JP6940849B2 - サスペンション機構及びシート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物のシートの支持に適するサスペンション機構、並びに、該サスペンション機構を備えたシート構造に関する。
特許文献1,2には、下部フレームに対して上下動可能に設けられる上部フレームを磁気ばねとトーションバーとにより弾性的に支持したシートサスペンションが開示されている。トーションバーの復元力の作用方向と同方向の復元力が変位量の増加に伴って増加する特性を「正のばね特性(その時のばね定数を「正のばね定数」)」とし、トーションバーの復元力の作用方向と同方向の復元力が変位量の増加に拘わらず減少する特性を「負のばね特性(その時のばね定数を「負のばね定数」)」とした場合に、所定の変位範囲において磁気ばねが負のばね特性を示すことを利用して、正のばね特性を示すトーションバーとの組み合わせによって、所定の変位範囲における両者を重畳した系全体の変位量に対する荷重値が略一定となる定荷重領域(ばね定数を略ゼロとなる領域)の特性を有するサスペンションが開示されている。
特開2010−179719号公報 特開2010−179720号公報
特許文献1,2のサスペンションは、所定の周波数及び振幅の通常振動に対しては、上記の磁気ばねとトーションバーを用いた構成により、両者を重畳したばね定数が略ゼロになる定荷重領域でこれらの振動を吸収し、衝撃性振動によるエネルギーは上部フレーム及び下部フレーム間に掛け渡したダンパーによって吸収する構成となっている。
しかし、土工機械の運転席の場合、大きな凹凸のある路面を走行する機会が多いため、振幅のより大きな衝撃性振動に対する対策を重視する必要があると共に、ISO 7096:2000に基づくJIS A 8304:2001「土工機械−運転員の座席の振動評価試験」で規定されている、機械の種類により定められた入力スペクトルクラス(ISO 10326−1)で励振し、それぞれのSEAT値(座席の振幅実効値伝達係数(Seat Effective Amplitude Transmissibility factor ))を満足する必要がある。例えば、「クローラ式トラクタドーザ≦50,000kg、クローラローダ及びクローラ式不整地運搬車」の場合、入力スペクトルクラス:EM6(卓越周波数7.6Hz、PSDの最高値0.34(m/s/Hz)で励振し、SEAT値:0.7未満を満足する必要があり、「コンパクトローダ」の場合、入力スペクトルクラス:EM8(卓越周波数3.3Hz、PSDの最高値0.4(m/s/Hz)で励振し、SEAT値:0.8未満を満足する必要がある。また、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は、EM6は1.5以下、EM8では2.0以下であることが求められる。
ところが、例えば、EM6で求められる振動伝達率1.5以下とするには本来的には減衰性を重視した構造とすることで達成できるものの、EM6の卓越周波数7.6Hzという高周波帯域での振動伝達率を下げるには、ばね性を強くして逆位相が生じる構造とする必要がある。同様に、EM8で求められる振動伝達率2.0以下とするには本来的にはばね性の強い構造とすることで達成できるが、卓越周波数3.3Hzという低周波帯域での振動伝達率を下げるには減衰性も強くする必要がある。
このように土工機械で要求される入力スペクトルクラスに対応したSEAT値、振動伝達率の基準を満足するには、ばね性と減衰性のバランスに十分配慮しなければならない。しかし、これをばねとダンパーとを組み込んだ1自由度系のサスペンション単体で達成するのは困難であった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、様々な入力振動に対応可能な振動吸収特性、衝撃吸収特性を発揮でき、特に、土工機械で求められる基準を満たすのに適するサスペンション機構及び該サスペンション機構を備えたシート構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のサスペンション機構は、車体構造とシートとの間に配置されるサスペンション機構であって、リンク機構を介して相対的に上下動する上下一対のフレーム部と、前記上下一対のフレーム部を弾性的に付勢するばね機構と、前記上下一対のフレーム部が相対的に上下動する際の力を減衰させるダンパーとを備えたばね−ダンパー付きサスペンション部が、上下に複数積層されて構成され、前記複数積層されたばね−ダンパー付きサスペンション部のうち、一部の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の減衰特性又はばね特性を、他の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の減衰特性又はばね特性とは異ならせることにより、各ばね−ダンパー付きサスペンション部の動きに位相差を生じさせることができる構成であると共に、負荷質量50〜120kgを支持したときに中立位置となるよう設定して測定した荷重−たわみ特性として、負荷時と除荷時のヒステリシスロスが150N以下であることを特徴とする。
前記各ばね−ダンパー付きサスペンション部の相互間の動きの位相差が、周波数2Hz以下の共振点が含まれる周波数帯域において120度以上であることが好ましい。
前記一部の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の前記ダンパーは、前記他の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の前記ダンパーとは減衰力の異なるものが用いられていること好ましい。
前記複数積層されたばね−ダンパー付きサスペンション部のうち、少なくとも一つの層のばね−ダンパー付きサスペンション部のばね機構は、荷重−たわみ特性における所定の変位範囲において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を備えた定荷重ばね機構が採用され、前記定荷重ばね機構が、線形特性を示す線形ばねと、固定磁石と、前記上下一対のフレーム部の相対的な上下動に伴って前記固定磁石との相対位置が変位する可動磁石とを備え、前記固定磁石と前記可動磁石の相対位置に応じてばね定数が変化する非線形特性を示す磁気ばねとを有し、前記線形ばねと前記磁気ばねとを合わせた荷重−たわみ特性が所定の変位範囲において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を備えた構成であることが好ましい。
前記定荷重ばね機構が採用されないばね−ダンパー付きサスペンション部を有する場合、当該ばね−ダンパー付きサスペンション部のばね機構は、荷重−たわみ特性が線形に変化する線形ばね機構が採用されている構成とすることが好ましい。
前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が2層からなり、下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が、前記定荷重ばね機構を有する構成であり、上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が、前記線形ばね機構を有する構成であることが好ましい。
前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が2層からなり、下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部及び上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部のいずれもが、前記定荷重ばね機構を有する構成であることが好ましい。
この場合、下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の前記定荷重ばね機構と、上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の前記定荷重ばね機構とのうち、一方の前記定荷重ばね機構を構成する前記磁気ばねは、その可動磁石が、前記フレーム部の上下動に伴って略水平方向に変位するように設けられ、他方の前記定荷重ばね機構を構成する前記磁気ばねは、その可動磁石が、前記フレーム部の上下動に伴って上下方向に変位するように設けられていることが好ましい。
下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部、及び、上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の積層構造が、2組の前記定荷重ばね機構により、荷重−たわみ特性において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を変位位置の異なる2箇所で発揮する特性を有していることが好ましい。
前記荷重−たわみ特性において、前記定荷重となる特性を示す2箇所の領域は、両者間において荷重値が高くなる変化を示す堰を挟んで設けられ、両者に荷重差がある一方、その荷重差が2つの定荷重領域のヒステリシスロスの範囲内であることが好ましい。
各層の前記ばね−ダンパー付きサスペンション部は、それぞれの前記定荷重ばね機構又は前記各線形ばね機構に採用さている線形ばねの弾性力を調整する弾性力調整部材が設けられており、2つの弾性力調整部材が、着座者の目線位置を調整するリフターとしての機能を果たすものであることが好ましい。
前記定荷重ばね機構又は前記各線形ばね機構に採用さている線形ばねが、トーションバーであることが好ましい。
また、本発明のサスペンション機構は、土工機械のシートの支持に適している。
また、本発明のシート構造は、前記サスペンション機構と、前記サスペンション機構に支持されるシートとを備えたシート構造であって、前記サスペンション機構とシートクッション部との間に、共振点の振動伝達率を低減するためのシートサスペンション部がさらに介在されていることを特徴とする。
本発明のサスペンション機構は、ばね機構とダンパーを備えたばね−ダンパー付きサスペンション部が上下に複数積層された構造である。このため、ばね機構が上下に直列に接続された系となっており、ばね−ダンパー付きサスペンション部が単層の系と比較して、固有振動数を低くすることができ、共振点をより低周波側とすることに貢献できる。それにより、共振点より高い周波数帯域における振動伝達率を効率よく低減できる。しかも、積層されたばね−ダンパー付きサスペンション部全体の静荷重特性としてヒステリシスロスが150N以下という小さな値で設定されている。これにより、動的ばね定数がより小さくなって、共振点をより低い周波数帯域に出現させるように作用させ、摩擦等による減衰が比較的小さい特性を有することになる。そのため、入力振動差に伴う各ばね−ダンパー付きサスペンション部の個別運動による位相差が生じやすく、共振点の振動伝達率を効率的に抑制できる。特に、本発明では、共振点が含まれる2Hz以下の周波数帯域での位相差が好ましくは120度以上、より好ましくは逆位相(位相差180度)となっており、それにより、共振点での振動伝達率をより低く抑えられる。
また、各層のばね−ダンパー付きサスペンション部の減衰特性又はばね特性を、使用するダンパーの減衰力やばね機構のばね力により種々に調整することができる。よって、それらを複数積層した本発明のサスペンション機構は、使用するダンパーやばね機構の組み合わせを種々調整することにより、様々な入力振動に対応可能な振動吸収特性、衝撃吸収特性を発揮させることができる。特に、土工機械で求められる種々の入力スペクトルクラスに対応した構造とすることが可能である。また、積層数や使用するダンパーやばね機構の種類の選定により、異なる種類の入力スペクトルクラスに求められる基準を一つのサスペンション機構で満たすことができる。
また、ばね−ダンパー付きサスペンション部として、静荷重特性における荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を有する定荷重ばね機構を備えたものを上下に複数積層した構成とすることが好ましい。これにより、ばね−ダンパー付きサスペンション部同士の運動の位相差がより顕著になり、振動吸収特性が向上する。また、定荷重となる特性を示す領域が2箇所になると共に、両者間において荷重値が高くなる変化を示す堰を有し、かつ、両者に荷重差がある一方、その荷重差が2つの定荷重領域のヒステリシスロスの範囲内に収まった特性を有するため、両者をあわせた定荷重領域の範囲が広く、このことが振動吸収特性の向上に貢献する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るサスペンション機構を示す斜視図である。 図2は、図1の平面図である。 図3は、図1の側面図である。 図4は、図2のA−A線矢視図である。 図5は、第1の実施形態に係るサスペンション機構の作用を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係るサスペンション機構で用いた下層ばね−ダンパー付きサスペンション部を示す斜視図である。 図7(a)は、図6に示した下層ばね−ダンパー付きサスペンション部における磁気ばねの構成を説明するため、第1のダンパーを取り外して示した斜視図であり、図7(b)は、図7(a)の断面図である。 図8は、第1の実施形態に係るサスペンション機構と該サスペンション機構に支持されたシートとを含んだシート構造(第1の実施形態に係るシート構造)を示した図である。 図9は、図8のシート構造で用いたシートサスペンション部を示す斜視図である。 図10は、トーションバー、磁気ばね及びそれらを含んだ定荷重ばね機構の各荷重−たわみ特性の例を示した図であり、(a)は縦置きの磁気ばねを採用した際の特性を示し、(b)は横置きの磁気ばねを採用した際の特性を示す。 図11は、速度0.3m/s時の各種ダンパー(符号A−1、A−2、B−1、B−2、B−3、C−1、D−1、D−2はいずれもオイルダンパーであり、符号F−1、F−2はいずれも摩擦ダンパーである)の減衰力を示した図である。 図12は、図8のサスペンション機構を含まない状態における、シートサスペンション部に支持されたシートクッション部の荷重−たわみ特性を示した図である。 図13(a)は、被験者AのEM6、EM8に関するSEAT値を測定場所別に示し、図13(b)は、被験者BのEM6、EM8に関するSEAT値を測定場所別に示した図である。 図14は、本発明の第2の実施形態に係るシート構造を示した図である。 図15は、本発明の第3の実施形態に係るサスペンション機構を用いたシート構造(第3の実施形態に係るシート構造)を示した図である。 図16は、第3の実施形態に係るサスペンション機構を示す側面図である。 図17は、第3の実施形態に係るサスペンション機構で用いた下層ばね−ダンパー付きサスペンション部を示した断面図である。 図18は、中立位置の負荷質量を図に示したように設定して測定した第3の実施形態に係るサスペンション機構の荷重−たわみ特性を示した図である。 図19は、図18中、中立位置の負荷質量120kg、70kg及び50kgの荷重−たわみ特性を抜粋し、第1の実施形態に係るサスペンション機構の荷重−たわみ特性と比較した図である。 図20(a)は図19のA部拡大図(負荷質量120kgの特性)であり、図20(b)は図19のB部拡大図(負荷質量70kgの特性)であり、図20(c)は図19のC部拡大図(負荷質量50kgの特性)である。 図21は、図15に示した第3の実施形態に係るシート構造の荷重−たわみ特性を示した図である。 図22は、第3の実施形態に係るサスペンション機構の振動伝達率の測定結果を示した図である。 図23(a)は、第1の実施形態に係るシート構造に被験者A,Bを着座させて行ったEM6に関する振動伝達率の試験結果を示した図であり、図23(b)は、第3の実施形態に係るシート構造に被験者A,Bを着座させて行ったEM7に関する振動伝達率の試験結果を示した図であり、図23(c)は第1の実施形態に係るシート構造に被験者A,Bを着座させて行ったEM8に関する振動伝達率の試験結果を示した図であり、図23(d)は、第1及び第3の実施形態に係る各シート構造に質量75kgのラバーウエイトを載置してEM7に関して測定した際の振動伝達率を示した図である。 図24は、第3の実施形態に係るシート構造に被験者Cを着座させ、加速度を変えて励振した際の振動伝達率を示した図である。 図25は、第3の実施形態に係るシート構造の振動実験において、加振機の載置台と、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部の上側連結部との間の変位を時系列に示した図である。 図26は、第1及び第3の実施形態に係る各シート構造と、Xリンクサスペンションによって支持されたシートについて、EM7で励振した際の振動伝達率を示した図である。 図27は、第2の実施形態に係るシート構造と参考例のシートに着座した被験者の生体情報の測定結果を示した図であり、(a)及び(b)は心拍数を、(c)及び(d)は、交感神経の指標であるLF/HFを、(e)及び(f)は、副交感神経の指標であるHFを示した図である。
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態に係るサスペンション機構1Aを示した図であり、図8は、サスペンション機構1Aを、乗用車、トラック、バス、フォークリフト等の乗物用のシート1000の支持に適用した例を示したものである。なお、シート1000は、シートサスペンション部2000を内蔵しており、図9は、当該シートサスペンション部2000の斜視図である。本実施形態のサスペンション機構1は、図1〜図7に示したように、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の上下2層のばね−ダンパー付きサスペンション部を有して構成されている。
下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100は、車体フロアに一体に固定された固定部101に対して、第1のリンク機構110、定荷重ばね機構120及び第1のダンパー130を介して上下動可能に支持される可動支持部140を備えてなる。第1のリンク機構110は、左右一対の前部リンク111,111と、左右一対の後部リンク112,112とを有してなる。前部リンク111,111は、各下部111a,111aが、固定部101の側縁部101aの前方寄りに回転可能に軸支され、各上部111b,111bが、略方形板状の可動支持部140の前部フレーム141に連結されている。後部リンク112,112は、各下部112a,112aが、固定部101の側縁部101aの後方寄りに回転可能に軸支され、各上部112b,112bが、可動支持部140の後部フレーム142に連結されている。これにより、可動支持部140は、固定部101に対して上下動可能に、より正確には、第1のリンク機構110が前部リンク111,111と後部リンク112,112とを備えた平行リンク構造からなるため、前部リンク111,111及び後部リンク112,112の回転軌道に沿って上下動する。すなわち、各下部111a,111a,112a,112aを回転中心とする前部リンク111,111及び後部リンク112,112の回転方向に沿って、つまり、前部リンク111,111及び後部リンク112,112が前方に倒れて下限位置に向かう方向とその反対に戻って上限位置に向かう方向に沿って変位し、可動支持部140は上下動する。従って、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100においては、固定部101と可動支持部140が、請求項で規定した「リンク機構を介して相対的に上下動する上下一対のフレーム部」を構成する。
前部フレーム141及び後部フレーム142は、本実施形態ではいずれもパイプ材から形成され、それぞれ、トーションバー121,121が挿入されている(図4,図8参照)。本実施形態では、このトーションバー121,121が、荷重−たわみ特性においてほぼ線形に近い変化となる線形特性を示す線形ばねであり(図10参照)、後述する磁気ばね122と共に定荷重ばね機構120を構成する。トーションバー121,121の一端は、前部フレーム141及び後部フレーム142に対してそれぞれ相対回転しないように設けられ、トーションバー121,121は、可動支持部140を固定部101に対して相対的に離間させる方向、すなわち、上方向に付勢する弾性力を発揮するように設定される。トーションバー121,121の他端は、弾性力調整部材125のプレート部材125c,125dにそれぞれ接続されている(図2、図6及び図7参照)。
弾性力調整部材125は、調整用ダイヤル125bを回転させると、それによって調整用シャフト125aが回転し、その回転によって、前部リンク111,111側のトーションバー121に接続されたプレート部材125cが回転し、さらに、このプレート部材125cに連結版125eを介して連結された後部リンク112,112側のトーションバー121に接続されたプレート部材125dが回転する。従って、調整用ダイヤル125bを回転操作すると、トーションバー121,121がいずれかの方向にねじられ、トーションバー121,121の初期弾性力が調整され、着座者の体重にかかわらず、可動支持部140を所定の位置(例えば中立位置)に調整できるようになっている。また、可動支持部140を固定部101に対して相対的に離間する方向に付勢する線形ばねとしては、トーションバー121,121が好ましい。
トーションバー121,121は、それ自身が回転軸の中心となり、捩られることで所定のばね力が発揮されるが、コイルスプリング等を用いる場合には、コイルスプリングを懸架支持する部位において摩擦が生じる。これにより、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100における摩擦減衰が高くなり、荷重−たわみ特性(静荷重特性)におけるヒステリシスロスを大きくする要因となる。ここで、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100及び後述の上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300は、両者間での動きに位相差が生じるようにするため、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300とを組み合わせた積層構造全体として、中立位置での負荷荷重を50〜120kgの範囲に設定したときの負荷時と除荷時のヒステリシスロスが150N以下となるように調整されていることが好ましい。より好ましくは120N以下であり、さらに好ましくは100N以下である。ヒステリシスロスの下限値は特に制限されないが通常10〜30Nの範囲内である。
磁気ばね122は、図4に示したように、固定マグネットユニット1220と可動マグネットユニット1221とを備えてなる。固定マグネットユニット1220は、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の略上下方向に沿って所定間隔をおいて配設される2つの固定側支持フレーム1220a,1220aを有している。各固定側支持フレーム1220a,1220aは、固定部101に固定され、それぞれに固定磁石1220b,1220bが取り付けられている。所定間隔をおいて対向する固定磁石1220b,1220bは、二極磁石が用いられ、それぞれ異極が隣接し、所定間隔を隔てて同極同士が対面する姿勢で各固定側支持フレーム1220a,1220aに取り付けられる。
可動マグネットユニット1221は、所定間隔をおいて対向配置される固定磁石1220b,1220bの間隙に配置される可動磁石1221bを備えてなる。可動磁石1221bは、後端が、可動支持部140に軸支された可動磁石支持用リンクプレート1221cの先端に支持され、可動支持部140の上下動に伴って、固定磁石1220b,1220b間の隙間を前後に略水平に移動する構成である。なお、可動磁石1221bは、この前後動方向に沿って着磁されている。
磁気ばね122は、可動磁石1221bが固定磁石1220b,1220bの間隙を移動することにより発揮されるばね特性が、可動磁石1221bと固定磁石1220b,1220bとの相対位置によって変化する。具体的には、図10(b)に示したように、磁気ばね122は、荷重−たわみ特性において、線形ばねであるトーションバー121,121の弾性力(復元力)の作用方向すなわち可動支持部140を固定部101に対して離間させる方向に復元力が増加する特性を正のばね特性とした場合に、所定の変位量範囲では、当該方向への復元力が減少する負のばね特性を示す。すなわち、異極同士が隣接する2つの固定磁石1220b,1220bのN,S極の境界を横切る位置付近の所定の範囲(図10(b)の例では、約−11mmから約+10mmの範囲)において負のばね特性を発揮する。
この結果、磁気ばね122と上記したトーションバー121,121とを備えてなる本実施形態の定荷重ばね機構120は、磁気ばね122における負のばね特性が機能する範囲(図10(b)の例では、約−11mmから約+10mmの範囲)においては、トーションバー121,121の正のばね特性のばね定数(正のばね定数)と磁気ばね122の負のばね特性範囲のばね定数(負のばね定数)とがほぼ同じになるように調整することで、両者を重畳した定荷重ばね機構120全体として、変位量が増加しても荷重値の変化量が所定以下となる定荷重領域すなわちばね定数が略ゼロ(好ましくは、ばね定数約−10N/mm〜約10N/mmの範囲)になる領域を有することになる。このばね定数が実質的に略ゼロになる領域をできるだけ有効利用するためには、可動支持部140の上下方向ストロークの中立位置において、可動マグネットユニット1221の可動磁石1221bは、その中央位置が、異極同士が隣接する2つの固定磁石1220b,1220bの境界に略一致するようにセットされることが好ましい。
なお、本実施形態では磁気ばね122を、可動磁石1221bが固定磁石1220b,1220b間を略水平方向に移動する姿勢(横置き)で設置している。横置きにした場合には、磁気ばね122を配置した際の上下方向スペースを縦置きよりも小さくでき、サスペンション機構1をより薄型にしやすい。その一方、可動支持部140の上下方向の動きを可動磁石1221bの略水平方向の動きに変換するためのリンク機構が必要となり、可動磁石1221bを動作させる際に、そのリンク機構の動きに伴う効率の変化や摩擦減衰が生じる。そのため、磁気ばね122の負のばね特性範囲のばね定数(負のばね定数)は、図10(b)に示したように、若干非線形に推移している。図10(b)の例では、約−11mmから0mmまでのばね定数と、0mmから約+10mmまでのばね定数とを比較すると前者の方が大きな絶対値でばね定数になっており、トーションバー121,121のばね定数と重畳すると、約−11mmから0mmまでの範囲の方が、0mmから約+10mmまでの範囲よりもより低いばね定数となっている。
これに対し、後述の第3の実施形態の上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300で採用している磁気ばね322は、可動磁石1221bを固定磁石1220b,1220b間で上下方向に変位する構造(縦置き)にしている。縦置きにした場合、可動磁石1221bを、上下に変位するフレーム部である上側連結部340に固定するだけで支持でき、動作方向を変換するリンク機構を設ける必要がなく、その分、効率の変化や摩擦減衰の影響がない。そのため、ばね特性は、例えば、図10(a)に示したように、約−9mmから約+10mmの範囲において、磁気ばね322が負のばね特性を示すが、図10(b)の横置きの場合よりも、線形性が高い。よって、トーションバー321,321のばね定数と重畳すると、約−9mmから+10mmまでの範囲で、図10(b)の場合よりも変化が小さい定荷重領域が形成される特性を有する。このことから明らかなように、磁気ばね122,322として縦置きを用いるか、横置きを用いるかによって、各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300のばね特性が変化する。
次に、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100で用いられる第1のダンパー130について説明する。第1のダンパー130は、ピストンロッド131と、このピストンロッド131に取り付けられたピストンが内部を往復動作するシリンダ132とを有する伸縮式ダンパーである。ピストンロッド131の端部131aは、可動支持部140の後方寄りに幅方向に掛け渡された後部フレーム142に取り付けた取り付けブラケット131bに軸支されている。シリンダ132の端部132aは、固定部101に設けた取り付けブラケット132bに軸支されている(図4参照)。これにより、可動支持部140が固定部101に対して上下動すると、第1のダンパー130も伸縮動作する。
また、第1のダンパー130のピストンロッド131の端部を支持する後部フレーム142に取り付けられた取り付けブラケット131bの突出方向が、図4に示したように、ほぼ前方に向かって突出するように設けられており、本実施形態対では、第1のダンパー130の取り付け角度は、水平面に対して約10度に設定されている。なお、この取り付けブラケット131bの突出方向を例えば斜め上方とすることにより、第1のダンパー130の取り付け角度を例えば20度といったように調整できる。従って、ダンパーの取り付け角度により、減衰特性を調整することも可能である。
第1のダンパー130としては、土工機械の運転席支持用としては、土工機械が受ける大振幅の入力に対する衝撃にも対応できるようにするため、伸び側の減衰力(速度0.3m/s)が500Nを超え、かつ、縮み側の減衰力に対して伸び側の減衰力が1.5倍以上の特性を有するものが好ましい。より好ましくは、伸び側の減衰力が速度0.3m/sで800〜1500Nの範囲のものである。例えば、図11において、「A−1」、「A−2」、「B−1」、「B−2」の記号のダンパーが相当する。このような特性を有する第1のダンパー130を用いることにより、可動支持部140の上方向動作時において衝撃エネルギーがより多く吸収され、その結果として下方向動作時に生じる力が小さくなり、下方向動作時の底付き感を抑制できる。大きな衝撃力を吸収しようとして、下層に配置される第1のダンパー130として、例えば縮み側の減衰力が1000N以上のものを採用した場合(例えば、図11の「D−1」のダンパー)には、底付き感が大きくなってしまい好ましくない。しかし、上記の条件の第1のダンパー130を採用することにより、下方向動作時には、減衰力が小さく、定荷重ばね機構120の弾性力により衝撃を緩和して底付き感を抑制できる。第1のダンパー130は、オイルダンパーが好ましいが、上記の条件を満たすものであれば、摩擦ダンパー等であってもよい。但し、オイルダンパーは、速度依存性を有するため、衝撃エネルギーの吸収だけでなく、特に低周波帯域における位相制御への貢献度が高い。
上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300は、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100から磁気ばねを取り除いた構成であり、ばね機構としては、定荷重ばね機構ではなく、トーションバー321のみから構成される線形ばね機構320を採用している。
上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300は、下側連結部301が、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の可動支持部140上に連結され、上側連結部340上に、取り付け台343を介して、スライダ250のロアレール251が固定され、スライダ250は、上側連結部340と共に上下動する。
上側連結部340は、下側連結部301に対して第2のリンク機構310を介して支持されている。第2のリンク機構310の構成は、第1のリンク機構110と同様に、左右一対の前部リンク311,311と、左右一対の後部リンク312,312とを有してなる。下側連結部301の前方には、幅方向に沿って前部フレーム301aが配設され、後方には、幅方向に沿って後部フレーム301bが配設されている。前部フレーム301a及び後部フレーム301bはいずれもパイプ材から形成され、その内部に、線形ばね機構320を構成するトーションバー321,321が配設されている。トーションバー321,321の一端は、前部フレーム301a及び後部フレーム301bに相対回転しないように設けられ、他端は後述する弾性力調整部材325のプレート部材325c,325cに接続されている。
前部リンク311,311の各下部311a,311aは、下側連結部301の前部フレーム301aに連結され、各上部311b,311bが、上側連結部340に回転可能に軸支されている。後部リンク312,312の各下部312a,312aは、下側連結部301の後部フレーム301bに連結され、各上部312b,312bが、上側連結部340に回転可能に軸支されている。前部リンク311,311の回転方向及び後部リンク312,312の回転方向は、いずれも、第1のリンク機構110の前部リンク111,111及び後部リンク112,112の回転方向とは逆方向となるように設定される。すなわち、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の可動支持部140は、第1のリンク機構110により、図5(a)の最上端位置から図5(c)の最下端位置に向かうに従って、前方に変位しつつ下方に移動していくが、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300は、それ単体では、上側連結部340が、後方に変位しつつ下方に移動していくように設けられている。よって、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300とを積層した状態においては、上側連結部340は、ほぼ垂直方向に上下動することになる。これにより、着座者の着座位置は上下動が伴っても前後変位が少なくなり安定する。上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300においては、下側連結部301と上側連結部340が、請求項で規定した「リンク機構を介して相対的に上下動する上下一対のフレーム部」を構成する。
ここで、トーションバー321,321の他端が連結される弾性力調整部材325は、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100における弾性力調整部材125と全く同様の構成であり、調整用ダイヤル325bを操作することで、トーションバー321,321のねじり量を調整することができる。本実施形態では、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100における弾性力調整部材125は、着座者の体重に合わせて、定荷重ばね機構120の磁気ばね122が中立位置(固定磁石1220b,1220b間の前後方向中間位置に、可動磁石1221bの前後方向中央部を合わせた位置)になるように設定して着座者を所定の平衡点位置で支持するために用いられる。もちろんそれにより着座者の目線の高さも調整される。また、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の弾性力調整部材325は、トーションバー321,321のねじり量を調整することで主に着座者の目線の高さを調整するために用いられる。本実施形態によれば、弾性力調整部材125,325を二組備えており、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100のトーションバー121,121及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300のトーションバー321,321の両者の初期弾性力をそれぞれ調整可能であり、着座者の目線高さの調整範囲が大きく、これによりリフターとしての機能を兼ねさせることができる。
上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300に用いられる第2のダンパー330は、下側連結部301の後部フレーム301bから下方に突出するように設けた取り付けブラケット332bにシリンダ332の端部が軸支され、上側連結部340の前部フレーム341に後方に突出するように設けた取り付けブラケット331bにピストンロッド331の端部が軸支されて配設されている。第2のダンパー330は、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300が、本実施形態のように線形ばね機構320を採用した場合、下方への力に対する復元力が高いため、第1のダンパー130と同様に、伸び側の減衰力(速度0.3m/s)が500Nを超え、かつ、縮み側の減衰力に対して伸び側の減衰力が1.5倍以上の特性を有するものが好ましい。より好ましくは、伸び側の減衰力が速度0.3m/sで800〜1500Nの範囲のものであり、第1のダンパー130と同様のものを用いることができる。
但し、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300とは、減衰特性又はばね特性とが異なるようにする。本実施形態では、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100において磁気ばね122を備えた定荷重ばね機構120を採用し、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300では定荷重ばね機構を採用していない。よって、その違いにより、ばね特性に差が生じるため、第1のダンパー130及び第2のダンパー330は、同等の特性を有するものを用いてもよい。しかしながら、2つのダンパー130,330として異なる減衰力のものを採用したり、取り付け角度を異ならせたりして、減衰特性も異なる構造とすることが好ましい。このような構成とすることにより、入力される振動によって上下に振動する各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300の振動波形の周期の位置すなわち位相に差が生じることになる。このような位相差が大きいほど、すなわち逆位相に近いほど、振動吸収特性が優れるため好ましい。好ましくは、ISO 7096:2000に基づくJIS A 8304:2001で規定されているた入力スペクトルクラス(EM6,EM7,EM8,EM9)で励振した際の共振点の周波数帯域が2Hz以下で、この共振点が含まれる2Hz以下の周波数帯域において、各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300の相互間の振動波形の位相差が120度以上である。より好ましくは振動波形が逆位相となることが好ましい。
各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300の位相差によってより顕著に振動吸収特性を向上させるためには、サスペンション機構1Aの荷重−たわみ特性における負荷時と除荷時のヒステリシスロスが小さいほど好ましい。それにより、動的ばね定数を低く抑えることができ、共振点をより低い周波数帯域に出現させ、入力振動差に伴う各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300の個別運動による位相差を生じやすくできる。サスペンション機構1Aの荷重−たわみ特性におけるヒステリシスロスは、中立位置での負荷荷重を50〜120kgの範囲に設定したとき150N以下であることが好ましい。また、20〜150Nの範囲であることがより好ましい。
シートサスペンション部2000は、図8に示したように、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の上側連結部340に対して、シートサスペンション部リンク機構2100、線形ばね機構2200及びシートサスペンション部ダンパー2300を介して上下動可能に支持されるシート支持部2400を備えてなる。
本実施形態では、シート1000のシートクッション部1100を支持するクッションフレームがシート支持部2400を構成しており、サイドフレーム2410,2410、前縁フレーム2420、後縁フレーム2430等を有している。クッションフレームからなるシート支持部2400は、スライダ2500のアッパーレール2520に支持される。ロアレール2510が上側連結部340に取り付け台343を介して固定されており、スライダ250は、上側連結部340と共に上下動する。なお、サイドフレーム2410,2410、前縁フレーム2420、後縁フレーム2430には、クッション部材としての例えば三次元立体編物が張設されている。
シート支持部2400は、図8及び図9に示したように、アッパーレール2520に、シートサスペンション部リンク機構2100を介して支持される。シートサスペンション部リンク機構2100は、左右一対の前部リンク2110,2110と、左右一対の後部リンク2120,2120と、左右それぞれにおいて、前部リンク2110及び後部リンク2120同士を連結する連結リンク2130,2130とを有してなる。
前部リンク2110,2110は、略台形に形成され(図9参照)、前端付近の上部が、アッパーレール2520の前部ブラケット2520aに軸部材2110aにより軸支され、後端付近の上部がシート支持部2400のサイドフレーム2410,2410間において、図9に示したように平面視で軸部材2110aより後方に掛け渡した前部側補強パイプ2440に相対回転可能に連結されている。
後部リンク2120,2120は、図9に示したように頂部を下側とした略三角形に形成され、前端付近の上部が、アッパーレール2520の後部ブラケット2520bに軸部材2120aにより軸支され、後端付近の上部がシート支持部2400のサイドフレーム2410,2410間において、平面視で軸部材2120aより後方に掛け渡した後部側補強パイプ2450に相対回転可能に連結されている。従って、シートサスペンション部リンク機構2100の前部リンク2110,2110及び後部リンク2120,2120は、それぞれ軸部材2110a,2120aを回転中心として回転し、シート支持部2400はその回転軌道に沿って、上限位置と下限位置との間を上下動する。
シートサスペンション部2000の線形ばね機構2200は、荷重−たわみ特性においてほぼ線形に近い変化となる線形特性を示す線形ばねのみを備えて構成される。具体的には、前部側補強パイプ2440及び後部側補強パイプ2450にそれぞれ挿通された線形ばねとしてのトーションバー2210,2210を有して構成される(図8及び図9参照)。各トーションバー2210,2210は、一端が一方のサイドフレーム2410に固定され、他端が他方のサイドフレーム2410を貫通して自由端となっており、シート支持部240を0上方に付勢するように配設される。これにより、人が着座した状態で、シート支持部2400が相対的に下方に変位した際には、着座位置に復帰させようとするばね力が働く。
シートサスペンション部ダンパー2300は、ピストンロッド2310の先端を前部側補強パイプ2440に係合させ、シリンダ2320の底部をスライダ2500のアッパーレール2520,2520間に掛け渡した後部側下部パイプ2530に係合させて配置されている(図8及び図9等参照)。
シートサスペンション部ダンパー2300は、第1のダンパー130及び第2のダンパー330と比較して、減衰力が同等以下のものを用いることが好ましい。シートサスペンション部2000は、上記2層のサスペンション部100,300からなるサスペンション機構1Aとシートクッション部1100との間に設けられる。サスペンション機構1Aに直接シート1000を支持する場合よりも、共振点の振動伝達率をより低く抑える目的で設けられるが、サスペンション機構1Aによって十分減衰され、またシートクッション部1100の減衰も作用するため、シートサスペンション部2000では、第1のダンパー130や第2のダンパー230よりも減衰力の小さいものが採用される。例えば、図11の「B−3」のオイルダンパーを用いることができる。なお、シートサスペンション部2000及びシートクッション部1100(三次元立体編物等のクッション材を含む)を含んだ荷重−たわみ特性は、サスペンション機構1Aよりもヒステリシスロスが大きく、図12に示したように、200N以上のヒステリシスロスとなっている。
ここで、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300及びシートサスペンション部2000は、上下ストロークがそれぞれ略同一となるように設定することが好ましい。それにより、シート1000に着座している人のヒップポイントの位置が安定する。なお、上下ストロークの調整は、第1のリンク機構110、第リンク機構310及びシートサスペンション部リンク機構2100の長さの調整、ダンパー130,330,2300の長さや伸縮量の調整、取り付け角度の調整等により行うことができる。
本実施形態によれば、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100では定荷重ばね機構120を採用し、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300では備えていない線形ばね機構310を採用しており、それぞれ個別にダンパー130,330が取り付けられている。そのため、各ばね−ダンパー付きサスペンション部100,300は入力振動に対する減衰特性又はばね特性に差があり、入力振動に対する下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の振動波形と、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の振動波形とに位相差が生じる。積層構造であるため、所定のストロークを有していることも相俟って、振幅の大きな衝撃性振動に対して高い減衰効果を発揮できる。そのため、特に土工機械の運転席用のサスペンション機構として適している。
(サスペンション機構1Aの振動特性に関する実験)
本実施形態のサスペンション機構1Aに支持されたシート1000に被験者A(身長173cm、体重54.8kg)と被験者B(身長179cm、体重99kg)を着座させた場合について、JIS A 8304:2001(ISO 7096:2000)に基づいたSEAT値を求めた。振動実験は、入力スペクトルクラスEM6、EM7、EM8及びEM9を用いて行った。
なお、入力スペクトルクラスEM6は、「50,000kg以下のクローラ式トラクタドーザ」用の規格であり、卓越周波数7.6Hz、PSDの最高値0.34(m/s/Hzで励振し、SEAT値は0.7未満、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は1.5未満が求められる。入力スペクトルクラスEM7は、「コンパクトダンパ」用の規格であり、卓越周波数3.24Hz、PSDの最高値5.56(m/s/Hzで励振し、SEAT値は0.6未満、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は2.0未満が求められる。入力スペクトルクラスEM8は、「4,500kg以下のコンパクトローダ」用の規格であり、卓越周波数3.3Hz、PSDの最高値0.4(m/s/Hzで励振し、SEAT値は0.8未満、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は2.0未満が求められる。入力スペクトルクラスEM9は、「コンパクトローダ(スキップドステア式)」用の規格であり、卓越周波数4.0Hz、PSDの最高値0.78(m/s2)2/Hzで励振し、SEAT値は0.9未満、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は2.0未満が求められる。振動伝達率は、75kgのラバーウエイトをシート1000のシートクッション部1100に載置して測定した。
また、実験は、出願人の一人であるデルタ工業株式会社の研究施設(広島県安芸郡府中町新地1番14号)と、イタリアの国際研究機関に属する「Institute for Agricultural and Earthmoving Machinery (IMAMOTER)」の研究施設との2箇所において行った。
デルタ工業株式会社の研究施設では、動電型3軸加振機(IMV Corp.製3軸加振機TAS−1000−5、最大励振ストローク60mm)を用いて、EM6、EM8及びEM9に関する実験を行い、IMAMOTERの研究施設では、1軸加振機を用いて、EM6、EM7、EM8及びEM9に関する実験を行った。
本実験で用いたサスペンション機構1Aを構成する下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の垂直方向の最大ストローク量はそれぞれ40mmで、合計80mmであった。また、シートサスペンション部2000の垂直方向の最大ストローク量も40mmとし、サスペンション機構1Aとシートサスペンション部2000とを合わせた最大励振ストロークは120mmであった。なお、図5では、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300との組合せからなるサスペンション機構1Aの動きを示しているが、それぞれの最大ストローク量40mmとした場合の寸法の変化の例も合わせて示している。
下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100に組み込まれた第1のダンパー130は、図11に示した「A−1」のオイルダンパー(伸び側減衰力1370N、縮み側減衰力380N)を採用し、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300に組み込まれた第2のダンパー330は、図11に示した「B−1」のオイルダンパー(伸び側減衰力1370N、縮み側減衰力760N)を採用した。シートサスペンション部2000に組み込まれたシートサスペンション部ダンパー2300は、図11に示した「B−3」のオイルダンパー(伸び側減衰力400N、縮み側減衰力200N)を採用した。
振動実験の結果は次表のとおりであった。
Figure 0006940849
表1及び図13から明らかなように、いずれの研究施設で行った実験でも、EM6、EM8及びEM9で求められる条件を満たしていた。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同じサスペンション機構1Aに、図14に示したように、第1の実施形態のシートサスペンション部2000からシートサスペンション部ダンパー2300を取り除いた構造のサスペンション部(以下、「ばねサスペンション部」)2000Aを採用している。すなわち、ばね機構は、トーションバー2210,2210のみを備えた線形ばね機構2200のみからなる。
体重54kg、体重57kg、体重99kgの被験者を第2の実施形態のシート1000に着座させ、EM6、EM8に関する実験を行った。その結果を次表に示す。
Figure 0006940849
表2から、第2の実施形態でも、EM6、EM8のSEAT値に関しては基準を満たしていた。但し、共振点の振動伝達率は1.593であり、EM8の基準は満たしていたものの、EM6の基準は僅かに上回っていた。
上記の結果から、第1の実施形態及び第2の実施形態のいずれも、共振周波数が2Hz以下と低く、また、振動伝達率も低く抑えられており、2Hz以下の周波数帯域において、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300との間で位相差が生じていることがわかる。
なお、比較のため、シートサスペンション部2000において、第1の実施形態の「B−3」のオイルダンパー(伸び側減衰力400N、縮み側減衰力200N)に代え、「A−1」のオイルダンパー(伸び側減衰力1370N、縮み側減衰力380N)を採用した構成について、体重54kg、体重57kg、体重99kgの被験者に関し、EM6及びEM8に関する実験を行った。
その結果、EM6については、SEAT値が、それぞれ0.60、0.59、0.42であり、基準を満たしていたが、EM8については基準を満たさなかった。また、EM6、EM8のいずれの場合も、振動伝達率の基準を満たすことができなかった。このことから、シートサスペンション部2000においては、減衰力が伸び側で1000N以下、好ましくは500N以下、より好ましくは上記のように300〜500Nの小さいものを採用することが好ましいと言える。
(第3の実施形態)
次に、図15〜図17に基づき、本発明の第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cについて説明する。第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cは、第1の実施形態に係るサスペンション機構1Aとは、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの構成が異なる。本実施形態では、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aも、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と同様に、定荷重ばね機構320Aを有する構造としている。すなわち、所定の変位範囲において負のばね特性を示す磁気ばね322Aを配設しており、線形ばね特性を示すトーションバー321,321と組み合わされることにより、定荷重ばね機構320Aを構成している。
但し、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の定荷重ばね機構120を構成する磁気ばね122は、第1の実施形態と同様に、固定磁石1220b,1220bを略水平姿勢(横置き)で設置し、可動磁石1221bを略水平方向に移動させる構成としているが、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aでは、定荷重ばね機構320Aを構成する磁気ばね322Aは、可動マグネットユニット322A1の可動磁石322A11が固定マグネットユニット322A2の固定磁石322A21間を上下方向に移動する姿勢(縦置き)で設置している。なお、縦置きと横置きを比較した場合、縦置きでは、横置きのように、可動支持部である上側連結部340の上下方向の動きを可動磁石322A11の略水平方向の動きに変換するためのリンク機構を必要としないことから、摩擦減衰が小さく、図10(a)に示した特性を有している。この点は上記のとおりである。
その他の構成は、シートサスペンション部2000の構成も含め、上記第1の実施形態と同様であり、同じ部材については同じ符号で示している。但し、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100に配設される第1のダンパー130及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aに配設される第2のダンパー330の取り付け角度は、いずれも水平面に対して約10度とした。これにより、取り付け角度を約20度に設定する場合と比較した場合、各ダンパー130,330の減衰力に対し、相対的に、磁気ばね及びトーションバーのばね特性が強く作用する。これは、JIS A 8304:2001「土工機械−運転員の座席の振動評価試験」における「コンパクトダンパ」の入力スペクトルクラス:EM7のように、卓越周波数3.24Hz、PSDの最高値5.56(m/s/Hzというような、EM6等の他の規格よりも大きな入力エネルギーに対応する構造とするためである。なお、EM7のSEAT値は0.7未満を満足する必要があり、垂直軸方向の共振周波数における振動伝達率は2.0以下であることが求められる。
(振動特性)
図18は、第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cについて、中立位置(変位量40mm)の負荷質量を異ならせて測定した静荷重特性を示した図であり、このうち、負荷質量50kg、70kg、120kgを支持したときに中立位置となるように設定して測定したデータが図19の符号「S−VSUM,B」で示した曲線である。なお、図19では、第1の実施形態に係るサスペンション機構1Aについて、負荷質量50kg、70kg、120kgを支持したときに中立位置となるように設定して測定したデータを符号S−VSUM,A」として併せて示している。図20は、図19の符号「S−VSUM,B」で示した曲線のA部,B部,C部の拡大図である。図21は、第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cに、図12で示した特性を有するシートサスペンション部2000を内蔵したシート1000を支持して測定した静荷重特性を示し、中立位置での負荷質量20kg、30kg、50kg、70kg及び90kgの場合のデータである。
なお、下層の第1のダンパー130として、図11に示した「A−2」のオイルダンパー(伸び側減衰力900N、縮み側減衰力250N)を用い、上層の第2のダンパー330として、「D−2」のオイルダンパー(伸び側減衰力446N、縮み側減衰力820N)を用いている。また、シートサスペンション部ダンパー230として、「B−3」のオイルダンパー(伸び側減衰力400N、縮み側減衰力200N)を用いている。各種ダンパーで測定したところ、この組合せが、体重54.8kg、体重99kgのいずれの被験者も後述するEM7の基準を満たした。このうち、上層の第2のダンパー330(D−2)として、縮み側減衰力が伸び側減衰力よりも大きいものを採用している点が他の実施形態と異なる。これは、本実施形態が上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aにおいても定荷重ばね機構320Aを採用したためであり、縮み側減衰力が小さいと、大振幅の入力によって、この上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの変位が大きくなりやすいことから、それを抑制すべく、縮み側減衰力の高いものを採用したものである。また、本実施形態で採用したオイルダンパー「A−2」及び「D−2」のように減衰力に大きな差があるものを用いることにより、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの位相差をより大きく、逆位相近くにすることができ、振動吸収特性、衝撃吸収特性を向上させることができる。
図18〜図20に示したように、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの上下2層の定荷重ばね機構を備えた本実施形態のサスペンション機構1Cは、中立位置の変位量40mm付近の若干ばね定数が高くなった堰となる部分を挟んだ両側領域の2箇所で定荷重領域を示す特性を示している。変位量30mm付近から40mm付近では、磁気ばねが横置きになっている下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の定荷重ばね機構120の作用が相対的に大きく機能し、40mm付近から50mm付近では磁気ばねが縦置きになっている上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの定荷重ばね機構320Aの作用が相対的に大きく機能する。また、40mm付近の堰となる部分により、2つの定荷重領域では20〜50N程度の荷重差があるが、それらはヒステリシスロスの範囲に収まっており、2つの定荷重領域は、両者をあわせて実質的に20mm〜25mmの一つの定荷重領域(不感帯)が確保された特性となっている。
よって、人が着座した際の平衡点を中立位置40mm付近に合わせた場合には、振幅の小さな振動は、40〜50mm付近の定荷重領域で除振機能が発揮され、振幅が大きくなって上方に変位した場合でも30〜40mm付近の定荷重領域の特性で除振される。これら上下2層の定荷重ばね機構を備えた構造が振動吸収特性の改善に寄与することがわかる。
(EM7に関する試験)
次に、第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cによって支持されたシート1000に、第1の実施形態と同様に、被験者A(身長173cm、体重54.8kg)及び被験者B(身長179cm、体重99kg)を着座させ、EM7に関する実験を行った。その結果を次表に示す。なお、表3中、共振点の振動伝達率は、加振機上に設置した第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cに負荷質量75kgを載置し、ピーク間振幅48mm、正弦波掃引波形で加振した際の値であり、図22に示したデータから採用した。なお、測定は、デルタ工業株式会社の研究施設に設置した6軸加振機((株)デルタツーリング製、最大励振ストローク1000mm)を用いて実施した。
Figure 0006940849
表3から、第3の実施形態の構成によれば、EM7のSEAT値の基準を満たしていた。また、表3及び図22から、共振点の振動伝達率は1.33であり、EM7の基準は満たしていた。
図22のグラフにおいて、0.9Hz付近、1.2Hz付近、1.5Hz付近に変曲点が出現するが、例えば、本実施形態のように下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aとを積層した構造ではなく、一般に採用されている一つのXリンクを使用したシートサスペンションの場合、このような変曲点は出現せずに、0.9Hz付近から1.5Hz付近まで、それらのほぼ中間が頂部となる一つの山型の曲線となり、共振点の振動伝達率がより高くなる。しかし、本実施形態では、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100と上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aとの積層構造であり、各サスペンション部100,300のA減衰特性、ばね特性が異なるため、入力振動に対してそれぞれ独立して作用し、両者の動きに位相差が生じる。この位相差が、共振点が出現する2Hz以下の周波帯域における振動伝達率の低減に寄与する。この作用は、上記第1及び第2の実施形態に係るサスペンション機構1A,1Bでも同様である。振動伝達率の低減のため、位相差は大きいほど、すなわち逆位相に近いほど好ましい。逆位相にならない場合でも2Hz以下の入力振動で120度以上の位相差が生じるように、減衰特性、ばね特性を調整することが好ましい。
なお、図22の0.9Hz付近では、下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の定荷重ばね機構120及び上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の定荷重ばね機構320Aの両者が働いて除振し、1.2Hz付近では、磁気ばねが縦置きになっている上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300の定荷重ばね機構320Aの作用が相対的に大きく機能して除振し、1.5Hz付近では、磁気ばねが横置きになっている下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100の定荷重ばね機構120の作用が相対的に大きく機能して除振しているものと考えられる。
ここで、図23(a),(c)は、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)に、シートサスペンション部2000を内蔵したシート1000を支持させ、このシート1000に被験者A,Bを着座させてEM6、EM8に関する試験を行った際の振動伝達率を示す。図23(b)は、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)に、シートサスペンション部2000を内蔵したシート1000を支持させ、このシート1000に被験者A,Bを着座させてEM7に関する試験を行った際の振動伝達率を示す。また、図23(d)は、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)と、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)に、それぞれシートサスペンション部2000を内蔵したシート1000を支持させ、このシート1000に質量75kgのラバーウエイトを載置してEM7に関して測定した際の振動伝達率を示すものである。
図23(d)から、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)は、共振周波数が1.7Hzであったが、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)は共振周波数が1.5Hzになっており、さらに、3.24Hzの振動伝達率が、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)が0.53であるのに対し、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)は0.43であり低くなっていることがわかる。この点が、EM7に関し、第3の実施形態に係るサスペンション機構1CのSEAT値が、第1の実施形態に係るサスペンション機構1AのSEAT値よりも良好となる大きな要因と考えられる。
次に、加振機上に設置した第3の実施形態に係るサスペンション機構1Cによって支持されたシート1000に、身長171cm、体重63kgの被験者Cを着座させ、加速度一定の正弦波掃引波形で、±0.015G、±0.025G、±0.05Gで励振した際の振動伝達率を図24に示す。図24から、入力加速度に応じて共振峰が変化していることがわかるが、振動伝達率はいずれも極めて低い。これは、サスペンション機構1Cが、図20に示したような不感帯を有するため、2つのサスペンション部100,300Aの動きに位相差が生じやすく、それにより振動吸収がなされているものである。特に、±0.025Gの入力に対しては共振峰が消滅し、剛体のような特性を示しているが、これは2つのサスペンション部100,300Aの動きがほぼ逆位相になっているためである。
図25は、加振機上に設置した第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)によって支持されたシート1000に、被験者Cを着座させて実施した振動実験において、加振機の載置台と、上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300Aの上側連結部340との間の変位を時系列に示した図である。変位の測定はレーザー変位計を用いた。比較のため、第1の実施形態に係るサスペンション機構1Aとほぼ同等の固有振動数と共振特性を持つ一方、一般的に用いられるXリンク構造の一層のサスペンションを用いた場合についても同様の測定を行った。なお、図中、矢印で示した部分はレーザー変位計の計測範囲を超えたため、フラットな波形になっているものである。
すなわち、図25は、不感帯を有し、1.0〜1.5Hzの範囲に共振点を有している第3の実施形態のサスペンション機構1C(S−VSUM,B)と、不感帯を有しておらず共振点が1.0Hz近傍のXリンクサスペンションとの共振点回りの挙動の差を示すものである。励振振幅±16mmに対し、第3の実施形態のサスペンション機構1C(S−VSUM,B)の変位量は50mmであり、変位伝達率は50mm/32mmより約1.5であった。これに対し、Xリンクサスペンションの場合、変位伝達率は70mm/32mmより約2.1であった。従って、一般に用いられているXリンクサスペンでは、EM7の規格を満たすことは難しい。
図26は、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)、上記のXリンクサスペンションによって支持されたシート1000に被験者Cを着座させ、EM7で励振した場合の振動伝達率を示している。共振点回りの挙動は、図25の変位伝達率と一致し、ほぼ一致していることがわかる。Xリンクサスペンションに比較して、第1の実施形態に係るサスペンション機構1A(S−VSUM,A)、第3の実施形態に係るサスペンション機構1C(S−VSUM,B)は、いずれもパッシブ制御でありながら、共振点の振動伝達率が低減されており、積層構造のサスペンション部の動きの位相差が大きく貢献していることがわかる。
以上のように、本発明によれば、積層するサスペンション部の減衰特性又はばね特性を異ならせることにより、入力に応じて主として作用するサスペンション部が異なることになって位相差が生じ、様々な入力振動、衝撃に対応できるサスペンション機構を提供できる。
ここで、図27は、第2の実施形態に係るシート1000(サスペンション機構1Aとシートサスペンション部ダンパー2300を取り除いた構造のシートサスペンション部2000Aとによって支持されたシート1000)と参考例に係るシートに被験者を着座させ、EM8の規格に従った波形で15分間加振させた動的状態で、心拍数(HR)、交感神経の指標であるLF/HF、副交感神経の指標であるHFを求めたものである。なお、参考例のシートは、第1の実施形態に係るシートから上層ばね−ダンパー付きサスペンション部300を取り除いた構造、すなわち、磁気ばね122を備えた下層ばね−ダンパー付きサスペンション部100に直接線形ばね機構220を備えたシートサスペンション部200からなる機構を支持させたシートである。
図27(a),(b)の心拍数をみると、第2の実施形態のシート1000の方が心拍数が低いと共に、変化も小さく、収束傾向となり、安定化の傾向にある。図27(c),(d)の交感神経活動の指標では、参考例のシートは値が大きく変化量も大きいのに対し、第2の実施形態のシート1000は安定している。図27(e),(f)の副交感神経活動の各指標では、第2の実施形態のシート1000の方が値が大きく、安定傾向にある。
これらの結果から、積層構造のサスペンション部を備えたサスペンション機構1Aによって支持された第2の実施形態のシート1000は、人を安静状態、すなわち、圧覚によるストレスがなくなり、リラックスさせるような状態に導く傾向が高い特性を有する。
1A,1C サスペンション機構
100 下層ばね−ダンパー付きサスペンション部
101 固定部
110 リンク機構
111 前部リンク
112 後部リンク
120 定荷重ばね機構
121 トーションバー
122 磁気ばね
130 第1のダンパー
140 可動支持部
2000,2000A シートサスペンション部
2100 リンク機構
2110 前部リンク
2120 後部リンク
2200 線形ばね機構
2210 トーションバー
2300 シートサスペンション部ダンパー
2400 シート支持部
300,300A 上層ばね−ダンパー付きサスペンション部
310 第2のリンク機構
320 線形ばね機構
321 トーションバー
330 第2のダンパー
320A 定荷重ばね機構
322A 磁気ばね

Claims (14)

  1. 車体構造とシートとの間に配置されるサスペンション機構であって、
    リンク機構を介して相対的に上下動する上下一対のフレーム部と、
    前記上下一対のフレーム部を弾性的に付勢するばね機構と、
    前記上下一対のフレーム部が相対的に上下動する際の力を減衰させるダンパーと
    を備えたばね−ダンパー付きサスペンション部が、上下に複数積層されて構成され、
    前記複数積層されたばね−ダンパー付きサスペンション部のうち、一部の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の減衰特性又はばね特性を、他の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の減衰特性又はばね特性とは異ならせることにより、各ばね−ダンパー付きサスペンション部の動きに位相差を生じさせることができる構成であると共に、
    負荷質量50〜120kgを支持したときに中立位置となるよう設定して測定した荷重−たわみ特性として、負荷時と除荷時のヒステリシスロスが150N以下であることを特徴とするサスペンション機構。
  2. 前記各ばね−ダンパー付きサスペンション部の相互間の動きの位相差が、周波数2Hz以下の共振点が含まれる周波数帯域において120度以上である請求項1記載のサスペンション機構。
  3. 前記一部の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の前記ダンパーは、前記他の層のばね−ダンパー付きサスペンション部の前記ダンパーとは減衰力の異なるものが用いられている請求項1又は2記載のサスペンション機構。
  4. 前記複数積層されたばね−ダンパー付きサスペンション部のうち、
    少なくとも一つの層のばね−ダンパー付きサスペンション部のばね機構は、荷重−たわみ特性における所定の変位範囲において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を備えた定荷重ばね機構が採用され、
    前記定荷重ばね機構が、
    線形特性を示す線形ばねと、
    固定磁石と、前記上下一対のフレーム部の相対的な上下動に伴って前記固定磁石との相対位置が変位する可動磁石とを備え、前記固定磁石と前記可動磁石の相対位置に応じてばね定数が変化する非線形特性を示す磁気ばねと
    を有し、
    前記線形ばねと前記磁気ばねとを合わせた荷重−たわみ特性が所定の変位範囲において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を備えた構成である請求項1〜3のいずれか1に記載のサスペンション機構。
  5. 前記定荷重ばね機構が採用されないばね−ダンパー付きサスペンション部を有する場合、当該ばね−ダンパー付きサスペンション部のばね機構は、荷重−たわみ特性が線形に変化する線形ばね機構が採用されている請求項4記載のサスペンション機構。
  6. 前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が2層からなり、
    下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が、前記定荷重ばね機構を有する構成であり、
    上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が、前記線形ばね機構を有する構成である請求項5記載のサスペンション機構。
  7. 前記ばね−ダンパー付きサスペンション部が2層からなり、
    下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部及び上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部のいずれもが、前記定荷重ばね機構を有する構成である請求項4記載のサスペンション機構。
  8. 下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の前記定荷重ばね機構と、上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の前記定荷重ばね機構とのうち、一方の前記定荷重ばね機構を構成する前記磁気ばねは、その可動磁石が、前記フレーム部の上下動に伴って略水平方向に変位するように設けられ、他方の前記定荷重ばね機構を構成する前記磁気ばねは、その可動磁石が、前記フレーム部の上下動に伴って上下方向に変位するように設けられている請求項7記載のサスペンション機構。
  9. 下層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部、及び、上層に配置される前記ばね−ダンパー付きサスペンション部の積層構造が、2組の前記定荷重ばね機構により、荷重−たわみ特性において、荷重値の変化量が所定以下の定荷重となる特性を変位位置の異なる2箇所で発揮する特性を有している請求項8記載のサスペンション機構。
  10. 前記荷重−たわみ特性において、前記定荷重となる特性を示す2箇所の領域は、両者間において荷重値が高くなる変化を示す堰を挟んで設けられ、両者に荷重差がある一方、その荷重差が2つの定荷重領域のヒステリシスロスの範囲内である請求項9記載のサスペンション機構。
  11. 各層の前記ばね−ダンパー付きサスペンション部は、それぞれの前記定荷重ばね機構又は前記各線形ばね機構に採用さている線形ばねの弾性力を調整する弾性力調整部材が設けられており、2つの弾性力調整部材が、着座者の目線位置を調整するリフターとしての機能を果たす請求項4〜10のいずれか1に記載のサスペンション機構。
  12. 前記定荷重ばね機構又は前記各線形ばね機構に採用さている線形ばねが、トーションバーである請求項4〜11のいずれか1に記載のサスペンション機構。
  13. 土工機械のシートの支持に用いられる請求項1〜12のいずれか1に記載のサスペンション機構。
  14. 請求項1〜13のいずれか1に記載のサスペンション機構と、前記サスペンション機構に支持されるシートとを備えたシート構造であって、
    前記サスペンション機構とシートクッション部との間に、共振点の振動伝達率を低減するためのシートサスペンション部がさらに介在されていることを特徴とするシート構造。
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