JP6942597B2 - 火災警報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災発生の誤報を無くし、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能な火災警報装置の提供を目的とする。
一般的に、火災の感知は、火災源で発生した熱、煙、炎の少なくとも一つを監視することにより行われる。熱、煙、炎を自動で感知するための手段として、従来から熱感知器、煙感知器、炎感知器が知られている。
熱感知器は、火災により生じた熱を検出する。火災により生じた熱は、天井面から蓄積されるので、この熱を、天井面に取り付けられた熱感知器が感知する。熱感知器には、周囲の温度が一定以上となったときに作動する定温式、又は周囲の温度の上昇率が一定以上になったときに作動する差動式のものがある。
煙感知器は、火災により生じた煙を検出する。火災により生じた煙は、天井面から蓄積されるので、この煙を、天井面に取り付けられた煙感知器が感知する。煙感知器は、周囲の空気が一定濃度以上の煙を含むに場合に信号を送信する。煙感知器には、煙によるイオン電流の変化により作動するイオン化式スポット型、光電素子の受光量の変化により作動する光電式スポット型、及び広範囲の煙の累積による光電素子の受光量の変化により作動する光電式分離型のものがある。
炎感知器は、火災により生じた炎を検出する。炎感知器には、炎から放射される紫外線量が閾値を超えた場合に作動する紫外線式、炎から放射される赤外線量が閾値を超えた場合に作動する赤外線式、又はこれら紫外線式と赤外線式とを併用するものがある。
特開平2−173896号公報 特開平7−044783号公報
火災が発生する過程においては、最初に火災源から煙が生じ、次に炎が上がり、その後に炎の熱で周囲の温度が上昇する。このため、火災源から生じた僅かな煙を感知することで、早期に火災の初期段階をとらえることが可能となる。この点で、煙感知器は、火災の早期発見及び拡大防止に極めて有効な手段である。
しかし、従来の煙感知器は、一般的な施設、工場、住宅などの外乱の無い環境においては正常に動作するが、例えば、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境においては、正常に動作することができない問題があった。すなわち、従来の煙感知器は、多量の塵埃やオイルミストと、火災で発生した煙との区別がつかず、塵埃やオイルミストを感知して火災発生の誤報を頻発してしまう。このため、従来の煙感知器では、塵埃やオイルミストが多量に飛散する中で発生した僅かな煙だけを感知することは到底できない。特に、感度の高い煙検知器ほど、火災発生の誤報を頻発してしまい、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境で使用することができない。
また、熱感知器は、火災源で炎が上がり、その後に炎の熱で周囲の温度が上昇するまで火災を感知できない問題がある。塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境においては、火災源の炎が、多量の塵埃やオイルミストに引火してしまうので、熱感知では火災の拡大を防止することができない。
さらに、炎感知器は、炎から放射される紫外線又は赤外線の少なくとも一方を、センサの受光部に入射させて火災を感知する構成になっていた。このため、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境においては、センサの受光部が汚損してしまい、正常に動作することができない。
ここで、特開平2−173896号公報(特許文献1)には、サンプリングした空気を水フィルタ装置によって清浄化し、この清浄化した空気により、煙感知器の感知部を清掃する火災警報装置が開示されている。しかし、特許文献1の火災警報装置は、水フィルタ装置の水中に微細気泡を発生させ、煙を含む環境ノイズ因子を全て除去する構成となっていた。このため、火災の初期段階で発生した僅かな煙を感知することは到底できない。
また、特開平7−044783号公報(特許文献2)には、煙感知器の上流に、スポンジ等の多孔質材料からなる第1及び第2のフィルタを配置した火災感知装置が開示されている。しかし、特許文献2の火災感知装置は、クリーンルームやコンピュータ室での使用を前提としており、スポンジ等の多孔質材料からなる第1及び第2のフィルタは、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、すぐに目詰まりしてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災発生の誤報を無くし、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能な火災警報装置の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の火災警報装置は、排気を行うためのダクトの入口に配置され、複数の孔が設けられた排気パネル上にバブリング水の層を形成するように構成された水フィルタと、前記バブリング水の層を通過した空気をサンプリングし、前記空気中に含まれる粒子に基づいて煙を感知する煙感知器と、を備える。
(2)好ましくは、上記(1)の火災警報装置において、前記水フィルタは、
a)前記ダクトの排気風量V(m/min)を設定すること、
b)前記排気パネルに設けられた複数の孔を構成すること、
の少なくとも一方により、1μmを超える粒子を除去し、1μm以下の微粒子を通過させることが可能な前記バブリング水の層を形成する。
(3)好ましくは、上記(2)の火災警報装置において、上記a)の前記ダクトの排気風量V(m/min)が、下記式1によって算出される。
V(m/min)=N*(W*D*H)・・・1
但し、Nは水フィルタを通過する空気の風速定数、Wは排気パネル上に形成されるバブリング水の層の幅、Dは排気パネル上に形成されるバブリング水の層の奥行、Hは排気パネルの総面積に対する複数の孔の開口率である。
(4)好ましくは、上記(3)の火災警報装置において、上記式1中の風速定数Nの値を180以上300以下とする。
(5)好ましくは、上記(2)〜(4)のいずれかの火災警報装置において、上記a)前記ダクトの排気風量V(m/min)が、17〜60(m/min)の範囲内に設定される。
(6)好ましくは、上記(2)〜(5)のいずれかの火災警報装置において、上記b)の前記排気パネルが、複数の第1孔が設けられた第1パネルと、複数の第2孔が設けられた第2パネルと、を含み、前記第1孔と前記第2孔とが重なって1つの孔を構成することにより、前記バブリング水の層を厚くする。
(7)好ましくは、上記(2)〜(5)のいずれかの火災警報装置において、上記b)の前記排気パネルに設けられた複数の孔の周縁部を、上方に向かって隆起させて、各孔の内面をテーパー状とすることにより、前記バブリング水の層を厚くする。
(8)好ましくは、上記(6)又は(7)の火災警報装置において、上記式1中の開口率Hの値を0.4以上0.8以下とする。
(9)好ましくは、上記(1)〜(8)のいずれかの火災警報装置において、前記煙感知器は、前記空気の不透明度(%/m)を測定する構成であり、少なくとも0.2(%/m)以下の不透明度を測定することが可能な性能を有する。
(10)好ましくは、上記(9)の火災警報装置において、前記煙感知器は、前記空気から20μm以上の粒子を除去するフィルタを備える。
(11)好ましくは、上記(1)〜(10)のいずれかの火災警報装置において、前記水フィルタの制御部は、前記空気の不透明度(%/m)が閾値を超えた場合に、前記バブリング水の層を形成するための水の供給量を増加させる制御を実行する。
(12)好ましくは、上記(1)〜(11)のいずれかの火災警報装置において、前記水フィルタの制御部は、前記排気パネルを通過した空気の温度(℃)が閾値を超えた場合に、前記ダクトに設けられた排気ファンを停止させる制御を実行する。
本発明の火災警報装置によれば、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災発生の誤報を無くし、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係る火災警報装置を示す概略図である。 図2(a)は、上記火災警報装置を構成する水フィルタを示す断面図である。図2(b)は、上記水フィルタを構成するパンチングパネルを示す拡大図である。 図3(a)は、上記パンチングパネルを示す斜視図である。図3(b)は、上記パンチングパネルの孔の構成を示す部分断面図である。図3(c)は、上記パンチングパネルの他の孔の構成を示す部分断面図である。 図4は、上記火災警報装置を構成する煙感知器を示す概略図である。 図5は、上記火災警報装置をセメント工場のセメントコンベアに設置した状態を示す概略図である。 図6は、上記煙感知器の制御処理を示すフローチャートである。 図7は、上記水フィルタの制御処理を示すフローチャートである。 図8は、セメントコンベアが設置された工場内の天井付近で採取した塵埃の粒径(μm)と頻度(%)の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る火災警報装置について、図面を参照しつつ説明する。
<装置全体の構成>
図1に示すように、本実施形態の火災警報装置1は、少なくとも水フィルタ10と煙感知器30とで構成され、例えば、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境に設置される。また、火災警報装置1は、排気設備であるフード2、ダクト3及び排気ファン4を含む。フード2、ダクト3及び排気ファン4は、火災監視の対象となる建物や設備などに既に設けられているものをそのまま利用してもよいし、水フィルタ10及び煙感知器30とともに新設してもよい。
ダクト3の入口3aには、水フィルタ10、及び煙感知器30のサンプリング管31が配置される。ダクト3の途中には、排気ファン4が取り付けられる。排気ファン4は、電力の供給を受けて作動し、水フィルタ10に対するダクト3の排気風量V(m/min)を生じさせる。排気ファン4が作動することにより、多量の塵埃やオイルミストを含む周囲の空気が、水フィルタ10内に吸引され、ダクト3を通過して外部に排出される。
水フィルタ10は、吸引された空気中に含まれる塵埃やオイルミスト(平均粒径20μm以上)を除去し、煙の微粒子(平均粒径0.3μm〜1μm)を通過させる。煙感知器30は、サンプリング管31を通して、水フィルタ10を通過した空気をサンプリングし、空気中に含まれる煙を感知する。
なお、本実施形態の火災警報装置1は、単一の排気ファン4に対応して、複数のダクト3及び水フィルタ10を設置する構成としてもよい。
<水フィルタの構成>
図2(a)に示すように、水フィルタ10は、本体部10A及び水槽部10Bを含む。本体部10A及び水槽部10Bは、いずれも折り曲げられた金属板によって構成される。図示しないが、本体部10A及び水槽部10Bは、図面の奥行方向に長く延びる。水槽部10Bには、周囲の空気を吸引するための2つの吸気口11が設けられる。これらの吸気口11は、いずれも図面の奥行方向に長く延びる。
なお、本明細書の説明においては、図1及び図2(a)に示された水フィルタ10の左右方向の幅を「幅」と呼び、図1及び図2(a)に示されていない水フィルタ10の奥行方向の幅を「奥行」と呼ぶ。但し、水フィルタ10の「幅」と「奥行」は、便宜的な呼び名にすぎず、図1及び図2(a)に示された水フィルタ10の左右方向の幅を「奥行」と呼び、図1及び図2(a)に示されていない水フィルタ10の奥行方向の幅を「幅」と呼んでもよい。パンチングパネル12及びバブリング水BWの層の「幅」と「奥行」についても同様である。
本体部10Aと水槽部10Bとの境界は、パンチングパネル(排気パネル)12によって仕切られる。図2(b)及び図3(a)に示すように、パンチングパネル12は、空気を通過させるための多数の孔12aが設けられる。図2(a)に示すように、本体部10A内には、複数のノズル13及び複数の水切りフィルタ14が設けられる。ノズル13は、パンチングパネル12の上方に配置される。水切りフィルタ14は、ノズル13の上方に配置される。水切りフィルタ14は、金属製の網によって構成される。
ノズル13は、図1及び図2(a)に示す給水管18に接続される。給水管18の途中には、電動弁17が設けられる。電動弁17が開くことにより、ノズル13に水が供給される。電動弁17は、制御盤16からの指令に基づいて開閉動作する。火災警報装置1のユーザは、制御盤16を操作して、通常運転又は洗浄運転のいずれかを選択することが可能である。ユーザが通常運転を選択した場合、制御盤16は、排気ファン4の作動中に電磁弁17を開き、一定量の水をノズル13に供給する。ノズル13から噴射された水は、パンチングパネル12の上に溜り、排気風量V(m/min)によって吸引される。これにより、図2(a)、(b)に示すバブリング水BWの層が、パンチングパネル12の上に形成される。一方、ユーザが洗浄運転を選択した場合、制御盤16は、一定の時間、ノズル13から水を噴射させて、本体部10A及び水槽部10Bの内部を洗浄する。
さらに、火災警報装置1のユーザは、制御盤16を操作して、火災抑止運転を選択することが可能である。図1に示すように、水フィルタ10の本体部10A内には、温度センサ15が配置される。この温度センサ15は、制御盤16に電気的に接続される。ユーザが火災抑止運転を選択した場合、制御盤16は、温度センサ15の検出結果に基づき、ダクト3の入口3a付近の温度を監視する。温度センサ15が異常高温を検出した場合、制御盤16は、ランプ及びブザーによって火災を報知する。また、制御盤16は、一定の時間、ノズル13から水を噴射させて、ダクト3内の火災を抑止する。さらに、制御盤16は、煙感知器30の警報表示盤37に電気的に接続される。温度センサ15が異常高温を検出した場合、制御盤16は、警報表示盤37に移報信号を送信し、火災に関する情報をディスプレイ等に表示させる。
なお、制御盤16は、図示しない自動消火装置の制御盤に移報信号を送信する構成にしてもよい。自動消火装置は、例えば、火災監視の対象となる建物や設備などに設置されており、ここで発生した火災は、制御盤16からの移報信号を受信した自動消火装置が、消火剤を噴射させることにより抑止される。
図1及び図2(a)に示すように、水フィルタ10の水槽部10Bは、排水管19に接続される。ノズル13から噴射された水は、パンチングパネル12の孔12aを通って、水槽部10B内に流れる。水槽部10B内に流れた水は、排水管19を通って、外部に排出される。
<バブリング水の層の形成>
水フィルタ10の粒子の除去性能は、図2(b)に示すバブリング水BWの層の厚さTによって決まる。すなわち、バブリング水BWの層の厚さTを制御することにより、水フィルタ10に除去される粒子の大きさと、水フィルタ10を通過する粒子の大きさとが決まる。例えば、煙の微粒子の平均粒径は、約0.3μm〜1μmの範囲内である。一方、塵埃やオイルミストの粒子の平均粒径は、1μmをはるかに超える(20μm以上)。
そこで、下記a)、b)の少なくとも一方により、1μmを超える粒子を除去し、1μm以下の微粒子を通過させることが可能な厚さTのバブリング水BWの層を形成する。
a)ダクト3の排気風量V(m/min)を設定すること
b)パンチングパネル12に設けられた多数の孔12aを構成すること
上記a)のダクト3の排気風量V(m/min)は、下記式1によって算出される。
V(m/min)=N*(W*D*H)・・・1
但し、Nは水フィルタを通過する空気の風速定数、Wは排気パネル上に形成されるバブリング水BWの層の幅、Dは排気パネル上に形成されるバブリング水BWの層の奥行、Hはパンチングパネル12の総面積に対する複数の孔12aの開口率である。
バブリング水BWの層の幅Wは、例えば、250mmにすることができる。バブリング水BWの層の奥行Dは、例えば、600mm、750mm、900mm、1050mm、1200mm又は1500mmとすることができる。既に述べたように、幅Wと奥行Dは便宜的な呼び名にすぎず、上記の幅Wと奥行Dの数値が逆であってもよい。複数の孔12aの開口率Hは、例えば、0.4以上0.8以下とし、好ましくは0.6とする。
上記式1中の風速定数Nは、バブリング水BWの層の厚さTに影響する。風速定数Nは、180以上300以下であるのが好ましい。風速定数Nを180以上300以下とすることで、バブリング水BWの層の厚さTが大きくなり、塵埃やオイルミストを除去することが可能となる。風速定数Nが180未満の場合は、排気風量V(m/min)が小さくなりすぎてしまい、塵埃やオイルミストを除去することが可能なバブリング水BWの層の厚さTが得られない。一方、風速定数Nが300超の場合は、排気風量V(m/min)が大きくなりすぎてしまい、パンチングパネル12上にバブリング水BWの層が形成されなくなってしまう。
上記a)のダクト3の排気風量V(m/min)もまた、バブリング水BWの層の厚さTに影響する。ダクト3の排気風量V(m/min)は、17〜60(m/min)の範囲内が好ましい。より好ましくは、ダクト3の排気風量V(m/min)を17.6〜24.3(m/min)とするとよい。
但し、上記a)のダクト3の排気風量V(m/min)のみによって、バブリング水BWの層の厚さTを大きくする場合は、水フィルター10や排気ファン4などの設備も大きくする必要がある。このため、ダクト3の排気風量V(m/min)を小さく抑えつつ、バブリング水BWの層の厚さTを大きくすることが好ましい。
そこで、上記a)の方法に、上記b)の方法を併用することが好ましい。すなわち、パンチングパネル12の孔12aを、単純な打ち抜き孔から特殊な構成に変更することで、バブリング水BWの層の厚さTを大きくすることができる。
例えば、図3(b)に示すパンチングパネル12は、複数枚のパネル21、22・・・を重ねた構成となっている。第1パネル21には、第1孔21aが設けられる。第2パネル22には、第2孔22aが設けられる。第1孔21aと第2孔22aとは、同一の直径を有するが、互いの中心位置が若干ずれている。第1孔21aと第2孔22aとは、互いの一部が重なって、図3(a)に示す単一の孔12aを構成する。この孔12aは、第1及び第2孔21a、22aを合計した深さdを有する。重ねられるパネル21、22・・・の枚数が多くなるほど、孔12aの深さdは大きくなる。好ましくは、孔12aの深さdは、第1及び第2孔21a、22aの直径を超える大きさとする。
孔12aの深さdが大きくなることにより、パンチングパネル12上の水が孔12aを通過するときの抵抗が増大する。これにより、孔12aを通過する水の量が少なくなる。この結果、パンチングパネル12上に水が溜まりやすくなり、バブリング水BWの層の厚さTは大きくなる。また、第1孔21aと第2孔22aとがずれた状態で単一の孔12aを構成するので、水が孔12aを通過するときの抵抗は、より増大する。この結果、バブリング水BWの層の厚さTは、さらに大きくなる。パンチングパネル12を構成するためのパネル21、22・・・の枚数を増減させることで、バブリング水BWの層の厚さTを調整することが可能である。
一方、図3(c)に示すように、パンチングパネル12の孔12aの周縁部を、上方に向かって隆起させて、孔12aの内面をテーパー状にしてもよい。この構成により、孔12aの深さdが増大する。さらに、テーパー状の孔12aは、入口の直径が大きく、出口の直径が小さい。調理器具5の排気は、直径の大きい入口から入り、直径の小さい出口から出るので、パンチングパネル12の排気抵抗は小さくなる。この結果、バブリング水BWの層の厚さTは大きくなる。
上記b)に従って、パンチングパネル12の孔12aを図3(b)、(c)に示す特殊な構成とした場合は、バブリング水BWの層の厚さTが大きくなる。これにより、上記a)のダクト3の排気風量V(m/min)の計算に用いられる風速定数Nの値を小さくすることが可能となる。
上記a)、b)の両方を併用することにより、上記式1中の風速定数Nの値をより小さくすることができる。つまり、水フィルター10や排気ファン4などの設備を大きくすることなく、バブリング水BWの層の厚さTを大きくすることが可能となる。
<煙感知器の構成>
図1に示すように、煙感知器30は、水フィルタ10を通過した空気をサンプリングして、空気中に含まれる煙の微粒子を感知する。煙感知器30の構成を図4に示す。図4において、煙感知器30は、サンプリング管31、吸引装置32、第1フィルタ33、第2フィルタ34、レーザーチャンバー35、制御部36及び警報表示盤37を備える。
上述したように、サンプリング管31の一端は、図1に示すダクト3の入口3aに配置される。サンプリング管31の他端は、図4に示す吸引装置32の吸気口に接続される。吸引装置32は、空気を吸引するための吸引ファン32aを備える。吸引装置32の排気口は、第1フィルタ33の入口に接続される。
第1フィルタ33は、空気中に含まれる20μm以上の粒子を除去する性能を有する。第1フィルタ33は、第1及び第2の出口を有する。第1フィルタ33の第1の出口は、レーザーチャンバー35の第2区画35Bに接続される。一方、第1フィルタ33の第2の出口は、第2フィルタ34の入口に接続される。
第2フィルタ34は、空気中に含まれる0.3μm以上の微粒子を除去する性能を有する。第2フィルタ34の出口は、分岐管路を介して、レーザーチャンバー35の第1区画35A及び第3区画35Cに接続される。
レーザーチャンバー35の内部は、第1〜第3区画35A〜35Cに分割されている。第1区画35Aには、レーザー発光部35aが配置される。レーザー発光部35aは、例えば、レーザーダイオードであり、レーザー光を出射する。第2区画35Bには、複数の光検出器35bが設置される。光検出器35bは、第2区画35Bに流入した粒子によって散乱したレーザー光を検出する。各光検出器35bは、受光したレーザー光の光量に応じた信号を出力する。制御部36は、各光検出器35bから出力された信号を受信し、空気の不透明度(%/m)を測定する。測定結果が閾値を超える場合、制御部36は、火災発生を報知するための移報信号を送信する。ここで、本実施形態の光検出器35b及び制御部36は、少なくとも0.2(%/m)以下の不透明度を測定することが可能な性能を有する。警報表示盤37は、制御部36からの移報信号を受信して、火災発生に関する情報をディスプレイ等に表示する。
第3区画35Cには、レーザー受光部35cが設置される。レーザー受光部35cは、レーザー発光部35aから出射されたレーザー光を吸収する。第1〜第3区画35A〜35Cは、空気の流通が可能となっており、第1〜第3区画35A〜35Cに流入した空気は、レーザーチャンバー35の排気口38から煙感知器30の外部へ排気される。
なお、本実施形態の煙感知器30は、吸引装置32に複数のサンプリング管31を接続することが可能な構成となっている。この構成により、単一の煙感知器30に対応して、複数のダクト3及び水フィルタ10を設置する構成としてもよい(図5を参照)。
<煙感知器の動作>
図1において、水フィルタ10を通過した空気は、サンプリング管31を介して、図4に示す吸引装置32に吸引され、サンプリングされる。サンプリングされた空気は、第1フィルタ33を通過する。第1フィルタ33は、サンプリングされた空気中に含まれる20μm以上の粒子を除去する。つまり、水フィルタ10を通過した空気中に塵埃やオイルミストが残っていたとしても、第1フィルタ33によって除去される。これにより、サンプリングされた空気中には、塵埃やオイルミストよりも小さい微粒子が残る。
第1フィルタ33を通過した空気の一部は、第1の出口からレーザーチャンバー35の第2区画35Bに流入する。この空気中に1μm以下の煙の微粒子が含まれる場合は、レーザー発光部35aから出射されるレーザー光が散乱し、各光検出器35bによって検出される。制御部36は、各光検出器35bの検出結果に基づいて、空気の不透明度(%/m)を測定する。測定結果が閾値を超える場合、制御部36は、火災発生を報知するための移報信号を送信する。警報表示盤37は、制御部36からの移報信号を受信して、火災発生に関する情報をディスプレイ等に表示する。
一方、第1フィルタ33を通過した空気の他の一部は、第2の出口から第2フィルタ34に流入する。第2フィルタ34は、第1フィルタ33を通過した空気中から、更に0.3μm以上の微粒子を除去する。第2フィルタ34を通過した空気中には、塵埃やオイルミストだけでなく煙のような微粒子をも含まれない。
このようなクリーンな空気は、第2フィルタ34の出口から分岐管路を介して、レーザーチャンバー35の第1区画35A及び第3区画35Cに流入する。第1区画35Aに流入したクリーンな空気は、レーザー発光部35aを構成するレンズなどの光学系を洗浄する。一方、第3区画35Cに流入したクリーンな空気は、レーザー受光部35cの構成要素を洗浄する。
<火災警報装置の設置例>
図5は、本実施形態の火災警報装置1をセメント工場のセメントコンベア5に設置した状態を示す。セメントコンベア5は、セメント製造の粉砕工程において、細かく粉砕されたセメント原料を次工程に搬送するためのものである。セメントコンベア5は、カバー5aによって覆われており、カバー5a内は、多量の塵埃が飛散する劣悪環境を呈する。このような劣悪環境では、小さな炎が発生しただけで塵埃に引火してしまい、一瞬にして火災が拡大してしまうおそれがある。本実施形態の火災警報装置1は、カバー5a内において、火災の初期段階に生じる僅かな煙の発生を監視する。
図5に示すように、セメントコンベア5のカバー5aにおける上流及び下流の二箇所には、空気をサンプリングするためのダクト3が設けられる。各ダクト3の入口は、カバー5a内の空間に連通する。各ダクト3の入口側には、水フィルタ10、及び煙感知器30のサンプリング管31が配置される。各ダクト3の出口側には、図1に示す排気ファン4が設けられる。
各水フィルタ10は、共通の制御盤16に電気的に接続される。制御盤16は、各水フィルタ10への水の供給を制御するとともに、各ダクト3の入口付近の温度を監視する。また、カバー5aの上流及び下流における煙の監視は、共通の煙感知器30によって行われる。煙感知器30は、二本のサンプリング管31を通して、各水フィルタ10を通過した空気をサンプリングし、空気中に含まれる煙を感知する。煙感知器30は、警報表示盤37、及び各水フィルタ10に共通の制御盤16に電気的に接続されている。制御盤16は、警報表示盤37に電気的に接続される。なお、煙感知器30及び水フィルタ10の制御処理については、次に述べる。
<煙感知器の制御処理>
煙感知器30の制御処理について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。図6に示すフローチャートの制御処理は、煙感知器30の制御部36によって実行される。
煙感知器30を起動すると、ステップS1において、制御部36は、吸引装置32を駆動させる。これにより、サンプリング管31を通して、水フィルタ10を通過した空気がサンプリングされる。サンプリングされた空気の一部は、図4の第1フィルタ33を通過して、レーザーチャンバー35の第2区画35Bに流入し、各光検出器35bによる煙の検出が実行される。また、サンプリングされた空気の他の一部は、図4の第1及び第2フィルタ33、34を通過して、レーザーチャンバー35の第1区画35A及び第3区画35Cに流入し、レーザー発光部35aの光学系、及びレーザー受光部35cの構成要素を洗浄する。
次いで、ステップS2に進み、制御部36は、各光検出器35bの検出結果に基づいて、空気の不透明度(%/m)を測定する。そして、制御部36は、空気の不透明度が0.1(%/m)以上か否かを判断する。空気の不透明度が0.1(%/m)以上でない(NO)と判別した場合、制御部36は、各光検出器35bから新たな検出結果を取得し、ステップS2の判断を繰り返す。
一方、ステップS2において、空気の不透明度が0.1(%/m)以上である(YES)と判別した場合、ステップS3に進み、制御部36は、移報信号を送信する。この移報信号は、火災の初期段階に生じる僅かな煙の検出に基づいて送信されるものであり、火災発生のおそれがあること(火災発生の予告)を知らせる。そこで、ステップS3の移報信号を、以下「予告移報信号」という。予告移報信号は、警報表示盤37、及び水フィルタ10の制御盤16に受信される。予告移報信号を受信した警報表示盤37は、火災発生のおそれがあること(火災発生の予告)をディスプレイ等に表示する。また、予告移報信号を受信した水フィルタ10の制御盤16は、後述する図7のステップ14の処理を実行する。
次いで、ステップS4に進み、制御部36は、各光検出器35bの検出結果に基づいて、空気の不透明度(%/m)を測定する。そして、制御部36は、空気の不透明度が2(%/m)を超えたか否かを判断する。空気の不透明度が2(%/m)を超えていない(NO)と判別した場合、制御部36は、各光検出器35bから新たな検出結果を取得し、ステップS4の判断を繰り返す。
一方、ステップS4において、空気の不透明度が2(%/m)を超えた(YES)と判別した場合、ステップS5に進み、制御部36は、移報信号を送信する。この移報信号は、火災発生によって生じる量の煙の検出に基づいて送信されるものであり、実際に火災が発生したこと(火災発生の確定)を知らせる。そこで、ステップS5の移報信号を、以下「火災移報信号」という。火災移報信号は、警報表示盤37、及び水フィルタ10の制御盤16に受信される。火災移報信号を受信した警報表示盤37は、実際に火災が発生したこと(火災発生の確定)をディスプレイ等に表示する。また、火災移報信号を受信した水フィルタ10の制御盤16は、後述する図7のステップS17の処理を実行する。
<水フィルタの制御処理>
水フィルタ10の制御処理について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。図7に示すフローチャートの制御処理は、水フィルタ10の制御盤16により実行される。
制御盤16を起動させると、ステップS11において、制御盤16は、排気ファン4を駆動させる。次いで、ステップS12に進み、制御盤16は、電動弁17を所定の開度で開かせる。これにより、図2(a)に示す水フィルタ10のノズル13に、単位時間当たり所定量の水(例えば、3〜4L/h)が供給される。ノズル13から噴射された水は、パンチングパネル12の上に溜り、排気風量V(m/min)によって吸引される。これにより、図2(a)、(b)に示す所定の厚さTのバブリング水BWの層が、パンチングパネル12の上に形成される。このバブリング水BWの層は、ダクト3内に吸引された空気中に含まれる1μmを超える粒子、つまり、塵埃やオイルミストを除去する。また、バブリング水BWの層は、ダクト3内に吸引された空気中に含まれる1μm以下の煙の微粒子を通過させる。バブリング水BWの層を通過した煙の微粒子は、上述した煙感知器30の各光検出器35bによって検出される(図6のステップS2、ステップS4)。
次いで、ステップS13に進み、制御盤16は、煙感知器30から予告移報信号を受信したか否か判断する。予告移報信号は、火災発生のおそれがあること(火災発生の予告)を知らせるものであり、図6のステップS3において送信される。予告移報信号を受信していない(NO)と判別した場合、制御盤16は、ステップS13の判断を繰り返す。
一方、ステップS13において、予告移報信号を受信した(YES)と判別した場合、ステップS14に進み、制御盤16は、電動弁17を全開にする。これにより、ノズル13への水の供給量が最大となり、ノズル13から最大量の水が噴射される。この結果、実際に火災が発生した場合であっても、炎や火の粉がダクト3の入口3aで抑止され、ダクト3内及びダクト3外への火災の拡大が防止される。
次いで、ステップS15に進み、制御盤16は、煙感知器30から火災移報信号を受信したか否か判断する。火災移報信号は、実際に火災が発生したこと(火災発生の確定)を知らせるものであり、図6のステップS5において送信される。火災移報信号を受信していない(NO)と判別した場合、制御盤16は、ステップS15の判断を繰り返す。
一方、ステップS15において、火災移報信号を受信した(YES)と判別した場合、ステップS16に進み、制御盤16は、図1に示す温度センサ15の検出結果に基づいて、ダクト3の入口3a付近の温度が100℃以上か否かを判断する。100℃以上でないと判別した場合(NO)、制御盤16は、ステップS16の判断を繰り返す。
一方、ステップS16において、ダクト3の入口3a付近の温度が100℃以上であると判別した場合(YES)、ステップS17に進み、制御盤16は、図1に示す排気ファン4を停止させる。これにより、火災によって生じた高温の空気が、ダクト3の出口から外部へ排気されることがなくなり、火災の拡大が防止される。
その後、ステップS18に進み、制御盤16は、移報信号を送信する。ステップS18の移報信号は、例えば、図示しない自動消火装置の制御盤、及び煙感知器30の警報表示盤37に送信される。ステップS18の移報信号を受信した自動消火装置は、火災監視の対象となる建物や設備などに消火剤を噴射させる。これにより、火災監視の対象となる建物や設備などの火災、及びダクト3外への火災の拡大が防止される。また、ステップS18の移報信号を受信した警報表示盤37は、火災に関する情報をディスプレイ等に表示させる。
<作用効果>
以上のように、本実施形態の火災警報装置1によれば、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災発生の誤報を無くし、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能となる。
すなわち、水フィルタ30によって形成されるバブリング水BWの層により、サンプリングされた空気中から塵埃やオイルミストを除去し、煙の微粒子だけを通過させることが可能となる。これにより、煙検知器30の誤報が無くなり、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、0.2(%/m)以下の不透明度を測定することが可能な高感度の煙検知器30を使用できるようになる。この結果、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能となる。
また、図7に示す水フィルタ30の制御処理により、火災監視の対象となる建物や設備などの火災、及びダクト3外への火災の拡大を防止することができ、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境で発生した火災による被害を、最小限に抑えることが可能となる。
下記の水フィルタ、煙感知器、排気ファンをダクトに設置して、図1に示す火災警報装置を構成した。
<火災警報装置の構成>
水フィルタの全体的な構成は、図2(a)と同じである。本実施例では、二枚のパンチングパネルを用いて、図3(b)に示す構成の排気パネルを作製した。パンチングパネルの板厚は2mmであり、直径6mmの複数の孔が均一に設けられている。互いの孔の中心位置が若干ずれるように、二枚のパンチングパネルを重ね合せて、総面積に対する複数の孔の開口率H=0.6の排気パネルとした。
排気ファンは、風速定数N=233であり、排気風量V=21(m/min)以上とした。排気ファンを作動させ、排気パネルに3〜4L/hの水を定量給水すると、排気パネル上に幅W=250mm、奥行D=600mmのバブリング水の層が形成される。
煙感知器として、サンプリングした空気の不透明度0.1(%/m)以上を検出することが可能な超高感度煙感知器を用いた。本実施例の超高感度煙感知器は、サンプリングされた空気中に含まれる20μm以上の粒子を除去するフィルタを備えており、粒径20μm未満の粒子が検出の対象となる。図1と同様に、超高感度煙検知器のサンプリング管の一端を、ダクトの入口における水フィルタの上方に配置した。
<採取した塵埃の粒度分布>
図5に示すセメントコンベアが設置された工場内の天井付近で塵埃を採取した。採取した塵埃の粒径(μm)と頻度(%)の関係を図8のグラフに示す。天井付近の塵埃の平均粒径は、22.43(μm)であった。
<試験方法>
採取した塵埃と、煙感知器試験用の線香の煙とを、それぞれ個別に実施例の水フィルタに吸引させ、超高感度煙検知器が煙のみを検出することができるか試験をした。採取した塵埃は、ドライヤーの風によって拡散させ、水フィルタの吸気口に吸引させた。一方、水フィルタの吸気口付近で煙感知器試験用の線香を炊き、その煙を水フィルタの吸気口に吸引させた。まず、水フィルタをOFFの状態にして、粉塵のみ、煙のみを超高感度煙検知器にサンプリングさせ、空気の不透明度(%/m)を検出した。次に、水フィルタをONの状態にして、粉塵のみ、煙のみを超高感度煙検知器にサンプリングさせ、空気の不透明度(%/m)を検出した。
<試験結果>
本実施例の試験結果を、下記の表1に示す。塵埃については、水フィルタをOFF状態にしたときの不透明度が0.345(%/m)、水フィルタをON状態にしたときの不透明度が0.082(%/m)である。これらの試験結果によれば、水フィルタを通過した空気中から塵埃のほとんどが除去され、塵埃による超高感度煙感知器の誤報が生じないことが理解できる。
一方、下記の表1において、煙については、水フィルタをOFF状態にしたときの不透明度が0.125(%/m)、水フィルタをON状態にしたときの不透明度が0.176(%/m)である。これらの試験結果によれば、水フィルタは、空気中に含まれる僅かな煙の微粒子を通過させ、超高感度煙感知器による感知が可能であることが理解できる。
Figure 0006942597
以上の試験結果が示すように、本発明の火災警報装置によれば、セメント工場、リサイクル工場及び製鉄所など、塵埃やオイルミストが多量に飛散する劣悪環境において、火災発生の誤報を無くし、火災の初期段階に生じる僅かな煙を高精度に感知することが可能となる。
1 火災警報装置1
10 水フィルタ
10A 本体部
10B 水槽部
11 吸気口
12 パンチングパネル(排気パネル)
12a 孔
13 ノズル
14 水切りフィルタ
15 温度センサ
16 制御盤
17 電動弁
18 給水管
19 排水管
21 第1パネル
21a 第1孔
22 第2パネル
22a 第2孔
30 煙感知器
31 サンプリング管
32 吸引装置
32a 吸引ファン
33 第1フィルタ
34 第2フィルタ
35 レーザ―チャンバー
35A〜35C 第1〜第3区画
35a レーザー発光部
35b 光検出器
35c レーザー受光部
36 制御部
37 警報表示盤
38 排気口
2 フード
3 ダクト
3a 入口
4 排気ファン
5 セメントコンベア
5a カバー
BW バブリング水
T バブリング水の層の厚さ

Claims (6)

  1. 排気を行うためのダクトの入口に配置され、複数の孔が設けられた排気パネル上にバブリング水の層を形成するように構成された水フィルタと、
    前記バブリング水の層を通過した空気をサンプリングし、前記空気中に含まれる粒子に基づいて煙を感知する煙感知器と、を備え
    前記水フィルタは、
    a)前記ダクトの排気風量V(m /min)を設定すること、
    b)前記排気パネルに設けられた複数の孔を構成すること、
    の両方を併用することにより、1μmを超える粒子を除去し、1μm以下の微粒子を通過させることが可能な前記バブリング水の層を形成し、
    上記a)の前記ダクトの排気風量V(m /min)が、下記式1によって算出され、
    下記式1中の風速定数Nの値を180以上300以下とし、
    上記a)の前記ダクトの排気風量V(m /min)が、17〜60(m /min)の範囲内に設定され、
    下記式1中の開口率Hの値を0.4以上0.8以下とした火災警報装置。
    V(m /min)=N*(W*D*H)・・・1
    但し、Nは水フィルタを通過する空気の風速定数、Wは排気パネル上に形成されるバブリング水の層の幅、Dは排気パネル上に形成されるバブリング水の層の奥行、Hは排気パネルの総面積に対する複数の孔の開口率である。
  2. 上記b)の前記排気パネルが、複数の第1孔が設けられた第1パネルと、複数の第2孔が設けられた第2パネルと、を含み、前記第1孔と前記第2孔とが重なって1つの孔を構成することにより、前記バブリング水の層を厚くする、請求項に記載の火災警報装置。
  3. 上記b)の前記排気パネルに設けられた複数の孔の周縁部を、上方に向かって隆起させて、各孔の内面をテーパー状とすることにより、前記バブリング水の層を厚くする、請求項に記載の火災警報装置。
  4. 前記煙感知器は、前記空気の不透明度(%/m)を測定する構成であり、少なくとも0.2(%/m)以下の不透明度を測定することが可能な性能を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の火災警報装置。
  5. 前記水フィルタの制御部は、前記空気の不透明度(%/m)が閾値を超えた場合に、前記バブリング水の層を形成するための水の供給量を増加させる制御を実行する、請求項1〜のいずれか1項に記載の火災警報装置。
  6. 前記水フィルタの制御部は、前記排気パネルを通過した空気の温度(℃)が閾値を超えた場合に、前記ダクトに設けられた排気ファンを停止させる制御を実行する、請求項1〜のいずれか1項に記載の火災警報装置。
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