JP6939280B2 - 摺動部材及び摺動部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、摺動部材及び摺動部材の製造方法に関する。
摺動部材は、他の部材と少なくとも一部が接触し、その接触部分が摺動する(擦れながら滑る)部材の総称である。摺動部材はたとえば、列車の車輪及びレール、エンジンシリンダ及びピストン、クランクシャフト及びコネクティングロッド、ドリル加工における工具、鋸刃、滑車(プーリー)、ギヤ、ねじ継手、ベアリング、ガイド部材、及び、金型により塑性変形を伴う成形加工を受ける鋼板および棒鋼等である。摺動部材は、他の部材と繰り返し擦れ合う。したがって、摺動部材には、繰り返しの摺動を受けても摩耗や焼付きを生じない性質、すなわち高い摺動性が求められる。
摺動部材の摺動性を高めるために、摺動部材表面上にめっき層が形成される場合がある。めっき層はたとえば、合金めっき層である。合金めっき層により摺動部材の摺動性を高めることができる。
たとえば、特開2014−228063号公報(特許文献1)は、摺動面に合金被膜を形成して摺動性を高める技術を提案する。特許文献1に記載された摺動部材は、摺動面にスズと亜鉛とからなるスズ−亜鉛合金被膜が形成された摺動部材であって、合金被膜の膜厚は10〜25μmであり、合金被膜において、スズと亜鉛全体に対する亜鉛の重量割合が20%以上かつ80%以下であることを特徴とする。これにより、摺動部における摺動が過酷な状態であっても、摩耗量を抑えることが可能であり、種々の機械の長寿命化に寄与できる、と特許文献1には記載されている。
ところで、摺動部材は、製造された後輸送され、使用されるまで一定期間保管される。摺動部材の輸送及び保管は、長期間に渡る場合がある。さらに、摺動部材の保管は屋外で行われる場合がある。屋外で長期に保管された場合、摺動基材表面に錆が発生し、摺動部材の摺動性(特に耐焼付き性)が低下する場合がある。したがって、摺動部材には、上述の摺動性に加え、優れた耐食性が要求される。
たとえば、特開平05−279772号公報(特許文献2)は、耐焼付き性に加え、耐食性を高める技術を提案する。特許文献2に記載された耐摩耗性摺動部材は、重量で、Zn:10〜35%、Pb:2〜20%、Ni:1〜10%、B(硼素):0.1〜1%、残部:Cuおよび不可避不純物から成る耐摩耗性摺動合金で形成された摺動層が、鋼裏金または銅めっき付鋼裏金の表面に一体に積層されている。これにより、高速化、高温化した厳しい使用条件下においても優れた耐焼付き性、耐摩耗性、耐腐食性を有する摺動部材が得られる、と特許文献2には記載されている。
特開2014−228063号公報 特開平05−279772号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された技術によれば、摺動部材の表面に合金めっき層を形成することで摺動性を高めることができる。しかしながら、上述の技術を用いても、十分な摺動性が得られない場合があった。
本発明の目的は、優れた摺動性を有する摺動部材及びその製造方法を提供することである。
本実施形態の摺動部材は、摺動基材と、Zn−Ni合金めっき層とを備える。Zn−Ni合金めっき層は摺動基材の表面上に配置される。Zn−Ni合金めっき層はγ層を含む。γ相の(411)面の間隔は2.111Å以上である。
本実施形態の摺動部材の製造方法は、準備工程と、めっき層形成工程とを備える。準備工程では、摺動基材及びめっき液を準備する。めっき液は、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロムイオンを含有し、クロムイオンの濃度が50〜2000ppmである。めっき層形成工程では、摺動基材の表面をめっき液に接触させて、摺動基材の表面上にZn−Ni合金めっき層を形成する。
上記製造方法で製造された本実施形態の摺動部材は、優れた摺動性を有する。
図1は、Zn−Ni合金めっき層のγ相の(411)面の間隔と、硬度との関係を示す図である。 図2は、めっき液中のCr濃度と、Zn−Ni合金めっき層のγ相の(411)面の間隔との関係を示す図である。 図3は、めっき液中のCr濃度と、Zn−Ni合金めっき層の表面の光沢度との関係を示す図である。 図4は、本実施形態による摺動部材の断面図である。
以下、図面を参照して、本実施形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本発明者らは、摺動部材の摺動性について検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
摺動部材の摺動性(特に、耐焼付き性)を高めるには、高硬度及び高融点を有するめっき層を、摺動部材の表面に形成することが有効である。めっき層の硬度が高ければ、摺動時にめっき層が損傷を受けにくい。さらに、めっき層の融点が高ければ、摺動時に局所的にめっき層が高温になった場合でも、めっき層の硬度の低下を抑制できる。その結果、摺動部材の摺動性が高まる。
亜鉛を含有するめっき層を形成すれば、犠牲防食により、摺動部材の耐食性が高まる。しかしながら、亜鉛(Zn)は、硬度及び融点が比較的低い。そのため、亜鉛めっき層を形成しても摺動部材の摺動性を高められない場合がある。
一方で、Zn合金であるZn−Ni合金は、十分な高硬度及び高融点を有する。したがって、Zn−Ni合金によりめっき層を構成すれば、摺動部材の摺動性を高めることができる。本明細書において、Zn−Ni合金及び不純物からなるめっき層を、Zn−Ni合金めっき層という。
本発明者らは、Zn−Ni合金めっき層の硬度を高める方法を検討した。その結果、次の知見を得た。
これまで、めっきにより形成されたZn−Ni合金について、結晶構造と物性との関係の詳細な解析は行われてこなかった。しかしながら、本発明者らは、Zn−Ni合金めっき層の結晶構造を変化させることにより、Zn−Ni合金めっき層の硬度を変化できることを知見した。
図1は、Zn−Ni合金めっき層のγ相の(411)面の間隔と、硬度との関係を示す図である。縦軸に示す、めっき層の硬度(Hv)とは、JIS Z2244(2009)に準拠した、Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvを意味する。横軸に示す、めっき層の面間隔(Å)とは、Zn−Ni合金めっき層に含まれるγ相の(411)面の間隔(Å)である。以下、Zn−Ni合金めっき層に含まれるγ相の(411)面の間隔(Å)をZn−Ni合金めっき層の面間隔ともいう。図1は、後述する実施例より得られた。
図1を参照して、Zn−Ni合金めっき層の面間隔と、Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvとは比例する。この理由は定かでないが、次のとおりと推測される。Zn−Ni合金めっき層はγ相を含む。γ相は、化学式NiZn21、格子定数a=0.890nmの立方晶の結晶構造を有する相である。このγ相の(411)面の間隔が広がることによってZn−Ni合金めっき層に歪が付与され、硬度が高まる。図1では、Zn−Ni合金めっき層の面間隔が2.111Å以上であれば、Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvが600以上になる。
続いて、本発明者らは、Zn−Ni合金めっき層の面間隔を広げる方法について検討を行った。その結果、次の知見を得た。
めっき液中にクロムイオンを含有させてZn−Ni合金めっき層を形成すれば、Zn−Ni合金めっき層の面間隔が広がる。図2は、めっき液中のCr濃度と、そのめっき液を用いて電気めっきにより形成したZn−Ni合金めっき層のγ相の(411)面の間隔との関係を示す図である。縦軸に示す、めっき層の面間隔(Å)とは、Zn−Ni合金めっき層に含まれるγ相の(411)面の間隔(Å)である。横軸に示す、めっき液中のCr濃度(ppm)とは、めっき液に含まれるクロムイオンの濃度(ppm)を示す。図2は、後述する実施例より得られた。図2では、めっき液中のクロムイオンの濃度、電流密度及びめっき液の流速を変えてZn−Ni合金めっき層を形成した結果を示す。電流密度及び流速が同一条件の場合、同一の印を付した。たとえば、図2中、白丸印(○)は、電流密度:4A/dm、流速:0.5m/sでZn−Ni合金めっき層を形成したことを意味する。
図2を参照して、めっき液中のクロムイオンの濃度が0ppmの場合、そのめっき液を用いて形成したZn−Ni合金めっき層の面間隔は、電流密度及び流速にかかわらず2.111Å未満である。しかしながら、めっき液中にクロムイオンが含有されれば、クロムイオンの濃度の増加に伴って、そのめっき液を用いて形成したZn−Ni合金めっき層の面間隔が、電流密度及び流速にかかわらず、広くなる。つまり、めっき液中にクロムイオンを含有させることにより、Zn−Ni合金めっき層の面間隔が広がることが分かった。
めっき液中のクロムイオンがZn−Ni合金めっき層の面間隔を広げる理由は定かではない。図1及び図2に示す全てのZn−Ni合金めっき層は、Cr含有量が検出限界以下であった。したがって、Crは、Zn−Ni合金めっき層中に共析することによってZn−Ni合金めっき層の面間隔を広げているのではないと推測される。Crは、Zn−Ni合金めっき層形成中のZn−Ni合金の核生成に影響を与えていると推測される。
Zn−Ni合金めっき層を形成するためのめっき液において、目的とする合金めっき層の金属成分(Zn及びNi)以外の金属イオンは、基本的に不純物である。つまり、クロムイオンは、Zn−Ni合金めっき層を形成するためのめっき液に対しては不純物といえる。めっき液中の不純物は、めっき不良を引き起こす場合がある。めっき不良とはたとえば、外観不良及び物性不良である。外観不良はたとえば、ピット、ざらつき、くもり、色むら及び無めっき等である。物性不良はたとえば、めっき層の硬度低下、延展性低下、密着性低下及び耐食性低下等である。これまで、めっき不良を抑制するため、めっき液中の不純物の低減が試みられてきた。
しかしながら、上記検討の結果、本発明者らは、特定条件の下でめっき液中の不純物がめっき層の硬度を高めるという、従来とは全く異なる知見を得た。
以上のとおり、本発明者らは、Zn−Ni合金めっき層の結晶構造を変化させることにより、硬度を高める方法を知見した。具体的には、Zn−Ni合金めっき層の(411)面の間隔を広げて、2.111Å以上にすれば、Zn−Ni合金めっき層の硬度が高まる。Zn−Ni合金めっき層の硬度が高まれば、摺動部材の摺動性が高まる。また、めっき液中に、本来であれば不純物であるはずのクロムイオンを含有させることにより、Zn−Ni合金めっき層の(411)面の間隔を広げることができることを知見した。
ところで、摺動部材には、優れた外観が要求される場合がある。外観の良否は、摺動部材の表面で反射する光の量(光沢度)を基準に判断される。光沢度が高ければ、外観が良いと判断する。
図3は、めっき液中のクロムイオンの濃度と、そのめっき液を用いて電気めっきにより形成したZn−Ni合金めっき層の表面の光沢度との関係を示す図である。縦軸のめっき層表面の光沢度とは、Zn−Ni合金めっき層表面の、JIS Z8741(1997)に準拠した鏡面光沢度を意味する。横軸に示す、めっき液中のCr濃度(ppm)とは、めっき液に含まれるクロムイオンの濃度(ppm)を意味する。図3は、後述する実施例から得られた。図3では、図2と同様にめっき液中のクロムイオンの濃度、電流密度及びめっき液の流速を変えてZn−Ni合金めっき層を形成した結果を示す。電流密度及び流速が同一条件の場合、同一の印を付した。たとえば、図3中、白丸印(○)は、電流密度:4A/dm、流速:0.5m/sでZn−Ni合金めっき層を形成したことを意味する。
図3を参照して、めっき液中のクロムイオンの濃度が0ppmから100ppmへと高まるのに伴って、電流密度及び流速にかかわらずZn−Ni合金めっき層表面の光沢度も高まる。しかしながら、めっき液中のクロムイオンの濃度が100ppmより多くなると、Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度は、めっき液中のクロムイオンの濃度の増加に伴って低下する。Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度は、めっき液中のクロムイオンの濃度が1000ppmに到達した時点で20〜40程度になる。これは、めっき液中のクロムイオンの濃度が0ppmであった場合のZn−Ni合金めっき層表面の光沢度60〜120程度と比較して低い。
めっき液中のクロムイオンの濃度を一定以下にすることで、Zn−Ni合金めっき層の硬度だけでなく、表面の光沢度を高めることができることが分かった。この場合、摺動部材は、優れた摺動性に加えて、優れた外観を有する。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態の摺動部材は、摺動基材と、Zn−Ni合金めっき層とを備える。Zn−Ni合金めっき層は摺動基材の表面上に配置される。Zn−Ni合金めっき層はγ層を含む。γ相の(411)面の間隔は2.111Å以上である。
本実施形態の摺動部材は、Zn−Ni合金めっき層を備える。Zn−Ni合金めっき層はγ相を含み、γ相の(411)面の間隔が2.111Å以上である。このため、Zn−Ni合金めっき層の硬度が高まる。その結果、摺動部材の摺動性が高まる。
好ましくは、上記Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvは600以上である。
好ましくは、上記Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度は100以上である。
この場合、摺動部材は、優れた摺動性に加えて、優れた外観を有する。
上記Zn−Ni合金めっき層の厚さは1〜20μmであってもよい。
上記Zn−Ni合金めっき層は、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロムイオンを含有し、クロムイオンの濃度が50〜800ppmであるめっき液を用いためっき処理により形成されていることが好ましい。
上記Zn−Ni合金めっき層を備える摺動部材は、優れた摺動性に加えて、優れた外観を有する。
本実施形態の摺動部材の製造方法は、準備工程と、めっき層形成工程とを備える。準備工程では、摺動基材及びめっき液を準備する。めっき液は、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロムイオンを含有し、クロムイオンの濃度が50〜2000ppmである。めっき層形成工程では、摺動基材の表面をめっき液に接触させて、摺動基材の表面上にZn−Ni合金めっき層を形成する。
本実施形態の摺動部材を製造するためのめっき液には、クロムイオンが50〜2000ppm含有される。これにより、Zn−Ni合金めっき層の面間隔が2.111Å以上になり、Zn−Ni合金めっき層の硬度が高まる。その結果、摺動部材の摺動性が高まる。
好ましくは、上記めっき液のクロムイオンの濃度は50〜800ppmである。
この場合、摺動部材は優れた摺動性に加え、優れた外観を有する。
以下、本実施形態による摺動部材及びその製造方法について詳述する。
[摺動部材]
図4は、本実施形態による摺動部材1の断面図である。図4を参照して、摺動部材1は、摺動基材2と、Zn−Ni合金めっき層3とを備える。Zn−Ni合金めっき層3は、摺動基材2の表面上に配置される。
[摺動基材]
摺動基材2は、摺動部材1として利用され、めっき可能な材料であれば特に限定されない。摺動部材1は、他の部材と少なくとも一部が接触し、その接触部分が摺動する(擦れながら滑る)部材の総称である。摺動基材2はたとえば、列車の車輪及びレール、エンジンシリンダ及びピストン、クランクシャフト及びコネクティングロッド、ドリル加工における工具、鋸刃、滑車(プーリー)、ギヤ、ねじ継手、ベアリング、ガイド部材、及び、金型により塑性変形を伴う成形加工を受ける鋼板および棒鋼等である。摺動基材2の組成は、特に限定されない。摺動基材2はたとえば、炭素鋼、ステンレス鋼及び合金鋼等である。
[Zn−Ni合金めっき層]
Zn−Ni合金めっき層3は、Zn−Ni合金及び不純物からなる。Zn−Ni合金は、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)を含有する。Zn−Ni合金は不純物を含有する場合がある。ここで、Zn−Ni合金めっき層3の不純物、及び、Zn−Ni合金の不純物とは、Zn及びNi以外の物質で、摺動部材1の製造中等にZn−Ni合金めっき層3に含有され、本発明の効果に影響を与えない範囲の含有量で含まれる物質を含む。
Zn−Ni合金めっき層3の化学組成全体を100質量%とした場合に、Zn−Ni合金めっき層3は、6〜20質量%のNiを含有する。この場合、Zn−Ni合金は後述するη相及びγ相の混相となる場合がある。Zn−Ni合金めっき層3のNi含有量の下限が10質量%であれば、Zn−Ni合金はγ相単相となる。この場合、Zn−Ni合金めっき層の硬度がさらに高まる。したがって、好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3のNi含有量の下限は10質量%であり、さらに好ましくは12質量%である。好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3のNi含有量の上限は16質量%である。
上述の不純物には、Crが含まれる。Zn−Ni合金めっき層3には、たとえば1.0%以下のCrが含有されてもよい。しかしながら、Zn−Ni合金めっき層3にCrが含有されれば、犠牲防食の効果が低下し、摺動部材1の耐食性が低下する可能性がある。したがって、好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3のCr含有量は0ppmである。ここで、Zn−Ni合金めっき層3のCr含有量が0ppmであるとは、後述するZn−Ni合金めっき層3の組成の測定方法において、Crが検出限界以下であることを意味する。
[Zn−Ni合金めっき層の組成の測定方法]
Zn−Ni合金めっき層3の組成は次の方法で測定する。ハンドヘルド蛍光X線分析装置(日本電子株式会社製DP2000(商品名DELTA Premium))を用いて測定する。測定は、Zn−Ni合金めっき層3の表面の任意の4箇所を組成分析する。Alloy PlusモードによりZn及びNiの測定含有量を求める。求めたZn及びNiの測定含有量の総量でNiの測定含有量を除したものをNi含有量(質量%)とする。Ni含有量(質量%)は、組成分析した4箇所の測定結果の算術平均とする。Zn−Ni合金めっき層3中のCr含有量を測定する場合、同様の方法で測定する。Crが検出限界以下の場合、Zn−Ni合金めっき層3のCr含有量を0ppmとする。
Zn−Ni合金めっき層3に含まれる亜鉛(Zn)は、摺動部材に通常含まれる鉄(Fe)と比較して卑な金属である。そのため、犠牲防食の効果があり、摺動部材の耐食性が高まる。
[Zn−Ni合金めっき層の結晶構造]
Zn−Ni合金めっき層3は、γ相を含む。上述のとおり、Zn−Ni合金めっき層3の結晶構造は、化学組成に応じて変化する。具体的には、めっきにより形成されたZn−Ni合金には、η相、γ相及びα相が含まれる。η相は、化学式Zn、格子定数a=0.267nm及びc=0.495nmの六方晶の結晶構造を有する相である。γ相は、化学式NiZn21、格子定数α=0.890nmの立方晶の結晶構造を有する相である。α相は、化学式Ni、格子定数a=0.352nmの面心立方晶の結晶構造を有する相である。Zn−Ni合金めっき層3結晶構造は、これらの相の混相であってもよい。しかしながら、Zn−Ni合金めっき層3の結晶構造が、γ相単相であれば、硬度がさらに高まる。したがって、好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3の結晶構造は、γ相単相である。
[Zn−Ni合金めっき層の結晶構造の同定方法]
Zn−Ni合金めっき層3の結晶構造は、次の方法で同定する。Zn−Ni合金めっき層3表面に対して、以下の測定条件でX線回折測定を実施する。得られた実測プロファイルとASTMカードに記載された値とを比較して相を同定する。
・装置:株式会社リガク製 RINT−2500
・X線管球:Co‐Kα線
・スキャンレンジ:2θ=10〜110°
・スキャンステップ:0.02°
[Zn−Ni合金めっき層中のγ相の(411)面の間隔]
Zn−Ni合金めっき層3に含まれるγ相の(411)面の間隔は2.111Å以上である。以下、Zn−Ni合金めっき層3に含まれるγ相の(411)面の間隔を、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔という。Zn−Ni合金めっき層3の面間隔が2.111Å以上であれば、Zn−Ni合金めっき層3の硬度が高まる。この場合、摺動部材1の摺動性が高まる。
図1を参照して、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔と、Zn−Ni合金めっき層3の硬度(Hv)とは比例する。上述のとおり、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔が広がれば、Zn−Ni合金めっき層3に歪が付与され、Zn−Ni合金めっき層3の硬度が高まると推測される。したがって、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔が広い程、Zn−Ni合金めっき層3の硬度(Hv)が高まると言える。好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔の下限は、2.112Åであり、さらに好ましくは、2.113Åである。Zn−Ni合金めっき層3の面間隔の上限は、特に限定されない。しかしながら、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔の上限はたとえば、2.116Åである。
Zn−Ni合金めっき層3の面間隔は、後述するめっき層形成工程において、めっき液中のクロムイオンの濃度を変化させることによって調整できる。具体的には、めっき液中のクロムイオンの濃度が50ppm以上であれば、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔を2.111Å以上にできる。
[Zn−Ni合金めっき層中のγ相の(411)面の間隔の測定方法]
Zn−Ni合金めっき層3に含まれるγ相の(411)面の間隔は、次の方法で測定する。上述の、Zn−Ni合金めっき層3の結晶構造の同定方法と同じ条件で、X線回折測定を実施する。得られた実測プロファイル中、(411)面に対応する2θ=49.0〜52.0°の回折データをローレンツ関数でフィッティングする。ローレンツ関数は式(1)で与えられる。
回折強度(cps)=PH/(1+(2θ−PP)/FH)+BG (1)
ここで、PH;ピーク高さ(cps)、PP;ピーク位置(deg)、FH;半値幅(deg)、BG;バックグラウンド(cps)及び2θ;回折角度である。
実測プロファイルの回折強度とローレンツ関数で算出した強度との差の二乗を2θ=49.0〜52.0°にわたって積算し、その総和が最小となるようにPH、PP、FHおよびBGの各変数を最適化する。変数の最適化にはエクセルソフトのソルバーを用いる。(411)面の間隔を最適化したピーク位置PP(deg)からブラッグの法則に従い算出する。得られた値を、Zn−Ni合金めっき層3に含まれるγ相の(411)面の間隔(Å)とする。
Zn−Ni合金めっき層3の硬度及び融点は、従来、摺動部材1のめっき層として使用されてきためっき層の硬度より高く、融点も従来のめっきと同等に高い。そのため、摺動を繰り返しても、Zn−Ni合金めっき層3の損傷は抑制される。その結果、摺動を繰り返しても、摺動性が維持される。
[Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さ]
上述のとおり、Zn−Ni合金めっき層3のγ相の(411)面の間隔を2.111Å以上にすれば、Zn−Ni合金めっき層3の硬度が高まる。好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さHvは600以上である。この場合、摺動部材1の摺動性がさらに高まる。好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さHvの下限は650であり、さらに好ましくは700である。Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さHvの上限は、高い程好ましい。Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さHvの上限はたとえば、1200である。
[Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さ測定方法]
Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さは次の方法で測定する。Zn−Ni合金めっき層3を備える摺動部材1を準備する。Zn−Ni合金めっき層3を備える摺動部材1を摺動部材1の表面に対して垂直に切断する。現れたZn−Ni合金めっき層3の断面の任意の5点に対して、JIS Z2244(2009)に準拠した方法でビッカース硬さを測定する。測定には、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製微小硬度計Fischer scope HM2000を用いる。試験温度は常温(25℃)、試験力(F)は0.01Nとする。得られた測定結果5点の内、最大値及び最小値を除いた3点の算術平均を、Zn−Ni合金めっき層3のビッカース硬さHv(Hv0.001)とする。
[Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度]
好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度は100以上である。ここで、光沢度とは、JIS Z8741(1997)に定義される、屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567であるガラス表面において、入射角60°での鏡面光沢度(鏡面反射率ρ(θ)=0.1001)を100%とした場合の鏡面光沢度をいう。Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度が100以上であれば、摺動部材1は優れた外観を有する。好ましくは、Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度の下限は、105であり、さらに好ましくは、110である。Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度の上限は高い程好ましい。Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度はたとえば、200である。
[Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度の測定方法]
Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度は次の方法で測定する。Zn−Ni合金めっき層3表面の任意の2点に対して、BYK−Gardner GmbH製micro−TRI−gloss(ポータブル光沢度計)を用いて、JIS Z8741(1997)に準拠した方法で鏡面光沢度を測定する。得られた測定値の算術平均を、Zn−Ni合金めっき層3表面の光沢度とする。
[Zn−Ni合金めっき層の厚さ]
Zn−Ni合金めっき層3の厚さは特に限定されない。Zn−Ni合金めっき層3の厚さはたとえば、1〜20μmである。Zn−Ni合金めっき層3の厚さが1μm以上であれば、十分な摺動性を安定して得ることができる。Zn−Ni合金めっき層3の厚さが20μmを超えても、上記効果は飽和する。
[Zn−Ni合金めっき層の厚さの測定方法]
Zn−Ni合金めっき層3の厚さは、次の方法で測定する。Zn−Ni合金めっき層3の表面の任意の4箇所に対して、Helmut Fischer GmbH製、渦電流位相式膜厚計PHASCOPEPM910を用いて、Zn−Ni合金めっき層3の厚さを測定する。測定は、ISO(International Organization for Standardization)21968(2005)に準拠する方法で行う。4箇所の測定結果の算術平均を、Zn−Ni合金めっき層3の厚さとする。
Zn−Ni合金めっき層3は、後述するめっき層形成工程で形成される。このとき、好ましくは、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロムイオンを含有し、クロムイオンの濃度が50〜800ppmであるめっき液を用いためっき処理により、Zn−Ni合金めっき層3が形成される。この場合、Zn−Ni合金めっき層3の光沢度が高まり、摺動部材1は、優れた摺動性に加えて、優れた外観を有する。
[製造方法]
本実施形態の摺動部材1の製造方法は、上記摺動部材1の製造方法である。摺動部材1の製造方法は、準備工程と、めっき層形成工程とを備える。
[準備工程]
準備工程では、摺動基材2及びめっき液を準備する。摺動基材2は、上述のとおり、摺動部材1として利用され、めっき可能な材料であれば特に限定されない。摺動基材2の組成は、特に限定されない。摺動基材2はたとえば、炭素鋼、ステンレス鋼及び合金鋼等である。めっき液は、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロムイオンを含有する。クロムイオンの濃度は50〜2000ppmである。この場合、Zn−Ni合金めっき層3の面間隔が2.111Å以上になる。その結果、Zn−Ni合金めっき層3の硬度が高まり、摺動部材1の摺動性が高まる。めっき液には、好ましくは、亜鉛イオン:1〜100g/L、ニッケルイオン:1〜100g/Lが含有される。
めっき液中の金属イオンの種類及びクロムイオンの濃度は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(iCAP6300)を用いて測定する。
[めっき層形成工程]
めっき層形成工程では、めっき処理によりZn−Ni合金めっき層3を形成する。めっき層形成工程では、摺動基材2の表面をめっき液に接触させる。これにより、摺動基材2の表面上にZn−Ni合金めっき層3を形成する。Zn−Ni合金めっき層3の形成は、電気めっきにより行うことが好ましい。電気めっきでは、上記摺動基材2の表面をめっき液に接触させ、通電することによって行う。電気めっきの条件は適宜設定できる。電気めっきの条件はたとえば、めっき液pH:1〜10、めっき液温度:10〜60℃、電流密度:1〜100A/dm、及び、処理時間:0.1〜30分である。
好ましくは、上記めっき液のクロムイオンの濃度は50〜800ppmである。この場合、Zn−Ni合金めっき層3は、面間隔が2.111Å以上になるだけでなく、表面の光沢度が100以上になる。そのため、摺動部材1は、優れた摺動性に加えて、優れた外観を有する。
[下地処理工程]
上記製造方法は、必要に応じて、めっき層形成工程の前に下地処理工程を備えてもよい。下地処理工程はたとえば、酸洗及びアルカリ脱脂である。下地処理工程では、摺動基材2の表面上に付着した油分等を洗浄する。下地処理工程はさらに、サンドブラスト及び機械研削仕上げ等の研削加工を備えてもよい。これらの下地処理は、1種のみ実施してもよく、複数の下地処理を組み合わせて実施してもよい。
以下、実施例を説明する。実施例中の%は、質量%を意味する。
[準備工程]
本実施例においては、摺動基材を想定して、市販の冷延鋼板を使用した。冷延鋼板は縦150mm、横100mm、厚さ0.8mmであった。冷延鋼板表面の、縦100mm×横100mmの領域にめっきを施した。鋼種は、極低炭素鋼であった。
続いて、めっき液を準備した。めっき液は、大和化成株式会社製、商品名ダインジンアロイN2を使用した。めっき液中に塩化クロム(III)六水和物(CrCl・6HO)を溶解して、各試験番号のめっき液を調整した。なお、表1中の「めっき液中Cr濃度(ppm)」とは、めっき液中のクロムイオンの濃度(ppm)をいい、その数値は狙い値である。「めっき液中Cr濃度(ppm)」の値が0とは、めっき液中に前述の塩化クロム(III)六水和物を添加しなかったことを意味する。
[めっき層形成工程]
各試験番号の冷延鋼板に、準備しためっき液を用いてZn−Ni合金めっき層を形成した。Zn−Ni合金めっき層の形成は、電気めっきにより実施した。めっき液pH:3〜6、めっき液温度:30〜40℃、処理時間:5〜20分であった。その他の各試験番号の試験条件を表1に示す。表1中、「めっき液流速(m/s)」は、めっき液の攪拌速度であり、めっき液をポンプで循環させた場合の循環量を、めっき液の線速で示した値である。
Figure 0006939280
[Zn−Ni合金めっき層の組成の測定試験]
Zn−Ni合金めっき層の組成を次の方法で測定した。ハンドヘルド蛍光X線分析装置(日本電子株式会社製DP2000(商品名DELTA Premium))を用いて測定した。測定は、Zn−Ni合金めっき層を形成した冷延鋼板の表面の任意の4箇所を組成分析した。Alloy PlusモードによりZn及びNiの測定含有量を求めた。求めたZn及びNiの測定含有量の総量でNiの測定含有量を除したものをNi含有量(質量%)とした。結果を表1に示す。同様に、Cr含有量を測定した。しかしながら、全ての実施例で検出限界以下であった。
[Zn−Ni合金めっき層のX線回折測定試験]
Zn−Ni合金めっき層を形成した冷延鋼板の表面に対して、上述の測定条件でX線回折測定を実施した。得られた実測プロファイルとASTMカードに記載された値とを比較して相を同定した。その結果、全ての実施例でγ相単相であった。また、得られた実測プロファイルから、(411)面に対応するピーク位置PP(deg)を上述の方法で算出した。そして、Zn−Ni合金めっき層に含まれるγ相の(411)面の間隔(Å)を求めた。結果を表1に示す。
[Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さ測定試験]
Zn−Ni合金めっき層を形成した冷延鋼板を表面に対して垂直に切断し、現れたZn−Ni合金めっき層の断面に対して、上述の方法でビッカース硬さ(Hv)を測定した。結果を表1に示す。
[Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度測定試験]
Zn−Ni合金めっき層を形成した冷延鋼板の表面に対して、上述の方法で光沢度を測定した。結果を表1に示す。
[Zn−Ni合金めっき層の厚さ測定試験]
Zn−Ni合金めっき層を形成した冷延鋼板の表面の任意の4箇所に対して、上述の方法により測定試験を実施し、Zn−Ni合金めっき層の厚さを測定した。結果を表1に示す。
[評価結果]
Zn−Ni合金めっき層の硬度と摺動性とは相関する。そのため、Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvが600以上であれば、摺動性に優れると判断した。表1を参照して、試験番号1〜試験番号16の冷延鋼板では、50ppm以上のクロムイオン濃度のめっき液でZn−Ni合金めっき層を形成した。そのため、Zn−Ni合金めっき層が含有するγ相の(411)面の間隔が2.111Å以上となった。その結果、ビッカース硬さHvが600以上となり、優れた摺動性を示した。
さらに、試験番号1〜試験番号12の冷延鋼板では、800ppm以下のクロムイオン濃度のめっき液でZn−Ni合金めっき層を形成した。その結果、光沢度が100.0以上となり、優れた外観を示した。
一方、試験番号17〜試験番号22の冷延鋼板では、50ppm未満のクロムイオン濃度のめっき液でZn−Ni合金めっき層を形成した。そのため、Zn−Ni合金めっき層が含有するγ相の(411)面の間隔が2.111Å未満であった。その結果、ビッカース硬さHvが600未満となり、摺動性が悪かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 摺動部材
2 摺動基材
3 Zn−Ni合金めっき層

Claims (6)

  1. 摺動基材と、
    前記摺動基材の表面上に配置されるZn−Ni合金めっき層とを備え、
    前記Zn−Ni合金めっき層はγ相を含み、前記γ相の(411)面の間隔が2.111Å以上である、摺動部材。
  2. 請求項1に記載の摺動部材であって、
    前記Zn−Ni合金めっき層のビッカース硬さHvが600以上である、摺動部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の摺動部材であって、
    前記Zn−Ni合金めっき層表面の光沢度が100以上である、摺動部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の摺動部材であって、
    前記Zn−Ni合金めっき層の厚さは1〜20μmである、摺動部材。
  5. 摺動部材の製造方法であって、
    摺動基材、及び、亜鉛イオン、ニッケルイオン及びクロム(III)イオンを含有し、前記クロム(III)イオンの濃度が50〜2000ppmであるめっき液を準備する工程と、
    前記摺動基材の表面を前記めっき液に接触させて、前記摺動基材の表面上にZn−Ni合金めっき層を形成する工程を備える、摺動部材の製造方法。
  6. 請求項に記載の摺動部材の製造方法であって、
    前記めっき液の前記クロム(III)イオンの濃度が50〜800ppmである、摺動部材の製造方法。
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