JP2015081655A - 非線形ばね及び防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】防振装置の低コスト化を図る。
【解決手段】複数の第一棒状部材14を連結部15により連結して正多角形の環状に画成され、軸線AX1方向に間隔をあけて複数配列された環状部11と、隣り合う環状部同士を連結するように各連結部に回転自在に取り付けられ、環状部の周方向に間隔をあけて配列された複数の第二棒状部材12と、軸線方向に隣り合う二つの第一棒状部材及び周方向に隣り合う二つの第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する連結部同士を連結するように各連結部に回転自在に取り付けられた複数の第三棒状部材13と、を有し、第二、第三棒状部材が、軸線方向に対して環状部の周方向の同一方向側に傾斜する非線形ばね部10、並びに、軸線方向に隣り合う環状部同士を軸線方向に付勢する線形ばね部20、を備える非線形ばね1を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の第一棒状部材14を連結部15により連結して正多角形の環状に画成され、軸線AX1方向に間隔をあけて複数配列された環状部11と、隣り合う環状部同士を連結するように各連結部に回転自在に取り付けられ、環状部の周方向に間隔をあけて配列された複数の第二棒状部材12と、軸線方向に隣り合う二つの第一棒状部材及び周方向に隣り合う二つの第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する連結部同士を連結するように各連結部に回転自在に取り付けられた複数の第三棒状部材13と、を有し、第二、第三棒状部材が、軸線方向に対して環状部の周方向の同一方向側に傾斜する非線形ばね部10、並びに、軸線方向に隣り合う環状部同士を軸線方向に付勢する線形ばね部20、を備える非線形ばね1を提供する。
【選択図】図1
Description
この発明は、非線形ばね及び防振装置に関する。
従来、車体フロア等の基台と、基台上に設けられる着座シート等の搭載部との間には、基台側の振動を搭載部側に伝えないようにする防振装置を設けることが知られている。特許文献1には、防振装置として、永久磁石を利用した磁気バネ振動機構が開示されている。
しかしながら、特許文献1の磁気ばね振動機構では、永久磁石として高価な希土類磁石が必要となるため、防振装置の製造コストが高くなる、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、基台側の振動が搭載部側に伝わることを効果的に抑えて、搭載部側が振動することを効果的に抑制できると共に、製造コストの削減を図ることが可能な非線形ばね及びこれを備える防振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の非線形ばねは、棒状に形成された複数の第一棒状部材、及び、前記複数の第一棒状部材の長手方向の端部同士を連結する複数の連結部により、正多角形の環状に画成されると共に、軸線方向に間隔をあけて複数配列された環状部と、長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、前記軸線方向に隣り合う前記環状部の前記連結部同士を連結するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられると共に、前記環状部の周方向に間隔をあけて配列された複数の第二棒状部材と、長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、前記軸線方向に隣り合う二つの前記第一棒状部材、及び、前記周方向に隣り合う二つの前記第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する前記連結部同士を連結するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられると共に、前記周方向に間隔をあけて配された複数の第三棒状部材と、を有し、複数の前記環状部の正多角形の角数をnとして、同一の前記連結部に取り付けられた前記第二棒状部材と前記第三棒状部材との角度α、及び、同一の前記連結部に取り付けられた前記第一棒状部材と前記第三棒状部材との角度βが、以下の式、
α=π/n、
π/4−π/2n<β<π/2−π/n、
n=3,4,5,・・・、
を満たすことで、前記軸線方向に隣り合う前記環状部の間に配された複数の前記第二棒状部材及び前記第三棒状部材が、前記軸線方向に対して前記周方向の同一方向側に傾斜する非線形ばね部、並びに、前記軸線方向に隣り合う前記環状部同士を前記軸線方向に付勢する線形ばね部、を備えることを特徴とする。
α=π/n、
π/4−π/2n<β<π/2−π/n、
n=3,4,5,・・・、
を満たすことで、前記軸線方向に隣り合う前記環状部の間に配された複数の前記第二棒状部材及び前記第三棒状部材が、前記軸線方向に対して前記周方向の同一方向側に傾斜する非線形ばね部、並びに、前記軸線方向に隣り合う前記環状部同士を前記軸線方向に付勢する線形ばね部、を備えることを特徴とする。
そして、前記非線形ばねでは、前記線形ばね部が、その長手方向に弾性変形可能に形成され、前記線形ばね部の長手方向の両端部が、前記軸線方向に隣り合う二つの前記第一棒状部材、及び、前記周方向に隣り合う二つの前記第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する前記連結部同士を連結するように、かつ、前記線形ばね部が前記第三棒状部材と交差するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられてもよい。
また、前記非線形ばねでは、前記線形ばね部が、その長手方向に弾性変形可能に形成され、前記線形ばね部の長手方向の一端が、前記軸線方向に隣り合う二つの環状部のうち一方の環状部の前記連結部に対して回転自在に取り付けられ、前記線形ばね部の他端が、他方の環状部の前記第一棒状部材に対してその長手方向にスライド可能に取り付けられてもよい。
また、前記非線形ばねでは、複数の環状部のうち、第一環状部、第二環状部及び第三環状部が前記軸線方向に順番に配され、前記第一環状部及び前記第二環状部の間に設けられる前記第三棒状部材と、前記第二環状部及び前記第三環状部の間に設けられる前記第三棒状部材とが、前記軸線方向に対して互いに逆向きに傾斜してもよい。
そして、本発明の防振装置は、前記非線形ばねと、該非線形ばねの前記軸線方向への伸縮に対して制動力を付与するダンパーと、を備えることを特徴とする。
本発明の非線形ばねは、非線形ばねが軸線方向に変位(伸縮)しても、非線形ばねの弾性力の変化を非常に小さく抑えることが可能な変位領域を有する。すなわち、本発明の非線形ばねでは、所定の変位領域において弾性率を非常に小さい値(0に近い値)に抑えることができる。したがって、本発明の非線形ばねを備える防振装置を、車体フロア等の基台と、基台上に設けられる着座シート等の搭載部との間に設けておけば、基台側の振動が搭載部側に伝わることを効果的に抑え、搭載部側が振動することを効果的に抑制できる。
そして、本発明によれば、安価な棒状部材及び連結部を組み合わせることで安価な非線形ばね部を構成できるため、防振装置を低コストで製造することが可能となる。
そして、本発明によれば、安価な棒状部材及び連結部を組み合わせることで安価な非線形ばね部を構成できるため、防振装置を低コストで製造することが可能となる。
[第一実施形態]
以下、図1〜14を参照して本発明の第一実施形態について説明する。はじめに、二つの実施例の非線形ばね1,2の構成について説明する。
《第一実施例の非線形ばね》
図1,2に示すように、第一実施例の非線形ばね1は、非線形ばね部10と、線形ばね部20と、を備える。非線形ばね部10は、正多角形(図示例では正六角形)の環状に形成された複数(図示例では三つ)の環状部11(11A,11B,11C)と、隣り合う環状部11同士を接続する第二棒状部材12及び第三棒状部材13と、を備える。ここで、図2は、図1の非線形ばね1を環状部11の周方向に展開した二次元展開図である。図2における矢印X方向は、環状部11の周方向に相当しており、矢印Z方向は、環状部11の軸線AX1方向に相当している。
以下、図1〜14を参照して本発明の第一実施形態について説明する。はじめに、二つの実施例の非線形ばね1,2の構成について説明する。
《第一実施例の非線形ばね》
図1,2に示すように、第一実施例の非線形ばね1は、非線形ばね部10と、線形ばね部20と、を備える。非線形ばね部10は、正多角形(図示例では正六角形)の環状に形成された複数(図示例では三つ)の環状部11(11A,11B,11C)と、隣り合う環状部11同士を接続する第二棒状部材12及び第三棒状部材13と、を備える。ここで、図2は、図1の非線形ばね1を環状部11の周方向に展開した二次元展開図である。図2における矢印X方向は、環状部11の周方向に相当しており、矢印Z方向は、環状部11の軸線AX1方向に相当している。
各環状部11は、複数(図示例では六つ)の第一棒状部材14、及び、複数(図示例では六つ)の連結部15を備える。
各第一棒状部材14は、例えばその長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、正多角形の辺をなす。このため、複数の第一棒状部材14の長さ寸法は、同一に設定されている。各連結部15は、隣り合う二つの第一棒状部材14の長手方向の端部同士を連結するものであり、正多角形の角部をなしている。同一の連結部15に取り付けられた二つの第一棒状部材14は、連結部15によって互いに回転自在に連結されてもよいが、例えば回転不能に連結されてもよい。複数の環状部11は、軸線AX1方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の環状部11は、軸線AX1方向に等間隔に配列されている。また、複数の環状部11の軸線AX1は互いに一致している。
各第一棒状部材14は、例えばその長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、正多角形の辺をなす。このため、複数の第一棒状部材14の長さ寸法は、同一に設定されている。各連結部15は、隣り合う二つの第一棒状部材14の長手方向の端部同士を連結するものであり、正多角形の角部をなしている。同一の連結部15に取り付けられた二つの第一棒状部材14は、連結部15によって互いに回転自在に連結されてもよいが、例えば回転不能に連結されてもよい。複数の環状部11は、軸線AX1方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の環状部11は、軸線AX1方向に等間隔に配列されている。また、複数の環状部11の軸線AX1は互いに一致している。
第二棒状部材12は、その長手方向に弾性変形可能な棒状に形成されている。第二棒状部材12の長手方向の両端部は、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の連結部15に取り付けられている。これにより、第二棒状部材12は、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の連結部15同士を接続している。また、第二棒状部材12は、連結部15に対して回転自在に取り付けられている。軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる第二棒状部材12の数は、正多角形の角数(同一の環状部11における連結部15の数)に対応する数(図示例では六つ)となっている。これら複数の第二棒状部材12の長さ寸法は、同一に設定されている。また、複数の第二棒状部材12は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の第二棒状部材12は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
第三棒状部材13は、その長手方向に弾性変形可能な棒状に形成されている。第三棒状部材13の両端部は、第二棒状部材12と同様に、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の連結部15に取り付けられ、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の連結部15同士を接続している。また、第三棒状部材13は、連結部15に対して回転自在に取り付けられている。そして、第三棒状部材13は、軸線AX1方向に隣り合う二つの第一棒状部材14、及び、周方向に隣り合う二つの第二棒状部材12によって画成された四角形の対角に位置する連結部15同士を連結するように、設けられている。
軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる第三棒状部材13の数は、第二棒状部材12の場合と同様に、正多角形の角数に対応する数(図示例では六つ)となっている。複数の第三棒状部材13の長さ寸法は、同一に設定されている。また、複数の第三棒状部材13は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、第三棒状部材13は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる第三棒状部材13の数は、第二棒状部材12の場合と同様に、正多角形の角数に対応する数(図示例では六つ)となっている。複数の第三棒状部材13の長さ寸法は、同一に設定されている。また、複数の第三棒状部材13は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、第三棒状部材13は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
上記した第一、第二、第三棒状部材14,12,13の材料としては、例えば鋼材等が挙げられるが、これに限られることはない。
そして、これら第一、第二、第三棒状部材14,12,13の各長さ寸法は、以下の式1及び式2に示す条件を満たすように設定されている。
そして、これら第一、第二、第三棒状部材14,12,13の各長さ寸法は、以下の式1及び式2に示す条件を満たすように設定されている。
α=π/n ・・・式(1)
π/4−π/2n<β<π/2−π/n ・・・式(2)
上記式1及び式2において、nは、環状部11の正多角形の角数(同一の環状部11における連結部15の数)を示しており、nは3以上の整数(n=3,4,5,・・・)である。また、式1のαは、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間において、同一の連結部15に取り付けられた第二棒状部材12と第三棒状部材13との角度を示している。また、式2のβは、同一の連結部15に取り付けられた第一棒状部材14と第三棒状部材13との角度を示している。なお、同一の非線形ばね部10において、角度βは、複数個所に存在するが、いずれも固定された値(定数)であり、全て同じ値となる。
これら式1及び式2を満たすことで、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に配された複数の第二棒状部材12及び第三棒状部材13は、軸線AX1方向に対して周方向(X方向)の同一方向側に傾斜している。また、本実施形態では、非線形ばね部10を構成する全ての第二棒状部材12及び第三棒状部材13が、軸線AX1方向に対して周方向の同一方向(第一周方向X1)側に傾斜している。
これにより、非線形ばね部10は、軸線AX1方向に隣り合う第二棒状部材12や第三棒状部材13が互いに周方向の同一方向側に傾斜することで、複数の第二棒状部材12や第三棒状部材13が螺旋状に配列された正転螺旋構造を呈している。
これにより、非線形ばね部10は、軸線AX1方向に隣り合う第二棒状部材12や第三棒状部材13が互いに周方向の同一方向側に傾斜することで、複数の第二棒状部材12や第三棒状部材13が螺旋状に配列された正転螺旋構造を呈している。
以上のように構成される非線形ばね部10の形状は、可撓性を有するシートからなる筒状体に折り畳み可能な折り線を複数形成することで筒状体の軸線方向に折り畳み可能な筒状折り畳み構造物(折紙構造物)の形状に対応している。
すなわち、非線形ばね部10における第一棒状部材14は、筒状折り畳み構造物において筒状体の周方向に沿って直線状に延びる第一山折り線に対応する。また、第二棒状部材12は、筒状折り畳み構造物において筒状体の軸線方向に延びる直線状の第二山折り線に対応する。また、第三棒状部材13は、筒状折り畳み構造物において筒状体の軸線方向に延びる直線状の谷折り線に対応する。また、連結部15は、筒状折り畳み構造物において上記山折り線及び谷折り線が集まる節点に対応している。なお、上記した「山折り線」や「谷折り線」は、筒状体をその外周面側から見た折り線である。
すなわち、非線形ばね部10における第一棒状部材14は、筒状折り畳み構造物において筒状体の周方向に沿って直線状に延びる第一山折り線に対応する。また、第二棒状部材12は、筒状折り畳み構造物において筒状体の軸線方向に延びる直線状の第二山折り線に対応する。また、第三棒状部材13は、筒状折り畳み構造物において筒状体の軸線方向に延びる直線状の谷折り線に対応する。また、連結部15は、筒状折り畳み構造物において上記山折り線及び谷折り線が集まる節点に対応している。なお、上記した「山折り線」や「谷折り線」は、筒状体をその外周面側から見た折り線である。
以上のように構成される非線形ばね部10は、以下のような特性を有する。
非線形ばね部10は、図1に示す状態において、環状部11の軸線AX1方向に外力が付与されていない自然長の状態となっている。この状態の非線形ばね部10に対し、これを軸線AX1方向に縮める外力Fを加えた場合には、図3に示すように、軸線AX1方向(Z方向)に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まる。また、第一棒状部材14に対する第二、第三棒状部材12,13の傾斜角度が小さくなるように、第二、第三棒状部材12,13が連結部15に対して第一回転方向R1に回転する。また、第二、第三棒状部材12,13の回転に伴って、軸線AX1方向に隣り合う環状部11が、相対的に軸線AX1回り(X方向)に回転する。
そして、上記のように第二、第三棒状部材12,13が回転する際には、第二棒状部材12にはその長手方向への圧縮力が作用し、第二棒状部材12に圧縮ひずみが生じる。また、第三棒状部材13にはその長手方向への引張力が作用し、第三棒状部材13に引張ひずみが生じる。
非線形ばね部10は、図1に示す状態において、環状部11の軸線AX1方向に外力が付与されていない自然長の状態となっている。この状態の非線形ばね部10に対し、これを軸線AX1方向に縮める外力Fを加えた場合には、図3に示すように、軸線AX1方向(Z方向)に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まる。また、第一棒状部材14に対する第二、第三棒状部材12,13の傾斜角度が小さくなるように、第二、第三棒状部材12,13が連結部15に対して第一回転方向R1に回転する。また、第二、第三棒状部材12,13の回転に伴って、軸線AX1方向に隣り合う環状部11が、相対的に軸線AX1回り(X方向)に回転する。
そして、上記のように第二、第三棒状部材12,13が回転する際には、第二棒状部材12にはその長手方向への圧縮力が作用し、第二棒状部材12に圧縮ひずみが生じる。また、第三棒状部材13にはその長手方向への引張力が作用し、第三棒状部材13に引張ひずみが生じる。
このため、非線形ばね部10においては、これら圧縮ひずみ及び引張ひずみが開放されるように、第二、第三棒状部材12,13を第一回転方向R1とは逆の第二回転方向R2に回転させようとする弾性力が発生する。すなわち、非線形ばね部10には、外力Fと逆向きの弾性力(第一弾性力)が発生する。
ただし、所定値以上の外力Fが非線形ばね1に付与されることで、第二、第三棒状部材12,13の第一回転方向R1への回転角度が所定値以上になった場合には、圧縮ひずみ及び引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第一回転方向R1となる。その結果として、非線形ばね部10には、外力Fと同じ向きの第一弾性力が発生する。
ただし、所定値以上の外力Fが非線形ばね1に付与されることで、第二、第三棒状部材12,13の第一回転方向R1への回転角度が所定値以上になった場合には、圧縮ひずみ及び引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第一回転方向R1となる。その結果として、非線形ばね部10には、外力Fと同じ向きの第一弾性力が発生する。
図1,2に示すように、線形ばね部20は、軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士を軸線AX1方向に付勢する部材である。線形ばね部20は、長手方向に弾性変形すると共に、長手方向への変位に関わらず弾性率(ばね定数)が一定の部材である。線形ばね部20は、図示例のようなコイルばねであってもよいが、これに限ることはない。
線形ばね部20の長手方向の両端部は、軸線AX1方向に隣り合う二つの第一棒状部材14、及び、周方向に隣り合う二つの第二棒状部材12によって画成された四角形の対角に位置する連結部15同士を連結するように、かつ、第三棒状部材13と交差するように、各連結部15に対して回転自在に取り付けられている。
線形ばね部20の長手方向の両端部は、軸線AX1方向に隣り合う二つの第一棒状部材14、及び、周方向に隣り合う二つの第二棒状部材12によって画成された四角形の対角に位置する連結部15同士を連結するように、かつ、第三棒状部材13と交差するように、各連結部15に対して回転自在に取り付けられている。
軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる線形ばね部20の数は、第二、第三棒状部材12,13の場合と同様に、正多角形の角数に対応する数(図示例では六つ)となっている。これら複数の線形ばね部20の寸法や特性は、互いに同一に設定されている。また、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
そして、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に配された複数の線形ばね部20は、軸線AX1方向に対して周方向の同一方向側に傾斜している。また、複数の線形ばね部20は、第二、第三棒状部材13の傾斜方向とは逆向き(第二周方向X2側)に傾斜している。
そして、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に配された複数の線形ばね部20は、軸線AX1方向に対して周方向の同一方向側に傾斜している。また、複数の線形ばね部20は、第二、第三棒状部材13の傾斜方向とは逆向き(第二周方向X2側)に傾斜している。
上記構成の非線形ばね1において、各連結部15には、少なくとも第二棒状部材12、第三棒状部材13及び線形ばね部20が回転自在に取り付けられているが、このような連結部15の具体例としては、ボールジョイントが挙げられる。
以上のように構成される第一実施例の非線形ばね1では、非線形ばね部10が自然長となっている状態において、各線形ばね部20もこれに外力が加えられていない自然長となっている。
この自然長の非線形ばね1に対し、これを軸線AX1方向に縮める(変位させる)外力Fを加えた場合には、前述したように第二、第三棒状部材12,13が第一回転方向R1に回転して、第二、第三棒状部材12,13に圧縮ひずみや引張ひずみが生じる(図3参照)。また、前述したように軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まると共に、これら環状部11同士が相対的に軸線AX1回り(周方向)に回転する。
これに伴って、線形ばね部20は、連結部15に対して回転しながら、長手方向に圧縮される。これにより、線形ばね部20には、軸線AX1方向に隣り合う環状部11を互いに離間させようとする弾性力(第二弾性力)が発生する。
この自然長の非線形ばね1に対し、これを軸線AX1方向に縮める(変位させる)外力Fを加えた場合には、前述したように第二、第三棒状部材12,13が第一回転方向R1に回転して、第二、第三棒状部材12,13に圧縮ひずみや引張ひずみが生じる(図3参照)。また、前述したように軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まると共に、これら環状部11同士が相対的に軸線AX1回り(周方向)に回転する。
これに伴って、線形ばね部20は、連結部15に対して回転しながら、長手方向に圧縮される。これにより、線形ばね部20には、軸線AX1方向に隣り合う環状部11を互いに離間させようとする弾性力(第二弾性力)が発生する。
すなわち、非線形ばね1には、非線形ばね部10に発生する外力Fと逆向きの第一弾性力と、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力とを足し合わせた弾性力(合計弾性力)が発生する。
また、線形ばね部20に生じる第二弾性力は、長手方向への変位量が大きくなるほど増加する。このため、第二、第三棒状部材12,13に生じる圧縮ひずみや引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第二回転方向R2から第一回転方向R1に逆転してしまっても(図3参照)、すなわち、非線形ばね部10に外力Fと同じ向きの第一弾性力が発生しても、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力と、非線形ばね部10に発生する外力Fと同じ向きの第一弾性力とを足し合わせた非線形ばね1の合計弾性力を、外力Fと逆向きの力とすることができる。
すなわち、線形ばね部20は、非線形ばね1に生じる合計弾性力が、非線形ばね部10の特性によって外力Fと同じ向きの力となることを防ぐ役割を果たしている。
また、線形ばね部20に生じる第二弾性力は、長手方向への変位量が大きくなるほど増加する。このため、第二、第三棒状部材12,13に生じる圧縮ひずみや引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第二回転方向R2から第一回転方向R1に逆転してしまっても(図3参照)、すなわち、非線形ばね部10に外力Fと同じ向きの第一弾性力が発生しても、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力と、非線形ばね部10に発生する外力Fと同じ向きの第一弾性力とを足し合わせた非線形ばね1の合計弾性力を、外力Fと逆向きの力とすることができる。
すなわち、線形ばね部20は、非線形ばね1に生じる合計弾性力が、非線形ばね部10の特性によって外力Fと同じ向きの力となることを防ぐ役割を果たしている。
図4は、上記した第一実施例の非線形ばね1において、その軸線AX1方向の変位と弾性力(合計弾性力)との関係(弾性力特性)を示すグラフである。また、図5は、第一実施例の非線形ばね1において、その軸線AX1方向の変位と弾性率(ばね定数)との関係(弾性率特性)を示すグラフである。これらのグラフにおいて、変位zが0となる点は、非線形ばね1が自然長である状態に相当する。
図4のグラフによれば、第一実施例の非線形ばね1においては、非線形ばね1がその軸線AX1方向に変位しても非線形ばね1の弾性力の変化が非常に小さくなる変位領域(変位zがz1からz2に至る領域)が存在する。この変位領域では、図5のグラフに示すように、非線形ばね1の弾性率が0に近い小さな値となる。弾性率が0に近い値において極小値(z=z0における弾性率の値)となる非線形ばね1の特性は、線形ばね部20のばね定数を適切に設定することで得られる。すなわち、線形ばね部20のばね定数は、非線形ばねの弾性率が0に近い値において極小値となるように設定される。
図4のグラフによれば、第一実施例の非線形ばね1においては、非線形ばね1がその軸線AX1方向に変位しても非線形ばね1の弾性力の変化が非常に小さくなる変位領域(変位zがz1からz2に至る領域)が存在する。この変位領域では、図5のグラフに示すように、非線形ばね1の弾性率が0に近い小さな値となる。弾性率が0に近い値において極小値(z=z0における弾性率の値)となる非線形ばね1の特性は、線形ばね部20のばね定数を適切に設定することで得られる。すなわち、線形ばね部20のばね定数は、非線形ばねの弾性率が0に近い値において極小値となるように設定される。
《第二実施例の非線形ばね》
図6,7に示すように、第二実施例の非線形ばね2は、第一実施例と同様に、非線形ばね部10と、線形ばね部20と、を備える。非線形ばね部10は、第一実施例において示したものと同一である。
第二実施例の線形ばね部20は、第一実施例のものと同様に、軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士を軸線AX1方向に付勢する部材である。また、線形ばね部20は、長手方向に弾性変形すると共に、長手方向への変位に関わらず弾性率(ばね定数)が一定の部材である。
図6,7に示すように、第二実施例の非線形ばね2は、第一実施例と同様に、非線形ばね部10と、線形ばね部20と、を備える。非線形ばね部10は、第一実施例において示したものと同一である。
第二実施例の線形ばね部20は、第一実施例のものと同様に、軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士を軸線AX1方向に付勢する部材である。また、線形ばね部20は、長手方向に弾性変形すると共に、長手方向への変位に関わらず弾性率(ばね定数)が一定の部材である。
ただし、第二実施例の線形ばね部20は、非線形ばね1をその径方向から見て線形ばね部20の長手方向が軸線AX1方向(Z方向)に平行するように、すなわち、線形ばね部20が軸線AX1方向に対して周方向に傾斜しないように、設けられている。
具体的には、線形ばね部20の一端部が、軸線AX1方向に隣り合う二つの環状部11のうち一方の環状部11(例えば第一環状部11A)の連結部15に対して回転自在に取り付けられる。また、線形ばね部20の他端部が、他方の環状部11(例えば第二環状部11B)を構成する第一棒状部材14に対してその長手方向に移動可能に取り付けられる。図示例では、他方の環状部11の第一棒状部材14に、その長手方向に移動可能なスライダー21が取り付けられる。そして、線形ばね部20の他端部は、線形ばね部20の長手方向がスライダー21の移動方向に直交するようにスライダー21に固定されている。
軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる線形ばね部20の数は、第一実施例と同様に正多角形の角数に対応する数(図示例では六つ)となっている。また、複数の線形ばね部20の寸法や特性は、互いに同一に設定されている。また、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
具体的には、線形ばね部20の一端部が、軸線AX1方向に隣り合う二つの環状部11のうち一方の環状部11(例えば第一環状部11A)の連結部15に対して回転自在に取り付けられる。また、線形ばね部20の他端部が、他方の環状部11(例えば第二環状部11B)を構成する第一棒状部材14に対してその長手方向に移動可能に取り付けられる。図示例では、他方の環状部11の第一棒状部材14に、その長手方向に移動可能なスライダー21が取り付けられる。そして、線形ばね部20の他端部は、線形ばね部20の長手方向がスライダー21の移動方向に直交するようにスライダー21に固定されている。
軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間に設けられる線形ばね部20の数は、第一実施例と同様に正多角形の角数に対応する数(図示例では六つ)となっている。また、複数の線形ばね部20の寸法や特性は、互いに同一に設定されている。また、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に間隔をあけて配列されている。本実施例において、複数の線形ばね部20は、環状部11の周方向に等間隔に配列されている。
以上のように構成される第二実施例の非線形ばね2では、非線形ばね部10が自然長となっている状態において、各線形ばね部20もこれに外力が加えられていない自然長となっている。
この自然長の非線形ばね1に対し、これを軸線AX1方向に縮める(変位させる)外力Fを加えた場合には、第一実施例の場合と同様に、第二、第三棒状部材12,13に圧縮ひずみや引張ひずみが生じる。また、軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まると共に、これら環状部11同士が相対的に軸線AX1回り(周方向)に回転する。
この際、線形ばね部20の他端部は、スライダー21等によって他方の環状部11の第一棒状部材14に対してその長手方向に移動するため、線形ばね部20は、軸線AX1方向に平行するように保持されたままで長手方向に圧縮される。これにより、線形ばね部20には、軸線AX1方向に隣り合う環状部11を互いに離間させようとする第二弾性力が生じる。
この自然長の非線形ばね1に対し、これを軸線AX1方向に縮める(変位させる)外力Fを加えた場合には、第一実施例の場合と同様に、第二、第三棒状部材12,13に圧縮ひずみや引張ひずみが生じる。また、軸線AX1方向に隣り合う環状部11同士の間隔が狭まると共に、これら環状部11同士が相対的に軸線AX1回り(周方向)に回転する。
この際、線形ばね部20の他端部は、スライダー21等によって他方の環状部11の第一棒状部材14に対してその長手方向に移動するため、線形ばね部20は、軸線AX1方向に平行するように保持されたままで長手方向に圧縮される。これにより、線形ばね部20には、軸線AX1方向に隣り合う環状部11を互いに離間させようとする第二弾性力が生じる。
すなわち、第二実施例の非線形ばね2には、第一実施例の非線形ばね1の場合と同様に、非線形ばね部10に発生する外力Fと逆向きの第一弾性力と、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力とを足し合わせた合計弾性力が発生する。
また、第二、第三棒状部材12,13に生じる圧縮ひずみや引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第二回転方向R2から第一回転方向R1に逆転してしまっても(図3参照)、第一実施例の非線形ばね1の場合と同様に、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力と、非線形ばね部10に発生する外力Fと同じ向きの第一弾性力とを足し合わせた非線形ばね1の合計弾性力を、外力Fと逆向きの力とすることができる。
すなわち、第二実施例の非線形ばね2においても、線形ばね部20は、第一実施例の場合と同様に、非線形ばね1に生じる合計弾性力が、非線形ばね部10の特性によって外力Fと同じ向きの力となることを防ぐ役割を果たしている。
また、第二、第三棒状部材12,13に生じる圧縮ひずみや引張ひずみを開放しようとする第二、第三棒状部材12,13の回転方向が、第二回転方向R2から第一回転方向R1に逆転してしまっても(図3参照)、第一実施例の非線形ばね1の場合と同様に、線形ばね部20に発生する外力Fと逆向きの第二弾性力と、非線形ばね部10に発生する外力Fと同じ向きの第一弾性力とを足し合わせた非線形ばね1の合計弾性力を、外力Fと逆向きの力とすることができる。
すなわち、第二実施例の非線形ばね2においても、線形ばね部20は、第一実施例の場合と同様に、非線形ばね1に生じる合計弾性力が、非線形ばね部10の特性によって外力Fと同じ向きの力となることを防ぐ役割を果たしている。
図8は、上記した第二実施例の非線形ばね2の弾性力特性を示すグラフである。また、図9は、第二実施例の非線形ばね2の弾性率特性を示すグラフである。これらのグラフにおいて、変位zが0となる点は、非線形ばね2が自然長である状態に相当する。
図8のグラフによれば、第二実施例の非線形ばね2においては、第一実施例の非線形ばね1と同様に、非線形ばね2がその軸線AX1方向に変位しても非線形ばね2の弾性力の変化が非常に小さくなる変位領域(変位zがz1からz2に至る領域)が存在する。この変位領域では、図9のグラフに示すように、非線形ばね2の弾性率が0に近い小さな値となる。弾性率が0に近い値において極小値(z=z0における弾性率の値)となる非線形ばね2の特性は、第一実施例の場合と同様に、線形ばね部20のばね定数を適切に設定することで得られる。
図8のグラフによれば、第二実施例の非線形ばね2においては、第一実施例の非線形ばね1と同様に、非線形ばね2がその軸線AX1方向に変位しても非線形ばね2の弾性力の変化が非常に小さくなる変位領域(変位zがz1からz2に至る領域)が存在する。この変位領域では、図9のグラフに示すように、非線形ばね2の弾性率が0に近い小さな値となる。弾性率が0に近い値において極小値(z=z0における弾性率の値)となる非線形ばね2の特性は、第一実施例の場合と同様に、線形ばね部20のばね定数を適切に設定することで得られる。
≪比較例の非線形ばね≫
次に、上記した第一、第二実施例の非線形ばね1,2の比較例について、図10〜12を参照して説明する。
図10に示す比較例の非線形ばね9は、前述した第一、第二実施例と同様の非線形ばね部10に対し、非線形ばね部10の軸線AX1方向の両端に位置する二つの環状部11A,11C同士を接続した線形ばね部40を設けて構成されている。
次に、上記した第一、第二実施例の非線形ばね1,2の比較例について、図10〜12を参照して説明する。
図10に示す比較例の非線形ばね9は、前述した第一、第二実施例と同様の非線形ばね部10に対し、非線形ばね部10の軸線AX1方向の両端に位置する二つの環状部11A,11C同士を接続した線形ばね部40を設けて構成されている。
比較例の非線形ばね9においても、線形ばね部40の特性を調整することで、第一、第二実施例の非線形ばね1,2と同様に、非線形ばね9の変位に対する弾性力の変化が非常に小さくなる変位領域を存在させることは可能である。しかしながら、比較例の非線形ばね9では、環状部11Cと環状部11Bとが衝突する可能性があるため、第一、第二実施例の非線形ばね1,2の特性を得ることが困難である。
また、上述のように線形ばね部40の特性を調整した比較例の非線形ばね9では、環状部11Cと環状部11Bとが衝突しない範囲において、環状部11Cと環状部11Bの間部分が伸縮して非線形ばね9全体の変位zを変化させる一方で、環状部11Bと環状部11Aの間部分の伸縮は殆どなく、非線形ばね9全体の変位zに対して殆ど寄与しない。したがって、比較例の非線形ばね9の特性は、実質的に環状部11C、環状部11B及び線形ばね部40によって構成される非線形ばねの特性となる。このため、比較例の非線形ばね9は、環状部11Aの分だけ無用に複雑化された構造となってしまう。
また、上述のように線形ばね部40の特性を調整した比較例の非線形ばね9では、環状部11Cと環状部11Bとが衝突しない範囲において、環状部11Cと環状部11Bの間部分が伸縮して非線形ばね9全体の変位zを変化させる一方で、環状部11Bと環状部11Aの間部分の伸縮は殆どなく、非線形ばね9全体の変位zに対して殆ど寄与しない。したがって、比較例の非線形ばね9の特性は、実質的に環状部11C、環状部11B及び線形ばね部40によって構成される非線形ばねの特性となる。このため、比較例の非線形ばね9は、環状部11Aの分だけ無用に複雑化された構造となってしまう。
≪防振装置≫
次に、上記した第一、第二実施例の非線形ばね1,2を備える本実施形態の防振装置について、図11,12を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態の防振装置100は、第一実施例(あるいは第二実施例)の非線形ばね1(2)、及び、非線形ばね1(2)の軸線AX1方向への伸縮に対して制動力を付与するダンパー50を備える。ダンパー50は、例えばエアダンパーやオイルダンパー等である。
次に、上記した第一、第二実施例の非線形ばね1,2を備える本実施形態の防振装置について、図11,12を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態の防振装置100は、第一実施例(あるいは第二実施例)の非線形ばね1(2)、及び、非線形ばね1(2)の軸線AX1方向への伸縮に対して制動力を付与するダンパー50を備える。ダンパー50は、例えばエアダンパーやオイルダンパー等である。
≪振動シミュレーション≫
次に、上記構成の防振装置100について、その防振性能を確認するために振動シミュレーションを行った。以下、振動シミュレーションの条件と結果について述べる。
この振動シミュレーションでは、ピンクノイズの振幅特性(周波数が大きくなるほど振幅が小さくなる特性)を有する振動(入力振動)を防振装置100(非線形ばね1(2))の一端側(図11において下端側)に入力し、防振装置100(非線形ばね1(2))の他端側(図11において上端側)における振動(出力振動)を算出する。
また、振動シミュレーションでは、初期条件として、防振装置100に振動を入力する前の状態において、対象とする荷重mに対して、弾性率が最小となる位置で振動が発生するように、非線形ばね1(2)の特性が設定される。すなわち、与えられた外力に対して、非線形ばね1(2)の変位zがz0(図5(9)参照)となるように、非線形ばね1(2)の特性が設定される。さらに、ダンパー50の制動力は、防振装置100の他端側において、共振による振幅増大が極力抑えられるように、また、高周波領域(例えば1Hz以上の周波数領域)の振幅が悪化しないように設定されている。
次に、上記構成の防振装置100について、その防振性能を確認するために振動シミュレーションを行った。以下、振動シミュレーションの条件と結果について述べる。
この振動シミュレーションでは、ピンクノイズの振幅特性(周波数が大きくなるほど振幅が小さくなる特性)を有する振動(入力振動)を防振装置100(非線形ばね1(2))の一端側(図11において下端側)に入力し、防振装置100(非線形ばね1(2))の他端側(図11において上端側)における振動(出力振動)を算出する。
また、振動シミュレーションでは、初期条件として、防振装置100に振動を入力する前の状態において、対象とする荷重mに対して、弾性率が最小となる位置で振動が発生するように、非線形ばね1(2)の特性が設定される。すなわち、与えられた外力に対して、非線形ばね1(2)の変位zがz0(図5(9)参照)となるように、非線形ばね1(2)の特性が設定される。さらに、ダンパー50の制動力は、防振装置100の他端側において、共振による振幅増大が極力抑えられるように、また、高周波領域(例えば1Hz以上の周波数領域)の振幅が悪化しないように設定されている。
さらに、非線形ばね1(2)の代わりに線形ばね(不図示)を用いた比較例の防振装置(不図示)についても同様の振動シミュレーションを行う。比較例の防振装置では、非線形ばね1(2)の場合と同程度の荷重mを載せる等したときの線形ばねの変位が非線形ばね1と同程度になるように、線形ばねのばね定数が設定されている。
図12のグラフは、上記した振動シミュレーションの結果(周波数特性)を示している。このグラフの横軸は振動の周波数であり、縦軸は入力振動の振幅Zinと出力振動の振幅Zoutとの振幅比Zout/Zinである。
図12のグラフによれば、比較例の防振装置では、周波数が1〜3Hz程度の周波数領域において、振幅比Zout/Zinが1よりも大きくなり、共振ピークが現れてしまう。また、比較例の防振装置では、共振ピークが出現する周波数領域よりも周波数が高くなるにしたがって、振幅比Zout/Zinが徐々に小さくなる。
図12のグラフによれば、比較例の防振装置では、周波数が1〜3Hz程度の周波数領域において、振幅比Zout/Zinが1よりも大きくなり、共振ピークが現れてしまう。また、比較例の防振装置では、共振ピークが出現する周波数領域よりも周波数が高くなるにしたがって、振幅比Zout/Zinが徐々に小さくなる。
これに対し、第一、第二実施例の非線形ばね1,2を用いた本実施形態の防振装置100では、いずれも上記した共振ピークが現れない。また、高周波領域(周波数が1Hz以上の周波数領域)においては、第一、第二実施例の場合の振幅比Zout/Zinが比較例よりも小さくなっている。すなわち、第一、第二実施例の防振装置100では、比較例の防振装置よりも、防振装置100の一端側(入力側)の振動が他端側(出力側)に伝わることを効果的に抑えることができる。
したがって、第一、第二実施例の防振装置では、ダンパー50の制動力を大きく設定することなく、共振ピークの発生を抑制できる。また、高周波領域において特に良好な防振性能を得ることができる。
上記の結果は、例えば入力振動の振幅の標準偏差を変更しても同様である。
したがって、第一、第二実施例の防振装置では、ダンパー50の制動力を大きく設定することなく、共振ピークの発生を抑制できる。また、高周波領域において特に良好な防振性能を得ることができる。
上記の結果は、例えば入力振動の振幅の標準偏差を変更しても同様である。
以上説明したように、本実施形態の非線形ばね1,2は、いずれも非線形ばね1,2が軸線AX1方向に変位(伸縮)しても、非線形ばね1の弾性力の変化を非常に小さく抑えることが可能な変位領域を有する。すなわち、本実施形態の非線形ばね1,2では、所定の変位領域において、非線形ばね1,2の弾性率を非常に小さい値(0に近い値)に抑えることができる。これにより、本実施形態の防振装置100を、車体フロア等の基台と、基台上に設けられる着座シート等の搭載部との間に設けておけば、基台側の振動が搭載部側に伝わることを効果的に抑え、搭載部側が振動することを効果的に抑制できる。
したがって、基台側が振動しても搭載部が振動しない(振動し難い)理想的な防振装置100を提供することが可能となる。この防振装置100は、自動車、船舶、航空機等のシートサスペンションや、建築構造物の免震構造などに利用することが可能である。特に、本実施形態の防振装置100では、図12に示すように、自動車の乗り心地に重要な周波数(1〜10Hz)における振動伝達特性(振動が伝わることを抑える特性)に優れるため、自動車のシートサスペンションに好適に利用することができる。
したがって、基台側が振動しても搭載部が振動しない(振動し難い)理想的な防振装置100を提供することが可能となる。この防振装置100は、自動車、船舶、航空機等のシートサスペンションや、建築構造物の免震構造などに利用することが可能である。特に、本実施形態の防振装置100では、図12に示すように、自動車の乗り心地に重要な周波数(1〜10Hz)における振動伝達特性(振動が伝わることを抑える特性)に優れるため、自動車のシートサスペンションに好適に利用することができる。
そして、本実施形態の非線形ばね1,2によれば、従来のように高価な希土類磁石を用いることなく、安価な棒状部材12,13,14及び連結部15を組み合わせることで安価な非線形ばね部10を構成できるため、防振装置100を低コストで製造することが可能となる。すなわち、安価なシートサスペンションや免震構造を提供することが可能となる。
また、第一実施例の非線形ばね1によれば、線形ばね部20の両端部を連結部15に取り付ければよいため、第二実施例の非線形ばね2と比較して簡易な構造となり、容易に製造することが可能となる。
一方、第二実施例の非線形ばね2によれば、非線形ばね部10がその軸線AX1方向に伸縮(変位)しても、線形ばね部20が第一実施例のように回転しないため、軸線AX1方向に対する線形ばね部20の長手方向の向きが変化することを防止できる。すなわち、線形ばね部20の弾性力の作用方向が非線形ばね部10の伸縮によって変化しない。したがって、非線形ばね2全体の力学的な設計を容易に行うことができる。
一方、第二実施例の非線形ばね2によれば、非線形ばね部10がその軸線AX1方向に伸縮(変位)しても、線形ばね部20が第一実施例のように回転しないため、軸線AX1方向に対する線形ばね部20の長手方向の向きが変化することを防止できる。すなわち、線形ばね部20の弾性力の作用方向が非線形ばね部10の伸縮によって変化しない。したがって、非線形ばね2全体の力学的な設計を容易に行うことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図13,14を参照して、第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態について、図13,14を参照して、第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図13,14に示すように、本実施形態の非線形ばね3は、非線形ばね部30と、線形ばね部20とを備える。本実施形態の線形ばね部20は、図示例のように第一実施例の非線形ばね1の場合と同様に設けられてもよいが、例えば第二実施例の非線形ばね2の場合と同様に設けられてもよい。
本実施形態の非線形ばね部30は、第一実施形態の非線形ばね部10と同様に構成されている。ただし、本実施形態の非線形ばね部30では、第一実施形態の非線形ばね部10と比較して、軸線AX1方向に配列された第二棒状部材12同士、第三棒状部材13同士の傾斜方向が、互いに異なっている。以下、この点について詳細に説明する。
本実施形態の非線形ばね部30は、第一実施形態の非線形ばね部10と同様に構成されている。ただし、本実施形態の非線形ばね部30では、第一実施形態の非線形ばね部10と比較して、軸線AX1方向に配列された第二棒状部材12同士、第三棒状部材13同士の傾斜方向が、互いに異なっている。以下、この点について詳細に説明する。
本実施形態の非線形ばね部30では、第一環状部11A、第二環状部11B及び第三環状部11Cが軸線AX1方向に順番に配列されている。
第一、第二環状部11A,11Bの間に配された複数(図示例では六つ)の第二、第三棒状部材12,13は、軸線AX1方向に対して周方向の同一方向(第一周方向X1)側に傾斜している。一方、第二、第三環状部11B,11Cの間に配された複数(図示例では六つ)の第二、第三棒状部材12,13は、軸線AX1方向に対して第一周方向X1とは逆向きの第二周方向X2側に傾斜している。すなわち、第一、第二環状部11A,11Bの間に設けられる第二、第三棒状部材12,13と、第二、第三環状部11B,11Cの間に設けられる第二、第三棒状部材12,13とは、軸線AX1方向に対して互いに逆向きに傾斜している。
これにより、本実施形態の非線形ばね部30は、軸線AX1方向に隣り合う第二棒状部材12や第三棒状部材13が互いに逆向きに傾斜することで、複数の第二棒状部材12や第三棒状部材13がジグザグ状に配列された反転螺旋構造を呈している。なお、軸線AX1方向に配列される環状部11の数を図示例よりも増加させた場合には、上記反転螺旋構造が繰り返されることになる。
第一、第二環状部11A,11Bの間に配された複数(図示例では六つ)の第二、第三棒状部材12,13は、軸線AX1方向に対して周方向の同一方向(第一周方向X1)側に傾斜している。一方、第二、第三環状部11B,11Cの間に配された複数(図示例では六つ)の第二、第三棒状部材12,13は、軸線AX1方向に対して第一周方向X1とは逆向きの第二周方向X2側に傾斜している。すなわち、第一、第二環状部11A,11Bの間に設けられる第二、第三棒状部材12,13と、第二、第三環状部11B,11Cの間に設けられる第二、第三棒状部材12,13とは、軸線AX1方向に対して互いに逆向きに傾斜している。
これにより、本実施形態の非線形ばね部30は、軸線AX1方向に隣り合う第二棒状部材12や第三棒状部材13が互いに逆向きに傾斜することで、複数の第二棒状部材12や第三棒状部材13がジグザグ状に配列された反転螺旋構造を呈している。なお、軸線AX1方向に配列される環状部11の数を図示例よりも増加させた場合には、上記反転螺旋構造が繰り返されることになる。
また、第一、第二環状部11A,11Bの間に設けられる第三棒状部材13の軸線AX1方向に対する傾斜角度、及び、第二、第三環状部11B,11Cの間に設けられる第三棒状部材13の軸線AX1方向に対する傾斜角度は、互いに等しくなるように設定されている。これに伴い、第一、第二環状部11A,11Bの間に設けられる第二棒状部材12の軸線AX1方向に対する傾斜角度、及び、第二、第三環状部11B,11Cの間に設けられる第二棒状部材12の軸線AX1方向に対する傾斜角度も、互いに等しくなる。
以上のように構成される本実施形態の非線形ばね部30の形状は、第一実施形態の非線形ばね部10と同様に、筒状折り畳み構造物(折紙構造)の形状に対応している。
以上のように構成される本実施形態の非線形ばね部30の形状は、第一実施形態の非線形ばね部10と同様に、筒状折り畳み構造物(折紙構造)の形状に対応している。
そして、本実施形態の非線形ばね3は、第一実施形態の非線形ばね1,2と同様の弾性力特性や弾性率特性を有する。したがって、本実施形態の非線形ばね3によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態の非線形ばね3によれば、非線形ばね3を軸線AX1方向に伸縮(変位)させた際には、第一、第二環状部11A,11Bの間に設けられる第三棒状部材13と、第二、第三環状部11B,11Cの間に設けられる第三棒状部材13とが、連結部15に対して互いに逆向きに回転する。このため、非線形ばね3を軸線AX1方向に伸縮させても、第二環状部11Bが第一、第三環状部11A,11Cに対して軸線AX1回りに回転するだけであり、第一、第三環状部11A,11Cは互いに軸線AX1回りに回転しない。したがって、非線形ばね3の軸線AX1方向の両端をそれぞれ基台及び搭載部に直接固定しても、基台及び搭載部が互いに軸線AX1回りに回転することを防止できる。すなわち、非線形ばね3の取扱性が向上する、という効果を奏する。
なお、この効果は、非線形ばね3が三つの環状部11を備える場合に限らず、少なくとも三つ以上で奇数の環状部11を備える場合に得られる。
なお、この効果は、非線形ばね3が三つの環状部11を備える場合に限らず、少なくとも三つ以上で奇数の環状部11を備える場合に得られる。
以上、二つの実施形態により本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間(例えば二つの環状部11A,11Bの間、二つの環状部11B,11Cの間)に設けられる線形ばね部20の数は、上記実施形態のように正多角形の角数と同数でなくてもよく、例えば正多角形の角数よりも少なくてもよいし、例えば一つであってもよい。これらの場合、線形ばね部20は、環状部11に作用する線形ばね部20の弾性力が環状部11の周方向にわたって均等になるように設けられればよい。例えば線形ばね部20の数が一つの場合、線形ばね部20は、例えば線形ばね部20の長手方向が軸線AX1方向に平行するように、環状部11の軸線AX1上に設けられるとよい。
上記のように軸線AX1方向に隣り合う二つの環状部11の間に一つの線形ばね部20を設ける場合には、上記第一実施形態の第二実施例の非線形ばね2の場合と同様に、非線形ばね部10の軸線AX1方向にのみ線形ばね部40の弾性力を発生させることができるため、非線形ばね全体の力学的な設計を容易に行うことができる。さらに、第二実施例の非線形ばね2と比較して構成の簡略化を図ることができ、容易に製造することも可能となる。
例えば、軸線AX1方向に隣り合う環状部11の間(例えば二つの環状部11A,11Bの間、二つの環状部11B,11Cの間)に設けられる線形ばね部20の数は、上記実施形態のように正多角形の角数と同数でなくてもよく、例えば正多角形の角数よりも少なくてもよいし、例えば一つであってもよい。これらの場合、線形ばね部20は、環状部11に作用する線形ばね部20の弾性力が環状部11の周方向にわたって均等になるように設けられればよい。例えば線形ばね部20の数が一つの場合、線形ばね部20は、例えば線形ばね部20の長手方向が軸線AX1方向に平行するように、環状部11の軸線AX1上に設けられるとよい。
上記のように軸線AX1方向に隣り合う二つの環状部11の間に一つの線形ばね部20を設ける場合には、上記第一実施形態の第二実施例の非線形ばね2の場合と同様に、非線形ばね部10の軸線AX1方向にのみ線形ばね部40の弾性力を発生させることができるため、非線形ばね全体の力学的な設計を容易に行うことができる。さらに、第二実施例の非線形ばね2と比較して構成の簡略化を図ることができ、容易に製造することも可能となる。
また、本発明の非線形ばねは、上記実施形態のように環状部11を三つ有することに限らず、例えば二つであってもよいし四つ以上であってもよい。これらの場合でも、上記実施形態と同様の効果を奏する。
非線形ばねにおいて構成の簡略化を図るためには、環状部11の数は少ない方が好ましい。一方で、環状部11の数が少ない場合には、非線形ばね部10,30の伸縮長さ(ストローク)を長く設定するために、環状部11の大きさ(第一棒状部材14の長さ)を大きく設定しなければならない。このため、環状部11の数は、用途に応じて構成の簡略化と、非線形ばね部10,30のストロークの確保を考慮し、非線形ばね1,2,3やこれを備える防振装置100の設置スペースを小さく抑えられるように設定することが好ましい。
非線形ばねにおいて構成の簡略化を図るためには、環状部11の数は少ない方が好ましい。一方で、環状部11の数が少ない場合には、非線形ばね部10,30の伸縮長さ(ストローク)を長く設定するために、環状部11の大きさ(第一棒状部材14の長さ)を大きく設定しなければならない。このため、環状部11の数は、用途に応じて構成の簡略化と、非線形ばね部10,30のストロークの確保を考慮し、非線形ばね1,2,3やこれを備える防振装置100の設置スペースを小さく抑えられるように設定することが好ましい。
1,2,3 非線形ばね
10,30 非線形ばね部
20 線形ばね部
11,11A,11B,11C 環状部
12 第二棒状部材
13 第三棒状部材
14 第一棒状部材
15 連結部
50 ダンパー
100 防振装置
AX1 軸線
10,30 非線形ばね部
20 線形ばね部
11,11A,11B,11C 環状部
12 第二棒状部材
13 第三棒状部材
14 第一棒状部材
15 連結部
50 ダンパー
100 防振装置
AX1 軸線
Claims (5)
- 棒状に形成された複数の第一棒状部材、及び、前記複数の第一棒状部材の長手方向の端部同士を連結する複数の連結部により、正多角形の環状に画成されると共に、軸線方向に間隔をあけて複数配列された環状部と、
長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、前記軸線方向に隣り合う前記環状部の前記連結部同士を連結するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられると共に、前記環状部の周方向に間隔をあけて配列された複数の第二棒状部材と、
長手方向に弾性変形可能な棒状に形成され、前記軸線方向に隣り合う二つの前記第一棒状部材、及び、前記周方向に隣り合う二つの前記第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する前記連結部同士を連結するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられると共に、前記周方向に間隔をあけて配された複数の第三棒状部材と、を有し、
複数の前記環状部の正多角形の角数をnとして、同一の前記連結部に取り付けられた前記第二棒状部材と前記第三棒状部材との角度α、及び、同一の前記連結部に取り付けられた前記第一棒状部材と前記第三棒状部材との角度βが、以下の式、
α=π/n、
π/4−π/2n<β<π/2−π/n、
n=3,4,5,・・・、
を満たすことで、前記軸線方向に隣り合う前記環状部の間に配された複数の前記第二棒状部材及び前記第三棒状部材が、前記軸線方向に対して前記周方向の同一方向側に傾斜する非線形ばね部、
並びに、
前記軸線方向に隣り合う前記環状部同士を前記軸線方向に付勢する線形ばね部、を備えることを特徴とする非線形ばね。 - 前記線形ばね部が、その長手方向に弾性変形可能に形成され、
前記線形ばね部の長手方向の両端部が、前記軸線方向に隣り合う二つの前記第一棒状部材、及び、前記周方向に隣り合う二つの前記第二棒状部材によって画成された四角形の対角に位置する前記連結部同士を連結するように、かつ、前記線形ばね部が前記第三棒状部材と交差するように、各連結部に対して回転自在に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の非線形ばね。 - 前記線形ばね部が、その長手方向に弾性変形可能に形成され、
前記線形ばね部の長手方向の一端が、前記軸線方向に隣り合う二つの環状部のうち一方の環状部の前記連結部に対して回転自在に取り付けられ、
前記線形ばね部の他端が、他方の環状部の前記第一棒状部材に対してその長手方向にスライド可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の非線形ばね。 - 複数の環状部のうち、第一環状部、第二環状部及び第三環状部が前記軸線方向に順番に配列され、
前記第一環状部及び前記第二環状部の間に設けられる前記第三棒状部材と、前記第二環状部及び前記第三環状部の間に設けられる前記第三棒状部材とが、前記軸線方向に対して互いに逆向きに傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の非線形ばね。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非線形ばねと、
該非線形ばねの前記軸線方向への伸縮に対して制動力を付与するダンパーと、を備えることを特徴とする防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013220548A JP2015081655A (ja) | 2013-10-23 | 2013-10-23 | 非線形ばね及び防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013220548A JP2015081655A (ja) | 2013-10-23 | 2013-10-23 | 非線形ばね及び防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015081655A true JP2015081655A (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=53012369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013220548A Pending JP2015081655A (ja) | 2013-10-23 | 2013-10-23 | 非線形ばね及び防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015081655A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019049879A1 (ja) * | 2017-09-07 | 2019-03-14 | デルタ工業株式会社 | サスペンション機構及びシート構造 |
-
2013
- 2013-10-23 JP JP2013220548A patent/JP2015081655A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019049879A1 (ja) * | 2017-09-07 | 2019-03-14 | デルタ工業株式会社 | サスペンション機構及びシート構造 |
JP2019048489A (ja) * | 2017-09-07 | 2019-03-28 | デルタ工業株式会社 | サスペンション機構及びシート構造 |
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