JP6943809B2 - 枠体の設置構造、及び枠体の設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、枠体の設置構造、及び枠体の設置方法に関する。
従来、建物の開口部に設けられている建具を構成する枠体を設置するための技術の一つとして、枠体に取り付けられた固定具と建物の躯体に取り付けられたアンカーとを溶接により接続することにより、枠体を躯体に対して固定する技術が提案されている。
特開2015−94170号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、枠体に取り付けられた固定具と躯体に取り付けられたアンカーとを溶接により接続するので、建具が設置される現場において溶接作業時に発生する火花等によって火災が発生するおそれがあると共に、溶接作業に多大な手間を要することから、設置作業の安全性及び効率化の観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることが可能になる、枠体の設置構造、及び枠体の設置方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の枠体の設置構造は、建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置構造であって、前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けられた第1接続手段であって、当該第1接続手段の一部を前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に向けて移動させることが可能な第1接続手段と、前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けられた第2接続手段と、少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間であって、硬化剤が充填される充填空間と、を備え、前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられることで、前記枠体が前記躯体に対して仮固定された状態である仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成し、前記仮固定状態において前記硬化剤が前記充填空間に充填されることにより、前記第1接続手段と前記第2接続手段とを相互に接続可能とした。
請求項2に記載の枠体の設置構造は、請求項1に記載の枠体の設置構造において、前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口であって、前記硬化剤を前記第1接続手段又は前記第2接続手段の外部から前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入するための注入側充填口と、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口であって、前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入された前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させるための流入側充填口と、を備える。
請求項3に記載の枠体の設置構造は、請求項2に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段を中空体状に形成し、前記第2接続手段を、前記第2充填空間に前記第1接続手段を挿通させることが可能な凹状に形成し、前記注入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1接続手段の外部から前記硬化剤を前記第1充填空間に注入可能な位置に設け、前記流入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1充填空間に充填された前記硬化剤を前記第2充填空間に流入させることが可能な位置に設けた。
請求項4に記載の枠体の設置構造は、請求項3に記載の枠体の設置構造において、前記注入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通されない部分に配置し、前記流入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通される部分に配置した。
請求項5に記載の枠体の設置構造は、請求項1から4のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段を前記枠体に設け、前記第2接続手段を前記躯体に設け、前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段が前記第2接続手段に挿通され、且つ前記第2接続手段に対して押し当てられることで前記仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成した。
請求項6に記載の枠体の設置構造は、請求項1から5のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記仮固定状態となるように前記第1接続手段の一部を移動させることで前記充填空間が増大するように、前記第1接続手段を構成した。
請求項7に記載の枠体の設置構造は、請求項1から6のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段又は前記第2接続手段の少なくとも一部を覆うためのカバー手段を備えた。
請求項8に記載の枠体の設置方法は、建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置方法であって、第1接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けるための第1設置工程と、第2接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けるための第2設置工程と、前記第1設置工程及び前記第2設置工程の後に、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられるように、前記第1接続手段の一部を移動させることで、前記枠体を前記躯体に対して仮固定するための仮固定工程と、前記仮固定工程の後に、前記第1接続手段と前記第2接続手段とが相互に接続するように、少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間に硬化剤を充填して硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定するための本固定工程と、を含む。
請求項9に記載の枠体の設置方法は、請求項8に記載の枠体の設置方法において、前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、前記本固定工程においては、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口を介して前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入し、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口を介して当該注入した硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定する。
請求項1に記載の枠体の設置構造によれば、少なくとも第1接続手段の内部に設けられた充填空間を備え、第1接続手段の一部を移動させることにより、第1接続手段又は第2接続手段のいずれか一方が第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方、躯体、又は枠体に対して押し当てられることで、仮固定状態となるように、第1接続手段及び第2接続手段を構成し、仮固定状態において硬化剤が充填空間に充填されることにより、第1接続手段と第2接続手段とを相互に接続可能としたので、従来技術(枠体を躯体に対して溶接で固定する技術)に比べて、建具が設置される現場において火災の発生を回避できると共に、設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。
請求項2に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた注入側充填口であって、硬化剤を第1接続手段又は第2接続手段の外部から第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入するための注入側充填口と、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた流入側充填口であって、第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入された硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか他方に流入させるための流入側充填口と、を備えるので、第1充填空間及び第2充填空間に硬化剤を充填でき、第1接続手段と第2接続手段とを比較的強固に接続することが可能となる。
請求項3に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段を中空体状に形成し、第2接続手段を、第2充填空間に第1接続手段を挿通させることが可能な凹状に形成し、注入側充填口を、第1接続手段において、第1接続手段の外部から硬化剤を第1充填空間に注入可能な位置に設け、流入側充填口を、第1接続手段において、第1充填空間に充填された硬化剤を第2充填空間に流入させることが可能な位置に設けたので、第1接続手段に設けた注入側充填口に硬化剤を注入することで、当該硬化剤を第1充填空間及び第2充填空間に充填でき、硬化剤の充填作業を効率的に行うことができる。
請求項4に記載の枠体の設置構造によれば、注入側充填口を、第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通されない部分に配置し、流入側充填口を、第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通される部分に配置したので、注入側充填口及び流入側充填口を第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通される部分(又は挿通されない部分)に配置する場合に比べて、硬化剤の注入及び流入を効果的に行うことができ、硬化剤の充填作業を一層効率的に行うことができる。
請求項5に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段を枠体に設け、第2接続手段を躯体に設け、第1接続手段の一部を移動させることにより、第1接続手段が第2接続手段に挿通され、且つ第2接続手段に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続手段及び第2接続手段を構成したので、第1接続手段を躯体に設ける場合に比べて第1接続手段が設置上の制約を受けにくいことから、第1接続手段の設置性を向上できる。
請求項6に記載の枠体の設置構造によれば、仮固定状態となるように第1接続手段の一部を移動させることで充填空間が増大するように、第1接続手段を構成したので、仮固定状態において、所望量の充填空間を確保しやすくなるため、第1接続手段と第2接続手段との接続強度を確保しやすくなる。
請求項7に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段又は第2接続手段の少なくとも一部を覆うためのカバー手段を備えたので、第1接続手段又は第2接続手段の少なくとも一部を覆うことができ、枠体又はその周囲の意匠性を維持しやすくなる。
請求項8に記載の枠体の設置方法によれば、第1設置工程及び第2設置工程の後に、第1接続手段又は第2接続手段のいずれか一方が第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方、躯体、又は枠体に対して押し当てられるように、第1接続手段の一部を移動させることで、枠体を躯体に対して仮固定するための仮固定工程と、仮固定工程の後に、第1接続手段と第2接続手段とが相互に接続するように、少なくとも第1接続手段の内部に設けられた充填空間に硬化剤を充填して硬化させることにより、枠体を躯体に対して本固定するための本固定工程と、を含むので、従来技術(枠体を躯体に対して溶接で固定する技術)に比べて、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。特に、第1設置工程及び第2設置工程の後に、本固定工程のみを行う場合に比べて、特殊な器具(例えば、第1接続手段の位置を調整する器具や枠体を支持する器具等)を用いることなく、を用いることなく、枠体を躯体に対して正確且つ簡易に固定でき、枠体の設置性を向上させることができる。
請求項9に記載の枠体の設置方法によれば、本固定工程においては、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた注入側充填口を介して硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入し、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた流入側充填口を介して当該注入した硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、枠体を躯体に対して本固定するので、第1充填空間及び第2充填空間に硬化剤を充填できるので、充填空間が第1接続手段の内部のみに設けられる場合に比べて、第1接続手段と第2接続手段とを強固に接続することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る建具を示す正面図である。 枠体を示す正面図である。 図2のA−A矢視断面図(一部図示省略)である。 第1接続部の本体部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。 枠体の設置方法の第1設置工程及び第2設置工程を示す図であって、図3に対応する図である。 枠体の設置方法の仮固定工程を示す図であって、図3に対応する図である。 枠体の設置方法の本固定工程を示す図であって、図3に対応する図である。 実施の形態1に係る枠体の設置構造の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。 実施の形態1に係る枠体の設置構造の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。 実施の形態2に係る枠体の設置構造を示す図であり、図3に対応する図である。 実施の形態2に係る枠体の設置構造の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。 躯体の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。 枠体の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。 第1接続部の本体部の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る枠体の設置構造、及び枠体の設置方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置構造、及び設置方法に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「躯体」とは、建物を構成する構造部材を意味し、例えば、壁部、床部、天井部等を含む概念である。また、「開口部」とは、躯体の一部分において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、「建具」とは、開口部に設置される構造体であって、開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味し、例えば、扉装置(一例として、開き戸、引戸等)、開閉できる窓、開閉できない窓(いわゆるFIX窓)、シャッター装置等を含む概念である。また、建具の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関用建具」、勝手口や通用口に設置される「勝手口用建具」、あるいは建物内部に設置される「室内用建具」等を含む。以下、実施の形態では、建具が、集合住宅の如きコンクリート製の建物の壁部に設けられた玄関口に設置される開き戸であって、片開きの開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る枠体の設置構造について説明する。この実施の形態1は、後述の第1接続部を後述の第2接続部に挿通させる形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る枠体の設置構造が適用される建具の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を建具の左右方向(−X方向を建具の左方向、+X方向を建具の右方向)、図3のY方向を建具の前後方向(+Y方向を建具の前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を建具の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を建具の上下方向(+Z方向を建具の上方向、−Z方向を建具の下方向)と称する。図1に示すように、この建具1は、概略的に、枠体10、開閉体20、ヒンジ部30を備えている。ただし、建具1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、建具1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成−枠体)
枠体10は、躯体2の壁部2aに形成された開口部3の周縁に設置されるものであり、図1、図2に示すように、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の左右一対の縦枠材11、12及び上下一対の横枠材13、14を備えている。これら縦枠材11、12及び横枠材13、14は、それぞれ躯体2に対して固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、開口部3の戸尻側に位置する縦枠材11を「戸尻側縦枠材11」と称し、開口部3の戸先側に位置する縦枠材12を「戸先側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、開口部3の上方側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、開口部3の下方側に位置する横枠材14を「くつずり横枠材14」と称する。
また、この戸先側縦枠材12には、デッドボルト受け及びラッチ受けが設けられている(いずれも図示省略)。デッドボルト受けは、開閉体20によって開口部3が閉鎖された状態(以下、「全閉状態」と称する)において、開閉体20に設けられた後述する公知のデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、後述するデッドボルトと対応する位置に配置されている。ラッチ受けは、開閉体20に設けられた後述するラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、ラッチと対応する位置に配置されている。なお、枠体10の構成の詳細については後述する。
(構成−開閉体)
図1に戻り、開閉体20は、開口部3を開閉するための平板状の開閉体20であり、図1に示すように、開閉体枠(図示省略)、屋外側表面材21、屋内側表面材(図示省略)、及び芯材(図示省略)を備えている。
(構成−開閉体−開閉体枠)
開閉体枠は、開閉体20の剛性を主として担うものである。この開閉体枠は、複数の鋼製の枠材(一例として、断面形状がコ字状である長尺な鋼製の枠材)を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、左右一対の縦枠材及び上下一対の横枠材から構成されている(いずれも図示省略)。このうち、左右一対の縦枠材は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横枠材は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。
(構成−開閉体−屋外側表面材、屋内側表面材)
屋外側表面材21及び屋内側表面材は、開閉体枠及び芯材を覆うためのものである。これら屋外側表面材21及び屋内側表面材は、例えば公知の表面材(一例として、鋼製の化粧板)等を用いて構成され、開閉体枠及び芯材を覆うように設けられており、具体的には、開閉体枠及び芯材を建物の屋外側及び屋内側から挟むように配置され、開閉体枠及び芯材に対して接着剤等によって固定されている。
(構成−開閉体−芯材)
芯材は、開閉体20の内部に充填されるものである。この芯材は、例えば公知の芯材等を用いて構成されてり、開閉体枠、屋外側表面材21、及び屋内側表面材によって囲繞された空間内に充填されている。
(構成−開閉体−その他の構成)
また、図1に示すように、開閉体20の戸先側には、ユーザが開閉体20の開閉操作を行うための把手部22と、開閉体20を施錠するための施錠装置23と、施錠装置23による施錠の有無に関わらず、全閉状態の位置に開閉体20を維持するためのラッチ(図示省略)とが設けられている。また、開閉体20における建物の屋内側の上方には、開閉体20が開かれた場合に、開閉体20を安全な速度で自動的に閉じるためのものであると共に、開閉体20の回動状態が開閉体20によって開口部3全体が開放された状態(以下、「全開状態」と称する)以上の状態になることを規制するためのドアクローザ(図示省略)が設けられている。
(構成−ヒンジ部)
ヒンジ部30は、開閉体20を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部30は、公知の旗蝶番等を用いて構成されており、図1に示すように、開閉体20の戸尻側の端部(図1では、左端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、開閉体20及び戸尻側縦枠材11に対して固定具等によって取り付けられている。
(構成−戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図1、図3に示すように、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々は、縦枠材本体11a及び固定材11bを備えている。
縦枠材本体11aは、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の基本構造体である。この縦枠材本体11aは、X−Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の上下方向の略全長にわたって形成されている。また、縦枠材本体11aの具体的な構成については任意であるが、例えば、図3に示すように、縦枠材本体11aにおける開閉体20に対応する部分を左右方向の外側に向けて凹ませることにより、開閉体20を収容しながら縦枠材本体11aと開閉体20との干渉を回避することが可能な空間が形成されている。
固定材11bは、縦枠材本体11aを躯体2に対して固定すると共に、縦枠材本体11aを補強するためのものである。この固定材11bは、平坦状の板状体にて形成されており、具体的には、図3に示すように、当該固定材11bの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材11bの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材11bは、縦枠材本体11aのコ字状の開放端部側(図3では、縦枠材本体11aの左右方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11aに対して溶接等によって固定されている。
(構成−上側横枠材及びくつずり横枠材の構成の詳細)
図1に戻り、次に、枠体10の上側横枠材13及びくつずり横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13及びくつずり横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図1に示すように、上側横枠材13及びくつずり横枠材14の各々は、横枠材本体13a及び固定材(図示省略)を備えている。
横枠材本体13aは、上側横枠材13(又はくつずり横枠材14)の基本構造体である。この横枠材本体13aは、Y−Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側に向けて開放された略U字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、横枠材本体13aの具体的な構成については任意であるが、例えば、横枠材本体13aにおける開閉体20に対応する部分を上下方向の外側に向けて凹ませることにより、開閉体20を収容しながら横枠材本体13aと開閉体20との干渉を回避することが可能な空間が形成されている。
固定材は、横枠材本体13aを躯体2に対して固定すると共に、横枠材本体13aを補強するためのものである。この固定材は、板状体にて形成されており、具体的には、当該固定材の前後方向の長さが横枠材本体13aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材の左右方向の長さが横枠材本体13aの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材は、横枠材本体13aのコ字状の開放端部側(横枠材本体13aの上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、横枠材本体13aに対して溶接等によって固定されている。
(構成−枠体の設置構造)
図1に戻り、次に、枠体10の設置構造について説明する。この建具1は、開口部3に枠体10を設置するための設置構造を備えている。また、この設置構造は、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造を備えている。ただし、これら戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、戸尻側縦枠材11側の設置構造の構成のみについて説明することとする。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造)
次に、戸尻側縦枠材11側の設置構造について説明する。枠体10の戸尻側縦枠材11を躯体2に固定するための設置構造の特徴については、実施の形態1では、以下に示す通りとなる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴)
まず、戸尻側縦枠材11側の設置構造の第1の特徴については、戸尻側縦枠材11と躯体2との相互間において、第1接続部41、第2接続部42、第1充填空間51、第2充填空間52、注入側充填口61、及び流入側充填口62からなる組40(以下、「設置組40」と称する)が複数設けられている。具体的には、図1に示すように、5つの設置組40が、戸尻側縦枠材11と躯体2との相互間において相互に間隔を隔てて上下方向に沿って並設されている(なお、図1に示すように、戸先側縦枠材12側の設置構造の設置組40は5つ設けられており、上側横枠材13側の設置構造及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々の設置組40は3つ設けられている)。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−第1接続部)
第1接続部41は、枠体10(具体的には戸尻側縦枠材11)を躯体2に固定するための第1接続手段であって、当該第1接続部41の一部を躯体2又は枠体10のいずれか他方に向けて移動させることが可能な第1接続手段である。この第1接続部41は、躯体2又は枠体10のいずれか一方に設けられており、具体的には、図3に示すように、戸尻側縦枠材11の固定材11bに設けられている。また、この第1接続部41は、図3、図4に示すように、本体部43及び移動部44を備えている。
本体部43は、第1接続部41の基本構造体である。この本体部43は、長尺な中空状体(図4では、中空円柱状体)にて形成されており、図3に示すように、本体部43の長手方向が左右方向に沿うように配置されている。
移動部44は、本体部43を左右方向に向けて移動させるための移動手段であり、図3に示すように、ガイド部44a及び連結部44bを備えている。このうち、ガイド部44aは、連結部44bが左右方向に向けて移動可能となるように、連結部44bを誘導するためのガイド手段である。このガイド部44aは、ネジ切りされた長尺な棒状体にて形成されており、本体部43に形成された図4(c)の貫通孔43aを介してガイド部44aの一部が挿通されるように設けられている。具体的には、ガイド部44aの長手方向が左右方向に沿うように配置され、ガイド部44aの枠体10側の端部(図3では、右端部)が固定材11bに対して溶接等によって固定されている。また、連結部44bは、本体部43と移動部44とを連結するための連結手段である。この連結部44bは、内縁がネジ切りされた環状体(例えば、ナット状体等)にて形成されており、図3に示すように、本体部43の枠体10側の端部(図3では、右端部)に対して溶接等に接続されていると共に、ガイド部44aが連結部44bに挿通された状態において連結部44bが左右方向に向けて移動可能となるように、ガイド部44aに対して嵌合されている。このような移動部44により、連結部44bをガイド部44aの長軸回りに回動させることにより、本体部43を左右方向に向けて移動させることができる。
また、第1接続部41の材質については任意であるが、耐久性を有する材質であることが好ましいので、実施の形態1では、鋼材又はステンレス鋼材等を用いて構成されている。ただし、これに限らず、例えば、比較的高い強度を有する樹脂材等を用いて構成されてもよい。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−第2接続部)
図3に戻り、第2接続部42は、枠体10(具体的には戸尻側縦枠材11)を躯体2に固定するための第2接続手段である。この第2接続部42は、躯体2又は枠体10のいずれか他方に設けられている。具体的には、図3に示すように、躯体2に設けられている。
また、第2接続部42の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、第1接続部41の本体部43を第2接続部42に挿通することが可能となるように、躯体2の一部(図3では、躯体2のうち本体部43と対応する部分及びその近傍部分)を切り欠くことにより凹状(例えば、Y−Z平面に沿った断面形状が円形状となる凹状)に形成されている。この場合において、第2接続部42の開放端部の径については任意であるが、例えば、図3に示すように、第2接続部42に挿通された第1接続部41を所定量だけ位置調整ができるように、第1接続部41の外径よりも若干大きく設定している。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−第1充填空間)
第1充填空間51は、硬化剤CAが充填される空間である。ここで、「硬化剤CA」とは、枠体10を躯体2に固定するためのものであり、例えば、樹脂製の硬化剤(一例として、エポキシ樹脂製、熱可塑性樹脂製、熱硬化性樹脂製)、シール剤等を含む概念である。この第1充填空間51は、第1接続部41の内部に設けられており、具体的には、図3に示すように、第1接続部41の本体部43の内部に設けられている。
また、第1充填空間51の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態1では、後述する仮固定状態において第1接続部41と第2接続部42とを接続するために必要な量の硬化剤CAが充填することができる限り小さくすることが望ましいことから、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい(なお、第2充填空間52についても同様とする)。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−第2充填空間)
第2充填空間52は、硬化剤CAが充填される空間である。この第2充填空間52は、第2接続部42の内部に設けられており、具体的には、図3に示すように、第2接続部42の底部分42a及び側壁部分42bに囲繞された空間に設けられている。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−注入側充填口)
注入側充填口61は、硬化剤CAを第1接続部41又は第2接続部42の外部から第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか一方に注入するための充填口である。この注入側充填口61は、第1接続部41又は第2接続部42に少なくともいずれか一方に少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、図3に示すように、第1接続部41の本体部43に1つ設けられている。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−流入側充填口)
流入側充填口62は、第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか一方に注入された硬化剤CAを第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか他方に流入させるための充填口である。この流入側充填口62は、第1接続部41又は第2接続部42に少なくともいずれか一方に少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、図3に示すように、第1接続部41の本体部43に2つ設けられている。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第1の特徴−その他の構成)
また、第1接続部41及び第2接続部42の具体的な構成については、実施の形態1では、第1接続部41の一部を移動させることにより、第1接続部41又は第2接続部42のいずれか一方が第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方、躯体2、又は枠体10に対して押し当てられることで、枠体10が躯体2に対して仮固定された状態(以下、「仮固定状態」と称する)となるように、第1接続部41及び第2接続部42が構成されている。
具体的には、第1接続部41の本体部43を第2接続部42に向けて移動させることにより、第1接続部41が第2接続部42に挿通され、且つ第2接続部42に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42が構成されている。この場合において、第1接続部41の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態1では、本体部43の左右方向の長さ及びガイド部44aの左右方向の長さについては、本体部43をガイド部44aの枠体10側の端部付近まで移動させた状態において、本体部43を第2充填空間52に挿通させることができ、且つ本体部43が第2接続部42の底部分42aに対して所望の押圧量で押し当てられることが可能な長さに設定している。例えば、本体部43の躯体2側の端部(図3では左端部)と戸尻側縦枠材11の固定材11bとの間の最大長さが第2接続部42の底部分42aから固定材11bに至る長さよりも長くなるように設定してもよい。また、第2接続部42の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態1では、第2接続部42の径については、本体部43を挿通させることが可能な第2充填空間52を形成することができる大きさに設定しており、例えば、本体部43の径よりも大きな長さに設定してもよい。また、第2接続部42の左右方向の長さについては、第1接続部41における第2充填空間52の挿通量が所望量となる長さに設定しており、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。
またさらに、仮固定状態において硬化剤CAが充填空間(具体的には、第1充填空間51及び第2充填空間52)に充填されることにより、第1接続部41と第2接続部42とが相互に接続可能とされている。
具体的には、図7に示すように、仮固定状態において、硬化剤CAが第1充填空間51全体及び第2充填空間52全体にわたって充填されることで、当該充填された硬化剤CAの硬化によって第1接続部41(特に、第2接続部42に挿通されている部分)と第2接続部42とが相互に接続可能とされている。この場合において、第1接続部41及び第2接続部42の各々の左右方向の長さ及び径については、実施の形態1では、硬化剤CAによる第1接続部41と第2接続部42との接続強度が所定値に達するように設定しており、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。
このような第1の特徴により、従来技術(枠体10を躯体2に対して溶接で固定する技術)に比べて、建具1が設置される現場において火災の発生を回避できると共に、設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。また特に、充填空間が第1充填空間51及び第2充填空間52を含み、第1接続部41が注入側充填口61及び流入側充填口62を備えるので、第1充填空間51及び第2充填空間52に硬化剤CAを充填でき、第1接続部41と第2接続部42とを比較的強固に接続することが可能となる。また、第1接続部41を枠体10に設け、第2接続部42を躯体2に設け、第1接続部41の一部を移動させることにより、第1接続部41が第2接続部42に挿通され、且つ第2接続部42に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42を構成しているので、第1接続部41を躯体2に設ける場合に比べて第1接続部41が設置上の制約を受けにくいことから、第1接続部41の設置性を向上できる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第2の特徴)
図3に戻り、また、戸尻側縦枠材11側の設置構造の第2の特徴については、注入側充填口61は、第1接続部41において、第1接続部41の外部から硬化剤CAを第1充填空間51に注入可能な位置に設けられている。また、流入側充填口62は、第1接続部41において、第1充填空間51に充填された硬化剤CAを第2充填空間52に流入させることが可能な位置に設けられている。
具体的には、図3、図4(a)に示すように、注入側充填口61は、第1接続部41の本体部43の部分のうち第2充填空間52に挿通されない部分(図3では、本体部43の枠体10側の部分)に配置されている。また、流入側充填口62は、第1接続部41の本体の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分(図3では、本体部43の躯体2側の部分)に配置されている。
このような第2の特徴により、第1接続部41に設けた注入側充填口61に硬化剤CAを注入することで、当該硬化剤CAを第1充填空間51及び第2充填空間52に充填でき、硬化剤CAの充填作業を効率的に行うことができる。また、注入側充填口61及び流入側充填口62を第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分(又は挿通されない部分)に配置する場合に比べて、硬化剤CAの注入及び流入を効果的に行うことができ、硬化剤CAの充填作業を一層効率的に行うことができる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第3の特徴)
また、戸尻側縦枠材11側の設置構造の第3の特徴については、仮固定状態となるように第1接続部41の一部を移動させることで充填空間(具体的には、第1充填空間51及び第2充填空間52)が増大するように、第1接続部41が構成されている。
具体的には、図6に示す仮固定状態において第1接続部41のガイド部44aが本体部43に挿通されている挿通量が、図5に示す仮固定状態になる前の状態においてガイド部44aが本体部43に挿通されている挿通量よりも少なくなるように、第1接続部41が構成されている。
このような第3の特徴により、仮固定状態において、所望量の充填空間を確保しやすくなるため、第1接続部41と第2接続部42との接続強度を確保しやすくなる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−第4の特徴)
図1に戻り、また、戸尻側縦枠材11側の設置構造の第4の特徴については、図1、図3に示すように、カバー部70が設けられている。
カバー部70は、第1接続部41又は第2接続部42の少なくとも一部を覆うためのカバー手段である。このカバー部70は、躯体2と枠体10(図3では、戸尻側縦枠材11)との相互間に設けられており、具体的には、図3に示すように、後述する本固定工程にて枠体10が躯体2に対して本固定された状態において、躯体2に形成された枠体収容空間2bに公知の充填材(一例として、モルタル材料等)が充填されることで形成されている。ここで、枠体収容空間2bは、枠体10の少なくとも一部、第1接続部41、及び第2接続部42を収容するための空間であり、図3、図5に示すように、躯体2における枠体10と対応する部分(具体的には、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14に対応する部分)及びその近傍部分を開口部3の外側に向けて凹ませることにより形成されている。
このような第4の特徴により、第1接続部41又は第2接続部42の少なくとも一部を覆うことができ、枠体10又はその周囲の意匠性を維持しやすくなる。
(枠体の設置方法)
図3に戻り、続いて、枠体10の設置方法について説明する。図3、図5から図7に示すように、実施の形態1に係る枠体10の設置方法は、第1設置工程、第2設置工程、仮固定工程、本固定工程、及びカバー工程を含んでいる。
(枠体の設置方法−第1設置工程)
まず、第1設置工程について説明する。第1設置工程は、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々に対応する各設置組40の第1接続部41(具体的には、工場等で組み立てられた第1接続部41)を、躯体2又は枠体10(具体的には、戸尻側縦枠材11)のいずれか一方に設けるための工程である。具体的には、図5に示すように、上記各設置組40における第1接続部41のガイド部44aの端部のうち枠体10側の端部(図5では、右端部)を戸尻側縦枠材11の固定材11bに対して溶接等によって固定することにより、上記各設置組40の第1接続部41を枠体10にそれぞれ設ける。
(枠体の設置方法−第2設置工程)
次に、第2設置工程について説明する。第2設置工程は、第1設置工程の後(あるいは、第1設置工程よりも前、又は第1設置工程と略同一のタイミング)に、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々に対応する各設置組40の第2接続部42を、躯体2又は枠体10のいずれか他方に設けるための工程である。具体的には、図5に示すように、公知のはつり器具を用いて、躯体2の部分のうち上記各設置組40の第1接続部41に対応する部分を凹状に切り欠くことにより、上記各設置組40の第2接続部42を躯体2にそれぞれ設ける。
(枠体の設置方法−仮固定工程)
次いで、仮固定工程について説明する。仮固定工程は、第1設置工程及び第2設置工程の後に、上記各設置組40の第1接続部41又は第2接続部42のいずれか一方が上記各設置組40の第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方に挿通され、且つ上記各設置組40の第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方、躯体2、又は枠体10に対して押し当てられるように、上記各設置組40の第1接続部41の一部を移動させることで、枠体10を躯体2に対して仮固定するための工程である。具体的には、図6に示すように、上記各設置組40の第1接続部41の本体部43を第2接続部42に向けて移動させながら、当該本体部43を対応する第2接続部42に挿通し、且つ当該対応する第2接続部42の底部分42aに対して所望の押圧量で押し当てることにより、枠体10を躯体2に対して仮固定する。この場合において、戸尻側縦枠材11側の設置構造又は戸先側縦枠材12側の設置構造のいずれか一方に対応する上記各設置組40の本体部43を対応する第2接続部42の底部分42aに対して所望の押圧量で押し当てる場合には、戸尻側縦枠材11側の設置構造又は戸先側縦枠材12側の設置構造のいずれか他方に対応する上記各設置組40の本体部43を対応する第2接続部42の底部分42aに対して押し当てておく必要がある(なお、上側横枠材13側の設置構造又はくつずり横枠材14側の設置構造のいずれか一方に対応する上記各設置組40の本体部43を対応する第2接続部42の底部分42aに対して所望の押圧量で押し当てる場合についても同様とする)。
(枠体の設置方法−本固定工程)
次に、本固定工程について説明する。本固定工程は、仮固定工程の後に、上記各設置組40の第1接続部41と第2接続部42とが相互に接続するように、硬化剤CAを充填空間(具体的には、第1充填空間51及び第2充填空間52)に充填して硬化させることにより、枠体10を躯体2に対して本固定するための工程である。具体的には、図7に示すように、上記各設置組40の注入側充填口61を介して硬化剤CAを対応する第1充填空間51に注入し、対応する流入側充填口62を介して当該注入した硬化剤CAを対応する第2充填空間52に流入させる。そして、上記第1充填空間51全体及び上記第2充填空間52全体にわたって硬化剤CAが充填されてから所定時間経過するまで当該硬化剤CAを硬化させることにより、枠体10を躯体2に対して本固定する(なお、この場合において、第2接続部42の開放端は開放された状態が維持される)。このように、第1充填空間51及び第2充填空間52に硬化剤CAを充填できるので、充填空間が第1接続部41の内部のみに設けられる場合に比べて、第1接続部41と第2接続部42とを強固に接続することが可能となる。
(枠体の設置方法−カバー工程)
続いて、カバー工程について説明する。カバー工程は、本固定工程の後に、上記各設置組40の第1接続部41又は第2接続部42の少なくとも一部をカバー部70で覆うための工程である。具体的には、図3に示すように、公知の方法を用いて、枠体収容空間2b全体に公知の充填材を充填することでカバー部70を形成することにより、当該形成したカバー部70で上記各設置組40の第1接続部41及び第2接続部42が外部から露出しないように覆う。これにて枠体10の設置が終了する。
以上のような設置方法により、従来技術(枠体10を躯体2に対して溶接で固定する技術)に比べて、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。特に、第1設置工程及び第2設置工程の後に、本固定工程のみを行う場合に比べて、特殊な器具(例えば、第1接続部41の位置を調整する器具や枠体10を支持する器具等)を用いることなく、枠体10を躯体2に対して正確且つ簡易に固定でき、枠体10の設置性を向上させることができる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−その他の構成)
また、この他にも、実施の形態1に係る戸尻側縦枠材11側の設置構造は、任意の構造にて構成可能である。
具体的には、実施の形態1では、第2接続部42が、躯体2を切り欠くことによりに形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図8に示すように、躯体2とは別体に形成された鋼製の凹状体であって枠体10側の端部が開放された凹状体であり、躯体2に対して固定具等によって固定されてもよい。また、この場合において、第2接続部42の位置調整が可能となるように、第2接続部42は、上下方向又は前後方向に所定量だけ移動可能に固定されてもよい。このような第2接続部42により、躯体2を切り欠くことによりに第2接続部42を形成する場合に比べて、躯体2の種別に関わらず、第2接続部42を簡易に設置でき、枠体10の設置性を一層向上させることが可能となる。
また、実施の形態1では、第1接続部41が枠体10に設けられ、第2接続部42が躯体2に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、図9に示すように、第1接続部41が躯体2に設けられ、第2接続部42が枠体10に設けられてもよい。この場合には、第2接続部42は、図9に示すように、枠体10とは別体に形成された凹状体であってもよく、あるいは、戸尻側縦枠材11の一部を凹状に加工することで形成されたものであってもよい。
また、実施の形態1では、注入側充填口61及び流入側充填口62が、第1接続部41に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、注入側充填口61が第2接続部42に設けられ(一例として、第2接続部42の開放端の一部を注入側充填口61として取り扱う等)、流入側充填口62が第1接続部41に設けられてもよい。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、少なくとも第1接続部41の内部に設けられた充填空間を備え、第1接続部41の一部を移動させることにより、第1接続部41又は第2接続部42のいずれか一方が第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方、躯体2、又は枠体10に対して押し当てられることで、仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42を構成し、仮固定状態において硬化剤CAが充填空間に充填されることにより、第1接続部41と第2接続部42とを相互に接続可能としたので、従来技術(枠体10を躯体2に対して溶接で固定する技術)に比べて、建具1が設置される現場において火災の発生を回避できると共に、設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。
また、第1接続部41又は第2接続部42に設けられた注入側充填口61であって、硬化剤CAを第1接続部41又は第2接続部42の外部から第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか一方に注入するための注入側充填口61と、第1接続部41又は第2接続部42に設けられた流入側充填口62であって、第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか一方に注入された硬化剤CAを第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか他方に流入させるための流入側充填口62と、を備えるので、第1充填空間51及び第2充填空間52に硬化剤CAを充填でき、第1接続部41と第2接続部42とを比較的強固に接続することが可能となる。
また、第1接続部41を中空体状に形成し、第2接続部42を、第2充填空間52に第1接続部41を挿通させることが可能な凹状に形成し、注入側充填口61を、第1接続部41において、第1接続部41の外部から硬化剤CAを第1充填空間51に注入可能な位置に設け、流入側充填口62を、第1接続部41において、第1充填空間51に充填された硬化剤CAを第2充填空間52に流入させることが可能な位置に設けたので、第1接続部41に設けた注入側充填口61に硬化剤CAを注入することで、当該硬化剤CAを第1充填空間51及び第2充填空間52に充填でき、硬化剤CAの充填作業を効率的に行うことができる。
また、注入側充填口61を、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通されない部分に配置し、流入側充填口62を、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分に配置したので、注入側充填口61及び流入側充填口62を第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分(又は挿通されない部分)に配置する場合に比べて、硬化剤CAの注入及び流入を効果的に行うことができ、硬化剤CAの充填作業を一層効率的に行うことができる。
また、第1接続部41を枠体10に設け、第2接続部42を躯体2に設け、第1接続部41の一部を移動させることにより、第1接続部41が第2接続部42に挿通され、且つ第2接続部42に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42を構成したので、第1接続部41を躯体2に設ける場合に比べて第1接続部41が設置上の制約を受けにくいことから、第1接続部41の設置性を向上できる。
また、仮固定状態となるように第1接続部41の一部を移動させることで充填空間が増大するように、第1接続部41を構成したので、仮固定状態において、所望量の充填空間を確保しやすくなるため、第1接続部41と第2接続部42との接続強度を確保しやすくなる。
また、第1接続部41又は第2接続部42の少なくとも一部を覆うためのカバー部70を備えたので、第1接続部41又は第2接続部42の少なくとも一部を覆うことができ、枠体10又はその周囲の意匠性を維持しやすくなる。
また、第1設置工程及び第2設置工程の後に、第1接続部41又は第2接続部42のいずれか一方が第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続部41又は第2接続部42のいずれか他方、躯体2、又は枠体10に対して押し当てられるように、第1接続部41の一部を移動させることで、枠体10を躯体2に対して仮固定するための仮固定工程と、仮固定工程の後に、第1接続部41と第2接続部42とが相互に接続するように、少なくとも第1接続部41の内部に設けられた充填空間に硬化剤CAを充填して硬化させることにより、枠体10を躯体2に対して本固定するための本固定工程と、を含むので、従来技術(枠体10を躯体2に対して溶接で固定する技術)に比べて、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。特に、第1設置工程及び第2設置工程の後に、本固定工程のみを行う場合に比べて、特殊な器具(例えば、第1接続部41の位置を調整する器具や枠体10を支持する器具等)を用いることなく、を用いることなく、枠体10を躯体2に対して正確且つ簡易に固定でき、枠体10の設置性を向上させることができる。
また、本固定工程においては、第1接続部41又は第2接続部42に設けられた注入側充填口61を介して硬化剤CAを第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか一方に注入し、第1接続部41又は第2接続部42に設けられた流入側充填口62を介して当該注入した硬化剤CAを第1充填空間51又は第2充填空間52のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、枠体10を躯体2に対して本固定するので、第1充填空間51及び第2充填空間52に硬化剤CAを充填できるので、充填空間が第1接続部41の内部のみに設けられる場合に比べて、第1接続部41と第2接続部42とを強固に接続することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る枠体の設置構造について説明する。この実施の形態2は、第2接続部を第1接続部に挿通させる形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る枠体の設置構造が適用される建具の構成について説明する。実施の形態2に係る建具1は、実施の形態1に係る建具1とほぼ同様に構成されている。ただし、枠体10の設置構造の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−枠体の設置構造)
次に、枠体10の設置構造の構成の詳細について説明する。なお、枠体10の設置構造のうち、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、戸尻側縦枠材11側の設置構造の構成のみについて説明することとする。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造)
次に、戸尻側縦枠材11側の設置構造について説明する。戸尻側縦枠材11側の設置構造については、実施の形態2では、実施の形態1に係る戸尻側縦枠材11側の設置構造と同様に、戸尻側縦枠材11と躯体2との相互間において、第1接続部41、第2接続部42、第1充填空間51、第2充填空間52、注入側充填口61、及び流入側充填口62からなる設置組40が複数設けられている。
具体的には、図10に示すように、第1接続部41は、戸尻側縦枠材11の固定材11bに設けられており、固定材11bに対して固定されている。また、第2接続部42は、躯体2とは別体に形成された鋼製の凹状体であって枠体10側の端部が開放された凹状体であり、躯体2の表面上に設けられ、躯体2に対して固定具によって固定されている。また、第1充填空間51は、第1接続部41の内部に設けられており、第2充填空間52は、第2接続部42の内部に設けられている。また、注入側充填口61は、第1接続部41に1つ設けられており、具体的には、図10に示すように、第1接続部41の枠体10側の部分に配置されている。また、流入側充填口62は、第2接続部42に1つ設けられており、具体的には、図10に示すように、第2接続部42の開放端が流入側充填口62として取り扱われている。
また、第1接続部41及び第2接続部42の具体的な構成については任意であるが、実施の形態2では、第1接続部41の本体部43を第2接続部42に向けて移動させることにより、第2接続部42が第1接続部41に挿通され、且つ第1接続部41が躯体2に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42が構成されている。
具体的には、図10に示すように、第1接続部41の本体部43は、第2接続部42を当該本体部43に挿通することが可能となるように、躯体2側の端部が開放された中空状体(例えば、中空円柱状体等)にて形成されている。また、本体部43の開放端部の径については任意であるが、例えば、図10に示すように、第2接続部42を確実に挿通できるように、第2接続部42の外径よりも大きく設定している。また、本体部43の左右方向の長さについては任意であるが、例えば、図10に示すように、第2接続部42全体を本体部43に挿通可能となるように、第2接続部42の左右方向の長さよりも長く設定している。
このような戸尻側縦枠材11側の設置構造により、実施の形態1に係る戸尻側縦枠材11側の設置構造と同様に、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。
(構成−枠体の設置構造−戸尻側縦枠材側の設置構造−その他の構成)
また、この他にも、実施の形態2に係る戸尻側縦枠材11側の設置構造は、任意の構造にて構成可能である。
具体的には、実施の形態2では、戸尻側縦枠材11側の設置構造に対応する各設置組40が、第2充填空間52及び流入側充填口62を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第2充填空間52及び流入側充填口62を省略してもよい(すなわち、硬化剤CAを充填するための充填空間が第1接続部41の内部のみに設けられてもよい)。この場合において、第2接続部42は、充填空間及び充填口を有しない形状にて形成され、一例として、図11に示すように、X−Z平面に沿った断面形状がL字状(又はI字状等)となる板状体に形成されてもよい(あるいは、これに限らず、例えばネジ状体にて形成されてもよい)。これにより、上記各設置組40が第2充填空間52及び流入側充填口62を備える場合に比べて、第2接続部42のサイズを小さくすることができ、第1接続部41及び第2接続部42のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、実施の形態2では、第1接続部41が枠体10に設けられ、第2接続部42が躯体2に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、第1接続部41が躯体2に設けられ、第2接続部42が枠体10に設けられてもよい。この場合には、仮固定状態において、第1接続部41は、枠体10(具体的には、戸尻側縦枠材11の固定材11b)に対して押し当てられることになる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、第1接続部41を枠体10に設け、第2接続部42を躯体2に設け、第1接続部41の一部を移動させることにより、第2接続部42が第1接続部41に挿通され、且つ第1接続部41が躯体2に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続部41及び第2接続部42を構成したので、実施の形態1に係る枠体10の設置構造と同様に、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(躯体について)
上記実施の形態2では、躯体2が、コンクリート材料にて構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図12に示すように、鋼製の枠材81(一例として、軽量鉄骨材等)を複数組み合わせて構成されたフレーム80と、フレーム80を建物の屋外側及び屋内側から覆うように設けられたボード材82とを備えて構成されてもよい。この場合には、図12に示すように、第2接続部42は、フレーム80の枠材81に対して固定具等によって固定されると共に、仮固定状態においては、第2接続部42が第1接続部41に挿通され、且つ第1接続部41がフレーム80の枠材81に対して押し当てられる。なお、これら第1接続部41及び第2接続部42は、ボード材82間において、第1接続部41及び第2接続部42が外部から露出しない位置に設けられていることから、カバー部70を省略し、且つ枠体10の設置方法のカバー工程を省略できる。
(枠体について)
上記実施の形態1、2では、戸尻側縦枠材11の固定材11bが、平坦状の板状体にて形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図13に示すように、固定材11bの一部が凹状に形成され、且つ凹状部分に第1接続部41の一部を挿通可能となるように形成されてもよい。これにより、戸尻側縦枠材11と躯体2との相互間の隙間を短くすることができ、例えば、第1接続部41又は第2接続部42のコンパクト化を図ることができる。
(枠体の設置構造について)
上記実施の形態1、2では、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の構成が略同一であると説明したが、これに限らない。例えば、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造の少なくとも1つ以上の構成が異なるものであってもよい。一例として、戸尻側縦枠材11側の設置構造及び戸先側縦枠材12側の設置構造の各々に対応する各設置組40が、実施の形態1に係る各設置組40の構成で構成され、上側横枠材13側の設置構造及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々に対応する各設置組40が、実施の形態2に係る各設置組40の構成で構成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、枠体10の設置構造が、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、及びくつずり横枠材14側の設置構造を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、戸尻側縦枠材11側の設置構造、戸先側縦枠材12側の設置構造、上側横枠材13側の設置構造、又はくつずり横枠材14側の設置構造のいずれか1つ、いずれか2つ、又はいずれか3つを省略してもよい。一例として、戸尻側縦枠材11側の設置構造のみが設けられ、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14の各々と躯体2との相互間に、鋼製のくさび部材が少なくとも1つ以上設けられる(あるいは、戸先側縦枠材12が躯体2と直接的に当接される)と共に、枠体収容空間2b全体に、カバー部70が設けられてもよい。この場合において、枠体10(具体的には、戸尻側縦枠材11)を仮固定する際に、戸尻側縦枠材11側の設置構造に対応する上記各設置組40の本体部43を対応する第2接続部42の底部分42aに対して所望の押圧量で押し当てる場合には、戸先側縦枠材12側のくさび部材を躯体2に対して押し当てておく必要がある(あるいは、戸先側縦枠材12が躯体2と直接的に当接される場合には、戸先側縦枠材12を躯体2に対して押し当てておく必要がある)。
また、上記実施の形態1、2では、戸尻側縦枠材11側の設置構造及び戸先側縦枠材12側の設置構造の各々の設置組40は5つ設けられており、上側横枠材13側の設置構造及びくつずり横枠材14側の設置構造の各々の設置組40は3つ設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、枠体10の大きさ、枠体10の種類、又は躯体2の種類に応じて設置組40の数を任意に増減させてもよい。
(第1接続部、第2接続部について)
上記実施の形態1、2では、第1接続部41の本体部43が、中空円柱状体にて形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図14に示すように、本体部43の枠体10側の端面に設けられた貫通孔43a及び注入側充填口61と、本体部43の躯体2側の端面に設けられた流入側充填口62とを有する中空直方体にて形成されてもよく、側面形状が台形状である中空直方体にて形成されてもよく、又は、これら以外の中空多角柱状体にて形成されてもよい。あるいは、中空円錐状体の如き中空錐状体にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態1では、第1接続部41が、移動部44を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、移動部44を省略してもよい。この場合において、本体部43の具体的な構成については任意であるが、例えば、本体部43の一部が他の一部に対して移動可能となるように複層構造に構成されてもよい。
また、上記実施の形態2では、第1接続部41及び第2接続部42が、鋼材又はステンレス鋼材にて形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、比較的高い強度を有する樹脂材にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、第1接続部41が連結部44bを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、連結部44bを省略してもよい。この場合には、本体部43は、当該本体部43の内縁部分がねじ切りされることで、当該本体部43が左右方向に向けて移動可能となるように、ガイド部44aに対して嵌合されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、本体部43と連結部44bとが接続されていると説明したが、これに限らず、例えば、本体部43と連結部44bとが接続されていなくてもよい。このような構成により、連結部44bの回動に左右されることなく、本体部43の向きを変更することができる。よって、例えば、注入側充填口61の向きをユーザが硬化剤CAを充填しやすい向きに変更することにより、本固定工程における硬化剤CAの充填作業を効率良く行うことが可能となる。なお、この場合には、例えば、ガイド部44aの躯体2側の端部に、本体部43がガイド部44aから脱落することを防止するための脱落防止手段が設けられてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、第1接続部41が、仮固定状態となるように第1接続部41の一部を移動させることで第1充填空間51が増大するように構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、仮固定状態となるように第1接続部41の一部を移動させることで第1充填空間51が変化しないように構成されてもよい。一例として、第1接続部41のガイド部44aが戸尻側縦枠材11の固定材11bに対して左右方向に移動可能となるように、ガイド部44aは固定材11bに対して固定されることで、このガイド部44aの移動によって第1充填空間51が変化しないように構成されてもよい。
(注入側充填口、流入側充填口について)
上記実施の形態1では、注入側充填口61の設置数が1つであると説明したが、これに限らず、例えば、2つ以上であってもよい。また、上記実施の形態1では、流入側充填口62の設置数が2つであると説明したが、これに限らず、例えば、1つのみであってもよく、又は3つ以上であってもよい。
また、上記実施の形態1では、注入側充填口61が、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通されない部分に配置され、流入側充填口62が、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、注入側充填口61及び流入側充填口62が、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通されない部分に配置されてもよく、あるいは、第1接続部41の部分のうち第2充填空間52に挿通される部分に配置されてもよい。
(カバー部について)
上記実施の形態1、2では、カバー部70が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、カバー部70を省略してもよい。この場合には、枠体10の設置方法のカバー工程を省略できる。
また、上記実施の形態1、2では、カバー部70が、枠体収容空間2bに充填材が充填されることにより形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、少なくとも枠体収容空間2bの建物の屋外側の側面を覆うことが可能な鋼製又は樹脂製の板状体にて形成されてもよい。
(枠体の設置方法について)
上記実施の形態1では、本固定工程において、硬化剤CAが第1充填空間51及び第2充填空間52に充填されて硬化された後に、カバー工程においてカバー部が設けられるまで、第2接続部42の開放端は開放された状態が維持されると説明したが、これに限らない。例えば、硬化剤CAが充填される前後において第2接続部42の開放端を覆うための蓋部(例えば、環状の蓋部)が躯体2又は第1接続部41に設けられてもよい。これにより、第2充填空間52を密閉できるので、第2充填空間52に充填された硬化剤CAが外部に漏れることを回避できる。
(付記)
付記1の枠体の設置構造は、建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置構造であって、前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けられた第1接続手段であって、当該第1接続手段の一部を前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に向けて移動させることが可能な第1接続手段と、前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けられた第2接続手段と、少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間であって、硬化剤が充填される充填空間と、を備え、前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられることで、前記枠体が前記躯体に対して仮固定された状態である仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成し、前記仮固定状態において前記硬化剤が前記充填空間に充填されることにより、前記第1接続手段と前記第2接続手段とを相互に接続可能とした。
付記2の枠体の設置構造は、付記1に記載の枠体の設置構造において、前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口であって、前記硬化剤を前記第1接続手段又は前記第2接続手段の外部から前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入するための注入側充填口と、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口であって、前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入された前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させるための流入側充填口と、を備える。
付記3の枠体の設置構造は、付記2に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段を中空体状に形成し、前記第2接続手段を、前記第2充填空間に前記第1接続手段を挿通させることが可能な凹状に形成し、前記注入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1接続手段の外部から前記硬化剤を前記第1充填空間に注入可能な位置に設け、前記流入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1充填空間に充填された前記硬化剤を前記第2充填空間に流入させることが可能な位置に設けた。
付記4の枠体の設置構造は、付記3に記載の枠体の設置構造において、前記注入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通されない部分に配置し、前記流入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通される部分に配置した。
付記5の枠体の設置構造は、付記1から4のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段を前記枠体に設け、前記第2接続手段を前記躯体に設け、前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段が前記第2接続手段に挿通され、且つ前記第2接続手段に対して押し当てられることで前記仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成した。
付記6の枠体の設置構造は、付記1から5のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記仮固定状態となるように前記第1接続手段の一部を移動させることで前記充填空間が増大するように、前記第1接続手段を構成した。
付記7の枠体の設置構造は、付記1から6のいずれか一項に記載の枠体の設置構造において、前記第1接続手段又は前記第2接続手段の少なくとも一部を覆うためのカバー手段を備えた。
付記8の枠体の設置方法は、建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置方法であって、第1接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けるための第1設置工程と、第2接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けるための第2設置工程と、前記第1設置工程及び前記第2設置工程の後に、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられるように、前記第1接続手段の一部を移動させることで、前記枠体を前記躯体に対して仮固定するための仮固定工程と、前記仮固定工程の後に、前記第1接続手段と前記第2接続手段とが相互に接続するように、少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間に硬化剤を充填して硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定するための本固定工程と、を含む。
付記9の枠体の設置方法は、付記8に記載の枠体の設置方法において、前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、前記本固定工程においては、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口を介して前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入し、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口を介して当該注入した硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定する。
(付記の効果)
付記1に記載の枠体の設置構造によれば、少なくとも第1接続手段の内部に設けられた充填空間を備え、第1接続手段の一部を移動させることにより、第1接続手段又は第2接続手段のいずれか一方が第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方、躯体、又は枠体に対して押し当てられることで、仮固定状態となるように、第1接続手段及び第2接続手段を構成し、仮固定状態において硬化剤が充填空間に充填されることにより、第1接続手段と第2接続手段とを相互に接続可能としたので、従来技術(枠体を躯体に対して溶接で固定する技術)に比べて、建具が設置される現場において火災の発生を回避できると共に、設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。
付記2に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた注入側充填口であって、硬化剤を第1接続手段又は第2接続手段の外部から第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入するための注入側充填口と、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた流入側充填口であって、第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入された硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか他方に流入させるための流入側充填口と、を備えるので、第1充填空間及び第2充填空間に硬化剤を充填でき、第1接続手段と第2接続手段とを比較的強固に接続することが可能となる。
付記3に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段を中空体状に形成し、第2接続手段を、第2充填空間に第1接続手段を挿通させることが可能な凹状に形成し、注入側充填口を、第1接続手段において、第1接続手段の外部から硬化剤を第1充填空間に注入可能な位置に設け、流入側充填口を、第1接続手段において、第1充填空間に充填された硬化剤を第2充填空間に流入させることが可能な位置に設けたので、第1接続手段に設けた注入側充填口に硬化剤を注入することで、当該硬化剤を第1充填空間及び第2充填空間に充填でき、硬化剤の充填作業を効率的に行うことができる。
付記4に記載の枠体の設置構造によれば、注入側充填口を、第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通されない部分に配置し、流入側充填口を、第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通される部分に配置したので、注入側充填口及び流入側充填口を第1接続手段の部分のうち第2充填空間に挿通される部分(又は挿通されない部分)に配置する場合に比べて、硬化剤の注入及び流入を効果的に行うことができ、硬化剤の充填作業を一層効率的に行うことができる。
付記5に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段を枠体に設け、第2接続手段を躯体に設け、第1接続手段の一部を移動させることにより、第1接続手段が第2接続手段に挿通され、且つ第2接続手段に対して押し当てられることで仮固定状態となるように、第1接続手段及び第2接続手段を構成したので、第1接続手段を躯体に設ける場合に比べて第1接続手段が設置上の制約を受けにくいことから、第1接続手段の設置性を向上できる。
付記6に記載の枠体の設置構造によれば、仮固定状態となるように第1接続手段の一部を移動させることで充填空間が増大するように、第1接続手段を構成したので、仮固定状態において、所望量の充填空間を確保しやすくなるため、第1接続手段と第2接続手段との接続強度を確保しやすくなる。
付記7に記載の枠体の設置構造によれば、第1接続手段又は第2接続手段の少なくとも一部を覆うためのカバー手段を備えたので、第1接続手段又は第2接続手段の少なくとも一部を覆うことができ、枠体又はその周囲の意匠性を維持しやすくなる。
付記8に記載の枠体の設置方法によれば、第1設置工程及び第2設置工程の後に、第1接続手段又は第2接続手段のいずれか一方が第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ第1接続手段又は第2接続手段のいずれか他方、躯体、又は枠体に対して押し当てられるように、第1接続手段の一部を移動させることで、枠体を躯体に対して仮固定するための仮固定工程と、仮固定工程の後に、第1接続手段と第2接続手段とが相互に接続するように、少なくとも第1接続手段の内部に設けられた充填空間に硬化剤を充填して硬化させることにより、枠体を躯体に対して本固定するための本固定工程と、を含むので、従来技術(枠体を躯体に対して溶接で固定する技術)に比べて、火災の発生を抑制でき、且つ設置作業を簡易且つ迅速に行うことができ、設置作業の安全性を確保しながら、設置作業の効率化を図ることができる。特に、第1設置工程及び第2設置工程の後に、本固定工程のみを行う場合に比べて、特殊な器具(例えば、第1接続手段の位置を調整する器具や枠体を支持する器具等)を用いることなく、を用いることなく、枠体を躯体に対して正確且つ簡易に固定でき、枠体の設置性を向上させることができる。
付記9に記載の枠体の設置方法によれば、本固定工程においては、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた注入側充填口を介して硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか一方に注入し、第1接続手段又は第2接続手段に設けられた流入側充填口を介して当該注入した硬化剤を第1充填空間又は第2充填空間のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、枠体を躯体に対して本固定するので、第1充填空間及び第2充填空間に硬化剤を充填できるので、充填空間が第1接続手段の内部のみに設けられる場合に比べて、第1接続手段と第2接続手段とを強固に接続することが可能となる。
1 建具
2 躯体
2a 壁部
2b 枠体収容空間
3 開口部
10 枠体
11 縦枠材、戸尻側縦枠材
11a 縦枠材本体
11b 固定材
12 縦枠材、戸先側縦枠材
13 横枠材、上側横枠材
13a 横枠材本体
14 横枠材、くつずり横枠材
20 開閉体
21 屋外側表面材
22 把手部
23 施錠装置
30 ヒンジ部
40 設置組
41 第1接続部
42 第2接続部
42a 底部分
42b 側壁部分
43 本体部
43a 貫通孔
44 移動部
44a ガイド部
44b 連結部
51 第1充填空間
52 第2充填空間
61 注入側充填口
62 流入側充填口
70 カバー部
80 フレーム
81 枠材
82 ボード材
CA 硬化剤

Claims (9)

  1. 建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置構造であって、
    前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けられた第1接続手段であって、当該第1接続手段の一部を前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に向けて移動させることが可能な第1接続手段と、
    前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けられた第2接続手段と、
    少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間であって、硬化剤が充填される充填空間と、を備え、
    前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられることで、前記枠体が前記躯体に対して仮固定された状態である仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成し、
    前記仮固定状態において前記硬化剤が前記充填空間に充填されることにより、前記第1接続手段と前記第2接続手段とを相互に接続可能とした、
    枠体の設置構造。
  2. 前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、
    前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口であって、前記硬化剤を前記第1接続手段又は前記第2接続手段の外部から前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入するための注入側充填口と、
    前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口であって、前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入された前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させるための流入側充填口と、を備える、
    請求項1に記載の枠体の設置構造。
  3. 前記第1接続手段を中空体状に形成し、
    前記第2接続手段を、前記第2充填空間に前記第1接続手段を挿通させることが可能な凹状に形成し、
    前記注入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1接続手段の外部から前記硬化剤を前記第1充填空間に注入可能な位置に設け、
    前記流入側充填口を、前記第1接続手段において、前記第1充填空間に充填された前記硬化剤を前記第2充填空間に流入させることが可能な位置に設けた、
    請求項2に記載の枠体の設置構造。
  4. 前記注入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通されない部分に配置し、
    前記流入側充填口を、前記第1接続手段の部分のうち前記第2充填空間に挿通される部分に配置した、
    請求項3に記載の枠体の設置構造。
  5. 前記第1接続手段を前記枠体に設け、
    前記第2接続手段を前記躯体に設け、
    前記第1接続手段の一部を移動させることにより、前記第1接続手段が前記第2接続手段に挿通され、且つ前記第2接続手段に対して押し当てられることで前記仮固定状態となるように、前記第1接続手段及び前記第2接続手段を構成した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の枠体の設置構造。
  6. 前記仮固定状態となるように前記第1接続手段の一部を移動させることで前記充填空間が増大するように、前記第1接続手段を構成した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の枠体の設置構造。
  7. 前記第1接続手段又は前記第2接続手段の少なくとも一部を覆うためのカバー手段を備えた、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の枠体の設置構造。
  8. 建物の躯体に設けられた開口部に、当該開口部に設けられた建具を構成する枠体を設置するための設置方法であって、
    第1接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか一方に設けるための第1設置工程と、
    第2接続手段を、前記躯体又は前記枠体のいずれか他方に設けるための第2設置工程と、
    前記第1設置工程及び前記第2設置工程の後に、前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか一方が前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方に挿通され、且つ前記第1接続手段又は前記第2接続手段のいずれか他方、前記躯体、又は前記枠体に対して押し当てられるように、前記第1接続手段の一部を移動させることで、前記枠体を前記躯体に対して仮固定するための仮固定工程と、
    前記仮固定工程の後に、前記第1接続手段と前記第2接続手段とが相互に接続するように、少なくとも前記第1接続手段の内部に設けられた充填空間に硬化剤を充填して硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定するための本固定工程と、
    を含む設置方法。
  9. 前記充填空間は、前記第1接続手段の内部に設けられた第1充填空間と、前記第2接続手段の内部に設けられた第2充填空間と、を含み、
    前記本固定工程においては、
    前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた注入側充填口を介して前記硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか一方に注入し、前記第1接続手段又は前記第2接続手段に設けられた流入側充填口を介して当該注入した硬化剤を前記第1充填空間又は前記第2充填空間のいずれか他方に流入させて硬化させることにより、前記枠体を前記躯体に対して本固定する、
    請求項8に記載の設置方法。

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