JP2023065303A - 電池用包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量増加や樹脂層の性能低下が発生することなく成形時のカールを抑制できる電池用包装材を提供する。【解決手段】電池用包装材は、基材層13を含む外層、中間層としてのバリア層11、最内層としての熱融着性樹脂層15を有する積層体1であり、前記積層体の総厚が60μm~220μmであり、前記バリア層11が金属箔で構成され、前記熱融着性樹脂層15の10%延伸時の応力値と厚さの積が1200Pa・m以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、車載用、定置型、ノートパソコン用、携帯電話用、カメラ用の二次電池、特に小型携帯用のリチウムイオン二次電池のケースとして好適に用いられる電池用包装材に関する。
リチウムイオン電池を代表とする蓄電デバイスは、缶ケースからアルミニウム箔等の金属箔の両面に樹脂層を貼り合わせたラミネートタイプの包装材を用いることで、多様な形状に加工することが可能となり、さらに薄型、軽量化も可能となった。
また、ラミネートタイプの電池用包装材は、電池本体の収容スペースを確保するためにカップ状にプレス成形して電池用ケースを作製する。その成形の際に、シワ押さえ部分にあたる電池用包装材の端部に応力が逃げやすくなり、その部分にあたるフランジ部がカールしやすくなる。このようなフランジ部のカールは、ロボットアームや吸盤を用いた自動搬送において、その位置決めや掴みそこねの原因となり問題となる。
電池用包装材の成形によってフランジ部に発生するカールを抑制するための様々な方策が提案されている(特許文献1~3参照)。
特許文献1は各層の厚さおよび総厚を規定することを提案している。特許文献2は、基材層とシーラント層の厚さ比を規定するとともに、アルミニウム箔のTD方向およびMD方向の耐力を規定することを提案している。特許文献3は電池用包装材全体および基材層のTD方向およびMD方向の応力値を規定することを提案している。
特開2020-129543号公報 特許第6879321号公報 特許第6627908号号公報
電池用包装材を構成する層のうちで金属箔からなるバリア層は樹脂層よりも密度が大きいので、バリア層の厚さを厚くすれば自重によってカールの発生を抑制できると思われる。しかし、その一方で、バリア層を厚くすると材料コストが高くなり、包装材の重量が増すという問題が生じる。包装材の重量増加は電池容量が変わらないのに電池の重量が増加することを意味する。バリア層の重量増加を樹脂層を薄肉化することで相殺しようとすれば、電池ケースのシール性や絶縁性の低下という樹脂層に起因する問題が発生する。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、重量増加や樹脂層の性能低下が発生することなく成形時のカールを抑制できる電池用包装材を提供するものである。
即ち、本発明の電池用包装材は下記[1]~[5]に記載の構成を有する。
[1]基材層を含む外層、中間層としてのバリア層、最内層としての熱融着性樹脂層を有する積層体であり、
前記積層体の総厚が60μm~220μmであり、
前記バリア層が金属箔で構成され、
前記熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値と厚さの積が1200Pa・m以上であることを特徴とする電池用包装材。
[2]前記熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値が14MPa~35MPaである前項1に記載の電池用包装材。
[3]前記熱融着性樹脂層の厚さが20μm~120μmである前項1または2に記載の電池用包装材。
[4]前記外層の破断強度が20MPa~160MPaである前項1~3のいずれかに記載の電池用包装材。
[5]前記熱融着性樹脂層の表面に1mg/m~10mg/mの滑剤が存在する前項1~4のいずれかに記載の電池用包装材。
上記[1]に記載の電池用包装材は、積層体の総厚が60μm~220μmであるからケースとしての強度を維持しつつ良好な成形性を得ることができる。また、熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値と厚さの積が1200Pa・m以上であるから、良好な成形性を得つつ、カールの発生を抑制することができる。
上記[2]に記載の電池用包装材は、熱融着性樹脂層の10%延伸時応力値が14MPa~35MPaであるから、変形に対して十分な耐力を持ち、かつ変形に対する伸縮の影響(応力)が抑制されるため、より確実にカールの発生を抑制することができる。
上記[3]に記載の電池用包装材は、熱融着性樹脂層の厚さが20μm~120μmであり、総厚60μm~220μmの積層体の厚み方向の中心位置がバリア層付近になるため、基材層を含む外層の応力と相殺しやすくなり、より確実にカールの発生度合いを抑制することができる。
上記[4]に記載の電池用包装材は、外層の破断強度が20MPa~160MPaであるから、積層体の良好な成形性を維持し、かつカールの発生を抑制することができる。
上記[5]に記載の電池用包装材は、熱融着性樹脂層の表面に1mg/m~10mg/mの滑剤が存在しているので、成形時に変形部の樹脂に応力が集中しなくなるために、端部の樹脂にかかる応力も緩和され、その結果カールの発生が抑制される。
本発明の電池用包装材の一例を示す断面図である。 本発明の電池用包装材の他の例を示す断面図である。 本発明の電池用包装材のさらに他の例を示す断面図である。 本発明の電池用包装材のさらに他の例を示す断面図である。 図1の電池用包装材で作製した電池ケースの断面図である。 引張試験に用いる試験片の平面図である。 反りの評価方法を示す説明図である。 反りの評価基準の補足説明図である。
図1~図2Cに、本発明の電池用包装材にかかる一例およびその変形例を示す。
以下の説明において、同一符号を付した層は同一物または同等物を表しており、重複する説明を省略する。
[電池用包装材]
本発明の電池用包装材は、基本構成として、基材層を含む外層、金属箔で構成された中間層としてのバリア層、および最内層としての熱融着性樹脂層を有する積層体であり、この積層体の総厚を規定するとともに、熱融着性樹脂層の特性を規定することにより、成形によるカールの発生を抑制する。
図1の電池用包装材1は、バリア層11の一方の面に第1接着剤層12を介して基材層13が貼り合わされ、他方の面に第2接着剤層14を介して熱融着性樹脂層15が貼り合わされた積層体である。
前記電池用包装材1は、図3に示すように、凹部52を形成した本体51とフラットな蓋55に加工され、両者の熱融着性樹脂層15同士を向かい合わせに配置して、凹部52内に電池本体56を収容し、凹部52の周囲のフランジ部53と蓋55をヒートシールすることにより電池ケースと50が作製される。電池ケース50において、前記基材層13が外側となり、前記熱融着性樹脂層15が内側となる。本明細書において、電池用包装材を構成する各層の位置を方向で説明する場合に、ケースの内外の方向に合わせて、基材側の方向を外側、熱融着性樹脂層の方向を内側と称する。
前記電池用包装材1において、バリア層11を中間層とし、貼り合わせのための接着剤層を除いて、中間層よりも外側に存在する層を外層と称し、中間層よりも内側に存在する層を内層と称する。
電池用包装材のカールとは、電池用包装材に引張力を加え、加えた引張力を除去したときに、電池用包装材が反る現象である。反りの方向は、電池用包装材の端部が外層側(基材層13)側に曲がる場合を正(+)、内層側(熱融着性樹脂層側)に曲がる場合を負(-)方向の反りとする。従って、前記電池ケース50の本体51の成形においてフランジ部52の先端が凹部51の底側に向く場合が正方向の反りであり、開口部側に向く場合が負方向の反りである。
以下に、前記電池用包装材1の特徴および電池用包装材1を構成する各層について詳述する。
(積層体の総厚)
積層体の総厚、即ち電池用包装材1の総厚は60μm~220μmとする。電池ケースの材料である電池用包装材1は、電池本体の収容スペースを確保するために、より深い凹部を形成するために高い成形性が求められる。電池用包装材1の総厚を上記範囲に規定することにより、ケースとしての強度を維持しつつ良好な成形性を得ることができる。特に好ましい総厚は90μm~180μmである。
(バリア層)
前記バリア層11は、電池用包装材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記バリア層11としては、金属箔である限り特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)、銅箔、ニッケル箔、チタン箔、クラッド箔が挙げられ、アルミニウム箔を好適に用いることができる。特に0.7質量%~1.7質量%のFeを含有するAl-Fe系合金箔は優れた強度と展延性を有し、良好な成形性を得つつカールの発生を抑制する効果が大きい。前記バリア層11の厚さは、10μm~120μmであるのが好ましい。10μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、120μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。前記バリア層11の特に好ましい厚さは30μm~90μmである。
また、前記バリア層11は前記金属箔の少なくとも熱融着性樹脂層15側の面に、化成処理等の下地処理が施されていることが好ましい。このような化成処理が施されていることによって内容物(電池の電解質等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。
(熱融着性樹脂層)
熱融着性樹脂層15は腐食性の強い電解質などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、電池用包装材1にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
前記熱融着性樹脂層15は、10%延伸時の応力値と厚さの積が1200Pa・m以上であることを要する。前記積は熱融着性樹脂層15の硬軟、剛性、変形しにくさの度合いを示すものであり、前記積が小さければ柔らかく成形性が良好である反面、電池用包装材に加えた引張力を除去したときのスプリングバックが大きいので反りが大きくなるので、1200Pa・m以上とする。一方、前記積が大きくなればスプリングバックが小さくなって反り小さくなるが成形性が低下するので、良好な成形性を得つつカールの発生を抑制するには、前記積が1300Pa・m~3500Pa・mの範囲であることが好ましい。
また、前記熱融着性樹脂層15の10%延伸時の応力値は14MPa~35MPaであることが好ましい。凹部52成形時のフランジ部53(図3参照)のカールは基材層13を含む外層やバリア層11の伸縮の影響を受けて発生するが、熱融着性樹脂層15の応力値が14MPa以上であれば成形後のフランジ部53周辺への変形に対して十分な耐力を持ち、35MPa以下であれば成形後のフランジ部53周辺の変形に対する伸縮の影響(応力)が抑制されるため、より確実にカールの発生を抑制することができる。換言すると、前記応力値が14MPa未満では、熱融着性樹脂層15の応力値が小さすぎて基材層13を含む外層の伸縮による応力の影響が出て基材層13側にカールが発生しやすくなり、35MPaを超えると熱融着性樹脂層15の伸びに対する応力の影響が出て熱融着性樹脂層15側にカールが発生しやすくなる。前記応力値は16MPa~32MPaの範囲がなお一層好ましい。
前記熱融着性樹脂層15の厚さは20μm~120μmであることが好ましい。前記熱融着性樹脂層15の厚さが上記範囲内であれば、総厚60μm~220μmの積層体の厚み方向の中心位置がバリア層11付近になるため、基材層13を含む外層の応力と相殺しやすくなり、より確実にカールの発生度合いを抑制することができる。熱融着性樹脂層15の特に好ましい厚さは25μm~100μmであり、25μm~80μmであればなお一層好ましい。
前記熱融着性樹脂層15を構成する樹脂は、プロピレン系樹脂が好ましく、キャストポリプロピレン(CPP)やインフレーションポリプロピレン(IPP)等の無延伸フィルムが好ましい。前記プロピレン系樹脂として、プロピレンの単独重合体(hPP)の他、共重合成分としてエチレンおよびプロピレンを含有するエチレン-プロピレン共重合体を例示できる。前記エチレン-プロピレン共重合体は、ランダム共重合体(rPP)、ブロック共重合体(bPP)のいずれでもよい。また、熱融着性樹脂層15は、単層フィルム、多層フィルムのいずれでもよい。前記多層フィルムは共押出し等を作製することができる。上述した種々のプロピレン系樹脂フィルムのうち、ヒートシール性、デラミネーション耐性、絶縁性が優れている点で、hPPまたはbPPを中間層とし、中間層の両外側にrPP層を配した3層共押出CPPフィルムを推奨できる。
また、前記熱融着性樹脂層15の表面に滑剤が存在していることが好ましい。前記熱融着性樹脂層15の表面に滑剤が存在していると、成形時に変形部の樹脂に応力が集中しなくなるために、端部の樹脂にかかる応力も緩和され、その結果カールの発生が抑制される。前記滑剤の存在量は1mg/m~10mg/mの範囲が好ましく、特に1mg/m~5mg/mの範囲が好ましい。
前記熱融着性樹脂層15の表面に滑剤を存在させる方法として、(1)熱融着性樹脂層の表面に滑剤を塗布する方法、(2)熱融着性樹脂層15を構成する材料樹脂に滑剤を含有させておき、積層体を形成した後にエージングして熱融着性樹脂層15の表面に滑剤を析出させる方法、を挙げることができる。電池用包装材1の製造においては、各層を積層した後にロール軸に巻き取り、接着剤層を安定させるためにエージングを行うのが一般的である。熱融着性樹脂層15に滑剤を含有させておけば、エージングによって滑剤を表面に析出させることができる。また、前記熱融着性樹脂層15中の滑剤濃度を500ppm~3000ppmに設定することが好ましく、700ppm~3000ppmであればなお一層好ましい。
本発明の電池用包装材において、好ましい滑剤以下のとおりである。また、滑剤の中には界面活性剤と称されるものも含まれる。
飽和脂肪酸アミドとして、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドを挙げることができる。
不飽和脂肪酸アミドとして、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドを挙げることができる。
置換アミドとして、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドを挙げることができる。
メチロールアミドとして、メチロールステアリン酸アミドを挙げることができる。
飽和脂肪酸ビスアミドとして、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドを挙げることができる。
不飽和脂肪酸ビスアミドとして、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドを挙げることができる。
脂肪酸エステルアミドとして、ステアロアミドエチルステアレートを挙げることができる。
芳香族系ビスアミドとして、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸、アミド、N,N’-システアリルイソフタル酸アミドを挙げることができる。
界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
前記熱融着性樹脂層15はバリア層11よりも内側に位置する内層であり、かつ積層体の最内層である。
(外層)
外層は、少なくとも基材層13を含み、単層でも複層でもよい。複層の場合は、基材層13自体が複層である場合と、基材層13の外側に電池用包材1に機能を付加するための別の層が積層されている場合がある。図1の外層は単層の基材層13のみからなる。
前記基材層13には電池用包装材1をヒートシールする際のヒートシール温度で溶融しない耐熱性樹脂フィルムを用いる。前記耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂層15を構成する樹脂の融点より10℃以上、好ましくは20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いる。この条件を満たす樹脂として、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記基材層13としては、2軸延伸ナイロンフィルム等の2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は2軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。前記基材層13は、単層で形成されていても良いし、或いは、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。
前記基材層13の厚さは、9μm~50μmであるのが好ましく、包装材として十分な強度を確保でき、かつ張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。前記基材層13のさらに好ましい厚さは9μm~30μmである。基材層13が複層である場合は合計厚さを上記の厚さとする。また、複数の層を貼り合わせる接着剤の厚さも上記の厚さに含まれる。
外層を構成する層として、上述した基材層13の他に、基材層13の外側に積層する保護層や、外層を構成する層を貼り合わせるための接着剤層を挙げることができる。図2Aの電池用包装材2の外層24は、複層の基材層であり、第1基材層21と第2基材層22が接着剤層23で貼り合わされている。図2Bの電池用包装材3の外層25は、基材層13の外側に基材保護層30が積層されている。図2Cの電池用包装材4の外層26は、第1基材層21と第2基材層22を接着剤層13で貼り合せた複層の基材層の外側に側に基材保護層30が積層されている。
前記基材保護層30は、電池用包装材の表面に良好な滑り性を付与して成形性を向上させるとともに、優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐摩耗性を付与する層である。
前記基材保護層30は樹脂成分および固体微粒子を含有する樹脂組成物であり、好ましい材料は以下のとおりである。
前記樹脂成分として、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種の樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は高い耐薬品性、耐溶剤性を有しているため、樹脂の劣化などによる固体微粒子の脱落が起こりにくくなる。
また、樹脂成分は、上述した少なくとも1種の樹脂を含む主剤樹脂とこの主剤樹脂を硬化させる硬化剤とであっても良い。硬化剤は特に限定されるものではなく、主剤樹脂に応じて適宜選択すればよい。例えば主剤樹脂がウレタン系樹脂とフェノキシ系樹脂の混合物の場合は、イソシアネート化合物を用いることが好ましい。イソシアネート化合物は、脂肪族系、脂環族系、芳香族系の各種多官能イソシアネート化合物を推奨できる。脂肪族系多官能イソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等を挙げることができ、脂環族系多官能イソシアネート化合物としてイソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができ、芳香族系多官能イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げることができる。また、これらの多官能イソシアネート化合物の変性体であってもよく、イソシアヌレート化、カルボジイミド化、ポリメリック化等の多量化反応による多官能イソシアネート変性体を例示できる。
前記硬化剤は前記主剤樹脂100質量部に対して5質量部~30質量部を配合することが好ましい。5質量部未満では基材層13への密着性および耐溶剤性が低下するおそれがある。また30質量部を超えると、基材保護層30が硬くなって成形性が低下するおそれがある。特に好ましい硬化剤の配合量は前記主剤樹脂100質量部に対して10~20質量部である。
基材保護層30は基材層13を構成するフィルムに比べて収縮率が小さいため、基材層13側への外層の伸縮による応力を軽減することができる。また、特に基材層13にナイロンを用いた場合、ナイロンは水分に対し縮みやすい性質があるが、基材保護層30が空気中の水分をブロックするため、縮みにくくなり外層への応力も抑えられる。
また、主剤としてウレタン系樹脂およびポリエステルウレタン系樹脂を用いることも好ましい。
前記固体微粒子は、無機微粒子、有機微粒子のいずれでも使用でき、それらを混合して用いることもできる。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック等を例示でき、有機微粒子としては、アクリル酸エステル系化合物、ポリスチレン系化合物、エポキシ系樹脂、ポリアミド系化合物、またはそれらの架橋物等の微粒子を使用しうる。前記固体微粒子は1種を使用しても、2種以上を混合して使用しもよい。
これらの固体微粒子は、平均粒径が1μm~10μmのものが好適に用いられ、なかでも2μm~5μmが好ましい。1μm未満の粒径の小さすぎる固体微粒子を用いるときは、塗布液の中に埋もれてしまい所望の特性を得難い。一方、10μmを超える粒径の大きい固体微粒子を用いるときは、粒径が塗布厚さを超えてしまい基材保護層から脱落し易くなる。
また、樹脂組成物における固体微粒子の含有率は、0.1質量%~60質量%の範囲が好ましく、5質量%~55質量%の範囲がなお一層好ましい。
前記基材保護層30の硬化後の厚さは1~10μmが好ましい。前記下限値よりも薄い層では滑り性向上効果が少なく、上限値よりも厚い層ではコストアップとなる。特に好ましい厚さは2~5μmの範囲である。
なお、本発明は、基材保護層30を構成する樹脂組成物の成分として上述した樹脂成分および固体微粒子以外の成分を排除するものではなく、基材保護層30の特性を損なわない限り他の成分の添加が許容される。例えば、滑剤を添加することができる。
前記外層の破断強度は20MPa~160MPaであることが好ましく、積層体の良好な成形性を維持し、かつカールの発生を抑制することができる。特に好ましい破断強度は40MPa~150MPaである。なお、前記前記破断強度は、外層が基材保護層等を含む複層で構成されている場合は複層の強度である。また、外層が基材層13のみであり、その基材層が複数のフィルムが接着剤で貼り合わされた複層フィルムである場合は、接着剤を含む複層フィルムの破断強度である。
(第1接着剤層)
前記第1接着剤層12としては、特に限定されるものではないが、例えば、2液硬化型接着剤により形成された接着剤層等が挙げられる。前記2液硬化型接着剤としては、例えば、ポリウレタン系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール及びポリエステルウレタン系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液(主剤)と、イソシアネートからなる第2液(硬化剤)とで構成される2液硬化型接着剤などが挙げられる。中でも、ポリエステル系ポリオール及びポリエステルウレタン系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液と、イソシアネートからなる2液(硬化剤)とで構成される2液硬化型接着剤を用いるのが好ましい。前記第1接着剤層12の好ましい厚さは2μm~5μmである。
また、前記外層が複層で構成される場合(基材層が複層の場合を含む)においても、上述の接着剤を推奨できる。
(第2接着剤層)
前記第2接着剤層14としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エラストマー系樹脂、フッ素系樹脂、酸変性ポリプロピレン樹脂のうちの1種以上を含む接着剤を推奨できる。中でも、酸変性ポリオレフィンを主剤とするポリウレタン複合樹脂からなる接着剤が好ましい。前記第2接着剤層14の好ましい厚さは2μm~5μmである。
前記第1接着剤層12および第2接着剤層14は必須の層ではなく、基材層13が直接バリア層11に貼り合わされていてもよく、また熱融着性樹脂層15が直接バリア層11に貼り合わされていてもよい。
実施例1~16および比較例1~4として、図1、図2Aまたは図2Bに示す積層形態の電池用包装材1、2、3を作製した。
実施例1~12、15および比較例1~4の電池用包装材1は図1の積層形態であり、外側から順に、基材層(外層)13、第1接着剤層12、バリア層11、第2接着剤層14、熱融着性樹脂層15が積層されている。
実施例13の電池用包装材3は図2Bの積層形態であり、外側から順に、基材保護層30、基材層13、第1接着剤層12、バリア層11、第2接着剤層14、熱融着性樹脂層15が積層されている。前記電池用包装材3における外層25は基材保護層30および基材層13の2層で構成されている。
実施例14、16の電池用包装材2は図2Aの積層形態であり、外側から順に、第2基材層22、接着剤層23、第1基材層21、第1接着剤層12、バリア層11、第2接着剤層14、熱融着性樹脂層15が積層されている。前記電池用包装材2における外層24は第2基材層22、接着剤層23および第1基材層21の3層で構成されている。
各例の電池用包装材に共通する材料は下記のとおりである。
(共通材料)
バリア層11として、JIS H4160で規定されたA8021-Oからなり、厚さが30μm、35μm、40μm、60μm、80μmのいずれかのアルミニウム箔を用いた。前記アルミニウム箔の両面に、リン酸、ポリアクリル酸(アクリル系樹脂)、クロム(III)塩化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布した後、180℃で乾燥を行って、化成皮膜を形成したものを使用した。この化成皮膜のクロム付着量は片面当たり3mg/mである。
第1接着剤層12として2液硬化型ウレタン系接着剤を用いた。
第2接着剤層14として、2液硬化型マレイン酸変性プロピレン接着剤を用いた。
(実施例1)
バリア層11として厚さ40μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ15μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ56μmのエチレン-プロピレンブロック共重合体(bPP)を中間層とし、この中間層の両面に厚さ12μmのエチレン-プロピレンランダム共重合体(rPP)を配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いた。また、前記熱融着性樹脂層15は1200ppmのエルカ酸アミドを含有している。
そして、前記バリア層11の一方の面に、厚さ4μmの第1接着剤層12を形成し、この第1接着剤層12を介して基材層13をドライラミネートした。次に、前記バリア層11の他方の面に、厚さ2μmの第2接着剤層14を形成し、この第2接着剤層14を介して熱融着性樹脂層15を重ね合わせ、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートして積層体を作製し、ロール軸に巻き取った。
ロール軸に巻き取った積層体を40℃で10日間エージングし、電池用包装材1とした。
(実施例2)
熱融着性樹脂層15として、厚さ64μmのホモプロピレン重合体(hPP)を中間層とし、この中間層の両面に厚さ8μmのrPPを配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例3)
熱融着性樹脂層15として、厚さ72μmのhPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ4μmのrPPを配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例4)
熱融着性樹脂層15として、厚さ96μmのhPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ12μmのrPPを配した、厚さ120μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例5)
熱融着性樹脂層15として、厚さ84μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ18μmのrPPを配した、厚さ120μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例6)
バリア層11として厚さ35μmのアルミニウム箔を用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ36μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ2μmのrPPを配した、厚さ40μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用い、エルカ酸アミド濃度を1500ppmとしたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例7)
バリア層11として厚さ30μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ9μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、第1接着剤層12の厚さを2μmとし、熱融着性樹脂層15として、厚さ35μmのhPPの単層フィルムを用い、エルカ酸アミド濃度を1500ppmとしたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例8)
基材層13として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例9)
熱融着性樹脂層15として、厚さ52μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ14μmのrPPを配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用い、基材層13として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例10)
バリア層11として厚さ35μmのアルミニウム箔を用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ30μmのhPPの単層フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例11)
基材層13として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、熱融着性樹脂層15のエルカ酸アミド濃度を500ppmとしたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例12)
基材層13として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、熱融着性樹脂層15のエルカ酸アミド濃度を3500ppmとしたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例13)
基材保護層30形成用の樹脂組成物を以下の方法で調製した。ポリエステルポリオール樹脂を主剤樹脂とし、トリレンジイソシアネート(TDI)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を質量比で1:1で混合したものを硬化剤とし、主剤樹脂100質量部に対して硬化剤10質量部を配合したものを樹脂成分とした。そして、前記樹脂成分に、平均粒径2μmのシリカを、樹脂組成物中の含有量が20質量%となるように配合して均一に分散させた。
バリア層11として厚さ35μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ12μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ36μmのエチレン-プロピレンブロック共重合体(bPP)を中間層とし、この中間層の両面に厚さ2μmのエチレン-プロピレンランダム共重合体(rPP)を配した、厚さ40μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いた。また、前記熱融着性樹脂層15は1200ppmのエルカ酸アミドを含有している。
そして、前記バリア層11の一方の面に、厚さ4μmの第1接着剤層12を形成し、この第1接着剤層12を介して基材層13をドライラミネートした。次に、前記バリア層11の他方の面に、厚さ2μmの第2接着剤層14を形成し、この第2接着剤層14を介して熱融着性樹脂層15を重ね合わせ、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートした。これにより3層(接着剤層を除く)の積層フィルムとなった。
次に、前記3層の積層フィルムの基材層13の表面に、基材保護層30用の樹脂組成物を塗布して乾燥させた。乾燥後の基材保護層30の厚みは3μmである。これにより、4層フィルムとなり、この4層フィルムをロール軸に巻き取り、巻き取った状態で40℃で10日間エージングし、電池用包装材3とした。
なお、表1において、前記基材保護層30は「PUコート」と記載している。
(実施例14)
バリア層11として厚さ40μmのアルミニウム箔を用い、第1基材21として厚さ15μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、第2基材層22として厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ56μmのbPPを中間層とし、この中間層の一方の面に厚さ6μmのrPP、他方の面に厚さ18μmのrPPをを配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いた。また、前記熱融着性樹脂層15は800ppmのエルカ酸アミドを含有している。
そして、前記バリア層11の一方の面に、厚さ4μmの第1接着剤層12を形成し、この第1接着剤層12を介して第1基材層21をドライラミネートし、さらに前記1第基材層21に第1接着剤層12と同じ接着剤で接着剤層23を形成し、この接着剤層23を介して第2基材層22をドライラミネートした。次に、前記バリア層11の他方の面に、厚さ2μmの第2接着剤層14を形成し、この第2接着剤層14を介して熱融着性樹脂層15を重ね合わせ、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートして積層体を作製し、ロール軸に巻き取った。
ロール軸に巻き取った積層体を40℃で10日間エージングし、電池用包装材2とした。
(実施例15)
バリア層11として厚さ60μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、第2接着材層14の厚さを3μmとし、熱融着性樹脂層15として、厚さ70μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ15μmのrPPを配した、厚さ100μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用い、熱融着性樹脂層15のエルカ酸アミド濃度を2500ppmとしたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(実施例16)
バリア層11として厚さ80μmのアルミニウム箔を用い、第1基材21として厚さ25μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、第2接着剤層14の厚さを3μmとしたことを除き、実施例14と同じ方法で電池用包装材2を作製した。
(比較例1)
バリア層11として厚さ35μmのアルミニウム箔を用い、熱融着性樹脂層15として、厚さ30μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ5μmのrPPを配した、厚さ40μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(比較例2)
熱融着性樹脂層15として、厚さ10μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ35μmのrPPを配した、厚さ80μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(比較例3)
バリア層11として厚さ30μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ9μmの2軸延伸6ナイロンフィルムを用い、第1接着剤層12の厚さを2μmとし、熱融着性樹脂層15として厚さ35μmのbPPの単層フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
(比較例4)
バリア層11として厚さ30μmのアルミニウム箔を用い、基材層13として厚さ6μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、第1接着剤層12の厚さを2μmとし、第2接着材層14の厚さを1μmとし、熱融着性樹脂層15として、厚さ14μmのbPPを中間層とし、この中間層の両面に厚さ3μmのrPPを配した、厚さ20μmの3層共押出の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いたことを除き、実施例1と同じ方法で電池用包装材1を作製した。
表1に、各例の電池用包装材の積層形態の層構成、総厚、熱融着性樹脂層の層構成、厚さ、および滑剤濃度を示す。
また、作製した電池用包装材について、以下の項目を試験または測定した。これらの結果を表1に示す。
(熱融着性樹脂層表面の滑剤の存在量)
電池用包装材を10cm×10cmに裁断して試験材とした。この試験材を、熱融着性樹脂層が内側となるように二つ折りにして5cm×10cmとし、5cmの2辺をPETフィルムを介して熱融着性樹脂層上からシールして袋体を作製した。この袋体内にアセトン1mLを入れて袋体の内面とアセトンが密着させた状態で3分放置した後に、袋体からアセトンと滑剤を含む液を抜き取った。
抜き取った液をガスクロマトグラフ装置にかけ、検出データから検量線法により液中に含まれる滑剤量を求め、表面に存在する滑剤量を計算した。
(10%延伸時の応力値)
各例の熱融着性樹脂層を構成する単層または複層のフィルムを各例の厚さで作製し、
試験片を切り出してTD方向およびMD方向の2方向の10%延伸時の応力値を測定した。前記試験片は長さ50mm×幅15mmとし、TD方向またはMD方向が長手方向になるように2種類を作製した。
そして、万能材料試験器テンシロンRTG-1210を用い、試験片を長手方向に移動速度100mm/minの引張条件で破断するまで引張試験を行ってSS曲線を作成した。前記SS曲線において5mm伸びた時の応力値を10%延伸時の応力値とした。
(10%延伸時の応力値と厚さの積)
上記の引張試験で得た熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値と厚さの積を計算により求めた。
(外層の破断強度)
実施例13を除く各例は基材層13を構成するフィルム、実施例13は基材保護層30を塗工した基材層13を構成するフィルムから、それぞれ長さ50mm×幅15mmの試験片を切り出した。そして、島津製作所製ストログラフ(AGS-5kNX)を用い、JIS K7127-1999に準拠し、前記試験片を長手方向に移動速度200mm/minの引張条件で破断するまで引張試験を行うことで破断強度を測定した。
(カール)
JIS K7127-1999に基づいて、電池用包装材を図4に示す形状の試験片60を作製し、万能材料試験器テンシロンRTG-1210を用い、移動速度100mm/minで3mm引っ張った後の変形について、カールの方向およびカールの大きさを観察した。
図5に示すように、試験片60の長軸方向の両端と中央を結ぶ直線Aと試験前の試験片60の水平ラインBがなす狭角αについて、外層側に反りがある場合を+α、内層側に反りがある場合を-αとする。そして、下記の基準で反りの大きさを評価した。
◎:―20°≦α<10°
〇:-40°≦α<-20°、10°≦α≦20°
×:α<-40°、20°<α
反りの方向によって評価基準が異なるのは以下の理由による。
図3および図6に示すように、凹部52を形成する成形を行った場合、内層側(負側)に反ったフランジ部53は本体51の自重によって反りが改善される(反りが小さくなる)。このため、電池ケース50の本体51のフランジ部53の反りは、試験片60の反りの大きさに反りの方向を加味した方が正確に評価することができる。
(成形性)
作製した電池用包装材を100mm×150mmに切断して成形用素材とした。そして、ダイス、パンチ、ブランクホルダーを備えた深絞り金型をサーボプレス機に取付け、縦33mm×横54mm×深さDの直方体形状に深絞り成形を行った。前記深絞り成形はパンチの天面を成形用素材の熱融着性樹脂層に接触させて外層を外側に突出させる態様で行い、成形深さDを0.5mm単位で変えて成形を行った。
そして、成形品のコーナー部を観察し、ピンホールおよび割れが全く発生しない良好な成形を行うことができる最大成形深さ(mm)を調べ、下記判定基準に基づいて成形性を評価した。
◎:7mm以上
〇:5mm以上7mm未満
×:5mm未満
Figure 2023065303000002
表1より、実施例の電池用包装材は引張後のカールの発生が抑制され、かつ成形性も良好であることを確認することができた。
本発明の電池用包装材は、車載用、定置型、ノートパソコン用、携帯電話用、カメラ用の二次電池等のケース材料として好適に利用できる。
1、2、3、4…電池用包装材
11…バリア層
12…第1接着剤層
13…基材層(外層)
14…第2接着剤層
15…熱融着性樹脂層
21…第1基材層
22…第2基材層
23…接着剤層
24、25、26…外層
30…基材保護層

Claims (5)

  1. 基材層を含む外層、中間層としてのバリア層、最内層としての熱融着性樹脂層を有する積層体であり、
    前記積層体の総厚が60μm~220μmであり、
    前記バリア層が金属箔で構成され、
    前記熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値と厚さの積が1200Pa・m以上であることを特徴とする電池用包装材。
  2. 前記熱融着性樹脂層の10%延伸時の応力値が14MPa~35MPaである請求項1に記載の電池用包装材。
  3. 前記熱融着性樹脂層の厚さが20μm~120μmである請求項1または2に記載の電池用包装材。
  4. 前記外層の破断強度が20MPa~160MPaである請求項1または2に記載の電池用包装材。
  5. 前記熱融着性樹脂層の表面に1mg/m~10mg/mの滑剤が存在する請求項1または2に記載の電池用包装材。
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