JP6939211B2 - ゴム製品の製造方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム製品の製造方法および装置に関し、さらに詳しくは、粘度測定に要するスペースをコンパクトにしつつ、ゴム製品の製造工程における未加硫ゴムの粘度を迅速に把握して、一定品質のゴム製品を効率的に製造できるゴム製品の製造方法および装置に関するものである。
ゴム製品には、未加硫ゴムを成型モールドの中に押出機を用いて押し出して、または、射出機を用いて射出して製造する製品がある。また、未加硫ゴムを用いて成形した成形体を加硫モールドの中で加硫して製造するゴム製品もある。これらゴム製品の製造工程では、未加硫ゴムが流動して所定形状に型付けされた加硫ゴムになる。そのため、未加硫ゴムの粘度を把握してその流動性を予測できれば、ゴム製品の品質確認や生産性向上には有益である。
未加硫ゴムの粘度測定方法としては、キャピラリーレオメータ(細管式粘度計)、平板型回転粘度計等が知られている。しかしながら、これらの測定方法は、実験室環境下での測定を前提にしているため、その測定結果はゴム製品等の製造工程におけるモールド(キャビティや流路)などでの未加硫ゴムの粘度とは大きく乖離している。
未加硫ゴムではなく熱可塑性樹脂の粘度測定方法ではあるが、熱可塑性樹脂を射出する金型の流路での圧力勾配および流量に基づいて、粘度を測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案の測定方法では、2つの圧力センサが必要になり、また、そのための設置スペースを確保する必要がある。測定精度を向上させるには2つの圧力センサによる検知位置をなるべく離間させて設置する必要がある。そして、熱可塑性樹脂がそれぞれの圧力センサの検知位置を通過しなければ粘度を測定することができない。それ故、測定精度を高くするには測定装置に要するスペースが益々大きくなる。さらには、2つの圧力センサの検知位置の離間距離を長くすると、流路での圧力損失が大きくなる。これに伴い、射出機からキャビティの末端にまで溶融樹脂が到達するために要する時間が長くなり、製造不良の発生リスクが高くなる。流路の圧力損失が大きくなると、規定の時間で射出する場合には、射出圧力を高く設定する必要があるためエネルギー消費が増大するデメリットもある。
特公平3−3908号公報
本発明の目的は、粘度測定に要するスペースをコンパクトにしつつ、ゴム製品の製造工程における未加硫ゴムの粘度を迅速に把握して、一定品質のゴム製品を効率的に製造できるゴム製品の製造方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のゴム製品の製造方法は、未加硫ゴムを注入手段から流路を通じて成型モールドの中のキャビティに注入し、この未加硫ゴムを前記成型モールドの前記キャビティにより型付けして成型加硫するゴム製品の製造方法において、前記流路の一定の断面形状の区間で、この区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させ、1個の圧力センサにより前記区間の1箇所の検知位置で圧力を検知し、検知した前記圧力と前記未加硫ゴムの流量、または、検知した前記圧力と前記未加硫ゴムの流動方向先端位置および流動速度に基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記未加硫ゴムの粘度を算出し、算出した前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件を制御することにより前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムを前記キャビティに注入することを特徴とする。
上記目的を達成するため本発明のゴム製品の製造装置は、一定の断面形状の区間を有する流路と、前記流路に未加硫ゴムを注入して前記流路に充満させた状態で流動させる注入手段と、前記流路に連通して前記未加硫ゴムを型付けするキャビティを有する成型モールドとを備えたゴム製品の製造装置において、前記区間の1箇所の検知位置で前記流路の圧力を検知する1個の圧力センサと、前記区間での未加硫ゴムの流量を検知する流量検知手段と、演算部とを備えて、前記区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させて前記圧力センサの検知圧力と、前記流量検知手段の検知流量とに基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記演算部により前記未加硫ゴムの粘度が算出されて、算出された前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件が制御されて前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される構成にしたことを特徴とする。
本発明の別のゴム製品の製造装置は、一定の断面形状の区間を有する流路と、前記流路に未加硫ゴムを注入して前記流路に充満させた状態で流動させる注入手段と、前記流路に連通して前記未加硫ゴムを型付けするキャビティを有する成型モールドとを備えたゴム製品の製造装置において、前記区間の1箇所の検知位置で前記流路の圧力を検知する1個の圧力センサと、前記区間での未加硫ゴムの流動方向先端位置を検知する先端位置検知手段と、前記未加硫ゴムの流動速度を検知する速度検知手段と、演算部とを備えて、前記区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させて前記圧力センサの検知圧力と、前記先端位置検知手段の検知先端位置と、前記速度検知手段の検知速度とに基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記演算部により前記未加硫ゴムの粘度が算出されて、算出された前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件が制御されて前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、未加硫ゴムの粘度を測定する流路には1個の圧力センサを用いて1箇所の検知位置で圧力を検知すればよく、流路ではその他に、未加硫ゴムの流量、または、未加硫ゴムの流動方向先端位置および流動速度を検知すればよい。そして、圧力の検知位置と、その他のデータを検知する検知位置とは大きく離間させなくても、ゴム製品等の製造工程における粘度と近似した粘度を算出することができる。それ故、粘度測定に要するスペースをコンパクトにしつつ、ゴム製品の製造工程における未加硫ゴムの粘度を迅速に把握することができる。そして、把握した粘度と目標粘度範囲との比較に基づいて注入条件を制御することで、未加硫ゴムを迅速に適切な状態で注入できるので、製造不良の発生を未然に防ぐことが可能になり、一定品質のゴム製品を効率的に製造することが可能になる。
本発明のゴム製品の製造装置を縦断面視で例示する説明図である。 図1の成型モールドを平面視で例示する説明図である。 流路に注入した未加硫ゴムの流動方向先端位置と流路の圧力との関係を例示するグラフ図である。 図1の流路に未加硫ゴムを注入している状態を例示する説明図である。
以下、本発明のゴム製品の製造方法および装置を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、図2に例示する本発明のゴム製品の製造装置1(以下、製造装置1という)は、未加硫ゴムRの注入手段2と、この注入手段2により未加硫ゴムRが注入される流路3と、流路3に連通するキャビティ9cを有する成型モールド9と、流路3の圧力Pを検知する1個の圧力センサ5と、流路3での未加硫ゴムRの流量Qを検知する流量検知手段6と、演算部8とを有している。この実施形態では製造装置1はさらに温度センサ7(7a、7b、7c)を有している。演算部8には圧力センサ5、流量検知手段6および温度センサ7による検知データが入力される。
成型モールド9は、中子型9bと、この中子型9bの外側で上下に組み付けられる2つの分割型9aとで構成されている。それぞれの分割型9aの内周面と、中子型9bの外周面との間に形成されたすき間がキャビティ9cになっている。成型モールド9には加熱部10および温度センサ10aが設けられている。成型モールド9に対する加熱部10による加熱および加熱停止、加熱の程度は制御部4により制御される。成型モールド9はこの形態に限らず、様々な形態を採用することができる。
注入手段2は、流路3に未加硫ゴムRを充満させた状態で注入させることができればよく、例えばゴム用の押出機や射出機を用いることができる。この実施形態では注入手段2として、未加硫ゴムRが収容される筒状のシリンダ2aと、シリンダ2aの内部に配置されるプランジャー2bと、プランジャー2bを未加硫ゴムRの注入方向に移動させる駆動機構2cとを有する押出機が用いられている。シリンダ2aの一定内径の円筒部の内周面と、プランジャー2bの一定外径の円筒部の外周面とは、ほとんど隙間なく対向している。注入手段2はさらに、未加硫ゴムRの温度を調整する温度調整部2dを有している。駆動機構2cおよび温度調整部2dの作動は制御部4により制御される。制御部4と演算部8とは通信可能に接続されている。
流路3は少なくとも一部に一定の断面形状の区間を有している。この実施形態では、流路3がシリンダ2aの先端から延びる直線状の流路3aと、この流路3aに連結して一方の分割型7aの内周面と中子型7bの外周面との間に形成されている円盤状の流路3bとで構成されている。円盤状の流路3bの外縁がキャビティ9cの上端部に接続している。シリンダ2aの内部とキャビティ9cとは流路3を通じて連通した状態になる。直線状の流路3aは一定の断面形状になっている。流路3aの断面形状は円形、楕円形、三角、四角、五角形等の多角形などを採用することもできるが円形断面が好ましい。
圧力センサ5は、流路3aの1箇所の検知位置において流路3aの圧力を検知する。即ち、本発明では圧力センサ5が1個だけ使用される。
この実施形態では、プランジャー2bが未加硫ゴムRの注入方向に移動して未加硫ゴムRを流路3に注入させる注入移動部になっている。そこで、流量検知センサ6は、未加硫ゴムRの注入方向へのプランジャー2bの単位時間当たりの移動量を検知する。
温度センサ7はそれぞれの検知位置での未加硫ゴムRの温度を検知する。この実施形態では、シリンダ2aの内部の未加硫ゴムRの温度を検知する温度センサ7aと、注入手段2の注入口(流路3の始点)での温度を検知する温度センサ7bと、圧力センサ5の検知位置を通過した位置での温度を検知する温度センサ7cとを有している。
演算部8としてはコンピュータ等を用いることができる。演算部8には、圧力センサ5による検知圧力P、流量検知手段6による検知流量Q、温度センサ7による検知温度Tが入力される。演算部8にはその他に、既知であるプランジャー2bの断面積(シリンダ2aの内側断面積)、流路3aの断面積、流路3aの長さ、流路3aにおける圧力センサ5および温度センサ7b、7cの検知位置(流路3aの始点からそれぞれの検知位置までの離間距離)、流路3aでの未加硫ゴムRの目標粘度範囲のデータが入力されている。目標粘度範囲とは、良品のゴム製品が製造される場合の流路3aでの未加硫ゴムRの粘度範囲であり事前に把握しておく。
演算部8は、入力された検知圧力Pおよび検知流量Qに基づいて、未加硫ゴムRの粘度μを算出する。演算部8により未加硫ゴムRの粘度μを算出する計算式は下記(1)式である。この(1)式は、円管流路でのニュートン流体の圧力損失の計算式である。
圧力損失ΔP=(8・μ・Q・L)/(πr4)・・・(1)
ここで、ΔP=(測定区間の始点での圧力P1)−(測定区間の終点での圧力P2)、Lは測定区間の長さ、rは流路3の半径である。
本発明では図3に例示するように、流路3aを流動する未加硫ゴムRの流動方向先端X2では、流路3aの圧力P2がゼロであることに着目して測定区間の圧力損失ΔPの大きさを取得する。即ち、圧力センサ5の検知位置X1での検知圧力PをP1として、この検知位置X1を通過して流動している未加硫ゴムRの流動方向先端X2での流路3aの圧力PをP2=0とする。
シリンダ2aと流路3とは連続していて、未加硫ゴムRはシリンダ2aおよび流路3を途切れることなく流動する。未加硫ゴムRは非圧縮性流体と見なせるので、未加硫ゴムRの流量Qは、プランジャー2bがシリンダ2aの内部で単位時間に移動した区間の体積になる。即ち、プランジャー2bの断面積×プランジャー2bの単位時間移動量が流量Qになる。プランジャー2bの単位時間移動量は流量検知手段6により検知され、プランジャー2bの断面積は既知であるので、流量Qは判明する。
未加硫ゴムRの流動方向先端位置X2は、流量Qに基づいて算出することができる。プランジャー2bがシリンダ2aの内部で単位時間に移動した区間の体積(流量Q)と、未加硫ゴムRが流路3aで単位時間に移動した体積は同じである。そして、流量Qは判明し、流路3aの断面積は既知であるので、流路3aを流動している未加硫ゴムRの流動方向先端位置X2は判明する。したがって、(1)式の測定区間の長さLとなる流動方向先端位置X2と検知位置X1との離間距離も判明する。
尚、(1)式は円管流路に適用される計算式であるが、流路3aの断面形状が円形以外の場合は(1)式をアレンジして使用する。
演算部8により未加硫ゴムRの粘度μが算出されると、演算部8は算出された粘度μと予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて、制御部4を介して未加硫ゴムRの注入条件を制御する。
次に、本発明のゴム製品製造方法の手順を説明する。
図1に例示するように、注入手段2のシリンダ2aに未加硫ゴムRを収容しておく。この時、未加硫ゴムRは温度調節部2dにより所定温度に加温する。次いで、図4に例示するように、プランジャー2bを下方移動させて未加硫ゴムRをシリンダ2aから流路3に注入する。流路3に注入された未加硫ゴムRは、流路3に充満された状態で流動する。流路3を通過した未加硫ゴムRはキャビティ9cに注入されて型付けされる。その後、キャビティ9cの中で未加硫ゴムRは成型加硫されてゴム製品になる。
この製造工程では、未加硫ゴムRが流路3aにおける圧力センサ5の検知位置X1を通過した後、未加硫ゴムRが流路3bに達する前の任意の時点で圧力センサ5の検知圧力Pが演算部8に入力される。また、この時点で流量検知手段6により検知したプランジャー2bの単位時間当たりの移動量が演算部8に入力される。
演算部8では、入力されたプランジャー2bの単位時間当たりの移動量とプランジャー2bの断面積とに基づいて、流路3aでの未加硫ゴムRの検知流量Qが算出される。また、この検知流量Qと流路3aの断面積に基づいて、流路3aでの検知先端位置X2が算出される。ここで、圧力センサ5の検知位置X1は既知であるので、流路3aの始点X0から検知先端位置X2までの離間距離から、流路3aの始点X0から圧力センサ5の検知位置X1までの離間距離を差し引くことにより、(1)式における測定区間の長さLが算出される。
未加硫ゴムRの検知先端位置X2での流路3の圧力P2がゼロ、圧力センサ5の検知位置X1での流路3aの圧力P1を検知圧力Pとすれば、(1)式における粘度μ以外の数値が判明する。それ故、判明しているデータと(1)式を用いて、演算部8により未加硫ゴムRの粘度μが算出される。
さらに演算部8では、算出された粘度μと予め設定されている目標粘度範囲とを比較する。この比較結果に基づいて演算部8は制御部4に指示を出して未加硫ゴムRの注入条件を制御する。算出された粘度μが目標粘度範囲内であれば、未加硫ゴムRの注入条件をそのまま維持して注入を継続する。
算出された粘度μが目標粘度範囲よりも低い場合は、流路3aでの未加硫ゴムRの粘度を高くするように注入条件を変更する。例えば、プランジャー2bの移動速度を速くして注入手段2による注入圧力を高くする。または、温度調節部2d(場合によっては温度調節部2dに加えて分割型9a)によって未加硫ゴムRの温度を高くする。或いは、未加硫ゴムRの注入圧力を高くするとともに温度を高くする。
算出された粘度μが目標粘度範囲よりも高い場合は、流路3aでの未加硫ゴムRの粘度を低くするように注入条件を変更する。例えば、プランジャー2bの移動速度を遅くして注入手段2による注入圧力を低くする。または、温度調節部2d(場合によっては温度調節部2dに加えて分割型9a)によって未加硫ゴムRの温度を低くする。或いは、未加硫ゴムRの注入圧力を低くするとともに温度を低くする。
算出された粘度μが目標粘度範囲よりも著しく高くて許容上限値を超えている場合、または、著しく低くて許容下限値に満たない場合は、流路3aへの未加硫ゴムRの注入を停止する。
上述した実施形態では、流量検知手段6が検知したプランジャー2bの移動量に基づいて未加硫ゴムRの流量Qを算出したが、この流量検知手段6を省略することもできる。その代わりに、温度センサ7b、7cを流路3aでの未加硫ゴムRの流動方向先端位置X2を検知する先端位置検知手段および未加硫ゴムRの流動速度Vを検知する速度検知手段として機能させる構成にすることもできる。
この構成では、図4に例示するように、未加硫ゴムRを注入手段2から流路3aへ注入した際に、それぞれの温度センサ7b、7cは、流動する未加硫ゴムRが通過した際に検知温度Tが急激に上昇する。それぞれの温度センサ7b、7cの検知位置(離間距離)は既知であり、検知温度Tが急激に上昇した時点(時刻)は把握でき、これらのデータは演算部8に入力される。演算部8では、入力されたこれらデータに基づいて、流路3での未加硫ゴムRの流動速度Vが検知速度として算出される。
この構成では、圧力センサ5の検知位置X1での検知圧力PをP1として、温度センサ7cの検知位置を流動方向先端位置X2として流路3aの圧力PをP2=0とする。したがって、温度センサ7cの検知温度Tが急激に上昇した時点(未加硫ゴムRが温度センサ7cの検知位置に到達した時点)での圧力センサ5による検知圧力PがP1となる。
流路3aの断面積は既知であるので、このデータと算出された検知速度Vに基づいて演算部8では、流路3aでの未加硫ゴムRの検知流量Qが算出される。ここで、圧力センサ5の検知位置と温度センサ7cとの離間距離は既知であるので、この離間距離が(1)式における測定区間の長さLになる。
上記のとおり(1)式における粘度μ以外の数値が判明する。それ故、判明しているデータと(1)式を用いて、演算部8によって未加硫ゴムRの粘度μが算出される。
上記説明した構成では、離間配置された2つの温度センサ7b、7cを先端位置検知手段および速度検知手段として機能させているが、1つの温度センサ7cおよび1つの圧力センサ5を先端位置検知手段および速度検知手段として機能させることもできる。即ち、圧力センサ5の検知位置X1を未加硫ゴムRが通過すると検知圧力Pが急激に上昇する。そして、圧力センサ5の検知位置X1は既知であり、検知圧力Pが急激に上昇する時点(時刻)は把握できる。
そこで、上述した構成で説明した一方の温度センサ7bの代わりに圧力センサ5を用いて、他方の温度センサ7cと組み合わせて使用する。これにより、流路3での未加硫ゴムRの検知先端位置X2および検知速度Vを把握することができる。したがって、未加硫ゴムRの粘度μを算出することも可能になる。
上記説明した種々の本発明によれば、未加硫ゴムRの粘度μを測定するには、流路3aには1個の圧力センサ5を用いて1箇所の検知位置X1で圧力を検知し、流路3aではその他に、未加硫ゴムRの流量Q、または、未加硫ゴムRの流動方向先端位置X2および速度Vを検知すればよい。そして、圧力センサ5の検知位置X1と、流量Qや流動方向先端位置X2、速度Vを検知する検知位置とは大きく離間させなくてよい。それ故、2つの圧力センサ5を用いて流路3aの圧力勾配ΔPを検知する場合に比して、粘度測定に要するスペースをコンパクトにすることができる。
また、ゴム成型は、樹脂成型に比して射出速度や押出速度が著しく遅い。そのため、2つの圧力センサ5を用いる場合は、流動する未加硫ゴムRが2つの圧力センサ5の検知位置を通過するには相当の時間を要する。それ故、未加硫ゴムRの粘度μを迅速に測定するには不利になるが、本発明によれば、このようなデメリットを回避して、迅速に未加硫ゴムRの粘度μを把握することができる。
2つの圧力センサ5を用いてそれぞれの検知位置の離間距離が長くなると、流路3aでの圧力損失が大きくなり、注入手段2からキャビティ9cの末端にまで未加硫ゴムRが到達するために要する時間が長くなる。ところが、本発明では、圧力センサ5を1つだけ使用するので、未加硫ゴムRが注入手段2からキャビティ9cの末端に到達するために要する時間を短縮できる。そのため、注入した未加硫ゴムRの加硫反応が進むことにより流動性が低下して製造不良が発生するという不具合を回避するには有利になる。さらには、流路3aの圧力損失を低減できるので、規定のタイムサイクルで製品を製造する場合に、注入圧力を低く設定できるので製造工程でのエネルギー消費を抑制できるメリットもある。
製造不良を防ぐには、未加硫ゴムRを流路3に注入してからなるべく早期に粘度μを把握して、早期に注入条件を制御することが望ましい。そこで、圧力センサ5の検知位置X1を、注入手段2の注入口から流路3の全長の50%までの範囲の位置にするとともに、流量Qまたは流動方向先端位置X2および速流動速度Vを、未加硫ゴムRが流路3の全長の60%を通過する前に検知するのがより好ましい。
さらには、本発明によれば、圧力Pの検知位置X1と、その他のデータを検知する検知位置とは大きく離間させなくても、ゴム製品等の製造工程における粘度と近似した粘度を算出することができる。即ち、キャピラリーレオメータ(細管式粘度計)、平板型回転粘度計等の従来の既存の粘度計に比して、ゴム製品等の製造工程における粘度と近似した粘度を算出することが可能になっている。本発明によって測定した未加硫ゴムRの粘度μは、既存の粘度計により測定した粘度よりも、ゴム製品等の製造工程における粘度に対して近似していることは、実験およびシミュレーションによって確認している。
そして、算出された粘度μと目標粘度範囲との比較に基づいて未加硫ゴムRの注入条件を制御することで、流路3aにおける未加硫ゴムRの粘度を適正にする。これに伴い、未加硫ゴムRを適切な状態でキャビティ9cに注入できるので、成型モールド9で型付けされて製造されるゴム製品の一定品質を確保するには有利になる。しかも、未加硫ゴムRがキャビティ9cに注入される前に迅速に粘度μの適性が判断できるので、製造不良の発生を未然に防ぐことが可能になり、ゴム製品の効率的な製造に寄与する。
本発明は、タイヤ、ホース、防舷材、コンベヤベルト等の様々なゴム製品、これらゴム製品を構成するゴム部材(ゴム製品)、ブラダ等のゴム製の製造設備部材(ゴム製品)などを製造する際に用いることができる。
1 製造装置
2 注入手段
2a シリンダ
2b プランジャー(注入移動部)
2c 駆動機構
2d 温度調節部
3(3a、3b) 流路
4 制御部
5 圧力センサ
6 流量検知手段
7a、7b、7c 温度センサ
8 演算部
9 成型モールド
9a 分割型
9b 中子型
9c キャビティ
10 加熱部
R 未加硫ゴム

Claims (8)

  1. 未加硫ゴムを注入手段から流路を通じて成型モールドの中のキャビティに注入し、この未加硫ゴムを前記成型モールドの前記キャビティにより型付けして成型加硫するゴム製品の製造方法において、
    前記流路の一定の断面形状の区間で、この区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させ、1個の圧力センサにより前記区間の1箇所の検知位置で圧力を検知し、検知した前記圧力と前記未加硫ゴムの流量、または、検知した前記圧力と前記未加硫ゴムの流動方向先端位置および流動速度に基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記未加硫ゴムの粘度を算出し、算出した前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件を制御することにより前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムを前記キャビティに注入することを特徴とするゴム製品の製造方法。
  2. 前記注入条件が、前記未加硫ゴムの注入圧力または前記未加硫ゴムの温度の少なくとも一方である請求項1に記載のゴム製品の製造方法。
  3. 前記圧力センサの前記検知位置を、前記注入手段の注入口から前記流路の全長の50%までの範囲の位置にするとともに、前記流量または前記流動方向先端位置および前記速流動速度を、前記未加硫ゴムが前記流路の全長の60%を通過する前に検知する請求項1または2に記載のゴム製品の製造方法。
  4. 一定の断面形状の区間を有する流路と、前記流路に未加硫ゴムを注入して前記流路に充満させた状態で流動させる注入手段と、前記流路に連通して前記未加硫ゴムを型付けするキャビティを有する成型モールドとを備えたゴム製品の製造装置において、
    前記区間の1箇所の検知位置で前記流路の圧力を検知する1個の圧力センサと、前記区間での未加硫ゴムの流量を検知する流量検知手段と、演算部とを備えて、
    前記区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させて前記圧力センサの検知圧力と、前記流量検知手段の検知流量とに基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記演算部により前記未加硫ゴムの粘度が算出されて、算出された前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件が制御されて前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される構成にしたことを特徴とするゴム製品の製造装置。
  5. 前記圧力センサの前記検知位置が、前記注入手段の注入口から前記流路の全長の50%までの範囲の位置に設定されるとともに、前記流量が前記未加硫ゴムが前記流路の全長の60%を通過する前に検知される構成にした請求項4に記載のゴム製品の製造装置。
  6. 一定の断面形状の区間を有する流路と、前記流路に未加硫ゴムを注入して前記流路に充満させた状態で流動させる注入手段と、前記流路に連通して前記未加硫ゴムを型付けするキャビティを有する成型モールドとを備えたゴム製品の製造装置において、
    前記区間の1箇所の検知位置で前記流路の圧力を検知する1個の圧力センサと、前記区間での未加硫ゴムの流動方向先端位置を検知する先端位置検知手段と、前記未加硫ゴムの流動速度を検知する速度検知手段と、演算部とを備えて、
    前記区間に前記未加硫ゴムを充満させた状態で流動させて前記圧力センサの検知圧力と、前記先端位置検知手段の検知先端位置と、前記速度検知手段の検知速度とに基づいて、前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される前に前記演算部により前記未加硫ゴムの粘度が算出されて、算出された前記粘度と予め設定されている目標粘度範囲との比較に基づいて前記未加硫ゴムの注入条件が制御されて前記流路における粘度を適正にした適切な状態で前記未加硫ゴムが前記キャビティに注入される構成にしたことを特徴とするゴム製品の製造装置。
  7. 前記圧力センサの前記検知位置が、前記注入手段の注入口から前記流路の全長の50%までの範囲の位置に設定されるとともに、前記流動方向先端位置および前記流動速度が、前記未加硫ゴムが前記流路の全長の60%を通過する前に検知される構成にした請求項6に記載のゴム製品の製造装置。
  8. 前記注入条件が、前記未加硫ゴムの注入圧力または前記未加硫ゴムの温度の少なくとも一方である請求項4〜7のいずれかに記載のゴム製品の製造装置。
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