JP2017210073A - サスペンション - Google Patents

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藤田 悦則
Yoshinori Fujita
悦則 藤田
大下 裕樹
Hiroki Oshita
裕樹 大下
小倉 由美
Yumi Ogura
由美 小倉
杉本 栄治
Eiji Sugimoto
栄治 杉本
竜次 桑野
Ryuji Kuwano
竜次 桑野
俊治 野村
Toshiharu Nomura
俊治 野村
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Abstract

【課題】ばね部材による振動吸収特性を損なうことがなく効果的に衝撃力を緩和する。【解決手段】リンク機構30を介して配設される一対のフレーム10,20のそれぞれに、互いに対向方向に突出すると共に、一対のフレーム10,20の振幅が所定以上の場合に相互に接触する間隔をもって設けられた弾性部材からなる弾性突起71,72を有している。振幅が所定以下の通常レベルの振動である所定以上の周波数の振動の場合には、各弾性突起71,72同士が接触せず、除振機構を構成するばね部材の弾性力とダンパー60の減衰力とによって振動吸収がなされる。衝撃力が入力された場合には、弾性突起71,72同士が接触する。各弾性突起71,72は圧縮変形しながら衝撃力を受け止め、復元力によって相対的に一方のフレーム10を押し返す。一方のフレーム10が相対的に押し返される際には、ダンパー60が伸び方向に変位し、所定の減衰力が作用する。【選択図】 図3

Description

本発明は、サスペンションに関する。
特許文献1,2には、下部フレームに対して上下動可能に設けられる上部フレームを磁気ばねとトーションバーとにより弾性的に支持し、所定の変位範囲において磁気ばねが負のばね定数を有することを利用して、正のばね定数を有するトーションバーとの組み合わせによって、所定の変位範囲における両者を重畳したばね定数を略ゼロ(例えば、−50N/mmから+50N/mmの範囲)に設定したシートサスペンションが開示されている。
特開2010−179719号公報 特開2010−179720号公報
特許文献1,2のシートサスペンションは、所定の周波数及び振幅の振動に対しては、上記の磁気ばねとトーションバーを用いた構成により、両者を重畳したばね定数が略ゼロになる特性でこれらの振動を吸収すると共に、振動や衝撃によるエネルギーを吸収するためにダンパーも併設されている。
ダンパーとしては、シリンダと、シリンダ内を移動するピストンと、ピストンに連結されたピストンロッドとを備えた伸縮式のものが用いられ、例えば、ピストンロッドの先端部を、下部フレームに軸部材を介して回動可能に連結し、シリンダの後端部を、上部フレームに軸部材を介して回動可能に連結して配設している。これにより、上部フレームが下部フレームに対して離接動作すると、それに相当する分、ピストンロッドに連結されたピストンがシリンダに対して移動し、エネルギーを減衰する。従って、かかる構成の場合、ダンパーは、上部フレームの変位や速度に応じて所定の減衰力を発揮する。
しかし、路面の大きな凹凸等によって、下部フレームに対する上部フレームの振幅すなわち上部フレーム及び下部フレームの相対変位量が所定以上となる大きな振動や衝撃が入力された場合、上部フレームが相対的に下限位置まで移動し、いわゆる底つきを発生する場合がある。この底つきを防止するため、ダンパーの減衰力をより大きくすることも考えられるが、ダンパーの減衰力が大きすぎると、ばね部材による振動吸収特性が損なわれ、そのバランス設定が難しい。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、振幅が所定以下の通常レベルの振動を除振するばね部材及びダンパーによる除振機構の機能を損なうことなく、振幅が所定よりも大きな振動や衝撃力の緩和効果に優れたサスペンションを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のサスペンションは、リンク機構を介して所定間隔離間して支持され、外力によって相対的に離接して振動する一対のフレームと、
ばね部材及びダンパーを備えた除振機構と
を備えたサスペンションであって、
さらに、前記一対のフレームを構成する各フレームに、互いに対向方向に突出すると共に、振動に伴う前記一対のフレームの振幅が所定以上の場合に相互に接触する間隔をもって設けられた弾性部材からなる弾性突起を備えてなる緩衝機構
を有していることを特徴とする。
前記ダンパーは、前記一対のフレームの振動に伴って伸縮する伸縮式であり、その伸び側の減衰力が、縮み側の減衰力よりも大きいものが用いられていることが好ましい。
前記一対のフレームのうちの少なくともいずれかのフレームの弾性突起に、接触時に、接触方向とは異なる方向への変形を促す逃げ部が形成されていることが好ましい。
前記緩衝機構を構成する各弾性突起は、
一方の弾性突起は、複数設けられ、
他方の弾性突起は、前記一対のフレームの振幅の大きさに応じて、隣接する2つの前記一方の弾性突起間に、少なくとも一部が侵入しつつ接触可能に1以上設けられていることが好ましい。
前記一対のフレームの一方が車体側に、他方がシート側にそれぞれ固定され、乗物のシートサスペンションとして用いられることが好ましい。
本発明は、サスペンションにおけるリンク機構を介して配設される一対のフレームのそれぞれに、互いに対向方向に突出すると共に、振動に伴う一対のフレームの振幅が所定以上の場合に相互に接触する間隔をもって設けられた弾性部材からなる弾性突起を有している。そのため、振幅が所定以下の通常レベルの振動である所定以上の周波数の振動の場合には、上記緩衝機構の各弾性突起同士が接触せず、除振機構を構成するばね部材の弾性力とダンパーの減衰力とによって振動吸収がなされる。その一方、所定以上の振幅を生じる振動や衝撃力が入力された場合には、弾性部材からなる一対の弾性突起同士が接触する。それにより、各弾性突起は圧縮変形しながら振幅の大きな振動や衝撃力を受け止め、その後、復元力によって相対的に一方のフレームを押し返す。一方のフレームが相対的に押し返される際には、ダンパーが伸び方向に変位するため、それにより所定の減衰力が発揮され、次第に大きな振幅を伴う振動や衝撃力が吸収される。すなわち、本発明では、通常レベルの振動の除振機能を担う機構とは別に、振幅の大きな振動や衝撃力を吸収する機構としての緩衝機構を設けたため、通常レベルの除振機能をばね部材とダンパーとによって適切な設定にしたまま、振幅の大きな振動や衝撃力の吸収も効果的に行うことができる。
また、除振機構を構成するダンパーの伸び側の減衰力を高く設定しておくことが好ましい。一方のフレームが他方のフレームに接近する方向に変位する際の減衰力であるダンパーの縮み側の減衰力を高くすると、底つき感が高くなるが、伸び側の減衰力を高く設定した場合には底つき感は高くならない。その一方で、各弾性突起が圧縮変形した後の復元力で一方のフレームが相対的に押し返される際には、ダンパーの伸び側の高い減衰力でその力をより効果的に減衰することができる。
図1は、本発明の一の実施形態にかかるシートサスペンションの概略構成を示す斜視図である。 図2は、上記実施形態にかかるシートサスペンションの平面図である。 図3は、図2のA−A線断面図である。 図4は、図3のB−B線断面図である。 図5は、上記実施形態にかかるシートサスペンションの一部分解斜視図である。 図6は、上記実施形態で用いるのに適したダンパーの減衰特性を示した図である。 図7(a)〜(c)は、緩衝機構の構造の種々の例を示した図である。 図8は、試験で用いた実施例及び比較例のシートサスペンションの違いを説明するための図である。 図9は、被験者Aの試験例1の試験結果を示したグラフである。 図10は、被験者Aの比較例の試験結果を示したグラフである。 図11は、被験者Bの試験例1の試験結果を示したグラフである。 図12は、被験者Bの試験例2の試験結果を示したグラフである。
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図7は、本発明の一の実施形態に係るサスペンションである乗用車、トラック、バス、フォークリフト等の乗物用のシートサスペンション1の構造を示す。これらの図に示したように、本実施形態のシートサスペンション1は、略矩形状の上部フレーム10と下部フレーム20とを備え、リンク機構30を介して連結されている。上部フレーム10には、乗物用シート(図示せず)が支持され、下部フレーム20は車体側(例えばフロア(図示せず))に固定される。
リンク機構30は、下部フレーム20の後方に幅方向に掛け渡された下部後方パイプ21に一端が支持された第1リンクプレート31、第1リンクプレート31の他端に軸部材32aを介して一端が連結され、他端が、上部フレーム10の後方に幅方向に掛け渡された上部後方パイプ11に連結される第2リンクプレート32、下部フレーム20の前方に幅方向に掛け渡された下部前方パイプ22に一端が支持された第3リンクプレート33、第3リンクプレート33の他端に軸部材34aを介して一端が連結され、他端が、上部フレーム10の前方に幅方向に掛け渡された上部前方パイプ12に連結される第4リンクプレート34、後方に位置する軸部材32aと前方に位置する軸部材34aとを連結する連結リンクプレート35を有して構成される。これにより、路面の凹凸等によって外力が加わると、上部フレーム10と下部フレーム20は相対的に離接動作可能となっている。
上部フレーム10を構成する上部後方パイプ11及び上部前方パイプ12、並びに、下部フレーム20を構成する下部後方パイプ21及び下部前方パイプ22には、それぞれ、ばね部材であるトーションバー41,42,43,44が挿入されている。該トーションバー41,42,43,44の一端は、上部後方パイプ11及び上部前方パイプ12、並びに、下部後方パイプ21及び下部前方パイプ22に対してそれぞれ相対回転しないように設けられ、これにより、トーションバー41,42,43,44は、上部フレーム10を下部フレーム20に対して相対的に離間する方向、すなわち、上方向に付勢する弾性力を発揮するように設定される。なお、上部後方パイプ11及び上部前方パイプ12に挿入されるトーションバー41,42の他端は、調整用リンク機構15aに連結されている。調整用リンク機構15aは、その一端が円弧状孔部15b内を移動可能に設けられ、調整用ダイヤル15cを回転させることにより、調整用リンク機構15aの一端が円弧状孔部15b内を移動し、トーションバー41,42がいずれかの方向にねじられ、トーションバー41,42の初期弾性力が調整できるようになっている。それにより、着座者の体重にかかわらず、上部フレーム10を中立位置に調整できる。なお、上部フレーム10を下部フレーム20に対して相対的に離間する方向に付勢するばね部材としては、トーションバー41,42に限らず、コイルスプリング等を用いることも可能である。但し、上部フレーム10のストロークが短い範囲で所定の正のばね定数を得るためには、本実施形態のように、リンク機構30を構成する各リンクプレート31〜34(本実施形態では第2リンクプレート32及び第4リンクプレート34)の支点に組み込むことができるトーションバー41,42,43,44を用いることが好ましい。
本実施形態では、トーションバー41,42,43,44と共にばね部材を構成する磁気ばね50を有している。磁気ばね50は、固定マグネットユニット51と移動マグネットユニット52とを備えてなる。固定マグネットユニット51は、下部フレーム20に取り付けられる固定側磁石支持フレーム511と、固定側磁石支持フレーム511に支持され、上下方向に所定間隔をおいて取り付けられた一対の固定側磁石(図示せず)とを備えてなる。
移動マグネットユニット52は、所定間隔をおいて対向配置される一対の固定側磁石間に配置される移動側磁石(図示せず)を備え、該移動側磁石が移動側磁石用リンク522,522の一端に連結支持されている。移動側磁石用リンク522,522の他端は、上部フレーム10の上部後方パイプ11に設けた取り付けブラケット523に軸支されている。これにより、上部フレーム10が下部フレーム20に接近する方向すなわち下方に変位した際には、移動側磁石用リンク522,522を介して移動側磁石が、固定側磁石間を前方に移動し、上部フレーム10が下部フレーム20から離間する方向すなわち上方に変位した際には、移動側磁石用リンク522,522を介して移動側磁石が、固定側磁石間を後方に移動する。
なお、磁気ばね50は、移動側磁石が略垂直方向に移動するように設けることも可能であるが、本実施形態のように、移動側磁石を略水平方向に移動するように構成すると、磁気ばね50全体の厚さ(上下方向の高さ)を薄くでき、シートサスペンション1全体の薄型化に寄与できる。
磁気ばね50は、移動側磁石が固定側磁石間を移動する際に、所定の変位量範囲でばね定数が負となる特性を発揮するものである。従って、磁気ばね50と上記したトーションバー41,42とを備えてなる本実施形態のばね部材は、磁気ばね50における負のばね特性が機能する範囲においては、上記したトーションバー41,42の正のばね定数のばね特性が重畳され、変位量が増加しても負荷荷重が変化しない定荷重領域すなわちばね定数が略ゼロになる領域(例えば、ばね定数の変化が、−50N/mmから+50N/mmの範囲の低い値に収まっている領域)を有することになる。このばね定数が実質的に略ゼロになる領域をできるだけ有効利用するためには、上部フレーム10の中立位置において、移動マグネットユニット52の移動側磁石が、その移動範囲の中で略中央に位置するようにセットされることが好ましい。
本実施形態のシートサスペンション1は、振動を減衰させるためのダンパー60が設けられている。そして、ばね部材を構成するトーションバー41,42,43,44及び磁気ばね50と、ダンパー60とを併せて、除振機構が構成されている。ダンパー60として本実施形態では、ピストンロッド61と、このピストンロッド61に取り付けられたピストンが内部を往復動作するシリンダ62とからなる伸縮式ダンパーを用いている。そして、ピストンロッド61の端部61aを上部後方パイプ11に取り付けられたブラケット61b及び軸部材61cを介して軸支し、シリンダ62の端部62aを下部前方パイプ22に取り付けられたブラケット62b及び軸部材62cを介して軸支している。これにより、上部フレーム10が下部フレーム20に対して相対的に離接動作すると、ピストンロッド61に取り付けられたピストンがシリンダ62内を往復動作し、所定の減衰力を発揮する。
ここで、本実施形態のシートサスペンション1は、さらに緩衝機構70を有している。緩衝機構70は、上部フレーム10(本実施形態において、一対のフレームのうちの一方のフレームに相当)に設けられたゴムや合成樹脂等の弾性部材からなる第1弾性突起71と、下部フレーム20(本実施形態において、一対のフレームのうちの他方のフレームに相当)に設けられたゴムや合成樹脂等の弾性部材からなる第2弾性突起72とを有して構成される。
上部フレーム10には、長尺な取り付けフレーム13が該上部フレーム10の前後方向に沿って取り付けられており、この取り付けフレーム13に、2つの第1弾性突起71,71が下部フレーム20方向に突出するように設けられている。2つの第1弾性突起71,71は、シートサスペンション1の側面方向から見た形状で略半円形で形成され、先端部71aを下方に向け、取り付けフレーム13の長手方向に沿って隣接させて配設される。なお、符号13aは、第1弾性突起71,71を取り付けフレーム13に固定するための固定部材である。
一方、第2弾性突起72は、下部フレーム20に、補助プレート23aを介して固定される取り付けフレーム23に取り付けられる。第2弾性突起72は、シートサスペンション1の側面方向から見た形状で略半円形で形成され、先端部72aを上方に向け、上部フレーム10方向に突出するように設けられる。
また、2つの第1弾性突起71,71間の最大間隔(頂部71a,71a間の間隔)は、第2弾性突起72の最大幅の部位よりも狭くなっていると共に、第2弾性突起72の先端部72aが、第1弾性突起71,71間の間隙73に対向する位置に設けられる。これにより、両者が接近した際には、第2弾性突起72が、第1弾性突起71,71間の間隙73に侵入していき、やがて、第1弾性突起71,71の隣接面に第2弾性突起72の該側面が接触して外方に押し広げるようにくさび状に侵入していく。図3は、上部フレーム10に支持されるシートに人が着座している場合において、上部フレーム10が中立位置に位置している状態を示しているが、図3に示したように、この中立位置では、第2弾性突起72の先端部72aが、第1弾性突起71,71の先端部71a,71aを結ぶ仮想線よりも上方に位置するものの、第1弾性突起71,71と第2弾性突起72とが接触しないように設定されている。すなわち、振動や衝撃力によって、下部フレーム20に対する上部フレーム10の振幅が所定以上に至った場合に、相互に接触する間隔をもって設けられる。この中立位置で両者が接触していると、振幅の小さい所定周波数以上の通常振動が入力された際のばね部材による振動吸収特性が損なわれるからである。
また、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72のうちのいずれか少なくとも一方、本実施形態では両方に、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72の接触方向すなわち上下方向とは異なる方向への変形を促す逃げ部711,721がそれぞれ形成されている。第1弾性突起71,71の逃げ部711,711は、2つの第1弾性突起71,71の隣接面から中心方向に略半径に相当する長さ分切り欠かれた切り欠きから形成され、第2弾性突起72では、略円弧状に穿設された孔部から形成されている。
逃げ部711,721を有することにより、隣接する第1弾性突起71,71間の間隙73に第2弾性突起72が先端部72aから侵入して接触すると、接触方向とは異なる方向への変形、特に、第1弾性突起71,71が外方に押されて膨出するような変形が生じやすくなる。それにより、所定以上の変位となる振動ないし衝撃力を受けた場合には、各逃げ部711,721が外方に変形してエネルギーを吸収しつつ、さらに、各逃げ部711,721がつぶれて圧縮変形されることでばね定数が高くなって、衝撃力等の大きな力を受け止める。それにより、上部フレーム10の底つきを抑制する。その後、各弾性突起71,71,72の復元力によって上部フレーム10を相対的に上方に押し返し、その際のエネルギーをダンパー60によって吸収し、衝撃力を緩和する。
従って、ダンパー60としては、図6のダンパーA〜Dのように、伸び側の減衰力が縮み側の減衰力よりも高く設定されたものを用いることが好ましい。例えば、大きな衝撃エネルギーを吸収しようとして、ダンパー60の伸び側及び縮み側の両方向の減衰力を同程度に高くした場合、その程度によっては、通常振動時におけるばね部材による振動吸収特性が損なわれ、また、上部フレーム10が下方に変位する際には早期に底つきを生じる。しかし、相対的に下方に変位する際の減衰力を低く設定することで、ばね部材による振動吸収特性が損なわれず、かつ、底つきを生じない。その一方、上記のように、緩衝機構70を構成する各弾性突起71,71,72の圧縮変形後の復元力とダンパー60の伸び側の高い減衰力により、効果的に衝撃エネルギーを吸収できる。
本実施形態によれば、通常走行時に生じる所定以上の周波数、所定以下の振幅の振動は、上記したトーションバー41,42,43,44及び磁気ばね50から構成されるばね部材の作用により吸収され、さらに、ばね部材と共に除振機構を構成するダンパー60が伸縮して振動エネルギーを減衰させる。路面の大きな凹凸等により、大きな振動や衝撃力が入力されると、上部フレーム10の下部フレーム20に対する変位量が大きくなりそれが所定以上に至ると、緩衝機構70の隣接する第1弾性突起71,71間の間隙73への第2弾性突起72の侵入量が増加し、くさび状に食い込み、第1弾性突起71,71を外方に押し出すように変形させ、それにより、上記のようにエネルギーを吸収して底つきを抑制できる。
従って、本実施形態によれば、底つきを抑制する機構が、ダンパー60の減衰力のみに依存するわけではなく、上部フレーム10が下部フレーム20に接近する方向に変位する際には、上記のように、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72を備えた緩衝機構70の衝撃吸収特性も作用する。そのため、ばね部材による振動吸収特性、ダンパー60による減衰特性のバランスを図りつつ、緩衝機構70による底つきの抑制も図ることができる。
なお、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72は、第1弾性突起71,71において外面から切り欠き形成した逃げ部711,711を形成し、第2弾性突起72において略円弧状の孔部からなる逃げ部721を形成しているが、逃げ部711,721の形状はこれらに限定されるものではない。例えば、第1弾性突起71,71の逃げ部711,711及び第2弾性時72の逃げ部のいずれも孔部から形成することもできる(図7(a)参照)。逆に、逃げ部の全てを切り欠きから形成することもできる。また、切り欠きの形状としては、例えば、第1弾性突起71,71における隣接面の反対側の面から中心方向に切り欠かれ、切り欠きの開口が外向きになっている形状とすることもできるし(図7(b)参照)、その他の形状であってもよい。孔部の形状も、略円弧状のほか、略半円状、略楕円形など様々な形状とすることもできる。
また、上記実施形態では第1弾性突起71,71を上部フレーム10側に配設し、第2弾性突起72を下部フレーム20側に配設しているが、第1弾性突起71,71を下部フレーム20側に配設し、第2弾性突起72を上部フレーム10側に配設した構成とすることもできる(図7(c)参照)。さらに、第1弾性突起71,71を2つ、それらの間にくさび状に食い込む第2弾性突起72を1つ設けた構成としているが、第1弾性突起71,71を3つ以上とし、隣接する第1弾性突起71,71間のそれぞれに食い込むように第2弾性突起72を2つ以上用いることもできる。また、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72の外周形状も、上記実施形態では略半円形であるが、それに限定されるものではない。但し、上記実施形態のように、第1弾性突起71,71間の間隙に第2弾性突起72が侵入しやすい形状であることが好ましい。
いずれにしても、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72の外周形状、大きさ、配設数、材質、逃げ部711,721の形状や大きさ等は、所望するばね特性等に合わせて、適宜に調整することができる。
また、上記実施形態では、乗物用シートのシートサスペンション1に本発明の緩衝機構70を適用しているが、これに限らず、他のサスペンションにも適用可能であることはもちろんである。
(試験例)
緩衝機構の構成の異なる2種類のシートサスペンション(試験例1、比較例)を用意し、それぞれについて、衝撃力に対する減衰特性についての試験を行った。図8は、試験例1、比較例のシートサスペンションを説明するための図である。まず、試験例1のシートサスペンションは、図1〜図5に示した実施形態にかかるもの、すなわち、切り欠きからなる逃げ部711,711を備えた第1弾性突起71,71及び孔部からなる逃げ部721を備えた第2弾性突起72が対向して配置され、所定以上の変位量で第1弾性突起71,71間の間隙73に第2弾性突起72が侵入しつつ接触するものである。一方、比較例のシートサスペンションは、第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72を取り外すと共に、下部フレーム20の前部に下部弾性突起7200を取り付け、上部フレーム10における対向位置の金属フレーム部1000に所定以上の変位量で接触可能とし、かつ、上部フレーム10の後部に、上部弾性突起7100を取り付け、下部フレーム20における対向位置の金属フレーム板2000に所定以上の変位量で接触可能とした構造である。その他の構成は全く同じである。なお、図8は、試験例1と比較例の緩衝機構を共に示しているが、試験例1は、比較例における上部弾性突起7100及び下部弾性突起7200に相当するものは配設されていない。
試験は、各シートサスペンション上に自動車用シートを取り付け、その状態で加振機のテーブル上に設置し、体重63kgの被験者Aを着座させて、周波数:2Hz、加速度1.5G(Peak to Peak)の衝撃波を入力した。図9は、試験例1のシートサスペンションの試験結果を示し、図10は比較例のシートサスペンションの試験結果を示す。破線(フロア)は加振機のテーブル上に設置した加速度ピックアップのデータであり、実線(尻下)は、自動車用シートのシートクッション部における被験者の尻下に設置した加速度ピックアップのデータである。両者を比較すると、底つき方向(上部フレーム10が下部フレーム20に接近する方向)及び天つき方向(上部フレーム10が下部フレーム20から離間する方向)の実線(尻下)の振動波形が、試験例1は最大値1.24G、最小値−1.33Gであるのに対し、比較例は最大値2.74G、最小値−4.12Gであり、試験例1は比較例と比べて、衝撃力の減衰特性が大幅に優れていることがわかった。
次に、試験例1の構成に、下部フレーム20の前部に比較例と同じ下部弾性突起7200を取り付け、さらに、上部フレーム10における対向位置の金属フレーム部1000に暑さ10mmの板状ゴム(図示せず)を貼り付けた構成のシートサスペンション(試験例2)を用意した。そして、試験例1及び試験例2の各シートサスペンションに、体重90kgの被験者Bを着座させて、上記と同様の条件で衝撃波の入力試験を行った。図11が試験例1のシートサスペンションの試験結果であり、図12が試験例2のシートサスペンションの試験結果である。
図11に示したように、試験例1のシートサスペンションのデータから、被験者Bは、被験者Aより約30kg重いにも拘わらず、図10の被験者Aの比較例のデータよりも、最大加速度が小さくなっており、減衰特性が優れている。しかしながら、図9に示した被験者Aの試験例1のデータと比較した場合には、天つき方向の最大加速度が大きくなっている。これに対し、図12の試験例2のデータでは、天つき方向の最大加速度が図11よりも低くなっている。よって、着座者の体重が所定以上の場合に備えて、上記実施形態の第1弾性突起71,71及び第2弾性突起72に加えて、下部弾性突起7200のような補助弾性突起を設けることも好ましく、かかる態様も本発明に含まれる。
なお、上記実施形態では、弾性突起71,72をシートサスペンションの左右のうちの一方に配置しているが、これは、配置スペースの制約によるもので、左右両方に設けることもできるし、前部又は後部(若しくは前後両方)に配置したりすることもできる。
1 シートサスペンション
10 上部フレーム
11 上部後方パイプ
12 上部前方パイプ
15 初期位置調整部材
20 下部フレーム
30 リンク機構
41,42,43,44 トーションバー
50 磁気ばね
51 固定マグネットユニット
52 移動マグネットユニット
60 ダンパー
61 ピストンロッド
62 シリンダ
70 緩衝機構
71 第1弾性突起
72 第2弾性突起

Claims (5)

  1. リンク機構を介して所定間隔離間して支持され、外力によって相対的に離接して振動する一対のフレームと、
    ばね部材及びダンパーを備えた除振機構と
    を備えたサスペンションであって、
    さらに、前記一対のフレームを構成する各フレームに、互いに対向方向に突出すると共に、振動に伴う前記一対のフレームの振幅が所定以上の場合に相互に接触する間隔をもって設けられた弾性部材からなる弾性突起を備えてなる緩衝機構
    を有していることを特徴とするサスペンション。
  2. 前記ダンパーは、前記一対のフレームの振動に伴って伸縮する伸縮式であり、その伸び側の減衰力が、縮み側の減衰力よりも大きいものが用いられている請求項1記載のサスペンション。
  3. 前記一対のフレームのうちの少なくともいずれかのフレームの弾性突起に、接触時に、接触方向とは異なる方向への変形を促す逃げ部が形成されている請求項1又は2記載のサスペンション
  4. 前記緩衝機構を構成する各弾性突起は、
    一方の弾性突起は、複数設けられ、
    他方の弾性突起は、前記一対のフレームの振幅の大きさに応じて、隣接する2つの前記一方の弾性突起間に、少なくとも一部が侵入しつつ接触可能に1以上設けられている請求項1〜3のいずれか1に記載のサスペンション。
  5. 前記一対のフレームの一方が車体側に、他方がシート側にそれぞれ固定され、乗物のシートサスペンションとして用いられる請求項1〜4のいずれか1に記載のサスペンション。
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