JP6943871B2 - ポリアリールエーテルケトン組成物、及び金属表面を被覆する方法 - Google Patents
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Description
本出願は、2016年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/305731号、2016年5月4日に出願された欧州特許出願第16168380.0号、及び2016年10月13日に出願された米国仮特許出願第62/407911号の優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
(−Ar−X−)及び(−Ar’−Y−)
(式中、
Ar及びAr’は、互いに等しく又は異なり、置換されていてもよい芳香族二価基であり、
Xは電子求引基であり、典型的にはカルボニル又はスルホニル基から選択され、
Yは、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基であることができ、
繰り返し単位の少なくとも50%は、−Ar−C(=O)−Ar’−単位である)を有する繰り返し単位を含むポリマーである。
−[O−Ph−C(O)−Ph−O−Ph]−
(式中、Phはそれぞれ、互いに独立して、置換されていてもよいフェニレン基である)の繰り返し単位を含み、高結晶質であり、高温性能及び良好な耐薬品性の必要性がある広範囲の用途に使用される。しかしながら、PEEKは、金属への接着性が悪く、ワイヤー被覆又はその他の金属被覆用途での使用が困難である。高い流動性のPEEKは、3次元印刷及び非常に低い溶融粘度を必要とするその他の用途において望ましいが、溶融粘度が非常に低い場合は脆くなる傾向がある。
−[Ph−O−Ph−C(O)−Ph−O]−
及び
−[Ph−Ph−O−Ph−C(O)−Ph−O]−
(式中、Phは、フェニレン部位である)の繰り返し単位を含むPAEK、及びその製造プロセスを開示している。この文献は、ポリマー(以下「PEEK−PEDEK」と称される)が、良好な電気絶縁特性を有し、例えば、高い使用温度で使用するためのワイヤー及びケーブル被覆などの絶縁材料として適切であることを教示している。この文書は、PEEK−PEDEKとその他のポリマーとのブレンドについては教示も示唆もしていない。
(i)第1の部分は第1の半結晶質ポリマーを含み、フェニレン部位、カルボニル部位、及びエーテル部位を含み、
(ii)第2の部分は、第2の半結晶質ポリマーを含み、フェニレン部位、カルボニル部位、及びエーテル部位を含む。
(i)第1の部分はPEEK−PEDEKを含み、
(ii)第2の部分は金属を含む。
第1の部分のポリマーは、ポリマーと充填材を含む組成物の一部であり得る。より高い結晶化度を有するその他のPAEKはいうまでもなく、その他のPAEKと組み合わせたPEEK−PEDEKを含む組成物についての開示又は示唆はない。
−ポリマー材料(A)、即ちPEEK−PEDEKポリマーと、
−好ましくはPEEKである、ポリマー材料(B)と、を含むブレンドに関する。
本出願人は、驚くべきことに、少なくとも2つの異なるPAEKポリマーのブレンドが、高強度、温度性能、及び耐薬品性を保持しながら、金属への接着性、靭性、及び耐衝撃性を向上する必要がある用途に有利に使用できることを見出した。特に、本出願人は、このような混合物が金属被覆用途に使用できることを見出した。
−第1のポリアリールエーテルケトン(PAEK−1)、及び
−第2のポリアリールエーテルケトン(PAEK−2)からなるポリマーブレンド[ブレンド(B)]を含み、
この場合に、(PAEK−1)は結晶質であり、330℃以上の溶融温度Tmを示し、(PAEK−2)は非晶質又は結晶質であり、315℃以下の溶融温度Tmを示し、組成物(C)は50重量%を超える(PAEK−1)を含む。
明確さのために、本出願を通して、
−(PAEK−1)及び(PAEK−2)の溶融温度Tmは、ASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06に従って示差走査熱量計(DSC)において、20℃/分の加熱及び冷却速度を用いて、2nd熱走査における溶融吸熱のピーク温度として決定される温度である。本記載の目的のために、溶融吸熱が第2の熱走査で検出される場合、ポリマーは結晶質であり、
−本発明のそれぞれの一般的定義及びそれぞれの一般的実施形態を顧みるいかなる参照も、別段の指示がない限り、それぞれの一般的定義又は実施形態に含まれるそれぞれの特定の定義又は実施形態を含むことを意図し、
−例えば、「ブレンド(B)」、「組成物(C)」、式(J−A)等などの、式を特定する化合物の名称、記号、又は文字の前後の括弧「()」の使用は、本文の残りの部分からその名称、記号、又は文字をよりよく区別する単なる目的を有し、従って、前述の括弧は省略することもでき、
−数値範囲が表示される場合、範囲の端が含まれ、
−用語「ハロゲン」は、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含み、
−用語「方法」は、プロセスの同意語として使用され、逆もまた同様であり、
−形容詞「芳香族」は、4n+2(式中、nは、0又は任意の正の整数である)に等しい数のπ電子を有する任意の単核又は多核環基(又は部位)を意味し、芳香族基(又は部位)は、アリール又はアリーレン基(又は部位)であり得、
−「アリール基」は、1つのベンゼン環から、又は2つ以上の隣接環炭素原子を共有することによってともに縮合した複数のベンゼン環からなる1つのコアから、及び1つの末端からなる炭化水素一価基である。アリール基の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、テトラセニル、トリフェニリル、ピレニル、及びペリレニル基である。アリール基の末端は、アリール基のベンゼン環に含まれる炭素原子の自由電子であり、この場合に、前述の炭素原子に結合していた水素原子は除去されている。アリール基の末端は、別の化学基と結合を形成することができ、
−「アリーレン基」は、1つのベンゼン環から、又は2つ以上の隣接環炭素原子を共有することによってともに縮合した複数のベンゼン環からなる1つのコアから、及び2つの末端からなる炭化水素二価基である。アリーレン基の非限定的な例は、フェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、テトラセニレン、トリフェニリレン、ピレニレン、及びペリレニレンである。アリーレン基の末端は、アリーレン基のベンゼン環に含まれる炭素原子の自由電子であり、この場合に、前述の炭素原子に結合していた水素原子は除去されている。アリーレン基のそれぞれの末端は、別の化学基と結合を形成することができる。
本発明の目的のため、(PAEK−1)を構成するPAEKは、繰り返し単位(R1)を含む任意のポリマーであり、この場合に、少なくとも50モル%の前述の繰り返し単位は、ここで以下の式(J−A)〜(J−Q):
(式中:
−R’はそれぞれ、互いに等しく又は異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン及び第四級アンモニウムからなる群から選択され、
−j’は、ゼロであり、又は1〜4の整数であり、
−Y’はアルキリデン基であり、
前述の繰り返し単位(R1)は、ポリマーが結晶質であり、330℃以上の溶融温度Tmを示すように選択される)の少なくとも1つに従う。
PAEK−1が少なくとも98モル%単位(J’−A)を含む場合、即ち、商標KetaSpire(登録商標)KT−880 NL及びKetaSpire(登録商標)KT−890 NLで、Solvay Specialty Polymers USAから入手可能であるPEEKで、優れた結果が得られた。
本発明の目的のために、(PAEK−2)は、繰り返し単位(R2)を含む任意のポリマーであり、この場合に、前述の繰り返し単位の少なくとも50モル%は、PAEK−2が非晶質又は結晶質であり、315℃以下の溶融温度Tmを示すように選択される、前述の式(J−A)〜(J−Q)の少なくとも1つに従う。
の繰り返し単位(J’’’−A)であるPEEKであり、繰り返し単位の残りの実質的に全ては、前述の式(J’−A)の繰り返し単位である。スルホン化PEEKは、PEEKのスルホン化反応によって製造することができ、特に、少なくとも50モル%の繰り返し単位が、繰り返し単位(J’’’−A)であるスルホン化PEEKは、実質的に全ての繰り返し単位が繰り返し単位(J’−A)であるPEEKのスルホン化反応によって製造することができる。疑いを避けるために、これらの好ましい(PAEK−2)は、少なくとも98モル%の繰り返し単位(J’−A)と(J’’’−A)の組合せを含み、この場合に、繰り返し単位(J’’’−A)は、(PAEK−2)に含まれる全繰り返し単位の少なくとも50モル%を含む。
本発明の目的のために、(PAEK−1)及び(PAEK−2)をともにブレンドして、当技術分野で公知の方法に従ってブレンド(B)を提供する。複数の(PAEK−1)と複数の(PAEK−2)をブレンド(B)に使用できるが、ブレンド(B)は、好ましくは、1つの(PAEK−2)との組み合わせにおける1つの(PAEK−1)のみを含む。本明細書において使用される場合、用語「ブレンド」は、2つのポリマーの均質な(又は均一な)物理的混合物を意味することを意図する。ブレンドは、溶融混合(又は溶融配合)、溶液ブレンド及びラテックス混合を含む、対流が支配的な混合運動である、当技術分野で公知の任意の方法によって得ることができる。
−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも50モル%の繰り返し単位が、式(J’−B)及び(J’’−B)の単位の組み合わせ、式(J’−A)及び(J’−D)の単位の組み合わせ、式(J’’’−A)の単位、式(J’−P)の単位、又は式(J’−A)及び(J’’−A)の単位の組み合わせである(PAEK−2)と、を含む。
1)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が式(J’−B)及び(J’’−B)の単位であるPEKKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1a)、
2)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’−A)及び(J’−D)であるPEEK−PEDEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1b)、
3)−少なくとも95モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’−P)である(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1c)、
4)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも50モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’’’−A)であり、繰り返し単位の残りが単位(J’−A)であるスルホン化PEEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1d)、
5)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’−A)及び(J’’−A)であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1e)である。
−前述の(PAEK−1)、好ましくは、少なくとも50モル%の繰り返し単位が式(J’−A)、単位(J’−B)と(J’’−B)の組み合わせ、又は式(J’−C)に従う、(PAEK−1)と、
−少なくとも50%の繰り返し単位が式(J’’−A)又は(J’’−Q)に従う、前述の(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−2)で実施される。
1)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位、好ましくは全ての繰り返し単位が繰り返し単位(J’’−A)[以下、(PEmEK)とも称される]であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−2a)、
2)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位、好ましくは全ての繰り返し単位が繰り返し単位(J’’−Q)[以下、(PEDEKmK)とも称される]であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−2b)で実施される。
−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも50モル%の繰り返し単位が、式(J’−B)及び(J’’−B)の単位の組み合わせ、式(J’’’−A)の単位、式(J’−P)の単位、又は式(J’−A)及び(J’’−A)の単位の組み合わせである(PAEK−2)と、を含むものである。このようなブレンドの好ましい例は、前述のブレンド(B1−a)、(B1−c)、(B1−d)、及び(B1−e)であり、ブレンド(B1−a)が好ましい。
方法(M)を実施するための組成物(C)は、前述のブレンド(B)のみから構成されることができ、又は更なる成分、特に強化充填材を含むことができる。一実施形態においては、組成物(C)は、前述のブレンド(B)及び少なくとも1つの強化充填材を含む、好ましくはこれらからなる。
−ブレンド(B−1)又は(B−2)、及び
−ガラス繊維を含む、好ましくはこれらからなる。
−ブレンド(B−1a)、(B−1b)、(B−2a)、又は(B−2b)、及びガラス繊維を含む。
組成物(C)は、熱可塑性組成物を調製するのに適した任意の公知の溶融混合プロセスによって製造することができる。このような方法は、典型的には、少なくともPAEK−1(ブレンドの最高溶融成分である)の溶融温度以上で(PAEK−1)及び(PAEK−2)を加熱することによって実施され、これにより溶融形態でブレンド(B)を形成し、次いで押し出しペレット化する。プロセスは、溶融混合装置で実施することができ、このために、溶融混合によってポリマー組成物を調製する、当業者に公知の任意の溶融混合装置を用いることができる。適切な溶融混合装置は、例えば、ニーダー、バンバリー(Banbury)ミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機である。好ましくは、所望の成分の全てを、押出機、押出機の供給口又は溶融物に、投入するための手段を備えた押出機が使用される。ポリマー組成物(C)の調製のためのプロセスにおいて、組成物を形成するための構成成分が、溶融混合装置に供給され、その装置で溶融混合される。構成成分は、乾燥ブレンドとしても知られる、粉末混合物又は顆粒混合物として同時に供給されることができ、又は別個に供給されることができる。
好ましくは、組成物(C)は、金属表面のための被覆を製造するために方法(M)において使用される。
本発明による被覆された金属表面(S)は、金属表面に組成物(C)を塗布する工程を含む方法(M)によって製造される。金属表面は、任意の形状を有することができ、即ち、2次元(又は平面)表面又は3次元表面であり得る。金属表面の一部又は全てを、組成物(C)で覆うことができる。
原材料
KETASPIRE(登録商標)KT−880 NL[MV(400℃、1000s−1)]は0.15kPa・s、Tm=344℃]、KETASPIR(登録商標)KT−880P[MV(400℃、1000s−1)は0.15kPa.s、Tm=344℃]、KETASPIR(登録商標)KT−890 NL[MV(400℃、1000s−1)は0.09kPa.s、Tm=345℃]、及びKETASPIRE(登録商標)KT−820FP[MV(400℃、1000s−1)は0.40kPa.s、Tm=340℃]は、Solvay Specialty Polymers USA、LLCから入手可能な芳香族ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーである。Cypek(登録商標)DS−E及びDS−M PEKKは、Cytecから入手可能な非晶質ポリエーテルケトンケトン(PEKK)である。Cypek(登録商標)DS−E及びDS−M PEKKは、55/45〜65/35のモル比の繰り返し単位(J’−B)及び(J’’−B)を含む。DS−Eポリマーの「Td 5%損失」は542℃である。
溶融温度Tmを、ASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06による、示差走査熱量計(DSC)での2nd熱走査における溶融吸熱のピーク温度として決定した。本発明で使用した手順の詳細は、以下の通りである:TA Instruments DSC Q20をキャリアガスとして窒素(純度99.998%、50mL/分)を用いて使用した。温度と熱流の校正はインジウムを用いて行った。試料サイズは5〜7mgであった。重量は、±0.01mgと記録された。熱サイクルは、
−第1の熱サイクル:20.00℃/分で30.00℃〜400.00℃、400.00℃で1分間等温、
−第1の冷却サイクル:20.00℃/分で400.00℃〜30.00℃、1分間等温、
−第2の熱サイクル:20.00℃/分で30.00℃〜400.00℃、400.00℃で1分間等温。
溶融温度Tmは、第2の熱走査における溶融吸熱のピーク温度として決定した。融解エンタルピーは、第2の熱走査において決定した。組成物の溶融は、220℃から最後の吸熱を超える温度(典型的には370〜380℃)まで引かれる線形ベースラインに渡る面積として取った。
融解エンタルピーは、ASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06に従い、20℃/分の加熱及び冷却速度を用いて示差走査熱量計(DSC)において第2の熱走査における溶融吸熱下の面積として決定される。融解エンタルピーは、第2の熱走査で決定され、Tg超から吸熱の終点を超える温度まで引かれた線形ベースラインに渡る面積として取る。
環境応力割れ抵抗は、曲率半径が連続的に変化し、0〜2.0%の歪みが加えられた放物線形状の固定具に取り付けられた屈曲バーを浸漬することによって評価した。試験は、トルエン及びメチルエチルケトンなどの有機溶媒にて行った。破損は、たとえ軽微であっても、露出したバーの表面に又はその下に割れ又はひび割れが発生するものと定義される。又、材料が任意の歪みレベルで溶媒による膨潤、軟化、又は溶媒和のなんらかの徴候を示す場合、破損が生じたとみなされる。試験は、200℃で2時間アニールされた、ASTM屈曲バー(flexural bar)、長さ5インチ、幅0.5インチ、厚さ0.125インチで行った。
実施例1−ポリ(エーテルビスフェノールAケトン)[繰り返し単位(J’−P)]の合成
攪拌機、N2注入管、反応媒体に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた1Lの4口反応フラスコに、169.70gのN,N−ジメチルアセトアミド、254.5gのトルエン、111.93gのビスフェノールA(0.490モル)、84.70gの乾燥した炭酸カリウム(0.613モル)を導入した。フラスコ内容物を真空下で排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。この操作を2回繰り返した。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
この実施例は、スルホン酸化PEEKについてH+型及びNa+型の合成を実証する。
攪拌機、N2注入管、反応媒体中に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた500mLの4口反応フラスコに、129.80gのジフェニルスルホン、18.942gのヒドロキノン、13.686gの4,4’ビフェノール、及び54.368gの4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを導入した。フラスコ内容物を真空下にて排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
である。
0.5×3.175mmのタングステンカーバイドダイを用いた400℃、1000s−1でのキャピラリーレオロジーによって測定した溶融粘度は、0.19kN−s/m2であった。ポリマーの「Td 5%損失」は561℃であった。
攪拌機、N2注入管、反応媒体中に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた500mLの4口反応フラスコに、128.21gのジフェニルスルホン、20.295gのヒドロキノン、11.405gの4,4’ビフェノール、及び54.368gの4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを導入した。フラスコ内容物を真空下にて排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
攪拌機、N2注入管、反応媒体中に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた500mLの4口反応フラスコに、127.7gのジフェニルスルホン、21.861gのヒドロキノン、9.207gの4,4’ビフェノール、及び54.835gの4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを導入した。フラスコ内容物を真空下に排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
である。
0.5×3.175mmのタングステンカーバイドダイを用いた400℃、1000s−1でのキャピラリーレオロジーによって測定された溶融粘度は0.20kN−s/m2であった。ポリマーの「Td 5%損失」は561℃であった。
攪拌機、N2注入管、反応媒体中に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた500mLの4口反応フラスコに、128.63gのジフェニルスルホン、28.853gのレゾルシノール、及び58.655gの4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを導入した。フラスコ内容物を真空下に排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
攪拌機、N2注入管、反応媒体中に入れられた熱電対付きのClaisenアダプター、並びに凝縮器及びドライアイストラップ付きのDean−Starkトラップを備えた500mLの4口反応フラスコに、128.44gのジフェニルスルホン、29.980gの4,4’ビフェノール、及び53.188gの1,3−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼンを導入した。フラスコ内容物を真空下に排気し、次いで高純度窒素(10ppm未満のO2を含む)で満たした。次いで、反応混合物を、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。
原料だけのポリマーブレンドの製造のための配合プロセスの一般記載
表1においてPAEK−1及びPEAK−2としてPEEKからなる原料だけのポリマーブレンドを、Coperion(登録商標)ZSK26又はBerstorff同時回転噛み合い二軸スクリュー押出機で溶融配合して作製した。それぞれの機械の配合条件は、340〜350oCのバレル温度設定点を使用した。
表1aに示される組成を有するPEEK及びPEEK−PEDEK[記載におけるブレンド(B−1b)]の原料だけの(即ち、追加成分なし)ブレンドは、原料だけのPEEKより有利な性能を示す(表1)。PEEK/PEEK−PEDEKのブレンドは、Ketaspire(登録商標)KT−890 PEEK(比較例C1)と同様に、実施例E5及びE6で示される高い流動性を示す。PEEK/PEEK−PEDEK弾性率及び強度は、原料だけのPEEK(比較例C1)のものと同様であるが、原料だけのPEEKと比較して破断引張り歪みにより高い延性を示す。更に、ノッチ付き衝撃及びダイナタップ衝撃(dynatup impact)性能は、原料だけのPEEKと比較して同様な又はより良い性能を実証した。脆性対延性破損モードの数が注記されるダイナタップ破損モードにおける向上した性能は、PEEKにブレンドされた25%のPAEK−2のみで、ダイナタップ試験における100%延性破損モードに対してブレンドの性能が向上した実施例E5において特に向上する。同様の性能が、PEEK/PEEK−PEDEKと強化繊維としてのガラス繊維とのブレンドを含む組成物(C)において観察され、結果を表2に示す。この結果は、PEEK−PEDEKをPAEK−2として使用すると、PEEK−PEDEK及びガラス繊維(対照C12〜C14)のみを含む対照組成物の、流動性、弾性率、及び強度が向上することを示している。又、このデータは、PEEK及びガラス繊維を含む対照組成物(比較例C7)と比較して実施例E8〜E11の破断引張り歪み、及びこうした対照組成物に優れるノッチ付き衝撃によって向上した延性を示す。ノッチ付きアイゾット性能は向上したが、引張り強度及び引張り弾性率は、PEEK、比較例C7と同様の性能を示した。
以下の実施例は、従来技術の組成物と比較して、Taiseiplas corporationに譲渡された欧州特許出願公開第1459882A1号明細書及び欧州特許出願公開第1559542A1号明細書(いわゆる、ナノ成形技術又はNMT処理)に記載されるような、化学的にナノエッチングされた金属表面に対する本発明のオーバーモールド組成物から得られた接着性の向上を例証する。
表3の実施例E16では、組成物の2つのポリマー成分(PAEK−1、PAEK−2)を、初めに5ガロンのドラムで20分間タンブルブレンドして、樹脂のプレミックスを作製した。次いで、プレミックスを、8つのバレル部を有する25mm Berstorff同時回転噛み合い二軸スクリュー押出機の供給口に計量した。樹脂混合物を、重量測定フィーダーを用いて17.5lb/時間の速度で計量した。更に重量測定フィーダーを用いて、25lb/時間の全配合処理速度において7.5lb/時間の速度にて、バレル部6でガラス繊維を供給した。配合の際のバレル部の温度設定は、バレルゾーン2では330℃、バレルゾーン3〜8、及びアダプターとダイでは340℃であった。溶融物の温度は、手持ち型の温度プローブを用いた配合操作の間にモニターされ、380〜390℃の範囲にあると決定された。バレル部7に真空排気を行い、Hgで25の真空レベルを達成し、化合物から水分及びその他の揮発性残留物を除去した。配合物の押出物をダイから撚り合わせ、水浴で冷却し、次いで長さ約3.0mm及び直径約2.7mmの円筒状のペレットに切断した。比較例C15の組成物は、実施例E16について前述したものと同様の方法で調製した。
前述の配合プロセスから得られたペレットを、射出成形の調製において、150℃の乾燥した対流式空気オーブンにて約16時間(一晩)初めに乾燥させた。射出成形は、2つの目的のために行った。1)機械的特性試験のために厚さ3.2mm(0.125インチ)のASTM引張り及び屈曲試験片を作製する。タイプI引張りASTM試験片及び5インチ×0.5インチ×0.125インチの屈曲試験片を、供給業者(Solvay Specialty Polymers)によって提供された30%ガラス繊維強化PEEK射出成形ガイドラインを用いて射出成形した。2)又、ラップ剪断オーバーモールド試験片の射出成形は、長さ4.5mm×幅1.75mm×厚さ2mmのNMT処理したアルミニウムグレードA−6061クーポンで行った。これらのクーポンは、Taiseiplas Corp.によって調製され供給された。小さな長方形のポリマーの試験片を、Taiseiplas Corp.によって製造され供給された3プレート鋳型を用いてアルミニウムクーポンに対してオーバーモールドした。アルミニウムクーポンに対してオーバーモールドされたプラスチックの長方形のストリップは、公称寸法、長さ4.5cm、幅1cm、厚さ3mmであった。プラスチックの片を、アルミニウムクーポンに対してオーバーモールドし、10mm×5mmの公称寸法によって規定された2つの片の間に重なり領域があり、公称の重なり領域が50mm2となるようにした。オーバーモールドされたラップ剪断アセンブリを射出成形するために使用した成形温度は、以下の通りであった:150トンのToshiba射出成形機のバレル温度設定は、それぞれ後部/中間部/前部/ノズルゾーンにおいて、360/365/371/371℃であった。鋳型温度は200℃に設定され、実施された実際の鋳型温度は約195℃であった。
前述の成形から得られたオーバーモールドされたアルミニウム/プラスチックアセンブリを、ASTM D1002のガイドラインに従ったインストロン(登録商標)引張り試験装置においてラップ剪断強度について試験した。Taiseplasによって供給された位置決め固定具を使用して、アセンブリをインストロンのグリップの所定位置に保持し、2つの材料において引張りを引く際に金属とプラスチックの片の位置合わせを維持して、ラップ境界面に加わる力が純粋に剪断力であることを確証した。0.05インチ/分の引き速度をこの試験に使用し、それぞれの試験片のラップ剪断強度を、それぞれのアセンブリを破壊するのに必要な荷重を接合部の公称の重なり領域で割って除算することによって計算した。ラップ剪断強度は、ここでは、金属基材に対するプラスチックの接着強度として互換的に言及するものである。
表3に一覧にしたデータから分かるように、52重量%のPEEK及び17.5重量%のPEKK[記載においてブレンド(B−1a)]を含む実施例E16の組成物のラップ剪断接着強度は、大きな差で、PEKKのみを含む対照組成物(比較例C15)より性能が高い。実際、本発明に従って調製した組成物の接着性は、対照組成物の状態の接着性の約2倍である。処理したアルミニウムに対するこの大幅に向上した接着性を達成することに加えて、本発明による組成物の機械的特性は、大部分は対照組成物のものと同等である。
表4の実施例E19〜E24では、組成物の2つのポリマー成分(PAEK−1及びPAEK−2)を、初めに5ガロンのドラムで20分間タンブルブレンドして、樹脂のプレミックスを作製した。次いで、プレミックスを、8つのバレル部を有する25mm Berstorff同時回転噛み合い二軸スクリュー押出機の供給口に計量した。樹脂混合物を、重量測定フィーダーを用いて12.6lb/時間の速度で計量した。更に重量測定フィーダーを用いて、18lb/時間の全配合処理速度において5.4lb/時間の速度にて、バレル部6でガラス繊維を供給した。配合の際のバレル部の温度設定は、バレルゾーン2では330℃、バレルゾーン3〜8、及びアダプターとダイでは340℃であった。溶融物の温度は、手持ち型の温度プローブを用いた配合操作の間にモニターされ、380〜390℃の範囲にあると決定された。バレル部7に真空排気を行い、Hgで25の真空レベルを達成し、化合物から水分及びその他の揮発性残留物を除去した。配合物の押出物をダイから撚り合わせ、水浴で冷却し、次いで長さ約3.0mm及び直径約2.7mmの円筒状のペレットに切断した。対照C15の組成物は、実施例E19〜E24について前述したものと同様の方法で調製した。配合の際のバレル部温度設定の温度設定は、バレルゾーン2では300℃、バレルゾーン3〜8、及びアダプターとダイでは340℃であった以外は、対照組成物C17及びC18を、C15と同様にして調製した。
これらの実施例は、ポリ(アリールエーテル)接着組成物を使用したアルミニウムA−6061基材へのPEEK/PAEK2オーバーモールド組成物の接着性を実証する。接着を実証するために、ラップ剪断試料を形成し、ラップ剪断応力を、室温で3.5インチのグリップ距離でのASTM D1002標準に従って測定した。ラップ剪断試料は、記載されたPEEK/PAEK−2組成物で金属基材をオーバーモールドすることによって形成された。金属基材は、アルミニウム6061合金から形成され、約0.25平方インチ(「In」)の表面積のX形重ね継ぎ(double butt lap joint)を有した。
又、これらの組成物のうちの3つの銅への接着性について評価した。試験の条件は、金属基材が銅(電気グレード)から形成されたこと以外は、実施例C25〜E33と同じであった。
表7の実施例E37、E38、及びC39の組成物の調製において、組成物の成分を、初めに5ガロンのドラムで20分間タンブルブレンドして、樹脂のプレミックスを作製した。最終組成物の前駆体としてKetaspire(登録商標)880KT PEEKから40%のガラス充填PEEKを作製した。Coperion(登録商標)ZSK26同時回転噛み合い押出機を使用して、前駆体化合物を作製した。溶融物が押出機から出て冷却されペレット化される前に、上流バレルの温度は360℃の設定点、転移バレルは350℃、下流バレルは340℃、及びアダプターとダイは350℃の設定点であった。OCV 910Aガラス繊維を、押出機の下流のポリマー溶融物に導入した。ダイを出る押出物の測定された溶融温度は、手持ち型の温度プローブによって得られた390℃であった。こうして得られた40%ガラス充填PEEKペレットと更なるPEEK(KetaSpire(登録商標)KT−880P)(C39の調製用)又は合成実施例6及び7に従って調製したポリマー粉末PAEK−2(E37及びE38の調製用)を混合することにより最終組成物を生成し、組成物における最終的なレベルの30重量%のガラス繊維を得た。次に、プレミックスを計量して、8つのバレル部を有する18mmLeistritz同時回転噛み合い二軸スクリュー押出機の供給口に計量した。樹脂混合物を、重量フィーダーを用いて5〜6lb/時間の速度で計量した。C39の調製においては、配合の際のバレル部温度設定は、バレルゾーン1では370℃、バレルゾーン2〜5、及びアダプターとダイでは355℃であった。溶融物の温度は、手持ち型の温度プローブを用いた配合操作の間にモニターされ、380〜390℃の範囲に決定された。バレル部7に真空排気を行い、8mmHgの真空レベルを達成し、化合物から水分及びその他の揮発性残留物を除去した。配合物の押出物をダイから撚り合わせ、水浴において冷却し、次いで長さ約3.0mm及び直径2.7mmの円筒状のペレットに切断した。組成物E37及びE38は、配合の際のバレル部温度設定の温度設定が、バレルゾーン1では280℃、バレルゾーン2〜5、及びアダプターとダイでは345℃であったこと以外は、C39と同様の方法で調製した
アルミニウムへの組成物E37、E38、及びC39の接着性を、実施例C25〜E33と同じ方法で評価した。これらの試験の結果を以下の表8に報告する。
以下の表9に特定される、60/40PEEK(KetaSpire(登録商標)KT−880)/PAEK−2の比を有する比較例C43及び実施例E44及びE45の組成物を、初めに約20分間、所望の比でブレンドされるポリマーを粉末の形態でタンブルブレンドすることによって調製して、ポリマーのプレミックスを作製した。これに続いて、48:1の長さ対直径(L/D)の比を有する26mmCoperion(登録商標)同時回転噛み合い二軸スクリュー押出機を用いて溶融配合した。押出機は、12のバレル部を有し、バレル部2〜7は、350℃の温度設定で加熱され、バレル部8〜12及びダイは、360℃の温度設定点に加熱された。ダイを出るときに押出物について記録された溶融温度は、全ての組成物において394〜398℃の範囲であった。押出機の供給は、ポリマー成分を押出機供給ホッパーで重量測定によって計量したものであり、ガラス繊維をバレル部7のそれぞれの組成物における30重量%のレベルに相当する割合で重力測定フィーダーを用いて計量した。押出機は、28lb/時間(12.70kg/時間)の樹脂供給速度、及び12lb/時間(5.44kg/時間)のガラス繊維供給速度に対応する、40lb/時間(18.15kg/時間)の総処理速度で操作した。押出機のスクリュー速度を全体で200rpmに設定し、全ての組成物を配合する際に押出機トルクの読み取り値を60〜70%の範囲に維持した。Hgで真空レベル>25を有する真空排気を配合の際にバレル部10で適用して、化合物から水分及びあらゆる可能な残留揮発分を除いた。それぞれの実験からの押出物を撚り合わせ、水において冷却し、次いでペレット化して、直径約2.7mm及び長さ3.0mmのペレットを形成した。
これらの実施例は、異なる結晶化度及びTmのPEEK=PAEK1とPAEK2=PEKKとのブレンドの接着性を実証している。接着性を実証するために、ラップ剪断試料を形成し、ラップ剪断応力を、室温で3.5インチのグリップ距離でのASTM D1002標準に従って測定した。ラップ剪断試料は、記載のPAEK1/PAEK2組成物で金属基材をオーバーモールドすることによって形成された。金属基材は、アルミニウム6061合金から形成され、約0.25平方インチ(「In」)の表面積のX形重ね継ぎを有した。
Claims (19)
- 金属表面を被覆する方法であって、前記方法は、
−第1のポリアリールエーテルケトン(PAEK−1)、及び
−第2のポリアリールエーテルケトン(PAEK−2)からなるポリマーブレンド[ブレンド(B)]を含むポリマー組成物を金属表面に塗布する工程を含み、
前記(PAEK−1)は結晶質であり、330℃以上の溶融温度Tmを示し、前記(PAEK−2)は非晶質又は結晶質であり、結晶質の(PAEK−2)は315℃以下の溶融温度Tmを示し、前記(PAEK−1)は50重量%を超えるブレンド(B)を構成し、
前記組成物は、前記金属表面に塗布される前に、(PAEK−1)の溶融温度を超える温度まで加熱される方法。 - 前記(PAEK−1)は、繰り返し単位(R1)を含み、少なくとも50モル%の前記繰り返し単位は、ここで以下の式(J−A)〜(J−Q):
(式中:−R’はそれぞれ、互いに等しく又は異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン及び第四級アンモニウムからなる群から選択され、
−j’は、ゼロであり、又は1〜4の整数であり、且つ、
−Y’はアルキリデン基である)
の少なくとも1つに従う、請求項1に記載の方法。 - 繰り返し単位(R1)の少なくとも50モル%が式(J−A)、(J−B)、(J−C)又は(J−O)の単位である、請求項2に記載の方法。
- 繰り返し単位(R1)におけるフェニレン部位は、1,4−結合を有する、請求項2又は3に記載の方法。
- j’は、出現ごとにゼロである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記(PAEK−2)は、以下の式(J−A)〜(J−Q):
(式中:−R’はそれぞれ、互いに等しく又は異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン及び第四級アンモニウムからなる群から選択され、
−j’は、ゼロであり、又は1〜4の整数であり、且つ、
−Y’はアルキリデン基である)
の少なくとも1つに従う少なくとも50モル%の繰り返し単位(R2)を含み、単位(J−A)、(J−B)、及び(J−Q)において、フェニレン部位は、独立して1,3−及び1,4−結合を有し、一方、単位(J−C)〜(J−P)において、フェニレン部位は、1,4−結合を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 - j’は、出現ごとにゼロである、請求項7に記載の方法。
- ブレンド(B−1)は、
1)−全ての繰り返し単位が式(J’−A)の単位である(PAEK−1)と、
−全ての繰り返し単位が式(J’−B)及び(J’’−B)の単位の組み合わせである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1a)、
2)−全ての繰り返し単位が式(J’−A)の単位である(PAEK−1)と、
−全ての繰り返し単位が単位(J’−A)及び(J’−D)の組み合わせである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1b)、
3)−全ての繰り返し単位が式(J’−A)の単位である(PAEK−1)と、
−全ての繰り返し単位が式(J’−P)の繰り返し単位である(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1c)、
4)−全ての繰り返し単位が式(J’−A)の単位である(PAEK−1)と、
−少なくとも50モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’’’−A)である(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1d)、
5)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’−A)及び(J’’−A)であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−1e)から選択される、請求項9に記載の方法。 - 前記ポリマー組成物は強化充填材を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- ブレンド(B−2)は、
1)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’’−A)であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−2a)、
2)−少なくとも98モル%の繰り返し単位が式(J’−A)の単位であるPEEKである(PAEK−1)と、
−少なくとも95モル%の繰り返し単位が繰り返し単位(J’’−Q)であるPAEKである(PAEK−2)と、を含むブレンド(B−2b)から選択される、請求項13に記載の方法。 - 請求項10に記載のブレンド(B−1c)、ブレンド(B−1d)、及びブレンド(B−1e)から選択されるポリマーブレンド[ブレンド(B−1)]、又は、請求項12に記載のブレンド(B−2)を含むポリマー組成物。
- 請求項14に記載のポリマーブレンド(B−2a)及び(B−2b)を含むポリマー組成物。
- 請求項15又は16に記載のポリマー組成物で被覆された金属表面。
- ワイヤーの表面、又は電子デバイスの構造部品の表面である、請求項17に記載の金属表面。
- 請求項17又は18に記載の少なくとも1つの表面を含むワイヤー又は電子デバイス或いはこれらの部品。
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