JP6937413B2 - ガラス板合紙用木材パルプ及びその使用、ガラス板用合紙、それを用いた積層体、ガラス板の保護方法、並びにガラス板合紙用木材パルプ又はガラス板用合紙の検査方法 - Google Patents

ガラス板合紙用木材パルプ及びその使用、ガラス板用合紙、それを用いた積層体、ガラス板の保護方法、並びにガラス板合紙用木材パルプ又はガラス板用合紙の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ等のフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する過程において、ガラス板を包装する紙、及び、ガラス板の間に挟み込む紙、並びに、これらの紙の製造に使用される木材パルプに関するものである。
一般に、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を、複数枚積層して保管する過程、トラック等で運搬する流通過程等において、ガラス板同士が衝撃を受けて接触して擦れ傷が発生し、また、ガラス表面が汚染するのを防止する目的でガラス板の間に合紙と称される紙を挟み込むことが行われている。
フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板は、一般の建築用窓ガラス板、車両用窓ガラス板等に比べて、高精細ディスプレイ用に使用されることから、ガラス表面は紙表面に含まれる不純物が極力無いクリーンな表面を保持していること、また、高速応答性や視野角拡大のために平坦度に優れていることが求められる。
このような用途に使用される合紙としては、ガラス板の割れや表面の傷つきを防止できる合紙、また、ガラス表面を汚染しない合紙として、既にいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、合紙の表面にフッ素コーティング皮膜を形成する手法が開示されている。また、特許文献2には、ポリエチレン系樹脂製発泡シートとポリエチレン系樹脂製フィルムが貼合された合紙が、特許文献3には、さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプからなる紙であって、特定のアルキレンオキサイド付加物や水可溶性ポリエーテル変性シリコーンを含有するガラス用合紙が、そして、特許文献4には、紙中の樹脂分の量を規定し、ガラス表面の汚染に考慮した原料を使用したガラス板合紙がそれぞれ開示されている。
しかし、これらの合紙によってフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板表面の汚染を完全に防げるわけではなく、場合によっては、何らかの原因によるガラス板表面の汚染のため、ガラス板の欠陥率が上昇することがあるのが実状である。
特に最近は採算性の観点から、フラットパネル・ディスプレイ等の製造工程において高い歩留まりが求められ、フラットパネル・ディスプレイ用に使用されるガラス板表面の汚染をいかに防止するかが重要である。
そこで、特許文献5には、ガラス板用合紙中に含まれるシリコーンの量を制限することが記載されている。
特開2012−188785号公報 特開2010−242057号公報 特開2008−208478号公報 特開2006−44674号公報 国際公開第2014/104187号公報
しかし、ガラス板表面の汚染は必ずしもシリコーンのみに起因しているわけではなく、シリコーン以外の汚染物質による汚染についても防止することが求められている。一方、木材パルプ又は該木材パルプからなるガラス板合紙において、具体的にどのような成分をどの程度の量に制御すればガラス板表面の汚染を有効に防ぐことができるかは、これまで分かっていなかった。
本発明は、高い清浄度及び傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板向けの、当該ガラスの表面の汚染を実際上問題のないレベルにまで低減することが可能な合紙、並びに、当該合紙用の木材パルプを提供することを課題とする。
例えば、TFT液晶ディスプレイの製造工程の一つであるアレイ工程のカラーフィルター基板作製時に、ガラス板表面が汚染されている場合、断線等の問題が生じることが知られている。カラーフィルター基板は、ガラス板に半導体膜、ITO膜(透明導電膜)、絶縁膜、アルミ金属膜等の薄膜をスパッタリングや真空蒸着法等で形成して作製されるが、ガラス板表面に汚染物質が存在すると薄膜から形成した回路パターンに断線が生じたり、絶縁膜の欠陥による短絡が生じるからである。また、カラーフィルター基板の作製において、ガラス板にフォトリソグラフィによるパターンを形成するが、この工程でレジスト塗布時のガラス板面に汚染物質が存在すると、露光や現像後のレジスト膜にピンホールが生じ、その結果断線や短絡が生じる。同様な問題が有機ELディスプレイの製造でも確認されている。有機ELディスプレイはガラス基板にITO陽極、有機発光層、陰極等の薄膜をスパッタリングや蒸着や印刷等で形成して作製されるため、ガラス基板表面に薄膜を阻害する異物が存在すると非発光となる問題が生じる。
このようなガラス板の汚染原因は特定が困難であり、その原因の一つがガラス板用合紙に含まれるシリコーン等の疎水性物質であることが本発明者らの検証によって判明している。
したがって、ガラス板用合紙(以下、「ガラス板合紙」ともいう)の製造に使用される木材パルプ中の疎水性物質の全体量を一定以下にすること、並びに、ガラス板用合紙中の疎水性物質の全体量を一定以下にすることが考えられる。しかし、疎水性物質の全体量を制限するだけでは、ガラス板用合紙に含まれる汚染物質に由来するガラス板表面の汚染を実際上問題のないレベルにまで低減することは困難な場合があった。
そこで、更に鋭意検討の結果、本発明者らは、ガラス板用合紙に含まれる、又は、ガラス板用合紙の製造に使用される木材パルプに含まれる、問題となりうる特定の元素の濃度を一定以下にすることで、ガラス板表面の汚染を低減することができることを見出した。具体的には、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン又はニッケルの各元素の濃度を一定以下にすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度は蛍光X線分析によって測定可能であり、また、蛍光X線の強度は当該各元素の存在量に比例するので、ガラス板合紙用木材パルプから調製された紙、又は、ガラス板用合紙を蛍光X線分析によってスキャニングすると、当該紙又は合紙に存在する各元素、及び該元素を含む汚染物質の位置及び量を把握することができる。したがって、本発明においては、ガラス板合紙用木材パルプに含まれる、又は、ガラス板用合紙の表面に点在するアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケル、或いはこれらの元素を含む汚染物質を、当該木材パルプから調製された検査用の紙、又は、合紙の表面における蛍光X線分析によって識別することができる。
そして、本発明では、ガラス板合紙用木材パルプから調製された検査用紙又はガラス板用合紙の、上記のようにして識別した、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの濃度を制限することによって、当該元素を含む汚染物質に由来するガラス板表面の汚染を実際上問題のないレベルにまで低減することができる。
本発明の第一の態様は、ガラス板合紙用木材パルプであって、当該木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプに関する。
前記ガラス板合紙用木材パルプは(1)〜(11)の条件の全てを満たすことが好ましい。
アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの少なくとも1つは、無機鉱物として存在し得る。
前記ガラス板はディスプレイ用であることが好ましく、特にディスプレイがTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることが好ましい。
本発明の第二の態様は、木材パルプを原料とするガラス板用合紙であって、蛍光X線分析による前記合紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板用合紙に関する。
前記ガラス板用合紙は(1)〜(11)の条件の全てを満たすことが好ましい。
アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの少なくとも1つは、無機鉱物として存在し得る。
前記ガラス板はディスプレイ用であることが好ましく、特にディスプレイがTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることが好ましい。
また、本発明は、本発明の第一の態様の木材パルプからなるガラス板合紙、及び/又は、本発明の第二の態様のガラス板用合紙及びガラス板からなる積層体にも関する。
更に、本発明は、ガラス板合紙、特に本発明の第二の態様のガラス板用合紙、の製造のための本発明の第一の態様の木材パルプの使用にも関する。
また、本発明は、本発明の第二の態様のガラス板用合紙を複数のガラス板の間に挿入する工程を含む、ガラス板の保護方法にも関する。
本発明の第三の態様は、
ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙を蛍光X線分析に供する工程、
前記蛍光X線分析により前記手すき紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程、
前記濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプを選別する工程
を含む、ガラス板合紙用木材パルプの検査方法に関する。
本発明の第四の態様は、
ガラス板用合紙を蛍光X線分析に供する工程、
前記蛍光X線分析により前記ガラス板用合紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程、
前記濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板用合紙を選別する工程
を含む、ガラス板用合紙の検査方法に関する。
本発明の木材パルプからなるガラス板合紙並びに本発明のガラス板用合紙はガラス板への汚染物質の転写を抑制乃至回避することができる。このように、ガラス板への汚染物質の転写を抑制乃至回避することにより、TFT液晶ディスプレイ等の製造工程においてカラーフィルム等の回路断線を防止することが可能となる。
本発明では、ガラス板用合紙の製造に使用される木材パルプ中の汚染物質の全体量、又は、ガラス板用合紙中の汚染物質の全体量を一定以下にするのではなく、木材パルプ中又はガラス板用合紙中のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を一定以下とするので、汚染物質を全て特定してその量を測定することなく、汚染物質に由来するガラス板表面の汚染を実際上問題のないレベルにまで低減することが可能となる。また、蛍光X線分析により、各元素全てを同時に測定すること、各元素の態様(固体、液体、気体)に影響なく分析することが可能である。
また、本発明では、ガラス板合紙用木材パルプから調製された検査用紙又はガラス板用合紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を、当該検査用紙又はガラス板用合紙の蛍光X線分析によって、当該検査用紙又は合紙を破壊又は変性することなく、容易に識別することができるので、当該濃度を測定することによって、選定基準に合致したガラス板合紙用木材パルプ又はガラス板用合紙を容易に選別することができる。
ガラス板へ合紙が使用される際に、合紙中の汚染物質がガラス板へ転写する傾向がある。これに対し、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす木材パルプからなる合紙、或いは、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす合紙をガラス板に使用すると、ガラス板へ転写する汚染物質量が減少し、その結果、パネル形成時の問題を低減することができることが今回明らかとなった。
アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度は蛍光X線分析によってその存在及び量を把握することができる。本発明のガラス板合紙用木材パルプは、当該木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙の表面の蛍光X線分析によるアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす品質を備える。これにより、本発明の木材パルプからなるガラス板合紙の表面に存在する汚染物質を実質的に問題とならないレベルまで低減することができる。また、本発明のガラス板用合紙は、木材パルプからなるガラス板用合紙であって、蛍光X線分析による当該合紙表面のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす。
前記手すき紙のアルミニウムの濃度は100ppm以下であることが好ましく、90.0ppm以下であることがより好ましく、80.0ppm以下であることが更により好ましく、75.0ppm以下であることが更により好ましく、70.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のケイ素の濃度は850ppm以下であることが好ましく、700ppm以下であることがより好ましく、600ppm以下であることが更により好ましく、500ppm以下であることが更により好ましく、400ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙の硫黄の濃度は200ppm以下であることが好ましく、180ppm以下であることがより好ましく、150ppm以下であることが更により好ましく、120ppm以下であることが更により好ましく、100ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のカルシウムの濃度は700ppm以下であることが好ましく、600ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることが更により好ましく、450ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のマグネシウムの濃度は700ppm以下であることが好ましく、600ppm以下であることがより好ましく、550ppm以下であることが更により好ましく、530ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙の鉄の濃度は90.0ppm以下であることが好ましく、80.0ppm以下であることがより好ましく、70.0ppm以下であることが更により好ましく、60.0ppm以下であることが更により好ましく、55.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙の塩素の濃度は600ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、400ppm以下であることが更により好ましく、300ppm以下であることが更により好ましく、200ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のナトリウムの濃度は3000ppm以下であることが好ましく、2500ppm以下であることがより好ましく、2000ppm以下であることが更により好ましく、1800ppm以下であることが更により好ましく、1600ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のカリウムの濃度は40.0ppm以下であることが好ましく、30.0ppm以下であることがより好ましく、25.0ppm以下であることが更により好ましく、20.0ppm以下であることが更により好ましく、10.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のリンの濃度は15ppm以下であることが好ましく、12.0ppm以下であることがより好ましく、10.0ppm以下であることが更により好ましく、8.0ppm以下であることが更により好ましく、6.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記手すき紙のニッケルの濃度は350ppm以下であることが好ましく、320ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることが更により好ましく、280ppm以下であることが更により好ましく、260ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のアルミニウムの濃度は1400ppm以下であることが好ましく、1350ppm以下であることがより好ましく、1300ppm以下であることが更により好ましく、1250ppm以下であることが更により好ましく、1200ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のケイ素の濃度は900ppm以下であることが好ましく、800ppm以下であることがより好ましく、750ppm以下であることが更により好ましく、700ppm以下であることが更により好ましく、650ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙の硫黄の濃度は400ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、250ppm以下であることが更により好ましく、200ppm以下であることが更により好ましく、150ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のカルシウムの濃度は500ppm以下であることが好ましく、450ppm以下であることがより好ましく、400ppm以下であることが更により好ましく、300ppm以下であることが更により好ましく、200ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のマグネシウムの濃度は700ppm以下であることが好ましく、650ppm以下であることがより好ましく、600ppm以下であることが更により好ましく、550ppm以下であることが更により好ましく、500ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙の鉄の濃度は45.0ppm以下であることが好ましく、40.0ppm以下であることがより好ましく、30.0ppm以下であることが更により好ましく、25.0ppm以下であることが更により好ましく、22.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙の塩素の濃度は400ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、250ppm以下であることが更により好ましく、200ppm以下であることが更により好ましく、150ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のナトリウムの濃度は1400ppm以下であることが好ましく、1350ppm以下であることがより好ましく、1300ppm以下であることが更により好ましく、1200ppm以下であることが更により好ましく、1100ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のカリウムの濃度は45.0ppm以下であることが好ましく、40.0ppm以下であることがより好ましく、35.0ppm以下であることが更により好ましく、30.0ppm以下であることが更により好ましく、20.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のリンの濃度は18.0ppm以下であることが好ましく、16.0ppm以下であることがより好ましく、15.0ppm以下であることが更により好ましく、14.0ppm以下であることが更により好ましく、12.0ppm以下であることが特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のニッケルの濃度は370ppm以下であることが好ましく、330ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることが更により好ましく、290ppm以下であることが更により好ましく、270ppm以下であることが特に好ましい。
本発明における蛍光X線分析の態様は特に限定されない。蛍光X線分析は、X線を試料に照射し、発生する蛍光X線を分析する非破壊分析法であり、その原理・分析装置は周知である。蛍光X線分析装置としては波長分散型又はエネルギー分散型のいずれをも使用することができる。また、蛍光X線の強度は試料中のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の量によって変動し、各元素の量が多いほど蛍光X線の強度は大きくなる。したがって、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の含有率が既知である標準試料を用いて得られた蛍光X線と、得られた各元素の蛍光X線とを対比することによって、試料中のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素を定量することが可能である。
本発明では、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の量を示す指標として、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の蛍光X線強度を利用する。そして、ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙の蛍光X線測定によって得られたアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
のいずれも満たさないもの、並びに木材パルプを原料とするガラス板用合紙の蛍光X線測定によって得られたアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
のいずれも満たさないものについては存在する汚染物質の量が比較的多いとみなし、当該濃度を制限する。
本発明における蛍光X線分析は、試料表面の一点のみについて蛍光X線分析を行うのではなく、一定の割合の試料表面について蛍光X線分析を行うものであり、これにより、本発明のガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙又はガラス板用合紙の表面におけるアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の分布を測定することができる。蛍光X線分析は、本発明のガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙又はガラス板用合紙の表面における蛍光X線分析を当該表面の少なくとも50%、好ましくは70%、より好ましくは90%、更により好ましくは100%について行うことで実施可能である。本発明における蛍光X線分析は、例えば、ZXS Primus(株式会社リガク)、EA-8000((株)日立ハイテクサイエンス)等の市販の蛍光X線分析装置を使用して実施することができる。
前記汚染物質はアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン又はニッケルを含む限り特に限定されない。例えば、オルガノポリシロキサン(シリコーン)、タルク、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、炭酸カルシウム、鉄サビ、苛性ソーダ、及び硫酸ソーダを挙げることができる。アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの少なくとも1つが無機鉱物として存在することが好ましい。
アルミニウムを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば硫酸バンド、カオリン、ステアリン酸アルミニウム、及び塩化アルミニウムを挙げることができる。
ケイ素を含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、有機ケイ素化合物であることがより好ましい。
有機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ケイ素原子を含むモノマー、オリゴマー又はポリマーが挙げられる。ケイ素原子を含むモノマーとしては、例えば、ケイ素−ケイ素結合を有することを特徴とする構造単位からなるシラン、ケイ素−窒素−ケイ素結合を有することを特徴とする構造単位からなるシラザン、ケイ素−酸素−ケイ素結合を有することを特徴とする構造単位からなるシロキサン、ケイ素−炭素−ケイ素結合を有することを特徴とする構造単位からなるカルボシラン、及び、これらの混合物を挙げることができる。
有機ケイ素化合物としては、ケイ素原子を含むポリマー(有機ケイ素高分子)が好ましい。有機ケイ素高分子としては、例えば、ポリシラン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリカルボシラン、及び、これらの混合物を挙げることができる。オルガノポリシラン、オルガノポリシラザン、オルガノポリシロキサン、オルガノポリカルボシラン、又は、これらの混合物が好ましく、オルガノポリシロキサン(シリコーン)がより好ましい。
シリコーンとしては、シリコーン油が挙げられる。シリコーン油は疎水性であり、その分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。シリコーン油の25℃における動粘度は、通常、0.65〜100,000mm/sの範囲であるが、0.65〜10,000mm/sの範囲でもよい。
シリコーン油としては、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、及び、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。
直鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、及び、分岐状オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(1)、(2)及び(3):

SiO−(R SiO)−SiR (1)
Figure 0006937413
(式中、
は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、或いは、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基で示される基から選択される基であり、
aは、0〜1000の整数であり、
bは3〜100の整数であり、
cは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
置換若しくは非置換の一価炭化水素基は、典型的には、置換若しくは非置換の、炭素原子数1〜30、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜4の一価の飽和炭化水素基;置換若しくは非置換の、炭素原子数2〜30、好ましくは炭素原子数2〜10、より好ましくは炭素原子数2〜6の一価の不飽和炭化水素基;炭素原子数6〜30、より好ましくは炭素原子数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。
炭素原子数1〜30の一価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
炭素原子数2〜30の一価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の直鎖又は分岐状のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;シクロペンテニルエチル基、シクロヘキセニルエチル基、シクロヘキセニルプロピル基等のシクロアルケニルアルキル基;及び、エチニル基、プロパルギル基等のアルキニル基が挙げられる。
炭素原子数6〜30の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等のアリール基が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と脂肪族飽和炭化水素が複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
上記の一価炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、水酸基、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基からなる群から選択される。具体的には、3,3,3−トリフロロプロピル基、3―クロロプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられるが、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
より具体的には、直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(2mPa・sや6mPa・s等の低粘度〜100万mPa・s等高粘度のジメチルシリコーン)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体,トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、フェニル(トリメチルシロキシ)シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルアルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ドデシルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキサデシルトリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、トリストリメチルシロキシアルキルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、ジメチコノール等が例示される。
環状オルガノポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。
分岐状オルガノポリシロキサンとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシラン等が挙げられる。
本発明におけるシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリジメチル−ポリジフェニルシロキサンコポリマー、ポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン等が好ましい。本発明におけるシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンが典型的である。
本発明におけるシリコーン油は変性シリコーン油であってもよい。変性シリコーン油としては、例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーン油が挙げられる。
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは、分子中にケイ素−炭素結合を介してポリオキシアルキレン基が結合しているシリコーンオイルであり、好ましくは、常温、具体的には25℃において水溶性を示すものであって、より好ましくはノニオン系のものである。
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは、具体的には、例えば直鎖状又は分岐状のシロキサンよりなるシリコーンオイルとポリオキシアルキレンとの共重合体であり、種々のものがあるが、特に下記式(4)で表わされるものが好ましい。

SiO−(R SiO)−(RASiO)−SiR (4)

(式中、
は、それぞれ独立して、上記と同様であり、
は、それぞれ独立して、R又はAであり、
Aは、それぞれ独立して、RGで表される基であり、Rは、置換若しくは非置換の二価炭化水素基であり、Gはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜5のアルキレンオキサイドを少なくとも1種含有してなるポリオキシアルキレン基を表し、
dは1〜500の整数を表し、
eは1〜50の整数を表す)。
置換若しくは非置換の二価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基が挙げられ、具体的には、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素原子数2〜30のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、水酸基、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、炭素原子数1〜30のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数3〜5のアルキレン基がより好ましい。
例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 0006937413
(式中、
xは20〜160、yは1〜25であり、x/yの値は50〜2であり、
Aは、例えば−(CHO−(CHCHO)−(CHCHCHO)−Rであり、mは7〜40、nは0〜40、m+nの値は少なくとも1であり、グラフト重合されたものでもランダム重合されたものでもよく、Rは水素原子又は上記置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す。好適には、mは7〜30、nは0〜30である)
また、変性シリコーン油としては、例えば、アミノアルキル変性シリコーン油が挙げられる。
アミノアルキル変性シリコーンオイルは、分子中にケイ素−炭素結合を介してアミノアルキル基が結合しているシリコーンオイルであり、好ましくは、常温、具体的には25℃において10〜100000csの粘度を示すものである。
前記アミノアルキルシリコーンオイルとしては、上記式(4)において、Gを式:−(NRCHCHNR (式中、Rはそれぞれ独立して上記のとおりであり、zは0≦z≦4の数である)で置換したものが挙げられる。
硫黄を含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば硫酸バンド;硫酸ソーダ(硫酸ナトリウム);硫酸マグネシウム;亜硫酸ナトリウム;硫化ナトリウム;ラウリルスルホン酸ナトリウム及びドデシルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸エステル;並びにポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類を挙げることができる。
カルシウムを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば炭酸カルシウム、塩化カルシウム、及びステアリン酸カルシウムを挙げることができる。
マグネシウムを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えばタルク及び硫酸マグネシウムを挙げることができる。
鉄を含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば鉄サビを挙げることができる。
塩素を含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば塩化カルシウム及び塩素酸ナトリウムを挙げることができる。
ナトリウムを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば苛性ソーダ、硫酸ソーダ、亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、及びオクチルリン酸ナトリウムを挙げることができる。
カリウムを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば水酸化カリウム、オレイン酸カリウム、及び炭酸カリウムを挙げることができる。
リンを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類、リン酸トリブチル、並びにオクチルリン酸ナトリウムを挙げることができる。
ニッケルを含む汚染物質は、特に限定されるものではないが、不揮発性であることが好ましく、例えば酸化ニッケルを挙げることができる。
一般に、木材パルプ中にはシリコーンが含有されていることが多い。これは、木材パルプの製造過程、特に洗浄工程、において泡の発生による洗浄能力の低下を防ぐために使用される消泡剤としてシリコーン系消泡剤が多用されるからであり、このシリコーン系消泡剤由来のシリコーンがパルプに残存する。シリコーン系消泡剤は、例えば、シリコーンオイル及び疎水性シリカの混合物に変性シリコーン、界面活性剤等を混合して製造される。木材パルプ、又は当該木材パルプからなるガラス板用合紙に含まれるシリコーンは汚染物質となり、携帯端末など非常に高精細なディスプレイを必要とする場面において、ガラスに転移した微量のシリコーンが要因で発生するカラーフィルムの断線箇所は高精彩であるが故に目立ち、品質不良と判断されてしまうおそれが高まる。
したがって、本発明のガラス板用合紙の表面に存在するシリコーンに基づく汚染物質の量を低減するためには、特に合紙の原料となる木材パルプがシリコーンを多く含まないことが重要である。本発明において、合紙の原料となる木材パルプ中のシリコーンの含有量を低減する手段は特に限定されるものではないが、木材パルプ製造時に使用する消泡剤として非シリコーン系消泡剤を使用することが好ましい。
非シリコーン系の消泡剤としては、例えば、鉱物油系消泡剤、高級アルコール系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アミド系消泡剤、アミン系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、スルホン酸エステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤及び植物油系消泡剤が挙げられる。
鉱物油系消泡剤は、例えば、炭化水素油等の鉱物油、鉱物ワックス等を含む。
高級アルコール系消泡剤は、例えば、オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール等を含む。
脂肪酸系消泡剤は、例えば、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等を含む。
脂肪酸エステル系消泡剤は、例えば、ステアリン酸イソアミル、グリセリンモノリシノレート、ソルビトールモノラウレート、ソリビトールトリオレエート等を含む。
アミド系消泡剤は、例えば、アクリレートポリアミン等を含む。
アミン系消泡剤は、例えば、ジアリルアミン等を含む。
リン酸エステル系消泡剤は、例えば、リン酸トリブチル、オクチルリン酸ナトリウム等を含む。
金属石鹸系消泡剤は、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム等を含む。
スルホン酸エステル系消泡剤は、例えば、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等を含む。
ポリエーテル系消泡剤は、例えば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数8以上の高級アルコールや炭素数12〜14の2級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等を含む。
植物油系消泡剤は、例えば、大豆油、トウモロコシ油、ヤシ油、アマニ油、菜種油、綿実油、ゴマ油、ヒマシ油等の植物油を含む。
また、非シリコーン系消泡剤は、疎水性シリカ等の無機粒子を含むことができる。疎水性シリカとしては、親水性のシリカのシラノール基をメチル基等のアルキル基で置換することによって疎水化処理されたシリカを使用することが好ましい。
非シリコーン系消泡剤は、必要に応じて、界面活性剤等を含むこともできる。したがって、非シリコーン系消泡剤はエマルジョン型であってもよい。
一方で、木材パルプ製造時に使用する消泡剤として、リン酸エステル系消泡剤及び金属石鹸系消泡剤などの非シリコーン系消泡剤を使用する場合、シリコーンと同様に、非シリコーン系消泡剤由来の汚染物質がパルプに残存する可能性がある。どのような非シリコーン系消泡剤由来の汚染物質がガラス板に転移して品質不良を引き起こすかは完全には明らかになってはいないが、少なくとも、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす木材パルプからなる合紙、或いは、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たす合紙をガラス板に使用することで、高精細ディスプレイ用などの高品質なガラス板が求められる場合であっても、品質不良を低減することができる。
本発明において使用可能な木材パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプを単独或いは混合したものである。この木材パルプを主体とし、必要に応じてこれに麻、竹、藁、ケナフ、楮、三椏や木綿等の非木材パルプ、カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ、レーヨン、ビニロン、ナイロン、アクリル、ポリエステル等の合成繊維や化学繊維、又はミクロフィブリル化パルプを単独で、或いは混合して併用することができる。ただし、パルプ中に樹脂分が多く含まれると、当該樹脂分がガラス板表面を汚す等の悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ樹脂分の少ない化学パルプ、例えば針葉樹晒クラフトパルプを単独で使用することが好ましい。また、砕木パルプのような高収率パルプは、樹脂分が多く含まれるので好ましくない。なお、合成繊維や化学繊維を混合させると削刀性が向上し、合紙を平版にする際の作業性が向上するが、廃棄物処理の面においてリサイクル性が悪くなるので注意が必要である。
また、本発明の性能を損なわない範囲で、上記した木材パルプを主体とした製紙用繊維に対して、必要に応じて接着剤、防黴剤、各種の製紙用填料、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、着色剤、定着剤、歩留まり向上剤、スライムコントロール剤等を添加し、次いで公知・既存の長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、長網と円網のコンビネーション抄紙機等で抄造して得ることができる。また、これら薬品添加の際には虫やごみ等が混入しないように細心の注意を要する。
本発明の木材パルプを製造する際に、木材パルプの叩解を進めると紙層間強度が増す効果が期待できる。しかしながら、叩解を進めることによって木材パルプ中の微細繊維が増加すると、合紙として使用中に紙粉が発生する恐れがあるので、必要以上に叩解度を進めることは好ましくない。よって本発明において好ましい叩解度は300〜650mlc.s.f.である。
前記手すき紙の厚みは、0.01〜2mmであることが好ましく、0.05〜1mmであることがより好ましく、0.1〜0.5mmであることが更により好ましい。
前記手すき紙の坪量は、20〜80g/mであることが好ましく、25〜70g/mであることがより好ましく、30〜60g/mであることが更により好ましい。
本発明の木材パルプを使用して、通常の方法により、ガラス板合紙、特に本発明のガラス板合紙、を得ることができる。なお、ガラス板合紙の抄造の途中及び/又は製造後でカレンダー処理、スーパーカレンダー処理、ソフトニップカレンダー処理、エンボス等の加工を行っても構わない。加工処理により、表面性や厚さを調整することができる。
前記ガラス合紙の厚みは、0.01〜2mmであることが好ましく、0.05〜1mmであることがより好ましく、0.1〜0.5mmであることが更により好ましい。
本発明のガラス板用合紙の坪量は、20〜80g/mであることが好ましく、25〜70g/mであることがより好ましく、30〜60g/mであることが更により好ましい。
本発明のガラス板用合紙は、蛍光X線分析によるアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たし、着色の有無は問わない。したがって、本発明のガラス板用合紙は、着色されたものも未着色のものも包含する。
本発明の木材パルプから得られた合紙、特に本発明のガラス板合紙、はガラス板の間に挿入されて使用される。例えば、前記ガラス板合紙は複数のガラス板の間に、典型的には、1枚ずつ挿入され、全体として、積層体とされ、当該積層体が保管、運搬の対象となる。また、本発明の木材パルプからなる合紙、特に本発明のガラス板合紙、を用いてガラス板単体又は前記積層体を包装してもよい。
ガラス板としては特に限定されるものではないが、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル(特にTFT液晶ディスプレイパネル)、有機ELディスプレイパネル等のフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板であることが好ましい。フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板の表面には微細な電極、隔壁等が形成されるが、本発明の木材パルプからなるガラス板合紙、特に本発明のガラス板合紙、を使用することにより、ガラス板への汚染物質の転写が抑制乃至回避されるので、ガラス板の表面に微細な電極、隔壁等が形成されても、汚染物質による不都合を抑制乃至回避することができ、結果的に、ディスプレイの欠陥を抑制乃至回避することができる。
特に、ディスプレイの大型化に伴い、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板のサイズ及び重量は増大しているが、本発明の木材パルプからなるガラス板合紙、特に本発明のガラス板合紙、はそのような大型乃至大重量のガラス板の表面を良好に保護することができる。特に、本発明の木材パルプからなるガラス板合紙、特に本発明のガラス板合紙、は汚染物質の点在数が極めて少ないので、大重量のガラス板によって押圧されても汚染物質がガラス板に転写することが抑制乃至回避される。したがって、本発明の木材パルプからなるガラス板合紙、特に本発明のガラス板合紙は、表面の清浄性が特に求められるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板に好適に使用することができる。
また、本発明はガラス板合紙用木材パルプの検査方法にも関する。本発明のガラス板合紙用木材パルプの検査方法は、
ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙を蛍光X線分析に供する工程、
前記蛍光X線分析により前記手すき紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程、
前記濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプを選別する工程
を含む。
また、本発明はガラス板用合紙の検査方法にも関する。本発明のガラス板用合紙の検査方法は、
ガラス板用合紙を蛍光X線分析に供する工程、
前記蛍光X線分析により前記ガラス板用合紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程、
前記濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板用合紙を選別する工程
を含む。
ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙又はガラス板用合紙を蛍光X線分析に供する工程は、例えば、市販の蛍光X線分析装置を使用して当該手すき紙又は合紙の2次元透過X線画像を取得することによって実施することができる。前記手すき紙又は合紙の2次元透過X線画像を解析し、異物が存在すると思われる箇所を予め選抜しておくことが好ましい。
前記蛍光X線分析により前記手すき紙又は合紙の表面におけるアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程は、各元素の含有率が既知である標準試料を用いて得られた蛍光X線と、測定された試料中の各元素の蛍光X線の強度とを対比することによって定量して各元素の濃度を決定することができる。
ガラス板合紙用木材パルプの検査方法において、各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 120ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 300ppm以下
(4)カルシウム 800ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 100ppm以下
(7)塩素 700ppm以下
(8)ナトリウム 3500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプを選別する工程、或いはガラス板用合紙の検査方法において、各元素の濃度が下記
(1)アルミニウム 1500ppm以下
(2)ケイ素 1000ppm以下
(3)硫黄 500ppm以下
(4)カルシウム 600ppm以下
(5)マグネシウム 800ppm以下
(6)鉄 50.0ppm以下
(7)塩素 500ppm以下
(8)ナトリウム 1500ppm以下
(9)カリウム 50.0ppm以下
(10)リン 20.0ppm以下
(11)ニッケル 400ppm以下
の条件の少なくとも1つを満たすガラス板用合紙を選別する工程は、例えば、予め設定された各元素の濃度の基準に従って、当該基準に合致するガラス板合紙用木材パルプ又はガラス板用合紙を手動又は自動で選別することによって実施することができる。
本発明の検査方法はガラス板合紙用木材パルプ又はガラス板用合紙の個々の片について実施することができるが、同一の材料からなる試料については、試料の一部について上記検査を実施してもよい。例えば、同じロットの木材パルプの一部からJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙又は同じロットの木材パルプによって得られた合紙の一部について上記検査方法を実施し、当該手すき紙又は合紙が上記基準に合致する場合に、当該木材パルプ又は合紙の全部について基準を満たすとみなして合格とすることができる。
本発明の検査方法は、ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙又はガラス板用合紙の表面に存在するアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン又はニッケルを含む汚染物質の存在を実際に確認することができるので、容易に実施することができる。また、木材パルプ又は合紙を破壊又は変性(染色等)する必要がないので、効率的に検査を実施することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
[ガラス板への転写試験方法(輸送テスト)]
アルミ製で75度の角度がつけられたL字架台上のガラス載置面に発泡ウレタンを敷き、ガラス板を垂直方向に載置するための載置面と、載置面の後端部から垂直方向に延びる背もたれ面に向けて、サイズ680mm×880mm×0.7mmのガラス板120枚と各ガラス板の間にガラス板合紙を挿入して、背もたれ面に平行となるように立てかけ、架台に固定された帯状のベルトを後端部から背もたれ面へ全周にわたり掛け渡してガラス板を固定した。上記のようにセットされた架台は、外部からの埃や塵等の混入を防ぐため包装資材で全面を被覆した。その後、トラックでの輸送テストを実施した。輸送テスト条件は、輸送距離1000km(輸送途中に40℃×95%RHの環境下に5日間保管)でテストを実施した。
[蛍光X線分析]
蛍光X線分析装置「EA−8000」(日立ハイテクサイエンス製)を用いて、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素のX線強度を分析した。なお、必要に応じて、測定する紙を複数枚重ねて分析した。
[実施例1](木材パルプの製造)
蒸解工程と、洗浄工程と、酸素脱リグニン反応工程と、二酸化塩素及び過酸化水素による多段晒漂白工程とからなる針葉樹晒クラフトパルプの製造装置において、多段晒漂白工程で得られたパルプをイオン交換水で洗浄し、針葉樹晒クラフトパルプを得た。この針葉樹晒クラフトパルプを原料としてJIS P 8222に準拠した方法で50g/mの手すき紙を作製した。この手すき紙について蛍光X線分析を行ったところ、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの濃度はそれぞれ、67.7ppm、372ppm、89.5ppm、53.3ppm、509ppm、55.2ppm、201ppm、1560ppm、22.2ppm、6.30ppm及び238ppmであった。
[実施例2](ガラス合紙の製造)
木材パルプとして前記針葉樹晒クラフトパルプを100質量部用意し、これを離解して叩解度を520mlc.s.f.に調製したスラリーに硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して0.7質量部添加し、イオン交換水を使用して0.4%濃度のパルプスラリーを調製した。これを、長網抄紙機を使用して、坪量50g/mのガラス合紙を得た。このガラス板合紙について蛍光X線分析を行ったところ、アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの濃度はそれぞれ、1140ppm、241ppm、144ppm、46.2ppm、492ppm、20.9ppm、40.3ppm、952ppm、13.4ppm、6.0ppm及び170ppmであった。
実施例2で得られたガラス板合紙のガラス板への転写を輸送テストにて確認したところ、実施例2の合紙を使用したガラス板を用いた液晶パネルのアレイ形成の際には、カラーフィルムの断線が認められなかった。

Claims (6)

  1. ガラス板合紙用木材パルプであって、
    前記木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠した方法で調製された手すき紙の蛍光X線分析による該手すき紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度が下記
    (1)アルミニウム 120ppm以下
    (2)ケイ素 1000ppm以下
    (3)硫黄 300ppm以下
    (4)カルシウム 800ppm以下
    (5)マグネシウム 800ppm以下
    (6)鉄 100ppm以下
    (7)塩素 700ppm以下
    (8)ナトリウム 3500ppm以下
    (9)カリウム 50.0ppm以下
    (10)リン 20.0ppm以下
    (11)ニッケル 400ppm以下
    の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプ。
  2. アルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの少なくとも1つが無機鉱物として存在する、請求項に記載のガラス板合紙用木材パルプ。
  3. 前記ガラス板がディスプレイ用である、請求項1又は2に記載のガラス板合紙用木材パルプ。
  4. 前記ディスプレイがTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである、請求項に記載のガラス板合紙用木材パルプ。
  5. ガラス板合紙の製造のための、請求項1からのいずれか一項に記載の木材パルプの使用。
  6. ガラス板合紙用木材パルプを用いてJIS P 8222に準拠して調製された手すき紙を蛍光X線分析に供する工程、
    前記蛍光X線分析により前記手すき紙のアルミニウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩素、ナトリウム、カリウム、リン及びニッケルの各元素の濃度を測定する工程、
    前記濃度が下記
    (1)アルミニウム 120ppm以下
    (2)ケイ素 1000ppm以下
    (3)硫黄 300ppm以下
    (4)カルシウム 800ppm以下
    (5)マグネシウム 800ppm以下
    (6)鉄 100ppm以下
    (7)塩素 700ppm以下
    (8)ナトリウム 3500ppm以下
    (9)カリウム 50.0ppm以下
    (10)リン 20.0ppm以下
    (11)ニッケル 400ppm以下
    の条件の少なくとも1つを満たすガラス板合紙用木材パルプを選別する工程
    を含む、ガラス板合紙用木材パルプの検査方法。
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