。混合ガスとしては、例えばアルゴンガス中に酸素ガス、窒素、水素、および二酸化炭素のいずれかを好ましくは0.01%以上10%以下、より好ましくは0.05%以上5%以下、さらに好ましくは0.1%以上1%以下程度混合させたものが好ましい。プラズマ処理により、被接合部材の接合面の接触角を変化させ、後に実施されるガス処理工程において水蒸気等の付着を容易にすることができる。
<ガス処理工程>
ガス処理工程では、プラズマ処理が施された第1の接合面および/または第2の接合面に、水蒸気、シランカップリング剤、またはこれらの混合物を含むガスを付着させる。ガス処理工程は、プラズマ処理で活性化された被接合部材の被処理面に水分子やシランカップリング剤分子を付着させ、接合力を高めるために行われる。
水蒸気は、好ましくは、水を気相化した水蒸気、または気体中に飛散する微小水滴、またはそれらの混合物である。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、およびテトラエトキシオキシシラン等が挙げられる。2つ以上の被接合部材の接合面に上記処理を施す場合、その処理は被接合部材全てに同じガスを使用してもよいし、被接合部材の素材別にガスを変えてもよい。
ガスを付着させる方法としては、水蒸気を用いる場合、例えば、加湿器や霧吹き等により強制的に付着させる方法が挙げられるが、接合環境の湿度を調整するだけでも十分な接合力を発現する場合もある。接合環境の湿度のみで行う場合は、環境中に存在する水蒸気量は好ましくは5g/m以上15g/m以下、より好ましくは8g/m以上11g/m以下程度である。シランカップリング剤またはこれと水蒸気との混合物を用いる場合は、シランカップリング剤を予熱し、ガス化して被接合部材の被処理面に付着させる方法や、シランカップリング剤を水またはアルコールと混合し、加湿器や霧吹き等により強制的に付着させる方法等が挙げられる。アルコールは、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、およびiso−プロピルアルコールである。
<圧着工程>
圧着して接合する工程では、第1の接合面と第2の接合面とが接するように、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを重ね合せた積層体を形成し、2.0MPa以上10.0MPa以下にて圧着する。圧着にはプレス機やラミネーターを用いることができる。圧着の強さは、2.0MPa以上10.0MPa以下、好ましくは2.5MPa以上8.0MPa以下、より好ましくは3MPa以上6.0MPaとする。このような高い圧力をフィルム等の被接合部材にかける場合には、一方がシリコーンゴムからなるラミネーターロールで他方が金属ロールであるようなラミネーターロールでは十分な接合圧が得られない場合がある。そのような場合には、一対の金属ロールからなるラミネーターロールを用いることが好ましい。積層体は、第1の被接合体と第2の被接合体との組み合わせを2組以上有するように形成してもよく、2組以上の組み合せを有する場合は、圧着工程を各々の組み合わせに対し個別に行ってもよく、2つ以上の組み合わせに対し同時に行ってもよい。
<接合工程>
接合工程では、圧着工程後の積層体を加熱または電磁波照射する。接合工程は、接合力を強固にするために行われる。加熱は、被接合部材の耐熱性に応じて適宜調整することができるが、好ましくは70℃以上150℃以下、より好ましくは80℃以上130℃以下程度で行う。また、加熱工程は上記圧着工程と同時に行ってもよく、その場合は、ラミネーターが加温できるようなサーマルラミネーターを用いることが好ましい。加熱と圧着工程とを同時に行い、さらに加熱または電磁波照射する工程を行ってもよい。
本発明に係る接合体の製造方法は、被接合部材の材料の種類によって、プラズマ処理中にドープするガスの種類や濃度、吸着させるシランカップリング剤の種類等の条件を個々に調整する必要がなく、多様な異なる種類の部材を使用して安定した接合力を達成することができる。よって、本発明に係る接合体の製造方法は、簡便な設備で実施することができる。さらに、本発明に係る接合体の製造方法によれば、従来よりも飛躍的に接合力が向上する。また、本発明に係る接合体の製造方法は、接合の際に水蒸気のみを用いる場合は、有害な低揮発成分が含まれないため、人体に対しても無害である。
[接合装置]
本発明に係る接合体の製造方法を実際に行うための接合装置としては、上記各工程を順次行うことができるものであれば特に限定されない。既存の貼り合せ装置等の設備に接合体の製造方法の実施に必要なユニットを設置してもよいし、接合専用の装置としてもよい。接合装置は、第1の被接合部材を搬送する第1の搬送部と、第2の被接合部材を搬送する第2の搬送部と、第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行うプラズマ処理部と、第1の接合面と第2の接合面とが接するように第1の被接合部材と第2の被接合部材とが重ね合わされた積層体を2.0MPa以上10.0MPa以下にて押圧する圧着部とを少なくとも備えるものである。
接合専用の装置としては、例えば図1に示されるような接合装置100が挙げられる。接合装置100は、第1の搬送ユニット1、第2の搬送ユニット2、プラズマ処理ユニット3aおよび3b、ガス噴霧ユニット4a、圧着ユニット5、加熱または電磁波照射ユニット7、および接合体巻取りユニット8を備える。
第1の搬送ユニット1は、第1の被接合部材11を、プラズマ処理ユニット3a、ガス噴霧ユニット4、圧着ユニット5、および加熱または電磁波照射ユニット7に、この順に搬送する装置である。第2の搬送ユニット2は、第2の被接合部材12を、プラズマ処理ユニット3b、ガス噴霧ユニット4a、圧着ユニット5、および加熱または電磁波照射ユニット7に、この順に搬送する装置である。
第1の被接合部材1および第2の被接合部材2は、例えばプラスチックフィルムであり、ロール状態で設置されている。プラスチックフィルムは平滑性があることが好ましく、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、TAC(トリアセチルセルロース)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、およびこれらのプラスチックフィルム上に紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂からなる樹脂層が形成されたフィルム等が挙げられる。
プラズマ処理ユニット3aおよび3bは、上記プラズマ処理工程を実施する装置である。プラズマ処理ユニット3aは、第1の被接合部材の第1の接合面に近接した位置に設けられており、第1の接合面にプラズマ処理を行う。プラズマ処理ユニット3bは、第2の被接合部材の第2の接合面に近接した位置に設けられており、第2の接合面にプラズマ処理を行う。第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の少なくとも一方をプラズマ処理すればよいため、プラズマ処理ユニット3aおよび3bの一方が省略されてもよい。
ガス噴霧ユニット4aは、上記ガス処理工程を実施するための装置であり、プラズマ処理ユニット3aまたは3bでプラズマ処理を施された第1の接合面および/または第2の接合面に、水蒸気、シランカップリング剤、またはこれらの混合物を含むガスを付着させる。ガス噴霧ユニット4aは、被接合部材の搬送方向においてプラズマ処理ユニット3の後流側に配置される。ガス噴霧ユニット4aは、プラズマ処理された第1の接合面および/または第2の接合面の両方にガスを付着できるように、第1の被接合部材および第2の被接合部材の両方に近接した位置に配置される。接合装置100の置かれている環境が調湿されており、接合に必要な水蒸気量が環境中にある場合には、ガス噴霧ユニット4aは省いてもよい。図1に示す接合装置100はガス噴霧ユニット4aを1つ備えるが、第1の被接合部材および第2の被接合部材の各々に対して1つずつのガス噴霧ユニット4aを備えていてもよい。この場合は、それぞれのガス噴霧ユニット4aからは同じガスを噴霧してもよいし、材料の種類や所望の接合力を得るために異なるガスであってもよい。
圧着ユニット5は、上記圧着工程を実施するための装置であり、ラミネーターロール6を備える。ラミネーターロール6は、ガス噴霧ユニット4aによってガス付着処理が施された第1の被接合部材と第2の被接合部材とを、第1の接合面と前記第2の接合面とが接するように重ね合わせて積層体とし、2.0MPa以上10.0MPa以下にて押圧し、これにより第1の接合面と第2の接合面とを圧着させる。ラミネーターロール6は、加温できるものであってもよく、この場合、加熱または電磁波照射ユニット7が省略されていてもよい。
加熱または電磁波照射ユニット7は、上記接合工程を実施するための装置であり、圧着ユニット5により圧着された積層体19を加熱または電磁波照射し、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが接合された第1の接合体20を作製する。加熱または電磁波照射ユニット7は処理時間が長い場合は、ユニット長を長くするか、搬送速度を遅くする必要があるため、積層体8のロール状態で取り出した後、別途加熱または電磁波照射処理してもよい。
接合体巻取り装置8は、加熱または電磁波照射ユニット7から搬送される接合体20をロール状に巻き取る装置である。
また、3つの被接合部材を同時に接合する場合には、例えば図2に示す接合装置101を用いることができる。接合装置101は、第3の被接合部材を搬送する第3の搬送ユニット9と、第2の被接合部材12の第3の接合面をプラズマ処理するプラズマ処理ユニット3cと、第3の被接合部材13の第4の接合面をプラズマ処理するプラズマ処理ユニット3dと、プラズマ処理を施された第1の接合面および/または第2の接合面に対しガスを付着させるガス噴霧ユニット4bとをさらに備える点で接合装置100と異なる。図2においては、図1に示すのと同様の構成要素には同一の符号で示されている。
接合装置101では、第2の被接合部材2を必要に応じて片面または両面をプラズマ処理ユニット3bおよび3cにて表面処理し、次いで必要に応じて片面または両面をガス噴霧ユニット4aおよび4bで水蒸気やシランカップリング剤ガスを付着させ、圧着ユニット5で第1の被接合部材11、第2の被接合部材12、および第3の被接合部材13をこの順に積層した積層体21を押圧して圧着し、加熱または電磁波照射ユニット7で加熱または電磁波照射することにより、第1の被接合部材、第2の被接合部材、および第3の被接合部材がこの順に接合された接合体22を得ることができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に例示する。実施例において部は質量部を意味する。
<光学フィルムの作製>
(1)塗布液(光学機能層用組成物)の調整
表1に示す組成の塗布液(R剤)及び表2に示す組成の塗布液(L剤)をそれぞれ調整した。
Figure 0006944149
Figure 0006944149
添加剤:化合物1(特開2002−179668号公報に記載の化合物)
Figure 0006944149
(2)塗布液(R1)を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが4μmになるように、PETフィルム(東洋紡績社製、A4100、下塗り層無し)上に室温にて塗布し、塗布膜を形成した。
(3)PETフィルム上の塗布膜を150℃にて5分間加熱して溶剤を除去し、次いで、高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、塗布膜を硬化させて光学機能層R1を得た。これにより、支持体としてのPETフィルムと光学機能層R1とを有する光学フィルムR1を得た。
(4)塗布液(R2)、(L1)、および(L2)を用いる以外は(2)、(3)と同様の操作で、光学フィルムR2、L1、およびL2を各々作製した。
[実施例1]
(1)光学フィルムR1および光学フィルムL1を被接合部材として用い、大気圧プラズマ処理装置(APP社製MyPL−200)を用いて、酸素ガスを0.5%含有させたアルゴン雰囲気下でプラズマ出力180W、処理ギャップ(プラズマ発生部と光学フィルムとの隙間)2mmの条件下で、各フィルムの光学機能層面を処理した。
(2)室温19℃、相対湿度66%の室内(水蒸気量:10.8g/m)で、ラミネーターロールがいずれも金属製であるサーマルラミネーター(由利ロール機械社製)を用い、光学フィルムR1および光学フィルムL1の光学機能層同士を4.0MPaのラミネート圧で圧着させた。
(3)(2)で接合させた積層体を100℃、5分間加熱処理して、光学機能層R1および光学機能層L1が接合された接合体1を得た。
[実施例2]
サーマルラミネーターのラミネート圧を4.0MPaに代えて2.0MPaとした点以外は実施例1と同様にして、光学機能層R1および光学機能層L1が接合された接合体2を得た。
[実施例3]
(1)光学フィルムR1および光学フィルムL1に代えて、光学機能層R2を有する光学フィルムR2および光学機能層L2を有する光学フィルムL2を用いた点以外は、実施例1と同様にして接合し、光学機能層R2および光学機能層L2が接合された接合体3を得た。
(2)実施例1で作製した接合体1の光学機能層L1側のPETフィルムを剥離し、(1)で作製した接合体3の光学機能層R2側のPETフィルムを剥離した。
(3)片側のPETフィルムが剥離された接合体1および接合体3を、光学機能層L1と光学機能層R2とが接するように、実施例1の(1)〜(3)と同様の操作により接合した。これにより、PET/R1/L1/R2/L2/PETの順に積層された4層の接合体4を得た。
[比較例1]
サーマルラミネーターのラミネート圧を4.0MPaに代えて1.5MPaとした点以外は実施例1と同様にして、光学機能層L1および光学機能層R1が接合された接合体Aを得た。
<接着層の厚さ測定>
実施例1〜3および比較例1で得られた接合体の一部をカッターナイフで切り取り、接合箇所の断面を走査型電子顕微鏡で10万倍に拡大して観察した。実施例1〜3および比較例1で得られた接合体はいずれも、光学機能層の間には何も観察されなかった。
<接合力の評価>
(1)実施例1、2および比較例1で得られた接合体をそれぞれ幅25mm×長さ80mmのサイズにカットし、片側のPETフィルムを剥離し、光学機能層面とステンレス板を両面テープで貼り合せた。
(2)接合体のもう一方のPETフィルムを剥離し、光学機能層面に両面テープでPETフィルムを貼り付けて試験片を作製した。
(3)試験片を剥離力測定器(島津製作所社製EZ−TEST)を用いて、180°ピール測定を行った。測定時の最大剥離強度を最大接合力として結果を表3に示した。
Figure 0006944149
表3に示されるように、実施例1、2で得られた接合体は、比較例1と比較して、最大接合力が大幅に高い値を示した。この結果から、圧着時のラミネート圧を2.0MPa以上にすることにより、接着層としての厚みは観察できないにも拘らず光学フィルムは強固に接合されていることが分かる。
本発明の積層体の製造方法を用いることにより、多様な異なる材料をほとんど接着層としての厚みがない状態で簡便に強固に接合することが可能となる。また、接合の際に水蒸気のみを用いる場合は、従来の接着剤に含まれている有機溶剤や低揮発成分は含まれないために、人体に対しても無害であり、環境負荷を低減することができる。
1 第1の搬送ユニット
2 第2の搬送ユニット
3a、3b、3c、3d プラズマ処理ユニット
4a、4b ガス噴霧ユニット
5 圧着ユニット
6 ラミネーターロール
7 加熱または電磁波照射ユニット
8 接合体巻取りユニット
9 第3の搬送ユニット
11 第1の被接合部材
12 第2の被接合部材
13 第3の被接合部材
19、21 積層体
20、22 接合体
100、101 接合装置

Claims (6)

  1. 第1の被接合部材と第2の被接合部材とが接合した接合体を製造する方法であって、
    第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行うプラズマ処理工程と、
    プラズマ処理が施された第1の接合面および/または第2の接合面に、水蒸気ガスを付着させるガス処理工程と、
    第1の接合面と第2の接合面とが接するように、第1の被接合部材と第2の被接合部材とが重ね合わされた積層体を形成し、2.0MPa以上10.0MPa以下にて圧着する圧着工程と、
    前記積層体を加熱または電磁波照射する接合工程と
    を含み、前記第1の被接合部材および前記第2の接合部材が、重合性液晶からなる樹脂層が表面に形成されたプラスチックフィルムである接合体を製造する方法。
  2. 前記プラズマ処理工程が、減圧雰囲気下または大気圧下不活性ガス雰囲気中で処理される請求項1に記載の接合体の製造方法。
  3. 前記大気圧不活性ガス雰囲気が、水素、酸素、窒素、および二酸化炭素のいずれかまたはこれらの2種以上の混合物を0.01%〜10%含有する請求項2に記載の接合体の製造方法。
  4. 前記水蒸気が、前記接合工程を行う環境中に存在する水分である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
  5. 環境中に存在する前記水蒸気の量が5〜15g/mである請求項4に記載の接合体の製造方法。
  6. 第1の被接合部材と第2の被接合部材とを接合するための接合装置であって、
    第1の被接合部材を搬送する第1の搬送ユニットと、
    第2の被接合部材を搬送する第2の搬送ユニットと、
    第1の被接合部材の第1の接合面および第2の被接合部材の第2の接合面の一方または両方にプラズマ処理を行うプラズマ処理ユニットと、
    第1の接合面と第2の接合面とが接するように第1の被接合部材と第2の被接合部材と
    を重ね合わせた積層体を2.0MPa以上10.0MPa以下にて押圧する圧着ユニットと
    を備え、前記第1の被接合部材および前記第2の接合部材が、重合性液晶からなる樹脂層が表面に形成されたプラスチックフィルムである接合装置。
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