JP6941074B2 - 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法 - Google Patents

長尺の構造物のたわみ量分布算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6941074B2
JP6941074B2 JP2018093600A JP2018093600A JP6941074B2 JP 6941074 B2 JP6941074 B2 JP 6941074B2 JP 2018093600 A JP2018093600 A JP 2018093600A JP 2018093600 A JP2018093600 A JP 2018093600A JP 6941074 B2 JP6941074 B2 JP 6941074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distribution
amount
longitudinal direction
deflection
calculating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018093600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019200078A (ja
Inventor
翔太 椿
翔太 椿
瑛介 黒澤
瑛介 黒澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2018093600A priority Critical patent/JP6941074B2/ja
Publication of JP2019200078A publication Critical patent/JP2019200078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6941074B2 publication Critical patent/JP6941074B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Casting Devices For Molds (AREA)

Description

本発明は、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の長手方向におけるたわみ量の分布を算出する、長尺の構造物のたわみ量分布算出方法に関する。
長尺の構造物に荷重がかかり弾性変形が生じる場合、一般的に平面保持仮定に基づいた古典曲げ理論を用いてたわみ量が計算される。一方で、長尺の構造物に非弾性ひずみ(クリープひずみ等)が生じる場合、応力とたわみ量とを評価するためには、例えば有限要素法を用いた3次元応力解析による詳細解析が必要となる。この場合、クリープ変形のような経時的な変形を詳細に解析しようとすると、時間とコストがかかる。
そこで、特許文献1では、光ファイバセンサを用いて、長尺の構造物の長手方向におけるひずみ分布を計測し、古典曲げ理論によりその構造物の曲率の分布を計算し、曲率の分布を長手方向に積分することにより、長手方向におけるたわみ量の分布を求めている。
また、特許文献2では、一様温度下においてタービンブレードのような長尺鋼構造物の一部に分布荷重を受けた場合について、最大曲げモーメント発生部の弾性応力および弾性たわみを古典曲げ理論により計算する。そして、弾性応力からクリープ変形におけるリファレンス応力を決定し、クリープ速度構成式に基づいてクリープひずみを計算し、これからクリープたわみを算定している。
特開2011−164024号公報 特開2003−172679号公報
しかしながら、特許文献1では、構造物の長手方向におけるひずみ分布を直接計測する必要があり、時間とコストがかかる。さらに、光ファイバセンサが使える温度域に限られる。また、特許文献2では、温度および曲げモーメントが長手方向に分布する場合に、たわみ量を計算できない。さらに、最大たわみ量しか計算できず、長手方向におけるたわみ量の分布を計算できない。
そこで、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の長手方向におけるたわみ量の分布を、有限要素法等の詳細解析を用いずに、簡易に算出できることが望まれる。
本発明の目的は、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の長手方向におけるたわみ量の分布を、簡易に算出することが可能な長尺の構造物のたわみ量分布算出方法を提供することである。
本発明は、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の前記長手方向におけるたわみ量の分布を算出する、長尺の構造物のたわみ量分布算出方法であって、前記温度の分布および前記曲げモーメントの分布から、前記構造物の表面の前記長手方向における弾性ひずみ量の分布を算出する第1ステップと、平面保持仮定に基づいて、前記構造物における曲げの中立軸から引張側表面までの距離で前記弾性ひずみ量の分布を除することで、前記構造物の曲率の分布を算出する第2ステップと、前記曲率の分布を前記長手方向に積分することで、前記長手方向における弾性たわみ量の分布を算出する第3ステップと、前記温度の分布および前記曲げモーメントの分布から、前記構造物の表面の前記長手方向における非弾性ひずみ量の分布を算出する第4ステップと、前記平面保持仮定に基づいて、前記非弾性ひずみ量の分布を前記距離で除することで、前記構造物の曲率の分布を算出する第5ステップと、前記曲率の分布を前記長手方向に積分することで、前記長手方向における非弾性たわみ量の分布を算出する第6ステップと、前記弾性たわみ量の分布と前記非弾性たわみ量の分布とを足し合わせることで、前記長手方向におけるたわみ量の分布を算出する第7ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によると、温度の分布および曲げモーメントの分布から、構造物の表面の長手方向における弾性ひずみ量の分布を算出し、これから構造物の曲率の分布を算出し、これから長手方向における弾性たわみ量の分布を算出する。また、温度の分布および曲げモーメントの分布から、構造物の表面の長手方向における非弾性ひずみ量の分布を算出し、これから構造物の曲率の分布を算出し、これから長手方向における非弾性たわみ量の分布を算出する。そして、弾性たわみ量の分布と非弾性たわみ量の分布とを足し合わせることで、長手方向におけるたわみ量の分布を算出する。このように、弾性たわみ量の分布と非弾性たわみ量の分布とを別々に求め、これらを足し合わせることで、長手方向におけるたわみ量の分布を算出する。これにより、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の長手方向におけるたわみ量の分布を、有限要素法等の詳細解析を用いずに、簡易に算出することができる。
鋳造装置の側面断面図である。 芯金の計算モデルである。 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法のフロー図である。 TypeAの芯金における最大たわみ量の時間変化を示す図である。 TypeAの芯金における、1000秒でのたわみ量の分布を示す図である。 TypeBの芯金における最大たわみ量の時間変化を示す図である。 TypeBの芯金における、1000秒でのたわみ量の分布を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(鋳造装置)
本発明の実施形態による長尺の構造物のたわみ量分布算出方法は、長尺の構造物の長手方向におけるたわみ量の分布を算出する方法である。
本実施形態において、長尺の構造物は、細長の鋳物を鋳造する際に使用する金属製の芯金である。そこで、鋳造装置10の側面断面図である図1に示すように、鋳造装置10を用いて、水平方向の両端が開口する内部空洞を有する、細長の鋳物を鋳造する場合について考える。内部空洞の長手方向の中央部は、他の部分よりも外径が若干太くなっている。なお、鋳物や内部空洞の形状はこれに限定されず、特に、内部空洞はどこか一箇所で開口するものであってよい。また、内部空洞の長手方向は水平方向に限定されず、水平方向に対して傾斜した方向や、鉛直方向であってもよい。
主型1である上型1aと下型1bとの間には、溶湯が注入される空洞3が形成されており、この空洞3内に、鋳物の内部空洞に相当する形状の中子4が配置される。この中子4には、芯金が用いられている。この芯金は、鋼パイプであるが、古典曲げ理論が適用できる材料であれば、金属製でなくてもよい。
中子4における水平方向の両端部は巾木5となっており、この巾木5は上型1aと下型1bとで挟持されている。つまり、巾木5は上型1aと下型1bとで動きが拘束されている。これにより、空洞3に溶湯が満たされて中子4が鉛直方向に浮力を受けても、中子4の浮上が防止される。
溶湯にする金属としては、球状黒鉛鋳鉄(JIS−FCD500)やねずみ鋳鉄(JIS−FC250)などを用いることができる。また、鋳砂としては、SiO2を主成分とする「けい砂」や、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂などを用いることができる。なお、鋳砂に粘結剤や硬化剤を添加してもよい。本実施形態において、鋳砂は「けい砂」に硬化剤および粘結剤を添加して混練したものである。
鋳造中に、溶湯から浮力および熱負荷を受けることで、芯金には非弾性変形が生じる。ここで、溶湯から受ける熱負荷により芯金の温度は上昇するが、芯金周りの中子砂の砂付き厚さが芯金の長手方向に一定でない場合、芯金の長手方向に温度が分布する。また、芯金は溶湯から浮力を受けるが、芯金周りの中子砂の砂付き厚さが一定でない場合、芯金の長手方向に荷重が分布する。
芯金6の計算モデルである図2に示すように、温度θ(x,t)と荷重ω(x)とが、芯金6の長手方向に分布している。つまり、温度と曲げモーメントとが芯金6の長手方向に分布している。ここで、xは、原点からの水平方向の距離である。図2において、原点は芯金6の左端である。本実施形態において、中子4の径が太くなっている部分(L2)における芯金6の温度θは、他の部分(L1,L3)よりも高くなっている。また、この部分(L2)における芯金6の荷重ω(x)は、他の部分(L1,L3)の荷重ω1よりもω2ほど大きくなっている。
芯金6が鋼材の場合、中子砂は芯金6に比べて十分に剛性が小さいため、芯金6の梁問題とみなすことができる。
(長尺の構造物のたわみ量分布算出方法)
以下に、フロー図である図3を用いて、長尺の構造物のたわみ量分布算出方法について説明する。なお、ここでは、非弾性変形がクリープ変形である場合について説明する。
まず、入力データを、解析ソフトに入力する(ステップS1)。ここで、入力データとして、時間条件、芯金の形状、材料物性、および、境界条件を用いる。時間条件は、具体的に、計算時間tの時間刻みΔt、および、計算終了時刻(所定の時刻)tfである。本実施形態において、計算終了時刻tfは溶湯の凝固が終了する時刻である。芯金の形状は、具体的に、芯金の断面係数Z(x)、芯金における曲げの中立軸から引張側表面までの距離r(x)、および、芯金の長手方向における分割サイズdxである。
材料物性は、具体的に、芯金のヤング率E(θ)、芯金の線膨張係数α(θ)、および、芯金のクリープ特性n(θ)である。境界条件は、具体的に、芯金の長手方向における温度分布θ(x,t)、および、芯金の長手方向における荷重分布ω(x)である。
ここで、芯金の長手方向における温度分布θ(x,t)を、一般的な伝熱計算ソフト(クオリカ社製の有限要素法の計算ソフト「JS CAST」など)を用いて、事前に計算しておく。また、芯金6の長手方向における荷重分布ω(x)を、中子4および溶湯の体積と密度差とを用いて、事前に計算しておく。
次に、芯金6の長手方向における曲げモーメントの分布を算出する(ステップS2)。曲げモーメントの分布の2階微分が荷重分布ω(x)となることから、式(1)に示すように、事前に計算した荷重分布ω(x)を芯金6の長手方向に2階積分する。これにより、芯金6の長手方向における曲げモーメントの分布M(x)が求まる。
M(x)=∬ω(x)dxdx ・・・式(1)
次に、芯金6の長手方向における引張側表面の応力分布σb(x)を算出する(ステップS3)。弾性問題とした場合、古典曲げ理論に基づいて、式(2)に示すように、ステップS2で求めた曲げモーメントの分布M(x)を芯金6の断面係数Z(x)で除する。これにより、引張側表面の応力分布σb(x)が求まる。
σb(x)=M(x)/Z(x) ・・・式(2)
次に、クリープ変形による応力緩和を考慮した、芯金6の長手方向における引張側表面の応力分布σh/2(x)を算出する(ステップS4)。ここで、遷移クリープが支配的な場合、クリープ変形による応力緩和を考慮した、芯金6の長手方向における引張側表面の応力分布σh/2(x)と、ステップS3で求めた引張側表面の応力分布σb(x)との関係は、クリープ特性n(θ)を用いて式(3)のように表される。この式(3)から、クリープ変形による応力緩和を考慮した、芯金6の長手方向における引張側表面の応力分布σh/2(x)が求まる。
σh/2(x)=σb(x)(2n(θ)+1)/3n(θ) ・・・式(3)
次に、弾性たわみ量の分布およびクリープたわみ量の分布を算出する。ここで、クリープ変形は経時的な現象であるため、クリープたわみ量の分布は、計算時間tが計算終了時刻tfになるまで、時間刻みΔt毎に繰り返し計算する必要がある。また、温度分布θ(x,t)が時間の関数であり、芯金6のヤング率E(θ)は経時的に変化するため、弾性たわみ量の分布も、計算時間tが計算終了時刻tfになるまで、時間刻みΔt毎に繰り返し計算する必要がある。
弾性たわみ量の分布の算出においては、まず、温度分布θ(x,t)および曲げモーメントの分布M(x)から、芯金6の表面の長手方向における弾性ひずみ量の分布εe(x)を算出する(ステップS5)。式(4)に示すように、ステップS4で算出した、芯金6の長手方向における引張側表面の応力分布σh/2(x)を、芯金6のヤング率E(θ)で除することで、芯金6の表面の長手方向における弾性ひずみ量の分布εe(x)が求まる。
εe(x)=σh/2(x)/E(θ) ・・・式(4)
次に、弾性変形での曲率の分布を算出する(ステップS6)。平面保持仮定に基づいて、弾性ひずみ量の分布εe(x)を、芯金6における曲げの中立軸から引張側表面までの距離r(x)で除することで、弾性変形での曲率の分布が求まる。
次に、芯金6の長手方向における弾性たわみ量の分布δe(x)を算出する(ステップS7)。式(5)に示すように、弾性変形での曲率の分布を芯金6の長手方向に2階積分することで、芯金6の長手方向における弾性たわみ量の分布δe(x)が求まる。
δe(x)=∬εe(x)/r(x)dxdx ・・・式(5)
また、ステップS5〜S7に平行して、クリープたわみ量の分布の算出を行う。まず、温度分布θ(x,t)および曲げモーメントの分布M(x)から、芯金6の表面の長手方向におけるクリープひずみ量の増分ΔεCr(x)を算出する(ステップS8)。一般的なクリープ構成式(例えば、Norton則)を用いて、ステップS4で求めた引張側表面の応力分布σh/2(x)および計算時間tから、クリープひずみ速度dεCr(σh/2(x),t)/dtを計算する。そして、式(6)に示すように、このクリープひずみ速度dεCr(σh/2(x),t)/dtに時間刻みΔtを乗ずることで、クリープひずみ量の増分ΔεCr(x)が求まる。
ΔεCr(x)=(dεCr(σh/2(x),t)/dt)Δt ・・・式(6)
次に、クリープひずみ量の分布εCr(x)を算出する(ステップS9)。式(7)に示すように、ステップS8で算出したクリープひずみ量の増分ΔεCr(x)を経時的に足し合わせることで、クリープひずみ量の分布εCr(x)が求まる。
εCr(x)=εCr(σh/2(x),t−Δt)+ΔεCr(σh/2(x),t) ・・・式(7)
このように、クリープひずみ量を非弾性ひずみ量として用いた場合、温度分布θ(x,t)および曲げモーメントの分布M(x)から、芯金6の表面の長手方向におけるクリープひずみ量の増分ΔεCr(x)を算出し、これを経時的に足し合わせることで、長手方向におけるクリープひずみ量の分布εCr(x)を算出する。これにより、長手方向におけるクリープひずみ量の分布εCr(x)を好適に算出することができる。
次に、クリープ変形での曲率の分布を算出する(ステップS10)。平面保持仮定に基づいて、クリープひずみ量の分布εCr(x)を、芯金6における曲げの中立軸から引張側表面までの距離r(x)で除することで、クリープ変形での曲率の分布が求まる。
次に、芯金6の長手方向におけるクリープたわみ量の分布δCr(x)を算出する(ステップS11)。式(8)に示すように、クリープ変形での曲率の分布を芯金6の長手方向に2階積分することで、芯金6の長手方向におけるクリープたわみ量の分布δCr(x)が求まる。
δCr(x)=∬εCr(x)/r(x)dxdx ・・・式(8)
次に、芯金6の長手方向におけるたわみ量の分布δ(x)を算出する(ステップS12)。式(9)に示すように、ステップS7で算出した、芯金6の長手方向における弾性たわみ量の分布δe(x)と、ステップS11で算出した、芯金6の長手方向におけるクリープたわみ量の分布δCr(x)とを足し合わせることで、芯金6の長手方向におけるたわみ量の分布δ(x)が求まる。
δ(x)=δe(x)+δCr(x) ・・・式(9)
このように、弾性たわみ量の分布δe(x)とクリープたわみ量の分布δCr(x)とを別々に求め、これらを足し合わせることで、長手方向におけるたわみ量の分布δ(x)を算出する。これにより、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、クリープ変形が生じる芯金6の長手方向におけるたわみ量の分布δ(x)を、有限要素法等の詳細解析を用いずに、簡易に算出することができる。
次に、計算時間tが計算終了時刻tfになったか否かを判定する(ステップS13)。計算時間tが計算終了時刻tfになっていないと判定した場合には(S13:NO)、計算時間tを時間刻みΔtだけ進めて(ステップS14)、ステップS4に戻る。これにより、計算時間tが計算終了時刻tfになるまで、弾性たわみ量の分布およびクリープたわみ量の分布が、時間刻みΔt毎に繰り返し計算されることになる。
このように、非弾性変形がクリープ変形の場合に、計算終了時刻tfになるまで、時刻を進めながらステップS4と、ステップS8からステップS12までを繰り返す。クリープ変形は、経時的な変形であり、長手方向におけるクリープひずみ量の分布εCr(x)は経時的に変化する。そこで、時刻を進めながらステップS4と、ステップS8からステップS12までを繰り返すことで、計算終了時刻tfにおけるたわみ量の分布δ(x)を好適に算出することができる。
また、温度分布θ(x,t)が経時的に変化する場合に、計算終了時刻tfになるまで、時刻を進めながらステップS4からステップS7、および、ステップS12を繰り返す。温度分布θ(x,t)が経時的に変化すると、長手方向における弾性ひずみ量の分布εe(x)も経時的に変化する。そこで、時刻を進めながらステップS4からステップS7、および、ステップS12を繰り返すことで、計算終了時刻tfにおけるたわみ量の分布δ(x)を好適に算出することができる。
一方、計算時間tが計算終了時刻tfになったと判定した場合には(S13:YES)、計算終了時刻tfにおけるたわみ量の分布δ(x)を最大たわみ量δmax(x)として算出する(ステップS15)。そして、フローを終了する。
(評価)
次に、本実施形態の長尺の構造物のたわみ量分布算出方法で算出したたわみ量の分布δ(x)と、シミュレーションにより算出したたわみ量の分布とを比較した。
この評価では、STPT410(S25C相当)を材質とする、2種類のサイズの芯金(鋼パイプ)を対象とした。TypeAの芯金のサイズは、外径が139.8mm、内径が108mm、長手方向の長さが3570mmであり、TypeBの芯金のサイズは、外径が101.6mm、内径が76.2mm、長手方向の長さが2820mmである。
TypeAの芯金の鋳込み温度を1560℃に想定し、TypeBの芯金の鋳込み温度を1544℃に想定した。また、芯金の長手方向における分割サイズdxを10mmとし、時間刻みΔtを100秒とした。即ち、TypeAの芯金は357分割であり、TypeBの芯金は282分割である。
両方法でのたわみ量の分布の算出に、同じ計算条件を用いた。本実施形態のたわみ量分布算出方法においては、芯金の温度として、芯金の上面の表面温度を用いた。シミュレーションには、シムリア社製の有限要素法の計算ソフト「ABAQUS」を用いた。
TypeAの芯金における最大たわみ量の時間変化を図4に示す。また、TypeAの芯金における、1000秒でのたわみ量の分布を図5に示す。両者の結果がよく一致していることがわかる。
次に、TypeBの芯金における最大たわみ量の時間変化を図6に示す。また、TypeBの芯金における、1000秒でのたわみ量の分布を図7に示す。両者の結果がよく一致していることがわかる。
なお、鋳造中に、溶湯が砂型(主型1および中子4)の周りで凝固することで凝固殻が生成され、時間経過とともに凝固殻が成長することにより、凝固殻を介して中子4と主型1とが繋がる、所謂ブリッジングが発生する。しかし、シミュレーションでは、このブリッジングを考慮していない。そのため、クリープ変形は急激に進行する。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る長尺の構造物のたわみ量分布算出方法によると、温度の分布および曲げモーメントの分布から、芯金6の表面の長手方向における弾性ひずみ量の分布を算出し、これから芯金6の曲率の分布を算出し、これから長手方向における弾性たわみ量の分布を算出する。また、温度の分布および曲げモーメントの分布から、芯金6の表面の長手方向におけるクリープひずみ量の分布を算出し、これから芯金6の曲率の分布を算出し、これから長手方向におけるクリープたわみ量の分布を算出する。そして、弾性たわみ量の分布とクリープたわみ量の分布とを足し合わせることで、長手方向におけるたわみ量の分布を算出する。このように、弾性たわみ量の分布とクリープたわみ量の分布とを別々に求め、これらを足し合わせることで、長手方向におけるたわみ量の分布を算出する。これにより、温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、クリープ変形が生じる長尺の芯金6の長手方向におけるたわみ量の分布を、有限要素法等の詳細解析を用いずに、簡易に算出することができる。
また、非弾性変形がクリープ変形である場合に、計算終了時刻になるまで、時刻を進めながらステップS4と、ステップS8からステップS12までを繰り返す。非弾性変形のなかでも、クリープ変形や熱変形は、経時的な変形であり、長手方向における非弾性ひずみ量の分布は経時的に変化する。そこで、時刻を進めながらステップS4と、ステップS8からステップS12までを繰り返すことで、計算終了時刻におけるたわみ量の分布を好適に算出することができる。
また、クリープひずみ量を非弾性ひずみ量として用いる場合、温度の分布および曲げモーメントの分布から、芯金6の表面の長手方向におけるクリープひずみ量の増分を算出し、これを経時的に足し合わせることで、長手方向におけるクリープひずみ量の分布を算出する。これにより、長手方向におけるクリープひずみ量の分布を好適に算出することができる。
また、温度の分布が経時的に変化する場合に、計算終了時刻になるまで、時刻を進めながらステップS4からステップS7、および、ステップS12を繰り返す。温度の分布が経時的に変化すると、長手方向における弾性ひずみ量の分布も経時的に変化する。そこで、時刻を進めながらステップS4からステップS7、および、ステップS12を繰り返すことで、計算終了時刻におけるたわみ量の分布を好適に算出することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、長尺の構造物に生じる非弾性変形は、クリープ変形に限定されず、熱変形や塑性変形であってもよい。
また、図3のフローにおいては、クリープたわみ量の分布δCr(x)を、計算時間tの時間刻みΔt毎に繰り返し計算しているが、非弾性変形が経時的な変形でない場合には、繰り返し計算する必要はない。
また、図3のフローにおいては、弾性たわみ量の分布δe(x)を、計算時間tの時間刻みΔt毎に繰り返し計算しているが、温度分布θ(x)が経時的に変化しない、つまり、芯金のヤング率E(θ)が経時的に変化しない場合には、繰り返し計算する必要はない。
1 主型
1a 上型
1b 下型
3 空洞
4 中子
5 巾木
6 芯金
10 鋳造装置

Claims (4)

  1. 温度および曲げモーメントが長手方向に分布し、非弾性変形が生じる長尺の構造物の前記長手方向におけるたわみ量の分布を算出する、長尺の構造物のたわみ量分布算出方法であって、
    前記温度の分布および前記曲げモーメントの分布から、前記構造物の表面の前記長手方向における弾性ひずみ量の分布を算出する第1ステップと、
    平面保持仮定に基づいて、前記構造物における曲げの中立軸から引張側表面までの距離で前記弾性ひずみ量の分布を除することで、前記構造物の曲率の分布を算出する第2ステップと、
    前記曲率の分布を前記長手方向に積分することで、前記長手方向における弾性たわみ量の分布を算出する第3ステップと、
    前記温度の分布および前記曲げモーメントの分布から、前記構造物の表面の前記長手方向における非弾性ひずみ量の分布を算出する第4ステップと、
    前記平面保持仮定に基づいて、前記非弾性ひずみ量の分布を前記距離で除することで、前記構造物の曲率の分布を算出する第5ステップと、
    前記曲率の分布を前記長手方向に積分することで、前記長手方向における非弾性たわみ量の分布を算出する第6ステップと、
    前記弾性たわみ量の分布と前記非弾性たわみ量の分布とを足し合わせることで、前記長手方向におけるたわみ量の分布を算出する第7ステップと、
    を有することを特徴とする長尺の構造物のたわみ量分布算出方法。
  2. 前記非弾性変形が経時的な変形である場合に、所定の時刻になるまで、時刻を進めながら前記第4ステップから前記第7ステップまでを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の長尺の構造物のたわみ量分布算出方法。
  3. クリープひずみ量を前記非弾性ひずみ量として用い、
    前記第4ステップにおいて、前記温度の分布および前記曲げモーメントの分布から、前記構造物の表面の前記長手方向における前記クリープひずみ量の増分を算出し、これを経時的に足し合わせることで、前記クリープひずみ量の分布を算出することを特徴とする請求項2に記載の長尺の構造物のたわみ量分布算出方法。
  4. 前記温度の分布が経時的に変化する場合に、所定の時刻になるまで、時刻を進めながら前記第1ステップから前記第3ステップ、および、前記第7ステップを繰り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の長尺の構造物のたわみ量分布算出方法。
JP2018093600A 2018-05-15 2018-05-15 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法 Active JP6941074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018093600A JP6941074B2 (ja) 2018-05-15 2018-05-15 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018093600A JP6941074B2 (ja) 2018-05-15 2018-05-15 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019200078A JP2019200078A (ja) 2019-11-21
JP6941074B2 true JP6941074B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=68613060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018093600A Active JP6941074B2 (ja) 2018-05-15 2018-05-15 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6941074B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS521851Y2 (ja) * 1974-05-27 1977-01-17
JP2011164024A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Shimizu Corp 光ファイバセンサを備えた構造物のたわみ量の算定方法および装置
JP2011242342A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Kobe Steel Ltd 変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法
JP6706499B2 (ja) * 2015-12-28 2020-06-10 東日本旅客鉄道株式会社 鋼コンクリートサンドイッチ構造の設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019200078A (ja) 2019-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Study on the interfacial heat transfer coefficient between AZ91D magnesium alloy and silica sand
JP5839582B2 (ja) 鋳型設計方法および鋳型
JP3848602B2 (ja) 樹脂成形品の設計支援装置および方法
US6298898B1 (en) Optimizing cycle time and/or casting quality in the making of cast metal products
JP2006205740A (ja) 樹脂成形品の設計支援装置および方法
JP6941074B2 (ja) 長尺の構造物のたわみ量分布算出方法
Inoue et al. Effect of sand mold models on the simulated mold restraint force and the contraction of the casting during cooling in green sand molds
JP2010052019A (ja) 砂型鋳物のシミュレーション方法
Li et al. Air gap measurement during steel-ingot casting and its effect on interfacial heat transfer
Anglada et al. Prediction and validation of shape distortions in the simulation of high pressure die casting
US9862022B2 (en) Casting method using lost foam
CN111693564B (zh) 包紧力评价方法和收缩量评价方法
Miłkowska-Piszczek et al. A comparison of models describing heat transfer in the primary cooling zone of a continuous casting machine
Galles et al. In situ measurement and prediction of stresses and strains during casting of steel
Peters et al. Effect of mould expansion on pattern allowances in sand casting of steel
Motoyama et al. Numerical and experimental study on residual stress in gray cast iron stress lattice shape casting
JP2018062006A (ja) 球状黒鉛鋳鉄鋳物の硬度を予測する方法
JP6761779B2 (ja) 中子の変形量予測方法
Galles et al. Effect of sand dilation on core expansion during steel casting
ALUMINIJA Progressive method of porosity prediction for aluminium castings
JPH05123842A (ja) 連続鋳造における鋳片未凝固部分の温度予測方法
JP4478073B2 (ja) 連続鋳造鋳型の設計方法
Galles et al. Measurement and prediction of stresses during casting of a steel bar
Galles et al. Distortion of a Steel Cylinder Casting with a Core
JP2006346736A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201130

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210820

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6941074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150