JP6937673B2 - 真空室異常検出装置および隔膜真空計並びに真空室異常検出方法 - Google Patents

真空室異常検出装置および隔膜真空計並びに真空室異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空空間である真空室の異常を検出する真空室異常検出装置および静電容量から被測定媒体の圧力を検出する隔膜真空計並びに真空室異常検出方法に関するものである。特に、異常の事前判定に係るものである。
従来より、半導体製造設備等において使用される真空計を始めとする圧力センサにおいては、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた、小型のダイアフラムを有するセンサ素子を採用することが多い。このセンサ素子は、被測定媒体の圧力によるダイアフラムの変位を、何らかの信号へ変換することをその主な検出原理としている。
例えば、この種のセンサ素子を用いた圧力センサとして、被測定媒体の圧力を受けて撓んで変位したダイアフラム(隔膜)の位置を、静電容量として検出するものが広く知られている。このような圧力センサは、ガス種依存性が少ないことから、半導体設備を始め、工業用途でよく使用されている。例えば、半導体製造装置等における製造プロセス中のチャンバ内における圧力を測定するために利用される。特に、静電容量型の圧力センサは、隔膜真空計と呼ばれている。また、被測定媒体の圧力を受けて撓むダイアフラムは、感圧ダイアフラムと呼ばれたり、センサダイアフラムと呼ばれたりしている。
このような隔膜真空計は、例えば、被測定媒体の圧力を受けて撓むダイアフラムの位置を、静電容量として検出するセンサチップと、センサチップを収容したハウジングと、ハウジングに接続されセンサチップのダイアフラムに被測定媒体の圧力を導く圧力導入管と、ハウジングを覆うセンサケースとを備えている。
そして、隔膜真空計は、センサチップ内を含むハウジングの一部の空間を高真空状態にした真空空間である基準真空室(キャビティ)を有し、基準真空室の真空度(圧力)が基準となって絶対圧力測定を行っている。基準真空室の真空度が低下し、圧力が上昇すると、基準が変化することで、隔膜真空計にゼロ点シフトが発生し、正しい測定ができなくなってしまう。このため、隔膜真空計において、基準真空室内の圧力を、長期間(例えば10年間以上等)、測定に必要な真空度が保てる装置であることが要求される。
そこで、高真空の環境下において、センサチップ等の接合、センサチップ内の電極と接続し、信号線となるワイヤを取り出す貫通孔の封止等を行って、内部の空間を真空状態にしたまま、基準真空室を外部空間と隔てる工程が行われる。また、基準真空室内には、吸着機能を持ったゲッターと呼ばれる吸着装置(吸着材)等を設け、真空室を囲むハウジングの壁等から発生した気体を吸着することで、製造後においても、真空度が保てるようにする。
以上のような隔膜真空計等について、基準真空室内において放電させることで、真空度を測定することができる圧力センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−300578号公報
しかし、前述した特許文献1の隔膜真空計は、基準真空室において、測定に必要な気密性が保持されていない異常状態であるとの判定を行うものである。したがって、基準真空室が異常となる前の対応について考慮されていない。これは、基準真空室内の真空度が低下する原因によって対応等が異なるからである。
本発明は、このような課題を解決するため、基準真空室内の真空度が異常となる前に検出を行うことができる真空室異常検出装置および隔膜真空計並びに真空室異常検出方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の真空室異常検出装置は、対向する複数の電極が設置された真空空間である真空室の異常を検出する真空室異常検出装置であって、電極間の放電電圧から真空室内の圧力を検出する真空度測定部と、真空室内の圧力の経時変化に基づき、真空室外からの流体の流入であるか真空室を囲む壁からの気体放出であるかを判定する推定機能部とを備えるものである。
本発明によれば、推定機能部真空室内の圧力の経時変化に基づき、真空室外からの気体等の流入であるか真空室を囲む壁からの気体放出であるかを判定するようにしたので、異常となる前の段階で異常の予告を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1の外観を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1の要部を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1に用いられるセンサチップ110の要部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る外部からの流体流入による基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る真空室異常検出装置210が行う判定処理の流れを説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る隔膜真空計1の本体部100の要部を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1の外観を示す図である。隔膜真空計1は、下部に本体部100と上部に回路部200とを有している。本体部100は、実際に被測定媒体の圧力検出を行うセンサ本体部分である。また、回路部200は、回路基板を有し、本体部100から送られる静電容量に係る信号を、圧力値(測定値)に変換等する処理を行う部分である。特に、実施の形態1においては、回路部200は、真空室異常検出装置210となって、真空室異常検出方法の工程を実行し、圧力測定の基準となる隔膜真空計1内の基準真空室の真空度測定等に係る処理を行う。
図2は、本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1の要部を示す図である。本体部100は、センサチップ110、ハウジング120、圧力導入管130、センサケース140、ヒータ150、断熱材160、隔壁170、バッフル180およびゲッター190を有している。センサチップ110は、被測定媒体の圧力を検出するセンサ素子である。センサチップ110については後述する。ハウジング120は、センサチップ110を収容する。圧力導入管130は、被測定媒体の圧力がセンサチップ110に伝わるように、例えば、ハウジング120と被測定媒体が含まれる空間とを接続する。圧力導入管130とハウジング120との接続部分には、板状のバッフル180が設置されている。バッフル180は、被測定媒体が、センサチップ110に直接的に当たらないようにする。
センサケース140は、ハウジング120を覆うケースである。また、ゲッター190は、真空基準室内の気体を吸着する吸着装置(吸着材)である。例えば、センサチップ110、ハウジング120等、基準真空室を囲む壁となる構成部材に付着した分子等が、加熱等により真空基準室内に気体として放出される、デガス(気体放出)が発生することがある。ゲッター190は、化学的に活性な金属膜を吸着材とし、気体を吸着させる。そして、ヒータ150は、センサケース140の外周面を取り囲むようにして設けられている。ヒータ150は、制御装置(図示せず)の指示に基づいて、センサケース140内の温度が設定温度となるような加熱を行う。ここで、ハウジング120およびセンサケース140は、例えば、円筒状に形成されている。また、ヒータ150の外周は、さらに断熱材160に覆われている。
また、隔膜真空計1において、ハウジング120の内部に隔壁170が設けられている。隔壁170は、台座板170aと支持板170bとを有している。台座板170aと支持板170bとは、ハウジング120の内部空間を、第1の空間120aと第2の空間120bとに分離する。支持板170bは、その外周の縁面がハウジング120に固定されており、台座板170aをハウジング120の内部空間内に浮上させた状態で支持する。この台座板170aの第2の空間120b側にセンサチップ110が固定(接合)されている。また、台座板170aには、第1の空間120a内の圧力をセンサチップ110のダイアフラム112に導く圧力導入孔170cが形成されている。第2の空間120bは、センサチップ110内と連通しており、後述するセンサチップ110内の容量室113とともに、高真空状態の真空空間である基準真空室となる。
圧力導入管130は、ハウジング120の第1の空間120a側に接続されている。この圧力導入管130を介して、センサチップ110のダイアフラム112に被測定媒体の圧力Pが導かれる。圧力導入管130より導入される被測定媒体は、前述したバッフル180の板面に当たり、バッフル180の周囲の隙間を通して、ハウジング120の第1の空間120a内に流入する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る隔膜真空計1に用いられるセンサチップ110の要部の構成を示す図である。実施の形態において、センサチップ110は、静電容量式であり、基台111、ダイアフラム112、可動電極(第1の電極)114および固定電極(第2の電極)115を備える。実施の形態1のセンサチップ110は、ダイアフラム112の変位を、他の物理量(静電容量)の変化に変換し、被測定媒体の圧力を検出する。
基台111は、受圧部となるダイアフラム112を支える。ダイアフラム112は、例えば、サファイア、アルミナセラミック等の耐熱性および耐食性を有する絶縁体の材料から構成されているものとする。ただし、これに限定するものではない。例えば、耐熱性等を有するガラス等を用いてもよい。ダイアフラム112は、平面視中央に凹部を有する基台111の支持部111aによって支持されている。ダイアフラム112は、支持部111aの内側の可動領域112aにおいて、基台111の方向に変位可能とされている。可動領域112aは、例えば、平面視において、円形とされている。このため、被測定媒体の圧力が加わったときに、均一な変位を行うことができる。容量室113は、可動領域112aにおけるダイアフラム112と基台111との間の真空空間であり、基台111に形成された貫通孔により、第2の空間120bと連通し、基準真空室の一部となる。
また、可動電極114は、容量室113の内部でダイアフラム112の可動領域112aに形成されている。また、固定電極115は、可動電極114と、容量室113の内部で基台111の上に可動電極114に対向して設置されている。また、実施の形態1のセンサチップ110は、可動参照電極116および固定参照電極117を備える。可動参照電極116は、容量室113の内部でダイアフラム112の可動領域112aにおいて可動電極114の周囲(ダイアフラム112の周縁部分)に形成されている。固定参照電極117は、容量室113の内部で固定電極115の周囲の基台111の上に形成されている。可動参照電極116と固定参照電極117とは対向して設置されている。ここで、可動電極114と可動参照電極116とでは、可動電極114の方がよく撓むため、可動参照電極116よりも変位が大きくなる。
また、実施の形態1に係る隔膜真空計1の回路部200は、前述したように、基準真空室内の真空度(圧力)に基づく判定処理を行う真空室異常検出装置210を有している。ここで、隔膜真空計1の回路部200は、ハードウェアとして、制御装置、記憶装置、計時装置等を有し、これらのハードウェアが、真空室異常検出装置210として機能する。制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を有している。また、記憶装置は、例えば、データを一時的に記憶できるランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性記憶装置(図示せず)およびデータを長期的に記憶できるフラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置(図示せず)を有している。また、記憶装置は、プログラムを記憶し、制御装置が、プログラムに基づいて処理を実行して、後述する真空室異常検出装置210における処理を実現する。そして、計時装置は、タイマ等を有し、制御装置が、演算等に用いる時間の計時を行う。
真空室異常検出装置210は、放電制御部211、放電電流検出部212、真空度測定部213、真空度記憶部214、推定機能部215、判定用閾値記憶部216および信号送信部217を有している。
放電制御部211は、設定時間毎に、可動参照電極116と固定参照電極117との間に電圧を印加させ、真空基準室内で放電させる。放電電流検出部212は、放電が生じたかどうかを検出する。
真空度測定部213は、放電電流検出部212が放電を検出したときに電極間に印加された電圧に基づいて、基準真空室内の真空度を測定する。真空度測定部213が行う真空度の測定には、例えば、パッシェンの法則に係るデータを用いて行うとよい。ここで、以下では、真空度の測定は、基準真空室内の圧力の測定であるものとして説明する。真空度記憶部214は、真空度測定部213が測定した基準真空室内の圧力を、真空度データとして記憶する。ここで、特に限定するものではないが、真空度記憶部214は、例えば、推定機能部215が処理を行うために必要な分のデータを記憶しておけばよく、すべての測定に係る真空度データを記憶していなくてもよい。
推定機能部215は、真空度記憶部214に記憶された真空度データに基づいて、基準真空室内の真空度が、基準真空室外からの流体(気体および液体)の流入によるものか基準真空室内のデガスによるものかを判定する事前判定処理を行う。判定用閾値記憶部216は、推定機能部215が事前判定処理を行う際の閾値をデータとして記憶する。ここでは、基準真空室内が異常とされる圧力の値である異常判定用閾値th100に対し、異常判定用閾値th100の20%における値および80%における値を有する。それぞれの値は、設定圧力値とする。そして、これらの値を、第1傾き判定用閾値th20および第2傾き判定用閾値th80として有している。また、実施の形態1においては、推定機能部215が算出した第1傾き判定用閾値th20における基準真空室の圧力の傾きの値(単位時間あたりの圧力差)である第1傾き値Δth20を記憶する。ここで、実施の形態1では、一例として異常判定用閾値th100の20%における値および80%における値を設定圧力値とし、第1傾き判定用閾値th20および第2傾き判定用閾値th80を定めているが、これらの値に限定するものはない。設定圧力値および傾き判定用閾値の値は、任意に設定することができる。
信号送信部217は、推定機能部215の事前判定処理の結果に基づき、基準真空室内の真空度が異常となる可能性がある旨の異常予告信号を送信する。信号送信部217による異常予告信号の送り先等については、特に限定するものではない。例えば、外部機器に送信する、スピーカ等に音を発生させる等の処理を行うようにするとよい。
図4は、本発明の実施の形態1に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。基準真空室の真空度が維持できなくなる理由として、大きくは、基準真空室内のデガスと基準真空室外からの流体の流入とがある。前述したように、隔膜真空計1の基準真空室には、基準真空室内の気体を吸着するゲッター190が設置されている。ここで、ゲッター190は、吸着する気体の総量が増えてくると、気体が吸収しきれなくなり、吸着速度が落ちる性質を有している。
基準真空室内から発生した気体はゲッター190に吸着され、真空度が維持される。ゲッター190が気体を吸着し続けて吸着速度が落ちると、吸着しきれない気体により基準真空室内の圧力が上昇する。ただ、時間が経過すると、デガスによる気体の発生量が少なくなってくるので、圧力変化が生じる初期の段階に比べて、上昇速度が緩やかになる。例えば、図4に示すように、基準真空室内の圧力の異常判定に用いる異常判定用閾値th100における圧力に対し、20%の圧力における圧力変化の傾きと、80%における圧力変化の傾きとでは、80%における圧力変化の傾きの方が緩やかになる。このため、基準真空室内における圧力の経時変化も穏やかで、基準真空室内の圧力が異常判定用閾値th100に達するまでの時間的余裕がある。ここで、実施の形態1では、一例として、20%の圧力における圧力変化の傾きと80%における圧力変化の傾きとを比較するものとして説明するが、これに限定するものではない。前述したように、設定圧力値および傾き判定用閾値の値は、任意に設定することができる。このため、設定した設定圧力値等に基づく圧力変化の傾きによって比較を行えばよい。
図5は、本発明の実施の形態1に係る外部からの流体流入による基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。基準真空室は、ハウジング120、隔壁170等を壁として囲まれた密閉空間であるが、ハウジング120、隔壁170等を接合することで、空間が形成されている。例えば、ヒータ150の加熱等による急な温度変化が繰り返される等すると、熱サイクルにより、接合部分の劣化、破壊等が発生するケースがある。これにより、所定のリーク量が維持できなくなると、外部から、通常よりも多くの気体等が流入する。また、ハウジング120の材料によっては、接合が接着剤等により行われていることがある。このような場合には、接着剤を透過して、外部から気体等が流入する可能性がある(接着剤の厚さ、材料によって、気体等の透過量を考慮しなくてもよい場合もある)。
外部からの流体流入の場合にも、最初は、発生した気体はゲッター190に吸着され、真空度が維持されるが、ゲッター190の吸着速度が落ちると、基準真空室内の圧力が上昇し、真空度が低下する。ここで、図5に示すように、外部からの流体流入の場合には、異常判定用閾値th100の圧力に達するまでにおいては、圧力の上昇速度は変わらない。したがって、20%の圧力における圧力変化の傾きと、80%における圧力変化の傾きとは、ほぼ同じになる。場合によっては、接合部分の隙間が大きくなることで、80%における圧力変化の傾きの方が大きくなることがある。このため、基準真空室内における圧力の経時変化が急で、基準真空室内が異常とする異常判定用閾値th100に達するまでに、時間的な余裕がない。
以上より、圧力変化が生じる初期段階における傾き値と異常判定用閾値th100の圧力に近づいたときの傾き値とを比較する。これにより、基準真空室内の真空度低下が、デガスによるものかまたは外部からの気体等の流入によるものかを基準真空室内の真空度低下の異常が発生する前の段階で判定し、予告をすることができる。さらに、判定によって、真空度低下の原因についても予告が可能となることで、すぐに交換する必要がない等、使用者は、真空度低下について対応の有無等を判断することができる。
次に、実施の形態1における真空室異常検出装置210の動作について説明する。放電制御部211は、真空基準室内で放電させる。ここで、実施の形態1の放電制御部211は、設定時間毎に、放電させる処理を行うものとする。真空度測定部213は、放電電流検出部212が放電を検出したときの電圧に基づいて、真空度(基準真空室内の圧力)を測定し、真空度記憶部214に真空度データを記憶させる。ここで、実施の形態1においては、真空度記憶部214に、前回と今回の2回分の真空度データを記憶させるものとする。
図6は、本発明の実施の形態1に係る真空室異常検出装置210が行う判定処理の流れを説明する図である。図6の判定処理は、基本的に推定機能部215が行う。図6に基づいて、実施の形態1における判定処理について説明する。推定機能部215は、真空度記憶部214に記憶された真空度データと判定用閾値記憶部216に記憶された第1傾き判定用閾値th20とを比較し、基準真空室の真空度が第1傾き判定用閾値th20の圧力に達したかどうかを判定する(ステップS1)。推定機能部215は、基準真空室の真空度が第1傾き判定用閾値th20の圧力に達していないものと判定すると、第1傾き判定用閾値th20との比較を続ける。一方、基準真空室の真空度が第1傾き判定用閾値th20の圧力に達したものと判定すると、真空度記憶部214に記憶された前回の真空度データとの差を、第1傾き値Δth20として算出する(ステップS2)。ここでは、放電による真空度の測定間隔が一定であるため、真空度の差を傾きとするが、測定間隔が一定でない場合は、単位時間あたりの差を傾き値として演算する。以上のようにして算出した第1傾き値Δth20を、判定用閾値記憶部216に記憶させる(ステップS3)。
推定機能部215は、基準真空室の真空度が第1傾き判定用閾値th20の圧力に達したと判定した後、さらに、真空度記憶部214に記憶された真空度データと判定用閾値記憶部216に記憶された第2傾き判定用閾値th80とを比較する。そして、基準真空室の真空度が第2傾き判定用閾値th80の圧力に達したかどうかを判定する(ステップS4)。推定機能部215は、基準真空室の真空度が第2傾き判定用閾値th80の圧力に達していないものと判定すると、第2傾き判定用閾値th80との比較を続ける。一方、基準真空室の真空度が第2傾き判定用閾値th80の圧力に達したものと判定すると、真空度記憶部214に記憶された前回の真空度データとの差を、第2傾き値Δth80として算出する(ステップS5)。ここでも、真空度の測定間隔が一定でない場合は、単位時間あたりの差を傾き値として演算する。
推定機能部215は、第2傾き値Δth80を、判定用閾値記憶部216に記憶された第1傾き値Δth20で割って、Δth80/Δth20を演算する(ステップS6)。そして、Δth80/Δth20≧1かどうかを判定する(ステップS7)。Δth80/Δth20≧1であると判定すると、基準真空室における真空度の低下(圧力の上昇)は、外部からの気体等の流入によるものである旨の異常予告信号を、信号送信部217に送信させ(ステップS8)、処理を終了する。
一方、Δth80/Δth20≧1でない(Δth80/Δth20<1である)と判定すると、基準真空室における真空度の低下(圧力の上昇)は、デガスによるものである旨の異常予告信号を、信号送信部217に送信させ(ステップS9)、処理を終了する。
上記の判定処理を終了した後、推定機能部215は、さらに、真空度データと異常判定用閾値th100とを比較を行う。真空度が、異常判定用閾値th100に係る圧力値に達すると、異常予告信号を、信号送信部217に送信させる。
以上のように、実施の形態1の真空室異常検出装置210では、推定機能部215が、真空基準室内の圧力が第1傾き判定用閾値th20に達したときの第1傾き値Δth20と、第2傾き判定用閾値th80に達したときの第2傾き値Δth80とを比較する。そして、推定機能部215は、真空度低下が、基準真空室外からの流体流入によるものか基準真空室内のデガスによるものかを判定する判定処理を行い、判定に基づく異常予告信号を送信するようにした。このため、真空度低下の原因を通知するとともに、真空度低下への対応を、異常判定用閾値th100に達する前に行うことができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、異常判定用閾値th100の20%の圧力および80%の圧力における傾きから、真空基準室内の真空度低下が、基準真空室外からの流体流入によるものか基準真空室内のデガスによるものかを判定した。実施の形態2の真空室異常検出装置210においては、3つの圧力における傾きの値に基づいて判定を行うようにしたものである。
図7は、本発明の実施の形態2に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。実施の形態2においては、図7に示すように、異常判定用閾値th100の50%の圧力値が、第3傾き判定用閾値th50として設定され、判定用閾値記憶部216に記憶される。
推定機能部215における処理については、実施の形態1で説明したことと同様である。実施の形態2では、基準真空室の真空度が第1傾き判定用閾値th20の圧力に達したと判定した後、真空度記憶部214に記憶された真空度データと判定用閾値記憶部216に記憶された第3傾き判定用閾値th50とを比較する。そして、基準真空室の真空度が第3傾き判定用閾値th50の圧力に達したと判定すると、第3傾き値Δth50を算出する。また、基準真空室の真空度が第3傾き判定用閾値th50の圧力に達したと判定した後、真空度データと第2傾き判定用閾値th80とを比較する。
そして、推定機能部215は、実施の形態1で説明したステップS6の代わりに、Δth20>Δth50>Δth80であるかどうかを判定する。そして、Δth20>Δth50>Δth80であれば、基準真空室における真空度の低下は、デガスによるものである旨の異常予告信号を送信する。このようにして、実施の形態2の真空室異常検出装置210では、推定機能部215は、演算を行わずに、3点における傾きの比較による判定を行うことができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るデガスによる基準真空室内の圧力と経過時間との関係を示す図である。ここで、図8(b)は、図8(a)の圧力変化に対し、ゲッター190による吸着速度が落ち、基準真空室内の圧力が上昇してからの圧力変化の一部を拡大したものである。
前述したように、基準真空室外からの流体流入による基準真空室内の圧力の上昇は、直線的で、一次関数的に表されるのに対し、図8に示すように、デガスによる基準真空室内の圧力の上昇速度は緩やかになっていく。例えば、基準真空室内の圧力をPとすると、例えば、P=atα(a>0、0<α<1)のように、時間tの関数となる上に凸の曲線に近似的表すことができる。デガスによる基準真空室内の圧力の経時変化を表す曲線の関数については、実験等により、あらかじめ求めておく。
したがって、推定機能部215は、真空度測定部213の測定に係る3以上の圧力値に基づいて、直線の関数への当てはめおよびあらかじめ設定された曲線の関数への当てはめを行う。そして、直線の関数に当てはめることができれば、真空度低下が、基準真空室外からの流体流入によるものと判定し、曲線の関数に当てはめることができれば、基準真空室内のデガスによるものと判定する。したがって、基準真空室内の圧力から傾きの値を算出しなくても、判定を行うことができる。当てはめの方法、手順等については、特に限定しない。
ここで、前述したように、直線の関数および曲線の関数への当てはめを行ったが、例えば、どちらかの関数への当てはめを行い、その可否によって、判定を行うようにしてもよい。このとき、例えば、あらかじめ、歪みによる隙間の大きさを規定して、外部からの流体の流入速度を設定して直線の関数を定義しておくことは困難である。このため、デガスによる基準真空室内の圧力と時間との関係を関数で定義し、当てはめの可否に基づく判定を行う。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係る隔膜真空計1の本体部100の要部を示す図である。前述した実施の形態1においては、可動参照電極116と固定参照電極117との間に電圧を印加させ、真空基準室内で放電させた。放電に係る新たな電極を必要としないことから、流体の流入経路の削減、コスト低減等をはかることができる。ただ、電極が放電専用に調整されているものではなく、意図する精度が得られない可能性がある。
そこで、実施の形態4の隔膜真空計1においては、基準真空室内において放電を行わせる複数の対向する電極を、放電電極195として、独立して設置したものである。放電制御部211は、放電電極195を制御し、放電させる。放電電極195を独立した電極として設置することで、放電電圧検出の精度を高めることができる。
実施の形態5.
上述した実施の形態1および実施の形態2においては、隔膜真空計1内の回路部200が真空室異常検出装置210を有するものとして説明したが、これに限定するものではない。例えば、真空室異常検出装置210を、隔膜真空計1においてセンサチップ110を有する本体部100と別体の外部装置として構成してもよい。
以上、実施の形態を参照して、本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態の内容に限定されるものではない。本発明の構成、詳細等には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 隔膜真空計、100 本体部、110 センサチップ、111 基台、111a 支持部、112 ダイアフラム、112a 可動領域、113 容量室、114 可動電極、115 固定電極、116 可動参照電極、117 固定参照電極、120 ハウジング、120a 第1の空間、120b 第2の空間、130 圧力導入管、140 センサケース、150 ヒータ、160 断熱材、170 隔壁、170a 台座板、170b 支持板、170c 圧力導入孔、180 バッフル、190 ゲッター、195 放電電極、200 回路部、210 真空室異常検出装置、211 放電制御部、212 放電電流検出部、213 真空度測定部、214 真空度記憶部、215 推定機能部、216 判定用閾値記憶部、217 信号送信部。

Claims (10)

  1. 対向する複数の電極が設置された真空空間である真空室の異常を検出する真空室異常検出装置であって、
    前記電極間の放電電圧から前記真空室内の圧力を検出する真空度測定部と、
    前記真空室内の前記圧力の経時変化に基づき、前記真空室外からの流体の流入であるか前記真空室を囲む壁からの気体放出であるかを判定する推定機能部と
    を備えることを特徴とする真空室異常検出装置。
  2. 前記推定機能部は、設定された2以上の前記圧力における前記圧力の傾き値を算出し、前記傾き値により、判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の真空室異常検出装置。
  3. 前記推定機能部は、3以上の前記圧力の値と時間との関係を、関数に当てはめて、判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の真空室異常検出装置。
  4. 前記推定機能部は、当てはまった前記関数が一次関数のときには前記真空室外からの流体の流入であると判定し、上に凸の曲線として表される関数のときには前記真空室を囲む壁からの気体放出であると判定することを特徴とする請求項3に記載の真空室異常検出装置。
  5. 前記推定機能部の判定に基づく異常予告信号を送信する信号送信部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の真空室異常検出装置。
  6. 前記電極間に放電電圧を印加させる放電制御部をさらに備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の真空室異常検出装置。
  7. 被測定媒体が加える圧力により、ダイアフラムとともに変位する可動電極と、
    該可動電極に対向して設けられた固定電極とを真空室内に備え、
    さらに、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の真空室異常検出装置を有することを特徴とする隔膜真空計。
  8. 前記ダイアフラムの周縁部分に設置された可動参照電極と、
    該可動参照電極に対向して設けられた固定参照電極とをさらに有し、
    前記可動参照電極と固定参照電極の間で、前記真空室内の圧力を検出する放電を行うことを特徴とする請求項7に記載の隔膜真空計。
  9. 前記真空室内の圧力を検出する放電を行う放電電極をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の隔膜真空計。
  10. 対向する2つの電極が設置された真空空間である真空室の異常を検出する真空室異常検出方法であって、
    前記電極間で放電させる工程と、
    前記電極間の放電電圧から前記真空室内の圧力を検出する工程と、
    前記真空室内の前記圧力の経時変化に基づき、前記真空室外からの流体の流入であるか前記真空室を囲む壁からの気体放出であるかを判定する工程と、
    前記判定に基づく信号を送信する工程と
    を有することを特徴とする真空室異常検出方法。
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