〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態における発光装置1A(車両用発光装置)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(発光装置1Aの構成)
図1は、発光装置1Aを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図2は、車両Cの上面図である。図3は、発光装置1Aの斜視図である。図4は、発光装置1Aを上から見た図である。なお、以降では、説明の便宜上、図2における+X方向を前方向、−X方向を後方向、+Y方向を上方向、−Y方向を下方向、+Z方向を右方向、−Z方向を左方向として説明する場合がある。
図2に示すように、発光装置1Aは、車両Cの後部の左右にそれぞれ備え付けられており、車両Cのテールランプ(尾灯とも呼ばれる)およびブレーキランプ(制動灯とも呼ばれる)として機能する。車両Cは、特に限定されるものではなく、例えば、一般的な自動車、バス、トラック、自動二輪車などであってよい。図1および図3に示すように、発光装置1Aは、導光板11Aと、光源2Aと、制御部20A(発光制御部)とを備えている。
導光板11Aは、図3に示すように、上下方向(Y軸方向)に垂直な平面で切断した断面が、車両Cの後部の形状に合うように湾曲して形成された板状の部材である。導光板11Aは、透明性および比較的高い屈折率を有する樹脂材料で成形されている。導光板11Aを形成する材料は、例えばポリカーボネイト樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ガラスなどであってよい。導光板11Aは、光を出射する出射面11a(光出射面)と、出射面11aとは反対側の背面11bと、出射面11aと背面11bとを接続する面である、端面11c、端面11d、端面11eおよび端面11fとを備えている。端面11cは、光源2Aから出射された光が導光板11Aに入射する入射面である。出射面11aと、入射面である端面11cとは対向していない。導光板11Aは、光源2Aからの光を出射面11aと背面11bとの間においてZ軸方向に広げながら導光させる。
光源2Aは、導光板11Aに光を出射する。光源2Aは、例えばLED(Light Emitting diode)光源である。光源2Aは、導光板11Aの下面である端面11cに設置されている。
次に、発光装置1Aによる立体画像I(画像)の表示方法について説明する。発光装置1Aは、図3および図4に示すように、発光装置1Aの前側(すなわち、車両Cの内部側、導光板11Aの背面11b側)にある立体画像結像面Pに虚像である立体画像Iを結像する。
導光板11Aの背面11bには、複数の光路変更部群13が形成されている。光路変更部群13は、Z軸方向に実質的に連続して形成されている。換言すれば、複数の光路変更部群13は、出射面11aに平行な面内でそれぞれ予め定められたZ軸方向に平行な線に沿って形成されている。光路変更部群13は、フレネルレンズの一部により形成されている。図3では、簡略化のため、1つの光路変更部群13のみを図示している。光路変更部群13のZ軸方向の各位置には、光源2Aから出射され導光板11Aによって導光された光が入射する。光路変更部群13は、光路変更部群13の各位置に入射した光の光路を、各光路変更部群13にそれぞれ対応する定点(以降では、収束点PAと呼称する)から実質的に発散する方向に変更する。光路変更部群13のある点で反射された光は、当該点と収束点PAとを結ぶ直線に沿った方向に進む。光路変更部群13により光路変更された発散光Lは、導光板11Aの出射面11aから車両Cの外部に向けて出射される。
図5は、発光装置1Aにより結像された立体画像Iを示す図である。
導光板11Aには、上述したように複数の光路変更部群13が形成されており、複数の光路変更部群13の収束点が互い異なっている。これにより、発光装置1Aでは、図4および図5に示すように、各光路変更部群13に対応する複数の収束点の集まりによって立体画像結像面Pに立体画像Iとしての虚像が形成される。すなわち、導光板11Aから出射された光が車両Cのテールランプおよびブレーキランプとして機能する。
制御部20Aは、光源2Aの発光状態を制御する。より詳細には、制御部20Aは、車両Cの、ブレーキBおよびヘッドライトHLの動作状態を取得し、当該動作状態に応じて光源2Aの発光状態を制御する。
具体的には、ブレーキBおよびヘッドライトHLが動作していない状態(すなわち、ドライバがブレーキをかけておらず、かつ、ヘッドライトを点灯させていない状態)では、制御部20Aは、光源2Aを消灯させる。
また、ブレーキBが動作している状態(すなわち、ドライバがブレーキをかけている状態)では、制御部20Aは、光源2Aを点灯させる。これにより、立体画像Iが結像され、車両Cにおいてブレーキランプが点灯した状態になる。
また、ブレーキBが動作しておらず、かつ、ヘッドライトHLが動作している状態(すなわち、ドライバがブレーキをかけておらず、かつ、ヘッドライトを点灯させている状態)では、制御部20Aは、ブレーキBが動作している場合よりも少ない光量(照度)で光源2Aを点灯させる。これにより、立体画像Iが結像され、車両Cにおいてテールランプが点灯した状態になる。
以上のように、本実施形態における発光装置1Aは、光源2Aと、光源2Aから入射した光を導光して出射面11aから出射させ、空間に立体画像Iを結像させる導光板11Aと、車両Cの動作に応じて光源2Aの発光状態を制御する制御部20Aとを備える。
上記の構成によれば、車両Cの動作(ブレーキ動作および照灯動作)に応じて導光板11Aにより立体画像Iを結像させることができる。その結果、車両Cの外側の観察者に対して情報を提供することができる。また、光源と、導光板とを備える構成であるため、シンプルな構成にすることができる。なお、本発明の一態様の発光装置は、導光板11Aよりも車両Cの外側の空間に立体画像Iを結像させる構成であってもよい。
また、発光装置1Aでは、導光板11Aよりも車両Cの内側の空間に立体画像Iを結像させる。これにより、ブレーキランプおよびテールランプを奥行き感のあるものにすることができる。
<変形例1>
実施形態1における発光装置1Aの変形例としての発光装置1Bについて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
発光装置1Bは、虚像である立体画像Iの結像方法が異なる以外の点は、実施形態1の発光装置1Aと同じであるため、ここでは、立体画像Iの結像方法についてのみ説明する。
図6は、発光装置1Bの斜視図である。図7は、発光装置1Bの構成を示す断面図である。図8は、発光装置1Bの構成を示す平面図である。図9は、発光装置1Bが備える光路変更部16の構成を示す斜視図である。
図6および図7に示すように、発光装置1Bは、実施形態1における導光板11Aに代えて導光板15を備えている。なお、ここでは、簡略化のため、導光板15が直方体形状であるものとして説明する。
導光板15は、光源2Aから入射された光(入射光)を導光する部材である。導光板15は、透明で屈折率が比較的高い樹脂材料で成形される。導光板15を形成する材料としては、例えばポリカーボネイト樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などを使用することができる。本変形例では、導光板15は、ポリメチルメタクリレート樹脂によって成形されている。導光板15は、光を出射する出射面15a(光出射面)と、出射面15aとは反対側の背面15bと、出射面15aと背面15bとを接続する面である、端面15c、端面15d、端面15eおよび端面15fとを備えている(図11参照)。
出射面15aは、導光板15の内部を導光され、後述する光路変更部16により光路変更された光を出射する面である。出射面15aは、導光板15の前面を構成している。背面15bは、出射面15aと互いに平行な面であり、後述する光路変更部16が配置される面である。端面15cは、光源2Aから出射された光が導光板15の内部に入射される面である。
光源2Aから出射され端面15cから導光板15に入射した光は、出射面15aまたは背面15bで全反射され、導光板15内を導光される。
図7に示すように、光路変更部16は、導光板15の内部において背面15bに形成されており、導光板15内を導光された光を光路変更して出射面15aから出射させるための部材である。光路変更部16は、導光板15の背面15bに複数設けられている。
光路変更部16は、図8に示すように、端面15cに平行な方向に沿って設けられている。図9に示すように、光路変更部16は、三角錐形状となっており、入射した光を反射(全反射)する反射面16aを備えている。光路変更部16は、例えば、導光板15の背面15bに形成された凹部であってもよい。なお、光路変更部16は、三角錐形状に限られるものではない。導光板15の背面15bには、図8に示すように、複数の光路変更部16からなる複数の光路変更部群17a、17b、17c…が形成されている。
図10は、光路変更部16の配列を示す斜視図である。図10に示すように、各光路変更部群17a、17b、17c…では、複数の光路変更部16の反射面16aが光の入射方向に対する角度が互いに異なるように導光板15の背面15bに配置されている。これにより、各光路変更部群17a、17b、17c…は、入射光を光路変更して、出射面15aから様々な方向へ出射させる。
次に、発光装置1Bによる立体画像Iの結像方法について、図11を参照しながら説明する。ここでは、導光板15の出射面15aに垂直な面である立体画像結像面Pに、光路変更部16により光路変更された光によって面画像としての立体画像Iを結像する場合について説明する。
図11は、発光装置1Bによる虚像である立体画像Iの結像方法を示す斜視図である。なお、ここでは、立体画像結像面500に立体画像Iとして斜め線入りリングマークを結像することについて説明する。
図11に示すように、光路変更部群17aに属する多数の光路変更部16は、入射した光を偏向してYZ面内に平行な方向に広げて、2つの光束を出射面15aから出射させる。光路変更部群17aに属する光路変更部16によって出射面15aから出射した光束の一方は、立体画像結像面Pの線551上の点と光路変更部群17aに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束である。光路変更部群17aに属する光路変更部16によって出射面15aから出射した光束の他方は、立体画像結像面Pの線552上の点と光路変更部群17aに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束である。光路変更部群17aに属するいずれの光路変更部16も、立体画像結像面Pの線551上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束と、立体画像結像面Pの線552上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束とを、出射面15aから出射させる。線551及び線552は、実質的にYZ面に平行な面内にあり、立体画像Iの一部を形成する。このように、光路変更部群17aに属する多数の光路変更部16のそれぞれは、複数の光路変更部16のそれぞれに入射した光を、出射面15aに平行な面内で、線551及び線552の像に応じた強度分布の光にZ軸方向に広げて、出射面15aから出射させる。これにより、光路変更部群17aに属しZ軸方向に沿って配置された複数の光路変更部16からの光が、線551及び線552の像から発散する方向の光になる。
光路変更部群17bに属する多数の光路変更部16は、入射した光を偏向してYZ面内に平行な方向に広げて、3つの光束を出射面15aから出射させる。出射面15aから出射した3つの光束は、立体画像結像面Pの線561上の点と光路変更部群17bに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束、立体画像結像面Pの線562上の点と光路変更部群17bに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束、及び、立体画像結像面Pの線563上の点と光路変更部群17bに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束である。光路変更部群17bに属するいずれの光路変更部16も、立体画像結像面Pの線561上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束と、立体画像結像面Pの線562上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束と、立体画像結像面Pの線563上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束とを、出射面15aから出射させる。線561、線562及び線563は、実質的にYZ面に平行な面内にあり、立体画像Iの一部を形成する。このように、光路変更部群17bに属する多数の光路変更部16のそれぞれは、複数の光路変更部16のそれぞれに入射した光を、出射面15aに平行な面内で、線561、線562及び線563の像に応じた強度分布の光にZ軸方向に広げて、出射面15aから出射させる。これにより、光路変更部群17bに属し、Z軸方向に沿って配置された複数の光路変更部16からの光が、線561、線562及び線563の像から発散する方向の光になる。
また、光路変更部群17cに属する多数の光路変更部16は、入射した光を偏向してYZ面内に平行な方向に広げて、2つの光束を出射面15aから出射させる。光路変更部群17cに属する光路変更部16によって出射面15aから出射する2つの光束は、立体画像結像面Pの線571上の点と光路変更部群17cに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束、及び、立体画像結像面Pの線572上の点と光路変更部群17cに属する光路変更部16とを結ぶ方向の光束である。光路変更部群17cに属するいずれの光路変更部16も、立体画像結像面Pの線571上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束と、立体画像結像面Pの線572上の点とそれぞれの光路変更部16とを結ぶ方向の光束とを、出射面15aから出射させる。線571及び線572は、実質的にYZ面に平行な面内にあり、立体画像Iの一部を形成する。このように、光路変更部群17cに属する複数の光路変更部16のそれぞれは、複数の光路変更部16のそれぞれに入射した光を、出射面15aに平行な面内で、線571及び線572の像に応じた強度分布の光にZ軸方向に広げて、出射面15aから出射させる。これにより、光路変更部群17cに属し、Z軸方向に沿って配置された複数の光路変更部16からの光が、線571及び線572の像から発散する方向の光になる。
このように、発光装置1Bでは、2次元的に配置された複数の光路変更部群からの光束の集まりによって、立体画像Iから発散する方向の光束を観察者側の空間に提供できる。
発光装置1Bでは、上記の構成を有する導光板15を備えることにより、立体画像結像面Pに立体画像Iとしての虚像が形成される。これにより、導光板11Bから出射された光が車両Cのテールランプおよびブレーキランプとして機能させることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図12は、本実施形態における発光装置1Cを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図13は、発光装置1Cを上から見た図である。
図12および図13に示すように、本実施形態における発光装置1Cは、実施形態1の発光装置1Aの構成に加えて、導光板11Bと、導光板11Bに光を出射する光源2Bとを備えている。すなわち、発光装置1Cは、複数の導光板(導光板11Aおよび導光板11B)を備えている。また、発光装置1Cは、実施形態1における制御部20Aに代えて、制御部20Bを備えている。
導光板11Bおよび光源2Bは、導光板11Aおよび光源2Aと略同様であるため、ここでは異なる点についてのみ説明する。
図13に示すように、発光装置1Cでは、導光板11Aの出射面11aと、導光板11Bの出射面11aとが平行となるように、導光板11Aおよび導光板11Bが配置されている。換言すれば、導光板11Aおよび導光板11Bが導光板11Aの出射面11aに垂直な方向に互いに重畳するように配置されている。
発光装置1Cでは、導光板11Aから出射される光によって立体画像が結像される立体画像結像面P1と、導光板11Bから出射される光によって立体画像が結像される立体画像結像面P2とのXZ平面における位置が互いに異なっている。より詳細には、立体画像結像面P1と導光板11Aの出射面11aとの距離が、立体画像結像面P2と導光板11Aの出射面11aとの距離よりも短くなっている。
制御部20Bは、光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。より詳細には、制御部20Bは、車両Cの、ブレーキBおよびヘッドライトHLの動作状態を取得し、当該動作状態に応じて光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。換言すれば、制御部20Bは、車両Cのブレーキ動作および照灯動作に応じて光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。
図14の(a)および(b)は、発光装置1Cの動作を説明するための図である。
発光装置1Cでは、ブレーキBおよびヘッドライトHLが作動していない状態では、制御部20Bが光源2Aおよび光源2Bを消灯させる。
また、ブレーキBが作動している状態では、制御部20Bは、光源2Aを点灯させる。これにより、図14の(a)に示すように、立体画像結像面P1に立体画像I1が結像され、車両Cにおいてブレーキランプが点灯した状態になる。
また、ブレーキBが作動しておらず、かつ、ヘッドライトHLが作動している状態では、制御部20Bは、光源2Bを点灯させる。これにより、図14の(b)に示すように、立体画像結像面P2に立体画像I2が結像され、車両Cにおいてテールランプが点灯した状態になる。
このように、発光装置1Cでは、複数の導光板を備えていることにより、車両Cの動作に応じて複数の立体画像を表示することができる。また、発光装置1Cでは、導光板11Aおよび導光板11Bを同時に重ねて発光させることができるので、観察者に複数の情報を提供することができる。
また、立体画像I1と立体画像I2とが異なる立体画像結像面に結像されるので、結像した立体画像I1および立体画像I2に奥行き感を与えることができる。その結果、観察者により注意喚起を行うことができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図15は、本実施形態における発光装置1Dを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図15に示すように、発光装置1Dは、実施形態2の発光装置1Cにおける制御部20Bの代わりに、制御部20Cを備えている。なお、発光装置1Dのその他の構成については、実施形態2における発光装置1Cと略同様である。
発光装置1Dでは、導光板11Aから出射される光によってブレーキランプとしての立体画像I1が結像され、導光板11Bから出射される光によってウインカとしての立体画像I2が結像される(図16および図17参照)。
制御部20Cは、光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。より詳細には、制御部20Cは、車両Cの、ブレーキBおよび方向指示受付部Wの動作状態を取得し、当該動作状態に応じて光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。換言すれば、制御部20Cは、車両Cの、ブレーキ動作および方向指示動作に応じて光源2Aおよび光源2Bの発光状態を制御する。なお、方向指示受付部Wとは、車両Cのウインカ(方向指示器)を点灯させるためのドライバの指示を受け付ける部材である。一般的な車両では、ドライバから見てハンドルの裏側に配置されている。
図16の(a)および(b)は、発光装置1Dの動作を説明するための図である。図17の(a)および(b)は、発光装置1Dの他の動作を説明するための図である。
発光装置1Dでは、ブレーキBが動作しておらず、かつ、方向指示受付部Wに対する操作(方向指示動作)が行われていない状態では、制御部20Cが光源2Aおよび光源2Bを消灯させる。
また、ブレーキBが動作しており、かつ、方向指示受付部Wに対する操作が行われていない状態では、制御部20Cは、光源2Aを点灯させる。これにより、図16の(a)および(b)に示すように、立体画像結像面P1に立体画像I1が結像され、車両Cにおいてブレーキランプが点灯した状態になる。
また、ブレーキBが動作しており、かつ、方向指示受付部Wに対する操作が行われている状態(例えば、ドライバが右折することを示す場合)では、制御部20Cは、光源2Aおよび光源2Bを点灯させる。これにより、図17の(a)および(b)に示すように、立体画像結像面P1に立体画像I1が結像され、かつ、立体画像結像面P2に立体画像I2が結像される。その結果、車両Cにおいて、ブレーキランプおよびウインカが点灯した状態になる。図17の(b)に示すように、ブレーキランプとしての立体画像I1とウインカとしての立体画像I2とは、車両Cの後部から見たときに重なるように結像されている。
また、ブレーキBが動作しておらず、かつ、方向指示受付部Wに対する操作が行われている状態(例えば、ドライバが右折することを示す場合)では、制御部20Cは、光源2Bを点灯させる。これにより、立体画像結像面P2に立体画像I2が結像され、車両Cにおいてウインカが点灯した状態になる。
以上のように、発光装置1Dは、車両Cの動作の内容(すなわち、ブレーキ動作および方向指示動作の内容)に応じて、導光板11Aおよび導光板11Bを同時に重ねて発光させる。これにより、ブレーキランプとしての立体画像I1とウインカとしての立体画像I2とを同じ領域に表示することができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図18は、本実施形態における発光装置1Eを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図19は、発光装置1Eを上から見た図である。
図18および図19に示すように、本実施形態における発光装置1Eは、実施形態2の発光装置1Cの構成に加えて、導光板11Cと、導光板11Cに光を出射する光源2Cとを備えている。すなわち、発光装置1Eは、複数の導光板(導光板11A、導光板11Bおよび導光板11C)を備えている。また、発光装置1Eは、実施形態1における制御部20Aに代えて、制御部20Dを備えている。発光装置1Eでは、制御部20Dが、車両Cの特定の動作中(本実施形態では、方向指示動作中)に、立体画像の結像位置を切り換える。
導光板11Cおよび光源2Cは、導光板11Aおよび光源2Aと略同様であるため、ここでは異なる点についてのみ説明する。
図19に示すように、発光装置1Eでは、導光板11Aの出射面11aと、導光板11Bの出射面11aと、導光板11Cの出射面11aとが平行となるように、導光板11A、導光板11Bおよび導光板11Cが配置されている。換言すれば、導光板11A、導光板11B、および導光板11Cが導光板11Aの出射面11aに垂直な方向に互いに重畳するように配置されている。発光装置1Eでは、導光板11A、導光板11Bおよび導光板11Cからそれぞれ出射される光によって、立体画像が同一の立体画像結像面Pに結像される。
制御部20Dは、光源2A、光源2Bおよび光源2Cの発光状態を制御する。より詳細には、制御部20Dは、車両Cの、方向指示受付部Wの動作状態を取得し、当該動作状態に応じて光源2A、光源2Bおよび光源2Cの発光状態を制御する。
図20の(a)〜(f)は、発光装置1Eの動作を説明するための図である。
発光装置1Eでは、方向指示受付部Wに対する操作が行われている状態(例えば、ドライバが右折することを示す場合)において、制御部20Dは、次の(1)〜(3)の動作を順番に繰り返して行う。
(1)光源2Aを所定時間(例えば、1秒間)点灯させる。これにより、図20の(a)および(b)に示すように、立体画像結像面Pにウインカの一部である立体画像I1が結像される。
(2)光源2Aおよび光源2Bを所定時間(例えば、1秒間)点灯させる。これにより、図20の(c)および(d)に示すように、立体画像結像面Pにウインカの一部である立体画像I1および立体画像I2が結像される。
(3)光源2A、光源2Bおよび光源2Cを所定時間(例えば、1秒間)点灯させる。これにより、図20の(e)および(f)に示すように、立体画像結像面Pにウインカの一部である立体画像I1、立体画像I2および立体画像I3が結像される。
ここで、立体画像I1〜I3は、図20の(e)および(f)に示すように、Z軸方向(車両Cの車幅方向)に沿って並んで配置されている。発光装置1Eでは、制御部20Dが上記の(1)〜(3)の動作を順番に繰り返して行うことにより、車両Cの後部におけるウインカを流れるように表示することができる。換言すれば、発光装置1Eによって、車両Cにおいて、いわゆる「流れるウインカ(シーケンシャルウインカ)」を実現することができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図21は、本実施形態における発光装置1Fを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図21に示すように、発光装置1Fは、実施形態4の発光装置1Eにおける制御部20Dの代わりに、制御部20Eを備えている。なお、発光装置1Fのその他の構成については、実施形態4における発光装置1Eと略同様である。ただし、本実施形態における導光板11A、導光板11B、および導光板11Cは、出射面11aから後側(出射面11aから光が出射される側、車両Cの外部側)の空間に実像である立体画像を結像する。
発光装置1Fでは、車両Cが後退(後進)する際に、導光板11A、導光板11B、および導光板11Cから出射される光によって、車両Cが進む方向を示す立体画像を結像させる。
制御部20Eは、光源2A、光源2Bおよび光源2Cの発光状態を制御する。より詳細には、制御部20Eは、車両CのハンドルHの操舵状態(すなわち、ドライバによるハンドルHの回転角度の情報)を取得し、当該操舵状態に応じて光源2A、光源2Bおよび光源2Cの発光状態を制御する。
図22の(a)〜(d)は、発光装置1Fの動作を説明するための図である。
発光装置1Fでは、図22の(a)に示すように、車両Cの前後方向に対して小さい角度で車両Cが後退する場合(すなわち、ドライバによってハンドルHが所定の角度よりも小さい角度だけ回転されている状態で車両Cが後退する場合)、制御部20Eは、光源2Aを点灯させる。これにより、図22の(b)に示すように、導光板11Aから出射された光によって、実像である立体画像I1が結像される。立体画像I1は、現在のハンドルHの回転角度で車両Cが後退したときに車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像である。
また、図22の(c)に示すように、車両Cの前後方向に対して大きい角度で車両Cが後退する場合(すなわち、ドライバによってハンドルHが所定の角度よりも大きい角度だけ回転されている状態で車両Cが後退する場合)、制御部20Eは、光源2Cを点灯させる。これにより、図22の(d)に示すように、導光板11Cから出射された光によって、実像である立体画像I2が結像される。立体画像I2は、現在のハンドルHの回転角度で車両Cが後退したときに車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像である。
なお、図示していないが、図22の(a)における前後方向に対するタイヤの角度と、図22の(c)における前後方向に対するタイヤの角度との間の角度で車両Cが後退する場合には、制御部20Eは、光源2Bを点灯させる。これにより、導光板11Bから出射された光によって、現在のハンドルHの回転角度で車両Cが後退したときに車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像が結像される。
以上のように、発光装置1Fは、ハンドルHの操舵状態(操舵動作)に合わせて、車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像を表示する。これにより、車両Cの周囲にいる人に対して、注意喚起を行うことができる。
なお、本実施形態では、発光装置1Fが車両Cの後端部に設けられている態様であったが本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置は、車両Cの前端部に設置され、現在のハンドルHの回転角度で車両Cが前進したときに車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像を結像する態様であってもよい。
また、本実施形態では、発光装置1Fは、車両Cのタイヤが進む方向を線である立体画像によって示していたが本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置は、矢印である立体画像によって車両Cのタイヤが進む方向を示す構成であってもよい。
<変形例2>
次に、実施形態5における発光装置1Fの変形例としての発光装置1Gについて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図23は、発光装置1Gを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図24は、発光装置1Gの斜視図である。図25は、発光装置1Gの構成を示す断面図である。
図23〜図25に示すように、発光装置1Gは、画像表示装置81と、結像レンズ82と、コリメートレンズ83と、導光板84(第1導光板)と、マスク85とを備えている。なお、Y軸方向に沿って、画像表示装置81、結像レンズ82、コリメートレンズ83、および導光板84が順番に配置されている。また、X軸方向に沿って、導光板84およびマスク85が、この順番で配置されている。また、発光装置1Gは、実施形態5における制御部20Eに代えて制御部20Fを備えている。
画像表示装置81は、制御装置(不図示)から受信した映像信号に応じて、発光装置1Gにより空中に投影される2次元画像を表示領域に表示する。画像表示装置81は、表示領域に画像を表示することによって、画像光を出力することができる、例えば一般的な液晶ディスプレイである。なお、図示の例において、画像表示装置81の表示領域、および当該表示領域に対向する、導光板84の入射面84aは、ともにXZ平面と平行となるように配置されている。また、導光板84の、後述するプリズム141が配置されている背面84b、および当該背面84bに対向する、マスク85に対して光を出射する出射面84c(光出射面)は、ともにYZ平面と平行となるように配置されている。さらに、マスク85の、後述するスリット151が設けられている面も、YZ平面と平行になるように配置されている。なお、画像表示装置81の表示領域と導光板84の入射面84aとは、対向して配置されてもよいし、画像表示装置81の表示領域が入射面84aに対して傾けて配置されてもよい。
結像レンズ82は、画像表示装置81と入射面84aとの間に配置されている。結像レンズ82は、画像表示装置81の表示領域から出力された画像光を、入射面84aの長手方向と平行なXZ平面において収束光化した後、コリメートレンズ83へ出射する。結像レンズ82は、画像光を収束光化できるのであれば、どのようなものであってもよい。例えば、結像レンズ82は、バルクレンズ、フレネルレンズ、または回折レンズなどであってもよい。また、結像レンズ82は、Z軸方向に沿って配置された複数のレンズの組み合わせであってもよい。
コリメートレンズ83は、画像表示装置81と入射面84aとの間に配置されている。コリメートレンズ83は、結像レンズ82にて収束光化された画像光を、入射面84aの長手方向と直交するXY平面において平行光化する。コリメートレンズ83は、平行光化した画像光について、導光板84の入射面84aに対して出射する。コリメートレンズ83は、結像レンズ82と同様に、バルクレンズおよびフレネルレンズであってもよい。なお、結像レンズ82とコリメートレンズ83とは、その配置順が逆であってもよい。また、結像レンズ82とコリメートレンズ83の機能について、1つのレンズによって実現してもよいし、多数のレンズの組み合わせによって実現してもよい。すなわち、画像表示装置81が表示領域から出力した画像光を、XY平面においては収束光化し、YZ平面においては平行光化することができるのであれば、結像レンズ82およびコリメートレンズ83の組み合わせは、どのようなものであってもよい。
導光板84は、透明な部材によって構成されており、コリメートレンズ83によって平行光化された画像光を入射面84aにて受光し、出射面84cから出射する。図示の例において、導光板84は平板状に形成された直方体の外形を備えており、コリメートレンズ83に対向する、XZ平面と平行な面を入射面84aとする。また、YZ平面と平行かつX軸の正方向側に存在する面を背面84bとし、YZ平面と平行かつ背面84bに対向する面を出射面84cとする。導光板84は、複数のプリズム(出射構造部、光路変更部)141を備えている。
複数のプリズム141は、導光板84の入射面84aから入射した画像光を反射する。プリズム141は、導光板84の背面84bに、背面84bから出射面84cへ向けて突出して設けられている。複数のプリズム141は、例えば、画像光の伝搬方向がY軸方向であるときに、当該Y軸方向に所定の間隔(例えば、1mm)で配置された、Y軸方向に所定の幅(例えば、10μm)を有する略三角形状の溝である。プリズム141は、プリズム141が有する光学面のうち、画像光の導光方向(+Y軸方向)に対して入射面84aから近い側の面である反射面141aを備えている。図示の例において、複数のプリズム141は、背面84b上に、Z軸と平行に設けられている。これにより、Y軸方向に伝搬する入射面84aから入射した画像光が、Y軸に直交するZ軸と平行に設けられた複数のプリズム141の反射面141aによって反射させられる。複数のプリズム141のそれぞれは、画像表示装置81の表示領域で入射面84aの長手方向と直交するX軸方向において互いに異なる位置から発した画像光を、所定の視点100へ向けて導光板84の一方の面である出射面84cから出射させる。反射面141aの詳細については後述する。
マスク85は、可視光に対して不透明な材料にて構成され、複数のスリット151を備えている。マスク85は、導光板84の出射面84cから出射された光のうち、平面102上の結像点101へ向かう光のみを、複数のスリット151を用いて透過させることができる。
複数のスリット151は、導光板84の出射面84cから出射された光のうち、平面102上の結像点101へ向かう光のみを透過させる。図示の例において、複数のスリット151は、Z軸と平行となるように設けられている。また、個々のスリット151は、複数のプリズム141のうち、いずれかのプリズム141と対応している。
以上の構成を有することにより、発光装置1Gは、画像表示装置81に表示された画像を、当該発光装置1Gの外部の仮想の平面102上に結像させ、投影する。具体的には、まず、画像表示装置81の表示領域から出射された画像光は、結像レンズ82およびコリメートレンズ83を通した後、導光板84の端面である、入射面84aへ入射する。次に、導光板84へ入射した画像光は、当該導光板84の内部を伝搬し、導光板84の背面84bに設けられたプリズム141に到達する。プリズム141に到達した画像光は、当該プリズム141の反射面141aによってX軸の負方向へ反射させられ、YZ平面と平行となるように配置された、導光板84の出射面84cから出射される。そして、出射面84cから出射した画像光のうち、マスク85のスリット151を通過した画像光は、平面102上の結像点101にて結像する。すなわち、画像表示装置81の表示領域の個々の点から発した画像光について、YZ平面においては収束光化し、XY平面においては平行光化した後、平面102上の結像点101に投影することができる。表示領域の全ての点に対して前記の処理を行うことにより、発光装置1Gは、画像表示装置81の表示領域に出力された画像を、平面102上に投影することができる。これにより、ユーザは、視点100から仮想の平面102を見たときに、空中に投影された画像を視認することができる。なお、平面102は、投影された画像が結像する仮想的な平面であるが、視認性を向上させるためにスクリーンなどを配置してもよい。このように、発光装置1Gでは、画像表示装置81に表示された画像を立体画像Iとして結像することができる。
制御部20Fは、画像表示装置81を制御する。より詳細には、制御部20Fは、車両CのハンドルHの操舵状態(すなわち、ドライバによるハンドルHの回転角度の情報)を取得し、当該操舵状態に応じて画像表示装置81が表示する画像を変更させる。すなわち、制御部20Fは、ハンドルHの操舵状態(ハンドルHの回転角度)に合わせて、車両Cのタイヤが進む経路を示す画像を画像表示装置81に表示させる。これにより、発光装置1Gは、車両Cのタイヤが進む経路を示す立体画像を結像することができる。これにより、車両Cの周囲にいる人に対して、注意喚起を行うことができる。
なお、本実施形態における発光装置1Gでは、出射面84cから出射した画像光のうち、マスク85が備えるスリット151を透過した画像光によって画像を結像する構成であった。しかしながら、仮想の平面102上の結像点101にて画像光を結像させることができるのであれば、マスク85およびスリット151を備えない構成であってもよい。
例えば、各プリズム141の反射面と背面84bとのなす角度が、入射面84aから遠くなるほど大きくなるように設定することによって、仮想の平面102上の結像点101にて画像光を結像させることができる。なお、上記角度は、入射面84aから最も遠いプリズム141でも、画像表示装置81からの光を全反射できる角度となるように設定されることが好ましい。
上記のように上記角度を設定した場合、画像表示装置81の表示領域上のX軸方向の位置がより背面84b側(−X軸方向側)となる点から発して所定の視点へ向かう光ほど、入射面84aから遠いプリズム141にて反射される。ただし、これに限られず、画像表示装置81の表示領域上のX軸方向の位置と、プリズム141とが1対1に対応していればよい。また、入射面84aから遠いプリズム141で反射される光ほど、入射面84a側へ向かい、一方、入射面84aに近いプリズム141で反射される光ほど、入射面84aから遠ざかる方向へ向かう。そのため、マスク85が省略されても、画像表示装置81からの光を、特定の視点へ向けて出射させることができる。また、導光板84から出射した光は、Z軸方向に関して、画像が投影される面上で結像し、その面から離れるにしたがって拡散する。そのため、Z軸方向に関して視差を与えることができるので、観察者が両眼をZ軸方向に沿って並ぶようにすることで、投影された画像を立体的に観察できる。
また、上記の構成によれば、各プリズム141で反射され、その視点へ向かう光は遮られないので、観察者は、Y軸方向に沿って観察者が視点を移動させても、画像表示装置81に表示され、かつ、空中に投影された像を観察できる。ただし、各プリズム141から視点へ向かう光線と各プリズム141の反射面とのなす角度が、Y軸方向における視点の位置に沿って変化するので、これに伴い、その光線に対応する画像表示装置81上の点の位置も変化する。またこの例では、画像表示装置81上の各点からの光は、各プリズム141により、Y軸方向に関してもある程度結像される。そのため、観察者は、両眼をY軸方向に沿って並ぶようにしても、立体的な像を観察できる。
さらに、上記の構成によれば、マスク85が使用されないため、ロスとなる光の量が少なくなるので、発光装置は、より明るい像を空中に投影できる。また、マスクが使用されないため、発光装置は、導光板84の背後にある物体(図示せず)と投影された画像の両方を観察者に視認させることができる。
〔実施形態6〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図26は、本実施形態における車両Cを後ろから見た図である。本実施形態では、図26に示すように、実施形態1における車両Cの構成に加えて、車両Cが2次元画像表示装置200を備えている。
図27は、2次元画像表示装置200の平面図である。図28は、2次元画像表示装置200の断面図である。
図26に示すように、2次元画像表示装置200は、車両Cのリアウィンドに設置されている。2次元画像表示装置200は、図27および図28に示すように、光源201と、導光板211とを備えている。光源201は、例えばLED(Light Emitting diode)光源である。
導光板211は、透明性および比較的高い屈折率を有する樹脂材料で成形されている。導光板211を形成する材料は、例えばポリカーボネイト樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ガラスなどであってよい。導光板211は、光を出射する出射面211a(光出射面)と、出射面211aとは反対側の背面211bと、出射面211aと背面211bとを接続し、光源201から出射された光が導光板211に入射する入射面211cとを備えている。導光板211は、光源201からの光を出射面211aに平行な面内で面上に広げて導く。
図27および図28に示すように、導光板211の背面211bには、複数の光路変更部212が形成されている。光路変更部212は、導光板211を導光された光を反射し、出射面211aから出射させる部材である。出射面211aから出射された光によって表示される画像は、例えば、車両Cの後の車両のドライバによって視認される。
図29の(a)〜(c)は、光路変更部212の形状を説明するための図である。光路変更部212は、図29の(a)に示すように、反射面を2つ有するプリズムであってもよいし、図29の(b)および(C)に示すように、反射面を1つ有するプリズムであってもよい。また、実施形態1で説明した、導光板11Aの背面11bに形成される光路変更部群13を光路変更部212として用いることもできる。
2次元画像表示装置200では、導光板211の背面211bに、特定の画像(図26に示す例では、文字「STOP」および三角形)を表示するように複数の光路変更部212が形成されている。
本実施形態における車両Cでは、発光装置1Aによる立体画像Iの表示に加えて、2次元画像表示装置200による2次元画像の表示を行うことができる。これにより、発光装置1Aによる立体画像Iの表示をより効果的に見せることができる。また、導光板211は、透明性を有しているので、ドライバが車両Cの後部を見るときにドライバの視界を妨げないようになっている。
なお、本実施形態では、2次元画像表示装置200は、1枚の導光板211を備える構成であったがこれに限られない。本発明の一態様の2次元画像表示装置では、複数の導光板を備え、各導光板によって表示される画像を異ならせてもよい。これにより、車両Cの動作に応じて表示する画像を変更させることができる。例えば、ある導光板では、「自動運転中」の文字を表示させてもよい。また、別の導光板では、車両Cが曲がることを通知する矢印を表示させてもよい。
また、状況によっては、2次元画像表示装置200によって表示される画像を特定の方向にのみ表示させたい場合がある。このような場合、光路変更部212から出射される光の方向を特定の方向にする必要がある。
例えば、導光板11Aの背面11bに形成される光路変更部群13を光路変更部212として用いる場合、光路変更部212として光路変更部群13の一部の領域のみを背面211bに形成することによって、光路変更部212から出射される光の方向を特定の方向にすることができる。例えば、光路変更部群13の中央部の領域を背面211bに形成することによって、出射面211aに垂直な方向(車両Cの後方向)にいる観察者のみに画像を視認させることができる。
他の例として、光路変更部212の反射面が特定の方向に向くように光路変更部212を形成してもよい。また、複数の光源201を導光板211に備えさせることにより、光源から出射される光の広がり角度を調整してもよい。また、光源201にコリメートレンズを備えさせることにより、光路変更部212に対して光が一方向から入射するように構成してもよい。
また、本発明の一態様の2次元画像表示装置では、複数の光源を備え、各光源から出射される光によって表示される画像を異ならせてもよい。これにより、状況に応じて点灯させる光源を選択することにより、当該状況に合わせた画像を表示させることができる(例えば、実施形態5で説明したように、ハンドルHの回転角度に応じた画像を表示させることができる)。
〔実施形態7〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図30は、発光装置1Gが車両Cに設置されている様子を示す図である。図31の(a)〜(d)は、発光装置1Gによって結像される立体画像Iの一例を示す図である。
本実施形態では、図30に示すように、発光装置1GがフロントガラスFに設置されており、発光装置1Gから出射される光は、車両Cの内部にいるドライバに向かって照射される。すなわち、発光装置1Gによって結像される立体画像Iがドライバによって視認される。
発光装置1Gは、例えば、車両Cの車幅を示す立体画像Iを結像してもよい(図31の(a)参照)。従来では、車両Cの前端部にコーナーポールを設置することにより、ドライバが車両Cの車幅を把握していた。これに対して、本例では、ドライバは、発光装置1Gが結像する立体画像Iによって車両Cの車幅を把握することができる。本例では、車両Cにコーナーポールを設置する必要がないので、車両Cのデザイン性を低下させることなく、ドライバが車両Cの車幅を把握することができる。
また、発光装置1Gは、例えば、車両Cの走行位置を表示する画像(換言すれば、車両Cがどこを通過しようとしているかを表示する画像)を示す立体画像Iを結像してもよい(図31の(b)参照)。より詳細には、発光装置1G(より詳細には、発光装置1Gの制御部)は、車両CのハンドルHの操舵状態(すなわち、ドライバによるハンドルHの回転角度の情報)を取得し、当該操舵状態に応じて車両Cの走行位置を表示する立体画像Iを変更させてもよい。これにより、ドライバは、車両Cがどこを通過しようとしているかを把握することができる。その結果、ドライバは安全に運転することができる。
また、発光装置1Gは、例えば、車両Cにカーナビゲーションシステムが搭載されている場合、当該カーナビゲーションシステムから情報を取得し、当該情報に基づいて立体画像Iを結像してもよい。例えば、発光装置1Gは、カーナビゲーションシステムからドライバに対して曲がることを知らせる旨の情報を取得した場合、矢印を立体画像Iとして結像してもよい(図31の(c)参照)。また、発光装置1Gは、カーナビゲーションシステムから一旦停止を知らせることを知らせる旨の紹鴎を取得した場合、一旦停止を示す標識を立体画像Iとして結像してもよい(図31の(d)参照)。本例では、ドライバは、通常センターコンソールに設けられるカーナビゲーションシステムの表示部ではなく、立体画像Iによって前方を見たままカーナビゲーションシステムからの情報を取得することができる。その結果、ドライバは安全に運転することができる。
図32は、発光装置1Aを車両Cの側面の窓ガラス(サイドウィンド)に設置した図である。本発明の一態様では、発光装置1Aを側面の窓ガラス(サイドウィンド)に設置してもよい。例えば、車両Cの側面と車両Cの外部にある物体(例えば、他車や障害物)との距離が所定の距離よりも小さくなったことをセンサなどによって検知した場合、発光装置1Aは、物体が接近中であることを通知する立体画像I(例えば、矢印)を結像してもよい。これにより、通常のサイドミラーの確認だけでは検知できない危険を、立体画像Iによってドライバに通知することができる。
また、車両Cの室内(例えば、ダッシュボード、グローブボックス、センターコンソール、アームレスト、ドアトリム、コンテナトリム、前部座席の背面など)に発光装置1Gを搭載してもよい。そして、発光装置1Gによって装飾のための立体画像を結像してもよい。例えば、発光装置1Gによって、車両Cの製造会社のロゴを示す立体画像を結像してもよい。なお、この例では、発光装置1Gによって結像される立体画像は、ドライバだけではなく、他の同乗者によって視認されてもよい。
〔実施形態8〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図33は、本実施形態における発光装置1Hを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図34の(a)〜(c)は、発光装置1Hの動作を説明するための図である。図33および図34に示すように、車両Cは、停車中に、ユーザによるリモコンキーを用いた車両Cの錠の開錠および施錠の指示を検知するロック開閉検知部Dを備えている。また、発光装置1Hは、実施形態1の発光装置1Aの構成に加えて、光源3Aおよび光源4Aを備えている。また、発光装置1Hは、実施形態1における制御部20Aに代えて、制御部20Gを備えている。本実施形態における発光装置1Hは、いわゆるウェルカムランプとしての機能を有している。
光源3Aおよび光源4Aの構造は、光源2Aと同じである。光源3Aおよび光源4Aは、導光板11Aの端面11cに設置されている。より詳細には、導光板11Aの端面11cにおいて、左方向から右方向に向かって、光源3A、光源2A、光源4Aの順に並んで設置されている。光源2A、光源3Aおよび光源4Aは、光路変更部群13に対して光の照射を行う。
制御部20Gは、ロック開閉検知部Dからユーザによるリモコンキーを用いた車両Cの錠の開錠および施錠の指示を検知した情報を取得する。制御部20Gは、当該情報を取得すると、光源2A、光源3Aおよび光源4Aに対して、以下の(i)〜(iii)に示す発光の制御を順次行う。
(i)制御部20Gが、光源2Aを点灯させるとともに、光源3Aおよび光源4Aを消灯させる。これにより、図34の(a)に示すように、立体画像I4が結像される。なお、図34の(a)では、導光板11Aに形成されている複数の光路変更部群13のうち1つの光路変更部群13を図示しており、当該光路変更部群13によって立体画像I4の一点から光が発散されているように光の光路が変更されている様子を示している(図34の(b)および(c)についても同様)。
(ii)制御部20Gが、光源3Aを点灯させるとともに、光源2Aおよび光源4Aを消灯させる。これにより、図34の(b)に示すように、立体画像I5が結像される。上述したように、光源3Aは、導光板11Aの端面11cにおいて光源2Aよりも左側に設置されている。そのため、光源3Aから出射され光路変更部群13に光路変更された光は、光源2Aから出射され光路変更部群13に光路変更された光とは異なる位置で収束する。そのため、立体画像I4と立体画像I5とは、同じ領域において、異なる立体画像として結像される。より詳細には、立体画像I4と立体画像I5とは、水平面(XZ平面)において互いに傾いた(互いに向きが異なる)立体画像となる。
(iii)制御部20Gが、光源4Aを点灯させるとともに、光源2Aおよび光源3Aを消灯させる。これにより、図34の(c)に示すように、立体画像I6が結像される。上述したように、光源4Aは、導光板11Aの端面11cにおいて光源2Aおよび光源3Aよりも右側に設置されている。そのため、光源4Aから出射され光路変更部群13に光路変更された光は、光源2Aおよび光源3Aから出射され光路変更部群13に光路変更された光とは異なる位置で収束する。そのため、立体画像I6は、立体画像I4と立体画像I5とは、同じ領域において、異なる立体画像として結像される。より詳細には、立体画像I6は、立体画像I4と立体画像I5とは、水平面(XZ平面)において互いに傾いた(互いに向きが異なる)立体画像となる。
以上のように、発光装置1Hでは、導光板11Aに対して3つの光源(光源2A、光源3A、光源4A)を備え、制御部20Gが点灯する光源を変えることにより、結像する立体画像を変化させる。その結果、ユーザは、立体画像I4〜6を視認することによって、車両Cが錠の開錠または施錠の指示を検知したことを認識することができる。また、発光装置1Hでは、立体画像が変化するので、趣向性の高いウェルカムランプとすることができる。
なお、本実施形態における発光装置1Hでは、1つの導光板(導光板11A)に対して3つの光源(光源2A、光源3A、光源4A)を備える構成であったが、本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置では、1つの導光板に対して2つの光源を備える構成であってもよいし、4つ以上の光源を備える構成であってもよい。
また、本実施形態における発光装置1Hでは、1つの導光板(導光板11A)に対して3つの光源(光源2A、光源3A、光源4A)を備え、点灯する光源を変えることにより、立体画像の結像位置を変える構成であったが、本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置では、1つの導光板11Aに対して1つの光源を備え、当該光源を導光板11Aの端面11cに沿って左右方向に移動させることにより立体画像の結像位置を変える構成であってもよい。また、本実施形態の発光装置1Hでは、制御部20Gは、光源2A〜4Aを点灯させる際に光源2A〜4Aの発光強度を変化させてもよい。これにより、立体画像I4〜I6の輝度を変化させることができる。
本実施形態では、発光装置1Hを車両Cの後端部(テールランプ(尾灯)の位置)に設置する態様であったが、本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様では、発光装置を車両の他の箇所(例えば、ドアミラーなど)に設置してもよい。
〔実施形態9〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図35は、本実施形態における発光装置1Iを備える車両Cの要部構成を示すブロック図である。図36の(a)〜(d)は、発光装置1Iの動作を説明するための図である。図35および図36に示すように、発光装置1Iは、実施形態8の発光装置1Hにおける導光板11Aに代えて導光板11Dを備えている。また、発光装置1Iは、実施形態8における制御部20Gに代えて、制御部20Hを備えている。
図36の(a)〜(d)に示すように、導光板11Dの背面11bには、左方向から右方向に向かって、光路変更部群13A、光路変更部群13Bおよび光路変更部群13Cが形成されている。なお、図36の(a)〜(d)では、導光板11Dに形成されている複数の光路変更部群(光路変更部群13A、光路変更部群13Bおよび光路変更部群13C)のうち1つの光路変更部群を図示しており、当該光路変更部群によって立体画像の一点から光が発散されているように光の光路が変更されている様子を示している。光路変更部群13A、光路変更部群13Bおよび光路変更部群13Cの構成は、実施形態1で説明した光路変更部群13と同様である。光路変更部群13Aは、光源3Aから発せられ、光路変更部群13Aに入射した光の光路を変更し、立体画像I7を結像させる。光路変更部群13Bは、光源2Aから発せられ、光路変更部群13Bに入射した光の光路を変更し、立体画像I8を結像させる。光路変更部群13Cは、光源4Aから発せられ、光路変更部群13Cに入射した光の光路を変更し、立体画像I9を結像させる。
制御部20Hは、ロック開閉検知部Dからユーザによるリモコンキーを用いた車両Cの錠の開錠および施錠の指示を検知した情報を取得する。制御部20Hは、当該情報を取得すると、光源2A、光源3Aおよび光源4Aに対して、以下の(i)〜(iii)に示す発光の制御を順次行う。
(i)制御部20Hが、光源3Aを点灯させるとともに、光源2Aおよび光源4Aを消灯させる。これにより、図36の(a)に示すように、立体画像I7が結像される。
(ii)制御部20Hが、光源2Aを点灯させるとともに、光源3Aおよび光源4Aを消灯させる。これにより、図36の(b)に示すように、立体画像I8が結像される。
(iii)制御部20Hが、光源4Aを点灯させるとともに、光源2Aおよび光源3Aを消灯させる。これにより、図36の(c)に示すように、立体画像I9が結像される。
上述したように、光路変更部群13A、光路変更部群13Bおよび光路変更部群13Cは、導光板11Dの背面11bにおいて、左方向から右方向に向かって並んで形成されている。そのため、光路変更部群13A、光路変更部群13Bおよび光路変更部群13Cによって結像される立体画像I7、立体画像I8、および立体画像I9は、互いに異なる位置に結像される。これにより、上記(i)〜(iii)に示すように、光源2A〜4Aを順次点灯させることにより、立体画像が変化している(より具体的には、立体画像が移動している)ように表示させる。その結果、ユーザは、立体画像I7〜9を視認することによって、車両Cが錠の開錠または施錠の指示を検知したことを認識することができる。また、発光装置1Iにおいても、立体画像が変化するので、趣向性の高いウェルカムランプとすることができる。
なお、車両Cが走行している場合には、制御部20Hが光源2A〜4Aを点灯させて、図36の(d)に示すように、立体画像I7〜I9を結像させてもよい。
また、本実施形態の発光装置1Iでは、立体画像I7〜I9が同じ形状の画像であったが、本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置では、立体画像I7〜I9がそれぞれ互いに異なる形状の立体画像であってもよい。
また、本実施形態の発光装置1Iでは、光路変更部群13A、光路変更部群13B、および光路変更部群13Cのそれぞれに対応する光源が1つであったが、本発明の発光装置はこれに限られない。本発明の一態様の発光装置では、1つの光路変更部群に対して複数の光源を設けてもよい。この場合、実施形態8にて説明したように、上記1つの光路変更部群に対応する立体画像を表示する際に、当該複数の光源を順次点灯させることにより結像する立体画像を変化させる態様であってもよい。また、本実施形態の発光装置1Iでは、制御部20Hは、光源2A〜4Aを点灯させる際に光源2A〜4Aの発光強度を変化させてもよい。これにより、立体画像I7〜I9の輝度を変化させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。