JP6938196B2 - ラミネートフィルム付き金属箔 - Google Patents
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Description
破断伸びが低下したラミ付ステンレス箔では、ステンレス箔の破断面の近傍で、引っ張り力が作用する方向にフィルムが局所的に大きく伸びる部分があることが分かった。ここで、樹脂フィルムを一方向に引っ張った際に、樹脂フィルムが部分的に伸びることを「局所伸び」と呼び、局所伸びが発生した部分を「局所伸び部」と呼ぶ(図4)。局所伸びが発生したラミ付きステンレス箔の破断面では、局所伸び部の境界線(局所伸び部と、局所伸びが発生していない部分との境界を「局所伸び部の境界線」と呼ぶ。)に沿うように破断していることが確認された(図2(a)(b))。また、局所伸びが発生した破断面では、フィルム材はステンレス箔以上に伸びて破断していることが確認された(図2(c))。
これは、ステンレス箔の板厚が薄くなればなるほど、破断伸びが小さくなることも原因の一つとして考えられる(図6)。
さらに、ラミネートしたフィルムの局所伸びの有無と破断伸びを対比したところ、局所伸びが発生すると、ラミ付きステンレス箔の破断伸びは、ステンレス箔単体のものより小さくなることが確認された。一方、局所伸びが発生しない場合は、ラミ付きステンレス箔の破断伸びは、ステンレス箔単体のものと同等かそれ以上になることが確認された(図5)。
局所伸びを示すかどうかは、事前にフィルムを一方向に引っ張り試験を行い、局所伸び発生の有無を確認することで判断することができる。これにより安定した破断伸び特性を有するラミ付きステンレス箔を得ることができる。
また、これによりステンレス箔の薄手化による破断伸びの低下を補償することもできる。
[1]金属箔の少なくとも一方の表面に、一方向引張り試験をした場合に局所伸びを示さない樹脂フィルムを有する(積層した)ことを特徴とするラミネートフィルム付き金属箔。
[2] 前記金属箔の厚さをD1、弾性係数をE1とし、前記樹脂フィルムの厚さをD2、弾性係数をE2としたとき、以下の式を満足することを特徴とする[1]に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
D2≧k・E1/E2・D1
ただし、kは0.0001以上0.0050以下の定数。
[3]前記金属箔がステンレス鋼であることを特徴とする[1]または[2]に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
[4]前記ステンレス鋼である金属箔の板厚が70μm以下であることを特徴とする[3]に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
[5]前記ステンレス鋼である金属箔の板厚が30μm以下であることを特徴とする[3]に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
[6]前記ラミネートフィルム付き金属箔の破断伸びと、同じ金属箔でフィルムを有して(積層して)いない金属箔の破断伸びとの比である破断伸び比が1.1以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載のラミネートフィルム付き金属箔。ここで、同じ金属箔とは、材質同一、形状(板厚、板幅等の形状)同一であることをいう。
[7]電池ケースに用いることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
一方向に引っ張りをするとは、樹脂フィルムに、任意の一方向になるよう張力を加えることを言う。引っ張る方法は、特に限定されない。例えば、JIS K 7127:1999の第3部に記載の試験条件に準じた方法で、樹脂フィルムを一方向に引っ張ればよい。
∴破断伸び比=ラミ付きステンレス箔の破断伸び/ステンレス箔単体の破断伸び
破断伸び比が1以上であれば、ステンレス箔単体よりも、フィルムをラミネートしたステンレス箔の方が、破断伸び特性が良くなる。したがって、局所伸びを示さない樹脂フィルムをラミネートしたステンレス箔にすることにより破断伸び特性が良くなる。
しかし、図5に示すように、破断伸び比はバラツキを有することから、破断伸び特性の向上を確実にする観点から、破断伸び比は1.1以上であることが好ましい。すなわち、局所伸びを示さないラミネートフィルムによる破断伸び向上効果が10%以上となることが好ましい。
なお、前述した試験に供したラミ付ステンレス箔のフィルムの積層(ラミネート)方法は、従来のラミネート方法をそのまま適用した。このように、本発明において、フィルムのラミネート方法は特に限定されない。従来のラミネート方法を、そのまま適用してよい。
局所伸びを示さないフィルムは、金属箔の少なくとも一方の面(片面)にラミネートすれば、本発明の効果を奏する。一方の面に局所伸びを示さないフィルムを、他方の面に局所伸びを示すフィルムをラミネートしたとしても、同様に本発明の効果を奏する。もちろん、金属箔の両面に局所伸びを示さないフィルムをラミネートしても、本発明の効果を奏することは自明である。
図5に示すように、ラミ付きステンレス箔の場合、基材となるステンレス箔の板厚が薄くなればなるほど、フィルムの影響が大きくなる。ステンレス箔の板厚が70μm以下になると、フィルムの影響が顕在化することがわかる。これは、板厚にかかわらずフィルムの膜厚は一定の場合、ステンレス箔の板厚が厚い場合は、その剛性の違いから、圧倒的にステンレス箔が応力負担していたが、板厚が薄厚化することにより、フィルムの応力負担が無視できなくなったためと考えられる。電池ケースの場合、PPで25μm、PETで10μm程度の膜厚が必要とされているので、ステンレス箔の場合70μm程度からフィルムの影響が無視できなくなるものと考えられる。また、そのため、ステンレス箔の板厚が薄くなればなるほど、フィルムの影響が大きくなるものと推察される。
なお、ステンレス箔の材質は特に限定されない。ステンレス鋼の場合、材質により強度や耐食性が異なるため、適宜用途に応じて選択すればよい。
以上、ステンレス箔を例に説明してきたが、本発明はステンレス鋼以外の金属にも適用できる。アルミニウムについても例外ではないが、アルミニウム箔の場合、強度的に現状よりも薄厚化することは難しいので、既存のラミネートフィルム付きアルミ箔に本発明を適用したとしても、その効果は小さい。
破断伸び特性を向上させるには、局所伸びを示さない樹脂フィルムによるラミ付ステンレス箔が、効果があることを説明してきた。これは、ステンレス箔とフィルムとが応分に応力を負担し、均等に伸び、ほぼ同じ位置で破断することによると推察できることは前述したとおりである。すなわち、ステンレス箔とフィルムが応分の応力負担を行い、それがラミ付ステンレス箔内で均一に生じていることが重要である。このため、本発明者らは、ステンレス箔に応じた最適なフィルム膜厚があると考え、検証を行った。その結果以下の関係式を導いた。
D2・E2≧k・D1・ E1
∴ D2≧k・E1/E2・D1
ここで、D1:ステンレス箔厚さ
E1:ステンレス箔の弾性係数
D2:ラミネートフィルム膜厚
E2:ラミネートフィルムの弾性係数
k:係数
破断伸び比が1.1以上となったものを○で、1.1未満であったものを×で図中に示した。
ステンレス箔の弾性係数:193GPa、
PPフィルムの弾性係数:0.3GPa、
この時、k=0.0005場合のk・E1/E2・D1の線を図中に示した。図7からも分かるように、k=0.0005とした場合のk・E1/E2・D1の線を境に、D2(ラミネートフィルム厚)がk・E1/E2・D1より大きければ破断伸び比が1.1以上となることが分かる。
なお、図5から分かるように、ステンレス箔の厚みが厚くなると破断伸び比は低下し、ステンレス箔の厚さが70μmになると、破断伸び比は1.1になる。ステンレス箔の厚さが100μmになると、破断伸び比は1.0に収れんする。このことから、破断伸び比が1.1以上を得るには、ステンレス箔の厚さは70μm以下であることが好ましい。
ステンレス箔とフィルムの密着力も重要な要因となる。基板となるステンレス箔とフィルムの密着性が悪いと、応力の応分な負担ができず、結果として破断伸びが小さくなるからである。そこで、発明者らは、実験によりステンレス箔とフィルムの密着力は、0.5N/cm以上あれば問題がないことを確認した。これは、通常のラミ付ステンレス箔におけるフィルム密着力であるので、従来の製造方法であれば、密着性のよういラミ付ステンレス箔を得ることができる。
基材として、SUS304のステンレス箔を用いた。これに、表1にあるように種々の樹脂フィルムをラミネートして試験片を作成した。樹脂フィルムはラミネートに先立ち一方向引張試験を行い、局所伸びの有無を確認した。フィルムは、基本的に基材の両面にラミネート(積層)しているが、一部片面のみにラミネートしたものも作成した。なお表1に示す膜厚は、フィルム膜厚の合計を示す。すなわち、両面にフィルムを積層したものは、その厚さの合計を、片面にのみ積層したものは、その厚さを示す。接着剤は、Ny(ナイロン)系は東亞合成/アロンマイティFS、エポキシ系は東亞合成/アロンマイティAS、PP系は三井化学/QE060をホットプレスしたものを使用し、フィルムに応じたものを適用した。比較のため、フィルムをラミネートしていないステンレス箔のみのものを組み込んだ。これらのラミネート付きステンレス箔にて一方向引張試験を行い、その破断伸びを調査した。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- 金属箔の少なくとも一方の表面に、一方向引張り試験をした場合に局所伸びを示さない樹脂フィルムを有し、
前記金属箔がステンレス鋼であって板厚が70μm以下であり、
前記金属箔と前記樹脂フィルムの密着力が0.5N/cm以上であることを特徴とするラミネートフィルム付き金属箔(ただし、厚さ50μmのSUS304BAステンレス鋼箔に、厚さ50μmの東洋紡績株式会社製ハーデンN1100からなるナイロンフィルムを、ナイロン系接着剤を介して熱圧着したラミネート付きステンレス鋼箔の場合を除く。)。 - 前記金属箔の厚さをD1、弾性係数をE1とし、前記樹脂フィルムの厚さをD2、弾性係数をE2としたとき、以下の式を満足することを特徴とする請求項1に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
D2≧k・E1/E2・D1
ただし、kは0.0001以上0.0050以下の定数。 - 前記ステンレス鋼である金属箔の板厚が30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
- 前記ラミネートフィルム付き金属箔の破断伸びと、同じ金属箔でフィルムを有していない金属箔の破断伸びとの比である破断伸び比が1.1以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
- 電池ケースに用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラミネートフィルム付き金属箔。
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