JP6939164B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
タイヤ用ゴム組成物においては、低燃費性及びウェットグリップ性をバランスよく向上させる目的で、シリカを配合する技術が広く使用されている。
シリカは、凝集性が高く、ゴム中に均一に分散させることは困難であるため、シリカと結合し、シリカの分散を促進するシランカップリング剤と併用することが一般的である。従来から、シリカの分散性の向上のために、シランカップリング剤の反応性を高める手法が種々検討されており、例えば、特許文献1では、ヒドロキシ酸、イタコン酸をゴム組成物に配合する手法が開示されている。また、シランカップリング剤の反応性を高める他の手法として、通常は仕上げ練り工程で投入する加硫促進剤を、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤とともにベース練り工程で投入する手法も知られている。しかしながら、近年では、シリカの分散性の更なる向上が求められている。
国際公開第2011/062099号
本発明は、前記課題を解決し、良好な加工性を得つつ、シリカの分散性を向上させ、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られるタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物1及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程と、押出機により、前記仕上げ練り工程で得られた混練物2を押し出す押出工程とを含み、前記押出機は、シリンダ、スクリュー、及び前記シリンダの内面に突設したピンを備え、かつ前記ピンをスクリューピッチ毎に平均8〜15個突設したものであるタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物1及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程と、押出機により、前記仕上げ練り工程で得られた混練物2を押し出す押出工程とを含み、前記押出機は、シリンダ、スクリュー、及び前記シリンダの内面に突設したピンを備え、かつ前記ピンをスクリューピッチ毎に平均8〜15個突設したものであるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、良好な加工性を得つつ、シリカの分散性を向上させ、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られる。
押出工程で用いる押出機の概略図の一例。 押出機の概略図、及びピン突設箇所における円周面の概略図の一例。
本発明は、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物1及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程と、押出機により、前記仕上げ練り工程で得られた混練物2を押し出す押出工程とを含み、前記押出機は、シリンダ、スクリュー、及び前記シリンダの内面に突設したピンを備え、かつ前記ピンをスクリューピッチ毎に平均8〜15個突設したものであるタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
混練工程で得られた混練物を押出機で混練する際、シリンダ等に設けるピン密度(ピンの個数)が高い方が効果的な練りを実現できるため、シリカ分散性が高くなる。しかし、その一方で、通常の配合ではヤケが生じるという問題がある。本発明では、加硫促進剤をベース練りで添加・混練することによるシリカ分散の向上効果、更に押出機のピン密度を最適化することによるシリカ分散の向上効果が相乗的に得られることで、シリカ分散を顕著に向上できる。
これは、加硫促進剤をベース練りで投入することにより、低粘度の配合ゴムが得られるため、発熱を抑制できること、そのため、高シェア条件でも焼けにくいので、押出機のピン密度を高めて高シェアにできること、によるもので、これにより、シリカ分散が相乗的に向上したものと推察される。従って、混練中のヤケ等を防止して良好な加工性(混練加工性、押出加工性)を得つつ、低燃費性及びウェットグリップ性能の性能バランスを相乗的に改善できる。
以下、各工程の詳細について説明する。
(ベース練り工程)
ベース練り工程では、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤を混練する。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、SBR、BRが好ましく、SBR、BRの併用がより好ましい。
シランカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、スルフィド系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
シリカとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50〜250m/g、より好ましくは120〜200m/gである。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
加硫促進剤としては特に限定されないが、例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという理由から、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類が好ましい。
グアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
スルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
チアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モリホリノチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドが好ましい。
チウラム類としては、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィドが好ましい。
ベース練り工程において、加硫促進剤の投入量は、シランカップリング剤とシリカの反応促進効果の観点から、シリカの投入量100質量部に対して、0.1〜10質量部に設定することが好ましい。
ベース練り工程では、上述のゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、加硫促進剤以外に、他の成分を投入して混練してもよい。他の成分としては、仕上げ練り工程で投入する加硫剤以外であれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、オイル、ステアリン酸、老化防止剤等が挙げられる。
ベース練り工程において、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤の投入量は、全量(全工程で使用する合計量)であってもよいし、一部であってもよい。
シリカの分散をより促進できるという理由から、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤は、ベース練り工程で全量を投入して混練することが好ましく、加硫促進剤は、一部をベース練り工程で投入して混練し、残部を仕上げ練り工程で投入して混練することが好ましい。
ベース練り工程で使用する混練機としては、密閉型のバンバリーミキサーが好ましい。バンバリーミキサーのローターの形状は、接線式、噛合式のいずれであってもよい。
ベース練り工程において、混練物1の排出温度は、シリカ及びシランカップリング剤の反応促進効果の観点から、130〜160℃が好ましい。
(仕上げ練り工程)
仕上げ練り工程では、ベース練り工程で得られた混練物1及び加硫剤を投入して混練する。
仕上げ練り工程の混練方法としては特に限定されず、例えば、オープンロール等の公知の混練機を用いることができる。混練物2の排出温度は、80〜120℃が好ましい。
仕上げ練り工程で投入する加硫剤としては、ゴム成分を架橋可能な薬品であれば特に限定されないが、例えば、硫黄等が挙げられる。また、ハイブリッド架橋剤(有機架橋剤)についても本発明における加硫剤として使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、硫黄が好ましい。
なお、仕上げ練り工程では、上述の加硫剤以外に、他の成分を投入して混練してもよい。他の成分としては、例えば、加硫促進剤、酸化亜鉛等が挙げられる。
仕上げ練り工程で投入する加硫促進剤としては、ベース練り工程で投入する加硫促進剤と同様のものを使用できるが、グアニジン類、チアゾール類、スルフェンアミド類が好ましく、グアニジン類、チアゾール類、スルフェンアミド類の併用がより好ましい。
(押出工程)
押出工程では、仕上げ練り工程で得られた混練物2をシート状に押出成形する。
押出工程では、シリンダ、スクリュー、及び前記シリンダの内面に突設したピン(シリンダの内面に突出するように取り付けたピン)を備え、かつスクリューピッチ毎のピンの平均個数が所定範囲の押出機を用いて、混練物2が押し出される。
図1は、押出工程に用いる押出機の概略図の一例を示す。図1(a)、(c)の押出機1は、シリンダ11、スクリュー12、シリンダ11の内面に突設されたピン13を備えた形態で、図1(b)は、ピン13が突設されていない形態である。スクリュー12は、軸部回りに螺旋状にフライト121を有し、シリンダ11内に挿入して設置される。図1(a)、(c)のピン13は、シリンダ11内の材料搬送空間に突設されているため、フライト121には、ピン13との干渉を防止するため、切欠部122が設けられている。
図2は、押出機の概略図、及びピン突設箇所における円周面の概略図の一例を示したものである。図2の左図は、図1(a)、(c)と同様、ピン13、切欠部122を備えた形態を示す。右図(i)、(ii)、(iii)は、切欠部122において、それぞれ円周内にピン13を6個、8個、10個突設した形態を示している。なかでも、切欠部122当たり、ピン13を6〜8個突設した形態が好ましい。
押出機1は、ピン13がスクリューピッチP毎に平均8〜15個突設されており、シリカ分散性の観点から、平均10〜12個突設した形態が好ましい。スクリューピッチPは、図1、2に示すように、スクリュー12が360度回転したときにスクリュー12が軸方向に前進する距離(リード)である。
例えば、図1(a)(スクリューピッチP毎のピンの列数:1列)で、図2(iii)(円周内のピン13の個数:10個)の押出機1の場合、スクリューピッチP毎のピン13の平均個数は10個(=1列×10個)である。図1(c)(スクリューピッチP毎のピンの列数:1.5列)で、図2(ii)(円周内のピン13の個数:8個)の押出機1の場合、スクリューピッチP毎のピン13の平均個数は12個(=1.5列×8個)である。
ピン13は、スクリューピッチP毎に均一に突設することが望ましく、例えば、図1(a)、(c)、図2に示されている態様のように、円周状のピン13(切欠部122)をスクリュー軸方向に均一に設置することが好適である。また、各切欠部122に設置される各円周状のピン13の個数は、各切欠部122(各円周状の1組のピン13のセット)で同数であることが好ましい。
押出工程では、押出機1の材料供給部(図示省略)から供給された混練物2が、シリンダ11内のピン13が所定個数突設された混練室内において、スクリュー12の回転により順次移動し、ピン13とスクリュー12で混練、可塑化され、先端の射出ノズル(図示省略)の金型に射出され、シート状に成形される。
(加硫工程)
前述の工程で作製された混練物(未加硫ゴム組成物)は、通常、その後加硫される。例えば、未加硫ゴム組成物を、トレッド等のタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造することができる。加硫温度は、130〜200℃が好ましく、加硫時間は、5〜15分が好ましい。
低燃費性及びウェットグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは60質量部以上、であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
低燃費性及びウェットグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol NS210(S−SBR)
BR:宇部興産(株)製のBR150B
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックN220(NSA:114m/g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX140(アロマオイル)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
加硫促進剤D:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤DT:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDT(1,3−ジ−o−トリルグアニジン)
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤M−P:大内新興化学工業(株)製のノクセラーM−P(2−メルカプトベンゾチアゾール)
加硫促進剤TOT−N:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
加硫促進剤TBZTD:三新化学工業(株)製のサンセラーTBZTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド)
加硫促進剤MBTS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジベンゾチアジルジスルフィド)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
(実施例及び比較例)
(1)ベース練り工程
バンバリーミキサーを用いて、表1〜5のベース練り工程の項目に記載の材料を混練し、ゴム温度(混練物の温度)が約150℃になった時点で排出した。
(2)仕上げ練り工程
オープンロールを用いて、ベース練り工程で得られた混練物1と、表1〜5の仕上げ練り工程の項目に記載の材料とを混練し、ゴム温度が約110℃になった時点で排出した。
(3)押出工程
仕上げ練り工程で得られた混練物2を、図1(a)〜(c)、図2に示される押出機(スクリュー径:φ80mm、L/D:20、シリンダ温度:75℃)を用いて、スクリュー回転数25RPM、押出速度は約25m/分で、平板状のシートを押出し、未加硫ゴム組成物を得た。なお、各実施例、比較例で用いた押出機の仕様は、各表に記載のとおりである。
(4)加硫工程
押出工程で得られた未加硫ゴム組成物を170℃で10分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物、未加硫ゴム組成物について、下記の評価を行った。結果を表1〜5に示す。なお、各表における基準配合は以下のとおりである。
表1:比較例1−1
表2:比較例2−1
表3:比較例3−1
表4:比較例4−1
表5:比較例5−1
(生地肌)
上記未加硫ゴム組成物をロールにて1.0mm厚さのゴムシートに押出し成形し、得られたゴムシートの生地の状態を確認した。耳切れが発生しておらず、更に生地肌に問題がないものを○、問題が少しあるものを△、そうでないものを×で表記した。
(ムーニー粘度指数)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃で測定した。基準配合の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、粘度が低く、加工性が優れていることを示す。
(シリカ分散指数)
アルファーテクノロジー社製RPA2000を用いて、測定温度110℃(予熱1分)、周波数6cpm、振幅0.28〜10%の条件で、上記加硫ゴム組成物の貯蔵弾性率の歪依存性を測定し、歪量0.56%時の貯蔵弾性率の値を求め、基準配合の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、シリカの分散不良が少なく、シリカが良好に分散していることを示す。
(RR指数)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度30℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%の条件下で、上記加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定し、基準配合を100として指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(WET指数)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度0℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%の条件下で、上記加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定し、基準配合を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェット路面での摩擦係数が大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
Figure 0006939164
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表1〜5より、加硫促進剤をベース練りで混練すると共に、押出機のピン密度を調整した実施例は、シリカの分散性が顕著に向上し、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く改善されることが明らかとなった。また、良好な加工性(混練加工性、押出加工性)も得られた。
1 押出機
11 シリンダ
12 スクリュー
13 ピン
121 フライト
122 切欠部
P スクリューピッチ

Claims (3)

  1. ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び加硫促進剤を混練するベース練り工程と、
    前記ベース練り工程で得られた混練物1及び加硫剤を混練する仕上げ練り工程と、
    押出機により、前記仕上げ練り工程で得られた混練物2を押し出す押出工程とを含み、
    前記押出機は、シリンダ、スクリュー、及び前記シリンダの内面に突設したピンを備え、かつ前記ピンをスクリューピッチ毎に平均10〜12個突設したものであり、
    前記スクリューは、軸部回りに螺旋状にフライトを有し、かつ該フライトには切欠部が設けられており、
    前記押出機は、前記切欠部当たり、前記ピンを6〜8個突設したものであり、
    各切欠部に設置される各円周状のピンの個数は、各切欠部で同数であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記仕上げ練り工程は、更に酸化亜鉛を混練するものである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記仕上げ練り工程は、更にジベンゾチアジルジスルフィドを混練するものである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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