JP6761779B2 - 中子の変形量予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも一箇所で開口する内部空洞を有する鋳物を鋳造する際の中子の変形量を予測する、中子の変形量予測方法に関する。
一般的なキャビティ鋳造法で、内部空洞を有する鋳物を作る場合、側面断面図である図10に示すように、上型21と下型22との間に形成される空洞23内に、鋳物の内部空洞に相当する形状の中子24を配置する。しかし、側面断面図である図11に示すように、鋳造中、中子24は溶湯に取り囲まれ、溶湯から浮力を受ける。そのため、中子24を支持する支持部分が無いと中子24は浮上してしまう。中子24が浮上すると、内部空洞の位置がずれた鋳物が出来上がることになる。
そこで、側面断面図である図12に示すように、水平方向に突出した巾木(はばき)25を中子24に設けて、上型21と下型22とで巾木25を挟持することで、中子24の浮上を防止している。
ここで、特許文献1には、成形型内に配置したシェル中子により、内部空洞を有する鋳造品を成形する鋳造装置において、シェル中子内を成形型外に連通させるガス抜き穴を形成することが開示されている。
特開2013−123755号公報
ところで、側面断面図である図13に示すように、内部空洞が細穴である場合、細穴に相当する形状の中子24の断面剛性は低くなる。よって、中子24が溶湯から浮力を受けると、側面断面図である図14に示すように、中子24がたわみ変形する。その結果、出来上がる鋳物は、上型21側の肉厚が薄く、下型22側の肉厚が厚い、偏肉した形状になる。
そこで、偏肉が少ない鋳物を鋳造するために、中子の熱変形を予め予測することが望まれる。
本発明の目的は、偏肉が少ない鋳物を鋳造することが可能な中子の変形量予測方法を提供することである。
本発明は、少なくとも一箇所で開口する内部空洞を有する鋳物を、砂型である主型および中子を用いて鋳造する際に、溶湯から浮力を受けて変形する前記中子の変形量を予測する、中子の変形量予測方法であって、前記砂型の温度分布を、鋳造の開始から終了にわたって予測する第1ステップと、鋳造中に前記溶湯が前記砂型の周りで凝固することで生成されて、時間経過とともに成長する凝固殻の、ある時刻における形状を、その時刻における前記第1ステップの結果を用いて予測する第2ステップと、ある時刻における前記凝固殻の形状に応じた前記中子の拘束条件と、その時刻における前記砂型の温度分布とを用いて、その時刻における前記中子の変形量を予測する第3ステップと、を有し、前記中子の変形が完了するまで、前記時刻を進めながら前記第2ステップと前記第3ステップとを繰り返すことを特徴とする。
本発明によると、まず、第1ステップとして、砂型の温度分布を、鋳造の開始から終了にわたって予測する。次に、第2ステップとして、ある時刻における凝固殻の形状を予測する。そして、第3ステップとして、ある時刻における凝固殻の形状に応じた中子の拘束条件と、その時刻における砂型の温度分布とを用いて、その時刻における中子の変形量を予測する。中子の拘束条件は、凝固殻の成長に応じて刻々変化し、中子の変形量は、中子の拘束条件に応じて刻々変化する。よって、刻々と成長する凝固殻の形状に応じた中子の拘束条件を考慮して、中子の変形量を予測する。そして、中子の変形が完了するまで、時刻を進めながら第2ステップと第3ステップとを繰り返す。これにより、中子の最終形状を予測することができるので、これをもとに偏肉対策を行うことで、偏肉が少ない鋳物を鋳造することができる。
鋳造装置の側面断面図である。 鋳造装置の側面断面図である。 中子の変形量予測方法のフロー図である。 鋳砂の歪みと応力との関係を示す図である。 鋳砂の温度と線膨張率との関係を示す図である。 球状黒鉛鋳鉄の温度と膨張率との関係を示す図である。 球状黒鉛鋳鉄の歪みと応力との関係を示す図である。 芯金の温度とヤング率との関係を示す図である。 鋳造開始からの経過時間と芯金の温度との関係を示す図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(鋳造装置)
本発明の実施形態による中子の変形量予測方法は、少なくとも一箇所で開口する内部空洞を有する鋳物を、砂型である主型および中子を用いて鋳造する際に、溶湯から浮力を受けて変形する中子の変形量を予測する方法である。
本実施形態では、側面断面図である図1に示すように、鋳造装置10を用いて、水平方向の両端が開口する内部空洞を有する、細長の鋳物を鋳造する場合について考える。内部空洞の長手方向の中央部は、他の部分よりも外径が若干太くなっている。なお、鋳物や内部空洞の形状はこれに限定されず、特に、内部空洞はどこか一箇所で開口するものであってよい。また、内部空洞の長手方向は水平方向に限定されず、水平方向に対して傾斜した方向や、鉛直方向であってもよい。
主型1である上型1aと下型1bとの間には、溶湯が注入される空洞3が形成されており、この空洞3内に、鋳物の内部空洞に相当する形状の中子4が配置される。本実施形態において、中子4には芯金が用いられている。
中子4における水平方向の両端部は巾木5となっており、この巾木5は上型1aと下型1bとで挟持されている。つまり、巾木5は上型1aと下型1bとで動きが拘束されている。これにより、空洞3に溶湯が満たされて中子4が鉛直方向に浮力を受けても、中子4の浮上が防止される。
溶湯にする金属としては、球状黒鉛鋳鉄(JIS−FCD500)やねずみ鋳鉄(JIS−FC250)などを用いることができる。また、鋳砂としては、SiO2を主成分とする「けい砂」や、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂などを用いることができる。なお、鋳砂に粘結剤や硬化剤を添加してもよい。本実施形態において、鋳砂は「けい砂」に硬化剤および粘結剤を添加して混練したものである。
鋳造中に、中子4は溶湯による浮力を受けてたわみ変形する。そして、中子4の変形量は、鋳造中の温度上昇に伴って変化する中子4の剛性(中子4を構成する材料の熱間強度特性)に応じて刻々変化する。よって、中子4の変形量を予測する際には、予め、砂型(主型1および中子4)の温度分布を、鋳造の開始から終了にわたって求めておく必要がある。
また、側面断面図である図2に示すように、鋳造中に、溶湯が砂型(主型1および中子4)の周りで凝固することで凝固殻6が生成され、この凝固殻6は時間経過とともに成長していく。特に、中子4の両端部において、巾木5から中子4の中央に向かって成長した凝固殻6は、中子4と主型1とに跨がっているため、この部分において中子4の変形が拘束されることになる。また、主型1の周りに生じた凝固殻6と中子4の周りに生じた凝固殻6とが結合した部分(結合部7)によっても、中子4の変形が拘束されることになる。
中子4の拘束条件は、凝固殻6の成長に応じて刻々変化し、中子4の変形量は、中子4の拘束条件に応じて刻々変化する。よって、中子4の変形量を予測する際には、刻々と成長する凝固殻6の形状に応じた中子4の拘束条件を考慮する必要がある。
図1において、水平方向にx軸、垂直方向にz軸をとると、鋳造初期において、中子4の変形が拘束される範囲は、巾木5が位置するx1からx2の範囲、および、x3からX4の範囲である。
図2において、水平方向にx軸、垂直方向にz軸をとると、溶湯の凝固進行中において、中子4の変形が拘束される範囲は、巾木5が位置するx1からx2の範囲、および、x3からX4の範囲に加えて、中子4と主型1とに跨がって成長した凝固殻6が位置するx2からxn1の範囲、および、xn2からX3の範囲である。
また、溶湯の凝固がさらに進行し、結合部7が生じると、中子4の変形が拘束される範囲は、上記に加えて、結合部7が位置するxm1からxm2の範囲となる。
(中子の変形量予測方法)
以下に、フロー図である図3を用いて、中子の変形量予測方法について説明する。
まず、鋳造解析ソフト(クオリカ社製の有限要素法の計算ソフト「JS CAST」など)を用いて、流動・伝熱・凝固計算を行うに当たり、流動・伝熱・凝固計算に使用する入力データを、鋳造解析ソフトに入力する(ステップS1)。
ここで、入力データとして、鋳造条件、材料の熱特性、熱境界条件を用いる。鋳造条件は、具体的に、砂型の形状、鋳物の形状、注湯温度、注湯量、および、注湯速度である。材料の熱特性は、具体的に、鋳物材料(例えば、球状黒鉛鋳鉄)の密度、比熱、熱伝導率、凝固温度(固相線温度、液相線温度)、および、凝固潜熱と、砂型の材料である鋳砂の密度、比熱、および、熱伝導率である。なお、鋳物、鋳砂ともに、鋳造中に固相変態する場合は、変態潜熱を考慮することで精度が向上する。
また、熱境界条件は、具体的に、鋳物と砂型との間の熱伝達率、砂型とその雰囲気との間の熱伝達率、および、その雰囲気の温度である。
次に、鋳造解析ソフトを用いて、流動・伝熱・凝固計算を行う(ステップS2)。この計算により、砂型(主型1および中子4)の温度分布、および、溶湯の固相率を、鋳造の開始から終了にわたって予測する。なお、流動・伝熱・凝固計算の計算手法は、有限要素法に限定されず、差分法などでもよい。また、本実施形態の流動・伝熱・凝固計算では、計算精度を向上させるために、液体金属の流動計算を加えているが、伝熱・凝固計算だけでもよい。
次に、時刻tを「0」に設定する(ステップS3)。そして、ある時刻tにおける流動・伝熱・凝固計算の結果を出力する(ステップS4)。具体的には、その時刻tにおける砂型(主型1および中子4)の温度、および、その時刻tにおける溶湯の固相率を出力する。
次に、その時刻tにおける流動・伝熱・凝固計算の結果を用いて、その時刻tにおける凝固殻6の形状を予測する。そして、この凝固殻6の形状から、その時刻tにおける凝固殻6の形状に応じた中子4の拘束条件を決定するとともに、その時刻tにおける中子4の周りの凝固殻6の形状を決定する(ステップS5)。
ここで、ある個所において溶湯が凝固殻6になったか否かは、鋳物(溶湯を含む)の固相率に基づいて決定している。本実施形態では、溶湯の固相率が70%以上になると凝固殻6になったと判断しているが、この値はユーザが任意に設定してよい。なお、溶湯の温度に基づいて、溶湯が凝固殻6になったか否かを決定してもよい。
図1に示すように、鋳造初期において、中子4の変形が拘束される範囲は、巾木5が位置するx1からx2の範囲、および、x3からX4の範囲である。図2に示すように、溶湯の凝固進行中において、中子4の変形が拘束される範囲は、上記範囲に加えて、中子4と主型1とに跨がって成長した凝固殻6が位置するx2からxn1の範囲、および、xn2からX3の範囲である。また、図2に示すように、結合部7が生じた場合には、中子4の変形が拘束される範囲は、上記範囲に加えて、結合部7が位置するxm1からxm2の範囲である。
ここで、中子4と主型1とに跨がって成長した凝固殻6が位置する範囲の初期位置は、時刻t−Δtにおける位置とする。結合部7が位置する範囲の初期位置についても同様である。Δtについては後述する。
ステップS5と並行して、変形解析ソフト(シムリア社製の有限要素法の計算ソフト「ABAQUS」など)を用いて、ある時刻tにおける中子の変形量を計算するに当たり、変形計算に使用する入力データを、変形解析ソフトに入力する(ステップS6)。
ここで、入力データとして、中子4の材料である鋳砂の強度特性、凝固殻6の強度特性、および、芯金の強度特性を用いる。
中子4の変形計算には、中子4の材料である鋳砂の歪みと応力との関係、および、鋳砂の線膨張率が必要である。そこで、鋳砂からなる直径30mm、長さ30mmの試験片を用いて圧縮試験を実施し、鋳砂の歪みと応力との関係を求めた。その結果を図4に示す。また、鋳砂の温度と線膨張率との関係を図5に示す。
また、中子4の変形計算には、凝固して凝固殻6となる液体金属の強度データが必要である。球状黒鉛鋳鉄の温度と膨張率との関係を図6に示す。また、球状黒鉛鋳鉄の歪みと応力との関係を図7に示す。
また、中子4の変形計算には、中子4に用いられている芯金を形成する材料の各温度における応力と歪みとの関係や、クリープ特性、変態塑性データ、線膨張率が必要である。2種類の芯金(SCMV4、SCM22)の温度とヤング率との関係を図8に示す。また、鋳造開始からの経過時間と芯金の温度との関係を図9に示す。
次に、変形解析ソフトを用いて、変形計算を行う(ステップS7)。この変形計算には、ステップS4で出力された、ある時刻tにおける砂型(主型1および中子4)の温度分布と、ステップS5で決定された、その時刻tにおける中子4の拘束条件、および、その時刻tにおける中子4の周りの凝固殻6の形状と、ステップS6で入力された各種強度特性と、を用いる。この計算により、溶湯から受ける浮力を外力として、ある時刻tにおける中子4の変形量を計算する。具体的には、図1,2に示すx軸に沿って、中子4の一端部から他端部までのz軸方向(垂直方向)の変位を記録する。なお、変形量の計算手法は、有限要素法に限定されず、差分法などでもよい。
鋳造開始時(時刻t=0)では、図1に示すように、中子4は巾木5が位置する範囲(x1からx2の範囲、および、x3からX4の範囲)で拘束される。よって、これらの範囲を拘束した境界条件で変形計算を行う。
そして、ある時刻tにおける変形計算の結果を出力する(ステップS8)。具体的には、ある時刻tにおける中子4の形状を出力する。その時刻tにおける中子4の形状から、その時刻tにおける、中子4のx軸方向におけるたわみ分布、および、たわみの最大値Umaxが求まる。
次に、中子4の変形が完了したか否かを判定する(ステップS9)。鋳造中の中子4の変形は凝固完了で停止することから、時刻tが凝固完了時刻になったときに、中子4の変形が完了したと判定する。なお、たわみの最大値Umaxが閾値Us以下になったときに、中子4の変形が完了したと判定してもよい。閾値Usは、この時刻tで計算を打ち切っても精度上問題にならない、たわみの値であり、本実施形態では0.1mmである。
ステップS9において、中子4の変形が完了していないと判定した場合(ステップS9:NO)、時刻tをΔtだけ進めて(ステップS10)、ステップS4に戻る。ステップS4では、時刻t+Δtにおける流動・伝熱・凝固計算の結果を出力する。ステップS7では、時刻t+Δtにおける中子4の変形量を計算する。本実施形態において、Δtは500秒であるが、これに限定されない。Δtの値が小さいほど、計算精度が向上する。
中子4の拘束条件は、凝固殻6の成長に応じて刻々変化し、中子4の変形量は、中子4の拘束条件に応じて刻々変化する。よって、刻々と成長する凝固殻6の形状に応じた中子4の拘束条件を考慮して、中子4の変形量を予測する。
溶湯の凝固進行中(時刻t=t+Δt)では、図2に示すように、中子4は巾木5が位置する範囲(x1からx2の範囲、および、x3からX4の範囲)、および、中子4と主型1とに跨がって成長した凝固殻6が位置する範囲(x2からxn1の範囲、および、xn2からX3の範囲)で拘束される。よって、これらの範囲を拘束した境界条件で変形計算を行う。その際、x2からxn1の範囲、および、xn2からX3の範囲については、時刻tをΔt進める前の時刻における変形計算で得られた、凝固殻6が位置する範囲を初期位置として拘束し、境界条件として用いる。
また、溶湯の凝固がさらに進行し、結合部7が生じると、図2に示すように、中子4はさらに、結合部7が位置する範囲(xm1からxm2の範囲)で拘束される。よって、これらの範囲を拘束した境界条件で変形計算を行う。その際、xm1からxm2の範囲については、時刻tをΔt進める前の時刻における変形計算で得られた、結合部7が位置する範囲を初期位置として拘束し、境界条件として用いる。
そして、ステップS9において、中子4の変形が完了したと判定するまで、ステップS4〜S10を繰り返す。
ここで、ステップS5において決定した、中子4の周りで成長した凝固殻6の、その時刻tにおける形状を用いるとともに、ステップS6で入力した凝固殻6の強度特性のうち、その時刻tにおける凝固殻6の高温強度特性を用いて、ステップS7でその時刻tにおける中子4の変形量を計算している。中子4の周りで成長した凝固殻6によって中子4の剛性が向上する。よって、中子4の剛性向上への凝固殻6からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
また、ステップS6で入力した鋳砂の強度特性のうち、その時刻tにおける鋳砂の高温強度特性を用いて、ステップS7でその時刻tにおける中子4の変形量を計算している。中子4の剛性向上への鋳砂からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
また、ステップS6で入力した芯金の強度特性のうち、その時刻tにおける芯金の高温強度特性を用いて、ステップS7でその時刻tにおける中子4の変形量を計算している。中子4の剛性向上への芯金からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
なお、中子4の材料である鋳砂や、中子4の周りで成長した高温の凝固殻6からの、中子4の剛性向上への寄与が小さく、芯金の剛性だけで中子4の変形量がほぼ決まる場合、即ち、中子4を形成する鋳砂の部分や、中子4の周りで成長した凝固殻6を無視しても、中子4の剛性がほとんど変わらない場合には、ステップS7において、芯金の高温強度特性のみを用いて変形量を計算すればよい。逆に、中子4に芯金を用いない場合には、鋳砂や凝固殻6からの中子4の剛性向上への寄与を考慮して、中子4の変形量を計算すればよい。
ステップS9において、中子4の変形が完了したと判定した場合(ステップS9:YES)、偏肉対策を行う(ステップS11)。例えば、中子4の最終形状をもとに、中子4の初期形状を決める。具体的には、中子4の最終形状を上下反転させた形状を中子4の初期形状とする。また、鋳造条件を変更してステップS1〜S10を行い、中子4のたわみ変形が少ない鋳造条件を導き出す。例えば、注湯温度や注湯速度、押し湯などの鋳造条件を変更することで、凝固殻6の成長状態を変える。これら対策により、偏肉が少ない鋳物を鋳造することができる。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る中子の変形量予測方法によると、まず、第1ステップとして、砂型(主型1および中子4)の温度分布を、鋳造の開始から終了にわたって予測する。次に、第2ステップとして、ある時刻における凝固殻6の形状を予測する。そして、第3ステップとして、ある時刻における凝固殻6の形状に応じた中子4の拘束条件と、その時刻における砂型の温度分布とを用いて、その時刻における中子4の変形量を予測する。中子4の拘束条件は、凝固殻6の成長に応じて刻々変化し、中子4の変形量は、中子4の拘束条件に応じて刻々変化する。よって、刻々と成長する凝固殻6の形状に応じた中子4の拘束条件を考慮して、中子4の変形量を予測する。そして、中子4の変形が完了するまで、時刻を進めながら第2ステップと第3ステップとを繰り返す。これにより、中子4の最終形状を予測することができるので、これをもとに偏肉対策を行うことで、偏肉が少ない鋳物を鋳造することができる。
また、第3ステップにおいて、ある時刻における中子4の変形量を予測する際に、中子4の周りで成長した凝固殻6の、その時刻における形状、および、その時刻における凝固殻6の高温強度特性を用いる。中子4の周りで成長した凝固殻6によって中子4の剛性が向上する。よって、中子4の剛性向上への凝固殻6からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
また、第3ステップにおいて、ある時刻における中子4の変形量を予測する際に、その時刻における鋳砂の高温強度特性を用いる。中子4の剛性向上への鋳砂からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
また、第3ステップにおいて、ある時刻における中子4の変形量を予測する際に、その時刻における芯金の高温強度特性を用いる。中子4の剛性向上への芯金からの寄与を考慮した変形計算を行うことで、中子4の変形量の予測精度を向上させることができる。
また、第2ステップにおいて、ある時刻における凝固殻6の形状を予測する際に、その時刻における溶湯の固相率を用いる。これにより、凝固殻6の形状を好適に予測することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 主型
1a 上型
1b 下型
3 空洞
4 中子
5 巾木
6 凝固殻
7 結合部
10 鋳造装置
21 上型
22 下型
23 空洞
24 中子
25 巾木

Claims (5)

  1. 少なくとも一箇所で開口する内部空洞を有する鋳物を、砂型である主型および中子を用いて鋳造する際に、溶湯から浮力を受けて変形する前記中子の変形量を予測する、中子の変形量予測方法であって、
    前記砂型の温度分布を、鋳造の開始から終了にわたって予測する第1ステップと、
    鋳造中に前記溶湯が前記砂型の周りで凝固することで生成されて、時間経過とともに成長する凝固殻の、ある時刻における形状を、その時刻における前記第1ステップの結果を用いて予測する第2ステップと、
    ある時刻における前記凝固殻の形状に応じた前記中子の拘束条件と、その時刻における前記砂型の温度分布とを用いて、その時刻における前記中子の変形量を予測する第3ステップと、
    を有し、
    前記中子の変形が完了するまで、前記時刻を進めながら前記第2ステップと前記第3ステップとを繰り返すことを特徴とする中子の変形量予測方法。
  2. 前記第3ステップにおいて、前記中子の周りで成長した前記凝固殻の、その時刻における形状、および、その時刻における前記凝固殻の高温強度特性を用いて、その時刻における前記中子の変形量を予測することを特徴とする請求項1に記載の中子の変形量予測方法。
  3. 前記第3ステップにおいて、前記砂型の材料である鋳砂の、その時刻における高温強度特性を用いて、その時刻における前記中子の変形量を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の中子の変形量予測方法。
  4. 前記第3ステップにおいて、前記中子に用いられている芯金の、その時刻における高温強度特性を用いて、その時刻における前記中子の変形量を予測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中子の変形量予測方法。
  5. 前記第1ステップにおいて、前記溶湯の固相率を、鋳造の開始から終了にわたって予測し、
    前記第2ステップにおいて、ある時刻における前記凝固殻の形状を、その時刻における前記溶湯の固相率を用いて予測することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の中子の変形量予測方法。
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