JP5689624B2 - 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ - Google Patents

鉄道車両に搭載されるアクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP5689624B2
JP5689624B2 JP2010164220A JP2010164220A JP5689624B2 JP 5689624 B2 JP5689624 B2 JP 5689624B2 JP 2010164220 A JP2010164220 A JP 2010164220A JP 2010164220 A JP2010164220 A JP 2010164220A JP 5689624 B2 JP5689624 B2 JP 5689624B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
central axis
vibration
vehicle body
vibration isolator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010164220A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012026487A (ja
Inventor
正洋 鈴木
正洋 鈴木
鷹取 正夫
正夫 鷹取
秀明 江崎
秀明 江崎
一雄 磯村
一雄 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2010164220A priority Critical patent/JP5689624B2/ja
Publication of JP2012026487A publication Critical patent/JP2012026487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5689624B2 publication Critical patent/JP5689624B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、鉄道車両の車体と台車との間に振動を抑制するために搭載されるアクチュエータに関し、さらに詳細には、アクチュエータの揺動を抑制するための技術に関する。
鉄道車両として、レール上を走行する台車と、台車の上方に車体支持機構を介して支持された車体とを備えたものが知られている。車体支持機構は、台車と車体とを連結するとともに、車体の振動を抑制して車体の姿勢を改善するためのものである。この車体支持機構には、例えば、台車と車体を上下方向に連結する枕バネや、台車と車体を車両幅方向(枕木方向)に連結して車両の横揺れを抑制する振動抑制機能付きサスペンションなどが含まれる。近年では、振動抑制機能付きサスペンションとして、入ってきた振動と逆向きの力を加えるように制御される空気圧、油圧又は電動モータで作動するアクチュエータが用いられることがある。例えば、特許文献1に開示されたアクチュエータは、内蔵された電動モータと、シリンダと、当該シリンダに挿入されたピストンロッドと、電動モータの回転運動を直線運動に変換してピストンロッドを伸縮させる回転−直線運動変換機構を備えている。このようなアクチュエータと車体及び台車との連結部には、例えば、特許文献2に記載されているような球面継手が用いられる。これによりアクチュエータは、回転および揺動が可能なように台車及び車体と連結される。
特開平7−81561号公報 特開2008−248989号公報
上記のように車両の横揺れを抑制するために設けられるアクチュエータは、台車と車体の間において、推力の作用方向が車両幅方向と平行となるように配置される。このように配置されるアクチュエータには、設置スペースの制約などの理由から、推力の作用方向の大きさを縮小する要求がある。そこで、アクチュエータにおいて推力が作用する中心軸線上にロッドを配置するとともに、この中心軸線と並行に他の主構成要素(例えば電動モータや電磁弁など)を配置することによって、アクチュエータの推力の作用方向の短尺化を図ることが考え得る。このように一部の主構成要素を中心軸線と並行に配置することによって推力の作用方向に短尺化されたアクチュエータを、以下では「並列型アクチュエータ」という。これに対し、特許文献1に記載されているように、電動モータ、及びロッドなどの主構成要素が中心軸線と同軸上に配置されているアクチュエータを「同軸型アクチュエータ」という。
並列型アクチュエータを、球面継手を用いて台車及び車体と連結して振動耐久試験を行ったところ、並列型アクチュエータが中心軸線回りに大きく揺動することがわかった。このような現象は、同軸型アクチュエータでは顕著に表れない。同軸型アクチュエータでは、重心が中心軸線上にあるのに対し、並列型アクチュエータでは、比較的重量物である電動モータなどの一部の主構成要素が中心軸線から離れて配置されているために、重心が中心軸線から偏心する。この重心の中心軸線からの偏心により、並列型アクチュエータの中心軸線回りの揺動が大きくなると推定される。
アクチュエータと台車又は車体との連結部において、アクチュエータの中心軸線回りの過度の揺動変位を規制する技術が特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の球面継手では、駆動シリンダ1の基部3を支承する支持体7の周囲に環状の弾性部材17が設けられており、弾性部材17が基部3と当接することによって駆動シリンダ1の過度の揺動変位が規制される。前述の通り、並列型アクチュエータは同軸型アクチュエータと比較して中心軸線回りに大きく揺動することから、特許文献2に開示された技術を並列型アクチュエータに適用させるためには、弾性部材17による揺動の抑制効果を高めねばならない。このための対処法の一つとして、弾性部材17の硬度を高めることが挙げられるが、材料特性の向上には限界があり、弾性部材17の硬度にも限界がある。また、対処法の一つとして、アクチュエータの中心軸線から離れたところに弾性部材17を配置することが挙げられるが、弾性部材17を覆うためにアクチュエータのハウジングが大型化してしまう。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、鉄道車両の台車と車体との間に設けられるアクチュエータであって、アクチュエータの本体を大型化させることなく、アクチュエータの中心軸線回りの揺動を効果的に抑制することを目的とする。
本発明の一態様に係るアクチュエータは、鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、前記アクチュエータの中心軸線上に減衰力を発生させることにより前記車体の振動を抑制する可変減衰ダンパである本体と、前記可変減衰ダンパの減衰力を切り換えるための電磁弁であって、当該電磁弁の中心軸が前記中心軸線と同軸にならないように前記本体と一体的に設けられた電磁弁と、前記本体と前記台車又は前記車体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、当該防振体の引張圧縮方向と前記中心軸線とが略直交するように配置され、前記引張圧縮方向の一端が前記本体に取り付けられ、前記引張圧縮方向の他端が前記台車又は前記車体に取り付けられる少なくとも1つの防振体とを備えるものである。本発明の別の態様に係るアクチュエータは、鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、前記アクチュエータの中心軸線と平行な方向に伸縮することにより前記車体の振動を抑制する本体と、前記本体を伸縮させる電動モータであって、前記第1方向において前記本体の両端の間に当該電動モータが位置し且つ当該電動モータの中心軸が前記中心軸線と同軸にならないように前記本体と一体的に設けられた電動モータと、前記本体と前記台車又は前記車体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、当該防振体の引張圧縮方向と前記本体の中心軸線とが略直交するように配置され、前記引張圧縮方向の一端が前記本体に取り付けられ、前記引張圧縮方向の他端が前記台車又は前記車体に取り付けられる、少なくとも1つの防振体とを備えるものである。上記において、「アクチュエータの中心軸線」とは、アクチュエータにおいて推力が働く軸線及びその延長線のことをいう。アクチュエータの中心軸線は、一般的に、アクチュエータと台車の連結点と、アクチュエータと車体の連結点とを結ぶ直線と重複する。
上記アクチュエータの構成によれば、アクチュエータに中心軸線回りに揺動させようとする力が入力されたときに、防振体が圧縮又は引張方向へ弾性変形して抵抗することによって、本体の中心軸線回りの過度の揺動が抑制される。換言すれば、アクチュエータの中心軸線回りの過度の揺動が抑制される。
前記アクチュエータにおいて、前記防振体は引張圧縮方向よりもせん断方向が低いバネ定数を有することがよい。かかる構成により、アクチュエータの中心軸線回りの揺動を抑制することと、アクチュエータの中心軸と平行な方向への移動を許容することとを、実現することができる。
また、本発明更に別の態様に係るアクチュエータは、鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、前記台車又は前記車体に接続される連結点を有し、前記アクチュエータの中心軸線と平行な第1方向と略直交する第2方向に延在する支持体と、前記連結点を中心として揺動可能に前記支持体に支持され、前記車体の振動を抑制する本体と、前記本体と前記支持体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、前記連結点から前記第2方向へ離れた位置に当該防振体の引張圧縮方向と前記第1方向及び前記第2方向が略直交するように配置された少なくとも1つの防振体とを備え、前記連結点から前記防振体までの前記第2方向の離間距離が可変であるものである。
上記アクチュエータの構成によれば、アクチュエータに中心軸線回りに揺動させようとする力が入力されたときに、支持体と本体の間で防振体が圧縮又は引張方向へ弾性変形して抵抗することによって、支持体に相対する本体の中心軸線回りの過度の揺動が抑制される。換言すれば、アクチュエータの中心軸線回りの過度の揺動が抑制される。防振体は、連結点から中心軸線と略直交する方向へ離れたところに設けられるので、連結点と近接して設けられる場合と比較して、効果的に抵抗力を発揮することができる。さらに、アクチュエータの中心軸線回りの過度の揺動を抑制するための防振体は、アクチュエータの本体と支持体との間に設けられるので、本体は大型化せず、アクチュエータ全体としても大型化しない。
前記アクチュエータにおいて、前記防振体は、引張圧縮方向の一端が前記支持体に固定され、他端が前記本体に固定されていることがよい。かかる構成により、防振体は引張方向及び圧縮方向のいずれの方向へも弾性変形することができる。よって、少ない数の防振体で効率的にアクチュエータの中心軸線回りの揺動を抑制することができる。
前記アクチュエータにおいて、前記本体が、前記支持体の前記連結点から前記第2方向へ離間した位置に、当該支持体と対向して配置される防振体支持部を有し、前記防振体が、対向する前記支持体と前記防振体支持部との間に配置されていることがよい。
前記アクチュエータにおいて、前記防振体は、引張圧縮方向よりもせん断方向が低いバネ定数を有することがよい。このようなアクチュエータにおいて、例えば、前記防振体を、弾性部材と皿板とを引張圧縮方向に交互に積層して成る弾性部を備えて構成することができる。かかる構成により、アクチュエータの中心軸線回りの揺動を抑制することと、アクチュエータの中心軸と平行な方向への移動を許容することとを、実現することができる。
前記アクチュエータにおいて、前記防振体は、前記連結点を介して前記支持体の一側と他側にそれぞれ設けられていることがよい。かかる構成により、アクチュエータの中心軸線回りに揺動したときに、連結点を介して支持体の一側と他側にそれぞれ設けられた防振体の双方が揺動に対する抵抗力を発揮するので、アクチュエータの揺動が効果的に抑制される。
前記アクチュエータにおいて、前記連結点から前記防振体までの前記中心軸線と略直交する方向への離間距離が可変であることがよい。かかる構成により、アクチュエータの揺動に対し防振体が発揮する抵抗力を調整することができる。
前記アクチュエータは、前記車体の振動を抑制するように前記本体を伸縮させる電動モータを前記本体と一体的に備え、前記電動モータの中心軸が、前記中心軸線と同軸でないものであってよい。このようなアクチュエータは、例えば、フルアクティブサスペンションとして利用することができる。或いは、前記アクチュエータは、電磁弁を前記本体と一体的に備え、前記本体は、前記電磁弁の動作を受けて減衰力を切り替え、前記車体の振動を抑制する可変減衰ダンパであり、前記電磁弁の中心軸が、前記中心軸線と同軸でないものであってよい。このようなアクチュエータは、例えば、セミアクティブサスペンションとして利用することができる。上記のように、主構成要素の一部(電動モータ、電磁弁など)を中心軸線から離れて配置することによって推力の作用方向への小型化が図られたアクチュエータでは、重心が中心軸線から偏心しているためにアクチュエータの中心軸線回りの揺動が大きくなる傾向がある。このような重心が中心軸線から偏心しているアクチュエータに対して本発明に係るアクチュエータの構成は特に有用である。
本発明によれば、鉄道車両の台車と車体との間に設けられるアクチュエータにおいて、アクチュエータの本体を大型化させることなく、アクチュエータの中心軸線回りの揺動を効果的に抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る振動抑制装置が搭載された鉄道車両の概略構成を示す正面図である。 アクチュエータの概略構成を示す正面図である。 アクチュエータと車体側支持部の連結部の拡大正面図である。 図3におけるIV矢視図である。 図3におけるV矢視図である。 連結点から防振体までの離間距離を可変とした防振機構の例1を示す図である。 連結点から防振体までの離間距離を可変とした防振機構の例2を示す図である。 連結点を介して支持体の一側に複数の防振体を備えた防振機構の例を示す図である。 鉄道車両にアクチュエータを中心軸線が車両上下方向と平行となるように配置した例を示す図である。 防振体を車体側支持部とアクチュエータとの間に設けた例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態に係る振動抑制装置が搭載された鉄道車両の概略構成を示す正面図である。図1において紙面を貫く方向が鉄道車両1の走行方向であり、以下では、この走行方向を前後方向Yという。また、この前後方向Yと直交する車両幅方向(枕木方向)を左右方向Xといい、前後方向Y及び左右方向Xと直交する車両上下方向を上下方向Zという。図1に示すように、鉄道車両1は、レール3上を走行する車輪12,12を備えた台車10と、この台車10に車体支持機構8を介して支持された車体20とを備えている。車体支持機構8には、枕バネ4,4や、振動抑制機能付きサスペンションとしてのアクチュエータ5などが含まれる。枕バネ4,4は、台車10と車体20との上下方向Zの間であって鉄道車両1の左右方向X両側に配置されており、車両重量を支持するとともに、台車10と車体20との間に生じる垂直方向及び水平方向の振動を減衰する。ここでは、枕バネ4として空気バネが用いられている。
アクチュエータ5は、リニアアクチュエータである。アクチュエータ5の一端は台車10から上方へ突設された台車側支持部11と連結され、他端は当該台車側支持部11から左右方向Xへ離れたところに車体20から下方へ垂設された車体側支持部21と連結されている。つまり、台車側支持部11と車体側支持部21は、アクチュエータ5を介して左右方向Xに接続されている。アクチュエータ5は、車体20の左右方向Xへの揺れ(すなわち、横揺れ)を抑制するための振動抑制装置2の構成要素の一つである。振動抑制装置2は、前述のアクチュエータ5と、車体20の加速度を検出する加速度センサ7と、この加速度センサ7から出力された検出信号に基づいてアクチュエータ5の伸縮動作(すなわち、推力、変位、及び移動速度)を制御する制御装置6とを備えている。加速度センサ7は、車体20の左右方向Xについて絶対加速度を検出する。このために、車体20の前端、後端のそれぞれに加速度センサ(図示せず)が配置される。
図2はアクチュエータの概略構成を示す正面図、図3はアクチュエータと車体側支持部の連結部の拡大正面図である。図2に示すように、アクチュエータ5は、電動モータ53を内蔵し、左右方向Xに長尺なハウジング59と、ハウジング59内に設けられた左右方向Xに延在する円柱状の空洞である格納部59aと、格納部59aに摺動自在に挿入されたロッド52とを備えている。格納部59aは台車側支持部11側に向けて開放しており、ここからロッド52の一部分が突出している。電動モータ53とロッド52の間には、電動モータ53の回転を変換してロッド52を直線往復運動させる回転−直線運動変換機構51が設けられている。回転−直線運動変換機構51は、ロッド52に螺入されたボールネジ51aと、電動モータ53の出力軸とボールネジ51aの間で動力を伝達する複数のギア51bとで構成されている。かかる構成により、電動モータ53から回転が出力されると複数のギア51bを介してボールネジ51aに回転が伝達されて、ボールネジ51aが回転する。ボールネジ51aが正回転又は逆回転することによりロッド52が格納部59aから進出又は退入して、ロッド52がハウジング59から進退し、これによりアクチュエータ5の全長が伸縮する。振動抑制装置2では、車体の揺れを加速度センサ7で検知して、制御装置6がアクチュエータ5に外部から入力する振動と逆位相の力を発生させることによって、車体20の左右方向Xへの揺れ(横揺れ)を抑制する。
台車側支持部11とアクチュエータ5の連結部において、アクチュエータ5側の連結部はロッド52に設けられている。ロッド52のハウジング59の格納部59aに格納されていない側の端部には、ロッド52を前後方向Yに貫通する連結孔52aが設けられている。連結孔52aには、台車側支持部11に固定される支持体54が挿入されている。換言すれば、アクチュエータ5の中心軸線Cと平行な方向の一端(ロッド52)は台車側支持部11に支持体54を介して支承されている。以下では、アクチュエータ5と台車10との連結点(第1の連結点14)を、連結孔52aの前後方向Y、左右方向X、及び上下方向Zの中心とする。連結孔52aには支持体54が挿入されているので、第1の連結点14は支持体54に存在することとなる。
支持体54は、中心軸線Cと略直交する方向(前後方向Y)に延在する。支持体54は、前後方向Yに延びる角棒状の軸部材57と、軸部材57の前後方向Y略中央部に外装された緩衝ゴム56と、緩衝ゴム56に外装された筒部材55とで構成されている。緩衝ゴム56は、弾性変形可能であって、好ましくはゴムであるが、例えばウレタン等の合成樹脂などであってもよい。軸部材57の緩衝ゴム56で覆われていない前後方向Yの両端部は、ボルト58で台車側支持部11に固定されている。緩衝ゴム56の外周面と筒部材55の内周面は加硫接着されている。筒部材55の外周面は連結孔52aに圧入されており、筒部材55の外周面と連結孔52aの内周面の間の摩擦力は極めて大きいため、筒部材55に対してロッド52の連結孔52aは移動できない。上記構成において、アクチュエータ5は、緩衝ゴム56が弾性変形することにより、第1の連結点14を中心として上下方向Z、前後方向Y、及び左右方向Xへ揺動できる。
一方、車体側支持部21とアクチュエータ5の連結部において、アクチュエータ5側の連結部はアクチュエータ5のハウジング59に設けられている。本実施の形態に係るアクチュエータ5において、ハウジング59にはロッド52、電動モータ53、及び回転−直線運動変換機構51等が内装されており、これらを合わせてアクチュエータ5の「本体」ということとする。アクチュエータ5のハウジング59には、左右方向Xに車体側支持部21側へ突出する連結ブロック61が固定されている。連結ブロック61は、ハウジング59に一体的に形成されていてもよい。連結ブロック61には、該連結ブロック61を前後方向Yに貫通する連結孔61aが形成されている。連結孔61aには、車体側支持部21に固定される支持体63が挿入されている。換言すれば、アクチュエータ5の中心軸線Cと平行な方向の他端は車体側支持部21に支持体63を介して支持されている。以下では、アクチュエータ5と車体20との連結点(第2の連結点24)を、連結孔61aの前後方向Y、左右方向X、及び上下方向Zの中心とする。連結孔61aに支持体63が挿入されているので、第2の連結点24は支持体63に存在することとなる。
図3に示すように、支持体63は、中心軸線Cと略直交する方向(前後方向Y)に長尺であって、前後方向Yに延びる角棒状の軸部材66と、軸部材66の前後方向Y略中央部に外装された緩衝ゴム65と、緩衝ゴム65に外装された筒部材64とで構成されている。緩衝ゴム65は弾性変形可能であって、ゴムの他、例えばウレタン等の合成樹脂などで構成されていてもよい。軸部材66の緩衝ゴム65で覆われない前後方向Yの両端には、固定孔66a,66aが設けられている。この固定孔66aに挿入されたボルト68により、軸部材66が車体側支持部21へ固定されている。緩衝ゴム65の外周面と筒部材64の内周面は加硫接着されている。筒部材64の外周面と連結孔61aの内周面は圧入されており、アクチュエータ5は支持体63を中心として上下方向Zへ回動できる。緩衝ゴム65が弾性変形することにより、アクチュエータ5は第2の連結点24を中心として上下方向Z、前後方向Y、及び左右方向Xへ揺動できる。
以下では、アクチュエータ5の推力が働く軸線およびその延長を「中心軸線C」という。ロッド52の中心軸及びその延長は中心軸線Cと重複する。また、第1の連結点14と第2の連結点24を結ぶ線分は中心軸線Cと重複し、第1の連結点14と第2の連結点24はいずれも中心軸線C上に位置する。
本実施の形態に係るアクチュエータ5において、ロッド52の中心軸は中心軸線C上にあるが、電動モータ53の中心軸は中心軸線Cから外れている。つまり、電動モータ53の中心軸は中心軸線Cと同軸ではない。したがって、アクチュエータ5の重心Gは中心軸線Cから外れた位置となる。図2に示された一例としてのアクチュエータ5では、電動モータ53は中心軸線Cよりも下方であって且つアクチュエータ5の左右方向X中心よりも車体側支持部21側に配置されており、アクチュエータ5の重心Gは中心軸線Cよりも下方且つ左右方向Xよりも車体側支持部21側に位置している。すなわち、アクチュエータ5の重心Gは中心軸線Cから偏心している。
上記のように重心Gが中心軸線Cから偏心しているアクチュエータ5に台車10又は車体20から振動が伝わると、アクチュエータ5は中心軸線C回りに揺動する。車輪12,12の不釣り合いによる起振力が台車10からアクチュエータ5へ入力されることが知られている。例えば、台車10からアクチュエータ5へ起振力が入力された場合に、アクチュエータ5の固有振動数が入力された振動の振動数(例えば、39Hz)に近い値である場合には、アクチュエータ5が共振して揺動変位が特に大きくなる。緩衝ゴム56,65によりアクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動は許容されているものの、揺動変位が大きくなるとアクチュエータ5の動作に影響を与え、アクチュエータ5の機能が損なわれてしまう。これに加え、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動は、アクチュエータ5と台車側支持部11の連結部及びアクチュエータ5と車体側支持部21の連結部へ掛かる負荷を増大させる。そこで、本実施の形態に係る振動抑制装置2のアクチュエータ5では、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を抑制するための防振機構60を備えている。
防振機構60は、アクチュエータ5と車体側支持部21の連結部に設けられている。本実施の形態に係るアクチュエータ5では、ロッド52は偏心していないが、ハウジング59が偏心しているため、アクチュエータ5のハウジング59と車体側支持部21の連結部に防振機構60を設けることによって、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を効率的に抑制している。但し、アクチュエータ5の構造によっては、アクチュエータ5と台車側支持部11との連結部に防振機構60を設けてもよい。或いは、アクチュエータ5と台車側支持部11の連結部、及びアクチュエータ5と車体側支持部21の連結部の双方に防振機構60を設けてもよい。
図3はアクチュエータと車体側支持部の連結部の拡大正面図、図4は図3におけるIV矢視図、図5は図3におけるV矢視図である。図3〜5に示すように、防振機構60は、アクチュエータ5と車体側支持部21との間に介在する防振体70,70を備えている。防振体70,70は、アクチュエータ5と車体側支持部21の連結部において、車体側支持部21に固定された支持体63とアクチュエータ5(アクチュエータ5の本体)との間を連結している。防振体70は弾性を有し、引張圧縮方向(上下方向Z)にもせん断方向(左右方向X及び前後方向Y)にも弾性変形することができる。この防振体70により、アクチュエータ5と車体側支持部21との連結部において、アクチュエータ5の中心軸線Cを中心とする回転方向の剛性が高められている。つまり、アクチュエータ5を中心軸線C回りに揺動させようとする力に対し、防振体70は圧縮方向又は引張方向へ弾性変形して抵抗することによって、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を抑制する。さらに、防振体70は、アクチュエータ5又は車体側支持部21から入ってきた振動を吸収して振動エネルギーを消耗させることでも防振する。
防振体70,70は、中心軸線C上の連結点24を介して支持体63の一側と他側にそれぞれ設けられている。換言すれば、防振体70,70は、連結点24を介して前後方向Y両側にそれぞれ配置されている。これにより、アクチュエータ5が中心軸線回りに揺動しようとするときに、連結点24を介して前後方向Y両側にそれぞれ設けられた防振体70,70の双方が揺動に対する抵抗力を発揮するので、アクチュエータ5の揺動が効果的に抑制される。但し、連結点24に対して前後方向Yのいずれか一方のみに防振体70を設けても良いし、図8に示すように、連結点24に対して前後方向Yの一方に複数の防振体70,70を設けてもかまわない。
さらに、各防振体70,70は、中心軸線C上の連結点24と前後方向Yに離間している。このように、連結点24から中心軸線Cと略直交する方向へ離れたところに設けられた防振体70は、連結点24と近接して設けられる場合と比較して、効果的に抵抗力を発揮することができる。よって、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動が効果的に抑制される。
アクチュエータ5に設けられた連結ブロック61の下部には、取付ステー62がボルト69,69で固定されている。取付ステー62と支持体63の軸部材66とは、上下方向Zに離間して対向している。この取付ステー62は、アクチュエータ5において防振体70を支持するための防振体支持部を提供している。防振体支持部は、支持体63の連結点24から中心軸線Cと略直交する方向(前後方向Y)へ離れたところにおいて、支持体63と対向している。この取付ステー62(詳細には、取付ステー62に含まれる防振体支持部)と軸部材66との間に防振体70が、引張圧縮方向が上下方向Zとなる姿勢で架け渡されている。このように、アクチュエータ5の中心軸線C回りの過度の揺動を抑制するための防振体70は、アクチュエータ5の本体と支持体63との間において従来利用されていなかったがアクチュエータ5が占有していた空間に設けられるので、アクチュエータ5の本体は大型化せず、且つ、アクチュエータ5全体としても大型化しない。
防振体70の上端は軸部材66に固定され、同じく下端は取付ステー62に固定されている。したがって、防振体70は、取付ステー62と軸部材66との間が拡大する引張方向にも、取付ステー62と軸部材66との間が縮小する圧縮方向にも作用することができる。このように、引張方向にも圧縮方向にも弾性変形する防振体70が連結点24を介して前後方向Yの両側に設けられているので、例えば、圧縮方向のみ作用する防振体を連結点24を介して前後方向Yの両側に設ける場合と比較して、少ない数の防振体70で効率的にアクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を抑制することができる。
防振機構60に含まれる2つの防振体70,70は同じ構造を有するので、以下では、そのうち1つの防振体70の構造について詳細に説明する。本実施の形態では、防振体70として、いわゆる防振ゴムが採用されている。防振体70は、上方へ突出するボルト71aと平皿71bから成る第1のエンド部71と、下方へ突出するボルト77aと平皿77bから成る第2のエンド部77と、これらのエンド部71,77の平皿71b,77bの間に挟まれた弾性部74とで構成されている。弾性部74は、1又は複数の弾性体75を含んでいる。弾性体75は、ゴムや、ウレタン等の合成樹脂を初めとする弾性を有する材料の中から選択された材料で構成されている。弾性部74に含まれる弾性体75が複数である場合には、弾性体75は引張圧縮方向(上下方向Z)に積層されて、弾性体75同士の間に平皿76が介装される。本実施の形態において、防振体70の弾性部74は、平板状ゴムである2つの弾性体75,75とこの間に介装された1つの平皿76を備えている。但し、弾性部74が備える弾性体75の数及び材料は、本実施の形態に限定されず、求められる防振体70の性能(特に、バネ定数)に応じて選択されることが望ましい。ここで、防振体70のバネ定数とは、防振体70に負荷を加えたときの、荷重を伸びで割った比例定数のことをいう。防振体70のバネ定数の設計方法については、後述する。
上記構成の防振体70は、エンド部71,77のボルト71a,77aを利用して、アクチュエータ5と車体側支持部21のそれぞれに固定される。車体側支持部21に固定された支持体63の軸部材66には、取付ステー62と対向する面に開口するボルト穴66b,66bが設けられている。このボルト穴66b,66bと対向するように、取付ステー62を上下方向に貫通する取付孔62a,62aが設けられている。そして、防振体70の第1のエンド部71のボルト71aは、スペーサナット72に螺入され、さらに、支持体63の軸部材66に穿設されたボルト穴66bに螺入される。これにより、防振体70の上端が車体20側の支持体63に固定される。一方、防振体70の第2のエンド部77のボルト77aは、スペーサナット78に螺入され、取付ステー62に穿設された取付孔62aに挿入され、さらに、取付ステー62の下方で固定ナット80に螺入される。これにより、防振体70の下端がアクチュエータ5側の取付ステー62に固定される。
2つの防振体70,70のうち、第1の防振体70Aは連結点24(中心軸線C)から前後方向Yに第1の離間距離W1だけ離れており、第2の防振体70Bは連結点24(中心軸線C)から前後方向Yに第2の離間距離W2だけ離れている。第1の離間距離W1と第2の離間距離W2は同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらには、第1の離間距離W1と第2の離間距離W2は可変であることが望ましい。第1の離間距離W1又は第2の離間距離W2が可変であれば、第1の離間距離W1又は第2の離間距離W2を変化させることによって、防振体70が与えるアクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動の抑制力を調整することができる。
図6は連結点から防振体までの離間距離を可変とした防振機構の例1を示す図である。図6に示す例1では、アクチュエータ5と車体側支持部21との連結部において、支持体63の軸部材66に前後方向Yに並ぶ複数のボルト穴66b,66b,66bを設けるとともに、取付ステー62のボルト穴66b,66bと上下方向Zに対応する位置に複数の取付孔62a,62a,62aを設けている。上記構成において、防振体70を取り付けるボルト穴66bと取付孔62aの組み合わせを選択することによって、連結点24から防振体70までの第1の離間距離W1を変化させることができる。
また、図7は連結点から防振体までの離間距離を可変とした防振機構の例2を示す図である。図7に示す例2では、アクチュエータ5と車体側支持部21との連結部において、支持体63の軸部材66に前後方向Yに長尺な取付孔66cを設けるとともに、取付ステー62の取付孔66cと上下方向Zに対応する位置に前後方向Yに長尺な取付孔62aを設けている。上記構成において、防振体70の第1のエンド部71のボルト71aを軸部材66の取付孔66cへ通して固定ナット81で留め付け、さらに、第2のエンド部77のボルト77aを取付ステー62の取付孔62aへ通して固定ナット80で留め付ける。このとき、取付孔66c内のボルト71aの位置、及び取付孔62a内のボルト77aの位置を前後方向Yに動かすことによって、連結点24から防振体70までの第1の離間距離W1を変化させることができる。
さらには、防振体70は、せん断方向(左右方向X及び前後方向Y)と引張圧縮方向(上下方向Z)とでバネ定数が異なることが望ましい。具体的には、防振体70は、引張圧縮方向よりもせん断方向が低いバネ定数を有することがよい。これにより、アクチュエータ5と車体側支持部21の連結部において、アクチュエータ5の中心軸線Cを中心とする回動方向への剛性を高めてアクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を抑制することと、アクチュエータ5の連結点24を通り、上下方向Zと平行な軸回りの揺動を許容することとを、実現することができる。このようにアクチュエータ5の台車10又は車体20との連結部において前後方向Y及び左右方向Xへの比較的大きな変位が許容されることによって、曲線軌道走行時などにおいて台車10に対し車体20が旋回しても、アクチュエータ5と台車10又は車体20との連結部への過負荷を防止できる。
なお、引張圧縮方向とせん断方向とのバネ定数が異なる防振体70は、例えば、複数の板状の弾性体75を積層して成る弾性部74を備えることによって実現できる。また、例えば、形状や構成素材などによって引張圧縮方向とせん断方向とで異なる弾性を有する弾性体75を弾性部74に備えることにより、引張圧縮方向とせん断方向とのバネ定数が異なる防振体70を実現することができる。
ここで、防振体70のバネ定数の設計方法について、具体的な数値例を挙げて説明する。前提条件として、図4に示すように、連結点24(中心軸線C)を介して前後方向Yの両側に1つずつ防振体70,70が配置され、連結点24と防振体70,70との前後方向Yの離間距離はいずれもl=0.048[m]であるとする。さらに、緩衝ゴム65の中心軸線Cを中心とする回転方向のバネ定数をkbr=1430[N・m/rad]とし、防振体70の動倍率をαe=1.3とし、緩衝ゴム65の動倍率をαb=1.3とし、中心軸線C回りのアクチュエータ5の慣性をI=0.140[kg・m2]とする。上記前提条件において、アクチュエータ5の中心軸線C回りの固有振動数が50[Hz]以上となり、防振体70のせん断方向への許容最大変位が4.2[mm]以上となるように、防振体70の設計を行う。防振体70の引張圧縮方向バネ定数をkeaとすると、アクチュエータ5の中心軸線C回りの固有振動数は、次の数式1で表される。
Figure 0005689624
数式1を変形したものが数式2であり、数式2を用いて引張圧縮方向バネ定数keaを算出することができる。
Figure 0005689624
数式2において、各パラメータに数値を代入すると、防振体70の引張圧縮方向バネ定数keaは2.00×106[N/m]と算出される。このように、防振体70の引張圧縮方向バネ定数keaの値を比較的簡易な計算で導き出すことができる。さらに、防振体70の引張圧縮方向バネ定数kea=2.00×106[N/m]で且つせん断方向の許容最大変位が4.2[mm]以上である防振体70の形状をFEM(Finite Element Method;有限要素法)によって解析的に決定し、せん断方向バネ定数kesを求めると、せん断方向バネ定数kesは3.02×104[N/m]と算出される。
上記の通り、前述の前提条件において、アクチュエータ5の中心軸線C回りの固有振動数が50[Hz]以上となり、且つ、防振体70のせん断方向への許容最大変位が4.2[mm]以上となる防振体70のバネ定数は、引張圧縮方向バネ定数kea≧2.00×106[N/m]であり、せん断方向バネ定数kes≦3.02×104[N/m]であることがわかる。すなわち、防振体70の引張圧縮方向とせん断方向のバネ定数がこの範囲の値であれば、アクチュエータ5と台車側支持部11又は車体側支持部21との連結部において、アクチュエータ5の中心軸線Cを中心とする回転方向の剛性を確保しながら、左右方向X及び前後方向Yへの大きな変位を許容することができる。
以上に説明した通り、本発明の実施の形態に係るアクチュエータ5は、鉄道車両1の台車10又は車体20に設けられた支持部(台車側支持部11又は車体側支持部21)に固定される支持体63と、支持体63上の連結点24を中心として揺動可能に支持されたアクチュエータ5本体と、この本体と支持体63との間に設けられた弾性を有する防振体70を備えている。そして、この防振体70は、連結点24から中心軸線Cと略直交する方向へ離れたところに、その引張圧縮方向が中心軸線Cと略直交する姿勢となるように設けられている。このようにアクチュエータ5が構成されることにより、アクチュエータ5に中心軸線C回りに揺動させようとする力が入力されたときに、支持体63とアクチュエータ5本体の間で防振体70が圧縮又は引張方向へ弾性変形して抵抗することによって、支持体63に相対するアクチュエータ5本体の中心軸線C回りの過度の揺動が抑制される。
なお、上記において説明したアクチュエータ5を備える振動抑制装置2は、いわゆる、フルアクティブサスペンションである。但し、アクチュエータ5を備える振動抑制装置2は、いわゆる、セミアクティブサスペンションでもよい。この場合、振動抑制装置2が備えるアクチュエータ5は可変減衰ダンパである。セミアクティブサスペンションでは、車体の揺れを加速度センサ7で検知し、台車10と車体20の間に取り付けられた可変減衰ダンパの減衰係数を制御装置6で制御し、適切な減衰力を発生させることによって振動を抑制する。可変減衰ダンパは、大概して、シリンダと、シリンダ内を摺動するピストンと、ピストンに一体的に接続されたロッドと、ピストンに作用する流体圧を変化させる電磁弁とを備えている。可変減衰ダンパを推力の作用方向に短尺化するためには、シリンダ、ピストン、及びロッドを中心軸線Cと同軸上に配置し、電磁弁を中心軸線Cから離れて配置すればよい。このようにして推力の作用方向に短尺化された可変減衰ダンパの重心は中心軸線から偏心している。よって、上記可変減衰ダンパも、振動時に中心軸線C回りに揺動しようとするが、防振機構60を備えることによって効果的にその揺動を抑制することができる。
また、本実施の形態に係るアクチュエータ5は、推力の作用方向に短尺化するために、主構成要素の一部(電動モータ53、電磁弁など)が中心軸線Cから外れて配置されることによって重心が中心軸線Cから偏心している。このために、アクチュエータ5は中心軸線C回りに比較的大きく揺動するので、防振機構60が特に有用である。但し、本発明が適用されうるアクチュエータ5は重心が中心軸線Cから偏心したものに限られない。アクチュエータ5の重心が中心軸線C上にあるものであっても、鉄道車両1上の配置や、その使われ方によって、中心軸線C回りに過度に揺動する場合がある。このようなときにも、アクチュエータ5に防振機構60を備えれば、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動を抑制することができる。
さらに、上記において説明したアクチュエータ5は、鉄道車両1の台車10と車体20との間において、車体20の横揺れを防止するために中心軸線Cが車両幅方向と略平行となるように配置されている。但し、アクチュエータ5は、図9に示すように、鉄道車両1の台車10と車体20との間において、車体20の上下揺れを防止するために中心軸線Cが車両上下方向と略平行となるように配置されてもよい。図9は鉄道車両にアクチュエータを中心軸線が車両上下方向と平行となるように配置した例を示す図であり、この図において台車10と車体20の上下間にアクチュエータ5,5が中心軸線Cが上下方向Zとなる姿勢で配置されている。
また、上記において説明した防振体70は、アクチュエータ5と支持体63との間に設けられているが、防振体70をアクチュエータ5と車体側支持部21又は台車側支持部11との間に設ける態様も採り得る。この場合、図10に示すように、防振体70の一端をアクチュエータ5のハウジング59に固定された連結ブロック61に設けられた取付ステー62に取り付け、他端を車体側支持部21に取り付ける。このように配置された防振体70は、取付ステー62と車体側支持部21との間で引張方向又は圧縮方向へ弾性変形して、アクチュエータ5を中心軸線C回りに揺動させようとする力に抵抗する。これにより、アクチュエータ5の中心軸線C回りの揺動が抑制される。
本発明は、鉄道車両の車体と台車との間に配置されるアクチュエータなどの装置に応用することができる。
C 中心軸線
1 鉄道車両
2 振動抑制装置
3 レール
4 枕バネ
5 アクチュエータ
6 制御装置
7 加速度センサ
8 車体支持機構
10 台車
11 台車側支持部
12 車輪
14,24 連結点
20 車体
21 車体側支持部
50 ピストン
51 シリンダ
52 ロッド
53 電動モータ
59 ハウジング
60 防振機構
61 連結ブロック
62 取付ステー(防振体支持部)
63 支持体
64 筒部材
65 緩衝ゴム
66 軸部材
70 防振体

Claims (11)

  1. 鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、
    前記アクチュエータの中心軸線上に減衰力を発生させることにより前記車体の振動を抑制する可変減衰ダンパである本体と、
    前記可変減衰ダンパの減衰力を切り換えるための電磁弁であって、当該電磁弁の中心軸が前記中心軸線と同軸にならないように前記本体と一体的に設けられた電磁弁と、
    前記本体と前記台車又は前記車体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、当該防振体の引張圧縮方向と前記中心軸線とが略直交するように配置され、前記引張圧縮方向の一端が前記本体に取り付けられ、前記引張圧縮方向の他端が前記台車又は前記車体に取り付けられる少なくとも1つの防振体と
    を備える、アクチュエータ。
  2. 前記防振体は引張圧縮方向よりもせん断方向が低いバネ定数を有する、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、
    前記台車又は前記車体に接続される連結点を有し、前記アクチュエータの中心軸線と平行な第1方向と略直交する第2方向に延在する支持体と、
    前記連結点を中心として揺動可能に前記支持体に支持され、前記車体の振動を抑制する本体と、
    前記本体と前記支持体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、前記連結点から前記第2方向へ離れた位置に当該防振体の引張圧縮方向と前記第1方向及び前記第2方向が略直交するように配置された少なくとも1つの防振体とを備え
    前記連結点から前記防振体までの前記第2方向の離間距離が可変である、アクチュエータ。
  4. 前記防振体は、引張圧縮方向の一端が前記支持体に固定され、他端が前記本体に固定されている、請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記本体が、前記支持体の前記連結点から前記第2方向へ離間した位置に、当該支持体と対向して配置され防振体支持部を有し
    前記防振体が、対向する前記支持体と前記防振体支持部との間に配置されている、請求項3又は請求項4に記載のアクチュエータ。
  6. 前記防振体は、引張圧縮方向よりもせん断方向が低いバネ定数を有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  7. 前記防振体は、弾性部材と皿板とを引張圧縮方向に交互に積層して成る弾性部を有する、請求項6に記載のアクチュエータ。
  8. 前記防振体は、前記連結点を介して前記支持体の一側と他側にそれぞれ設けられている、請求項3〜7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  9. 記車体の振動を抑制するように前記本体を伸縮させる電動モータを前記本体と一体的に備え、
    前記電動モータの中心軸が、前記中心軸線と同軸でない、請求項に記載のアクチュエータ。
  10. 電磁弁を前記本体と一体的に備え、
    前記本体は、前記電磁弁の動作を受けて減衰力を切り替え、前記車体の振動を抑制する可変減衰ダンパであり、
    前記電磁弁の中心軸が、前記中心軸線と同軸でない、請求項に記載のアクチュエータ。
  11. 鉄道車両の台車と車体との間に搭載されるアクチュエータであって、
    前記アクチュエータの中心軸線と平行な方向に伸縮することにより前記車体の振動を抑制する本体と、
    前記本体を伸縮させる電動モータであって、前記第1方向において前記本体の両端の間に当該電動モータが位置し且つ当該電動モータの中心軸が前記中心軸線と同軸にならないように、前記本体と一体的に設けられた電動モータと、
    前記本体と前記台車又は前記車体との間に設けられた弾性を有する少なくとも1つの防振体であって、当該防振体の引張圧縮方向と前記本体の中心軸線とが略直交するように配置され、前記引張圧縮方向の一端が前記本体に取り付けられ、前記引張圧縮方向の他端が前記台車又は前記車体に取り付けられる、少なくとも1つの防振体と
    を備える、アクチュエータ。
JP2010164220A 2010-07-21 2010-07-21 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ Expired - Fee Related JP5689624B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010164220A JP5689624B2 (ja) 2010-07-21 2010-07-21 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010164220A JP5689624B2 (ja) 2010-07-21 2010-07-21 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012026487A JP2012026487A (ja) 2012-02-09
JP5689624B2 true JP5689624B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=45779664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010164220A Expired - Fee Related JP5689624B2 (ja) 2010-07-21 2010-07-21 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5689624B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS574313Y2 (ja) * 1977-03-25 1982-01-26
JPS59127917U (ja) * 1983-02-16 1984-08-28 本田技研工業株式会社 大揺動角型揺動ア−ム
JPS602785U (ja) * 1983-06-21 1985-01-10 三菱電機株式会社 冷蔵庫の圧縮機支持装置
JPH0781561A (ja) * 1993-09-17 1995-03-28 Tokico Ltd 車両用制振装置
JPH10258739A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Tokico Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2008248989A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Kawasaki Precision Machinery Ltd 球面継ぎ手
JP2010101467A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Saitama Kiki Kk 軸継手装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012026487A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6075914B2 (ja) シートサスペンション
JP4500786B2 (ja) 緩衝器
JP4750617B2 (ja) 緩衝器
JP4396611B2 (ja) 車両用懸架シリンダ装置
JP5237085B2 (ja) 振動の絶縁
RU2677115C2 (ru) Система пружинного амортизатора для использования в опорах или в качестве амортизатора
US20180162187A1 (en) Vehicle with suspension force decoupling system
WO2008044448A1 (fr) Dispositif de suspension
US11377003B2 (en) Suspension system, preferably driver seat
JP5018936B2 (ja) 走行式クレーンの免震構造
TWI286118B (en) Balancing apparatus for elevator
US9644698B2 (en) Device for the purpose of influencing the transfer of vibration between two units
KR20070052241A (ko) 기계진동 감쇠장치
JP2009074633A (ja) トルクロッド
JP2017100697A (ja) サスペンション装置
WO2019049879A1 (ja) サスペンション機構及びシート構造
CN110835886A (zh) 桥墩减震装置
JP2006336733A (ja) 上下免震ユニットおよびこれを用いた免震装置
JP5689624B2 (ja) 鉄道車両に搭載されるアクチュエータ
JP2007290639A (ja) 緩衝器
KR101257544B1 (ko) 낮은 고유 진동수를 가지는 진동 절연 시스템
EP2247491B1 (en) Cab suspension arrangement and cab suspension
JP6883333B2 (ja) サスペンション
JP5765065B2 (ja) アクティブマウント装置及びそれを搭載した車両
EP4147888B1 (en) Rolling damper, respective suspension system with asymmetric rolling movement and symmetric vertical movement, mounting method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5689624

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees