JP2011242342A - 変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法 - Google Patents

変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】相変態をともなう温度変化中の試験片の変形量を容易に検出し、それに基づいて圧縮の変態塑性係数を同定することができる変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法を提供する。
【解決手段】内部に試験片2を収容し加熱と冷却を行うチャンバー3と、上記試験片に対し曲げ荷重を付与する曲げ荷重付与手段7,9と、上記曲げ荷重が付与されることにより変形する上記試験片の温度、変形量を連続的に測定する熱電対10、レーザー変位計17と、上記連続的に測定された温度、変形量を、予めプログラムされた解析手順にしたがって解析することにより、変態塑性係数を算出するデータ収録・解析装置11とを備えてなることを特徴とする変態塑性係数測定試験装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、相変態を伴う冷却過程における材料の変態塑性ひずみ測定方法に関するものであり、より詳しくは、相変態をともなう冷却時の材料のひずみ挙動と、それに付随して相変態の情報をその場で取得し、材料の変態塑性係数を簡便に同定する変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法に関するものである。
冷却または加熱をともなう製品の変形予測、応力予測技術は、製品管理、製造工程管理上重要な問題である。そのため、冷却または加熱といった温度条件の影響を受ける材料の強度特性については、従来、引張・圧縮試験機等でおこなわれてきた。しかし、相変態温度域の強度特性に関しては、変態にともなって生じる膨張または圧縮のひずみと、変態進行時に外部荷重を受けることによって生じる変態塑性ひずみの分離が困難であった。一方、以上のような従来技術の欠点を解消し、簡便な方法で、しかも相変態時の膨張または圧縮のひずみを無視しうる変態塑性ひずみ推定方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記推定方法は、冷却中または加熱中の鋼材供試片に曲げ荷重を与えたときのたわみ量を測定し、温度とたわみ量の関係を示すたわみ曲線に基づいて変態塑性ひずみを求めるものである。
また、試験片の変形量を逐次測定することで、任意の冷却速度における変態塑性係数を同定する方法も知られている(非特許文献1参照)。
しかしながら、これら同定方法・装置では、非特許文献2に示されているような、引張応力下と圧縮応力下で、変態塑性係数が異なる材料の同定手段とはなりえなかった。
引張応力下と圧縮応力下で、変態塑性係数が異なる場合の変態塑性係数は、一般的には以下のように実施される。
引張応力下における変態塑性係数は、高温引張試験機やクリープ試験機を用い、短軸の一定引張応力下で温度を変化させながら、つまり相変態を進行させながら歪を測定することで行う。横軸に応力、縦軸に歪をとり、15.4%Ni合金の応力と歪の関係を示した図8に示すグラフT3の傾きから変態塑性係数を求めることが多い(非特許文献3参照)。
詳しくは、T1は変形を伴わない場合の応力−歪特性を示したグラフ、T2は変形を伴う場合の応力−歪特性を示したグラフであり、T3は両グラフの差から求められたグラフT3を示している。
一方、圧縮応力下における変態塑性係数は、圧縮試験機やグリーブル試験機により、短軸の一定圧縮応力下での歪測定結果から求める。
特開2002−202233号公報
堤ら著,M&M2007材料力学カンファレンス,Vol.2007,P.No.538(2007) M.Dalgic et.al.,1stInternational Conference on Distortion Engineering,pp.347-356(2005) Kot and Weiss,Metall.Trans.,vol.1,pp.2685-2693(1970)
しかしながら、従来の変態塑性ひずみ推定方法では、引張、圧縮それぞれについて異なる試験が必要であって、変態塑性係数の同定は、非常に煩雑かつ時間がかかるという問題があった。
本発明は以上のような従来の変態塑性ひずみ推定方法における課題を考慮してなされたものであり、相変態をともなう温度変化中の試験片の変形量を容易に検出し、それに基づいて圧縮の変態塑性係数を同定することができる変態塑性係数測定試験装置および変態塑性係数同定方法を提供するものである。
上記課題を解決する本発明は、曲げ荷重が負荷された試験片の冷却過程における変形挙動と、それに付随して相変態に関する情報を取得し、材料の変態塑性係数を同定するものである。
そのための本発明の変態塑性係数測定試験装置は、
内部に試験片を収容し加熱と冷却を行うチャンバーと、
上記試験片に対し曲げ荷重を付与する曲げ荷重付与手段と、
上記曲げ荷重が付与されることにより変形する上記試験片の温度、変形量を連続的に測定する測定手段と、
上記連続的に測定された温度、変形量を、予めプログラムされた解析手順にしたがって解析することにより、変態塑性係数を算出する変態塑性係数算出手段とを備えてなることを要旨とする。
本発明の変態塑性係数測定試験装置において、上記曲げ荷重付与手段として、3点曲げにおける上記試験片の支点間中央に所望のタイミングで錘を垂下させる機構を備えることが好ましい。
また、上記試験片の温度を測定する熱電対を有し、上記変形量を測定するレーザー変位計を有することが好ましい。
本発明の変態塑性係数同定方法は、加熱と急冷を行うチャンバー内に試験片を取り付け、上記試験片を加熱した後に冷却し、冷却進行中の試験片の変形量を逐次測定し、その変形量から変態塑性係数を同定する変態塑性係数同定方法において、
上記試験片に対し曲げの一定荷重を付与し、
この状態で上記試験片を冷却し、
上記試験片の温度と変形量を測定し、
曲げ試験を実施して上記試験片の温度と変形量を連続的に測定し、測定データを、予めプログラムされた解析手順にしたがって処理することにより、圧縮の変態塑性係数を同定することを要旨とする。
なお、本発明において温度と変形量を連続的に測定するとは、若干の時間をおいて継続的に測定する場合も含まれる。
本発明によれば、負荷を加える試験を実施して温度とたわみの記録を行い、測定データを演算装置で処理することで、圧縮の変態塑性係数を簡便に同定することが可能となる。
本発明に係る試験装置の構成を示すブロック図である。 試験片をはり断面に想定した場合の応力分布と歪分布を示す説明図である。 試験片における温度とたわみの関係を示すグラフである。 データ収録・解析装置の計算手順を示したフローチャートである。 図1の熱電対による温度実測値を示すグラフである。 相変態温度域におけるたわみ曲線を示すグラフである。 計算装置により求めた変態塑性係数を示すグラフである。 従来の変態塑性係数を求めるための応力と歪の関係を示すグラフである。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る変態塑性係数測定試験装置の構成を示すブロック図である。
同図において、変態塑性係数測定試験装置(以下、試験装置と略称する)1は試験片2を収容して加熱と急冷を行うチャンバー3を有し、加熱用の高周波加熱コイル4が備えられている。
試験片2は、高周波加熱、抵抗加熱または炉によって加熱または冷却速度が制御されるが、本実施形態では高周波加熱コイル4により温度制御する場合を示している。
試験装置1は、試験片2に対し、冷却中の相変態開始前の任意のタイミングで曲げ荷重を付与することができるように構成されている。
具体的には、棒状の試験片2はその両方端部が支点5,5で支持されており、支点間中央の位置からは耐熱紐製などからなるワイヤ6を介して錘7が吊りされ、3点曲げ負荷による曲げ試験を行うことができるようになっている。
加熱中など、試験片2に負荷を与えないときは、錘7を架台8上に載せて置き、荷重を付与するタイミングでクロスヘッド9を上昇(矢印A方向)させることで、任意の温度で負荷の付与を開始できるようになっている。
上記錘7、架台8およびクロスヘッド9は荷重付与手段として機能する。
試験片2の温度も逐次測定される。本実施形態では、熱電対10を用いて直接、試験片2の温度を測定し、測定結果はデータ収録・解析装置11に順次格納される。
また、試験装置1は、冷却時における試験片2の変形量を逐次測定することができるように構成されている。
12は不活性ガス等の冷却ガスを蓄えるタンク、13はチャンバー3とタンク12とを接続する冷却ガス供給管、14は冷却ガス供給管を開閉するバルブである。
本実施形態では、試験片2中央のたわみ変形を、ミラー15、のぞき窓16を介してレーザー変位計17で測定し、変形量測定結果は、変態塑性係数算出手段としてのデータ収録・解析装置11に順次収納され、データ収録・解析装置11は、上記熱電対10によって測定された温度データと合わせてたわみの曲率−温度曲線に換算するようになっている。
上記熱電対10およびレーザー変位計17は測定手段として機能する。
冷却または加熱途中において相変態を生じる場合、たわみ曲線上にたわみの急激な変化が現れるため、その変化に基づいて相変態の発生温度、終了温度を的確に検出することができる。
また、測定しているたわみは、相変態にともなう膨張または収縮ひずみの影響を無視できるため、積載荷重が異なるたわみ曲線を比較すれば、変態塑性ひずみ量を算出することが可能となる。
一方、予め測定した対象材料のCCT試験結果またはTTT試験結果をデータ収録・解析装置11にデータとして与えることで、例えば(式2)を用いて、測定温度および経過時間から組織の体積分率が求められる。
ただし、ξIJは、組織IからJへの相変態における組織Jの体積分率とする。
ξIJは、温度Tと時間tで決まるものであり(式1参照)、冷却速度一定の条件で温度と時間との関係を求めた「CCT線図」や、温度一定の条件で温度と時間との関係を求めた「TTT線図」を用いて定式化する。例えば、マルテンサイト拡散型変態の場合、mageeの式(式2)が多く用いられる。
なお、応力との相関もあるが、影響が小さい場合は無視できるため、(式2)、(式3)では応力の項を省略している。勿論、解析者が独自の構成式を用いることもできる。
Figure 2011242342
Figure 2011242342
ここで、Msは変態開始温度、Aは係数。Ms,AはCCTまたはTTT線図を用いて決める。
変態塑性ひずみは、組織Jの体積分率とその変化率、応力の関数(式3)であることから、例えば(式4)を用いて定義する。
Figure 2011242342
Figure 2011242342
ここで、Kは変態塑性係数と呼ばれる。また、nは材料ごとに決まる定数であり、通常は“1”が用いられる。
前述したとおり、変態塑性係数Kは、応力σが正、つまり引張のときの値Ktと、応力σが負、すなわち圧縮のときの値Kcとで異なる場合がある。その場合、1つの荷重条件だけでは、変態塑性ひずみを考慮した運動方程式(式5)をデータ収録・解析装置11に組み込み有限要素法または差分法プログラムを用いて解いたとしても、変態塑性ひずみを同定することはできない。
Figure 2011242342
ここで、εは全歪、εe、εp、εc、εT、εtrはそれぞれ、弾性歪、塑性歪、クリープ歪、熱歪、変態塑性歪である(ドットは、時間微分)。
しかしながら、梁理論を用いれば、ある温度における梁の曲率または撓みから、引張時の変態塑性係数Ktと圧縮時の変態塑性係数Kcを同時に求めることができることを見出した。
分かりやすく説明するため、低荷重下で無視できる塑性歪とクリープ歪を排除し、(式6)が成立する場合について説明する(ある温度における解析であり、熱歪はゼロである)。
Figure 2011242342
曲げを受ける梁の凹面側は圧縮され、凸面側は引っ張られる。
梁の横断面は変形(曲げ)後も平面であり、かつ中立軸に垂直であるという「Bernoulliの仮定」に従い、かつ(式4)においてn=1であると仮定すると、梁断面の応力分布と歪分布は、図2に示すようになる。ただし、Pは荷重、hは梁の板厚、bは梁の幅、Mは横断面に作用する曲げモーメントである。
全歪εは、(式7)であらわすことができる。ここでE′は、みかけの縦弾性係数である。
Figure 2011242342
上式のE′を、応力σが正(引張)のときEt、応力σが負(圧縮)のときEcで表す。変態塑性係数Kが、引張負荷時と圧縮負荷時で異なる場合、EtとEcは異なり、図2に示したように、中立軸が板厚中心からずれる。
このずれ量をe、中立軸の曲率半径をρとするとき、板厚中心軸からの距離y(上向き正)位置の歪εは、(式8)で表すことができる。
Figure 2011242342
(式8)より、引張側に発生する応力σtおよび圧縮側に発生する応力σcは、それぞれ(式9)、(式10)で表すことができる。
ここで、EtおよびEcは、(式7)で定義したみかけの縦弾性係数であり、Etは引張応力下、Ecは圧縮応力下の値である。
Figure 2011242342
Figure 2011242342
ここで、軸方向に作用する外力が無いことに着目すると、断面内に働く応力の総和は、ゼロでなければならず、(式11)が成立する。
Figure 2011242342
一方、3点曲げの場合、梁の長手方向中央(荷重を積荷する位置)での曲げモーメントMは、積荷する荷重Pと支点間距離Lから(式12)で表すことができる。中立軸周りの曲げモーメントは、その断面に働くその曲げモーメントMに等しいことから、(式13)が成立する。
Figure 2011242342
Figure 2011242342
(式8)〜(式13)、h=h/2+eの関係を用いると、(式11)、(式13)はそれぞれ(式14)、(式15)となる。
Figure 2011242342
Figure 2011242342
さらに、(式15)に(式14)を代入すると(式16)が導かれる。
Figure 2011242342
実験条件でP、L、b、hが決まる。また、Etが既知の場合、それぞれを(式16)に代入することで、着目した温度Tnにおいて測定した曲率半径(たわみから求まる)ρnから、そのときのh(h1nとする)を求めることができる。
このh1nを(式14)に代入することでEcを求めることができる。このとき、圧縮負荷時の変態塑性係数Kcは(式17)から求めることができる。
Figure 2011242342
ここで、Enは、温度Tnのときの縦弾性係数、ξnは温度Tnのときの新相(マルテンサイト変態の場合はマルテンサイト組織)の体積分率を表す。
図1に示した試験装置1を用いて載荷重Pの実験を実施し、図3に示すような温度とたわみxのデータを得ることができる。
その測定結果と、別途、引張試験などによって求めた変態塑性係数Ktをデータ収録・解析装置11に格納し、各温度・時間における圧縮負荷時の変態塑性係数Kcを以下のように同定することができる。
Figure 2011242342
このEtと、測定したたわみ量から求めた曲率ρnを、(式16)に代入してhを求める。さらに(式14)を用いてEcが求まる。
このEcを(式17)に代入することによって、その温度における変態塑性係数Kcを同定することができる。
以上の計算手順を図4のフローチャートに示す。
既知である応力−歪特性(縦弾性係数)、相変態特性データ、試験条件データおよび引張下での変態塑性係数Kt(またはKc)をそれぞれ入力データとして、予めデータ収録・解析装置11に与えておく(ステップS1)。
なお、上記相変態特性データとは、CCT線図やTTT線図を用いて温度毎の体積分率を求めるためのデータである。上記試験条件データとは、梁の板厚h、幅b、支点間距離L、試験片に載荷する荷重P1が示される。
温度T+ΔTを温度Tに設定する(ステップS2)。
ある温度Tの体積分率は、上記CCT線図やTTT線図を参照することによって求めることができ、求められた体積分率に基づいて変態開始温度Ms、係数Aが決まるため、これらの値を(式2)に代入して体積分率ξを算出する(ステップS5)。
体積分率ξを算出するにあたり、荷重P1による試験を別途行うことによって各記録時間における温度Tとたわみxのデータがデータ収録・解析装置11に格納されており、上記計算手順とは別に、温度Tとたわみxのデータから温度Tにおける曲率半径ρを計算する(ステップS3→S4)。
事前に入力された変態塑性係数Ktと上記ステップS5によって求められた体積分率ξを用いて縦弾性係数Etを求める。
このEtは、ステップS6における、圧縮応力下の縦弾性係数Ecの算出に使用される。
Ecの算出は(式16)で求められたE を(式14)に代入することにより、求めることができる。
このようにして求められたEcを(式17)に代入することにより、圧縮負荷時の変態塑性係数Kc(またはKt)を算出することができる(ステップS7)。
次いで、変態終了温度以下であるかどうかを判断し(ステップS8)、noであれば、ステップS2に戻り、温度T+ΔTを温度Tに設定し、上記した計算手順を繰り返す。
ステップS8においてyes、すなわち、変態終了温度以下になれば計算を終了する。
析出硬化型ステンレス鋼(JIS SUS630)について試験を実施した。
試験片形状は5w×3t×70mmの角棒とし、支点間距離58.5mmの3点曲げ試験用台座に設置した。なお、支点には、外径φ10mmの碍子管を用いた。
錘は、支点間中央の位置にフック状の冶具で載荷するが、載荷を開始するまでは台座上に載せ、試験片に荷重がかからないようにしている。
試験片は、アルゴン雰囲気の高周波加熱炉内で加熱(1050℃、10分保持)され、全断面オーステナイト化したあとに冷却した。試験片温度はφ1.6mmのR熱電対を用いて測定し、測定点の温度が、予め設定された温度制御パターンに一致するように高周波加熱コイルの電力を制御した。
熱電対による温度実測値を図5に示す。
試験片中央のたわみ変形は反射型レーザー変位計で測定した。荷重は、相変態開始前に与える。
変態開始温度約120℃の材料を対象とした本実験の場合、荷重は500℃まで冷却し、その温度で保持した後に、錘を吊り上げた。
図6は、荷重2,500gのたわみ曲線である。
一方、引張試験結果からKt=8.6×10−5(MPa−1)が得られている。
測定データは、図4に示したフローチャートの計算条件として用いられ、図7のような変態塑性係数のデータが得られた。
変態温度範囲中の平均値を用いて変態塑性係数Kc=6.0×10−5(MPa−1)と同定した。
図7は、計算装置によって求めた、たわみとKcとの関係を示す図である。実測した値からKc=6.0×10−5(MPa−1)を得ることができた。
なお、この演算手法として差分または有限要素法を用いることで、断面形状の異なる(矩形でない)梁試験片についても、変態塑性係数を同定することができる。
なお、上記実施例ではステンレス鋼を使用したが、試験片は上記ステンレス鋼に限らず、Mn鋼、Ni鋼、その他の合金鋼についても試験対象とすることができる。
1 試験装置
2 試験片
3 チャンバー
4 高周波加熱コイル
5 支点
6 ワイヤ
7 錘
8 架台
9 クロスヘッド
10 熱電対
11 データ収録・解析装置
12 タンク
13 冷却ガス供給管
14 バルブ
15 ミラー
16 のぞき窓
17 レーザー変位計

Claims (5)

  1. 内部に試験片を収容し加熱と冷却を行うチャンバーと、
    上記試験片に対し曲げ荷重を付与する曲げ荷重付与手段と、
    上記曲げ荷重が付与されることにより変形する上記試験片の温度、変形量を連続的に測定する測定手段と、
    上記連続的に測定された温度、変形量を、予めプログラムされた解析手順にしたがって解析することにより、変態塑性係数を算出する変態塑性係数算出手段とを備えてなることを特徴とする変態塑性係数測定試験装置。
  2. 上記曲げ荷重付与手段として、3点曲げにおける上記試験片の支点間中央に所望のタイミングで錘を垂下させる機構を有する請求項1記載の変態塑性係数測定試験装置。
  3. 上記試験片の温度を測定する熱電対を有し、上記変形量を測定するレーザー変位計を有する請求項1または2に記載の変態塑性係数測定試験装置。
  4. 加熱と冷却を行うチャンバー内に試験片を取り付け、上記試験片を加熱した後に冷却し、冷却進行中の試験片の変形量を逐次測定し、その変形量から変態塑性係数を同定する変態塑性係数同定方法において、
    上記試験片に対し曲げの一定荷重を付与し、
    この状態で上記試験片を冷却し、
    上記試験片の温度と変形量を測定し、
    曲げ試験を実施して上記試験片の温度と変形量を連続的に測定し、測定データを、予めプログラムされた解析手順にしたがって処理することにより、圧縮の変態塑性係数を同定することを特徴とする変態塑性係数同定方法。
  5. 圧縮の変態塑性係数Kcを下記式1より求め、
    Figure 2011242342
    引張の変態塑性係数Ktを下記式2により求める請求項4に記載の変態塑性係数同定方法。
    Figure 2011242342
    ただし、Enは温度Tnのときの縦弾性係数、ξnは温度Tnのときの体積分率、Ecは圧縮時の縦弾性係数、Etは引張時の縦弾性係数
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