JP6941118B2 - ペレットの調製のためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、小麦グルテンを含有するペレットの調製のためのプロセスに関する。
このようなプロセスは、欧州特許出願公開第A−1785039号明細書などから既知である。既知のプロセスは、活性小麦グルテンを含むタンパク質を、好適な装置に送り込む工程と、ペレットを得るために、加熱タンパク質をダイに注ぎ入れる工程と、ペレットを採取する工程とを含む。既知のプロセスにおけるタンパク質は、少なくとも15重量%が200μm以上の粒径を有するように、ある特定の粒径を有することが好ましい。
ペレット耐久指数(PDI)で表されるペレットの物理的安定性が、必ずしも最適とは限らないことが、既知のプロセスにおける欠点である。
本発明の目的は、前記欠点を低減することである。
前記目的は、プロセスが下記工程:
・少なくとも50重量%の小麦グルテンを含有する原材料を、最大で175μmのD90を有する粒度分布に持っていき、供給材料を形成する予備工程と、
・供給材料が好適な手段を用いてペレットに形成されるペレット化工程と、を含むことで達成される。
本発明に従って製造されたペレットは、PDIで表されるように、増加した物理的安定性を有し得ることが本発明の利点である。
国際公開第A−2010/004196号パンフレットは、小麦グルテンを含むタンパク質ペレットに関し、前記グルテンが、40〜160%の、好ましくは100〜150%の試験Aに従って決定される保水容量と、3〜10の、好ましくは3〜8のP/Lパラメータ値において決定されるショパン・アルベオグラフ(Chopin Alveograph)に従う粘弾性挙動とを有することを特徴とする。好ましくは、原材料(グルテン粉末)は、20%が、好ましくは少なくとも50%が、250μm以上のサイズを有することを特徴とする。
国際公開第A−2015/063261号パンフレットは、活性グルテンを含む圧縮タンパク質のペレットを調製するためのプロセス、このようなプロセスによって得ることができるペレット、及びこのようなプロセスで使用される装置に関する。原材料(グルテン粉末)は、液体化合物を含む湿潤剤と混合される。原材料(グルテン粉末)は、好ましくは、D90が最大で500、350、又は250μmであることを特徴とする。
米国特許第A−3925343号明細書は、粉末状活性小麦グルテンが、水中で分散することが難しく、分散液が、一旦得られると、個々の粒子が処理しにくいゴツゴツした塊と容易に合着するために不安定であることを開示している。粉末状グルテンを、グルテンを変性させない条件下でその凝集体の形態の新規な構造に変換することによって、グルテンは容易に湿潤されるようになり、水中に分散して、比較的安定な分散液を形成することができる。したがって、凝集グルテンは、酵母発酵のベーカリー製品、特に連続的生地製造プロセスによるものの製造に理想的に適している。
本発明のプロセスは、小麦グルテンを含有するペレットの調製に関する。このようなペレットは、近年、重要な商業的な関心を集めており、なぜなら、これらが、とりわけ、水産飼料(aquafeed)ペレットの製造業者により原材料として使用されているためである。ペレットは、多くの場合、数mmの、好ましくは3mm〜8mmの、又は4〜7mmの直径、及び通常、約5mmから最大で約40mm、好ましくは最大で30又は25mmの長さを有する円筒形である。小麦グルテンは、例えば、小麦を原材料として使用するバイオエタノールプラントにおいて副産物として製造され得るものとして周知の材料である。小麦グルテンは、通常、大量のタンパク質、好ましくは70重量%以上(乾物量で)のタンパク質を含有し、残部は、本質的に、小麦に由来する及び/又は小麦加工工程に由来する他の分画からなる。他の分画は、一般的に知られているように、非デンプン性多糖類などの炭水化物、脂質、及び更に別の化合物からなることができる。本明細書で意図する場合、小麦グルテンという用語は、これが、タンパク質から、好ましくは少なくとも70重量%のタンパク質からなるだけでなく、前記他の分画も含有するその慣例的な意味で使用される。
本発明の予備工程において、原材料が提供される。原材料は、粒子の形態であるべきであり、かつ少なくとも50重量%の小麦グルテンを含有するべきであり、好ましくは、原材料は、少なくとも70、75、80、85、90、又は更には少なくとも95重量%の小麦グルテンを含有する。最も好ましくは、原材料は、小麦グルテンから本質的になるか、又は更には小麦グルテンからなる。
本明細書で使用される場合、「本質的に」、「本質的になる(なっている)」、「本質的に全て」及び同等の用語は、特に断りのない限り、組成物又はプロセス工程に関して、組成物又はプロセス工程において逸脱が生じる場合があるが、組成物又はプロセス工程の本質的な特性及び効果が、このような逸脱によって重大な影響が及ぼされない程度まで生じるに過ぎないという通常の意味を有する。
好ましくは、本発明のプロセスにおいて使用されるグルテンは、活性体である。本発明の文脈において、グルテンは、既知の方法AACC 56−30によって決定される水結合能が少なくとも130%である場合に活性であると言われている。好ましい実施形態では、本発明のプロセスにおいて使用されるグルテンは、高度に活性であり、すなわち、その水結合能は、少なくとも140%である。
本発明の予備工程によれば、原材料を、それが最大で175μmのD90を有するように、特定の粒度分布に持っていき、供給材料を形成すべきである。
既知であるように、粒子の集合体が「βのDα」を有するという表現は、集合体中の全ての粒子のうちのα重量%が、最大でβのサイズを有することを意味する。
本明細書で提供又は特定される粒度情報は、周知の方法である篩分けを介して決定されるか、又は決定されねばならない。本発明による粒度情報を決定するために使用されるべき特定の方法は、DIN 66165、パート2、第7章に開示されるような方法である。
小麦グルテンは、その生産プロセスから粉末の形態で放出されることが多く、そうでない場合には、これを微粒子形態に持っていかねばならない。本発明のペレット化工程のための供給材料として好適であるために、原材料は、全体として、最大で175μmのD90を有する粒度分布を有さねばならない。材料が、175μmを超えるサイズの10重量%を超える粒子を有することによってこの条件を満たさない場合、これを適切な粒度分布まで持っていかねばならず、このことは、例えば、粉砕又は微粒化などとして既知である手段を介して達成することができる。粉砕、微粒化及びそれらの等価物もまた、以下に概略が説明されるように、粒度分布に関する更なる好ましい実施形態を達成するための好ましい方法である。
現在まで、大部分の原材料中に存在するものに対して、粒子の少なくとも15重量%以上が、200μmよりも大幅に大きいサイズを有するという、当該技術分野において明確な好みがあった。このことは、特により小さい粒子に関する場合、粉末を取り扱うことが難しいと評価されている、小麦グルテン粉末の既知の評価と一致している。しかしながら、驚くべきことに、本発明による本明細書で定義される原材料が、ペレット化プロセスによく適していることが判明し、更には、このように製造されたペレットが改善された特性を有することが判明した。
好ましくは、供給材料の少なくとも90重量%が最大で160、150、又は更には最大で140μmのサイズであるような粒度分布にまで、原材料を持っていく。
供給材料は、好ましくは、少なくとも30又は40μmかつ最大で80μmのD50を有し、より好ましくは、供給材料のうちの少なくとも55又は60重量%が、最大で80μmのサイズである。供給材料は、好ましくは、少なくとも40又は50μmかつ最大で100μmのD75を有する。
本発明の主な好ましい実施形態では、供給材料は、少なくとも40μmかつ最大で80μmのD50、少なくとも50μmかつ最大で100μmのD75、及び少なくとも60μmかつ最大で175μmのD90を有する。
本発明の別の好ましい実施形態では、供給材料は、少なくとも45μmかつ最大で80μmのD55、少なくとも60μmかつ最大で100μmのD75、及び少なくとも70μmかつ最大で160μmのD90を有する。
本発明の更に別の好ましい実施形態では、供給材料は、最大で80μmのD55、最大で100μmのD75、及び少なくとも80μmかつ最大で150μm又は140μmのD90を有する。
実用的な理由から、供給材料のD90は、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも60又は70μmであることが好ましい。更に好ましい実施形態では、供給材料のD90は、少なくとも80、90、100、110、120、又は更には少なくとも130μmである。これらの好ましい実施形態では、D90は、好ましくは、最大で175、170、165、160、155、150、145、又は140μmである。
本発明によれば、予備工程の後にペレット化工程が続き、ここでは供給材料が好適な手段を用いてペレットに形成される。しかしながら、供給材料がペレット化工程に入り、ペレットに形成される前に、水分含量及び/又は供給材料の温度を調整することが有利である。
好ましくは、供給材料は、ペレットに形成される前に加湿される。加湿は、好ましくは、液体、蒸気、又はこれらの混合物によって、かつ好ましくは、水性加湿剤を使用することによって行われる。好適な加湿剤の例は、水、水蒸気、蒸留残渣、糖液及びこれらの混合物である。水性加湿剤を使用する場合、供給材料の水分含量を、少なくとも5又は6重量%に、より好ましくは少なくとも7、8、9又は10重量%に持っていくことが好ましく、好ましくは、供給材料の水分含量を、最大で20又は15重量%に、より好ましくは最大で14、13、又は12重量%に持っていく。加湿は、例えば、好ましくは混合作用を達成するためにスクリュー及び/又はパドルを用いるミキサーなどの、既知である手段によって行うことができる。
好ましくは、供給材料がペレット化工程に入り、ペレットに形成される前に、供給材料は、ある特定の温度を有するか、又はその温度に持っていく。好ましくは、温度は、少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも35、40、45、又は更には50℃であるか、又は温度をこれらの温度にまで持っていき、好ましくは、温度は、最高で100又は90、より好ましくは最高で85又は80℃であるか、又は温度をこれらの温度にまで持っていく。供給材料の温度が上昇することが望ましい場合には、温度調整は、少なくとも部分的には、水蒸気の供給材料への添加によって有利に行うことができる。
本発明のペレット化工程に関して、ペレット成形機などの小麦グルテンを含有するペレットの既知の調製方法に好適である手段が、恐らくはいくつかの慣例的な実験作業の後に、通常、本発明によるペレットの形成にも好適であることが判明した。当該技術分野においては、小麦グルテンのより微細な粒子の取り扱い及び加工がより煩わしく、更に実行不可能なことが多いと思われていたのだが、驚くべきことに、ペレットミルとも称される少なくとも一般的な工業規模のペレット成形機においては、パラメータの大幅な調整が必要とされ得ないことが判明した。
ペレット成形機の他にも、押出成形機は、本発明のペレット化工程を実行するのに好適な手段の更なる例である。
知られているように、圧力が、ペレット形状を達成するための1つの寄与因子として供給材料上に加えられることが、ペレット化のための手段の共通する特徴である。その結果として、本発明のプロセスにおけるペレット化工程は、嵩密度の増加を引き起こす。このペレット化工程中の嵩密度の増加は、通常、嵩密度の減少をもたらす米国特許第A−3925343号明細書に開示されたものなどの凝集工程の嵩密度に及ぼす効果とは対照的なものである。本発明のペレット化工程は、米国特許第A−3925343号明細書又はその等価物において開示された凝集工程によっては実行されない。したがって、本発明のペレット化工程は、流動床又は米国特許第A−3925343号明細書に開示された他の凝集方法のうちのいずれか1つによっては実行されない。
本発明の好ましい実施形態では、ペレット化工程は、少なくとも50kg/m、より好ましくは、少なくとも100kg/mの供給材料からのペレットに対する嵩密度の増加を引き起こす。小麦グルテンの最適な特性を確保するために、供給材料からのペレットに対する嵩密度の増加が、最大で350kg/m、好ましくは最大で300又は250kg/mであることが好都合であることを見出した。得られたペレットは、好ましくは、450〜700kg/mにある、より好ましくは475〜675kg/mにある、最も好ましくは500〜650kg/mにある嵩密度を有する。
本発明は、以下の実施例によって例示されるであろうが、これらに限定されるものではない。
実施例1
活性小麦グルテンからなるペレットを、6mmの幅及び60mmの深さのダイス孔を有する、650mmの内径を備えた工業規模のBuheler Pellet Mill DPHDにおいて製造した。
実施例1では、本発明による粒度分布を有する供給材料(以下の表1を参照)を達成するために、活性小麦グルテンを最初に粉砕した。ペレット化工程にかけられる直前に、5重量%の水蒸気と混合することによって、供給材料を加湿し、その後に、供給材料は、61℃の平均温度及び11重量%の水分含量を有した。ペレット化を、1時間当たり6.1トンの処理量で行った。製造されたペレットは、8.7重量%の水分含量を有した。
ペレットのペレット耐久指数(PDI)を、Holmen NHP 100ペレット試験機によって決定した。試験時間の長さは60秒であって、圧力を60mbarに設定した。試験の前後のペレットの重量を測定し、かつ残った重量の百分率を計算することによって、PDIを通常の方法で決定した:
PDI=100×(試験後のペレットの質量)/(試験前のペレットの質量)
平均PDIを96.4%と決定した。
比較実験A
実施例1で使用した同じバッチからの活性小麦グルテンを、その非粉砕形態で、比較実験Aに使用した。ペレットを、実施例1で使用したものと同じ設備で、同じ処理量で、かつ同一量の水蒸気を用いて製造した。
製造されたペレットの平均PDIを94.9%であると決定し、すなわち、これは、実施例1のペレットの平均PDIよりも1.5%低かった。
表1に提示された供給材料のサイズ分画を篩分けによって得た。
Figure 0006941118
表1から、実施例1のグルテンのD90が、100〜140μmの間にあるが、一方比較実験AによるグルテンのD90が280μmを超える値を有するということになる。

Claims (14)

  1. 小麦グルテンを含有するペレットの調製のためのプロセスにおいて、
    粉砕、微粒化及びそれらの等価物により、少なくとも50重量%の小麦グルテンを含有する原材料の粒度分布が、最大で175μmのD90となるようにして、供給材料を形成する予備工程と、
    ・前記供給材料が好適な手段を用いてペレットに形成されるペレット化工程と、を含み、
    前記供給材料は、前記ペレットに形成される前に、少なくとも5重量%、最大で20重量%の水分含量に加湿され、前記供給材料は、ペレット化工程に入る前に、少なくとも30℃、最大で100℃の温度に加熱され、
    得られたペレットが3mm〜8mmの間の直径、および5mm〜40mmの間の長さを有するように、前記ペレット化工程が実行され、
    前記原材料の粒度分布のD75は、少なくとも40μm、最大で100μmであることを特徴とする、プロセス。
  2. 請求項1に記載のプロセスにおいて、前記原材料が、活性小麦グルテンから本質的になることを特徴とする、プロセス。
  3. 請求項1又は2に記載のプロセスにおいて、D50が最大で80μmであり、前記D90が少なくとも60μmである前記原材料の粒度分布が得られることを特徴とする、プロセス。
  4. 請求項3に記載のプロセスにおいて、前記供給材料の少なくとも90重量%が、最大で150μmのサイズであるような前記原材料の粒度分布が得られることを特徴とする、プロセス。
  5. 請求項3に記載のプロセスにおいて、前記供給材料の少なくとも90重量%が、最大で140μmのサイズであるような前記原材料の粒度分布が得られることを特徴とする、プロセス。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記D50が30又は40μm〜80μmであり、前記D90が少なくとも80又は100μmかつ最大で150又は140μmである前記原材料の粒度分布が得られることを特徴とする、プロセス。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、D75が少なくとも50又は60μmである前記原材料の粒度分布が得られることを特徴とする、プロセス。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記供給材料を、ペレットに形成される前に加湿し、及び/又は30〜100℃にある温度に保持することを特徴とする、プロセス。
  9. 請求項8に記載のプロセスにおいて、前記供給材料の水分含量が、5〜20重量%であるように、前記加湿が、水性液体及び/又は水蒸気によって行われることを特徴とする、プロセス。
  10. 請求項9に記載のプロセスにおいて、前記供給材料の前記水分含量を、6〜14重量%にすることを特徴とする、プロセス。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記ペレットの嵩密度が前記供給材料の嵩密度よりも100〜250kg/m高いように、前記ペレット化工程が実行されることを特徴とする、プロセス。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記ペレットの前記嵩密度が、450〜700kg/mであることを特徴とする、プロセス。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記ペレットの前記嵩密度が、500〜650kg/mであることを特徴とする、プロセス。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記ペレット化工程が、ペレット成形機又は押出成形機で実行されることを特徴とする、プロセス。
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