JP6937605B2 - 光電センサ - Google Patents

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Description

この発明は、物体の有無を検出する光電センサに関する。
従来から、例えば半導体装置等の製造ライン上を流れる物体(部品又は製品等)を検出するため、複数の光電センサを連結して用いている。また、光電センサの設置箇所が狭い場合、光ファイバを用いた光ファイバ型光電センサが用いられる(例えば特許文献1参照)。この光ファイバ型光電センサでは、発光素子により発光された光を光ファイバで導いて検出領域に照射し、検出領域を通過した光を光ファイバで受光素子まで導き、物体の有無を検出する。この光ファイバ型光電センサを用いることで、通常の光電センサでは設置できない狭い箇所であっても光ファイバを設置可能であり、物体検出が可能となる。
しかしながら、通常、光ファイバは直線のまま使用されるのではなく、設置箇所に応じて折り曲げられて使用される。そのため、光ファイバの断線や光量の変動が生じ、正確に物体検出ができないという課題があった。
それに対し、発光素子及び受光素子が、アンプ部を有する本体部から分離されたアンプ分離型の光電センサが知られている。この光電センサにより、光ファイバを用いずに、物体の有無を検出できる。
特開2005−106523号公報
ここで、光電センサでは、一般に発光素子の寿命を延ばすため、図10Aに示すように、発光素子は矩形状の光を発光する。そして、受光素子は、発光素子により発光されて検出領域を通過した光を受光する。なお、受光素子での受光波形は、応答の遅れにより、図10Bに示すような歪んだ波形となる。その後、制御部では、受光素子での受光量が閾値を超えたか否かを判別し、その判別結果を出力している。
しかしながら、受光量はノイズ又は外乱光による変動が大きく、誤判別が発生するという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、誤判別を低減できる光電センサを提供することを目的としている。
この発明に係る光電センサは、第1の周期で光を発光する発光素子と、発光素子による発光量を0より大きな値且つ第1の周期より高い第2の周期で変化させる発光量制御部と、光を受光する受光素子と、受光素子により受光された信号から、第2の周期を含む周期範囲の信号を抽出するフィルタ部と、フィルタ部により抽出された信号に対して検波を行う検波部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上記のように構成したので、誤判別を低減できる。
この発明の実施の形態1に係る光電センサの構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1における制御部の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1における信号生成部の構成例を示す図である。 図4A、図4Bは、この発明の実施の形態1における発光素子と信号伝送ケーブルとの接続方法の一例を示す斜視図であり、図4Aは光学レンズ及び被膜部を取除いた状態を示す図であり、図4Bは外観を示す図である。 この発明の実施の形態1における信号伝送ケーブルと切替え部との接続方法の一例を示す図である。 図6A〜図6Dは、この発明の実施の形態1に係る光電センサの動作例を示す図であり、図6Aは発光素子により発光された光を示す波形であり、図6Bは受光素子により受光された光を示す波形であり、図6Cはフィルタ部により抽出された信号を示す波形であり、図6Dは検波部により検波された信号を示す波形である。 この発明の実施の形態1における信号生成部により生成されて出力される送信信号の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における発光素子及び受光素子の位置関係の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における表示部による表示例を示す図である。 図10A、図10Bは、従来の光電センサの動作例を示す図であり、図10Aは発光素子により発光された光を示す波形であり、図10Bは受光素子により受光された光を示す波形である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る光電センサ1の構成例を示す図である。
光電センサ1は、例えば半導体装置等の製造ライン上を流れる物体(部品又は製品等)の有無を検出する。以下では、光電センサ1が透過形である場合を示す。この光電センサ1は、図1に示すように、複数の発光素子101、複数の受光素子102、複数の信号伝送ケーブル(第1信号伝送ケーブル)103、複数の信号伝送ケーブル(第2信号伝送ケーブル)104及び本体部105を備えている。また、本体部105には、切替え部106、アンプ部107、制御部108、通信部109及び表示部110が搭載されている。図1では、N系統の発光素子101(101−1〜101−N)、受光素子102(102−1〜102−N)、信号伝送ケーブル103(103−1〜103−N)及び信号伝送ケーブル104(104−1〜104−N)を備えた場合を示している。
発光素子101は、当該発光素子101が接続された信号伝送ケーブル103により伝送された送信信号に応じ、当該送信信号を変換した光を発光するチップLED又はレーザダイオード等のセンサ素子である。また必要に応じて、チップ抵抗又は保護ダイオード等も接続される。
受光素子102は、発光素子101と対となって設けられ、光を受光するフォトダイオード、フォトトランジスタ又はフォトIC等のセンサ素子である。また必要に応じて、チップ抵抗又は保護ダイオード等も接続される。なお、受光素子102は、物体の有無を検出する検出領域を挟んで、対となる発光素子101に対向配置される。この受光素子102により受光された光を示す受信信号は、当該受光素子102が接続された信号伝送ケーブル104に出力される。受信信号は電流又は電圧の値の変化から成る。
信号伝送ケーブル103は、発光素子101毎に設けられ、一端に発光素子101が接続され、他端が切替え部106(本体部105)に接続される。信号伝送ケーブル103は、信号ライン1031、グランドライン1032、及び、信号ライン1031及びグランドライン1032を被膜する絶縁体1033を有している(図4参照)。また必要に応じて、電源ライン(不図示)も追加される。この信号伝送ケーブル103は、切替え部106により出力された送信信号を伝送して発光素子101に出力する。送信信号は電流の値の変化から成る。なお、信号伝送ケーブル103には、信号伝送用の2芯以外にシールド線が付加されることもある。
信号伝送ケーブル104は、受光素子102毎に設けられ、一端に受光素子102が接続され、他端が切替え部106(本体部105)に接続される。信号伝送ケーブル104は、信号ライン1041(不図示)、グランドライン1042(不図示)、及び、信号ライン1041及びグランドライン1042を被膜する絶縁体1043(不図示)を有している。この信号伝送ケーブル104は、受光素子102により受光された光を示す受信信号を伝送して切替え部106に出力する。なお、信号伝送ケーブル104には、信号伝送用の2芯以外にシールド線が付加されることもある。
切替え部106は、制御部108の後述する選択部1083により選択された信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104との間で信号の入出力を行う。すなわち、切替え部106は、まず、選択部1083により選択された信号伝送ケーブル103に対し、制御部108の後述する信号生成部1084により生成されてアンプ部107により増幅された送信信号を出力する。その後、切替え部106は、選択部1083により選択された信号伝送ケーブル104により伝送された受信信号を入力する。この切替え部106により入力された受信信号は、アンプ部107に出力される。
アンプ部107は、選択部1083により選択された信号伝送ケーブル103に基づいて、信号生成部1084により生成された送信信号を増幅する。このとき、アンプ部107は、電圧である送信信号を電流に変換する場合もある。なお、アンプ部107における信号伝送ケーブル103毎の増幅量は、PC等により、発光素子101及び受光素子102の位置関係に基づいて適切な値に設定される。このアンプ部107により増幅された送信信号は、切替え部106に出力される。また、アンプ部107は、切替え部106により入力された受信信号をフィルタリング等でノイズを除去した後に増幅する。このとき、アンプ部107は、電流である受信信号を電圧に変換する場合もある。このアンプ部107により増幅された受信信号は、制御部108に出力される。アンプ部107は、主にアナログ回路で構成される。
制御部108は、切替え部106、アンプ部107、通信部109及び表示部110を制御する。この制御部108は、システムLSI等の処理回路や、メモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU等により実現される。制御部108は、図2に示すように、記憶部1081、モード設定部1082、選択部1083、信号生成部(発光量制御部)1084、フィルタ部1085、検波部1086及び物体検出部1087を備えている。
記憶部1081は、信号生成部1084で用いる周期を構成するための情報を格納する。例えば、記憶部1081は、上記情報として、各信号伝送ケーブル103のIDを示す情報を格納する。また、記憶部1081は、上記情報に代えて、信号伝送ケーブル103毎に異なる周期そのものを示す情報を格納してもよい。なお、記憶部1081は必須の構成ではなく、制御部108から取り除いてもよい。
モード設定部1082は、光電センサ1を使用する使用者による入力に応じ、光電センサ1の運用モードを調整モード又は通常モードに設定する。
調整モードは、発光素子101及び受光素子102の位置決めを行うためのモードである。この調整モードでは、制御部108は、ある特定の発光素子101及び当該発光素子101と対となる受光素子102の位置決めが完了するまでは、当該発光素子101に接続された信号伝送ケーブル103のみに送信信号を出力し続け、且つ、全ての受光素子102による受光結果が観測可能となるように切替え部106を制御する。
通常モードは、検出領域における物体の有無を検出するためのモードである。この通常モードでは、制御部108は、予め設定されたタイミング及び順序で、対象とする信号伝送ケーブル103を1つずつ選択して当該信号伝送ケーブル103に送信信号を出力し、且つ、当該信号伝送ケーブル103に接続された発光素子101と対である受光素子102による受光結果が観測可能となるように切替え部106を制御する。
選択部1083は、信号の入出力を行う信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を選択する。
光電センサ1が調整モードの場合には、選択部1083は、ある特定の信号伝送ケーブル103及び全ての信号伝送ケーブル104を選択する。また、上記信号伝送ケーブル103に接続された発光素子101及び当該発光素子101と対となる受光素子102の位置決めが完了した場合には、選択部1083は、次の信号伝送ケーブル103に切替える。
また、光電センサ1が通常モードの場合には、選択部1083は、予め設定された時間間隔及び順序で、一対の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を切替えながら選択する。N対の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104の切替えは、例えば一対の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104に対して1msの選択時間を設け、信号伝送ケーブル103を介して発光素子101を発光させる時間を0.3ms程度とすること等が考えられる。信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104のケーブル長さが数mである場合、ケーブル長さ1mに対して数nsの伝搬遅延時間が発生する程度であるため、発光時間に対して選択時間に余裕を持たせることができる。
なお上記では、選択部1083は、予め設定された時間間隔及び順序で、一対の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を切替えるものとした。しかしながら、これに限らず、選択部1083は、選択した一対の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を用いて物体の検知ができた時点で次の信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を選択するようにしてもよい。
この選択部1083により選択された信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を示す信号は、信号生成部1084、切替え部106及びアンプ部107に出力される。
信号生成部1084は、送信信号を生成する。この際、信号生成部1084は、発光素子101による発光量を周期的に変化させる送信信号を生成する。この信号生成部1084により生成された送信信号は、アンプ部107に出力される。
また、受光素子102が外乱光の存在する場所に設置される場合や、受光素子102により受光された光の発光元である発光素子101を特定する必要がある場合には、送信信号を信号伝送ケーブル103毎に固有な信号としてもよい。すなわち、信号生成部1084は、選択部1083により選択された信号伝送ケーブル103に基づいて、送信信号として、当該信号伝送ケーブル103に固有な周期を有する信号を生成する。この際、例えば、制御部108に記憶部1081が設けられている場合には、信号生成部1084は、当該記憶部1081に格納された情報から得られた周期で変調を掛けることで、上記送信信号を生成可能である。
この信号生成部1084は、例えば図3に示すように、電流源(第1電流源)10841、電流源(第2電流源)10842、加算部10843及びダイオード10844を備えている。
電流源10841は、一定の電流を出力する。この電流源10841により出力される電流は、発光素子101を発光させるためのベースとなる電流である。
電流源10842は、既定周波数の電流を出力する。この電流源10842により出力される電流は、発光素子101による発光量に周期的な変化を与えるための電流である。 なお、電流源10842の周波数は、想定されるいくつかの外来ノイズの周波数から外れたものであることが望ましい。また、電流源10841についても、電流源10842の周波数よりも十分に低いある特定の周波数(矩形波)で出力する。
加算部10843は、電流源10841により出力された電流と電流源10842により出力された電流を加算する。
ダイオード10844は、アノードが加算部10843の出力端子に接続され、カソードが信号生成部1084の出力端子に接続される。このダイオード10844は、加算部10843により加算された電流の逆流を防ぐ。
フィルタ部1085は、アンプ部107により増幅された受信信号から、予め設定した周期範囲の信号を抽出する。上記周期範囲は、信号生成部1084で用いた周期を含む狭い周期範囲である。このフィルタ部1085により抽出された信号は、検波部1086に出力される。
検波部1086は、フィルタ部1085により抽出された信号を検波する。すなわち、検波部1086は、フィルタ部1085により抽出された信号に対して整流及び平滑化を行う。この検波部1086により検波された検波信号は、物体検出部1087に出力される。また、信号生成部1084と検波部1086は、互いに同期をとっており、信号生成部1084が送信信号を出力した後、所定時間内に検波部1086で当該送信信号に対応する信号が検波されない場合には、その旨を物体検出部1087に通知する。
物体検出部1087は、光電センサ1が通常モードの場合において、検波部1086により検波された検波信号に基づいて、物体の有無を検出する。すなわち、物体検出部1087は、検波部1086により検波された検波信号に基づいて、受光レベルが閾値以下である受光素子102が存在すると判断した場合に、検出領域に透明体等の物体が有ると判断する。また、検波部1086により該当する検波信号が検出されないと通知された場合には、検出領域に物体が有ると判断する。この物体検出部1087により検出された物体の有無を示す信号は、通信部109又は表示部110のうちの少なくとも一方に出力される。
なお、制御部108は、光電センサ1が調整モードの場合には、検波部1086により出力された検波信号をそのまま表示部110に出力する。
通信部109は、外部装置との間で通信を行う。なお、通信部109と外部装置との間の接続は、有線(RS−485又はイーサネット(登録商標)等)でも無線でもよい。この通信部109は、制御部108により出力された信号を外部装置に送信し、また、外部装置により送信された信号を受信する。
表示部110は、制御部108により出力された信号に応じた表示を行う。ここで、表示部110は、制御部108により検波信号が出力された場合には、当該検波信号が示す光の受光レベルを表示する。また、表示部110は、制御部108の物体検出部1087により物体の有無を示す信号が出力された場合には、当該物体の有無を表示する。
次に、発光素子101と信号伝送ケーブル103との接続方法の一例について、図4を参照しながら説明する。
発光素子101と信号伝送ケーブル103は、図4に示すように、配線が成された回路基板111を介して導通されている。すなわち、発光素子101は回路基板111上にはんだ付け又は接合により接続され、信号伝送ケーブル103は信号ライン1031及びグランドライン1032の一端が回路基板111上にはんだ付け又は接合により接続されている。また、発光素子101の上部には、光学レンズ112が装着される。また、発光素子101、信号伝送ケーブル103の一端及び回路基板111は、被膜部113により覆われる。
なお、発光素子101と信号伝送ケーブル103との接続は上記に限らない。例えば、市販のコネクタのオス側に発光素子101が接続され、メス側に信号伝送ケーブル103が接続されてもよい。このような構成により、発光素子101を信号伝送ケーブル103に対して容易に着脱可能となり、発光素子101が劣化した場合に信号伝送ケーブル103の配線はそのままに発光素子101だけを交換可能となる。
また上記では、発光素子101と信号伝送ケーブル103との接続方法について示したが、受光素子102と信号伝送ケーブル104との接続方法についても同様であり、その説明を省略する。
次に、信号伝送ケーブル103と切替え部106との接続方法の一例について、図5を参照しながら説明する。
切替え部106では、基板上に、切替え部106を実現するマルチプレクサIC1061と、複数のコネクタのオス側1062とが接続されている。マルチプレクサIC1061は制御部108によって制御される。一方、信号伝送ケーブル103の信号ライン1031及びグランドライン1032の他端には、上記コネクタのメス側1034が接続されている。そして、メス側1034がオス側1062に接続されることで、マルチプレクサIC1061と信号伝送ケーブル103とが導通される。このような構成により、信号伝送ケーブル103を切替え部106(本体部105)に対して容易に着脱可能となる。
なお上記では、信号伝送ケーブル103と切替え部106との接続方法について示したが、信号伝送ケーブル104と切替え部106との接続方法についても同様であり、その説明を省略する。
次に、実施の形態1に係る光電センサ1の動作例について、図6を参照しながら説明する。図6では、一対の発光素子101及び受光素子102を用いた場合での動作例を示している。
実施の形態1に係る光電センサ1では、まず、発光素子101が、信号生成部1084により生成された送信信号に応じ、発光量が周期的に変化する光を発光する。この発光素子101により発光された光の一例を図6Aに示す。
次いで、受光素子102は、発光素子101により発光されて検出領域を通過した光を受光する。この受光素子102により受光された光の一例を図6Bに示す。
次いで、フィルタ部1085は、受光素子102により受光された光を示す受信信号から、予め設定した周期範囲の信号を抽出する。上記周期範囲は、信号生成部1084により用いられた周期を含む狭い周期範囲である。このフィルタ部1085により抽出された信号の一例を図6Cに示す。このフィルタ部1085により、受光素子102により得られた受信信号のうち、該当する発光素子101により発光された光に対応する成分の信号のみを抽出できる。
次いで、検波部1086は、フィルタ部1085により抽出された信号に対して検波を行う。この際、検波部1086は、フィルタ部1085により抽出された信号に対して全波整流又は半波整流の後に平滑化を行うことで検波を行う。この検波部1086による検波により得られた検波信号の一例を図6Dに示す。
なお図6C、図6Dに示すように、検波部1086は、フィルタ部1085により抽出された信号のうち、両端部分を除く信号のみを用いて検波を行う。これにより、フィルタ部1085により抽出された信号のうち、有効な成分の信号のみを用いて検波を行うことができる。
このように、発光素子101で発光量が周期的に変化する光を発光し、フィルタ部1085で当該周期を含む周期範囲の受信信号のみをフィルタリングすることで、ノイズ又は外乱光による影響を抑制できる。
次に、信号生成部1084により生成されて出力される送信信号の一例について、図7を参照しながら説明する。図7では、信号生成部1084が、予め設定された時間間隔で3系統の発光素子101(101−1〜101−3)に順に送信信号を生成して出力する場合を示している。
この場合、まず、選択部1083は、信号の入出力を行うケーブルとして、信号伝送ケーブル103−1及び信号伝送ケーブル104−1を選択する。そして、信号生成部1084は、信号伝送ケーブル103−1に接続された発光素子101−1に対する送信信号f1を生成する。そして、信号生成部1084は、生成した送信信号f1を、時間T1の間にアンプ部107及び切替え部106を介して信号伝送ケーブル103−1に出力する。その後、発光素子101−1は送信信号f1を変換した光を発光し、受光素子102−1は光の受光を行い、制御部108は信号伝送ケーブル104−1、切替え部106及びアンプ部107を介して受信信号の検出を行う。
時間T1が経過した後、選択部1083は、信号の入出力を行うケーブルとして、信号伝送ケーブル103−2及び信号伝送ケーブル104−2を選択する。そして、信号生成部1084は、信号伝送ケーブル103−2に接続された発光素子101−2に対する送信信号f2を生成する。図7では、送信信号f2の周期が、送信信号f1の周期とは異なっている。そして、信号生成部1084は、生成した送信信号f2を、時間T2の間にアンプ部107及び切替え部106を介して信号伝送ケーブル103−2に出力する。その後、発光素子101−2は送信信号f2を変換した光を発光し、受光素子102−2は光の受光を行い、制御部108は信号伝送ケーブル104−2、切替え部106及びアンプ部107を介して受信信号の検出を行う。
時間T2が経過した後、信号伝送ケーブル103−3に対しても同様の処理を行う。
このように、信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を用いて発光素子101及び受光素子102との間で信号の入出力を行うことで、通常の光電センサでは設置できない狭い箇所であっても信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を設置可能であり、物体検出が可能となる。また、信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104は、任意に折り曲げられても、信号の伝送が可能である。そのため、信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104が設置箇所に応じて折り曲げられて使用される場合でも、光ファイバ型光電センサに対し、正確に物体検出が可能となる。
また、発光素子101が劣化した場合に、発光素子101又は信号伝送ケーブル103より先のみを交換するだけでよく、本体部105の交換は不要であるため、メンテナンス時における部品交換コストを低減できる。受光素子102が劣化した場合にも同様である。
また、信号生成部1084が信号伝送ケーブル103毎に異なる周期の送信信号を生成することで、制御部108は、切替え部106での切替え状況に加え、受光素子102により受光された光を示す受信信号から、当該受光された光がどの発光素子101により発光された光であるかを特定可能となる。
なお、信号生成部1084では、信号伝送ケーブル103毎に時分割に送信信号を出力している。そのため、受光素子102により光が受光されたタイミングから、当該受光された光がどの発光素子101により発光された光であるかを特定することもできる。
また、信号生成部1084が送信信号f1〜f3を出力する時間T1〜T3は、制御部108で設定可能である。例えば、送信信号f1〜f3自体の送信時間を0.2〜0.3ms程度とし、信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104の伝搬遅延時間がケーブル長さ1mに対して数nsであることを考慮すると、時間T1〜T3は1ms程度等とすることが考えられる。これにより、信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104のケーブル長さによる遅延等を考慮した時間T1〜T3を設定可能となる。
なお、複数の信号伝送ケーブル104の間隔が十分離れているか、又は信号生成部1084が生成する送信信号を信号伝送ケーブル103毎に固有の信号にしておけば、選択部1083は切替え部106に対して複数の信号伝送ケーブル103を同時に選択しても、相互干渉を起こすことが無くなる。その場合、検波部1086は複数の信号を検波できる機能を有することとなる。
なお、従来では、複数の光電センサを連結して用いている。この場合、各光電センサの通信が煩雑となり高速化ができず、また、電源ライン及び信号ラインの配線の引き回しが煩雑になるという課題があった。
それに対し、実施の形態1に係る光電センサ1では、単一の本体部105に複数対のセンサ素子(発光素子101及び受光素子102)を信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を介して接続する構成としている。その結果、各センサ素子でのセンシングに対する処理の高速化を図ることができ、また、配線の引き回しも容易となる。
次に、発光素子101及び受光素子102の位置関係の一例について、図8を参照しながら説明する。図8では、3系統の発光素子101(101−1〜101−3)及び受光素子102(102−1〜102−3)の位置関係を示している。
図8では、発光素子101−1と受光素子102−1との間の距離L1に対し、発光素子101−2と受光素子102−2との間の距離L2が長い。そのため、発光素子101−1に出力する送信信号の強度は、発光素子101−2に出力する送信信号の強度に対して弱くても、受光素子102−1は十分に受光が可能である。しかしながら、図8のように、発光素子101−1と発光素子101−2との間の距離W1が近い場合には、相互干渉を生じる可能性があるため、非常に強い送信信号を発光素子101−2に出力するのは望ましくない。一方で、図8では、発光素子101−3と発光素子101−2との間の距離W2は離れており、且つ、発光素子101−3と受光素子102−3との間の距離L3は非常に離れている。そのため、発光素子101−3に出力する送信信号の強度は強くすることが望ましい。
このように、各発光素子101に出力する送信信号の適切な強度は、発光素子101及び受光素子102の位置関係により異なる。そこで、発光素子101及び受光素子102の位置決めを行った後、例えばPCを用いて、その位置関係に基づいて、アンプ部107に対して各発光素子101に出力する送信信号に対する増幅量を設定する。これにより、最適な条件での物体検出が可能となる。
次に、表示部110による表示例について図9を参照しながら説明する。
図9に示す表示部110では、切替え部106における切替え数と同数の表示窓1101(1101−1〜1101−N)が設けられ、各受光素子102での受光レベルをゲージで表示している。
この表示部110は、主に発光素子101及び受光素子102の位置決めを行う際に使用される。位置決めを行う場合には、制御部108は、ある特定の発光素子101及び当該発光素子101と対となる受光素子102の位置決めが完了するまでは、当該発光素子101に接続された信号伝送ケーブル103のみに送信信号を出力し続け、且つ、全ての受光素子102による受光結果が観測可能となるように切替え部106を制御する。そして、表示部110は、各受光素子102での受光レベルを表示する。これにより、図9に示すように、特定の発光素子101による発光に対する各受光素子102での受光結果を観測できる。よって、複数の発光素子101による相互干渉の有無を判断でき、各発光素子101及び各受光素子102を相互干渉のない最適な設置とすることができる。
また、光電センサ1が通常モードである場合には、表示部110は、例えば、物体検出部1087により出力された物体の有無を示す信号に基づき、物体が無い場合には表示窓1101のレベルゲージを0%とし、物体が有る場合には表示窓1101のレベルゲージを100%とする。
なお上記では、光電センサ1が、単一の本体部105に複数対のセンサ素子(発光素子101及び受光素子102)が信号伝送ケーブル103及び信号伝送ケーブル104を介して接続された場合を示した。しかしながら、これに限らず、光電センサ1は、アンプ分離型又は光ファイバ型等のその他の光電センサであってもよい。
また上記では、光電センサ1が透過形である場合を示した。しかしながら、これに限らず、光電センサ1は反射型でもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、光を発光する発光素子101と、発光素子101による発光量を周期的に変化させる信号生成部1084と、光を受光する受光素子102と、受光素子102により受光された信号から、周期を含む周期範囲の信号を抽出するフィルタ部1085と、フィルタ部1085により抽出された信号に対して検波を行う検波部1086とを備えたので、誤判別を低減できる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 光電センサ
101 発光素子
102 受光素子
103 信号伝送ケーブル(第1信号伝送ケーブル)
104 信号伝送ケーブル(第2信号伝送ケーブル)
105 本体部
106 切替え部
107 アンプ部
108 制御部
109 通信部
110 表示部
111 回路基板
112 光学レンズ
113 被膜部
1031 信号ライン
1032 グランドライン
1033 絶縁体
1034 コネクタのメス側
1041 信号ライン
1042 グランドライン
1043 絶縁体
1061 マルチプレクサIC
1062 コネクタのオス側
1081 記憶部
1082 モード設定部
1083 選択部
1084 信号生成部(発光量制御部)
1085 フィルタ部
1086 検波部
1087 物体検出部
1101 表示窓
10841 電流源(第1電流源)
10842 電流源(第2電流源)
10843 加算部
10844 ダイオード

Claims (2)

  1. 第1の周期で光を発光する発光素子と、
    前記発光素子による発光量を0より大きな値且つ第1の周期より高い第2の周期で変化させる発光量制御部と、
    光を受光する受光素子と、
    前記受光素子により受光された信号から、前記第2の周期を含む周期範囲の信号を抽出するフィルタ部と、
    前記フィルタ部により抽出された信号に対して検波を行う検波部と
    を備えた光電センサ。
  2. 前記発光量制御部は、
    一定の電流を出力する第1電流源と、
    既定周波数の電流を出力する第2電流源と、
    前記第1電流源により出力された電流と前記第2電流源により出力された電流を加算する加算部とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光電センサ。
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