JP2005186001A - 厨房排気洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 厨房排気と洗浄水の気液接触を行なうためにダクト吸引圧を負荷した状態で多孔板上で行なう洗浄水のバブリングを有効且つ安定したものとして,厨房排気の油煙除去を高度化する。
【解決手段】 厨房排気洗浄装置Aに用いる,同径同ピッチの微小透孔を透設した多孔板7の端部に洗浄水降下管8を設置するとともにその上端を多孔板7上に突出して底壁をなす堰9を形成し,ダクト吸引圧を負荷した状態で給水口10から洗浄水を供給することによって該洗浄水のバブリングを行うようにする。洗浄水降下管8が多孔板7上の余剰の洗浄水を排出流下して,余剰の洗浄水が微小透孔から落下することによる圧力損失と差圧の変化が防止されるとともに堰9が洗浄水の適正水位を維持することによってバブリングが安定し,気液接触に好適な飛沫層の形成を継続することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 厨房排気洗浄装置Aに用いる,同径同ピッチの微小透孔を透設した多孔板7の端部に洗浄水降下管8を設置するとともにその上端を多孔板7上に突出して底壁をなす堰9を形成し,ダクト吸引圧を負荷した状態で給水口10から洗浄水を供給することによって該洗浄水のバブリングを行うようにする。洗浄水降下管8が多孔板7上の余剰の洗浄水を排出流下して,余剰の洗浄水が微小透孔から落下することによる圧力損失と差圧の変化が防止されるとともに堰9が洗浄水の適正水位を維持することによってバブリングが安定し,気液接触に好適な飛沫層の形成を継続することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は厨房排気を屋外に排出するに際してその油煙,臭気等を除去するようにダクト系の厨房側の端末位置又は中間位置に設置する厨房排気洗浄装置に関する。
この種厨房排気洗浄装置として,例えば,多数の透孔を全面に配置した多孔板と,該多孔板の面内中央位置を上下に貫通するように配置しその上端にファンを設置した揚水手段と,多孔板の中央位置直近上位から左右方向に傾斜して上記ファンを中央に位置するように断面V字状に拡開して配置したデミスターと,上記多孔板の下位に配置した水槽とを備え,ダクト吸引圧を負荷することによって多孔板の透孔を介して厨房排気を吸引通過するとともに上記ファンを回転して揚水手段を作動させ上記水槽から洗浄水を多孔板上に汲み上げ供給し該洗浄水をバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触を行なうようにしたものが知られている。
厨房排気と洗浄水の気液接触は,多孔板に均一に作用すると想定されるダクト吸引圧が多孔板の下方から透孔を介して厨房排気を吸引通過するとともにこの厨房排気の透孔通過によって多孔板上に適量存在する洗浄水を有効にバブリングして多孔板上に形成される微細の泡沫層を該厨房排気が通過することによって行うため,ダクト吸引圧の強さ,多孔板の透孔からの厨房排気の吸引量,多孔板上の洗浄水の水量等がバランスすることが必要であるところ,上記従来技術のものは,ダクト吸引圧の負荷によってファンが回転し揚水手段が多孔板上に洗浄水を継続して供給するため,多孔板上の洗浄水の水量が増加しその重量が嵩んで,洗浄水が多孔板の透孔から落下することになる。このとき透孔は上記ダクト吸引圧によって厨房排気を吸引通過していることによって,透孔がこれら落下する洗浄水と厨房排気の双方の通路となり,厨房排気の吸引通過が阻害されてその吸引量が変化するとともに洗浄水の水量不足を招き,結局圧力損失の変化が大きく,多孔板の差圧を一定に保持することができないことによって,バブリングのための厨房排気の吸引量と洗浄水の水量のバランスが崩れる結果,多孔板上での安定したバブリングを確保できず,従って厨房排気の洗浄効果を期待し得ないものとなる可能性がある。また水槽には厨房排気中の油煙等を含んだ洗浄水が落下し,これが揚水手段を介して再び洗浄水として循環するから,油煙等が揚水手段に付着して揚水を妨げたり,多孔板に付着し透孔を狭小化したりして,更にバブリングを不安定とする原因となる可能性もある。
本発明は従来の洗浄装置が抱えるかかる問題点に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,可及的に簡易な構造によって,多孔板上における洗浄水の有効なバブリングを常に安定して行うことによって厨房排気の洗浄効果を可及的高度に確保し得るようにした厨房排気洗浄装置を提供するにある。
上記課題に添って本発明は,多孔板に洗浄水降下管を配置するとともにこの洗浄水降下管をダクト吸引圧からフリーとすることによって,該洗浄水降下管が厨房排気を吸引することなく多孔板上の洗浄水を排出流下自在とし,水量増加に伴う過剰洗浄水の排出を該洗浄水降下管,厨房排気の吸引通過を透孔とするようにそれぞれ通路区分を行なうようにして,洗浄水が多孔板の透孔から落下するのを防止するとともに該透孔が洗浄水と厨房排気が双方の通路となるのを防止し,該多孔板の透孔を厨房排気の専用通路として,厨房排気の吸引量を可及的に一定とし,該吸引量の変化による圧力損失と差圧の変化を防止し,これらを可及的に一定に保持することによって,多孔板上の洗浄水の水量と厨房排気の吸引量とのバランスを常時確保し,多孔板上の洗浄水を有効にバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触をなし得るようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,ダクト吸引圧を負荷することによって多孔板の透孔を介して厨房排気を吸引通過するとともに該多孔板上の洗浄水をバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触を行なう洗浄装置であって,上記多孔板にダクト吸引圧からフリーに洗浄水を排出流下自在の洗浄水降下管を配置してなることを特徴とする厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記洗浄水降下管の下端を洗浄水貯留用に配置した受皿の設定水位内に位置するようにして,その下端を貯留した洗浄水内に浸漬したものとすることによって,該洗浄水降下管を簡易且つ確実にダクト吸引圧からフリーの状態に維持するように,これを,上記多孔板の下位に洗浄水貯留用の受皿を配置し,上記洗浄水降下管の下端を該受皿の貯留水位内に位置することによって該洗浄水降下管をダクト吸引圧からフリーとしてなることを特徴とする請求項1に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,多孔板に堰を配置して該堰からオーバーフローした洗浄水を過剰洗浄水として上記洗浄水降下管から排出流下するようにすれば,該堰が多孔板上の洗浄水をバブリングに適した水量に維持する水位維持手段をなし,多孔板に対する洗浄水供給量が変化する場合等を含めて水量のバランスを常時確保し,洗浄水が排出流下する量が多くなりすぎて水量のバランスが崩れるといった可能性を簡易且つ確実に防止して,有効且つ安定したバブリングを常に確保しこれを継続し得るものとし得るところ,上記多孔板に配置した洗浄水降下管の上端を多孔板上面から起立した状態として,その多孔板からの上面突出壁による簡便な堰配置を行うことを可能とするように,これを,上記多孔板が,洗浄水降下管の上端を多孔板上面より起立することによってその上面突出壁による堰を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,同じく多孔板の面内にあって洗浄水降下管とは別に多孔板上に起立してその開口をそれ自体で囲繞する起立壁又は外周面とともに該開口を囲繞する区画用の起立壁を設けることによって同様に簡便な堰配置を行うことを可能とするように,これを,上記多孔板が,その面内に洗浄水降下管の開口を囲繞し又はこれを多孔板のバブリング面と区画する起立壁を配置することによって該起立壁による堰を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,堰配置を行うに際して,一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮すると,堰はこれを低壁堰とするのが好ましく,このとき堰の起立高さが2mm程度を下回ると洗浄水の水量が不足する傾向を生じ,1.5cm程度を上回ると該水量が過剰となる傾向を生じて,それぞれ有効且つ安定したバブリングを行なう水位として不適当となる可能性が生じることから,堰の起立高さを適正なものとするように,これを,上記堰を,起立高さ0.2乃至1.5cm程度の低壁堰としてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記洗浄水流下管から洗浄水を排出流下し透孔を厨房排気の専用通路として洗浄水の水量と厨房排気の吸引量のバランスを確保する際,同じく一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮すると,透孔の孔径はなるべき微小のものとするのが好ましく,このとき孔径が1.5mm程度を下回ると厨房排気の吸引量が不足する傾向を生じ,3mm程度を上回ると,孔径が大きくなり洗浄水が落下する傾向を生じて,それぞれ有効且つ安定したバブリングを行なう透孔の径として不適当となる可能性を生じることから,上記洗浄水流下管を有する多孔板における透孔の径を適正なものとするように,これを,上記多孔板における透孔を,孔径1.5乃至3mm程度の微小透孔としてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項7に記載の発明は,同じく上記に加えて,同様に一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮すると,多孔板のバブリング有効スペースにおける透孔の開口率が20%程度を下回ると透孔配置が粗になって,開口の合計面積が小さくなり厨房排気の吸引量が不足する傾向を生じ,40%程度を上回ると透孔配置が密になり厨房排気の吸引量が過剰となったり,洗浄水が落下する傾向を生じて,それぞれ有効且つ安定したバブリングを行なう透孔の開口率として不適当となる可能性を生じることから,上記洗浄水流下管を有する多孔板における透孔の開口率を適正なものとするように,これを,上記多孔板における透孔の開口率を,バブリング有効スペースの20乃至40%程度としてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項8に記載の発明は,同じく上記に加えて,多孔板に供給する洗浄水を水道水等として,厨房排気中の油煙等が多孔板に循環付着してバブリングを不安定とする等の洗浄水に起因する問題点を解消し得るものとするように,これを,上記洗浄水を,水道水又は水道水に洗浄循環水を部分的に加えたものとしてなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
請求項9に記載の発明は,同じく上記に加えて,多孔板上で洗浄水が有効且つ安定したバブリングを行なうことによって微細な泡沫層が形成されるとともにこれを超える高さの飛沫を生じることから,該飛沫がダクト吸引圧に引かれてダクト内に入り込むのを防止し得るものとするように,これを,上記多孔板の上位に,バブリングすることによって生じる洗浄水の飛沫除去用のデミスターを水平に配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の厨房排気洗浄装置としたものである。
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
なお本発明で洗浄水降下管について「ダクト吸引圧からフリー」とは,洗浄装置にダクト吸引圧が負荷された状態でも,洗浄水降下管の下がシールされることによってダクト吸引圧を受けることなく多孔板上の洗浄水を排出流下し得る程度にダクト吸引圧から独立して洗浄水の流下排出系を形成している状態を意味するものとして使用する。
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,多孔板の透孔を厨房排気の専用通路として,厨房排気の吸引量を可及的に一定とし,該吸引量の変化による圧力損失と差圧の変化を防止し,これらを可及的に一定に保持することによって,多孔板上の洗浄水の水量と厨房排気の吸引量とのバランスを常時確保し,多孔板上の洗浄水を有効にバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触をなし得るようにして,可及的に簡易な構造によって,多孔板上における洗浄水の有効なバブリングを常に安定して行うことによって厨房排気の洗浄効果を可及的高度に確保し得るようにした厨房排気洗浄装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記洗浄水降下管の下端を洗浄水貯留用に配置した受皿の設定水位内に位置するようにして,その下端を貯留した洗浄水内に浸漬したものとすることによって,該洗浄水降下管を簡易且つ確実にダクト吸引圧からフリーの状態に維持するものとすることができる。
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記多孔板に配置した洗浄水降下管の上端を多孔板上面から起立した状態として,その多孔板からの上面突出壁による簡便な堰配置を行うことができ,該堰によって多孔板上の洗浄水をバブリングに適した水量に維持する水位維持手段をなし有効且つ安定したバブリングを常に確保しこれを継続し得るものとすることができる。
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,同じく多孔板の面内にあって洗浄水降下管とは別に多孔板上に起立してその開口を仕切る仕切壁とすることによって簡便な堰配置を行うことができる。
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,堰配置を行うに際して,一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮して,有効且つ安定したバブリングを行なう水位とする起立高さの堰とすることができる。
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮して,有効且つ安定したバブリングを行なうに適した径を有する多孔板の透孔とすることができる。
請求項7に記載の発明は,同じく上記に加えて,一般的な厨房用のダクト吸引圧を考慮して,有効且つ安定したバブリングを行なう開口率を有する多孔板の透孔とすることができる。
請求項8に記載の発明は,同じく上記に加えて,多孔板に供給する洗浄水を水道水等として,厨房排気中の油煙等が多孔板に循環付着してバブリングを不安定とする等の洗浄水に起因する問題点を解消し得るものとすることができる。
請求項9に記載の発明は,同じく上記に加えて,多孔板上で洗浄水が有効且つ安定したバブリングを行なうことによって生じる飛沫がダクト吸引圧に引かれてダクト内に入り込むのを防止することができる。
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図3においてAは厨房排気洗浄装置,1はダクト,2は該洗浄装置Aを覆うフードであり,洗浄装置Aは,ダクト吸引圧を負荷することによって多孔板7の透孔を介して厨房排気を吸引通過するとともに該多孔板7上の洗浄水をバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触を行なうものとしてある。
本例にあって該洗浄装置Aは,ダクト1側から,バブリングすることによって生じる洗浄水の飛沫除去用の,例えば厚肉メッシュ材を用いたデミスター4,その下位の多孔板7及び該多孔板7下位の洗浄水貯留用の,例えば多孔板7より広面積にして周辺に起立壁を有する受皿12をそれぞれ水平に配置したステンレス製ボックス状のものとし,例えば屋外側に設置したファンの回転によるダクト1の吸引圧によって多孔板7の下方,即ち多孔板7と受皿12間に配置した空間から多孔板7の透孔を介して厨房排気を吸引通過させるとともに該厨房排気の透孔通過によって多孔板7上に適量存在する洗浄水を有効にバブリングして多孔板上に形成される微細の泡沫層を該厨房排気が通過することによって厨房排気と洗浄水との気液接触による洗浄を施し,厨房排気中の油煙成分,臭気成分を洗浄水中に残留除去して厨房排気を清浄化した後,デミスター4を介してダクト1から屋外に排出するものとしてある。
本例の洗浄装置Aは,その上記多孔板7及びデミスター4を,例えば矩形乃至方形のボックス状ケースに着脱自在に装着することによって多孔板ユニット6及びデミスターユニット3を形成し,これらユニット3と6を上下に積上げ状に配置固定することによって多孔板7及びデミスター4をそれぞれその外周を区画するように壁面によって囲繞した状態に水平に配置するとともにデミスター4を多孔板7近傍上位に位置するように配置してあり,また上記受皿12は,多孔板ユニット6に設置しその下面側に垂下する連結脚部11を介して多孔板7の下方に吊持ち状に支持することによって該多孔板7と受皿12間の上記空間を受皿12上で外周4面を開放形成したものとして,厨房排気の多孔板7への吸引を可及的速やか且つ大量になし得るようにしてある。
多孔板7は,上記多数の透孔を同径同ピッチの円形としてこれを面内に均一に分布するように透設して配置した,例えば矩形乃至方形のパンチングメタルを用いて形成したパネルプレートによるものとしてあり,本例にあって該多孔板7は,これにおける透孔を,孔径1.5乃至3mm程度の微小透孔,本例にあっては2mm程度の微小透孔とし且つその透孔の開口率を,バブリング有効スペースの20乃至40%程度,本例にあっては30%程度としたものとしてある。
このとき多孔板7は,これにダクト吸引圧からフリーに洗浄水を排出流下自在の洗浄水降下管8を配置してあり,このとき該洗浄水降下管8は,その下端を上記受皿12の貯留水位内に位置することによって該洗浄水降下管8をダクト吸引圧からフリーとする一方,洗浄水降下管8の上端を多孔板7上面より起立することによってその上面突出壁による堰9を多孔板7に備えたものとしてある。
洗浄水降下管8は,金属筒状パイプ,例えば円筒パイプを使用し,該パイプを多孔板7面内の適宜位置に1箇所,本例にあっては多孔板7の一辺の端部近傍に透設した開口に,例えば嵌着固定することによってその配置を行ってあり,上記突出壁による堰9を備えた本例にあって,該洗浄降下管8の配置は,該洗浄降下管8を多孔板7の開口を介して貫通固定して多孔板7上に突出して起立した筒状,特に円筒状とした突出壁を堰9としてあり,このとき本例の堰9は,これを,起立高さ0.2乃至1.5cm程度,本例にあっては0.3cm程度の低壁堰としてある。
また洗浄水降下管8は,例えば多孔板7の上記突出した上面位置から上記受皿12の深さ方向中間乃至底部の位置までの長さを有するように,上記連結脚部11より幾分短い寸法にして多孔板7から垂下したものとすることによってその下端を受皿12における設定貯留水位内に浸漬してあり,このとき該受皿12の設定貯留水位は,これを受皿12に設置した排水管13の受皿底面からの起立高さによってその設定を行なったものとしてある。
多孔板7上でバブリングする洗浄水は,例えば多孔板7の側方上方から該多孔板7に流下するように多孔板ユニット6の一側面上方に設置した給水口10から継続的乃至断続的に供給するようにしてあり,このとき本例にあって該洗浄水は,これを,水道水又は水道水に洗浄循環水を部分的に加えたものとしてあり,本例の洗浄水は,上記給水口10を水道配管に連結して多孔板7に供給する水道水によるものとしてある。
なお図中5はデミスターユニット3のデミスター4取り出し口である。
このように形成した本例の洗浄装置Aを用いた実験において透視窓からその状態を肉視によって観察したところ,ダクト吸引圧の負荷状態で洗浄水を供給することによって,洗浄水は多孔板7上で直ちにバブリングを開始し,その後に下端を受皿12の貯留洗浄水中に浸漬してダクト吸引圧からフリーに配置した洗浄水降下管8から余剰の洗浄水を排出流下しつつ,ダクトの吸引停止までの間有効且つ安定したバブリングを継続するものとなし得た。このバブリングは微細に泡沫化した洗浄水が激しく揺動するとともに多孔板7の表面上に10cm乃至10数cm程度の比較的均一高さの泡沫層を形成し,多孔板7の透孔を吸引通過する厨房排気との好ましい気液接触を行なうものであった。洗浄水降下管8から洗浄水が排出流下するも,多孔板7の透孔からの洗浄水落下は見られず,該透孔が厨房排気の専用通路となり,洗浄水降下管8の配置によって厨房排気の吸引量を可及的に一定とし,該吸引量の変化による圧力損失と差圧の変化を防止し,これらを可及的に一定に保持するものであることが確認された。このとき多孔板7上の洗浄水は,バブリングしながらも略堰9の起立高さに保持されることによって該堰9が多孔板7上の洗浄水の設定水位を維持する水位維持機能を発揮して洗浄水の水量を維持するものとなるとともにその起立高さ,多孔板7に透設配置した透孔の径,その開口率が有効且つ安定したバブリングに寄与したものであることが併せて確認された。またバブリング時にランダムに発生する飛沫は多孔板7から高く跳ねるがデミスター4によって補足されて,これがダクト1内に至るのが防止された。実験データによれば,水道水の給水を継続して洗浄水を供給し,例えばラード,焼鳥,鰯等の油煙成分や臭気成分の多い材料を1日8時間づつ強火で焼いたところ,その油煙成分の除去率は95%程度以上,臭気成分の除去率は85%程度に高度のものであった。なお受皿12の洗浄水はダクト1の吸引開始から1〜2時間で茶褐色に変色し,実験開始数日後には受皿12底面に数mm程度の厚さの油脂分が蓄積した。ダクト1の屋外側のダクト排出口における臭気は幾分感じられるも,屋外側のダクト1の排出口に設置したナイロンメッシュのフィルターには,実験開始20日後でも殆ど汚れが見られなかった。このように本例の洗浄装置Aは,簡易な構造によって,多孔板7上における洗浄水の有効且つ安定したバブリングを継続することによって厨房排気の洗浄効果を可及的高度に確保するものとなし得た。
図示した例は以上のとおりとしたが,洗浄水降下管をダクト吸引圧を受ける状態に配置すると該洗浄水降下管はダクト吸引圧によって厨房排気乃至その余のエアを吸引して洗浄水の排出流下を阻害するから,これを防止してダクト吸引圧からフリーとするために,洗浄水降下管の先端をダクト吸引圧の範囲外に配置し,ダクト吸引圧の範囲内に配置するときはその先端をダクト吸引圧から塞ぐように水中に浸漬する等の措置が必要であり,水中に浸漬する場合,例えば多孔板とその下位の受皿間に排出流下する洗浄水を一時的に貯留する中間受皿を設置し,これに洗浄水降下管の下端を浸漬し,該中間受皿から上記受皿に洗浄水をオーバーフローするものとすることも可能である。多孔板の堰は,多孔板の面内に洗浄水降下管の開口を囲繞し又はこれを多孔板のバブリング面と区画する起立壁を配置することによっても形成することができ,これらによる堰は,例えば多孔板上に円形,矩形等の適宜平面形状をなすリング状の囲繞用の起立壁,特に上記底壁を一体的に固定し,また,例えば多孔板のケースにおける壁面間に,バブリングの有効面と区画するように,同じく直線,湾曲等の適宜平面形状をなす帯状の区画用の起立壁,特に上記底壁を一体的に固定することによって形成可能である。洗浄水は,水道水とするのが特に好ましいが,節水の目的でこれに洗浄循環水を部分的に加えたものとすることができ,該洗浄循環水は,例えば上記受皿の貯留洗浄水の上澄み部分からその取り入れを行なうのが好ましく,例えば毎日貯留洗浄水を廃棄する等頻繁に受皿の清掃を行なう場合を除いて,貯留洗浄水の底面からその取入れを行なうことは,蓄積した油脂分を多孔板に供給しその透孔に付着する可能性があるのでこれを避けるのがよい。更に多孔板を楕円形,円形等とすること,透孔を矩形,方形,星形等とすること,洗浄水降下管を断面矩形筒,方形筒,楕円筒,等とすること,洗浄水降下管を多孔板の複数箇所に複数本設置すること,洗浄水降下管を多孔板と面一に設置すること,洗浄水降下管を多孔板から受皿に向けて傾斜して配置すること,堰を上記洗浄水降下管の位置と数に応じてこれらを個別に又は同時に囲繞し又は区画するように配置すること,洗浄水降下管の上面突出壁の堰と該囲繞乃至区画の起立壁の堰をダブル設置すること,上記ユニットにしたものに代えて,洗浄装置を単一一体にして上下を開口したボックスに多孔板,デミスターを配置したものとすること等を含めて,本発明の実施に当って,洗浄装置,多孔板,透孔,洗浄水降下管,堰,洗浄水,受皿,デミスター等の各具体的形状,構造,材質,数,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
A 洗浄装置
1 ダクト
2 フード
3 デミスターユニット
4 デミスター
5 取り出し口
6 多孔板ユニット
7 多孔板
8 洗浄水流下管
9 堰
10 給水口
11 連結脚部
12 受皿
13 排水管
1 ダクト
2 フード
3 デミスターユニット
4 デミスター
5 取り出し口
6 多孔板ユニット
7 多孔板
8 洗浄水流下管
9 堰
10 給水口
11 連結脚部
12 受皿
13 排水管
Claims (9)
- ダクト吸引圧を負荷することによって多孔板の透孔を介して厨房排気を吸引通過するとともに該多孔板上の洗浄水をバブリングして厨房排気と洗浄水の気液接触を行なう洗浄装置であって,上記多孔板にダクト吸引圧からフリーに洗浄水を排出流下自在の洗浄水降下管を配置してなることを特徴とする厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板の下位に洗浄水貯留用の受皿を配置し,上記洗浄水降下管の下端を該受皿の貯留水位内に位置することによって該洗浄水降下管をダクト吸引圧からフリーとしてなることを特徴とする請求項1に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板が,洗浄水降下管の上端を多孔板上面より起立することによってその上面突出壁による堰を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板が,その面内に洗浄水降下管の開口を囲繞し又はこれを多孔板のバブリング面と区画する起立壁を配置することによって該起立壁による堰を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記堰を,起立高さ0.2乃至1.5cm程度の低壁堰としてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板における透孔を,孔径1.5乃至3mm程度の微小透孔としてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板における透孔の開口率を,バブリング有効スペースの20乃至40%程度としてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記洗浄水を,水道水又は水道水に洗浄循環水を部分的に加えたものとしてなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載の厨房排気洗浄装置。
- 上記多孔板の上位に,バブリングすることによって生じる洗浄水の飛沫除去用のデミスターを水平に配置してなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の厨房排気洗浄装置。
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JP2019070992A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | 日本ドライケミカル株式会社 | 火災警報装置 |
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2003
- 2003-12-26 JP JP2003433298A patent/JP2005186001A/ja active Pending
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