JP6942338B2 - バーナ、燃焼装置および燃焼方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガスを燃焼させるバーナなどの燃焼技術に関する。
ガス燃焼において、バーナに空気比が異なる濃淡の複数の混合気を流すものがある。淡混合気の空気比は1より大きく、燃料ガスの完全燃焼に必要な空気量よりも多くの空気を含むエアリッチガスとなっている。濃混合気の空気比は1より小さく、燃料ガスの完全燃焼に必要な空気量よりも少ない空気量のガスリッチガスとなっている。淡混合気の燃焼では、燃焼排気中の窒素酸化物(NOx)を低減できる反面、燃焼の安定性が低い。これに対し、濃混合気の燃焼では燃焼の安定性が高い。このような両者の特性から、NOxの低減とともに燃焼の安定性を高め、淡混合気の火炎を濃混合気の火炎で保炎することが知られている。
このようなガス燃焼に関し、バーナの淡炎孔の両側に備えられた濃炎孔で袖火を形成し、この袖火により淡炎孔側の主炎を保炎することが知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2010−261615号公報
ところで、燃料ガスを燃焼させるバーナでは、燃焼排気中のNOxやCOの低減化と炎の安定化を図るために、空気比が低い濃混合気で空気比が高い淡混合気を保炎する手段が採られている。この場合、濃混合気の比率が大きければ保炎性能の維持に有利である反面、空気比が低い混合気を増加することで空気不足で完全燃焼できない燃料ガスが増加し、低NOx化、低CO化を実現するのが困難となる。NOxやCOの低減は空気比が高い淡火炎の割合を増やすことが望ましい。
しかし、単純に淡混合気の割合を増加させ、濃混合気の割合を減少させたのでは燃焼排気中のNOxやCOの発生を抑えることはできるが、保炎性が低下してしまい、炎が吹き飛んでしまうリフティングが発生し、火炎が不安定となるという課題がある。
また、淡混合気側のガス量を減らすことで保炎側の炎孔を流れる混合ガスの流速が低下すると、炎の燃焼速度とのバランス低下により、炎孔内で混合ガスが燃えてしまうフラッシュバックが生じるおそれがある。
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、COやNOxの低減性能を向上させるとともに、燃焼の安定化を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明のバーナの一側面によれば、第1の混合気により火炎を生成する複数の炎孔と、前記炎孔を挟んで設置され、前記第1の混合気と異なる空気比の第2の混合気により補助火炎を生成する第1の補助炎孔と、隣接する前記炎孔の間隔部に設置され、前記第2の混合気により前記第1の補助炎孔とともに補助火炎を生成する第2の補助炎孔とを含む補助炎孔とを備え、前記炎孔の開口面積が前記補助炎孔の開口面積の2.5倍以上かつ3.0倍未満であり、前記第1の混合気および前記第2の混合気は空気比が1より大きい。
前記バーナにおいて、複数の前記補助炎孔で生成される前記補助火炎が連結されて前記火炎を囲い込むとともに、前記補助火炎が前記火炎より低い位置で燃焼して前記火炎を保炎してもよい。
前記バーナにおいて、前記第1の混合気の流速は、前記第2の混合気の流速よりも速くてもよい。
前記バーナにおいて、前記補助炎孔と前記炎孔に供給されるガス量の比率が20:80の割合またはこの近傍の割合に設定されればよい。
前記バーナにおいて、前記補助炎孔には、設定された混合気量に対し、供給されるガス量または前記ガス量の比率に基づいて算出された空気量が供給されればよい
記バーナにおいて、前記第1の混合気を取り込んで前記炎孔側に流す第1の混合気流路と、前記第2の混合気を取り込んで前記補助炎孔側に流す第2の混合気流路とを備え、前記第1の混合気流路と前記第2の混合気流路は、設定されるガス量の比率に応じて断面積が設定されてよい。
上記目的を達成するため、本発明の燃焼装置の一側面によれば、第1の混合気により火炎を生成する複数の炎孔と、前記炎孔を挟んで配置され、前記第1の混合気と空気比の異なる第2の混合気により補助火炎を生成する第1の補助炎孔、および隣接する前記炎孔の間隔部に設置され、前記第2の混合気により前記第1の補助炎孔とともに補助火炎を生成する第2の補助炎孔を含む補助炎孔とを有する複数のバーナユニットを備え、前記炎孔の開口面積が前記補助炎孔の開口面積の合計の2.5倍以上かつ3.0倍未満であり、前記第1の混合気および前記第2の混合気は空気比が1より大きい。
上記目的を達成するため、本発明の燃焼方法の一側面によれば、複数の炎孔に空気比が1より大きい第1の混合気により火炎を生成し、前記炎孔を挟んで配置された第1の補助炎孔と、隣接する前記炎孔の間隔部に設置された第2の補助炎孔とを含み、その開口面積が前記炎孔の開口面積の1/3より大きく2/5以下である補助炎孔に、空気比が1より大きくかつ前記第1の混合気と異なる空気比の第2の混合気により補助火炎を生成する。
本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1) 1の炎孔の周囲を他の炎孔で包囲することで、保炎機能を高められ、火炎の安定化が図れる。
(2) 異なる空気比で、かつ共に空気比が1より大きい複数の混合気を発生させることで、保炎による炎を安定化させつつ、燃焼排気の低NOx化および低CO化が図れる。
(3) 供給ガス量の変化に対して混合気の流速を低下させないことで、フラッシュバックの発生を抑えることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
一実施の形態に係るバーナの構成例を示している。 各主混合気f1および各補助混合気f2の燃焼場を示している。 本発明のバーナの燃焼条件について、従来のバーナと比較して示している。 燃焼装置の構成例を示している。 バーナユニットの一例を示している。 バーナユニットの分解斜視図である。 バーナユニットの一部を拡大して示している。 図7のVIII−VIII線切断面を示している。 図7のIX −IX 線断面を示している。 図8に示すバーナユニット部分における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。 図9に示すバーナユニット部分における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。 図7のXII −XII 部での主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。 図7のXIII−XIII線断面における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。 Aは空気比に対してバーナの燃焼で発生するCO濃度の実験例の結果であり、Bは空気比に対してバーナの燃焼で発生するNOx濃度の実験例の結果を示している。 バーナユニットを備える燃焼装置を給湯器に搭載し、実際に燃焼排ガス(NOx)を測定した結果を示している。 バーナユニットを備える燃焼装置を給湯器に搭載し、実際に燃焼排ガス(CO)を測定した結果を示している。 バーナユニットの実験例を示す図である。 バーナユニットの実験例を示す図である。 燃焼負荷、比例弁電流値およびモータの回転数の関係を示す図である。 燃焼装置の空気比調整に係るハードウェアの一例を示す図である。 空気比の設定値の変形例を示す図である。
〔一実施の形態〕
図1は、一実施の形態に係るバーナの構成例を示している。このバーナ2は本開示のバーナの一例であり、本発明のバーナは斯かる構成に限定されない。
このバーナ2は、たとえばステンレス板などの耐熱性金属板でプレス加工されたプレート部材によって形成される所謂プレスバーナの一例であり、空気比の異なる混合気を流す複数の炎孔を備え、性質の異なる複数の火炎を燃焼させる。バーナ2には、たとえばメインの火炎を生成する主混合気f1を排出する混合気排出部4と、燃焼により補助火炎を生成する補助混合気f2を流す補助炎孔6−1、6−2を備える。主混合気f1は本開示の第1の混合気の一例であり、燃焼により主火炎を生成する。また補助混合気f2は、本開示の第2の混合気の一例であり、燃焼により補助火炎を生成する。主混合気f1の空気比X1は、1よりも大きな値であり、所謂、エアリッチな状態である。また、補助混合気f2の空気比X2は、主混合気f1の空気比X1よりも小さく、かつ1よりも大きな値であり、所謂、エアリッチな状態である。
混合気排出部4は、たとえば長方形状のバーナ2の外形形状に沿って形成されたリボン8を備えている。このリボン8は主混合気f1を整流する整流ユニットの一例である。リボン8には、主混合気f1を排出して燃焼させる主炎孔10と、絞り部12が交互に形成されている。この絞り部12は、混合気を排出させない部分の一例であり、リボン8上の各主炎孔10の形成面積を区分するほか、主炎孔10の形成個数が決まる。すなわち混合気排出部4では、複数の主炎孔10による主混合ガスを流す開口面積が絞り部12の数や大きさによって決まる。
補助炎孔6−1、6−2は、たとえばバーナ2の長手方向に沿ってリボン8の両側面側に開口している。このうち補助炎孔6−1は、主炎孔10の開口位置に合せて配置されており、バーナ2の両縁側で補助混合気f2を排出する。補助炎孔6−2は、絞り部12の形成位置に合せて配置されており、絞り部12の幅に応じて、バーナ2の内側で補助混合気f2を排出する。すなわち、絞り部12を跨いで対向する補助炎孔6−2同士の対向距離は、主炎孔10を跨いで対向する補助炎孔6−1同士の対向距離よりも短い。そしてバーナ2では、主混合気f1が補助混合気f2に比較し流出量が多く、その流出速度を速くしている。
また、バーナ2には、リボン8が設置される混合気排出部4と補助炎孔6−1、6−2との間に、混合気を排出させない遮断部14が形成されている。この遮断部14は、主炎孔10と補助炎孔6−1、6−2とを絶縁する絶縁域であるとともに、区画域を形成している。
<淡混合気f1および濃混合気f2の燃焼>
図2は、各主混合気f1および各補助混合気f2の燃焼場を示している。各主混合気f1および補助混合気f2が着火により燃焼状態に入ると、それぞれの燃焼場が形成される。バーナ2は、各主炎孔10から排出された主混合気f1に対し、その周囲を補助炎孔6−1、6−2から排出された補助混合気f2で包囲する。そしてバーナ2では、主混合気f1の燃焼により生成した主火炎F1を中心とし、この主火炎F1の周縁側であって、バーナ2側の低い位置に補助火炎F2が生成される。主火炎F1は、主混合気f1の流速と燃焼により、主炎孔10ごとに独立した炎が生成される。この例では、水平断面が長円状の主火炎F1が形成されているが、円形であってもよい。
遮断部14では主混合気f1の圧力が補助混合気f2よりも低くなる。このような圧力関係を設定すれば、補助炎孔6−1、6−2ごとに独立することなく、補助火炎F2が遮断部14にまわり込み、補助火炎F2が生成される。この補助火炎F2は、水平断面が長円状の主火炎F1を包囲する連鎖状態の環状火炎を形成する。これにより、各主火炎F1は主炎孔10ごとに独立して形成されるのに対し、各主火炎F1の間隔部に補助火炎F2が存在するので、各主火炎F1が隣接する補助火炎F2によって全周保炎される。
また、主火炎F1と補助火炎F2の燃焼高さは、たとえばそれぞれ主混合気f1と補助混合気f2の流速、燃料ガスの組成に応じた燃焼速度、および燃料ガス比率に基づいて決まる。補助火炎F2は、たとえば燃焼高さを主火炎F1の燃焼高さよりも低くすることで、主火炎F1の根元側、すなわち、主炎孔10に近い部分から保炎する。そこで、補助混合気f2のガス流速が主混合気f1のガス流速よりも遅くなるように主炎孔10、補助炎孔6−1、6−2の開口面積は設定されればよい。
<バーナユニット30における濃淡比バランスおよび炎孔形状>
このバーナ2は、従来の濃炎孔形状が淡火炎を水平方向のみで保炎するのに対し、補助炎孔6−2が主炎孔10間に設置され、燃焼時に補助火炎F2が疑似的な円周火炎を生じ、主火炎F1を保炎できる。
このため、バーナ2に形成される円形状の補助火炎F2による保炎は、従来の平行面で接触させる保炎に比較し、炎の接触領域(つまり、面積)が拡大され、これにより、効率的な保炎が得られる。この保炎形態は疑似的な全周保炎であり、理想的な保炎形態である円形の主火炎F1を円形の補助火炎F2で取り囲む形態を形成している。
<バーナ2の燃焼条件の設定について>
図3は、本発明のバーナの燃焼条件について、従来のバーナと比較して示している。図3に示す設定条件や斯かる条件の設定手法、算出方法は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
<主混合気と補助混合気のガス量比(補助混合気/主混合気Ratio)のバランスについて>
本発明のバーナ2では、図3に示すように、補助混合気f2と主混合気f1のガス量の比率(以下、「ガス量比」と称する。)がたとえば20:80またはそれに近い比率(たとえば16:84〜24:76)に設定される(図3の「New Burner」)。従来の一般的なバーナでは、補助火炎による保炎能力や主火炎のリフトアップなどを防止するために、ガス量比が30:70程度(図3の「Current」)に設定されていた。このガス量比は、供給される燃料ガス量の割合である。
補助燃焼におけるガス量比は、バーナ2の性能や目的に応じて決定される。たとえば、騒音値の抑制や、振動燃焼の防止を高める場合には、補助混合気f2のガス量の割合を高め、補助燃焼側の負荷を増加させる設定を行い、後述するように、空気比を低く設定した安定火炎である補助火炎F2の割合を増大させる。
また、排気ガス中のCOやNOxなどの有害排気成分を下げたい場合には、主混合気f1のガス量の割合を上げる設定が必要である。すなわち主混合気f1の燃焼である主火炎は、補助混合気f2の燃焼である補助火炎と比較して、空気比が高く設定され、空気過剰な状態で燃焼させるので、これらの有害成分の発生が抑えられる。
バーナ2は、主炎孔10と補助炎孔6−1、6−2の構成により、各主火炎F1の間隔部に補助火炎F2を存在させて、各主火炎F1が隣接する補助火炎F2によって全周保炎されることで保炎性能が高められている。これにより、補助混合気f2と主混合気f1のガス量比を20:80またはそれに近い、超低NOx規制の比率に設定しても、主火炎のリフトや振動燃焼などを防止することができる。
<燃焼空気量(空気比、空燃比(AFR:Air/fuel ratio))の設定について>
本発明のバーナ2では、たとえば補助炎孔6−1、6−2に流す混合ガスの燃焼空気量について、予め設定された設定ガス流量(設定混合気量)を基準に設定すればよい。この設定された設定混合気量は、たとえば燃料ガスに含まれる成分に応じた燃焼速度や、主炎孔10に流れる混合気量などに基づき、補助炎孔6−1、6−2において火炎のバックが発生しない値に設定される。この設定混合気量は、たとえば既述のように、ガス量比が30:70に設定されていた従来のバーナの補助炎孔側に流している混合気量を利用してもよい。
この実施の形態では、補助炎孔6−1、6−2に流す混合気量について、従来のバーナで設定されていた混合気量を利用する場合を説明する。また、この場合、従来のバーナと補助炎孔の面積を同一としている。
従来の補助炎孔に流す混合気量をQA1、補助炎孔6−1、6−2に流す混合気量をQA2とする。従来の混合気量QA1は、以下のように求めることができる。ここでは、燃料ガスとして、メタン(CH4)を主成分とした場合を想定する。
混合気量QA1 = A*(1+(Qair * 0.8)) ・・・(1)
式中のAは供給される燃料ガス量であり、Qairは燃料ガスの理論空気量を示す。この式(1)では、従来のバーナの主炎孔の空気比(Air Ratio)が1.6に設定され、補助炎孔の空気比(Air Ratio)が0.8に設定された場合を想定している。すなわち、従来のバーナでは、補助炎孔に流す混合気は空気比が1以下のガスリッチであり、酸素不足の状態を維持している。
本発明のバーナ2では、補助炎孔6−1、6−2に、混合気量QA1と同量の混合気を流すように設定する。すなわち、
混合気量QA2 =(2/3)A*(1+(Qair *X1)) = QA1 ・・・(2)
混合気中の燃料ガス量の割合が小さいと想定し無視すると、
(2/3)A*(Qair *X1)=A*(Qair *0.8)
1 = 1.25 ・・・(3)
となる。式(2)中、X1は、バーナ2の補助炎孔6−1、6−2側の空気比である。
本発明のバーナ2では、ガス量比を、従来の30:70から20:80に変更している。補助炎孔6−1、6−2側に供給する燃料ガスの量の割合を20とし、従来のバーナに比べて減らしている。式(2)では、補助火炎に流すガス量Aを2/3にした場合であって、混合気量を維持するための空気比X1を求めている。
補助炎孔6−1、6−2側に流すガス量の比率を減らした場合、従来と同じ空気比を維持させようとすると、混合気の流速が低下してしまい火炎がバックしてしまうおそれがある。そのため、バーナ2では、補助炎孔6−1、6−2側に流すガス量の減少分に応じて空気量を増加させて混合気を維持させている。このように混合気中の空気量が多くなることで、空気比が1より大きいエアリッチの状態となる。また、バーナ2は、ガス量の減少分に応じて補助炎孔6−1、6−2の炎孔面積が減少することで、従来と同じ空気比で混合気の流速を維持することができるが、保炎機能の低下を招くおそれがある。なお、補助炎孔6−1、6−2の炎孔面積を従来のバーナよりも大きくする場合、その面積の増加分に合せて空気量を多く流せばよいが、バーナ2の表面積は限られているため、主炎孔10の炎孔面積が狭まり、主混合気f1の流速上昇を招くため、保炎性能が低下しない範囲に炎孔面積を設定する必要がある。
バーナ2では、主火炎を保炎する補助火炎側の空気比が1より大きくなっても、補助炎孔6−1、6−2による補助火炎F2が主火炎F1に対してパイロット保炎状態となることで、保炎機能が確保される。
このとき主混合気量QB2は、従来のバーナの主混合気量QB1に関係付けて流量が設定されてもよく、または主混合気量QB1に関係なく流量が設定されてもよい。さらに、補助混合気流速VA2および主混合気流速VB2は、たとえば形成された主炎孔10または補助炎孔6−1、6−2の開口面積や供給流量から設定してもよい。
ここで、バーナ2の炎孔の開口面積は、たとえば補助炎孔6−1、6−2の開口面積FA2に対する主炎孔10の開口面積Fa2が2.5倍以上の大きさとし、かつ3.0倍未満の大きさとなる。このとき、補助炎孔6−1、6−2の開口面積FA2は、たとえば従来のバーナの補助炎孔の開口面積FA1と同等の大きさに設定し、主炎孔10の開口面積Fa2は、従来の主炎孔の開口面積Fa1よりも小さくなっている。
従来のバーナにおける補助炎孔の開口面積FA1と主炎孔の開口面積Fa1の面積割合R1は、たとえば0.3程度としたのに対し、バーナ2の補助炎孔6−1、6−2の開口面積FA2と主炎孔10の開口面積Fa2の面積割合R2は、たとえば0.35以上、より詳しくは0.38以上となった。新たなバーナ2では、ガス量の流入割合を減らした補助火炎F2側に対し、主火炎F1側の開口面積が減ったことで混合ガスの流速が上昇した。また、主炎孔に対する補助炎孔の開口面積の割合が従来よりも大きくなり、補助炎孔に流れる補助混合気f2の流速が速くなり、空気比が1以上となっても火炎がバックしないので、保炎機能が維持されている。
そのほか、バーナ2は、たとえば最大補助炎孔負荷IA2が従来のバーナの最大補助炎孔負荷IA1よりも低下するのに対し、最大主炎孔負荷Ia2が従来のバーナの最大主炎孔負荷Ia1よりも大きくなる。つまり、補助炎孔側のガス量比の低下と、主炎孔側のガス量比の上昇により、バーナの燃焼による負荷が変化している。このとき、空気比の小さい補助炎孔側の燃焼負荷が低下することで、COやNOxの発生量を減らすことができる。さらに、主炎孔側の燃焼負荷の上昇で主炎孔側の炎のリフトが防止され、バーナの燃焼状態が維持されている。
<燃料ガスの理論空気量について>
ここで、燃料ガスに含まれるメタン(CH4:天然ガスの主成分)の燃焼に対する理論空気量は、以下の反応式から求める。
CH4 +2O2 +2(79/21)N2
→ CO2 +2H2 O+2(79/21)N2 ・・・(4)
式(4) 中で、左辺の第2項、第3項目がメタン1〔mol〕を燃焼させる理論空気量(Qair)である。この算出処理において、空気中の構成は窒素(N2)が79〔%〕、酸素(O2)が21〔%〕としている。これによりメタン1〔mol〕を完全に燃焼させるのに必要な空気には、酸素が2〔mol〕、窒素が2*(79/21)=2*3.76〔mol〕含まれる。そして、斯かる構成を含む空気の量は、これらの値から、以下の式で求められる。
air =2O2 +2(79/21)N2
=2(1+3.76)=9.52〔mol〕 ・・・(5)
式(5)の空気量を式(2)のQairに代入すると、
1 ≒ 1.2525
となり、式(3)とほぼ同じになることがわかる。
燃料ガスに含まれるプロパン(C38)の理論空気量について求める。
38 + 5O2 +5(79/21)N2
→ 3CO2 +4H2 O+5(79/21)N2 ・・・(6)
式(6) 中で、左辺の第2項、第3項目がプロパン1〔mol〕を燃焼させる理論空気量(Qair)である。プロパン1〔mol〕を完全に燃焼させるのに必要な空気には、酸素が5〔mol〕、窒素が5*(79/21)=5*3.76〔mol〕含まれる。そして、斯かる構成を含む空気の量は、これらの値から、以下の式で求められる。
air =5O2 +5(79/21)N2
=5(1+3.76)=23.8〔mol〕 ・・・(7)
式(7)の空気量を式(2)のQairに代入すると、
1 ≒ 1.221
となり、式(3)とほぼ同じになることがわかる。
燃料ガスである13A(メタン約85〔%〕、プロパン約15〔%〕)を燃焼させる場合の空気量は、式(5)、式(7)の算出結果と燃焼用空気に含まれる構成要素の割合から、以下の式(8) で求められる。すなわち、13Aのガス1〔mol〕を完全燃焼させるには、
0.85*9.52 + 0.15*23.8 =11.7〔mol〕・・・(8)
となる。
式(8)の空気量を式(2)のQairに代入すると、
1 ≒ 1.2427
となり、式(3)とほぼ同じことがわかる。
バーナは、混合気の空気比を増やせば、燃焼空気量がその比に比例して増加する。その結果、混合気の流出速度も同様に増加するが、燃焼速度とのバランスにより火炎の安定度が決定される。
一般的に燃焼空気量が増加(空気比が増加)するほど、燃焼場は火炎にとって安定状態にある炎孔面上から離れた位置に形成される。また、空気量の増大により火炎温度が低下するので、火炎はより不安定な方向へ進む。更に空気量が増加すると、最終的には、火炎はリフトおよび失火を来たす。
このバーナ2は、プレスバーナであるから、主火炎F1側の空気比が高くなる。そのため、主火炎F1の安定化を求め、その空気比を下げれば、COおよびNOxの発生量が増加する。そこで、補助火炎F2による保炎を利用し、主火炎F1側の空気比を高く採ることができる。
バーナ2の補助火炎F2の保炎機能が高いので、空気比の高い燃焼領域においても、主火炎F1が安定化するとともに、COの発生が低減される。
補助炎孔6−1、6−2側の空気比X1は、たとえば1より大きく1.6以下であるエアリッチ状態であればよい。空気比X1が1である状態において、ガス量比を、従来の30:70からZ1:(100−Z1)に変更する場合、式(2)は、
混合気量QA2 =(Z1/30)A*(1+(Qair *1)) = QA1
・・・(9)
となる。混合気中の燃料ガス量の割合が小さいと想定し無視すると、
A*(Qair *0.8)=(Z1/30)A*(Qair *1)
Z1 = 24 ・・・(10)
となる。
空気比X1が1.6である状態において、ガス量比を、従来の30:70からZ2:(100−Z2)に変更する場合、式(2)は、
混合気量QA2 =(Z2/30)A*(1+(Qair *1.6)) = QA1
・・・(11)
となる。混合気中の燃料ガス量の割合が小さいと想定し無視すると、
A*(Qair *0.8)=(Z2/30)A*(Qair *1.6)
Z2 = 15 ・・・(12)
となる。したがって、ガス量比は、たとえば15:85〜24:76に設定されればよい。
式(10)および式(12)から、補助混合気f2のガスの割合を減らすと、補助混合気f2の空気比は上昇することが分かる。一方、主混合気f1の空気比は低下する。ここで、主混合気f1の空気比は、補助混合気f2の空気比と同じか大きいことが好ましい。
主混合気f1の空気比と補助混合気f2の空気比が同じX3となるガス量比Z3:(100−Z3)を求める。補助混合気f2の空気比X3において、ガス量比を、従来の30:70からZ3:(100−Z3)に変更する場合、式(2)は、
混合気量QA2 =(Z3/30)A*(1+(Qair *X3)) = QA1
・・・(13)
となる。混合気中の燃料ガス量の割合が小さいと想定し無視すると、
A*(Qair *0.8)=(Z3/30)A*(Qair *X3) ・・・(14)
となる。同様に、空気比X3において、主混合気f1は、新たなガス量比20:80において空気比1.6なので、
B*(Qair *1.6)=((100−Z3)/80)B*(Qair *X3
・・・(15)
となる。式中のBは供給される燃料ガス量である。式(14)および式(15)から、Z3は、15.79である。したがって、ガス量比は、16:84〜24:76に設定されるのが好ましい。
<燃焼速度について>
メタンに代表される炭化水素の燃焼速度は空気比と密接に関係する。その燃焼速度は空気比1の付近で最大となり、その前後で遅くなる。これは、燃焼場形成位置が安定した炎孔面上から離れるので、不安定な火炎となる。燃焼速度は空気比が増加するほど遅くなるので、主火炎F1には安定した濃混合気の保炎が必要不可欠である。
そのほか、バーナ2の混合気量は、たとえば設定値に近い値を任意に設定してもよい。この場合、バーナ2では、たとえば設定流量に基づいて、任意に補助混合気流量QA2や主混合気流量QB2を所定の範囲内の比率に設定してもよい。
<燃焼装置>
図4は、燃焼装置の構成例を示している。この燃焼装置20は、本発明の燃焼装置の一例である。
この燃焼装置20は燃料ガスなどを燃料に用いる給湯装置や暖房給湯装置の熱源機として用いられる。燃焼装置20には、装置筐体22内に燃焼室24が形成されている。この燃焼室24は、装置筐体22の側壁部26によって包囲されている。燃焼室24には燃料ガスを燃焼させるバーナ28が設置されている。このバーナ28は、本発明のバーナの一例であり、複数のバーナユニット30を組み合せて構成されており、一例として一様な炎孔面が形成される。
側壁部26の上部には燃焼室24の周囲側に突出させた支持部32が形成されている。この支持部32の上面には図示しない熱交換器が設置され、バーナ28の燃焼排気が流される。燃料ガスの燃焼により得られる燃焼排気の熱が熱交換器で熱交換される。
装置筐体22の側壁部26には複数の第1の燃料供給口34−1および第2の燃料供給口34−2が形成されている。燃料供給口34−1は、バーナユニット30の主炎孔10側に燃料ガスを供給するための開口である。燃料供給口34−2は、バーナユニット30の補助炎孔6−1、6−2側に燃料ガスを供給するための開口である。
これら燃料供給口34−1、34−2の外側には共通の燃料供給部36が設置されている。この燃料供給部36には複数の第1の燃料噴射ノズル38−1および第2の燃料噴射ノズル38−2が備えられている。各燃料噴射ノズル38−1は燃料供給口34−1側に配置され、各燃料噴射ノズル38−2は燃料供給口34−2側に配置され、バーナユニット30の内部に燃料ガスが供給される。この例では、燃料供給口34−1がたとえば、長円形であり、燃料供給口34−2はたとえば、円形である。燃料噴射ノズル38−1および燃料供給口34−1は、主炎孔10への主混合気f1の供給に用いられ、燃料噴射ノズル38−2および燃料供給口34−2は、補助炎孔6−1、6−2への補助混合気f2の供給に用いられる。燃料供給口34−1の開口面積が燃料供給口34−2より大きく、この開口面積により燃料ガスの供給に対して空気の導入量を異ならせることにより、燃料供給口34−1側で生成される主混合気f1と燃料供給口34−2側で生成される補助混合気f2との空気比を異ならせている。
補助混合気f2と主混合気f1のガス量比の調整は、たとえば燃料噴射ノズル38−2の開口面積と燃料噴射ノズル38−1の開口面積の比率調整により行われる。このガス量比をたとえば20:80に設定するため、燃料噴射ノズル38−2の開口面積と燃料噴射ノズル38−1の開口面積の比率は、たとえば20:80に調整される。燃料供給口34−1、34−2の開口面積は、たとえば燃料噴射ノズル38−1、38−2の開口面積を基準に目標空気比になるように調整すればよい。この燃料供給口34−1、34−2の開口面積は、主混合気f1および補助混合気f2の空気比の相違や混合気の流れやすさの違いを考慮して孔径が設定され、または遮蔽板などの遮蔽部材で孔の一部を塞ぐことで調整されてもよく、燃料噴射ノズル38−1、38−2の開口面積の比率と異なっていてもよい。
また、装置筐体22には、燃料供給口34−1、34−2側の側壁部26を装置筐体22の内側に窪ませて燃料供給室39が形成されている。この燃料供給室39は、燃料ガスを貯め、燃料供給口34−1、34−2に対して燃料ガスを供給する手段の一例であり、燃料供給部36を構成している。
装置筐体22の底面側は底面板40によって塞がれている。この底面板40には給気口42が形成されている。この底面板40の下面側には給気ファン44が設置され、この給気ファン44が給気口42に連結されている。給気ファン44にはモータ46が備えられ、このモータ46の回転により給気ファン44から給気口42に燃焼用空気が供給される。この燃焼用空気は燃料ガスの噴射に応じてバーナユニット30内に導入され、燃料ガスの燃焼に用いられる。
<バーナユニット30について>
図5は、バーナユニットの一例を示している。このバーナユニット30は本発明のバーナの一例である。
バーナユニット30はステンレス板などの耐熱性金属板でプレス加工されたプレート部材によって形成される所謂プレスバーナである。各バーナユニット30には独立した混合部48−1、48−2(図6)が備えられている。混合部48−1では燃料噴射ノズル38−1から供給された燃料ガスと燃焼用空気とが混合され、主混合f1が生成される。混合部48−2では燃料噴射ノズル38−2から供給された燃料ガスと燃焼用空気とが混合され、補助混合気f2が生成される。また、バーナユニット30には下側から炎孔側に向かって本体部50、整流部52および炎孔部54が備えられ、これら各部はプレート部材で一体に形成されている。
本体部50には混合気導入口56−1、56−2が上下二段に配置、形成されている。混合気導入口56−1は偏平な六角形状や長孔などの開口であり、燃料供給口34−1に連結されて主混合気f1が導入される。混合気導入口56−2は円形の開口であり、燃料供給口34−2に連結されて補助混合気f2が導入される。
整流部52は本体部50に導入された主混合気f1、補助混合気f2を整流し、炎孔部54に導く。リボン8はバーナユニット30の整流部52にある混合気排出部4に設置されており、着脱可能である。
バーナユニット30は、たとえば図6に示すように、リボン8の左右側に共通の金属プレートで形成された内壁プレート60と外壁プレート62とを接合して形成される。内壁プレート60同士は、リボン8を挟んで対向して接合することで、接合部分に混合部48−1や生成された主混合気f1を排出する混合気排出部4が形成される。また、接合された外壁プレート62同士は、内壁プレート60との間に混合部48−2や補助炎孔6−1、6−2が形成される。
炎孔部54は、バーナユニット30の上面に形成され、リボン8によって形成された複数の主炎孔10を一定の間隔で備えるとともに、複数の第1および第2の補助炎孔6−1、6−2を規則的に一定の間隔で備える。この例では、混合気排出部4に少なくとも一個のリボン8により、12個の主炎孔10が一列に形成、配列されている。燃焼装置20は、複数のバーナユニット30が併設されることにより、主炎孔10が複数行複数列に配列され、一様な面部を成す炎孔部54が形成されている。リボン8は複数に分割されて混合気排出部4に設置されてもよい。
そして、このバーナユニット30では、混合気導入口56−1、56−2および炎孔部54を除き、プレート部材を密着させた縁部58が形成されている。この縁部58によってバーナユニット30が補強されている。
図7は、バーナユニットの一部を拡大して示している。
リボン8はステンレスなどの金属プレートによりたとえば、プレス加工によって形成され、この実施の形態では、6枚の金属プレートで構成されている。このリボン8には主炎孔10と絞り部12とが交互に形成されている。主炎孔10は、各金属プレートの屈曲角度を異ならせることにより、一例として6枚の金属プレートで主炎孔10の配列方向と直交する方向に5つの長炎孔部64が形成されている。各長炎孔部64の形状は、リボン8の長手方向に中心線を取れば、この中心線を挟んで左右対称形である。このような複数の長炎孔部64を形成したことにより主混合気f1が整流され、平行流となって主炎孔10から流出する。
各補助炎孔6−1の長手方向の幅は主炎孔10の各長炎孔部64の幅より小さく、各補助炎孔6−1の開口面積はひとつの長炎孔部64の開口面積より小さい。これにより、補助炎孔6−1から流出する補助混合気f2の流出速度を補助混合気f2の燃焼速度より速くすることができる。
補助炎孔6−1、6−2は共通の内壁プレート60と外壁プレート62とを接合して形成されている。内壁プレート60はたとえば、台形状に屈曲させて絞り部12側に突出させ、外壁プレート62も同様に補助炎孔6−2内に屈曲させて屈曲部66を突出させている。これにより、各補助炎孔6−2はほぼ台形状の開口形状であり、外壁プレート62の屈曲部66だけ開口面積を小さくしている。このように形成されて配置された補助炎孔6−2は、補助炎孔6−1の開口面積より大きく、補助混合気f2の流出量が補助炎孔6−1より多い。しかも、各補助炎孔6−2は、遮断部14に張り出して絞り部12に近づけられている。これにより、一対の補助炎孔6−2から流出する補助混合気f2による補助火炎F2(図2)の結合化が図られる。補助炎孔6−1、6−2の面積比は前者が大きくてもよく、後者が大きくてもよい。
図8は、図7のVIII−VIII線切断面を示している。このバーナユニット30の炎孔部54にはリボン8で形成された主炎孔10を挟んで一対の遮断部14が形成され、各遮断部14の外側に補助炎孔6−1が形成されている。補助炎孔6−1の内壁プレート60の開口縁部は主炎孔10と同一面に設置されている。これに対し、外壁プレート62はたとえば内壁プレート60より高さh1だけ高く設定されている。これにより炎孔部54は高い外壁プレート62の開口縁部によって包囲されている。
遮断部14は、内壁プレート60の中途部からリボン8側に突出させた突出部68をリボン8に当接させることにより形成されている。
各補助炎孔6−1には補助混合気f2が補助混合気供給路70を通して本体部50側から導かれる。
図9は、図7のIX −IX 線断面を示している。バーナユニット30にはリボン8の絞り部12を挟んで一対の遮断部14が形成され、各遮断部14の外側に一対の補助炎孔6−2が形成されている。
リボン8の中途部には金属プレートを外側に屈曲させた突出部69が形成されている。各突出部69は内壁プレート60に当接されている。この内壁プレート60の中途部はリボン8の絞り部12側に張り出している。これにより、各補助炎孔6−2の対向間隔が狭められている。また、外壁プレート62の屈曲部72によって補助炎孔6−2の開口面積が狭められている。各補助炎孔6−2においても、高さh1だけ高い外壁プレート62によって包囲されている。
<主混合気f1および補助混合気f2の燃焼>
各主混合気f1および補助混合気f2が着火により燃焼状態に入ると、各燃焼場が形成される。各主混合気f1では、主混合気f1の流速と燃焼により、主炎孔10ごとに独立した主火炎F1が生成される。主混合気f1は補助混合気f2に比較して流出量が多く、その流出速度が速い。主炎孔10から流出する各主混合気f1は複数の補助炎孔6−1、6−2から流出する各補助混合気f2によって包囲される。主火炎F1の形状は、たとえば水平断面が長円状のものや円形等がある。
図10は、図8に示すバーナユニット部分における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。主火炎F1を挟んで一対の補助火炎F2が生成される。この場合、補助混合気f2は主火炎F1との間の遮断部14では圧力が主混合気f1よりも高い。これにより、補助混合気f2が遮断部14にまわり込むことになる。補助火炎F2は、主火炎F1よりも混合気の流速が遅く、かつ炎孔面積が小さいため、炎が小さくなっている。これにより、火炎の長さが長く、さらに炎孔部54から離れた位置で燃焼する主火炎F1に対し、補助火炎F2は、炎孔部54の近傍で燃焼する。すなわち、補助火炎F2は、主火炎F1の根元付近で、主火炎F1を包囲するように燃焼する。このような燃焼状態を形成することで、共に混合気の空気比が1より大きい、所謂エアリッチ状態の火炎であっても、パイロット保炎状態となり、補助火炎F2が主火炎F1を保炎し、炎の吹き飛びを阻止する。
図11は、図9に示すバーナユニット部分における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。この補助火炎F2は、各主火炎F1の間隔部に形成される。この補助火炎F2では、各補助炎孔6−2の部位で炎長が伸びて高くなる。各補助火炎F2は隣接した遮断部14の圧力が補助混合気f2よりも低く、既述の通り、補助混合気f2で生成される補助火炎F2が遮断部14にまわり込み、さらに、閉塞した絞り部12にまわり込む。各補助炎孔6−2で形成される補助火炎F2は外壁プレート62によって包囲されて連結が促進される。これにより、主火炎F1の周囲部は間断なく補助火炎F2で周回状態に囲い込まれ保炎される。
図12は、図7のXII −XII 部での主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。ひとつの主火炎F1に対し、複数の補助炎孔6−1、6−2によって補助火炎F2が形成されている。各補助火炎F2は補助炎孔6−1、6−2間の遮断部14の圧力が補助混合気f2よりも低く、遮断部14側にまわり込む。まわり込んだ補助火炎F2は、絞り部12の近傍及び長炎孔部64近傍で燃焼する。補助火炎F2は、補助炎孔6−1、6−2の部位で炎長が伸びることから、凹凸状に波打った炎形状が生成される。
そして、図13は、図7のXIII−XIII線断面における主火炎F1および補助火炎F2の状態の一例を示している。各主火炎F1は主炎孔10ごとに独立して形成されるのに対し、各主火炎F1の間隔部に補助火炎F2が存在するので、各主火炎F1が隣接する補助火炎F2によって全周保炎される。
<一実施の形態の効果および特徴事項>
(1) 燃焼機能
補助炎孔6−1、6−2は、補助火炎F2を生成し、主火炎F1を保炎する。補助火炎F2は、安定火炎であり、CO、NOx量が所定の規格で許される範囲で使用する。主炎孔10が主熱源となる主火炎F1を生成する。主火炎F1は不安定な火炎であり、補助炎孔6−1、6−2の補助燃焼の保炎が不可欠である。
(2) 使用空気比
補助炎孔6−1、6−2側に流す補助混合気f2の使用空気比は、1より大きな値とし空気過剰な状態に設定する。また、主炎孔10側に流す主混合気f1の使用空気比は、1.6程度に設定し、空気過剰に設定する。そして主混合気f1と補助混合気f2とは空気比を異ならせるとともに、主混合気f1の空気比>補助混合気f2の空気比の関係に設定している。
(3) 炎の安定度
補助炎孔6−1、6−2の燃焼は空気比が1より大きいが、混合気流速を調整することで安定した炎となっている。主炎孔10の燃焼火炎は、空気過剰で噴出速度が燃焼速度よりも速く、火炎温度が低いのでリフトを生じやすい。
(4) 火炎形態
補助炎孔6−1、6−2の補助燃焼は、噴出速度が燃焼速度に近く、補助火炎F2の火炎長が短く、小さい。主炎孔10の主燃焼は、噴出速度が速く、高空気比(燃焼速度は遅くなる)で燃焼させる。このため、主燃焼では火炎長が長く、大きい火炎になる。
(5) COの発生
主炎孔10の主燃焼でCO発生を低減することができるとともに、補助炎孔6−1、6−2に流す補助混合気f2を空気過剰にすることで、COの発生が抑えられる。
(6) NOxの発生
主混合気f1および補助混合気f2を共に空気過剰な状態にすることで、NOxの発生を低減できる。
(7) リフト・バック
補助炎孔6−1、6−2に流す補助混合気f2は、ガス量を減らした分に対し、補助炎孔6−1、6−2の炎孔面積を従来のバーナの補助炎孔の炎孔面積と同等かそれよりも大きくするとともに空気を多く流すことで、火炎がバックしにくくなっている。また、補助火炎F2が主火炎F1を全周保炎することにより、保炎機能が強化され、主火炎F1のリフトが発生しにくい。また、濃火炎側に位置する淡火炎が濃火炎から保炎される従来のバーナの濃淡水平配置では、淡火炎が炎孔上近傍から離れることなく、安定した火炎が形成される。しかし、濃火炎側から離れた淡火炎では淡火炎同士のみの保炎となり、淡火炎長が長くなるので、リフトや過剰COが発生しやすい。空気比が高くなる場合や濃淡比が極端に低い場合では、その傾向が顕著となる。このため、このような燃焼では使用可能な燃焼領域(空気比、燃焼負荷)が制限されてしまう。これに対し本発明のバーナユニット30では疑似的な全周保炎であるので、斯かる不都合はない。
(8) 以上から、この実施の形態のバーナユニット30によれば、次のような効果が得られる。
a 主火炎に対する補助火炎の保炎機能が高められ、主火炎の燃焼の安定化を図ることができるとともに、主火炎および補助火炎の燃焼によりCOやNOxの低減を図ることができる。
b COやNOxの低減および燃焼の安定化により、使用可能な空気比の幅が広がり、空気比の低減ができるので、給気ファン44の給気能力を抑えることができる。
c 燃焼の制御性が高められるとともに、バーナのコンパクト化や高出力化が図られる。
<濃淡比バランス(空気比を考慮)>
各補助炎孔6−1、6−2には、炎孔形状、炎孔面積、ガス量比などの制御項目が含まれる。ガス量比の決定には、補助火炎F2および主火炎F1の空気比を考慮する必要がある。たとえば、補助炎孔6−1、6−2側に流す補助混合気f2の空気比を1より大きくすれば、補助火炎F2は主火炎F1に近い燃焼となる。この補助火炎F2は、CO、NOx(空気比1.2以上でNOxは低減可能)の排出を低下させる反面、補助火炎F2を形成する補助混合気f2の噴出速度の増加や火炎温度の低下を生じ、リフト傾向が強くなる可能性がある。本発明のバーナユニット30は、斯かる観点を考慮し、ガス流量比バランスを取るとともに、補助炎孔に流す混合気の流量を少なくすることで、COとNOxの排出を同時に抑えた補助火炎F2の生成を実現している。
各補助炎孔6−1、6−2では、主火炎F1に対して補助火炎F2で全周保炎を行うので、補助火炎F2の空気比を主火炎F1寄りに設定している。補助火炎F2の空気比を増大し、補助火炎F2がリフト方向に推移しても、保炎機能が高くなる。この結果、主に補助火炎F2で発生していたCOおよびNOxを低減できる。補助火炎F2の空気比を理論空気量のλ=1付近に設定すれば、サーマルNOxが顕著となるので、サーマルNOxの生成速度が低下する。この場合、火炎温度をたとえば、1,800〔℃〕未満とし、空気比は1.2以上に設定すればよい。
<濃淡比バランス>
混合気のガス量比は、バーナユニット30の性能や目的に応じて決定される。たとえば、騒音値の抑制や、振動燃焼の防止を高める場合には、ガス量比を高める(補助燃焼側の負荷の増加)設定を行い、安定火炎である補助火炎F2の割合を増大させる。また、排気ガス中のCOやNOxなどの有害排気成分を下げたい場合には、補助混合気f2の空気比を下げる設定が必要である。主混合気f1の燃焼である淡燃焼は、補助混合気f2の燃焼である補助燃焼と比較して、過剰空気比で燃焼を行うので、これらの有害成分の発生が抑えられる。
<実験結果>
(1) 空気比、空燃比と燃焼排ガスとの関係について
図14は、バーナに流す混合気の空気比に対し、燃焼により生じるCO濃度(図14のA)またはNOx濃度(図14のB)を計測した結果を示している。Aは、本発明に係る燃焼装置20の実験結果であり、Bは比較例として従来のバーナによる測定結果である。なお、測定値Aはガス量の濃淡比が20:80であり、測定値Bはガス量の濃淡比が30:70の場合であり、インプット58.1〔kW〕である。
図14のAに示すように、バーナ2での混合ガスの燃焼に対し、測定値Aおよび測定値Bはいずれの場合も、空気比がたとえば1.30から1.55までの間で燃焼排気に含まれるCOの濃度が減少していき、空気比が1.55以上になるとCO濃度が上昇している。
同じ空気比に設定した場合、測定値Aの方が測定値BよりもCO濃度が低い値となった。
また、図14のBに示すように、バーナ2での混合ガスの燃焼に対し、測定値Aは、空気比1.30付近と1.40との間で、NOxの発生量が急激に減少し、空気比1.4以上ではNOxの発生量は、徐々に減少していく。そして、測定値Aでは、NOx値が10〔ppm〕付近に漸近していく。
また、測定値Bでは、たとえば空気比1.35から1.45付近までNOxの発生量が急激に減少し、空気比が1.5以上になるとNOxの発生量が徐々に減少している。
この測定においても、同じ空気比に設定した場合、測定値Aの方が測定値BよりもNOx濃度が低い値となった。
斯かる実験結果から、補助炎孔側のガス濃度と主炎孔側のガス濃度の比率である、濃淡比を20:80に設定した場合、濃淡比を30:70に設定した場合よりも燃焼により発生するCO濃度およびNOx濃度の低減が図れる。
次に、図15、図16は、バーナユニット30を備える燃焼装置20を給湯器に搭載し、実際に燃焼排ガス(NOxおよびCO)を測定した結果を示している。図15に示すように、空燃比とNOxの関係において、基準値のラインは国際的にも大変厳しい排出基準であるアメリカのカリフォルニア州のNOx規制値である。従来のバーナ(B)では、高空燃比にすれば、基準に達することができるが、バーナユニット30(A)を用いれば、広い空燃比幅で基準値を下回るNOx排出量が実現される。図15は、空燃比とNOxの関係を示しているが、空気比とNOxの関係は、空燃比とNOxの関係と同一または類似の傾向を有する。つまり、従来のバーナでは、高空気比にすれば、基準に達することができるが、バーナユニット30を用いれば、広い空気比幅で基準値を下回るNOx排出量が実現される。
図16に示すように、空燃比とCO〔%〕の関係において、基準値のラインは国際的にも大変厳しい排出基準であるANSI Z21.10.3(北米給湯器基準)の規制値を表している。NOxの結果と同様に、バーナユニット12(A)では、広い空燃比幅で、基準値以下のCO排出量となることがわかる。図16は、空燃比とCO〔%〕の関係を示しているが、空気比とCO〔%〕の関係は、空燃比とCO〔%〕の関係と同一または類似の傾向を有する。つまり、バーナユニット12では、広い空気比幅で、基準値以下のCO排出量となることがわかる。従来のバーナでは基準値以下にはならない。
従来のバーナでは、最良の空燃比としてCの近傍値が使用されているが、既述のバーナユニット30では、第1の手段として空燃比および空気比を下げればよい。また、主混合気f1の流出速度が上昇するとCOの発生率も上昇するが、図16のグラフから明らかなように、主混合気f1の流出速度が上昇しても(空燃比および空気比が増えると燃焼速度が増す)、CO〔%〕はある程度の低い値を維持するので、第2の手段として主混合気f1の流出速度を上昇させればよい。従って、これら第1および第2の手段の組合せ、または、いずれか一方の実施により、炎孔部54の単位面積あたりの熱量を維持ないし上昇させながら、COおよびNOxなどの排出を低減することができる。
(2) 本発明のバーナユニット30の空気比の状態および混合気流速に対する燃焼状態について
バーナユニット30は、図17に示すように、各主炎孔10および各補助炎孔6−1、6−2において、設定された空気比となるように混合気を流出することができる。このうち、補助炎孔6−1、6−2については、バーナユニット30の主炎孔を中心とし、左右側の補助火炎をそれぞれ1組みとして空気比を測定している。斯かる計測によれば、バーナ2では、多少の誤差はあるが、主火炎の空気比が平均1.66となり、補助火炎の平均が左右共に1.22となった。
斯かるバーナユニット30を備える燃焼装置20について、たとえば図18に示すように、所定の燃焼負荷(Input)毎の混合気流速を測定している。斯かる測定によれば、本発明のバーナユニット30および従来のバーナは、燃焼負荷に対する補助火炎の混合気流速の範囲が重なっている。これにより、ガス量比を低下させた本発明のバーナユニット30は、従来の濃淡の混合気で燃焼させたバーナと同等な燃焼状態を発揮している。そして、バーナユニット30では、斯かる燃焼負荷に対する混合気流速を維持することで、補助炎孔6−1、6−2において火炎のバックが発生することはない。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記一実施の形態では、バーナ2に流す補助混合気の空気比や混合気量について、予め設定された値や、従来のバーナの混合気量を利用して算出する場合を示したが、これに限られない。補助混合気の空気比や混合気量は、たとえば補助混合気流速VA1、VA2の算出により設定してもよい。つまり、バーナ2では、たとえば混合気流速VA2が従来のバーナの補助炎孔から排出される混合気流速VA1と同じになるように、混合気量QA2を設定してもよい。
(2) その他バーナ2では、ガス量比の値が設定された上で、補助混合気f2の空気比X1-1や補助混合気量QA3について、所定の条件範囲内で任意に設定可能にされてもよい。
(3) 上記一実施の形態では、補助炎孔6−1が単一の開口部で形成される場合を示したがこれに限られず、補助炎孔6−1が主炎孔10に並んで複数個で形成してもよい。
(4) 補助炎孔6−2は、たとえばリボン8の絞り部12側に張出先端部を当接する配置としてもよい。これにより絞り部12を挟む補助火炎F2を密着させ、主火炎F1に対する保炎機能を高めることができる。
(5) 上記一実施の形態では、主炎孔10の孔形状を偏平な六角形状としているが、長円形または円形としてもよい。
(6) 上記一実施の形態では、補助炎孔6−1の孔形状を偏平な長方形としているが、長円形または円形としてもよい。
(7) 上記一実施の形態では、補助炎孔6−2の孔形状を台形状としているが、長円形または円形としてもよい。
(8) 上記一実施の形態の補助炎孔6−2の間にある遮断部14に第3の補助炎孔を形成し、主火炎を保炎する形態としてもよい。
(9) 上記実施の形態では、混合気の空気比を一定の値に設定して燃焼させる場合を示したがこれに限られない。燃焼装置20では、たとえばバーナユニット30の燃焼量に応じて空気比を調整してもよい。燃焼装置20は、たとえば給気ファン44のモータ46の回転数制御や燃料ガスの供給量を制御することで、混合気の空気比を調整すればよい。このとき、主混合気f1と補助混合気f2は、空気比がともに1より大きくなればよい。
混合気の空気比は、たとえば図19において実線で示されている燃焼負荷に対応するガス比例弁の電流値と、破線で示されている比例弁電流値に対応する給気ファン44のモータ46の回転数に基づき調整すればよい。たとえば、燃焼負荷が40〔kW〕であるとき、ガス比例弁の電流値は燃焼負荷が40〔kW〕に対応する88〔mA〕に設定し、モータ66の回転数は、比例弁電流値88〔mA〕に対応する4000〔r/min〕に設定する。図19に示す燃焼負荷、比例弁電流値およびモータの回転数の関係は、燃焼負荷に対応するガス比例弁の電流値および所定空気比になる給気ファン44のモータ46の回転数を収集して事前に作成すればよい。この燃焼負荷、比例弁電流値およびモータの回転数の関係に基づきたとえば、燃焼負荷、比例弁電流値およびモータの回転数の関係を表す関係テーブルが作成される。
図20は、燃焼装置20の空気比調整に係るハードウェアの一例を示している。燃焼装置20に含まれるメモリ部74は、既述の関係テーブルを格納する。このメモリ部74は、データを記憶する記憶部の一例であって、たとえばフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの記憶装置で構成する。燃焼装置20に含まれる制御部76は、メモリ部74に含まれるテーブルを読み出し、燃焼装置20に含まれるガス比例弁78の開度を調整して燃料ガスの供給量を調整し、給気ファン44のモータ46の回転数を調整して空気の供給量を調整する。すなわち、制御部76は、関係テーブルに基づき混合気の空気比を調整および維持する。メモリ部74、制御部76、給気ファン44のモータ46およびガス比例弁78は、接続線80により接続される。
関係テーブルは、たとえばバーナの全面燃焼または半面燃焼などの燃焼面積の切替えによる燃焼段数に関わらず設定されてもよく、燃焼段数毎に設定されてもよい。
空気比が1以上の場合、燃焼速度は空気比が大きくなると遅くなり、空気比が1に近づくにつれて速くなるため、空気比の変化と燃焼速度の変化とが関連している。そこで、燃焼量の多寡に応じて空気比を調整することで、燃料ガスの無駄を防止するほか、COやNOxの発生が起きにくくなる。また、燃焼装置20では、燃焼が安定し易い空気比に調整すればよい。
そこで、燃焼装置20では、たとえば図21のAに示すように、ガス量比を20:80に維持した上で、補助炎孔と主炎孔の空気比(Air Ratio)を変化させてもよい。燃焼装置20は、たとえば制御部76の制御指示により給気ファン44のモータ46の回転数の制御やガス供給量の調整により、補助炎孔側の空気比を1.0〜1.3に変動させてもよい。このとき、補助炎孔側の空気比に応じて、主炎孔側の空気比を1.4〜1.7に設定してもよい。補助炎孔側の空気比と主炎孔側の空気比は互いに連動した値が設定されればよい。空気比の調整は、たとえばバーナの燃焼量の増減に応じて行ってもよい。
さらに、燃焼装置20では、たとえば図21のBに示すように、補助炎孔と主炎孔に対する空気比の割合を同じ値に設定してもよい。空気比を同じ値に設定しても、それぞれの炎孔に流れる混合気の流量や流速の違いにより、補助火炎F2が主火炎F1よりも低い位置で燃焼することで、保炎機能を発揮できる。
(10) 上記実施の形態では、主混合気f1の空気比が補助混合気f2の空気比よりも大きい、すなわち、エアリッチな状態である場合を示したが、これに限らない。補助混合気f2の空気比が主混合気f1の空気比よりも大きな値となってもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明のバーナ、燃焼装置または燃焼方法によれば、バーナによる保炎機能を高めることができ、安定性の高い燃焼が得られるとともに、空気過剰な混合気同士を燃焼させることができるので、窒素酸化物の排出量が削減されるなど有益である。
2、28 バーナ
4 混合気排出部
6−1、6−2 補助炎孔
8 リボン
10 主炎孔
12 絞り部
14 遮断部
20 燃焼装置
30 バーナユニット
34−1、34−2 燃料供給口
36 燃料供給部
38−1、38−2 燃料噴射ノズル
42 給気口
44 給気ファン
48−1、48−2 混合部
52 整流部
54 炎孔部
56−1、56−2 混合気導入口
60 内壁プレート
62 外壁プレート
64 長炎孔部
66、72 屈曲部
68、69 突出部
70 補助混合気供給路
74 メモリ部
76 制御部
78 ガス比例弁
80 接続線

Claims (8)

  1. 第1の混合気により火炎を生成する複数の炎孔と、
    前記炎孔を挟んで設置され、前記第1の混合気と異なる空気比の第2の混合気により補助火炎を生成する第1の補助炎孔と、隣接する前記炎孔の間隔部に設置され、前記第2の混合気により前記第1の補助炎孔とともに補助火炎を生成する第2の補助炎孔とを含む補助炎孔と、
    を備え、前記炎孔の開口面積が前記補助炎孔の開口面積の2.5倍以上かつ3.0倍未満であり、前記第1の混合気および前記第2の混合気は空気比が1より大きいことを特徴とするバーナ。
  2. 複数の前記補助炎孔で生成される前記補助火炎が連結されて前記火炎を囲い込むとともに、前記補助火炎が前記火炎より低い位置で燃焼して前記火炎を保炎することを特徴とする、請求項1に記載のバーナ。
  3. 前記第1の混合気の流速は、前記第2の混合気の流速よりも速いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のバーナ。
  4. 前記補助炎孔と前記炎孔に供給されるガス量の比率が20:80の割合またはこの近傍の割合に設定されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のバーナ。
  5. 前記補助炎孔には、設定された混合気量に対し、供給されるガス量または前記ガス量の比率に基づいて算出された空気量が供給されることを特徴とする、請求項4に記載のバーナ。
  6. 前記第1の混合気を取り込んで前記炎孔側に流す第1の混合気流路と、
    前記第2の混合気を取り込んで前記補助炎孔側に流す第2の混合気流路と、
    を備え、前記第1の混合気流路と前記第2の混合気流路は、設定されるガス量の比率に応じて断面積が設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のバーナ。
  7. 第1の混合気により火炎を生成する複数の炎孔と、前記炎孔を挟んで配置され、前記第1の混合気と空気比の異なる第2の混合気により補助火炎を生成する第1の補助炎孔、および隣接する前記炎孔の間隔部に設置され、前記第2の混合気により前記第1の補助炎孔とともに補助火炎を生成する第2の補助炎孔を含む補助炎孔とを有する複数のバーナユニットを備え、前記炎孔の開口面積が前記補助炎孔の開口面積の2.5倍以上かつ3.0倍未満であり、前記第1の混合気および前記第2の混合気は空気比が1より大きいことを特徴とする燃焼装置。
  8. 複数の炎孔に空気比が1より大きい第1の混合気により火炎を生成し、
    前記炎孔を挟んで配置された第1の補助炎孔と、隣接する前記炎孔の間隔部に設置された第2の補助炎孔とを含み、その開口面積が前記炎孔の開口面積の1/3より大きく2/5以下である補助炎孔に、空気比が1より大きくかつ前記第1の混合気と異なる空気比の第2の混合気により補助火炎を生成する、
    ことを特徴とする燃焼方法。
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