以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置1の外観を示す。図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡2、光源装置3、本体部4、および表示部5を有する。
内視鏡2は、挿入部11、操作部15、およびケーブル16を有する。挿入部11は、細長く、かつ柔軟である。操作部15は挿入部11に接続されている。ケーブル16は操作部15に接続されている。
操作部15に接続されたケーブル16の先端はコネクタ17に接続されている。コネクタ17は、光源装置3に装着される。ケーブル16に加えてケーブル18がコネクタ17に接続されている。ケーブル18はコネクタ19に接続されている。コネクタ19は、本体部4に装着される。
内視鏡2の挿入部11は、先端部12、湾曲部13、および基端部14を有する。先端部12は、挿入部11の先端に配置されている。基端部14は、挿入部11の基端に配置されている。光学アダプタ2Aが先端部12に装着される。先端部12に対する光学アダプタ2Aの装着と先端部12からの光学アダプタ2Aの取り外しとが可能である。湾曲部13は、先端部12および基端部14の間に配置されている。湾曲部13は、柔軟であり、かつ自由に湾曲することができる。ユーザーは、操作部15に配置された湾曲ノブ20を操作することにより、湾曲部13を湾曲させることができる。基端部14は、操作部15に接続されている。挿入部11から出力された撮像信号は、ケーブル16により本体部4に伝送される。
光源装置3は、照明光を生成する。光源装置3により生成された照明光は、ケーブル16と、挿入部11の内部に配置されたライトガイドとにより挿入部11の先端部12に伝送される。本体部4は、操作部4aを有する。ユーザーは、操作部4aを操作することにより、各種の指示を入力することができる。本体部4は、挿入部11から出力された撮像信号に基づく画像信号を表示部5に出力する。表示部5は、画像信号に基づいて画像を表示する。
図2は、内視鏡装置1の構成を示す。図2において、表示部5、操作部15、およびケーブル16等は省略されている。
内視鏡装置1の概略構成を説明する。内視鏡装置1は、光源10、挿入部11、および信号源41を有する。図1に示すように挿入部11は、先端部12および基端部14を有する。信号源41は、挿入部11の外に配置されている。信号源41は、挿入部11の先端部12および基端部14を通る信号線51に制御信号を出力する。先端部12は、撮像素子28、第1の撮像光学系71、第2の撮像光学系72、第1のアクチュエータ30a、および第2のアクチュエータ30bを有する。第1の撮像光学系71、および第2の撮像光学系72は、被写体OB1と撮像素子28との間に配置された少なくとも1つの光学部材を有する。信号線51に出力された制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される。信号線51に出力された制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加される。第1の光学部材は、内視鏡装置1の光学系に含まれる複数の光学部材のいずれか1つである。内視鏡装置1の光学系は、第1の撮像光学系71および第2の撮像光学系72である。内視鏡装置1の光学系は、図2に示されていない照明光学系を含んでもよい。第2の光学部材は、内視鏡装置1の光学系に含まれる複数の光学部材のいずれか1つであり、かつ第1の光学部材と異なる。
所定値未満の波高値を持つ第1の制御信号あるいは所定値以上の波高値を持つ第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aは第1の光学部材を移動させる。第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたときのみ、第2のアクチュエータ30bは第2の光学部材を移動させる。信号源41は、第1の期間において、信号線51を介して、第2の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。信号源41は、第1の期間よりも後の第2の期間において、信号線51を介して、第1の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。
具体的には、第1の値以上かつ第2の値未満の第1の波高値を持つ第1の制御信号あるいは第2の値以上の第2の波高値を持つ第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときのみ、第1のアクチュエータ30aは第1の光学部材を移動させる。第2の値は、第1の値よりも大きい。第2の波高値を持つ第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたときのみ、第2のアクチュエータ30bは第2の光学部材を移動させる。信号源41は、第1の期間において、信号線51を介して、第2の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。信号源41は、第1の期間よりも後の第2の期間において、信号線51を介して、第1の波高値を持つ第1の制御信号を第1のアクチュエータ30aに印加し、かつ第1の波高値を持つまたは第1の波高値よりも小さな第3の波高値を持つ第1の制御信号を第2のアクチュエータ30bに印加する。
内視鏡装置1の詳細な構成を説明する。挿入部11は、光学系21から光学系26、撮像素子28、第1のアクチュエータ30a、および第2のアクチュエータ30bを有する。これらの構成は、挿入部11の先端部12に配置されている。光学系21から光学系26、第1のアクチュエータ30a、および第2のアクチュエータ30bは、撮像素子28の光学的前方に配置されている。本体部4は挿入部11の基端部14側に配置されている。
光学系21から光学系26は、被写体OB1と撮像素子28との間に配置されている。被写体OB1は、挿入部11の先端部12から挿入部11の光学的前方に離れている。光学系24、光学系25、および光学系26は、第1のアクチュエータ30aと第2のアクチュエータ30bとの間に配置されている。光学系24、光学系25、および光学系26は、第2の撮像光学系72の光学部材である。第2のアクチュエータ30bのシャッターも第2の撮像光学系72の光学部材である。
光学系21、光学系22、および光学系23は、第1のアクチュエータ30aと撮像素子28との間に配置されている。光学系21、光学系22、および光学系23は、第1の撮像光学系71の光学部材である。第1のアクチュエータ30aのシャッターも第1の撮像光学系71の光学部材である。例えば、光学系21から光学系26はレンズである。光学系21から光学系26は、被写体OB1の光学像を撮像素子28の受光面に形成する。
第1のアクチュエータ30aは、第1の開口OP1および第2の開口OP2を有する。第1のアクチュエータ30aの内部に配置されたシャッターは、第1の開口OP1および第2の開口OP2のいずれか1つを覆う。光は、シャッターにより覆われた開口を通過できない。つまり、被写体OB1からの光は、第1の開口OP1および第2の開口OP2のいずれか1つのみを通過する。
第2のアクチュエータ30bは、第3の開口OP3および第4の開口OP4を有する。第2のアクチュエータ30bの内部に配置されたシャッターは、第3の開口OP3および第4の開口OP4のいずれか1つを覆う。光は、シャッターにより覆われた開口を通過できない。つまり、被写体OB1からの光は、第3の開口OP3および第4の開口OP4のいずれか1つのみを通過する。
光学系24は、第3の開口OP3に対応する位置に配置されている。第3の開口OP3を通過した光は光学系24に入射する。光学系25は、第4の開口OP4に対応する位置に配置されている。第4の開口OP4を通過した光は光学系25に入射する。光学系24または光学系25を通過した光は光学系26に入射する。光学系26を通過した光は第1の開口OP1および第2の開口OP2に到達する。図2に示す例では、第4の開口OP4が遮光され、かつ第3の開口OP3が露光された状態が示されている。
光学系21は、第1の開口OP1に対応する位置に配置されている。第1の開口OP1を通過した光は光学系21に入射する。光学系22は、第2の開口OP2に対応する位置に配置されている。第2の開口OP2を通過した光は光学系22に入射する。光学系21または光学系22を通過した光は光学系23に入射する。光学系23を通過した光は撮像素子28に入射する。撮像素子28は、イメージセンサーである。撮像素子28は、入射光に応じた撮像信号を生成する。図2に示す例では、第1の開口OP1が遮光され、かつ第2の開口OP2が露光された状態が示されている。
光源10が本体部4に接続されている。光源10は、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)等の発光素子である。光源10は、図1に示す光源装置3に含まれる。光源10は、被写体OB1に照射される照明光を生成する。
本体部4は、制御部29および操作部4aを有する。制御部29は、信号源41および制御回路42(コントローラ)を有する。信号源41は、電流源または電圧源である。信号源41は、制御信号を生成する。信号源41は、生成された制御信号を信号線51に出力する。
制御回路42は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されている。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field−Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。制御回路42は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御回路42は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
制御回路42は、光源10、信号源41、および撮像素子28を制御する。撮像素子28は、信号線54により制御回路42に電気的に接続されている。撮像素子28は、撮像信号を信号線54に出力する。信号線54は、撮像素子28から出力された撮像信号を制御回路42に転送する。
信号源41は、信号線51および信号線52に電気的に接続されている。信号線51および信号線52は、挿入部11の内部に配置されている。信号線51および信号線52は、挿入部11の先端部12および基端部14を通る。信号線51および信号線52は、挿入部11の基端部14から挿入部11の外に出ている。信号線51は、第1のアクチュエータ30aに電気的に接続されている。信号線52は、第2のアクチュエータ30bに電気的に接続されている。第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、信号線53により電気的に接続されている。したがって、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、互いに直列に接続されている。第1のアクチュエータ30aは、信号線53および第2のアクチュエータ30bを介して信号線52に接続されている。第2のアクチュエータ30bは、信号線53および第1のアクチュエータ30aを介して信号線51に接続されている。
信号源41は、第1の制御信号および第2の制御信号を信号線51に出力することにより、第1の制御信号および第2の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。信号線51により伝送された第1の制御信号および第2の制御信号は、第1のアクチュエータ30aに入力される。第1のアクチュエータ30aに印加された第1の制御信号および第2の制御信号は、信号線53に出力される。信号線53により伝送された第1の制御信号および第2の制御信号は、第2のアクチュエータ30bに入力される。第2のアクチュエータ30bに印加された第1の制御信号および第2の制御信号は、信号線52に出力される。各制御信号の詳細については後述する。
内視鏡装置1のコンピュータが、制御回路42の動作を規定する命令を含むプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。つまり、制御回路42の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。このプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。また、上述したプログラムは、このプログラムが保存された記憶装置等を有するコンピュータから、伝送媒体を介して、あるいは伝送媒体中の伝送波により内視鏡装置1に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように、情報を伝送する機能を有する媒体である。また、上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、前述した機能をコンピュータに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
ユーザーは、本体部4に配置された操作部4aを操作することにより、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの各々のシャッターの位置を指示することができる。つまり、ユーザーは、光学特性の切り替えの指示を入力することができる。ユーザーが操作部4aの操作により指示を入力したとき、その指示は制御回路42に入力される。制御回路42は、その指示に基づいて信号源41を制御する。
図1において、操作部4aは本体部4に配置されている。操作部4aは、有線または無線により光学特性の切り替えの指示を制御部29に送信してもよい。したがって、操作部4aは、リモートコントローラなどとして構成され、かつ本体部4から独立していてもよい。
図2において、第1のアクチュエータ30aが撮像素子28に近い側に配置され、かつ第2のアクチュエータ30bが撮像素子28から遠い側に配置されている。第1のアクチュエータ30aが撮像素子28から遠い側に配置され、かつ第2のアクチュエータ30bが撮像素子28に近い側に配置されてもよい。
図3は、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの等価回路を示す。第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、電磁式アクチュエータである。第1のアクチュエータ30aは、コイルL1および抵抗R1が直列に接続された回路と等価である。第2のアクチュエータ30bは、コイルL2および抵抗R2が直列に接続された回路と等価である。
第1のアクチュエータ30aは、第1の端子T30および第2の端子T31を有する。第2のアクチュエータ30bは、第1の端子T32および第2の端子T33を有する。第1のアクチュエータ30aの第1の端子T30は信号線51に接続され、かつ第1のアクチュエータ30aの第2の端子T31は信号線53に接続されている。第2のアクチュエータ30bの第1の端子T32は信号線52に接続され、かつ第2のアクチュエータ30bの第2の端子T33は信号線53に接続されている。コイルL1および抵抗R1は、第1のアクチュエータ30aの第1の端子T30および第2の端子T31の間で直列に接続されている。コイルL2および抵抗R2は、第2のアクチュエータ30bの第1の端子T32および第2の端子T33の間で直列に接続されている。
コイルL1および抵抗R1は、信号線51に電気的に接続されている。コイルL1および抵抗R1は、信号線53および第2のアクチュエータ30bを介して信号線52に電気的に接続されている。コイルL2および抵抗R2は、信号線52に電気的に接続されている。コイルL2および抵抗R2は、信号線53および第1のアクチュエータ30aを介して信号線51に電気的に接続されている。例えば、抵抗R1および抵抗R2の抵抗値は同じである。
シャッターを駆動するための条件を満たす大きさの電流が、その条件を満たす時間、コイルL1またはコイルL2に流れた場合、シャッターが移動する。シャッターを駆動するためには、その条件が満たされるような電流がコイルL1またはコイルL2に流れる必要がある。しかし、シャッターが定電流により駆動される必要はない。つまり、シャッターを駆動するための条件を満たす電流がコイルL1またはコイルL2に流れる限り、シャッターが定電圧により駆動されてもよい。
図4から図6を参照し、第1のアクチュエータ30aの構成を説明する。第2のアクチュエータ30bは第1のアクチュエータ30aと同様に構成されているため、代表として第1のアクチュエータ30aの構成を説明し、第2のアクチュエータ30bの構成の説明は省略する。説明の便宜のため、第2のアクチュエータ30bの構成が使用される説明では、図4から図6に示す構成が引用される。
図4から図6に示すように、第1のアクチュエータ30aは、絞り板27、保持部材31、マグネットロータ32、回転軸33、シャッター35、ヨーク38、コイル44、およびコイル45を有する。
保持部材31は、光学系21および光学系22の下方において、光学系21および光学系22の近くに配置されている。マグネットロータ32、回転軸33、シャッター35の固定部35b、およびヨーク38が保持部材31の内部に配置されている。
図4から図6に示すように、回転軸33は、保持部材31に対して回転するように保持されている。回転軸33の先端の外周に環状のマグネットロータ32が固定されている。マグネットロータ32は、永久磁石である。マグネットロータ32の一方の半分にN極が形成され、かつマグネットロータ32の他方の半分にS極が形成されている。回転軸33が回転するとき、マグネットロータ32は、回転軸33と一緒に回転する。
シャッター35は、非磁性体であり、かつ薄板状である。シャッター35は、遮光部35aおよび固定部35bを有する。シャッター35の固定部35bは、回転軸33の基端に固定されている。
光学系21および光学系22と、シャッター35の遮光部35aとの間に絞り板27が配置されている。絞り板27は、第1の開口OP1に対応する第1の開口27aと、第2の開口OP2に対応する第2の開口27bとを有する。第1の開口27aが光学系21の端面21aと重なり、かつ第2の開口27bが光学系22の端面22aと重なるように絞り板27が配置されている。
シャッター35は、図5に示す第1の位置から図4に示す第2の位置まで回転することができる。シャッター35が第1の位置にあるとき、遮光部35aは第1の開口27aを覆う。シャッター35が第2の位置にあるとき、遮光部35aは第2の開口27bを覆う。シャッター35が保持部材31のストッパ31bに接したとき、第1の位置が規定される。シャッター35が保持部材31のストッパ31aに接したとき、第2の位置が規定される。
ヨーク38は、強磁性体である。ヨーク38は、挿入方向Sの基端側に位置するU字状の移動部38uを有する。移動部38uは、コイル44の中空部44cおよびコイル45の中空部45cを通過する。ヨーク38は、挿入方向Sの先端側に位置するヨーク38aおよびヨーク38bを有する。ヨーク38aは、マグネットロータ32の外周の一方側を覆う。ヨーク38bは、ヨーク38aに対向し、かつマグネットロータ32の外周の他方側を覆う。
直流電流がコイル44およびコイル45に印加されたとき、ヨーク38aおよびヨーク38bは磁界を発生する。このとき、ヨーク38aおよびヨーク38bは、互いに異なる磁極になる。ヨーク38aがN極になるとき、ヨーク38bはS極になる。ヨーク38aがS極になるとき、ヨーク38bはN極になる。ヨーク38aおよびヨーク38bに発生する磁極の向きは、コイル44およびコイル45に印加される直流電流の向きにより変わる。
例えば、ヨーク38aがN極になり、かつヨーク38bがS極になる。マグネットロータ32のS極がヨーク38a側にあり、かつマグネットロータ32のN極がヨーク38b側にある場合、ヨーク38a(N極)とマグネットロータ32のS極とが引き合い、かつヨーク38b(S極)とマグネットロータ32のN極とが引き合う。これにより、マグネットロータ32および回転軸33は回転する。回転軸33が回転するため、シャッター35は回転する。シャッター35がストッパ31aに接するまでシャッター35は回転する。
例えば、ヨーク38aがN極になり、かつヨーク38bがS極になる。マグネットロータ32のN極がヨーク38a側にあり、かつマグネットロータ32のS極がヨーク38b側にある場合、ヨーク38a(N極)とマグネットロータ32のN極とが反発し合い、かつヨーク38b(S極)とマグネットロータ32のS極とが反発しあう。これにより、マグネットロータ32および回転軸33は回転する。回転軸33が回転するため、シャッター35は回転する。シャッター35がストッパ31bに接するまでシャッター35は回転する。
上記のように、コイル44およびコイル45が発生した磁力により、マグネットロータ32は移動する。つまり、マグネットロータ32は回転する。マグネットロータ32がシャッター35に固定されているため、マグネットロータ32の回転によりシャッター35は移動する。
ヨーク38はコイル44およびコイル45に挿入されている。コイル44およびコイル45の巻線はヨーク38の周囲に巻かれている。コイル44およびコイル45が発生した磁界により、異なる2つの磁極(N極およびS極)がヨーク38に発生する。そのため、ヨーク38は磁力を発生する。ヨーク38が発生した磁力は、マグネットロータ32に作用する。ヨーク38が発生した磁力により、マグネットロータ32は移動する。
回転軸33に固定されたシャッター35の遮光部35aは、第1の位置と第2の位置との間で回転することができる。回転軸33の回転方向は、コイル44およびコイル45に印加される直流電流の向きにより変化する。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の光学部材である。第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第1の撮像光学系71に含まれる。第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第2の光学部材である。第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第2の撮像光学系72に含まれる。
第1のアクチュエータ30aは、制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1の光学部材に作用する磁力を発生する第1のコイルを有する。第1のコイルは、コイル44およびコイル45である。第2のアクチュエータ30bは、制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたときに第2の光学部材に作用する磁力を発生する第2のコイルを有する。第2のコイルは、コイル44およびコイル45である。例えば、第1のコイルの巻き数は第2のコイルの巻き数よりも多い。つまり、図3に示すコイルL1の巻き数は、図3に示すコイルL2の巻き数よりも多い。
同じ波高値の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の駆動力は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の駆動力よりも大きい。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35を移動できる制御信号の波高値よりも小さな波高値を持つ制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときであっても、第1のアクチュエータ30aは、シャッター35の位置を切り替えることができる。
各アクチュエータのシャッター35の位置と、各アクチュエータに印加される制御信号との関係を説明する。まず、制御信号の波高値を定義する。以下では、互いに異なる波高値を持つ第1の制御信号および第2の制御信号が使用される。第1の制御信号の第1の波高値は、所定値未満である。具体的には、第1の制御信号の第1の波高値は、第1の値以上かつ第2の値未満である。第2の値は、第1の値よりも大きい。第2の制御信号の第2の波高値は、所定値以上である。具体的には、第2の制御信号の第2の波高値は、第2の値以上である。したがって、第2の制御信号の第2の波高値は、第1の制御信号の第1の波高値よりも大きい。第2の制御信号の第2の波高値は、信号源41が生成できる制御信号の最大波高値以下である。
制御信号の極性は、+方向および−方向のうちいずれか1つである。制御信号の極性が+方向および−方向のどちらであっても、制御信号の波高値の大きさは正の値で示される。第1の波高値および第2の波高値は、0よりも大きい。
第1の波高値は、第1のアクチュエータ30aがシャッター35の位置を切り替えることができるような波高値である。第1の波高値は、第2のアクチュエータ30bがシャッター35の位置を切り替えることができないような波高値である。第2の波高値は、第1のアクチュエータ30aがシャッター35の位置を切り替えることができ、かつ第2のアクチュエータ30bがシャッター35の位置を切り替えることができるような波高値である。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは互いに直列に接続されている。そのため、信号線51に出力される制御信号と、各アクチュエータに印加される制御信号とは、同じである。
第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aは、第2の開口OP2を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、第1の波高値を持つ−方向の第1の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aは、第1の開口OP1を覆う位置にシャッター35を移動させる。
第2の波高値を持つ+方向の第2の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aは、第2の開口OP2を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aは、第1の開口OP1を覆う位置にシャッター35を移動させる。
第1の波高値を持つ第1の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を切り替えるためには、第1の波高値よりも大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加される必要がある。第2の波高値を持つ+方向の第2の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bは、第4の開口OP4を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bは、第3の開口OP3を覆う位置にシャッター35を移動させる。
第1の実施形態において、内視鏡装置1は4つの光学特性を切り替えることができる。内視鏡装置1は、光学特性を切り替えることにより、撮像光学系内の光路を切り替えることができる。言い換えると、内視鏡装置1は、撮像素子28に入射する光を切り替えることができる。内視鏡装置1が切り替えることができる4つの光学特性は、図34(a)から図34(d)に示す4つの光学特性と同様である。
図7は、内視鏡装置1の動作の手順を示す。図7では、内視鏡装置1の光学特性が第1の光学特性から第3の光学特性に切り替わるときの内視鏡装置1の動作が示されている。図8(a)から図8(c)は、図7に示す動作における光学特性の変化を示す。図8(a)から図8(c)において、光学系21から光学系26は省略されている。
図7に示す処理が実行される前、図8(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第4の開口OP4を覆っている。ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、光学特性の切り替えが実行される。操作部4aは、ユーザーにより入力された指示を制御回路42に出力する。このとき、制御回路42は、第3の光学特性への切り替えの指示を受け付ける(ステップS100)。
ステップS100の後、制御回路42は、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第2の制御信号を生成し、かつ生成された第2の制御信号を信号線51に出力する。これにより、第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS110)。
ステップS110が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35および第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。そのため、図8(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の開口OP1を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第4の光学特性になる。
ステップS110の後、制御回路42は、第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第1の制御信号を生成し、かつ生成された第1の制御信号を信号線51に出力する。これにより、第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS120)。
ステップS120が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35が移動する。第1の制御信号により第2のアクチュエータ30bに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。その結果、図8(c)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第3の光学特性になる。
したがって、ステップS110が実行される第1の期間において、信号源41は、信号線51を介して、第2の波高値を持つ第2の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。ステップS120が実行される第2の期間において、信号源41は、信号線51を介して、第1の波高値を持つ第1の制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。
図9(a)は、ステップS110において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波形を示す。図9(b)は、ステップS120において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される第1の制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
図9(a)に示すように、−方向の第2の制御信号の波高値はH22であり、かつその第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT11である。図9(a)に示されていない+方向の第2の制御信号の波高値はH21であり、かつその第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT11である。
図9(b)に示すように、+方向の第1の制御信号の波高値はH11であり、かつその第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT11である。図9(a)に示されていない−方向の第1の制御信号の波高値はH12であり、かつその第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT11である。
波高値H11および波高値H21は、+方向の波高値である。波高値H12および波高値H22は、−方向の波高値である。波高値H11および波高値H12の大きさは等しい。波高値H21および波高値H22の大きさは等しい。
ステップS110において第2の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第1の開口OP1を覆う位置に移動する。ステップS120において第1の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2の開口OP2を覆う位置に移動する。ステップS110において第2の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第3の開口OP13を覆う位置に移動する。図7に示す動作により、内視鏡装置1の光学特性は、第1の光学特性から、ユーザーにより指示された第3の光学特性に切り替わる。
このように、ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、その指示に応じた制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される。その結果、内視鏡装置1の光学特性が所望の光学特性に切り替わる。
光学特性の切り替えの指示が操作部4aにより入力される必要はない。つまり、ステップS100における処理は必須ではない。例えば、所定の光学特性の切り替えの手順を規定するプログラムが内視鏡装置1のメモリに予め記憶されてもよい。制御回路42は、そのプログラムをメモリから読み出し、かつそのプログラムに従ってステップS110およびステップS120における処理を実行してもよい。
従来技術の内視鏡装置において、2つのアクチュエータは並列に制御部に接続される。2つのアクチュエータおよび制御部は4本の信号線により接続される。一方、第1の実施形態の内視鏡装置1において、2つのアクチュエータは互いに直列に接続される。2つのアクチュエータおよび制御部29は2本の信号線により接続される。
2つのアクチュエータが互いに直列に接続されているため、2つのアクチュエータに流れる制御信号の波高値は同じである。2つのアクチュエータが同一に構成されている場合、2つのシャッターの位置の組み合わせは、+向きの制御信号および−向きの制御信号に対応する2つの組み合わせのみである。その場合、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数は2つである。つまり、2つのアクチュエータが互いに直列に接続されるだけでは、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数は増えない。
第1の実施形態の内視鏡装置1において、2つのアクチュエータが互いに直列に接続されることに加えて、2つのアクチュエータのコイルの巻き数が異なる。そのため、第1の波高値を持つ第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の駆動力は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の駆動力よりも大きい。第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わる。一方、第1の波高値よりも大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号が印加されない限り、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置は切り替わらない。第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、内視鏡装置1は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置とは独立に切り替えることができる。そのため、内視鏡装置1は4つの光学特性を切り替えることができる。
上記のように、第1の実施形態の内視鏡装置1において、2つのアクチュエータおよび制御部29は2本の信号線により接続される。搭載されるアクチュエータの数が2つよりも多い場合であっても、複数のアクチュエータと制御部29とを接続する信号線の数が増える必要はない。そのため、内視鏡装置1は、挿入部11の太さの増加を抑制することができる。
2つのアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されている。3つ以上のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されてもよい。アクチュエータの数が3つ以上の場合であっても、アクチュエータは互いに直列に接続される。アクチュエータの数によらず、複数のアクチュエータと制御部29とは2本の信号線により接続される。
N個のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されていると仮定する。Nは3以上の自然数である。第1のアクチュエータ30aのコイルL1の巻き数は、第1の波高値を持つ所定の向きの制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第1のアクチュエータ30aのコイルL1の巻き数は、その数が全てのコイルの巻き数の中で最も多くなるように設定される。第(K+1)のアクチュエータのコイルの巻き数は、第Kの波高値以上の第(K+1)の波高値を持つ所定の向きの第(K+1)の制御信号が第(K+1)のアクチュエータに印加されたときにシャッターの位置が切り替わるように設定される。Kは、1以上かつNよりも小さな自然数である。第(K+1)のアクチュエータのコイルの巻き数は、第Kのアクチュエータのコイルの巻き数よりも少ない。
各制御信号は、波高値の大きさの順番で各アクチュエータに印加される。より小さな波高値を持つ制御信号が各アクチュエータに印加される前に、より大きな波高値を持つ制御信号が各アクチュエータに印加される。第Kのアクチュエータのシャッターの位置が所望の位置になる向きの制御信号が各アクチュエータに印加される。これにより、第Kのアクチュエータのシャッターの位置が切り替わる。3つ以上のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載された場合であっても、内視鏡装置1は各シャッターの位置を切り替えることができる。つまり、内視鏡装置1は、内視鏡装置1の光学特性を所望の光学特性に切り替えることができる。
内視鏡装置1に搭載されるアクチュエータの数がNであると仮定すると、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数は2のN乗である。Nは、2以上の自然数である。例えば、3つのアクチュエータが内視鏡装置1に搭載された場合、内視鏡装置1は8つの光学特性を切り替えることができる。内視鏡装置1に搭載されるアクチュエータの数が増える場合、それに応じて、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数が増える。
上記の例では、複数のアクチュエータのコイルの巻き数が互いに異なる。複数のアクチュエータのコイルの巻き数が同じであり、かつ複数のアクチュエータのマグネットロータ32の磁力が互いに異なってもよい。マグネットロータ32は、永久磁石である。例えば、第1のアクチュエータ30aは、シャッター35(第1の光学部材)に固定されたマグネットロータ32(第1の永久磁石)を有する。第2のアクチュエータ30bは、シャッター35(第2の光学部材)に固定されたマグネットロータ32(第2の永久磁石)を有する。第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32の磁力は第2のアクチュエータ30bのマグネットロータ32の磁力よりも強くてもよい。
N個のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されていると仮定する。Nは3以上の自然数である。第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32の磁力は、第1の波高値を持つ所定の向きの制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32の磁力は、その磁力が全てのアクチュエータのマグネットロータ32の磁力の中で最も強くなるように設定される。第(K+1)のアクチュエータのマグネットロータの磁力は、第Kの波高値以上の第(K+1)の波高値を持つ所定の向きの第(K+1)の制御信号が第(K+1)のアクチュエータに印加されたときにシャッターの位置が切り替わるように設定される。Kは、1以上かつNよりも小さな自然数である。第(K+1)のアクチュエータのマグネットロータの磁力は、第Kのアクチュエータのマグネットロータの磁力よりも弱い。各制御信号が各アクチュエータに印加される順番は、複数のアクチュエータのコイルの巻き数が互いに異なる場合に各制御信号が各アクチュエータに印加される順番と同じである。
複数のアクチュエータのコイルの巻き数または永久磁石の磁力が互いに異なる場合、電流に対するシャッターの動きやすさ、すなわちシャッターの機械的な感度が互いに異なる。つまり、制御信号が各アクチュエータに印加されたとき、1つ以上のアクチュエータのシャッターが移動し、かつ他の1つ以上のアクチュエータのシャッターが移動しないという条件が実現できさえすればよい。その条件が実現される限り、内視鏡装置1の構成は上記の構成に限らない。
例えば、複数のアクチュエータの回転軸の回転のしやすさが互いに異なってもよい。つまり、複数のアクチュエータの回転軸の摩擦係数が互いに異なってもよい。これにより、複数のアクチュエータに同じ制御信号が印加された場合であっても、一部のアクチュエータのシャッターのみが移動する条件を実現することができる。
強磁性体であるヨーク38の磁力が複数のアクチュエータ間で異なってもよい。例えば、複数のアクチュエータのヨーク38を構成する材料の成分などが互いに異なってもよい。これにより、複数のアクチュエータの回転軸の回転のしやすさが互いに異なる条件が実現される。
例えば、第1のアクチュエータ30aは、第1の磁性体および第1のコイルを有する。第1の磁性体は、ヨーク38である。第1のコイルは、コイル44およびコイル45である。第1のコイルは、第1の磁性体に巻かれて配置されている。制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のコイルは第1の磁性体を磁化させる。第2のアクチュエータ30bは、第2の磁性体および第2のコイルを有する。第2の磁性体は、ヨーク38である。第2のコイルは、コイル44およびコイル45である。第2のコイルは、第2の磁性体に巻かれて配置されている。制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のコイルは第2の磁性体を磁化させる。所定の波高値を持つ制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1の磁性体に発生する磁力は、所定の波高値を持つ制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたときに第2の磁性体に発生する磁力よりも強くてもよい。言い換えると、制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1の磁性体に発生する磁力は、その制御信号と同じ波高値を持つ制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたときに第2の磁性体に発生する磁力よりも強くてもよい。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態の内視鏡装置1aの構成を示す。図10に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。
信号源41は、信号線55および信号線56に接続されている。信号線55および信号線56は、挿入部11の内部に配置されている。信号線55および信号線56は、挿入部11の先端部12および基端部14を通る。信号線55および信号線56は、挿入部11の基端部14から挿入部11の外に出ている。信号線55は、接続点Pt1において信号線55aおよび信号線55bに接続されている。信号線55aは第1のアクチュエータ30aに接続され、かつ信号線55bは第2のアクチュエータ30bに接続されている。信号線56は、接続点Pt2において信号線56aおよび信号線56bに接続されている。信号線56aは第1のアクチュエータ30aに接続され、かつ信号線56bは第2のアクチュエータ30bに接続されている。
信号線55は、接続点Pt1において信号線55aおよび信号線55bに分岐する。信号線56は、接続点Pt2において信号線56aおよび信号線56bに分岐する。接続点Pt1および接続点Pt2は、撮像素子28から被写体OB1側に離れた位置に配置されている。
信号源41から出力された制御信号が通る経路は、第1の経路および第2の経路を含む。第1の経路は、信号線55、信号線55a、第1のアクチュエータ30a、信号線56a、および信号線56を含む。第2の経路は、信号線55、信号線55b、第2のアクチュエータ30b、信号線56b、および信号線56を含む。第1の経路および第2の経路において、信号線55および信号線56は共通である。第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、並列に信号線55および信号線56に接続されている。
信号源41は、制御信号を信号線55に出力することにより、その制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。信号線55および信号線55aにより伝送された制御信号は、第1のアクチュエータ30aに入力される。第1のアクチュエータ30aに印加された制御信号は、信号線56aに出力される。信号線56aに出力された制御信号は、信号線56に出力される。信号線55および信号線55bにより伝送された制御信号は、第2のアクチュエータ30bに入力される。第2のアクチュエータ30bに印加された制御信号は、信号線56bに出力される。信号線56bに出力された制御信号は、信号線56に出力される。
上記以外の点について、図10に示す構成は、図2に示す構成と同様である。
図10に示す内視鏡装置1aにおいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、並列に信号線55および信号線56に接続されている。そのため、図10に示す内視鏡装置1aにおいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号の電圧は同じである。
第1のアクチュエータ30aは、図3に示す抵抗R1およびコイルL1を有する。第2のアクチュエータ30bは、図3に示す抵抗R2およびコイルL2を有する。抵抗R1および抵抗R2の抵抗値は同じである。そのため、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに流れる電流は同じである。つまり、第1の実施形態と同様に、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに流れる制御信号の波高値は同じである。そのため、内視鏡装置1aは、図2に示す内視鏡装置1と同様に、内視鏡装置1aの光学特性を所望の光学特性に切り替えることができる。
第2の実施形態において、第1の実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。図10に示す内視鏡装置1aにおいて、第1の電圧が信号源41から信号線55に出力されたとき、第1の電圧が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される。図2に示す内視鏡装置1において、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは互いに直列に接続されている。図2に示す内視鏡装置1において、第1の電圧が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第2の電圧が第2のアクチュエータ30bに印加されると仮定する。信号源41から信号線51に出力される電圧は、第1の電圧および第2の電圧の合計である。
上記のように、信号源41から信号線55に出力される電圧は、信号源41から信号線51に出力される電圧よりも小さい。安全の観点から、挿入部11の先端部12に出力される電圧は小さいほうがより安全である。そのため、第2の実施形態の内視鏡装置1aは、第1の実施形態の内視鏡装置1と比較して、より安全である。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態の内視鏡装置1bの構成を示す。図11に示す構成について、図10に示す構成と異なる点を説明する。
図10に示す内視鏡装置1aと同様に、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、並列に信号線55に接続されている。内視鏡装置1bは、抵抗R3(第1の抵抗)および抵抗R4(第2の抵抗)を有する。抵抗R3は、第1のアクチュエータ30aに直列に接続され、かつ信号線55に電気的に接続されている。抵抗R4は、第2のアクチュエータ30bに直列に接続され、かつ信号線55に電気的に接続されている。
抵抗R3は、信号線55aに挿入されている。抵抗R4は、信号線55bに挿入されている。抵抗R3は、信号線56aに挿入されてもよい。抵抗R4は、信号線56bに挿入されてもよい。
第2の実施形態の内視鏡装置1aにおいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのコイルの巻き数または永久磁石の磁力は互いに異なる。しかし、第3の実施形態の内視鏡装置1bにおいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは同一に構成されてもよい。
第1のアクチュエータ30aは、図3に示す抵抗R1を有していないと仮定する。第2のアクチュエータ30bは、図3に示す抵抗R2を有していないと仮定する。抵抗R3の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも小さい。
上記以外の点について、図11に示す構成は、図10に示す構成と同様である。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、並列に信号線55および信号線56に接続されている。そのため、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号の電圧は同じである。抵抗R3の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも小さい。そのため、信号源41が所定の波高値を持つ制御信号を出力したとき、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値は、第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号の波高値よりも大きい。つまり、信号源41は、互いに異なる波高値を持つ制御信号を第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bにそれぞれ印加することができる。
抵抗R3および抵抗R4の各々の抵抗値は、以下のように設定される。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を切り替えるためには、第1の制御信号は、第1の値以上かつ第2の値未満の第1の波高値を持つ。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を切り替えるためには、第2の制御信号は、第2の値以上の第2の波高値を持つ。第2の値は、第1の値よりも大きい。
第2の波高値を持つ第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号は、第2の波高値よりも大きな波高値を持つ。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わる。抵抗R3の抵抗値が抵抗R4の抵抗値よりも小さければ、内視鏡装置1bは2つのアクチュエータのシャッター35の位置を同時に切り替えることができる。
第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号は、第1の波高値よりも小さな第3の波高値を持つ。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わらないようにするためには、第3の波高値が第2の値よりも小さい必要がある。この条件が満たされるように、抵抗R3および抵抗R4の各々の抵抗値が設定される。
第3の実施形態の内視鏡装置1bの動作は、第1の実施形態の内視鏡装置1の動作と同様である。例えば、図7に示すステップS110が実行される第1の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第2の波高値を持つ第2の制御信号を第2のアクチュエータ30bに印加する。また、第1の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第2の波高値よりも大きな波高値を持つ第2の制御信号を第1のアクチュエータ30aに印加する。
ステップS110が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35および第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。そのため、図8(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の開口OP1を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1bの光学特性は第4の光学特性になる。
図7に示すステップS120が実行される第2の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第1の波高値を持つ第1の制御信号を第1のアクチュエータ30aに印加する。また、第2の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第1の波高値よりも小さな第3の波高値を持つ第1の制御信号を第2のアクチュエータ30bに印加する。第3の波高値は第2の値よりも小さい。第3の波高値は第1の値よりも小さくてもよい。
第3の実施形態において、第2の実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。第3の実施形態の内視鏡装置1bに搭載される複数のアクチュエータの構成は同じであってもよい。抵抗値が互いに異なる抵抗が複数のアクチュエータにそれぞれ直列に接続される。構成が互いに異なる複数のアクチュエータを有する装置の製造よりも、抵抗値が互いに異なる抵抗がそれぞれ直列に接続された同じ複数のアクチュエータを有する装置の製造のほうが容易である。そのため、第3の実施形態の内視鏡装置1bは、第1の実施形態の内視鏡装置1および第2の実施形態の内視鏡装置1aと比較して、製造が容易である。
図3に示す第1のアクチュエータ30aのコイルL1および図3に示す第2のアクチュエータ30bのコイルL2が抵抗成分を有してもよい。例えば、コイルL1およびコイルL2の抵抗成分の抵抗値は同じである。その場合、抵抗R3は必要ない。抵抗R4が第2のアクチュエータ30bに直列に接続され、かつ信号線55に電気的に接続される。
上記のように、構成が同じ第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに、抵抗値が互いに異なる抵抗がそれぞれ直列に接続されている。その代わりに、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの内部に、互いに抵抗値が異なる抵抗がそれぞれ配置されてもよい。つまり、第1のアクチュエータ30aは、信号線55に電気的に接続された抵抗R1を有し、かつ第2のアクチュエータ30bは、信号線55に電気的に接続された抵抗R2を有してもよい。抵抗R1の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値よりも小さい。
コイルL1およびコイルL2が抵抗成分を有する場合、抵抗R1は必要ない。例えば、コイルL1およびコイルL2の抵抗成分の抵抗値は同じである。抵抗R2が信号線55に電気的に接続される。
2つのアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されている。3つ以上のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されてもよい。アクチュエータの数が3つ以上の場合であっても、抵抗値が互いに異なる抵抗がアクチュエータにそれぞれ直列に接続される。
N個のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されていると仮定する。Nは3以上の自然数である。第1のアクチュエータ30aに接続される抵抗の抵抗値は、第1の波高値を持つ所定の向きの制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第1のアクチュエータ30aに接続される抵抗の抵抗値は、その抵抗値が全ての抵抗の抵抗値の中で最も小さくなるように設定される。第(K+1)のアクチュエータに接続される抵抗の抵抗値は、第Kの波高値以上の第(K+1)の波高値を持つ所定の向きの第(K+1)の制御信号が第(K+1)のアクチュエータに印加されたときにシャッターの位置が切り替わるように設定される。Kは、1以上かつNよりも小さな自然数である。第(K+1)のアクチュエータに接続される抵抗の抵抗値は、第Kのアクチュエータに接続される抵抗の抵抗値よりも大きい。
各制御信号は、波高値の大きさの順番で各アクチュエータに印加される。より小さな波高値を持つ制御信号が各アクチュエータに印加される前に、より大きな波高値を持つ制御信号が各アクチュエータに印加される。第Kのアクチュエータのシャッターの位置が所望の位置になる向きの制御信号が各アクチュエータに印加される。これにより、第Kのアクチュエータのシャッターの位置が切り替わる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の内視鏡装置の構成は、以下で説明する構成を除いて、第1から第3の実施形態のいずれか1つの内視鏡装置の構成と同じである。以下では、第1の実施形態で説明した内視鏡装置1を使用する。
第4の実施形態の内視鏡装置1において、制御信号が第1の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときのみ、第1のアクチュエータ30aは第1の光学部材を移動させる。制御信号が第2の時間以上、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときのみ、第2のアクチュエータ30bは第2の光学部材を移動させる。第2の時間は、第1の時間よりも長い。信号源41は、第1の期間において、信号線51を介して、制御信号を第2の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。信号源41は、第1の期間よりも後の第2の期間において、信号線51を介して、制御信号を第1の時間以上かつ第2の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。
制御信号の印加時間により第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えを制御するための原理を説明する。前述したように、シャッター35の回転軸33にはマグネットロータ32が固定されている。シャッター35の位置は、マグネットロータ32の回転により切り替わる。マグネットロータ32が回転するためには、外部からマグネットロータ32にトルクが加わる必要がある。ある大きさ以上のトルクがマグネットロータ32に加えられたとき、マグネットロータ32は回転する。トルクの大きさが、マグネットロータ32の摩擦負荷の大きさを超えない限り、マグネットロータ32は回転しない。
トルクの大きさは、コイル44およびコイル45の巻き数、マグネットロータ32の磁力、ヨーク38の磁化率、および駆動電流の大きさ(制御信号の波高値)によって決まる。制御信号の印加時間だけを変えることにより各アクチュエータを制御できるためには、これらの条件を変えることなく、各アクチュエータを制御できる必要がある。つまり、トルクの大きさは第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30b間で同じである。
したがって、以下の説明では、トルクの大きさは、マグネットロータ32を回転させることができる大きさ以上であることが前提である。マグネットロータ32が回転する速度(角速度)について説明する。マグネットロータ32にトルクが加わると、マグネットロータ32は、ある加速度(角加速度)で加速されることにより回転し始める。マグネットロータ32は、ストッパ31aまたはストッパ31bに当たるまで回転し続ける。マグネットロータ32がストッパ31aまたはストッパ31bに当たったとき、マグネットロータ32は停止する。
マグネットロータ32の回転速度(角速度)は、式(1)により表される。式(1)は、一般的な回転体の運動方程式である。
Iα=T ・・・(1)
式(1)において、Iは慣性モーメントを示し、αは角加速度を示し、Tはトルクを示す。トルクTが一定である条件では、慣性モーメントが大きいと、角加速度が小さくなる。慣性モーメントは回転体の質量に比例する。マグネットロータ32はシャッター35に固定されている。そのため、シャッター35が重くなると、慣性モーメントが大きくなる。その結果、マグネットロータ32の回転速度は遅くなる。シャッター35の重量を異ならせることにより、同じトルクが2つのアクチュエータのシャッター35に加わったときにシャッター35の位置の切り替わりやすさを異ならせることができる。つまり、2つのアクチュエータのシャッター35の移動速度を異ならせることができる。
シャッター35の移動速度が異なる2つのアクチュエータの制御方法を説明する。図12(a)から図12(d)は、シャッター35の移動速度が速いアクチュエータのマグネットロータ32の動きを示す。図13(a)から図13(e)は、シャッター35の移動速度が遅いアクチュエータのマグネットロータ32の動きを示す。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の移動速度が第2のアクチュエータ30bのシャッター35の移動速度よりも速い場合について説明する。
図12(a)および図13(a)は、電流がコイル44およびコイル45に流れていないときの状態を示す。ヨーク38は強磁性体であるため、マグネットロータ32のN極と対向するヨーク38aはS極に磁化し、かつマグネットロータ32のS極と対向するヨーク38bはN極に磁化する。
図12(b)および図13(b)は、マグネットロータ32が回転する方向の電流がコイル44およびコイル45に短時間流れたときの状態を示す。電流がコイル44およびコイル45に流れている間、コイル44およびコイル45に発生する磁界により、ヨーク38aはN極に磁化し、かつヨーク38bはS極に磁化する。
図12(c)および図13(c)は、ヨーク38およびマグネットロータ32の間の磁力によりマグネットロータ32が回転したときの状態を示す。図12(c)に示すように、第1のアクチュエータ30aでは、マグネットロータ32が半回転する。そのため、N極であるヨーク38aとマグネットロータ32のS極とが対向し、かつS極であるヨーク38bとマグネットロータ32のN極とが対向する。図13(c)に示すように、第2のアクチュエータ30bでは、マグネットロータ32はわずかに回転する。
図12(d)および図13(d)は、コイル44およびコイル45に流れる電流が停止したときの状態を示す。コイル44およびコイル45は磁界の発生を停止する。ヨーク38は強磁性体であるため、図12(d)に示すように、マグネットロータ32のS極と対向するヨーク38aはN極に磁化し、かつマグネットロータ32のN極と対向するヨーク38bはS極に磁化する。
一方、図13(d)に示すように、第2のアクチュエータ30bでは、マグネットロータ32のN極に近いヨーク38aはS極に磁化し、かつマグネットロータ32のS極に近いヨーク38bはN極に磁化する。その後、図13(e)に示すように、第2のアクチュエータ30bでは、S極であるヨーク38aとマグネットロータ32のN極とが対向し、かつN極であるヨーク38bとマグネットロータ32のS極とが対向する。第2のアクチュエータ30bでは、図13(e)に示すマグネットロータ32の状態は、図13(a)に示す状態と同じである。つまり、マグネットロータ32は1回転することなく元の状態に戻る。
上述したように、制御信号の印加時間が短い場合、シャッター35の移動速度が速い第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置が切り替わる。しかし、シャッター35の移動速度が遅い第2のアクチュエータ30bにおいてシャッター35の位置は切り替わらない。制御信号の印加時間が長い場合、シャッター35の移動速度が遅い第2のアクチュエータ30bにおいてもシャッター35の位置が切り替わる。
制御信号の印加時間により第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えを制御するためには、例えば第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの重量が異なる必要がある。例えば、第2の光学部材は、第1の光学部材よりも重い。つまり、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35よりも重い。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35の重量は、所定の波高値を持つ所定の向きの制御信号が第1の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量は、所定の波高値を持つ所定の向きの制御信号が第2の時間以上、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときに第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量を異ならせる方法以外の方法が使用されてもよい。例えば、2つのアクチュエータの少なくとも1つのシャッター35にグリースなどの潤滑剤が塗布されてもよい。上述した制御信号が各アクチュエータに印加されたときに各アクチュエータのシャッター35の位置が切り替わることができる限り、どのような方法が使用されてもよい。
各アクチュエータのシャッター35の位置と、各アクチュエータに印加される制御信号との関係を説明する。まず、制御信号の印加時間を定義する。制御信号が第1のアクチュエータ30aまたは第2のアクチュエータ30bに印加され続ける時間が印加時間である。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間は、第1の時間以上である。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間は、第2の時間以上である。
第2の時間は、第1の時間よりも長い。そのため、制御信号が第2の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたとき、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わる。第1の実施形態の内視鏡装置1と同様に第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置を切り替えるためには、信号源41は、制御信号を第1の時間以上かつ第2の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。これにより、第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置が切り替わる。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは互いに直列に接続されている。そのため、信号線51に出力される制御信号と、各アクチュエータに印加される制御信号とは、同じである。
所定の波高値を持つ+方向の制御信号が第1の時間以上、印加された第1のアクチュエータ30aは、第2の開口OP2を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、所定の波高値を持つ−方向の制御信号が第1の時間以上、印加された第1のアクチュエータ30aは、第1の開口OP1を覆う位置にシャッター35を移動させる。
所定の波高値を持つ+方向の制御信号が第2の時間以上、印加された第2のアクチュエータ30bは、第4の開口OP4を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、所定の波高値を持つ−方向の制御信号が第2の時間以上、印加された第2のアクチュエータ30bは、第3の開口OP3を覆う位置にシャッター35を移動させる。
図14は、内視鏡装置1の動作の手順を示す。図14では、内視鏡装置1の光学特性が第1の光学特性から第3の光学特性に切り替わるときの内視鏡装置1の動作が示されている。図14に示す動作における光学特性の変化は、図8(a)から図8(c)に示される光学特性の変化と同様である。
図14に示す処理が実行される前、図8(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第4の開口OP4を覆っている。ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、光学特性の切り替えが実行される。操作部4aは、ユーザーにより入力された指示を制御回路42に出力する。このとき、制御回路42は、第3の光学特性への切り替えの指示を受け付ける(ステップS200)。
ステップS200の後、制御回路42は、所定の波高値を持つ−方向の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、制御信号を生成し、かつ生成された制御信号を第2の時間以上、信号線51に継続的に出力する。これにより、制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS210)。
ステップS210が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35および第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。そのため、図8(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の開口OP1を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第4の光学特性になる。
ステップS210の後、制御回路42は、所定の波高値を持つ+方向の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、制御信号を生成し、かつ生成された制御信号を第1の時間以上かつ第2の時間未満、信号線51に出力する。これにより、制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS220)。
ステップS220が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35が移動する。ステップS220において生成された制御信号により第2のアクチュエータ30bに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。その結果、図8(c)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第3の光学特性になる。
したがって、ステップS210が実行される第1の期間において、信号源41は、信号線51を介して、所定の波高値を持つ制御信号を第2の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。ステップS220が実行される第2の期間において、信号源41は、信号線51を介して、所定の波高値を持つ制御信号を第1の時間以上かつ第2の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。
図15(a)は、ステップS210において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号の波形を示す。図15(b)は、ステップS220において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
図15(a)に示すように、−方向の制御信号の波高値はH12であり、かつその制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT22である。図15(a)に示されていない+方向の制御信号の波高値はH21であり、かつその制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT22である。
図15(b)に示すように、+方向の制御信号の波高値はH11であり、かつその制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT12である。図15(a)に示されていない−方向の制御信号の波高値はH12であり、かつその制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT12である。時間T22は、時間T12よりも長い。
ステップS210において制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第1の開口OP1を覆う位置に移動する。ステップS220において制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2の開口OP2を覆う位置に移動する。ステップS210において制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第3の開口OP13を覆う位置に移動する。図14に示す動作により、内視鏡装置1の光学特性は、第1の光学特性から、ユーザーにより指示された第3の光学特性に切り替わる。
このように、ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、その指示に応じた制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される。その結果、内視鏡装置1の光学特性が所望の光学特性に切り替わる。
光学特性の切り替えの指示が操作部4aにより入力される必要はない。つまり、ステップS200における処理は必須ではない。例えば、所定の光学特性の切り替えの手順を規定するプログラムが内視鏡装置1のメモリに予め記憶されてもよい。制御回路42は、そのプログラムをメモリから読み出し、かつそのプログラムに従ってステップS210およびステップS220における処理を実行してもよい。
第4の実施形態の内視鏡装置1において、第1の実施形態の内視鏡装置1と同様に、2つのアクチュエータおよび制御部29は2本の信号線により接続される。そのため、内視鏡装置1は、挿入部11の太さの増加を抑制することができる。
2つのアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されている。3つ以上のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されてもよい。アクチュエータの数が3つ以上の場合であっても、アクチュエータは互いに直列に接続される。アクチュエータの数によらず、制御部29と複数のアクチュエータとは2本の信号線により接続される。
N個のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載されていると仮定する。Nは3以上の自然数である。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間は、所定の向きの制御信号が第1のアクチュエータ30aに第1の時間以上、印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間は、その時間が全ての制御信号の印加時間の中で最も短くなるように設定される。第(K+1)のアクチュエータのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間は、第(K+1)のアクチュエータのシャッター35の位置を切り替えるための制御信号の印加時間よりも長い時間に設定される。Kは、1以上かつNよりも小さな自然数である。
各制御信号は、印加時間の長さの順番で各アクチュエータに印加される。制御信号が各アクチュエータに継続的に印加される時間は、徐々に短くなる。第Kのアクチュエータのシャッターの位置が所望の位置になる向きの制御信号が、第Kのアクチュエータのシャッターの位置の切り替えに最低限必要な時間、各アクチュエータに印加される。これにより、第Kのアクチュエータのシャッターの位置が切り替わる。3つ以上のアクチュエータが挿入部11の先端部12に搭載された場合であっても、内視鏡装置1は各シャッターの位置を切り替えることができる。つまり、内視鏡装置1は、内視鏡装置1の光学特性を所望の光学特性に切り替えることができる。
内視鏡装置1に搭載されるアクチュエータの数がNであると仮定すると、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数は2のN乗である。Nは、2以上の自然数である。例えば、3つのアクチュエータが内視鏡装置1に搭載された場合、内視鏡装置1は8つの光学特性を切り替えることができる。内視鏡装置1に搭載されるアクチュエータの数が増える場合、それに応じて、内視鏡装置1が切り替えることができる光学特性の数が増える。
第1の実施形態の内視鏡装置1の代わりに、第2の実施形態の内視鏡装置1aが使用されてもよい。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の内視鏡装置の構成は、以下で説明する構成を除いて、第1から第3の実施形態のいずれか1つの内視鏡装置の構成と同じである。第1の実施形態で説明した内視鏡装置1を使用する。
第1の実施形態の内視鏡装置1において、第1のアクチュエータ30aの第1のコイルの巻き数は第2のアクチュエータ30bの第2のコイルの巻き数よりも多い。第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置を切り替えるためには、第1の波高値を持つ第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される必要がある。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を切り替えるためには、第1の波高値よりも大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加される必要がある。
第5の実施形態の内視鏡装置1において、上記のような波高値の条件に加えて、制御信号が継続的に印加される時間の条件が必要である。具体的には、所定値未満の波高値を持つ第1の制御信号あるいは所定値以上の波高値を持つ第2の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときのみ、第1のアクチュエータ30aは第1の光学部材を移動させる。第2の制御信号が第4の時間以上、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときのみ、第2のアクチュエータ30bは第2の光学部材を移動させる。第4の時間は、第3の時間よりも短い。
より具体的には、第1の値以上かつ第2の値未満の第1の波高値を持つ第1の制御信号または第2の値以上の第2の波高値を持つ第2の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときのみ、第1のアクチュエータ30aは第1の光学部材を移動させる。第2の値は、第1の値よりも大きい。第2の制御信号が第4の時間以上、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときのみ、第2のアクチュエータ30bは第2の光学部材を移動させる。
信号源41は、第1の期間において、信号線51を介して、第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。信号源41は、第1の期間と異なる第2の期間において、信号線51を介して、第1の制御信号を第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。
制御信号の印加時間により第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えを制御するためには、例えば第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量が異なる必要がある。例えば、第1の光学部材は、第2の光学部材よりも重い。つまり、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35よりも重い。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35の重量は、第1の波高値を持つ所定の向きの第1の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量は、第2の波高値を持つ所定の向きの第2の制御信号が第4の時間以上、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときに第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量を異ならせる方法以外の方法が使用されてもよい。例えば、2つのアクチュエータの少なくとも1つのシャッター35にグリースなどの潤滑剤が塗布されてもよい。上述した制御信号が各アクチュエータに印加されたときに各アクチュエータのシャッター35の位置が切り替わることができる限り、どのような方法が使用されてもよい。
第3の時間は、第4の時間よりも長い。そのため、第1の波高値よりも大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたとき、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わる。これを回避するために、信号源41は、第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。これにより、第2のアクチュエータ30bのシャッター35のみの位置が切り替わる。
第4の実施形態の内視鏡装置1において、印加時間が互いに異なる制御信号が所定の順番で各アクチュエータに印加される。第5の実施形態の内視鏡装置1において、印加時間に基づく制御信号の順番の制限はない。
第4の実施形態の内視鏡装置1において、マグネットロータ32に加わるトルクは一定であり、かつそのトルクの大きさは、マグネットロータ32を回転させるために常に十分である。第5の実施形態の内視鏡装置1において、複数の制御信号の波高値および印加時間が互いに異なる。複数の制御信号の波高値が互いに異なるため、制御信号に応じてトルクの大きさは異なる。
図16(a)および図16(b)に示す制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたときの各アクチュエータのシャッター35の位置の変化を説明する。図16(a)は、第2の制御信号の波形を示す。図16(b)は、第1の制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35よりも軽いと仮定する。つまり、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の移動速度は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の移動速度よりも速い。第1のアクチュエータ30aの第1のコイルの巻き数は、第2のアクチュエータ30bの第2のコイルの巻き数よりも少ないと仮定する。つまり、同じ波高値の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32に加わるトルクは、第2のアクチュエータ30bのマグネットロータ32に加わるトルクよりも小さい。
図16(a)に示す+方向の第2の制御信号の波高値はH21であり、かつその第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT13である。図16(b)に示す+方向の第1の制御信号の波高値はH11であり、かつその第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT23である。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35の移動速度は速い。そのため、図16(a)に示す制御信号が継続する時間T13は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置の切り替えに十分である。第1のアクチュエータ30aの第1のコイルの巻き数は少ない。しかし、図16(a)に示す第2の制御信号の波高値が高いため、その第2の制御信号により第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32に加わるトルクは、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置の切り替えに十分である。その結果、図16(a)に示す第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わる。
第2のアクチュエータ30bのシャッター35の移動速度は遅い。そのため、図16(a)に示す第2の制御信号が継続する時間T13は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えに十分ではない。第2のアクチュエータ30bの第2のコイルの巻き数は多く、かつ図16(a)に示す第2の制御信号の波高値は高い。そのため、図16(a)に示す第2の制御信号により第2のアクチュエータ30bのマグネットロータ32に加わるトルクは、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えに十分である。その結果、図16(a)に示す第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置は切り替わらない。
第1のアクチュエータ30aのシャッター35の移動速度は速い。そのため、図16(b)に示す第1の制御信号が継続する時間T23は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置の切り替えに十分である。第1のアクチュエータ30aの第1のコイルの巻き数は少なく、かつ図16(b)に示す第1の制御信号の波高値は低い。そのため、図16(b)に示す第1の制御信号により第1のアクチュエータ30aのマグネットロータ32に加わるトルクは、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置の切り替えに十分ではない。その結果、図16(b)に示す第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置は切り替わらない。
第2のアクチュエータ30bのシャッター35の移動速度は遅い。しかし、図16(b)に示す第1の制御信号が継続する時間T23は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えに十分である。図16(b)に示す第1の制御信号の波高値は低い。しかし、第2のアクチュエータ30bの第2のコイルの巻き数は多いため、図16(b)に示す第1の制御信号により第2のアクチュエータ30bのマグネットロータ32に加わるトルクは、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置の切り替えに十分である。その結果、図16(b)に示す第1の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置が切り替わる。
上記のように、内視鏡装置1は、制御信号の波高値および印加時間に応じて、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置および第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を独立に切り替えることができる。
第5の実施形態の内視鏡装置1は、小さな第1の波高値を持つ第1の制御信号を長い時間、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。これにより、第5の実施形態の内視鏡装置1は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置を切り替えることができる。また、第5の実施形態の内視鏡装置1は、大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号を短い時間、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加する。これにより、第5の実施形態の内視鏡装置1は、第2のアクチュエータ30bのシャッター35のみの位置を切り替えることができる。つまり、第5の実施形態の内視鏡装置1は、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35を選択的かつ排他的に切り換えることができる。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは互いに直列に接続されている。そのため、信号線51に出力される制御信号と、各アクチュエータに印加される制御信号とは、同じである。
第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号が第3の時間以上、印加された第1のアクチュエータ30aは、第2の開口OP2を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、第1の波高値を持つ−方向の第1の制御信号が第3の時間以上、印加された第1のアクチュエータ30aは、第1の開口OP1を覆う位置にシャッター35を移動させる。第2の波高値を持つ第2の制御信号が第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。
第1の波高値を持つ第1の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を切り替えるためには、第1の波高値よりも大きな第2の波高値を持つ第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加される必要がある。第2の波高値を持つ+方向の第2の制御信号が第4の時間以上、印加された第2のアクチュエータ30bは、第4の開口OP4を覆う位置にシャッター35を移動させる。また、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号が第4の時間以上、印加された第2のアクチュエータ30bは、第3の開口OP3を覆う位置にシャッター35を移動させる。
図17は、内視鏡装置1の動作の手順を示す。図17では、内視鏡装置1の光学特性が第2の光学特性から第3の光学特性に切り替わるときの内視鏡装置1の動作が示されている。図18(a)から図18(c)は、図17に示す動作における光学特性の変化を示す。図18(a)から図18(c)において、光学系21から光学系26は省略されている。
図17に示す処理が実行される前、図18(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の開口OP1を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第4の開口OP4を覆っている。ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、光学特性の切り替えが実行される。操作部4aは、ユーザーにより入力された指示を制御回路42に出力する。このとき、制御回路42は、第3の光学特性への切り替えの指示を受け付ける(ステップS300)。
ステップS300の後、制御回路42は、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第2の制御信号を生成し、かつ生成された第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、信号線51に継続的に出力する。これにより、第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS310)。
ステップS310が実行されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される時間は、第3の時間よりも短い。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。その結果、図18(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第1の開口OP1を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第4の光学特性になる。
ステップS310の後、制御回路42は、第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第1の制御信号を生成し、かつ生成された第1の制御信号を第3の時間以上、信号線51に出力する。これにより、第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS320)。
ステップS320が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35が移動する。第1の制御信号により第2のアクチュエータ30bに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。その結果、図18(c)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第3の光学特性になる。
したがって、ステップS310が実行される第1の期間において、信号源41は、信号線51を介して、第2の波高値を持つ第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。ステップS320が実行される第2の期間において、信号源41は、信号線51を介して、第1の波高値を持つ第1の制御信号を第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加する。
図19(a)は、ステップS310において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波形を示す。図19(b)は、ステップS320において第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される第1の制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
図19(a)に示すように、−方向の第2の制御信号の波高値はH22であり、かつその第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT24である。図19(a)に示されていない+方向の第2の制御信号の波高値はH21であり、かつその第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT24である。
図19(b)に示すように、+方向の第1の制御信号の波高値はH11であり、かつその第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT14である。図19(a)に示されていない−方向の第1の制御信号の波高値はH12であり、かつその第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される時間はT14である。時間T24は、時間T14よりも短い。
ステップS310において第2の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第3の開口OP3を覆う位置に移動する。ステップS320において第1の制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2の開口OP2を覆う位置に移動する。図17に示す動作により、内視鏡装置1の光学特性は、第2の光学特性から、ユーザーにより指示された第3の光学特性に切り替わる。
このように、ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、その指示に応じた制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される。その結果、内視鏡装置1の光学特性が所望の光学特性に切り替わる。
第1の制御信号および第2の制御信号のどちらが先に第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されてもよい。第2の波高値を持つ第2の制御信号が第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35のみの位置が切り替わる。第1の波高値を持つ第1の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置が切り替わる。そのため、2つの制御信号が任意の順番で第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加された後、内視鏡装置1の光学特性は第3の光学特性に切り替わる。
第1の実施形態の内視鏡装置1の代わりに、第3の実施形態の内視鏡装置1bが使用されてもよい。抵抗R3の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも小さい。例えば、図17に示すステップS310が実行される第1の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第2の波高値を持つ第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、第2のアクチュエータ30bに印加する。また、第1の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第2の波高値よりも大きな波高値を持つ第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aに印加する。
ステップS310が実行されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される時間は、第3の時間よりも短い。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。
図17に示すステップS320が実行される第2の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第1の波高値を持つ第1の制御信号を第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに印加する。また、第2の期間において、信号源41は、信号線55を介して、第1の波高値よりも小さな第3の波高値を持つ第1の制御信号を第3の時間以上、第2のアクチュエータ30bに印加する。第3の波高値は第2の値よりも小さい。第3の波高値は第1の値よりも小さくてもよい。
ステップS320が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35が移動する。第1の制御信号により第2のアクチュエータ30bに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。
光学特性の切り替えの指示が操作部4aにより入力される必要はない。つまり、ステップS300における処理は必須ではない。例えば、所定の光学特性の切り替えの手順を規定するプログラムが内視鏡装置1のメモリに予め記憶されてもよい。制御回路42は、そのプログラムをメモリから読み出し、かつそのプログラムに従ってステップS310およびステップS320における処理を実行してもよい。
第5の実施形態において、第1の実施形態の効果と同様の効果が得られる。また、第5の実施形態の内視鏡装置1は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置および第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を独立に切り替えることができる。
(第6の実施形態)
図20は、本発明の第6の実施形態の内視鏡装置1cの構成を示す。図20に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。
図20において、光学系21から光学系26は省略されている。内視鏡装置1cは、第1のアクチュエータ30aと並列に信号線51に接続されたコンデンサーC1を有する。コンデンサーC1は信号線51および信号線53に接続されている。第1のアクチュエータ30aは、第1の端子T30および第2の端子T31を有する。コンデンサーC1は、第1のアクチュエータ30aの第1の端子T30および第2の端子T31に電気的に接続されている。第1のアクチュエータ30aおよびコンデンサーC1は、並列に信号線51および信号線53に接続されている。
第5の実施形態の内視鏡装置1において、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量は異なる。あるいは、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの少なくとも1つのシャッター35にグリースなどの潤滑剤が塗布されている。第6の実施形態の内視鏡装置1cにおいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の重量は、同一であってもよい。第6の実施形態の内視鏡装置1cにおいて、第1のアクチュエータ30aの第1のコイルの巻き数は第2のアクチュエータ30bの第2のコイルの巻き数よりも多い。
上記以外の点について、図20に示す構成は、図2に示す構成と同様である。
コンデンサーC1が第1のアクチュエータ30aと並列に信号線51に接続されているため、第1のアクチュエータ30aに流れる制御信号の波形は、コンデンサーC1の影響により鈍る。つまり、制御信号の波形は劣化する。そのため、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに流れる制御信号の波形は異なる。
コンデンサーC1の容量は、第1の波高値を持つ所定の向きの第1の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わるように設定される。また、コンデンサーC1の容量は、第2の波高値を持つ所定の向きの第2の制御信号が第4の時間以上かつ第3の時間未満、第2のアクチュエータ30bに継続的に印加されたときに第1のアクチュエータ30aのシャッター35の位置が切り替わらないように設定される。
第6の実施形態の内視鏡装置1cにおいて信号源41から出力される制御信号は、第5の実施形態の内視鏡装置1において信号源41から出力される制御信号と同様である。しかし、第6の実施形態の内視鏡装置1cの第1のアクチュエータ30aに流れる制御信号の波形は、コンデンサーC1の影響により、第5の実施形態の内視鏡装置1の第1のアクチュエータ30aに流れる制御信号の波形と異なる。
内視鏡装置1cが図17に示す手順に従って動作するときに第1のアクチュエータ30aに流れる制御信号の波形を説明する。図21(a)は、ステップS310において第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波形を示す。図21(b)は、ステップS320において第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
ステップS310において、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号が第4の時間以上かつ第3の時間未満、信号線51に継続的に出力される。このとき、第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波形は、図19(a)に示される波形と同様である。第2の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bのシャッター35は、第3の開口OP3を覆う位置に移動する。
第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号は、コンデンサーC1への電荷の蓄積またはコンデンサーC1からの電荷の放出により、図19(a)に示す第2の制御信号よりも遅れて変化する。図19(a)に示すように、第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波高値は0からH22に変化する。そのため、図21(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値は、0からH22に向かって緩やかに変化する。第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波高値がH22から0に変化するとき、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値はH12に達していない。第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値は、第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の変化により、0に向かって緩やかに変化する。
図21(a)に示すように、コンデンサーC1の影響により、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値はH12よりも小さい。第1の値未満の波高値を持つ制御信号が第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aに継続的に印加される。その制御信号により第1のアクチュエータ30aに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。
ステップS320において、第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号が第3の時間以上、信号線51に継続的に出力される。このとき、第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波形は、図19(b)に示される波形と同様である。第1の制御信号が印加された第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。
図19(b)に示すように、第2のアクチュエータ30bに印加される第2の制御信号の波高値は0からH11に変化する。そのため、図21(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値は、0からH11に向かって緩やかに変化する。第2の制御信号が第2のアクチュエータ30bに印加される時間T14が経過する前に、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値はH11になる。第2のアクチュエータ30bに印加される第1の制御信号の波高値がH11から0に変化するとき、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値は、0に向かって緩やかに変化する。
図21(b)に示すように、コンデンサーC1の影響により、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波形が鈍る。しかし、第1のアクチュエータ30aに印加される制御信号の波高値はH11に達する。コンデンサーC1の容量は、制御信号の波高値がH11である時間T15が第3の時間以上になるように設定される。これにより、制御信号が印加された第1のアクチュエータ30aのシャッター35は、第2の開口OP2を覆う位置に移動する。上記の動作により、内視鏡装置1cの光学特性は、第2の光学特性から、ユーザーにより指示された第3の光学特性に切り替わる。
第1の制御信号および第2の制御信号のどちらが先に第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されてもよい。第2の波高値を持つ第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35のみの位置が切り替わる。第1の波高値を持つ第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35のみの位置が切り替わる。そのため、2つの制御信号が任意の順番で第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加された後、内視鏡装置1cの光学特性は第3の光学特性に切り替わる。
第6の実施形態において、第5の実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。第6の実施形態の内視鏡装置1cにおいて、コンデンサーC1が第1のアクチュエータ30aと並列に信号線51に接続される。そのため、2つのアクチュエータのシャッター35の重量の違いまたは2つのアクチュエータの少なくとも1つのシャッター35へのグリースの塗布などの方法によらず、第5の実施形態の効果と同様の効果が得られる。製造工程においてコンデンサーC1の追加は、シャッター35の重量の調整およびシャッター35へのグリースの塗布などよりも容易である。そのため、第6の実施形態の内視鏡装置1cの製造は、第5の実施形態の内視鏡装置1の製造よりも容易である。
(第7の実施形態)
図22は、本発明の第7の実施形態の内視鏡装置1dの構成を示す。図22に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。
本体部4は、図2に示す構成に加えて、検出器43を有する。検出器43は、第1の光学部材および第2の光学部材の位置を検出する。つまり、検出器43は、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を検出する。制御回路42は、検出器43によって検出された位置に基づいて、内視鏡装置1dの状態が第1の状態および第2の状態のいずれか1つになるように信号源41を制御する。第1の状態は、第1の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加される状態である。第2の状態は、第2の制御信号が第4の時間以上かつ第3の時間未満、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに継続的に印加される状態である。
例えば、検出器43は、プロセッサ等を含む画像処理回路である。検出器43は、撮像素子28により生成された撮像信号に基づいて、シャッター35の位置を検出する。例えば、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35により切り替えられる4つの光路の各々にマークが配置される。各光路を識別できるように、4つのマークの形状などは異なる。マークの光学像が撮像素子28の受光面の周辺位置に形成される。検出器43は、画像処理により、撮像信号からマークを検出する。被写体OB1からの光が通る光路に対応するマークが検出される。検出器43は、検出されたマークに基づいてシャッター35の位置を検出する。
第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bは、磁気センサなどの検出器を有してもよい。第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bの各々に配置された検出器は、例えばシャッター35に配置された磁性体の磁気の変化を検出することにより、シャッター35の位置を検出する。シャッター35の位置を検出できる限り、検出器はどのように構成されてもよい。
上記以外の点について、図22に示す構成は、図2に示す構成と同様である。
第1から第6の実施形態の内視鏡装置の任意の1つに対して、検出器43を配置し、かつ制御信号の印加方法を変更することにより、第7の実施形態の内視鏡装置1dを提供することができる。以下では、第7の実施形態の内視鏡装置1dと第5の実施形態の内視鏡装置1との違いを主に説明する。
検出器43による光学特性の検知の利点を説明する。挿入部11の先端部12に衝撃が加わったとき、制御信号の状態にかかわらず、挿入部11の先端部12に搭載されたアクチュエータのシャッター35の位置が切り替わる場合がある。検出器43を持たない内視鏡装置が光学特性を所望の状態に確実に切り替えるためには、その内視鏡装置は、全てのアクチュエータのシャッター35の位置が所望の位置に切り替わるように制御信号を印加する必要がある。
シャッター35の位置の切り替えが行われる前にシャッター35の位置が所望の位置であることが検出できれば、制御信号の印加は必要ない。上記の衝撃などによりアクチュエータのシャッターの位置が意図せずに切り替わる場合があるため、検出器43を持たない内視鏡装置は、印加の必要がない可能性がある制御信号も印加する。
検出器43を有する内視鏡装置1dは、検出器43により、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を検出することができる。そのため、内視鏡装置1dは、位置の切り替えの必要がないシャッター35を移動させるための制御信号を印加しない。これにより、内視鏡装置1dが光学特性を切り替えるために制御信号を印加する回数が、第5の実施形態の内視鏡装置1と比較して、減る場合がある。
図23は、第7の実施形態の内視鏡装置1dの動作の手順を示す。図23では、内視鏡装置1dの光学特性が第1の光学特性から第3の光学特性に切り替わるときの内視鏡装置1dの動作が示されている。図24(a)および図24(b)は、図23に示す動作における光学特性の変化を示す。図24(a)および図24(b)において、光学系21から光学系26は省略されている。
図23に示す処理が実行される前、図24(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第4の開口OP4を覆っている。ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、光学特性の切り替えが実行される。操作部4aは、ユーザーにより入力された指示を制御回路42に出力する。このとき、制御回路42は、第3の光学特性への切り替えの指示を受け付ける(ステップS400)。
ステップS400の後、制御回路42は、検出器43に第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を検出させる。これにより、検出器43は、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の位置を検出し、かつ検出結果を制御回路42に通知する(ステップS410)。
ステップS410の後、制御回路42は、ステップS410において検出された位置に基づいて、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される制御信号を決定する(ステップS420)。ステップS420において制御回路42は、内視鏡装置1dの光学特性を第1の光学特性から第3の光学特性に切り替えるために第2のアクチュエータ30bのシャッター35を移動させると判断する。
ステップS420の後、制御回路42は、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第2の制御信号を生成し、かつ生成された第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、信号線51に継続的に出力する。これにより、第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS430)。これにより、制御回路42は、内視鏡装置1dの状態が第2の状態になるように信号源41を制御する。
ステップS430が実行されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される時間は、第3の時間よりも短い。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。その結果、図24(b)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1dの光学特性は第3の光学特性になる。
図25は、第5の実施形態の内視鏡装置1の動作の手順を示す。図25では、内視鏡装置1の光学特性が第1の光学特性から第3の光学特性に切り替わるときの内視鏡装置1の動作が示されている。図26(a)から図26(c)は、図25に示す動作における光学特性の変化を示す。図26(a)から図26(c)において、光学系21から光学系26は省略されている。
図25に示す処理が実行される前、図26(a)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第4の開口OP4を覆っている。この状態は、図24(a)に示す状態と同じである。ユーザーが操作部4aを介して光学特性の切り替えの指示を入力したとき、光学特性の切り替えが実行される。操作部4aは、ユーザーにより入力された指示を制御回路42に出力する。このとき、制御回路42は、第3の光学特性への切り替えの指示を受け付ける(ステップS500)。
ステップS500の後、制御回路42は、第1の波高値を持つ+方向の第1の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第1の制御信号を生成し、かつ生成された第1の制御信号を第3の時間以上、信号線51に継続的に出力する。これにより、第1の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS510)。
+方向の第1の制御信号は、第1のアクチュエータ30aのシャッター35を第2の開口OP2に移動させるための信号である。ステップS510が実行される前、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を既に覆っている。そのため、ステップS510が実行されたとき、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。第1の制御信号により第2のアクチュエータ30bに発生するシャッター35の駆動力はシャッター35の移動に十分ではない。そのため、第2のアクチュエータ30bのシャッター35は移動しない。これにより、図26(b)に示すように、内視鏡装置1の光学特性は、第3の光学特性に保たれる。
ステップS510の後、制御回路42は、第2の波高値を持つ−方向の第2の制御信号を信号源41に生成させる。信号源41は、第2の制御信号を生成し、かつ生成された第2の制御信号を第4の時間以上かつ第3の時間未満、信号線51に出力する。これにより、第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bに印加される(ステップS520)。
ステップS520が実行されたとき、第2のアクチュエータ30bのシャッター35が移動する。第2の制御信号が第1のアクチュエータ30aに印加される時間は、第3の時間よりも短い。そのため、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は移動しない。その結果、図26(c)に示すように、第1のアクチュエータ30aのシャッター35は第2の開口OP2を覆い、かつ第2のアクチュエータ30bのシャッター35は第3の開口OP3を覆う。これにより、内視鏡装置1の光学特性は第3の光学特性になる。
第7の実施形態の内視鏡装置1dは、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の切り替えを行う前に、第1のアクチュエータ30aおよび第2のアクチュエータ30bのシャッター35の状態を検出する。つまり、内視鏡装置1dは、光学特性の切り替えを行う前に内視鏡装置1dの光学特性を検出する。これにより、内視鏡装置1dは、光学特性の切り替えに必要な制御信号のみを生成することができる。
第5の実施形態の内視鏡装置1は検出器43を有していない。第5の実施形態の内視鏡装置1において、衝撃などによりアクチュエータのシャッター35の位置が意図せずに切り替わる場合がある。そのため、検出器43を持たない内視鏡装置は、印加の必要がない可能性がある制御信号も印加する。図25に示す例では、第1の波高値を持つ+向きの第1の制御信号が第3の時間以上、第1のアクチュエータ30aに印加される。内視鏡装置1の光学特性が第1の光学特性であることが検出できれば、第1の制御信号の印加は必要ない。
第7の実施形態において、第1から第6の実施形態の効果に加えて、以下の効果が得られる。内視鏡装置1dが光学特性を切り替えるために制御信号を印加する回数を、第1から第6の実施形態の内視鏡装置におけるその回数と比較して、減らすことができる場合がある。そのため、内視鏡装置1dの消費電力を第1から第6の実施形態の内視鏡装置の消費電力と比較して、減らすことができる場合がある。
(第1から第7の実施形態の第1の変形例)
第1から第7の実施形態の第1の変形例を説明する。第1から第7の実施形態において、制御信号が矩形波である例を説明した。しかし、所定の範囲の波高値を持つ制御信号を所定の時間、複数のアクチュエータに印加できる限り、制御信号は矩形波に限らない。
図27(a)は、三角波である制御信号の波形を示す。図27(b)は、正弦波である制御信号の波形を示す。各図における横軸は時間を示し、かつ各図における縦軸は電流を示す。
図27(a)に示すように、+方向の第1の制御信号は、H11よりも大きく、かつH21よりも小さな第1の波高値を持つ。また、第1の制御信号の波高値がH11よりも大きい状態が継続する時間はT16である。図27(a)に示すように、−方向の第2の制御信号は、H22よりも大きな第2の波高値を持つ。また、第2の制御信号の波高値がH22よりも大きい状態が継続する時間はT26である。時間T26は、時間T16よりも短い。時間T26および時間T16は同じであってもよい。あるいは、時間T26は、時間T16よりも長くてもよい。
図27(b)に示すように、+方向の第1の制御信号は、H11よりも大きく、かつH21よりも小さな第1の波高値を持つ。また、第1の制御信号の波高値がH11よりも大きい状態が継続する時間はT17である。図27(b)に示すように、−方向の第2の制御信号は、H22よりも大きな第2の波高値を持つ。また、第2の制御信号の波高値がH22よりも大きい状態が継続する時間はT27である。時間T27は、時間T17よりも短い。時間T27は、時間T17よりも短い。時間T27および時間T17は同じであってもよい。あるいは、時間T27は、時間T17よりも長くてもよい。
(第1から第7の実施形態の第2の変形例)
第1から第7の実施形態の第2の変形例を説明する。第1から第7の実施形態において、2つのアクチュエータおよび制御部29は2本の信号線により接続される。しかし、複数のアクチュエータと制御部29とを接続する信号線の数は2本に限らない。
例えば、3つのアクチュエータが挿入部の先端部に搭載された従来技術の内視鏡装置において、3つのアクチュエータは合計6本の信号線により制御部と接続される。例えば第1の実施形態の内視鏡装置1において、3つのアクチュエータは合計2本の信号線により制御部29と接続される。
しかし、第1の実施形態の内視鏡装置1の構成を変形することにより、3つのアクチュエータが合計4本の信号線により制御部29と接続されてもよい。つまり、2つのアクチュエータは互いに直列または並列に接続され、かつ2本の信号線により制御部29と接続される。残りの1つのアクチュエータは、他の2つのアクチュエータに接続されず、2本の信号線により単独で制御部29と接続されてもよい。
第1の実施形態の内視鏡装置1がこのように構成された場合であっても、従来技術の内視鏡装置と比較して、複数のアクチュエータと制御部とを接続する信号線の数が少なくなる。信号線の数が少なくなるため、挿入部11の太さの増加が抑制される。
(第1から第7の実施形態の第3の変形例)
第1から第7の実施形態の第3の変形例を説明する。第1から第7の実施形態の内視鏡装置において、光学系21から光学系26、第1のアクチュエータ30a、第2のアクチュエータ30b、第1の撮像光学系71、および第2の撮像光学系72は挿入部11の先端部12に配置されている。光学系21から光学系26、第1のアクチュエータ30a、第2のアクチュエータ30b、第1の撮像光学系71、および第2の撮像光学系72は、交換可能な光学アダプタに配置されてもよい。第1から第7の実施形態の第3の変形例において、挿入部11の先端は光学アダプタを含む。以下では、3つの例を説明する。
図28は、光学アダプタ2Bを含む内視鏡装置1eの構成を示す。図28に示すように、挿入部11に光学アダプタ2Bが装着されている。光学アダプタ2Bは、光学系21から光学系26、第1のアクチュエータ30a、第2のアクチュエータ30b、第1の撮像光学系71、および第2の撮像光学系72を含む。撮像素子28は、挿入部11の先端部12に配置されている。
図29は、光学アダプタ2Cを含む内視鏡装置1fの構成を示す。図29に示すように、挿入部11に光学アダプタ2Cが装着されている。光学アダプタ2Cは、光学系24から光学系26、第2のアクチュエータ30b、および第2の撮像光学系72を含む。光学系21から光学系23、第1のアクチュエータ30a、第1の撮像光学系71、および撮像素子28は、挿入部11の先端部12に配置されている。
図30は、光学アダプタ2Dおよび光学アダプタ2Eを含む内視鏡装置1gの構成を示す。図30に示すように、挿入部11に光学アダプタ2Dが装着され、かつ光学アダプタ2Dに光学アダプタ2Eが装着されている。光学アダプタ2Dは、光学系21から光学系23、第1のアクチュエータ30a、および第1の撮像光学系71を含む。光学アダプタ2Eは、光学系24から光学系26、第2のアクチュエータ30b、および第2の撮像光学系72を含む。撮像素子28は、挿入部11の先端部12に配置されている。挿入部11に光学アダプタ2Eが装着され、かつ光学アダプタ2Eに光学アダプタ2Dが装着されてもよい。
(第1から第7の実施形態の第4の変形例)
第1から第7の実施形態の第4の変形例を説明する。第1から第7の実施形態の内視鏡装置は、第1の撮像光学系71および第2の撮像光学系72における複数の光路を切り替える。内視鏡装置は、光学特性を切り替えることにより、照明光学系内の光路を切り替えてもよい。言い換えると、内視鏡装置は、被写体に照射される光を切り替えてもよい。
図31は、第1から第7の実施形態の第4の変形例の内視鏡装置1hの構成を示す。図31に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。図示の都合上、光源10は本体部4内に示されている。
図31に示すように、挿入部11は、第1のアクチュエータ30c、第2のアクチュエータ30d、光学系23、撮像素子28、第1のプリズム61、第2のプリズム62、およびライトガイド63を有する。内視鏡装置1hの光学系は、撮像光学系および照明光学系である。光学系23および第1のプリズム61は、撮像光学系の光学部材である。第2のプリズム62およびライトガイド63は、照明光学系の光学部材である。
撮像光学系は、被写体OB1と撮像素子28との間に配置され、かつ被写体OB2と撮像素子28との間に配置されている。被写体OB1は、挿入部11の先端面11aと対向する。被写体OB2は、挿入部11の側面11bと対向する。照明光学系は、光源10と被写体OB1との間に配置され、かつ光源10と被写体OB2との間に配置されている。上記の説明における撮像光学系の位置は、撮像素子28に入射する光が通過する光路上の位置を示す。上記の説明における照明光学系の位置は、被写体OB1または被写体OB2に照射される光が通過する光路上の位置を示す。撮像光学系は、撮像素子28に入射する光が通過する光路において、挿入部11の先端面11aと撮像素子28との間、および挿入部11の側面11bと撮像素子28との間に配置されている。照明光学系は、被写体OB1または被写体OB2に照射される光が通過する光路において、光源10と挿入部11の先端面11aとの間、および光源10と挿入部11の側面11bとの間に配置されている。
第1のプリズム61は、第1の位置P1および第2の位置P2の間で移動できる。第1の位置P1は、挿入部11の先端面11aに入射した光と、挿入部11の側面11bに入射した光とが通過する位置である。第2の位置P2は、挿入部11の側面11bに入射した光が通過し、かつ挿入部11の先端面11aに入射した光が通過しない位置である。第1のプリズム61が第1の位置P1に配置された場合、第1のプリズム61は、挿入部11の先端面11aに入射した光を遮り、かつ挿入部11の側面11bに入射した光を光学系23の方向に反射させる。第1のプリズム61によって反射された光は光学系23に入射する。第1のプリズム61が第2の位置P2に配置された場合、第1のプリズム61は、挿入部11の先端面11aに入射した光を遮らない。挿入部11の先端面11aに入射した光は、光学系23に入射する。第1のプリズム61が第2の位置P2に配置された場合、挿入部11の側面11bに入射した光は第1のプリズム61によって反射されるが、光学系23に入射しない。
第2のプリズム62は、第3の位置P3および第4の位置P4の間で移動できる。第3の位置P3は、ライトガイド63を通過した光が通過する位置である。第4の位置P4は、ライトガイド63を通過した光が通過しない位置である。第2のプリズム62が第3の位置P3に配置された場合、第2のプリズム62は、ライトガイド63を通過した光を挿入部11の側面11bの方向に反射させる。第2のプリズム62によって反射された光は、被写体OB2に照射される。第2のプリズム62が第4の位置P4に配置された場合、第2のプリズム62は、ライトガイド63を通過した光を遮らない。ライトガイド63を通過した光は、被写体OB1に照射される。
ライトガイド63は、挿入部11の先端部12、湾曲部13、および基端部14に渡って配置され、かつ図1に示す操作部15、ケーブル16、およびコネクタ17の内部に配置されている。ライトガイド63は、光源10で発生した光を挿入部11の先端部12に伝送する。
第1のアクチュエータ30cは、第1の光学部材である第1のプリズム61を第1の位置P1および第2の位置P2の間で移動させる。第2のアクチュエータ30dは、第2の光学部材である第2のプリズム62を第3の位置P3および第4の位置P4の間で移動させる。
上記以外の点について、図31に示す構成は、図2に示す構成と同様である。
第1のプリズム61が第1の位置P1に配置され、かつ第2のプリズム62が第3の位置P3に配置された場合、ライトガイド63を通過した光が被写体OB2に照射され、かつ被写体OB2で反射された光が撮像素子28に入射する。そのため、撮像素子28は側視画像を得ることができる。
第1のプリズム61が第2の位置P2に配置され、かつ第2のプリズム62が第4の位置P4に配置された場合、ライトガイド63を通過した光が被写体OB1に照射され、かつ被写体OB1で反射された光が撮像素子28に入射する。そのため、撮像素子28は直視画像を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。