JP7342450B2 - 品質予測システム及び成形機 - Google Patents

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本発明は、品質予測システム及び成形機に関するものである。
成形機の型に加熱溶融した材料(溶融材料)を供給し、成形品を成形する技術が知られている。溶融材料は、型のキャビティに充填された状態で保圧及び冷却されることにより固化し、キャビティの形状に応じた形状に成形される。ここで、保圧が終了してから溶融材料が固化するまでの間、樹脂材料の体積が収縮する。このとき、溶融材料は、必ずしも全体に亘って均等に収縮するとは限らず、成形品の品質を予測するには、豊富な知識や経験が必要とされる。
これに対し、特許文献1には、ゲートから注入された樹脂材料が金型に沿って流動し、その後に冷却された硬化していく過程をシミュレーションする流動解析の結果に基づき、射出成形された成形品の品質を予測する技術が開示されている。また、特許文献2には、射出成形した成形品の体積収縮率を予測する技術が開示されている。
特開2008-207440号公報 特開2007-83802号公報
上記した特許文献1及び2に記載の技術に対し、発明者は、キャビティに供給された溶融材料から型が受ける圧力を把握することで、成形品の品質要素を予測できること、及び、機械学習を用いることで成形品の品質要素の予測精度が向上することを見い出した。
本発明は、機械学習を用いて、成形品の品質要素を予測する品質予測システム及びその品質予測システムに用いられる成形機を提供することを目的とする。
(1.第一の品質予測システム)
第一の品質予測システムは、成形機の型のキャビティに溶融材料を供給し、所定の保圧力により所定時間の保圧処理を行った後に前記保圧力を減少させる処理を行うことにより成形品を成形する成形方法に適用される。前記品質予測システムは、前記型に配置され、前記キャビティにおいて供給された前記溶融材料から受ける圧力を、異なる複数の位置で、各々検出する複数の検出する第一圧力センサと、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とを前記訓練データセットとする機械学習により生成された学習済みモデルであって、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とに関する前記学習済みモデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、前記保圧力の減少処理のときに新たに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の圧力データと前記学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した前記成形品の形状精度を予測する品質予測部とを備える。
第一の品質予測システムによれば、成形機の型には、キャビティにおいて供給された溶融材料から受ける圧力を、異なる複数の位置で、各々検出する複数の第一圧力センサが配置される。また、学習済みモデル記憶部には、保圧力の減少処理のときに複数の第一圧力センサにより検出された複数の圧力データと成形品の形状とを訓練データセットとする機械学習により生成された学習済みモデルであって、保圧力の減少処理のときに複数の第一圧力センサの各々により検出された複数の圧力データと成形品の形状とに関する学習済みモデルが記憶される。そして、品質予測部は、保圧力の減少処理のときに新たに複数第一圧力センサの各々により検出された複数の圧力データと学習済みモデルとに基づき、新たに成形した当該成形品の形状精度を予測する。よって、品質予測システムは、成形品の形状精度を高精度に予測することができる。
(2.第二の品質予測システム)
第二の品質予測システムは、成形機の型のキャビティに溶融材料を供給し、所定の保圧力により所定時間の保圧処理を行った後に前記保圧力を減少させる処理を行うことにより成形品を成形する成形方法に適用され、前記型に配置され、前記キャビティにおいて供給された前記溶融材料から受ける圧力を、異なる複数の位置で、各々検出する複数の第一圧力センサと、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とを前記訓練データセットとする機械学習により、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とに関する学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部とを備える。これにより、第一の品質予測システムと同様に、成形品の形状精度を高精度に予測することが可能となる。
(3.成形機)
成形機は、上記の第一の品質予測システムに用いられる成形機であって、前記成形機の制御装置に動作指令データを与える動作指令部と、前記品質予測部による前記形状精度の予測結果に基づき、前記動作指令データの調整を行う動作指令データ調整部とを備える。当該成形機によれば、動作指令部は、動作指令データ調整部により調整された動作指令データを制御装置に与える。よって、成形機は、成形する成形品の品質を高めることができる。
第一例の品質予測システムの構成を示す図である。 第二例の品質予測システムの構成を示す図である。 成形機(射出成形機)を示す図である。 図3に示す型を拡大した図である。 図4のV-V線における型の断面図である。 品質予測システムを示すブロック図である。 成形条件Xで成形した成形品の保圧減少推移データを示すグラフである。 成形条件Yで成形した成形品の保圧減少推移データを示すグラフである。 第一例の品質予測システムとしての形状予測システムを示すブロック図である。 第一例の品質予測システムとしての形状予測システムで学習済みモデル生成部が用いる訓練データセットを示す図である。 成形品の保圧処理推移データを示すグラフである。 第二例の品質予測システムとしての質量予測システムを示すブロック図である。 第二例の品質予測システムとしての質量予測システムで学習済みモデル生成部が用いる訓練データセットを示す図である。 ボイド体積と質量との関係を示す図である。 第三例の品質予測システムとしてのボイド体積予測システムを示すブロック図である。 第三例の品質予測システムとしてのボイド体積予測システムで学習済みモデル生成部が用いる訓練データセットを示す図である。
(1.品質予測システムの適用対象)
品質予測システムは、成形機の型のキャビティに溶融材料を供給することにより成形品を成形する成形方法に適用される。本例では、成形機が、樹脂又はゴム等の射出成形を行う射出成形機である場合を例に挙げて説明するが、成形機1は、射出成形機以外の成形機、例えば、ブロー成形機や圧縮成形機であってもよく、ダイキャスト等の金属鋳造を行う鋳造機であってもよい。
(2.品質予測システム100,200の構成)
品質予測システム100,200は、1又は複数の成形機1と、機械学習装置110,210とを備えて構成される。機械学習装置110は、少なくとも成形機1において検出された成形時データを訓練データセットとして機械学習を行うことにより、成形時データと成形品の品質要素とに関する学習済みモデルを生成する。そして、機械学習装置110,210は、学習済みモデルと、新たな成形時データとに基づいて、新たに成形された成形品の品質要素を予測する。
(2-1.第一例の品質予測システム100の構成)
図1を参照しながら、第一例の品質予測システム100の構成を説明する。図1に示すように、第一例の品質予測システム100は、複数の成形機1と、機械学習装置110とを備える。機械学習装置110は、第一サーバ111と、第二サーバ112とを備える。ただし、第一サーバ111と第二サーバ112とは、別装置として説明するが、同一装置により構成してもよい。
第一サーバ111は、機械学習における学習フェーズとして機能する。第一サーバ111は、取得した訓練データセットを用いた機械学習により学習済みモデルを生成する。第一サーバ111は、複数の成形機1と通信可能に設けられ、複数の成形機1の各々が成形品を成形した際に得られた成形時データを、訓練データセットの一部として取得する。成形時データには、例えば、圧力データ、温度データ、成形条件に関するデータ等が含まれる。圧力データは、型に供給された溶融材料から型が受ける圧力を示すデータである。温度データは、型に供給された溶融材料の温度を示すデータである。
第一サーバ111は、さらに、複数の成形機1の各々が成形した成形品の品質要素に関するデータ(以下「品質要素データ」と称す)を、訓練データセットにおける教師データとして取得する。そして、第一サーバ111は、教師あり学習を行うことにより、成形時データと成形品の品質要素とに関する学習済みモデルを生成する。なお、第一サーバ111における機械学習は、教師あり学習である場合を例に挙げて説明するが、他の機械学習アルゴリズムを適用することもできる。
第一サーバ111は、計測器(図示せず)により計測された品質要素データを作業者が入力することによって取得するようにしてもよい。また、第一サーバ111は、計測器によって計測された品質要素データを、計測器から直接取得するようにしてもよい。品質要素データは、対応する成形品に紐付けされたデータである。品質要素データは、例えば、成形品の各種寸法、質量、ボイド体積、焼けの程度等が例示される。
このように、品質予測システム100において、第一サーバ111は、複数の成形機1の各々が成形品を成形した際に得られる成形時データ及び品質要素データを取得するので、多量の成形時データ及び品質要素データを取得できる。そして、第一サーバ111は、取得した多量の成形時データ及び品質要素データを訓練データセットとする機械学習により、学習済みモデルを生成する。これにより、学習済みモデルの学習精度を向上させることができ、学習済みモデルの高精度化を図ることができる。
第二サーバ112は、機械学習における推論フェーズとして機能する。第二サーバ112は、第一サーバ111により生成された学習済みモデルを取得する。さらに、第二サーバ112は、複数の成形機1の各々に通信可能に設けられる。そして、第二サーバ112は、第一サーバ111により生成された学習済みモデルを用い、且つ、複数の成形機1の各々が新たに成形品を成形した際の成形時データを入力データとして、新たに成形した成形品の品質要素を予測する。
第二サーバ112によって予測された成形品の品質要素は、成形機1に送信し、成形機1の成形条件を調整することに用いてもよい。また、予測された成形品の品質要素が不良であると判断された場合には、成形機1が当該成形品の廃棄処理又は選別処理を行うようにしてもよい。
(2-2.第二例の品質予測システム200の構成)
図2を参照しながら、第二例の品質予測システム200の構成を説明する。図2に示すように、第二例の品質予測システム200は、複数の成形機1と、機械学習装置210を備える。機械学習装置210は、第一サーバ111と、複数の品質予測装置212とを備える。ここで、第一サーバ111は、第一例の第一サーバ111と同一構成である。
複数の品質予測装置212の各々は、複数の成形機1の各々に対応して配置されており、第一例の品質予測システム100における第二サーバ112と実質的に同様の処理を行う。つまり、品質予測装置212は、対応する成形機1による成形時データと、第一サーバ111により生成された学習済みモデルとに基づいて、対応する成形機1により成形された成形品の品質要素を予測する。
(2-3.第三例の品質予測システムの構成)
上記の品質予測システム100,200は、複数の成形機1を含む構成について説明した。この他に、品質予測システムは、単体の成形機1と、機械学習装置とにより構成されるようにしてもよい。機械学習装置は、第一サーバ111に相当する機械学習の学習フェーズを実行可能であると共に、第二サーバ112又は品質予測装置212に相当する機械学習の推論フェーズを実行可能である。
(3.成形機1の例)
(3-1:成形機1の構成)
次に、図3を参照して、成形機1の一例である射出成形機について説明する。射出成形機としての成形機1は、ベッド2と、射出装置3と、型4と、型締装置5と、動作指令部6と、制御装置7とを主に備える。
射出装置3は、ベッド2上に配置される。射出装置3は、ホッパ31と、加熱シリンダ32と、スクリュ33と、ノズル34と、ヒータ35と、駆動装置36と、射出装置用センサ37とを主に備える。
ホッパ31は、ペレット(粒状の成形材料)の投入口である。加熱シリンダ32は、ホッパ31に投入されたペレットを加熱溶融してできた溶融材料を加圧する。また、加熱シリンダ32は、ベッド2に対して軸方向に移動可能に設けられる。スクリュ33は、加熱シリンダ32の内部に配置され、回転可能且つ軸方向へ移動可能に設けられる。ノズル34は、加熱シリンダ32の先端に設けられた射出口であり、スクリュ33の軸方向移動によって、加熱シリンダ32の内部の溶融材料を型4に供給する。
ヒータ35は、例えば、加熱シリンダ32の外側に設けられ、加熱シリンダ32の内部のペレットを加熱する。駆動装置36は、加熱シリンダ32の軸方向への移動、スクリュ33の回転及び軸方向移動等を行う。射出装置用センサ37は、溶融材料の貯留量、保圧力、保圧時間、射出速度、溶融材料の粘度、駆動装置36の状態等を取得するセンサを総称する。ただし、当該センサ37は、上記に限られず、種々の情報を取得するようにしてもよい。
型4は、固定側である第一型4aと、可動側である第二型4bとを備えた金型である。型4は、第一型4aと第二型4bとを型締めすることで、第一型4aと第二型4bとの間にキャビティCを形成する。第一型4aは、ノズル34から供給された溶融材料をキャビティCまで導く供給路4c(スプルー、ランナー、ゲート)を備える。さらに、第一型4a又は第二型4bは、圧力センサ44,45を備える。圧力センサ44,45は、溶融材料から受ける圧力を検出する。
型締装置5は、ベッド2上において射出装置3に対向配置される。型締装置5は、装着された型4の開閉動作を行うと共に、型4を締め付けた状態において、キャビティCに射出された溶融材料の圧力により型4が開かないようにする。
型締装置5は、固定盤51、可動盤52、タイバー53、駆動装置54、型締装置用センサ55を備える。固定盤51には、第一型4aが固定される。固定盤51は、射出装置3のノズル34に当接可能であり、ノズル34から射出される溶融材料を型4へ導く。可動盤52には、第二型4bが固定される。可動盤52は、固定盤51に対して接近及び離間可能である。タイバー53は、可動盤52の移動を支持する。駆動装置54は、例えば、シリンダ装置によって構成されており、可動盤52を移動させる。型締装置用センサ55は、型締力、金型温度、駆動装置54の状態等を取得するセンサを総称する。
動作指令部6は、成形条件に関する動作指令データを制御装置7に与える。また、成形機1は、第二サーバ112又は品質予測装置212による品質要素の予測結果に基づき、動作指令部6に記憶された動作指令データの調整を行う動作指令データ調整部8を備える。動作指令部6は、動作指令データ調整部8により調整された動作指令データを制御装置7に与えるので、成形機1は、成形する成形品の品質を高めることができる。
制御装置7は、動作指令部6からの動作指令データに基づいて、射出装置3の駆動装置36及び型締装置5の駆動装置54を制御する。例えば、制御装置7は、射出装置用センサ37及び型締装置用センサ55から各種情報を取得して、動作指令データに応じた動作を行うように、射出装置3の駆動装置36及び型締装置5の駆動装置54を制御する。
(3-2:成形機1による成形品の成形方法)
続いて、射出成形機としての成形機1による成形品の成形方法について説明する。成形機1による成形方法では、計量工程、型締工程、射出充填工程、保圧工程、冷却工程、離型取出工程が順次実行される。計量工程において、ヒータ35の加熱及びスクリュ33の回転に伴うせん断摩擦熱によってペレットが溶融されながら、溶融材料が加熱シリンダ32の先端とノズル34の間に貯留される。溶融材料の貯留量の増加に伴ってスクリュ33が後退するため、スクリュ33の後退位置から溶融材料の貯留量の計量が行われる。
計量工程に続く型締工程では、可動盤52を移動させて、第一型4aに第二型4bを合わせ、型締めを行う。さらに、加熱シリンダ32を軸方向へ移動させて型締装置5に近づけ、ノズル34を型締装置5の固定盤51に接続する。続いて、射出充填工程において、スクリュ33の回転を停止した状態において、スクリュ33をノズル34に向けて所定の押し込み力で移動させることにより、溶融材料を高い圧力で型4に射出充填する。キャビティCに溶融材料が充填されると、引き続き、保圧工程に移行する。
保圧工程では、キャビティCに溶融材料が充填された状態で更に溶融材料をキャビティCに押し込み、キャビティC内の溶融材料に所定の圧力(保圧力)を所定時間加える保圧処理を行う。具体的には、スクリュ33に一定の押し込み力を付与することにより、溶融材料に所定の保圧力を付与する。
そして、所定の保圧力により所定時間の保圧処理を行った後、冷却工程へ移行する。冷却工程では、溶融材料の押し込みを停止して保圧力を減少させる処理(保圧力減少処理)を行い、型4を冷却する。型4を冷却することにより、型4に供給された溶融材料が固化する。最後に、離型取出工程において、第一型4aから第二型4bを離間させて、成形品を取り出す。
(4.型4の詳細構成)
ここで、図4及び図5を参照しながら、型4の詳細な構成を説明する。なお、型4は、いわゆる多数個取り金型であり、型4には複数のキャビティCが形成されているが、図面を簡素化するため、図4及び図5には、1つのキャビティCをのみ図示している。また、本実施形態において、成形機1が成形する成形品は、等速ジョイントに用いられる保持器である。従って、成形品は、環状、特に、円環状であり、キャビティCは、保持器の形状に倣った環状、特に円環状に形成される。なお、成形品及びキャビティCの形状は、環状以外の形状、例えば、C形状や矩形枠状等であってもよい。
供給路4cは、スプルー41と、ランナー42と、ゲート43とを備える。スプルー41は、ノズル34から溶融材料が供給される通路である。ランナー42は、スプルー41から分岐する通路であり、スプルー41に供給された溶融材料は、ランナー42に流入する。ゲート43は、ランナー42に流入した溶融材料をキャビティCに導く通路であり、ゲート43の流路断面積は、ランナー42の流路断面積よりも小さい。型4には、キャビティCと同数のランナー42及びゲート43が形成され、スプルー41に供給された溶融材料は、ランナー42及びゲート43を介して各々のキャビティCに供給される。
なお、キャビティCが環状である場合であって、第一型4aが1つのゲート43を備える場合、キャビティC内における溶融材料の流入経路は、ゲート43からキャビティCの環状の周方向に流動する経路となる。つまり、キャビティCにおいて、溶融材料は、最初にゲート43の近傍に流入し、最後にゲート43からの最遠距離に流入する。
また、型4には、キャビティCにおいて、供給された溶融材料から受ける圧力を検出する第一圧力センサ44が設けられる。第一圧力センサ44は、第一型4a又は第二型4bの何れか一方又は双方に設けられる。また、第一圧力センサ44は、接触式のセンサであってもよく、非接触式のセンサであってもよい。
具体的に、型4は、6つの第一圧力センサ44a-44fを備える。6つの第一圧力センサ44a-44fは、何れも第一型4aに設けられる。そして、6つの第一圧力センサ44a-44fの各々は、ゲート43からの距離が異なる複数の位置に配置され、配置された各々の位置で溶融材料から受ける圧力を検出する。そして、6つの第一圧力センサ44a-44fのうちの一部(第一圧力センサ44a-44c)は、流入経路における中間位置に対し、ゲート43よりもゲート43からの最遠位置寄りに配置される。一方、6つの第一圧力センサ44a-44fのうちの他の一部(第一圧力センサ44d-44f)は、流入経路における中間位置に対し、ゲート43からの最遠位置よりもゲート43寄りの位置に配置される。
6つの第一圧力センサ44a-44fのうち、第一圧力センサ44aは、流入経路において最もゲート43から離れた位置に配置される。また、第一圧力センサ44bは、次にゲート43から離れた位置に配置され、順次、第一圧力センサ44c-44eが、ゲート43から離れた位置に配置される。そして、第一圧力センサ44fは、最もゲート43から近い位置に配置される。
具体的に、第一圧力センサ44aは、ゲート43からキャビティCに流入した溶融材料が最後に到達する領域に配置される。一方、第一圧力センサ44fは、ゲート43の延長線上の領域であって、キャビティC内において溶融材料が最初に流入する領域に配置される。
さらに、型4には、供給路4cにおいて、溶融材料から受ける圧力を検出する第二圧力センサ45が設けられる。なお、第二圧力センサ45は、第一型4a又は第二型4bの何れか一方に対し、少なくとも1つ配置される。また、第二圧力センサ45は、接触式のセンサであってもよく、非接触式のセンサであってもよい。具体的に、型4は、1つの第二圧力センサ45を備える。第二圧力センサ45は、第一型4aに配置され、ランナー42において、溶融材料から受ける圧力を検出する。
型4は、さらに、温度センサ46を備えるようにしてもよい。温度センサ46は、第一圧力センサ44a-44fと同様に、例えば第一型4aに設けられる。温度センサ46は、型4内における溶融材料の温度を検出する。ただし、温度センサ46は、型4の所定位置の温度を検出することにより、溶融材料の温度を間接的に検出することもできる。また、型4には、複数の第一圧力センサ44a-44fと同様に、複数の温度センサ46を配置してもよい。すなわち、複数の温度センサ46の各々は、ゲート43からの距離が異なる複数の位置に配置される。
(5.機械学習装置110,210の構成)
次に、図6を参照しながら、機械学習装置110,210(図1及び図2に示す)の構成を説明する。図6に示すように、機械学習装置110,210は、学習フェーズを実行可能な学習処理装置310と、推論フェーズを実行可能な品質予測装置320とを備える。ここで、学習処理装置310は、上述した品質予測システム100,200における第一サーバ111に相当する。また、品質予測装置320は、上述した第一例の品質予測システム100における第二サーバ112に相当し、第二例の品質予測システム200における品質予測装置212に相当する。
学習処理装置310は、品質要素データ入力部311と、訓練データセット取得部312と、訓練データセット記憶部313と、学習済みモデル生成部314とを備える。品質要素データ入力部311は、対応する成形品に紐付けられた品質要素データを入力する。品質要素データは、例えば、成形品の形状(各種寸法)や質量、ボイド体積や焼けの程度等が例示される。
訓練データセット取得部312は、成形機1から圧力データ、温度データ等の成形時データ、並びに、品質要素データ入力部311に入力された品質要素データを訓練データセットとして取得する。取得された訓練データセットは、訓練データセット記憶部313に記憶される。学習済みモデル生成部314は、訓練データセット記憶部313に記憶された成形時データ及び品質要素データに基づき、紐付けされた成形時データと品質要素データとを訓練データセットとする機械学習を行うことにより、成形時データと成形品の品質要素とに関する学習済みモデルを生成する。
品質予測装置320は、学習済みモデル記憶部321と、成形時データ取得部322と、品質予測部323と、出力部324とを主に備える。学習済みモデル記憶部321は、学習済みモデル生成部314が生成した学習済みモデルを記憶する。成形時データ取得部322は、成形機1が新たに成形品を成形した際に、第一圧力センサ44、第二圧力センサ45及び温度センサ46等が検出した成形時データを取得する。
なお、本例において、成形時データ取得部322は、6つの第一圧力センサ44及び第二圧力センサ45が検出した全ての圧力データを取得しているが必ずしもこれに限られるものではない。即ち、成形時データ取得部322は、6つの第一圧力センサ44及び第二圧力センサ45が検出した圧力データの一部のみを取得してもよい。即ち、成形時データ取得部322は、品質予測装置320による品質予測において必要とされる圧力データのみを選択して取得することができる。
品質予測部323は、成形時データ取得部322が取得した成形時データと、学習済みモデル記憶部321に記憶された学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した成形品の品質要素を予測する。なお、品質予測部323が予測する品質要素は、品質要素データとして品質要素データ入力部311に入力される品質要素に含まれる。また、品質予測部323が予測する品質要素としては、成形品の形状(各種寸法)や質量、ボイド体積や焼け等が例示される。
また、品質予測部323は、予測した品質要素と予め設定された許容値とに基づいて、成形品の良否判定を行うこともできる。この場合、品質予測部323は、成形機1による成形品の成形後であって成形機1による成形工程の次工程の実行前に、成形品の良否判定を行うとよい。
出力部324は、品質予測部323による予測結果を出力する。出力部324は、例えば、表示装置(図示せず)への表示による案内、音声による案内、表示灯による案内等を行う。この場合に、出力部324は、品質予測装置320に設けられた表示装置等に案内を行うようにしてもよいし、複数の成形機1の各々に設けられた表示装置等に案内を行うようにしてもよい。また、出力部324は、管理装置に設けられた表示装置等に案内を行うようにしてもよい。また、出力部324は、作業者又は管理者が所有する携帯端末に案内を行うこともできる。
さらに、出力部324は、品質予測部323が良否判定を行う場合には、良否判定結果を成形機1に出力して、成形機1に対して良否判定結果に応じた処理を実行させることも可能である。例えば、成形品の品質要素の良否判定結果において不良であると判定された場合には、出力部324は、成形機1に対して、当該成形品の廃棄処理又は選別処理を実行するようにしてもよい。
なお、本例では、成形機1による形成品の成形時に得られるデータとして、第一圧力センサ44、第二圧力センサ45が検出した圧力データ、及び、温度センサ46が検出した温度データ等を用いて生成した学習済みモデルを用いて、成形品の品質要素を予測しているが、これに限られるものではない。即ち、温度データを用いずに生成した学習済みモデルを用いて、成形品の品質要素を予測してもよい。
このように、学習処理装置310において、学習済みモデル生成部314は、少なくとも圧力データと品質要素データとを訓練データセットとする機械学習により、少なくとも圧力データと成形品の品質要素とに関する学習済みモデルを生成する。また、品質予測装置320において、学習済みモデル記憶部321は、学習済みモデル生成部314が生成した学習済みモデルを記憶する。そして、品質予測部323は、新たな成形品を成形した際に得られた圧力データと、学習済みモデル記憶部321に記憶された学習済みモデルとに基づき、新たに成形した当該成形品の品質要素を予測する。よって、機械学習装置110,210は、成形品の品質要素を高精度に予測することができる。以下に、機械学習装置110,210を用いた各種品質要素の予測方法について、具体例を挙げながら説明する。
(6.第一例の品質予測システム100,200)
次に、品質予測システム100,200の第一例である形状予測システム100aについて説明する。形状予測システム100aは、成形機1が成形した成形品の形状精度を予測する品質予測システムである。ここでは、形状予測システム100aが、成形品の寸法のうち、環状に成形された成形品の外周面又は内周面の真円度を予測する場合を例に挙げて説明する。
(6-1:形状予測システム100aにおける圧力データ)
図7A及び図7Bを参照して、射出充填工程から保圧工程を介して冷却工程までにおいて、6つの第一圧力センサ44a-44fにより検出される圧力データについて説明する。図7Aには、射出充填工程から冷却工程までにおいて、所定の成形条件Xで成形した成形品の成形時における圧力推移データを示すグラフが示され、図7Bには、射出充填工程から冷却工程までにおいて、成形条件Xとは異なる成形条件Yで成形した成形品の成形時における圧力推移データを示すグラフが示されている。
成形条件Xで成形した成形品の真円度は、成形条件Yで成形した成形品の真円度と比べて、大きくなった。つまり、成形条件Xで成形した成形品は、成形条件Yで成形した成形品よりも形状精度が低くなった。以下、圧力推移データと形状精度との関係についての考察を述べる。
図7A及び図7Bにおいて、T1-T2間が射出充填工程であり、T2-T3間が保圧工程であり、T3以降が冷却工程である。保圧処理の開始時刻は、キャビティC内に充填されたときであるため、全ての第一圧力センサ44の圧力データがゼロでない値(微小の所定値よりも大きな値)になったときである。保圧処理の終了時刻、即ち、保圧力減少処理の開始時刻は、スクリュ33による押し込み力の付与を停止したときである。なお、以下において、保圧処理における圧力推移データを「保圧処理推移データ」と称し、保圧力減少処理における圧力推移データを「減少処理推移データ」と称す。
保圧力減少処理が開始された際に、キャビティC内の溶融材料が全域に亘って均等に収縮することで、固化後の成形品の形状精度が向上すると考えられる。そして、キャビティC内に充填された溶融材料が、保圧力減少処理を開始してから全域に亘って均等に収縮した場合、6つの第一圧力センサ44の減少処理推移データが近似すると考えられる。一方、保圧力減少処理を開始してからの溶融材料の収縮度合が、キャビティCにおける溶融材料の位置によって大きく異なる場合、6つの第一圧力センサ44の減少処理推移データのバラツキが大きくなると考えられる。
図7Aに示すグラフと図7Bに示すグラフとを比較した場合、成形条件Xの減少処理推移データは、成形条件Yの減少処理推移データと比べて、各々の減少処理推移データ間での挙動のバラツキが大きいと判断できる。特に、成形条件Xの減少処理推移データに関して、第一圧力センサ44aの減少処理推移データの挙動は、第一圧力センサ44fの減少処理推移データの挙動との違いが大きいと判断できる。
つまり、成形条件Xでは、キャビティCに充填された溶融材料のうち、ゲート43の近傍に位置する溶融材料と、ゲート43から離れて位置する溶融材料との間で、保圧力減少処理を開始してからの成形品の収縮度合にバラツキが発生したと判断できる。その結果、成形条件Xにより成形された成形品は、成形条件Yにより成形された成形品と比べて、形状精度が低く、真円度が大きくなると判断できる。このように、6つの第一圧力センサ44a-44fの各々の保圧力減少処理データの違いやバラツキは、成形品の形状精度との相関性が高い。
(6-2:形状予測システム100aの構成)
次に、図8を参照しながら、形状予測システム100aの構成を説明する。図8に示すように、形状予測システム100aは、複数の成形機1(図1及び図2に示す)と、学習処理装置310aと、形状予測装置320aとを備える。
なお、形状予測システム100aにおいて、圧力データは、保圧力減少処理のときに圧力センサ44,45により検出された型4内の圧力データである。以下、保圧力減少処理における圧力データを「減少処理圧力データ」と定義し、保圧力を減少開始してからの経過時間と圧力データとの関係を「減少処理推移データ」と定義する。
学習処理装置310は、形状データ入力部311aと、訓練データセット取得部312aと、訓練データセット記憶部313aと、学習済みモデル生成部314aとを備える。形状データ入力部311aは、品質要素データ入力部311の一例である。そして、形状データ入力部311aには、成形機1が成形した成形品における外周面及び内周面の真円度の測定値が、品質要素データとして入力される。
訓練データセット取得部312aは、品質要素データとして形状データ入力部311aに入力された成形品の形状データ(真円度データ)を取得する。また、訓練データセット取得部312aは、複数の成形機1の各々において、保圧力減少処理のときに圧力センサ44,45が検出した圧力データを、減少処理圧力データとして収集する。取得された訓練データセットは、訓練データセット記憶部313aに記憶される。
学習済みモデル生成部314aは、訓練データセット記憶部313aに記憶された減少処理圧力データ及び形状データに基づき、紐付けされた減少処理圧力データと形状データとを訓練データセットとする機械学習を行うことにより、減少処理圧力データと成形品の形状(真円度)とに関する学習済みモデルを生成する。
形状予測装置320aは、品質予測装置320の一例である。形状予測装置320aは、学習済みモデル記憶部321aと、成形時データ取得部322aと、形状予測部323aと、出力部324aとを備える。学習済みモデル記憶部321aは、学習済みモデル生成部314aが生成した学習済みモデルを記憶する。成形時データ取得部322aは、成形機1が新たに成形品を成形した際に6つの第一圧力センサ44a-44fの各々が検出した圧力データを、減少処理圧力データとして取得する。品質予測部323の一例である形状予測部323aは、成形時データ取得部322aが取得した減少処理圧力データ(減少処理推移データ)と、学習済みモデル記憶部321aに記憶された学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した成形品の形状(真円度)を予測する。
ここで、本例の形状予測システム100aにおいて、減少処理圧力データは、保圧力減少処理において6つの第一圧力センサ44a-44fにより検出された圧力データを含む。この点に関して、減少処理圧力データは、第二圧力センサ45により検出された圧力データを含むようにしてもよい。また、減少処理圧力データは、6つの第一圧力センサ44a-44fのうち一部のみにより検出された圧力データとすることも可能である。
具体的に、訓練データセット取得部312a及び成形時データ取得部322aは、減少処理圧力データとして、6つの第一圧力センサ44a-44fのうち少なくとも2つから圧力データを取得すればよい。これにより、学習済みモデル生成部314aは、溶融材料のキャビティC内での位置による収縮度合の違いやバラツキと形状精度(形状データ、特に真円度データ)との相関を持たせた学習済みモデルを生成できる。そして、形状予測部323aは、溶融材料のキャビティC内での位置による収縮度合の違いやバラツキに基づいて、成形品の形状(真円度)を予測するので、予測精度を高めることができる。
また、訓練データセット取得部312a及び成形時データ取得部322aは、流入経路における中間位置よりもゲート43寄りの位置に配置された第一圧力センサ44d-44fのうち少なくとも何れか1つが検出した減少処理圧力データと、流入経路における中間位置よりもゲート43からの最遠位置寄りの位置に配置された第一圧力センサ44a-44cの少なくとも何れか1つが検出した圧力データとを取得することが好ましい。これにより、学習済みモデル生成部314aは、溶融材料のキャビティC内での位置による収縮度合の違いやバラツキと、形状精度との相関性がより高い学習済みモデルを生成でき、形状予測部323aは、成形品の形状(真円度)の予測精度を更に向上させることができる。
さらにこの場合、訓練データセット取得部312a及び成形時データ取得部322aは、6つの第一圧力センサ44a-44fの中で、ゲート43から最遠の位置に配置される第一圧力センサ44a、及び、最もゲート43寄りに配置される第一圧力センサ44fの2つから圧力データを取得することが好ましい。
つまり、これら2つの第一圧力センサ44a,44fは、6つの第一圧力センサ44a-44fのうち、流入経路において最も離れた位置に配置される。そして、キャビティCに充填された溶融材料のうち、当該2つの第一圧力センサ44a,44fの各々が配置された領域に位置する溶融材料は、保圧力を減少開始されてからの収縮度合にバラつきが生じやすいと考えられる。従って、6つの第一圧力センサ44a-44fのうちの一部から取得した圧力データを減少処理圧力データとする場合には、当該2つの第一圧力センサ44a,44fの圧力データを含めることにより、学習済みモデル生成部314aは、精度の高い学習済みモデルを生成でき、形状予測部323aは、成形品の形状の予測精度を高めることができる。
特に成形機1において、型4には、1つのキャビティCに対してゲート43が一箇所だけ設けられ、キャビティCに流入した溶融材料は、ゲート43からキャビティCの環状の周方向に流動する。このような場合において、ゲート43からキャビティCに溶融材料を押し込むことによりキャビティCに充填された溶融材料に加わる圧力は、ゲート43に近い位置と遠い位置とで差が大きくなる場合があり、この差が成形品の形状精度に影響を与える。
この点に関し、学習済みモデル生成部314aは、ゲート43からの距離が異なる複数の位置に配置された複数の第一圧力センサ44が検出した各々の減少処理圧力データ(減少処理推移データ)を訓練データセットとする学習済みモデルを生成する。そして、形状予測部323aは、複数の第一圧力センサ44が検出した各々の減少処理圧力データ(減少処理推移データ)と学習済みモデルとに基づき、成形品の形状(真円度)を予測する。よって、形状予測システム100aは、成形品の形状(真円度)の予測精度を高めることができる。
ここで、図9を参照して、学習済みモデル生成部314aが学習済みモデルを生成する際に用いる訓練データセットの一例を説明する。学習済みモデル生成部314aは、複数の第一圧力センサ44の減少処理圧力データそのものだけでなく、減少処理推移データから得られる統計量を訓練データセットとすることができる。なお、第二圧力センサ45の圧力データを減少処理圧力データとして取得する場合においても同様である。
例えば、図9に示すように、訓練データセットには、減少処理推移データを時間積分した積分値や、減少処理推移データを時間微分した微分値、保圧力を減少開始してから圧力データがゼロに近い所定値以下となるまでに要した時間である保圧減少時間等が含まれる。このように、学習済みモデル生成部314aは、積分値や微分値、保圧減少時間等の統計量を訓練データセットとすることにより、訓練データセットを的確に捉えることができるので、学習済みモデルを高精度化できる。
また、訓練データセットには、複数の第一圧力センサ44間での減少処理圧力データのバラツキを示す統計量が含まれる。上記したように、減少処理圧力データのバラツキが大きいほど、成形品の真円度が大きくなるという関係を有する。従って、学習済みモデル生成部314aは、減少処理圧力データのバラツキを示す統計量を訓練データセットとして含むことで、当該バラツキと、成形品の形状精度、特に真円度との相関性が高い学習済みモデルを生成できる。
減少処理圧力データのバラツキを示す統計量の例としては、複数の第一圧力センサ44の減少処理圧力データの差、複数の減少処理圧力データの分散、複数の減少処理推移データの時間積分値の差、減少処理推移データの時間積分値の分散、減少処理推移データの時間微分値の平均値の差、減少処理推移データの時間微分値の平均値の分散、各々の第一圧力センサ44間での保圧減少時間の差等が例示される。
以上説明したように、学習済みモデル生成部314aは、減少処理のときに複数の第一圧力センサ44の各々が検出した6つの減少処理圧力データ(減少処理推移データ)と形状データ(真円度データ)とを訓練データセットとする機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。そして、学習済みモデル記憶部321aは、学習済みモデル生成部314aが生成した学習済みモデルを記憶する。さらに、形状予測部323aは、新たな成形品を成形した際に成形時データ取得部322aが取得した減少処理圧力データ(減少処理推移データ)と、学習済みモデル記憶部321aに記憶された学習済みモデルとに基づき、新たに成形した当該成形品の形状(真円度)を予測する。よって、形状予測システム100aは、成形品の形状を高精度に予測することができる。
さらに、複数の第一圧力センサ44は、キャビティCにおいて異なる複数の位置に配置される。そして、各々の第一圧力センサ44は、保圧力減少処理のときに、配置された各々の位置で溶融材料から受ける圧力を検出する。また、訓練データセット取得部312aは、複数の第一圧力センサ44の各々が検出した複数の圧力データを取得して訓練データセット記憶部313aに記憶する。そして、学習済みモデル生成部314aは、複数の圧力データを訓練データセットとする機械学習を行うことにより、学習済みモデルを生成する。これにより、学習済みモデル生成部314aは、溶融材料のキャビティC内での位置による収縮度合の違いやバラツキと、形状データ(真円度データ)との相関性が高い学習済みモデルを生成できる。よって、形状予測システム100aは、高精度な学習済みモデルを生成することができ、その結果、成形品の形状予測の精度を高めることができる。
(7.第二例の品質予測システム100,200)
品質予測システム100,200の第二例である質量予測システム100bについて説明する。質量予測システム100bは、成形機1が成形した成形品の質量を予測する品質予測システムである。
(7-1:質量予測システム100bにおける圧力データ)
図10を参照して、射出充填工程から保圧工程を介して冷却工程までにおいて、第一圧力センサ44a及び第二圧力センサ45により検出される圧力データについて説明する。図10には、射出充填工程から冷却工程までにおいて、所定の成形条件で成形した成形品の成形時における圧力推移データを示すグラフが示されている。T1,T2及びT3は、図7A及び図7Bと同様である。なお、以下において、保圧処理における圧力データを「保圧処理圧力データ」と定義し、保圧処理において保圧処理を開始してからの経過時間と圧力データとの関係を「保圧処理推移データ」と定義する。
ここで、成形品の質量は、保圧処理圧力データと相関を有することが分かった。具体的に、保圧処理の時間が長いほど、成形品の質量が大きくなる関係を有する。また、保圧処理のときの保圧力が大きいほど、成形品の質量が大きくなる関係を有する。さらに、保圧処理推移データのバラツキが大きいほど、成形品の質量が低下する関係を有する。
また、型4の供給路4cにおいて溶融材料から加わる圧力は、キャビティCにおいて溶融材料から加わる圧力と比べて、ノズル34に近い分、保圧処理時に射出装置3から加わる圧力との相関性が高い。そして、キャビティC内で第一圧力センサ44aが溶融材料から受ける圧力は、圧力損失の発生分だけ、供給路4cにおいて溶融材料から加わる圧力よりも小さくなる。即ち、第一圧力センサ44aの保圧処理圧力データは、第二圧力センサ45の保圧処理圧力データよりも保圧力が小さくなる。そして、両者の差が大きいほど圧力損失が大きいことを意味し、結果として成形品の質量が小さくなることと考えられる。
(7-2:質量予測システム100bの構成)
次に、図11を参照しながら、質量予測システム100bの構成を説明する。図11に示すように、質量予測システム100bは、複数の成形機1(図1及び図2に示す)と、学習処理装置310bと、質量予測装置320bとを備える。学習処理装置310bは、質量データ入力部311bと、訓練データセット取得部312bと、訓練データセット記憶部313bと、学習済みモデル生成部314bとを備える。
質量データ入力部311bは、品質要素データ入力部311の一例であって、質量データ入力部311bには、成形機1が成形した成形品の質量の測定値が、品質要素データとして入力される。訓練データセット取得部312bは、品質要素データとして質量データ入力部311bに入力された成形品の質量データを取得する。また、訓練データセット取得部312bは、複数の成形機1の各々において、保圧処理のときに第一圧力センサ44a及び第二圧力センサ45が検出した圧力データを、保圧処理圧力データとして収集する。取得された訓練データセットは、訓練データセット記憶部313bに記憶される。
学習済みモデル生成部314bは、訓練データセット記憶部313bに記憶された保圧処理圧力データ及び質量データに基づき、紐付けされた保圧処理圧力データと質量データとを訓練データセットとする機械学習を行うことにより、保圧処理圧力データと成形品の質量とに関する学習済みモデルを生成する。
質量予測装置320bは、品質予測装置320の一例である。質量予測装置320bは、学習済みモデル記憶部321bと、成形時データ取得部322bと、質量予測部323bと、出力部324bとを備える。学習済みモデル記憶部321bは、学習済みモデル生成部314bが生成した学習済みモデルを記憶する。成形時データ取得部322bは、成形機1が新たに成形品を成形した際に第一圧力センサ44a及び第二圧力センサ45が検出した保圧処理圧力データを取得する。品質予測部323の一例である質量予測部323bは、成形時データ取得部322bが取得した保圧処理圧力データ(保圧処理推移データ)と、学習済みモデル記憶部321bに記憶された学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した成形品の質量を予測する。
なお、第二例の品質予測システム100である質量予測システム100bにおいて、訓練データセット取得部312b及び成形時データ取得部322bは、6つの第一圧力センサ44a-44fのうち第一圧力センサ44aの圧力データのみを、保圧処理圧力データとしているが、これに限られるものではない。つまり、訓練データセット取得部312b及び成形時データ取得部322bは、第一圧力センサ44a以外の第一圧力センサ44b-44fから圧力データを保圧処理圧力データとして取得してもよい。
また、訓練データセット取得部312b及び成形時データ取得部322bは、複数の第一圧力センサ44a-44fから圧力データを保圧処理圧力データとして取得してもよい。この場合において、訓練データセット取得部312b及び成形時データ取得部322bは、6つの第一圧力センサ44a-44fの中で、ゲート43から最遠の位置に配置される第一圧力センサ44aの圧力データを含めて取得することが好ましい。
つまり、第一圧力センサ44aは、流入経路においてゲート43からの最遠位置に配置されているため、第一圧力センサ44aから溶融材料が受ける圧力は、キャビティCに充填された溶融材料の中で最も圧力損失が大きくなる。よって、第一圧力センサ44aの保圧処理圧力データと第二圧力センサ45の保圧処理圧力データとの差は、他の第一圧力センサ44b-44fの保圧処理圧力データと第二圧力センサ45の保圧処理圧力データとの差よりも大きくなりやすいと考えられる。従って、複数の第一圧力センサ44a-44fのうちの一部から取得した圧力データ、及び、第二圧力センサ45の圧力データを保圧処理圧力データとする場合には、第一圧力センサ44aの圧力データを含めることにより、学習済みモデル生成部314bは、精度の高い学習済みモデルを生成でき、質量予測部323bは、成形品の質量の予測精度を高めることができる。
また、訓練データセット取得部312b及び成形時データ取得部322bは、少なくとも6つの第一圧力センサ44a-44fのうち1つから検出した圧力データを保圧処理圧力データとして取得してもよい。つまり、学習済みモデル生成部314bは、第二圧力センサ45の保圧処理圧力データを訓練データセットとせずに学習済みモデルを生成してもよい。この場合においても、学習済みモデル生成部314bは、第一圧力センサ44の保圧処理圧力データと、成形品の質量データとを訓練データセットとする学習済みモデルを生成することができる。よって、質量予測部323bは、第一圧力センサ44から新たに得られた保圧処理圧力データ(保圧処理推移データ)に基づいて、新たに成形された成形品の質量を予測することができる。
次に、図12を参照して、学習済みモデル生成部314bが学習済みモデルを生成する際に用いる訓練データセットの一例を説明する。学習済みモデル生成部314bは、圧力センサ44,45の保圧処理圧力データそのものだけでなく、保圧処理推移データから得られる統計量を訓練データセットとする。
例えば、図12に示すように、訓練データセットには、保圧処理推移データを時間積分した積分値が含まれる。このように、積分値を訓練データセットとすることにより、学習済みモデル生成部314bは、訓練データセットを的確に捉えることができるので、学習済みモデルを高精度化できる。
また、訓練データセットには、保圧処理の時間、保圧処理圧力データの最大値や平均値等が含まれる。この場合、学習済みモデル生成部314bは、成形品の質量に対する保圧処理における時間と保圧力との影響度合いの違いを反映した学習済みモデルを生成できるので、学習済みモデルを高精度化できる。
さらに、訓練データセットには、複数の圧力センサ44,45間での保圧処理圧力データのバラツキを示す統計量が含まれる。上記したように、保圧処理圧力データのバラツキが大きいほど、成形品の質量が低下するという関係を有する。従って、当該バラツキを示す統計量が訓練データセットとして含まれることにより、学習済みモデル生成部314bは、当該バラツキと成形品の質量との相関性が高い学習済みモデルを生成できる。
保圧処理圧力データのバラツキを示す統計量の例としては、複数の圧力センサ44,45の保圧処理圧力データの差、複数の保圧処理圧力データの分散、複数の保圧処理推移データの時間積分値の差、保圧処理推移データの時間積分値の分散、保圧処理推移データの時間微分値の平均値の差、保圧処理推移データの時間微分値の平均値の分散等が挙げられる。
以上説明したように、学習済みモデル生成部314bは、圧力センサ44,45の保圧処理圧力データと質量データを訓練データセットとする機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。よって、学習済みモデル生成部314bは、保圧処理時にキャビティCに充填された溶融材料が受ける保圧力及び保圧処理の時間と質量データとの相関性が高い学習済みモデルを生成できる。
そして、学習済みモデル生成部314bは、第一圧力センサ44の保圧処理推移データと、第二圧力センサ45の保圧処理推移データと、質量データを訓練データセットとする機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。これにより、学習済みモデル生成部314bは、保圧処理時にキャビティCに充填された溶融材料が受ける圧力及び保圧時間と質量データとの相関性が明確化した学習済みモデルを生成できるので、学習済みモデルを高精度化できる。
(8.第三例の品質予測システム100,200)
品質予測システム100,200の第三例であるボイド体積予測システム100cについて説明する。ボイド体積予測システム100cは、成形機1が成形した成形品のボイド体積を予測する品質予測システムである。
(8-1.ボイド体積予測システム100cにおける成形時データ)
成形品のボイド体積は、成形品の質量と相関を有することが分かった。ボイド体積と質量との相関については、図13に示すとおりである。つまり、同一の型4により成形された成形品において、質量が大きいほど、ボイド体積が小さくなる関係を有する。特に、質量が所定値以上の場合には、ボイド体積は、0に近い値となる。一方、質量が所定値以下の場合には、バラツキはあるが、質量が大きいほどボイド体積が小さくなる関係を有する。
ここで、上述した質量予測システム100bにおいて、成形品の質量は、保圧処理圧力データと相関を有する。具体的には、保圧処理の時間が長いほど、成形品の質量が大きくなる関係を有する。また、保圧処理のときの保圧力が大きいほど、成形品の質量が大きくなる関係を有する。さらに、保圧処理推移データのバラツキが大きいほど、成形品の質量が低下する関係を有する。さらに、第一圧力センサ44aの保圧処理圧力データは、第二圧力センサ45の保圧処理圧力データよりも保圧力が小さくなる。そして、両者の差が大きいほど圧力損失が大きいことを意味し、結果として成形品の質量が小さくなることと考えられる。つまり、成形品の質量と保圧処理圧力データとの関係、及び、質量とボイド体積との関係に基づいて、ボイド体積と保圧処理圧力データとの関係を導くことができる。
また、ボイド体積は、溶融材料の温度に相関を有する。溶融材料の温度と冷却後の温度との差が小さいほど、樹脂の収縮量が小さくなることから、ボイド体積は小さくなる傾向がある。一方、溶融材料の温度と冷却後の温度の差が大きいほど、樹脂の収縮量が大きくなることから、ボイド体積が大きくなる傾向がある。
(8-2.ボイド体積予測システム100cの構成)
次に、図14を参照しながら、ボイド体積予測システム100cの構成を説明する。図14に示すように、ボイド体積予測システム100cは、複数の成形機1(図1及び図2に示す)と、学習処理装置310cと、ボイド体積予測装置320cとを備える。学習処理装置310cは、ボイド体積データ入力部311cと、訓練データセット取得部312cと、訓練データセット記憶部313cと、学習済みモデル生成部314cとを備える。
ボイド体積データ入力部311cは、品質要素データ入力部311の一例であって、ボイド体積データ入力部311cには、成形機1が成形した成形品のボイド体積の測定値が、品質要素データとして入力される。ここで、ボイド体積は、X線CT、超音波、光干渉断層法等により計測することができる。これらの手法により計測されたボイド体積を、品質要素データとして、ボイド体積データ入力部311cに入力される。
訓練データセット取得部312cは、品質要素データとしてボイド体積データ入力部311cに入力された成形品のボイド体積データを取得する。また、訓練データセット取得部312cは、複数の成形機1の各々において、保圧処理のときに第一圧力センサ44a及び第二圧力センサ45が検出した圧力データを、保圧処理圧力データとして収集する。さらに、訓練データセット取得部312cは、複数の成形機1の各々において、保圧処理のときに温度センサ46が検出した温度データを収集する。取得された訓練データセットは、訓練データセット記憶部313cに記憶される。
学習済みモデル生成部314cは、訓練データセット記憶部313cに記憶された保圧処理圧力データ、温度データ、及び、ボイド体積データに基づき、紐付けされた保圧処理圧力データとボイド体積データとを訓練データセットとする機械学習を行うことにより、保圧処理圧力データと成形品のボイド体積とに関する学習済みモデルを生成する。
ボイド体積予測装置320cは、品質予測装置320の一例である。ボイド体積予測装置320cは、学習済みモデル記憶部321cと、成形時データ取得部322cと、ボイド体積予測部323cと、出力部324cとを備える。学習済みモデル記憶部321cは、学習済みモデル生成部314cが生成した学習済みモデルを記憶する。成形時データ取得部322cは、成形機1が新たに成形品を成形した際に第一圧力センサ44a及び第二圧力センサ45が検出した保圧処理圧力データを取得する。さらに、成形時データ取得部322cは、成形機1が新たに成形品を成形した際に温度センサ46が検出した温度データを取得する。
品質予測部323の一例であるボイド体積予測部323cは、成形時データ取得部322cが取得した保圧処理圧力データ(保圧処理推移データ)及び温度データと、学習済みモデル記憶部321cに記憶された学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した成形品のボイド体積を予測する。
また、訓練データセット取得部312c及び成形時データ取得部322cは、複数の第一圧力センサ44a-44fから圧力データを保圧処理圧力データとして取得してもよい。この場合において、訓練データセット取得部312c及び成形時データ取得部322cは、6つの第一圧力センサ44a-44fの中で、ゲート43から最遠の位置に配置される第一圧力センサ44aの圧力データを含めて取得することが好ましい。
つまり、第一圧力センサ44aは、流入経路においてゲート43からの最遠位置に配置されているため、第一圧力センサ44aから溶融材料が受ける圧力は、キャビティCに充填された溶融材料の中で最も圧力損失が大きくなる。よって、第一圧力センサ44aの保圧処理圧力データと第二圧力センサ45の保圧処理圧力データとの差は、他の第一圧力センサ44b-44fの保圧処理圧力データと第二圧力センサ45の保圧処理圧力データとの差よりも大きくなりやすいと考えられる。従って、複数の第一圧力センサ44a-44fのうちの一部から取得した圧力データ、及び、第二圧力センサ45の圧力データを保圧処理圧力データとする場合には、第一圧力センサ44aの圧力データを含めることにより、学習済みモデル生成部314cは、精度の高い学習済みモデルを生成でき、ボイド体積予測部323cは、成形品のボイド体積の予測精度を高めることができる。
また、訓練データセット取得部312c及び成形時データ取得部322cは、少なくとも6つの第一圧力センサ44a-44fのうち1つから検出した圧力データを保圧処理圧力データとして取得してもよい。つまり、学習済みモデル生成部314cは、第二圧力センサ45の保圧処理圧力データを訓練データセットとせずに学習済みモデルを生成してもよい。この場合においても、学習済みモデル生成部314cは、第一圧力センサ44の保圧処理圧力データと、成形品のボイド体積データとを訓練データセットとする学習済みモデルを生成することができる。よって、ボイド体積予測部323cは、第一圧力センサ44から新たに得られた保圧処理圧力データ(保圧処理推移データ)に基づいて、新たに成形された成形品のボイド体積を予測することができる。
また、ボイド体積予測部323cは、ボイド体積の予測値と予め設定された許容値とに基づいて、成形品の良否判定を行うこともできる。さらに、ボイド体積予測部323cは、ボイド体積の予測値に基づいて成形品の強度を判定することもできる。この場合、ボイド体積予測部323cは、成形機1による成形品の成形後であって成形機1による成形工程の次工程の実行前に、成形品の良否判定を行うとよい。
次に、図14を参照して、学習済みモデル生成部314cが学習済みモデルを生成する際に用いる訓練データセットの一例を説明する。学習済みモデル生成部314cは、圧力センサ44,45の保圧処理圧力データそのものだけでなく、保圧処理推移データから得られる統計量を訓練データセットとする。
例えば、図14に示すように、訓練データセットには、保圧処理推移データを時間積分した積分値が含まれる。このように、積分値を訓練データセットとすることにより、学習済みモデル生成部314cは、訓練データセットを的確に捉えることができるので、学習済みモデルを高精度化できる。
また、訓練データセットには、保圧処理の時間、保圧処理圧力データの最大値や平均値等が含まれる。この場合、学習済みモデル生成部314cは、成形品のボイド体積に対する保圧処理における時間と保圧力との影響度合いの違いを反映した学習済みモデルを生成できるので、学習済みモデルを高精度化できる。
さらに、訓練データセットには、複数の圧力センサ44,45間での保圧処理圧力データのバラツキを示す統計量が含まれる。上記したように、保圧処理圧力データのバラツキが大きいほど、成形品のボイド体積が低下するという関係を有する。従って、当該バラツキを示す統計量が訓練データセットとして含まれることにより、学習済みモデル生成部314cは、当該バラツキと成形品のボイド体積との相関性が高い学習済みモデルを生成できる。
保圧処理圧力データのバラツキを示す統計量の例としては、複数の圧力センサ44,45の保圧処理圧力データの差、複数の保圧処理圧力データの分散、複数の保圧処理推移データの時間積分値の差、保圧処理推移データの時間積分値の分散、保圧処理推移データの時間微分値の平均値の差、保圧処理推移データの時間微分値の平均値の分散等が挙げられる。
以上説明したように、学習済みモデル生成部314cは、圧力センサ44,45の保圧処理圧力データ、温度データ及びボイド体積データを訓練データセットとする機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。よって、学習済みモデル生成部314cは、保圧処理時にキャビティCに充填された溶融材料が受ける保圧力及び保圧処理の時間、保圧処理の溶融材料の温度とボイド体積データとの相関性が高い学習済みモデルを生成できる。
そして、学習済みモデル生成部314cは、第一圧力センサ44の保圧処理圧力データと、第二圧力センサ45の保圧処理圧力データと、温度センサ46の温度データと、ボイド体積データを訓練データセットとする機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。これにより、学習済みモデル生成部314cは、保圧処理時にキャビティCに充填された溶融材料が受ける圧力及び保圧時間と、溶融材料の温度と、ボイド体積データとの相関性が明確化した学習済みモデルを生成できるので、学習済みモデルを高精度化できる。
(9.その他)
上記した第一例の品質予測システム100,200としての形状予測システム100aの成形機1において、型4には6つの第一圧力センサ44a-44fが配置される場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。つまり、型4には複数の第一圧力センサ44が配置されていればよく、第一圧力センサ44の数が5つ以下又は7つ以上としてもよい。
この場合、複数の第一圧力センサ44は、流入経路においてゲート43の距離が異なる複数の位置に配置されていればよい。例えば、形状予測システム100aにおいて、6つの第一圧力センサ44a-44fは、何れも図4に示す右側半分に配置されているが、第一圧力センサ44は、環状のキャビティCの周方向における何れの位置に配置してもよい。
上記した品質予測システム100,200の成形機1において、型4には1つのキャビティCに対してゲート43が1つのみであるが、1つのキャビティCに対して2つ以上のゲート43を設けてもよい。
1:成形機、 4:型、 6:動作指令部、 7:制御装置、 8:動作指令データ調整部、 42:ランナー、 43:ゲート、 44a-44f:第一圧力センサ、 45:第二圧力センサ、 46:温度センサ、 100,200:品質予測システム、 100a:形状予測システム(品質予測システム)、 100b:質量予測システム(品質予測システム)、 100c:ボイド体積予測システム(品質予測システム)、 110,210:機械学習装置、 111:第一サーバ、 112:第二サーバ、 212:品質予測装置、 310,310a,310b,310c:学習処理装置、 311:品質要素データ入力部、 311a:形状データ入力部、 311b:質量データ入力部、 311c:ボイド体積データ入力部、 312,312a,312b,312c:訓練データセット取得部、 313,313a,313b,313c:訓練データセット記憶部、 314,314a,314b,314c:モデル生成部、 320:品質予測装置、 320a:形状予測装置、 320b:質量予測装置、 320c:ボイド体積予測装置、 321,321a,321b,321c:モデル記憶部、 322,322a,322b,322c:成形時データ取得部、 323:品質予測部、 323a:形状予測部、 323b:質量予測部、 323c:ボイド体積予測部、 324,324a,324b,324c:出力部

Claims (20)

  1. 成形機の型のキャビティに溶融材料を供給し、所定の保圧力により所定時間の保圧処理を行った後に前記保圧力を減少させる処理を行うことにより成形品を成形する成形方法に適用され、
    前記型に配置され、前記キャビティにおいて供給された前記溶融材料から受ける圧力を、異なる複数の位置で、各々検出する複数の第一圧力センサと、
    前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の圧力データと前記成形品の形状とを訓練データセットとする機械学習により生成された学習済みモデルであって、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とに関する前記学習済みモデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、
    前記保圧力の減少処理のときに新たに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の圧力データと前記学習済みモデルとに基づいて、新たに成形した前記成形品の形状精度を予測する品質予測部と、
    を備えた、成形品の品質予測システム。
  2. 前記訓練データセットは、前記保圧処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された前記圧力データを含まない、請求項1に記載の品質予測システム。
  3. 前記成形方法は、前記保圧処理を行った後に冷却工程を含み、
    前記冷却工程は、前記溶融材料の押し込みを停止して前記保圧力を減少させる処理を行い、
    前記保圧力の減少開始時は、前記冷却工程の開始時である、請求項1又は2に記載の品質予測システム。
  4. 複数の前記第一圧力センサは、前記キャビティ内において前記型のゲートから前記溶融材料が流入する流入経路において、前記ゲートからの距離が異なる複数の位置に配置される、請求項1-3の何れか一項に記載の品質予測システム。
  5. 複数の前記第一圧力センサは、前記流入経路における前記ゲート寄りの位置と、前記流入経路において前記ゲートからの最遠位置寄りの位置との2箇所に少なくとも配置される、請求項4に記載の品質予測システム。
  6. 前記成形品及び前記キャビティは、環状であり、
    前記型は、1箇所の前記ゲートを有し、
    前記流入経路は、前記ゲートから前記キャビティの環状の周方向に流動する経路である、請求項4又は5に記載の品質予測システム。
  7. 前記品質予測部は、前記形状精度として、前記成形品の前記環状における外周面又は内周面の真円度を予測する、請求項6に記載の品質予測システム。
  8. 前記訓練データセットは、各々の前記第一圧力センサ間での前記圧力データのバラツキを示す値を含む、請求項1-7の何れか一項に記載の品質予測システム。
  9. 前記訓練データセットは、前記保圧力を減少開始してからの経過時間と前記圧力データとの関係を減少処理推移データと定義した場合に、前記減少処理推移データを時間積分した積分値を含む、請求項1-8の何れか一項に記載の品質予測システム。
  10. 前記訓練データセットは、前記保圧力を減少開始してからの経過時間と前記圧力データとの関係を減少処理推移データと定義した場合に、前記減少処理推移データを時間微分した微分値を含む、請求項1-9の何れか一項に記載の品質予測システム。
  11. 前記訓練データセットは、前記保圧力を減少開始してから前記第一圧力センサにより検出された前記圧力データが所定値以下となるまでに要した時間を保圧減少時間と定義した場合に、各々の前記第一圧力センサ間での前記保圧減少時間の差を含む、請求項1-10の何れか一項に記載の品質予測システム。
  12. 前記品質予測部は、前記形状精度の予測値と許容値とに基づいて前記成形品の良否判定を行う、請求項1-11の何れか一項に記載の品質予測システム。
  13. 前記品質予測部は、前記成形品の成形後であって次工程の実行前に、前記成形品の良否判定を行う、請求項12に記載の品質予測システム。
  14. 前記品質予測システムは、前記成形品の良否判定において不良と判定された前記成形品の廃棄処理又は選別処理を実行する、請求項12又は13に記載の品質予測システム。
  15. 前記品質予測システムは、さらに、
    前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とを前記訓練データセットとする機械学習により前記学習済みモデルを生成し、生成した前記学習済みモデルを前記学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル生成部を備える、請求項1-14の何れか一項に記載の品質予測システム。
  16. 前記品質予測システムは、さらに、
    複数の前記成形機と通信可能に設けられたサーバと、
    複数の前記成形機のそれぞれに対応するように設けられた複数の品質予測装置と、
    を備え、
    前記サーバは、
    複数の前記成形機から前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の前記圧力データを取得すると共に、複数の前記成形機により成形された前記成形品の形状を取得する訓練データセット取得部と、
    前記訓練データセット取得部により取得された前記圧力データと前記成形品の形状とに基づき、前記学習済みモデルを生成する前記学習済みモデル生成部と、
    を備え、
    前記品質予測装置は、
    対応する前記成形機から前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の前記圧力データを取得する成形時データ取得部と、
    前記学習済みモデル記憶部と、
    前記品質予測部と、
    を備える、請求項15に記載の品質予測システム。
  17. 成形機の型のキャビティに溶融材料を供給し、所定の保圧力により所定時間の保圧処理を行った後に前記保圧力を減少させる処理を行うことにより成形品を成形する成形方法に適用され、
    前記型に配置され、前記キャビティにおいて供給された前記溶融材料から受ける圧力を、異なる複数の位置で、各々検出する複数の第一圧力センサと、
    前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された複数の圧力データと前記成形品の形状とを訓練データセットとする機械学習により、前記保圧力の減少処理のときに複数の前記第一圧力センサの各々により検出された複数の前記圧力データと前記成形品の形状とに関する学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、
    を備えた、成形品の品質予測システム。
  18. 前記訓練データセットは、前記保圧処理のときに複数の前記第一圧力センサにより検出された前記圧力データを含まない、請求項17に記載の品質予測システム。
  19. 前記成形方法は、前記保圧処理を行った後に冷却工程を含み、
    前記冷却工程は、前記溶融材料の押し込みを停止して前記保圧力を減少させる処理を行い、
    前記保圧力の減少開始時は、前記冷却工程の開始時である、請求項17又は請求項18に記載の品質予測システム。
  20. 請求項1-16の何れか一項に記載の品質予測システムに用いられる前記成形機であって、
    前記成形機の制御装置に動作指令データを与える動作指令部と、
    前記品質予測部による前記形状精度の予測結果に基づき、前記動作指令データの調整を行う動作指令データ調整部と、
    を備えた、成形機。
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