JP6937223B2 - 絶縁被覆の接続構造 - Google Patents

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実施形態は、絶縁被覆の接続構造に関する。
従来、固体絶縁スイッチギヤ等において、可動導体を覆う二つの絶縁被覆がそれらの間に絶縁性の弾性シールを挟んだ状態で接続された絶縁被覆の接続構造が知られている。
特開2007−28699号公報
より不都合の少ない絶縁被覆の接続構造が得られれば、有益である。
実施形態の絶縁被覆の接続構造は、例えば、第一周壁と、第二周壁と、弾性シールと、支持導体と、可動導体と、抑制部材と、を備えている。第一周壁は、絶縁材料によって第一通路を構成し、一方向の第一端面を有している。第二周壁は、第一周壁から一方向に離れて位置され、絶縁材料によって一方向に延びて第一通路と一方向に並んだ第二通路を構成し、一方向とは反対の他方向の第二端面を有している。弾性シールは、第一端面と第二端面との間に挟まれ、一方向に貫通する第一開口が設けられ、絶縁性を有している。弾性シールの形状は、環状である。支持導体は、第一通路内に部分的に露出された状態で第一周壁に固定されている。支持導体には、一方向に貫通する第二開口が設けられている。支持導体の形状は、環状である。可動導体は、第一開口および第二開口を貫通し、第一通路内および第二通路内に位置され、一方向に往復可能に支持導体に支持されている。抑制部材は、支持導体に支持され、弾性シールと可動導体との間に位置され、弾性シールの可動導体との干渉を抑制している。抑制部材の形状は、環状である。
図1は、実施形態の絶縁被覆の接続構造を含む固体絶縁スイッチギヤの模式的かつ例示的な概略構成図である。 図2は、実施形態の絶縁被覆の接続構造の模式的かつ例示的な断面図である。 図3は、図2の一部の拡大図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
接続構造100は、部分的に中心軸Axを中心とした回転体形状を有している。以下では、説明の便宜上、中心軸Axの軸方向を単に軸方向と称し、中心軸Axの径方向を単に径方向と称し、中心軸Axの周方向を単に周方向と称する。また、図1〜3において、矢印Xは、軸方向を示し、矢印Xの指す方向を軸方向前方、矢印Xの指す方向の反対方向を軸方向後方と称する。
[実施形態]
図1は、固体絶縁スイッチギヤ1の概略構成図である。図1に示されるように、固体絶縁スイッチギヤ1は、筐体1a内に収容された、遮断器1bや、断路器1c、接地装置1d等を有している。
また、固体絶縁スイッチギヤ1には、図1中にドットパターンで示される主回路1eが設けられている。主回路1eは、固定導体50,70や可動導体60等を含んでおり、遮断器1b、断路器1c、および接地装置1d内を通っている。
可動導体60は、軸方向に延び、筐体1aに対して軸方向に往復可能に支持されている。可動導体60は、操作機構4により軸方向に延びた操作ロッド4aを介して当該軸方向に往復駆動される。
固定導体50は、筐体1aに対して固定されている。また、固定導体50は、可動導体60を軸方向に移動可能に支持するとともに、当該可動導体60と電気的に接続されている。固定導体50と可動導体60は、二つの接点部2a間の導電経路を構成している。
固定導体70は、真空バルブ2(真空遮断器)内の接点部2aを介して可動導体60と電気的に接続されうる。固定導体70は、二つの接点部2a間の導電経路である。
固体絶縁スイッチギヤ1には、遮断器1bや、断路器1c、接地装置1d等のそれぞれにおいて、可動導体60を往復動可能に覆う絶縁被覆の接続構造100が含まれている。以下、図2,3を参照しながら、接続構造100について詳細に説明する。
図2は、接続構造100の軸方向に沿った断面図である。図2に示されるように、接続構造100は、第一周壁10と、当該第一周壁10の軸方向前方に離れて(接触することなく)位置されている第二周壁20と、を有している。第一周壁10は、操作ロッド4aの第一通路101を構成し、第二周壁20は、可動導体60の第二通路102を構成している。軸方向前方は、一方向の一例であり、軸方向後方は、他方向の一例である。
接続構造100において、第一周壁10は少なくとも部分的に筒状であり、第二周壁20も少なくとも部分的に筒状である。すなわち、接続構造100において、第一周壁10は、外周面10aと内周面10bとを有し、第二周壁20は、外周面20aと内周面20bとを有している。
第一周壁10および第二周壁20は、例えばエポキシ樹脂のような絶縁性の合成樹脂材料で構成されている。よって、第一周壁10および第二周壁20は、絶縁被覆と称されうる。第一周壁10および第二周壁20は、例えばモールド注型や、固定導体50のような金属材料を所定位置に配置した状態でのインサート注型等によって、構成されうる。
第一周壁10の外周面10aと第二周壁20の外周面20aは、軸方向に延びる円筒状の外装接地30によって覆われている。
第一周壁10の内周面10bによって、少なくとも部分的に軸方向に延びる第一通路101が構成され、第二周壁20の内周面20bによって、少なくとも部分的に軸方向に延びる第二通路102が構成されている。
第二通路102は、第一通路101の軸方向前方に位置され、軸方向に並んでいる。第一通路101および第二通路102は、可動導体60の一連の通路を構成している。すなわち、可動導体60は、第一周壁10と第二周壁20との間の境界を跨いで軸方向に延び、第一通路101および第二通路102の双方に収容されている。
可動導体60は、軸方向に延びており、例えば無酸素銅のような導電性の高い金属材料で構成されている。操作ロッド4aは、可動導体60の軸方向後方に隣接し、当該可動導体60と不図示の結合具による結合等によって接続されている。
可動導体60の軸方向前方の端部には、可動接点60cが設けられている。可動接点60cの軸方向前方には、固定導体70の固定接点70aが位置されている。可動導体60は、図1に示される操作機構4によって操作ロッド4aを介して軸方向に動かされることにより、図2に示される閉位置と、当該閉位置よりも軸方向後方の開位置(不図示)との間で移動することができる。
可動導体60は、固定導体50に設けられた開口50a(貫通孔)を軸方向に貫通している。固定導体50は、可動導体60を軸方向に往復可能に支持している。固定導体50は、支持導体の一例であり、開口50aは、第二開口の一例である。
開口50aの内周面と可動導体60の外周面60bとの間には、接触子80が設けられている。接触子80は、導体であり、固定導体50および可動導体60の双方に接触することにより、固定導体50と可動導体60との間の導電状態を確保しながら、可動導体60を軸方向に往復可能に支持している。
固定導体50は、第一周壁10に固定されている。固定導体50は、例えば、第一周壁10のインサート注型によって、第一周壁10内に食い込んだ状態で固定されうる。固定導体50は、第一周壁10の軸方向前方の端面10cの近傍に位置されている。
第一周壁10の端面10cは、軸方向前方に向かうにつれて径方向外方に延びる円錐面(円錐内面)である。他方、第二周壁20の軸方向後方の端面20cは、軸方向前方に向かうにつれて径方向外方に延びる円錐面(円錐外面)である。なお、本実施形態では、端面10cの中心軸Axを含む断面との交線と中心軸Axとの間の角度と、端面20cの中心軸Axを含む断面との交線と中心軸Axの間の角度は、略等しいが、このような構成には限定されない。また、本実施形態では、端面10cの各位置での端面20cとの距離(端面20cとの間隔)は、端面10cの場所によらず略一定であるが、このような構成には限定されない。
端面10cと端面20cとの間には、シール部材40が挟まれている。シール部材40の形状は、環状である。言い換えると、シール部材40には、軸方向に貫通する開口40a(貫通孔)が設けられている。可動導体60は、開口40aを軸方向に貫通している。開口40aは、シール部材40の内縁あるいは内周部とも称されうる。シール部材40は、弾性シールの一例であり、開口40aは、第一開口の一例である。
シール部材40は、絶縁性を有したエラストマを含み、接続構造100が組み立てられた状態において、端面10cと端面20cとの間で軸方向に弾性的に圧縮されている。言い換えると、第一周壁10と第二周壁20とは、別の位置で軸方向に固定されることにより、シール部材40を軸方向に挟んでいる。これにより、シール部材40は軸方向に圧縮され弾性変形する。このような構成により、シール部材40は、端面10cおよび端面20cのそれぞれとの間で所要の面圧を確保し、これにより端面10cと端面20cとの間で絶縁性を確保している。なお、端面10c,20cの形状が円錐面であることにより、端面10c,20cの形状が中心軸Axと垂直な平面状であるシール部材と比較した場合に比べて、シール部材40における絶縁距離が長い。端面10cは、第一端面の一例であり、端面20cは、第二端面の一例である。
本実施形態では、このような構成の接続構造100において、シール部材40の可動導体60との干渉を抑制するリング90が設けられている。リング90は、抑制部材の一例である。以下、図2,3を参照しながら、リング90について詳細に説明する。
図2に示されるように、リング90の形状は円筒状である。
図3は、図2の一部の拡大図である。図3に示されるように、リング90は、外周面90aと、内周面90bと、軸方向後方の端面90cと、軸方向前方の端面90dと、を有している。外周面90aは、円筒外面であり、内周面90bは、円筒内面である。
図3に示されるように、第一周壁10の内周面10bの直径は、第二周壁20の内周面20bの直径よりも大きい。すなわち、内周面10bは、内周面20bよりも径方向外方に位置されており、第一周壁10の端面10cおよび第二周壁20の端面20cの近傍において、内周面10bと内周面20bとの間には、段差が構成されている。また、端面20cと固定導体50の軸方向前方の端面50bとが、軸方向に間隔をあけて、軸方向に面している。よって、本実施形態においては、端面20c、内周面10b、および端面50bによって囲まれた環状の溝部が構成されており、リング90は、この溝部に収容された状態で、位置されている。言い換えると、リング90は、端面20cと端面50bとの間に位置され、リング90の端面90dと端面20cとが互いに面し、端面90cと端面50bとが互いに面している。端面20cおよび端面50bは、リング90の軸方向の位置決めとして機能している。
シール部材40の開口40a(内縁)は、第一周壁10の内周面10bと略軸方向に連なる位置に位置されており、リング90の外周面90aまたはリング90の端面90dの径方向外縁と面している。他方、リング90の外周面90aは、可動導体60の外周面60bと面している。このように、リング90は、可動導体60の外周面60bと、シール部材40の開口40a(内縁)および第一周壁10の内周面10bとの間に位置されている。
ここで、本実施形態では、リング90の内周面90bと可動導体60の外周面60bとの間の環状隙間(の大きさ)c1は、リング90の外周面90aと第一周壁10の内周面10bとの間の環状隙間(の大きさ)c2よりも大きい。環状隙間c1は、第一隙間の一例であり、環状隙間c2は、第二隙間の一例である。
また、リング90は、例えば無酸素銅やアルミ二ウム合金のような金属導体である。また、リング90は、例えば、端面90cと固定導体50の端面50bとが互いに接した(当接した)状態で設けられている。すなわち、リング90は、固定導体50と電気的に接続されている。
また、端面90dは曲面である。具体的に、端面90dは、半トーラス面(半ドーナツ面)である。なお、端面90cは、軸方向と交差した平面であるが、これには限定されず、曲面であってもよい。この場合、端面90cは、半トーラス面(半ドーナツ面)であってもよい。端面90d(および端面90c)は、第三端面の一例である。
以上、説明したように、本実施形態では、リング90(抑制部材)が、シール部材40と可動導体60との間に位置され、シール部材40が可動導体60と干渉するのを抑制している。よって、本実施形態によれば、例えば、シール部材40が径方向内方へ進出し(はみ出し)可動導体60のより円滑な往復動に影響を及ぼすのを、抑制することができる。また、例えば、リング90が径方向内方へ進出することにより、シール部材40による所要の弾性反発力が低くなり、これにより第一周壁10の端面10cおよび第二周壁20の端面20cにおける所要の面圧が低くなりひいては絶縁性が低下して絶縁性に関する信頼性が低下するのを、抑制することができる。このように、本実施形態によれば、リング90によって、シール部材40に関する不都合な事象を回避しやすい。
また、本実施形態では、リング90と可動導体60との間の環状隙間c1(第一隙間)は、リング90と第一周壁10との間の環状隙間c2(第二隙間)よりも大きい。よって、本実施形態によれば、例えば、リング90と可動導体60との間の隙間が確保されやすく、リング90が可動導体60のより円滑な往復動に影響を及ぼすのが、より抑制されやすい。
また、本実施形態では、リング90は金属導体である。よって、本実施形態によれば、例えば、金属導体によって、所要の剛性および強度を有したリング90を比較的容易に実現することができる。また、本実施形態では、リング90は、固定導体50(支持導体)と電気的に接続された状態で設けられる。よって、本実施形態によれば、例えば、固定導体50とリング90との間に電位差が生じることによる不都合な事象を、回避できる。
また、本実施形態では、リング90の軸方向の端面90d(第三端面)が曲面である。よって、本実施形態によれば、例えば、リング90の端面90dにおける電界強度が低くなり、先端の耐圧性(耐久性)が高くなる。なお、端面90cも、曲面であってよい。
なお、リング90は、金属導体ではなく、例えば絶縁性の合成樹脂材料のような絶縁体で構成されてもよい。この場合、一例として、リング90のガラス転移温度は、第一周壁10および第二周壁20のガラス転移温度以上である。これにより、リング90の耐熱性が、第一周壁10および第二周壁20の耐熱性よりも高くなる。可動導体60に近い位置ほど、温度が高くなりやすい。よって、本実施形態によれば、例えば、リング90の耐熱性が、第一周壁10および第二周壁20の耐熱性よりも低い場合に比べて、リング90が所要の耐熱性を有した構成が、得られやすい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
10…第一周壁、10c…端面(第一端面)、20…第二周壁、20c…端面(第二端面)、40…シール部材(弾性シール)、40a…開口(第一開口)、50…固定導体(支持導体)、50a…開口(第二開口)、60…可動導体、90…リング(抑制部材)、90c,90d…端面(第三端面)、100…接続構造、101…第一通路、102…第二通路、c1…環状隙間(第一隙間)、c2…環状隙間(第二隙間)。

Claims (5)

  1. 絶縁材料によって第一通路を構成し、一方向の第一端面を有した第一周壁と、
    前記第一周壁から前記一方向に離れて位置され、絶縁材料によって前記一方向に延びて前記第一通路と前記一方向に並んだ第二通路を構成し、前記一方向とは反対の他方向の第二端面を有した第二周壁と、
    前記第一端面と前記第二端面との間に挟まれ、前記一方向に貫通する第一開口が設けられ、絶縁性を有した環状の弾性シールと、
    前記第一通路内に部分的に露出された状態で前記第一周壁に固定され、前記一方向に貫通する第二開口が設けられた、環状の支持導体と、
    前記第一開口および前記第二開口を貫通し、前記第一通路内および前記第二通路内に位置され、前記一方向に往復可能に前記支持導体に支持された可動導体と、
    前記支持導体に支持され、前記弾性シールと前記可動導体との間に位置され、前記弾性シールの前記可動導体との干渉を抑制する環状の抑制部材と、
    を備えた、絶縁被覆の接続構造。
  2. 前記可動導体と前記抑制部材との間の第一隙間が、前記抑制部材と前記第一周壁との間の第二隙間よりも大きい、請求項1に記載の絶縁被覆の接続構造。
  3. 前記抑制部材は、前記支持導体と電気的に接続された金属導体である、請求項1または2に記載の絶縁被覆の接続構造。
  4. 前記抑制部材の軸方向の第三端面が曲面である、請求項3に記載の絶縁被覆の接続構造。
  5. 前記抑制部材は、絶縁体で構成され、
    前記抑制部材のガラス転移温度が、前記第一周壁のガラス転移温度以上である、請求項1に記載の絶縁被覆の接続構造。
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