JP6937075B2 - 帯状ゴム部材の巻回方法および装置 - Google Patents

帯状ゴム部材の巻回方法および装置 Download PDF

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Description

この発明は、帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に供給してその周囲に巻回する帯状ゴム部材の巻回方法および装置に関する。
従来の帯状ゴム部材の巻回方法および装置としては、例えば以下の特許文献1、2に記載されているようなものが知られている。
特開2004−255770号公報 特開2001−105507号公報
この特許文献1に記載のものは、水平な軸線を中心とする回転中に、未加硫ゴムから構成され下面が貼付け面である帯状部材が頂上部に供給されることで、該帯状部材が周囲に巻回される成形ドラムと、成形ドラムの後側に成形ドラムから離れた状態で設置され、前後方向に延びるとともに、前記帯状部材を下側から支持しながら成形ドラムに向かって搬送する搬送コンベアとを備え、帯状部材が搬送コンベアから成形ドラムに供給される際、該帯状部材を搬送コンベアと成形ドラムとの間において空中を通過させるようにしたものである。
また、前記特許文献2に記載のものは、水平な軸線を中心とする回転中に、未加硫ゴムから構成され上面が貼付け面であるゴム部材が底部に供給されることで、該ゴム部材が周囲に巻回されるタイヤ成形ドラムと、タイヤ成形ドラムの直下から後側に向かって延びるよう設置され、前後方向に延びるとともに、前記帯状部材を下側から支持しながらタイヤ成形ドラムに向かって搬送するコンベアとを備え、該コンベアにより帯状部材をタイヤ成形ドラムの底部に押付け転写することで、該帯状部材をタイヤ成形ドラムに供給するようにしたものである。
しかしながら、前記特許文献1に記載のものにあっては、前述のように搬送コンベアが成形ドラムから離れて設置され、これらの間に空間が存在するため、帯状部材が搬送コンベアから成形ドラムに供給される際、空中を通過することになり、この結果、前記帯状部材が空中通過時に部分的に収縮したり変形し、成形ドラムへの巻付け位置、巻付け形状が規定の位置、形状からずれてしまうことがあるという課題があった。
また、前記特許文献2に記載のものにあっては、上面が貼付け面である帯状ゴム部材の場合にはタイヤ成形ドラムの周囲に巻回することができるものの、下面が貼付け面である、例えばクッションゴム、トップトレッド等の帯状ゴム部材では、転写時に上面が被巻回体に接触するため、該被巻回体の周囲に巻回することができないという課題があった。
この発明は、下面が貼付け面である帯状ゴム部材を良好な巻回状態で被巻回体に巻回することができる帯状ゴム部材の巻回方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、未加硫ゴムから構成され下面が貼付け面である帯状ゴム部材を前後方向に延びる下コンベアによって前方の被巻回体に向かって搬送する工程と、前後方向に延びるとともに、後端部が前記下コンベアの前端部直上に、前端部が被巻回体の頂上部直上にそれぞれ位置する上コンベアの後端部に、前記下コンベアの前端部により帯状ゴム部材を押付け転写することで、該帯状ゴム部材を下コンベアから上コンベアに供給する工程と、前記上コンベアによって帯状ゴム部材をその上面を粘着力により上側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する工程と、前記被巻回体が水平な軸線を中心として回転している最中に、前記上コンベアの前端部により帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を上コンベアから被巻回体の頂上部に供給して周囲に巻回する工程とを備えた帯状ゴム部材の巻回方法により、達成することができる。
第2に、水平な軸線を中心とする回転中に、未加硫ゴムから構成され下面が貼付け面である帯状ゴム部材が頂上部に供給されることで、該帯状ゴム部材が周囲に巻回される被巻回体と、被巻回体の後側に設置され、前後方向に延びるとともに、前記帯状ゴム部材を下側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する下コンベアと、前後方向に延びるとともに、後端部が下コンベアの前端部直上に、前端部が被巻回体の頂上部直上にそれぞれ位置し、帯状ゴム部材をその上面を粘着力により上側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する上コンベアとを備え、下コンベアの前端部により帯状ゴム部材を上コンベアの後端部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を下コンベアから上コンベアに供給する一方、前記上コンベアの前端部により帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を上コンベアから被巻回体に供給するようにした帯状ゴム部材の巻回装置により、達成することができる。
請求項1、2に係る発明においては、下コンベアの前端部により帯状ゴム部材を上コンベアの後端部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を下コンベアから上コンベアに供給し、その後、該上コンベアによって帯状ゴム部材を粘着力により上側から支持しながら搬送し、次に、上コンベアの前端部により帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に供給するようにしたので、下コンベアから被巻回体に供給されるまでの間に帯状ゴム部材が空中を通過することはなく、この結果、帯状ゴム部材の部分的な収縮や変形を効果的に抑制することができる。これにより、帯状ゴム部材の成形ドラムへの巻付け位置、巻付け形状が規定の位置、形状に近付き、帯状ゴム部材を良好な巻回状態で被巻回体に巻回することができる。しかも、上コンベアは帯状ゴム部材を上側から支持することで、該帯状ゴム部材を下コンベアに支持されたときの姿勢を保持しながら被巻回体に向かって搬送することができ、この結果、下面が貼付け面である帯状ゴム部材を何等問題なく被巻回体に供給して周囲に巻回することができる。
また、請求項3に記載のように構成すれば、帯状ゴム部材の上コンベアへの粘着力を大きな値とすることができ、上コンベアによる帯状ゴム部材の支持を強力なものとすることができる。さらに、請求項4に記載のように下コンベアより小型である上コンベアを昇降させるようにすれば、構造が簡単となるとともに、昇降のための消費エネルギーを節約することができる。また、請求項5に記載のように構成すれば、帯状ゴム部材の肉厚が長手方向でばらついていても、また、帯状ゴム部材の肉厚に変更があった場合でも、該帯状ゴム部材を確実に被巻回体に押付け転写することができる。さらに、請求項6に記載のように構成すれば、下コンベアから上コンベアへの供給、上コンベアから被巻回体への供給を容易に確実なものとすることができる。また、請求項7に記載のように構成すれば、簡単な構成で帯状ゴム部材の接合部における接合強度を容易に向上させることができる。
この発明の実施形態1を示す概略側面図である。 上コンベア近傍の側面図である。 図1のI−I矢視図である。 (a)〜(d)は帯状ゴム部材の巻回工程を説明する説明図である。 (a)〜(c)は帯状ゴム部材の巻回工程を説明する説明図である。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は水平な軸線を中心として回転可能で拡縮可能な被巻回体であり、この被巻回体11は円筒状で金属製のタイヤ成形ドラムと、該タイヤ成形ドラムの周囲に巻回されたインナーライナー、カーカス層との複合体から構成されている。なお、この発明においては、前述の被巻回体を、成形ドラム単体、あるいは、製品タイヤの内面と同一外面形状を有する金属製の剛体コア単体、さらには、前記剛体コアと該剛体コアの周囲に貼付けられたタイヤ構成部材との複合体から構成してもよい。このような被巻回体11が図示していない駆動モータにより軸線を中心として回転している最中に、該被巻回体11の頂上部12(上端部)に未加硫ゴムから構成され長さが前記被巻回体11の周長と等長である帯状ゴム部材13が供給されると、該帯状ゴム部材13は前記被巻回体11の周囲に全周に亘って1回だけ巻回される。そして、この実施形態では、前記帯状ゴム部材13としてカーカス層とベルト層の幅方向両端部との間にそれぞれ介装されるクッションゴムを用いているが、このような帯状ゴム部材13は下面が被巻回体11の外周に密着する貼付け面13a(図5(c)参照)を構成するとともに上面より幅広である断面略台形あるいは断面略三角形を呈しており、この結果、該帯状ゴム部材13の肉厚は幅方向両端に向かうに従い薄肉となっている。なお、この発明においては、前記帯状ゴム部材としてサイドトレッドあるいはトップトレッドを用いるようにしてもよい。
前記被巻回体11の後側にはメインフレーム16が設置され、このメインフレーム16には前記被巻回体11の軸線に平行である一対のピン17が同軸関係を保持しながら回転可能に支持され、これらのピン17には前後方向に延びるとともに、左右方向(幅方向)に一定距離離れた一対の支持フレーム18の後端部が固定されている。この結果、前記支持フレーム18は後端部において前記ピン17を介してメインフレーム16に上下方向に揺動可能に支持されることになる。ここで、各支持フレーム18は前方に向かうに従い下方に傾斜した直線状に延びる本体部18aと、前記本体部18aの後端から後方に向かって延び、後方に向かうに従い下方に傾斜した直線状に延びる傾斜部18bとから構成され、前記本体部18aと傾斜部18bとの境界において鈍角に折れ曲がっている。19は両端が前記支持フレーム18(本体部18a)にそれぞれ連結され左右方向に延びる複数、ここでは2個の等長である連結ビームであり、これらの連結ビーム19は前後方向に離れて配置され、これにより、前記支持フレーム18は互いに平行に延びることになる。
22は各連結ビーム19より若干後側の支持フレーム18に両端部が固定され前記連結ビーム19に平行に延びる連結ロッドであり、各連結ロッド22の一側部(左側部)には該連結ロッド22の長手方向に所定距離離れた1対の連結プレート23の上端部が、また、各連結ロッド22の他側部(右側部)には前記連結プレート23間の距離と同一距離だけ離れた一対の連結プレート24の上端部がそれぞれ固定されている。25は前記一側部に位置する連結プレート23の下端部に固定され前記本体部18aに平行に延びる一側下コンベアであり、また、26は前記他側部に位置する連結プレート24の下端部に固定され前記本体部18aに平行に延びる他側下コンベアであり、これら下コンベアを構成する一側、他側下コンベア25、26は前後方向に延びるとともに、前記被巻回体11の後側に設置されている。これら一側、他側下コンベア25、26はそれぞれ互いに平行な一対の下フレーム27と、該下フレーム27の前端部に回転可能に支持された前ローラ28と、前記下フレーム27の後端部に回転可能に支持され前記ピン17と同軸である後ローラ29と、これら前、後ローラ28、29間に掛け渡され平ベルトからなるコンベアベルト30を有する。
33は前述の連結ビーム19に取り付けられた前検出器であり、これらの前検出器33は一側、他側下コンベア25、26により搬送されている途中の帯状ゴム部材13の始端13bをそれぞれ検出し、その検出結果をパソコン等の制御手段34に出力する。35は支持フレーム18の後端部同士を連結する支持ビームであり、この支持ビーム35には前記前検出器33と同様の後検出器36が取り付けられ、これら後検出器36は一側、他側下コンベア25、26により搬送されている途中の帯状ゴム部材13の終端13c(図4参照)および肉厚をそれぞれ検出し、その検出結果を前記制御手段34に出力する。そして、これら前、後検出器33、36から検出結果を制御手段34に検出結果が入力されると、該制御手段34は演算を行って帯状ゴム部材13の長さおよび肉厚を算出するが、このとき、前記帯状ゴム部材13の肉厚は長手方向位置でばらつくことが多いため、その平均肉厚を求めている。ここで、前述の前、後検出器33、36としては、例えば二次元レーザーセンサ、撮像器等を用いることができる。
39は一側下コンベア25に平行で前後方向に延びる一側上コンベア、40は他側下コンベア26に平行で前後方向に延びる他側上コンベアであり、これらの一側、他側上コンベア39、40はそれぞれ後端部が前記一側、他側下コンベア25、26の前端部直上に位置することで、これら一側、他側下コンベア25、26とそれぞれ上下方向に重なり合う一方、その前端部が被巻回体11の頂上部12直上に位置することで、被巻回体11と上下方向に重なり合っている。そして、これら上コンベアを構成する一側、他側上コンベア39、40はそれぞれ互いに平行な一対の上フレーム41と、該上フレーム41の前端部に回転可能に支持された前ローラ42と、前記上フレーム41の後端部に回転可能に支持された後ローラ43と、これら前、後ローラ42、43間に掛け渡され平ベルトからなるコンベアベルト44とを有している。なお、この発明においては、前記コンベアベルトを複数本の互いに平行な幅狭ベルトから構成してもよい。
前記一側、他側上コンベア39、40の上フレーム41には支持プレート47がそれぞれ固定され、これらの支持プレート47上には下駆動モータ48がそれぞれ取り付けられている。前記下駆動モータ48の出力軸に固定された下プーリ49と、一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30の途中に掛け回された下プーリ50との間にはベルト51が掛け渡されており、この結果、前記下駆動モータ48が作動して下プーリ49の回転がベルト51、下プーリ50を介してコンベアベルト30に伝達されると、該コンベアベルト30の上側に位置する搬送部は前方に向かって走行し、これにより、該コンベアベルト30は帯状ゴム部材13を下側から支持しながら被巻回体11に向かって前方に搬送することができる。ここで、前記下プーリ49と下プーリ50との間のベルト51には、スプリング等により常時離隔する付勢力が付与された一対のダンサーローラ52が掛け回されているが、これらダンサーローラ52は後述のように一側、他側上コンベア39、40が一側、他側下コンベア25、26に対して接近離隔したとき、これら一側、他側上コンベア39、40と一側、他側下コンベア25、26との間の距離の変化に基づくベルト51の弛みを吸収することができる。
また、一側、他側下コンベア25、26によって帯状ゴム部材13が搬送されているとき、該帯状ゴム部材13が未加硫ゴムから構成されているので、下面である貼付け面13aは自身の粘着力により一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)に粘着し、この結果、搬送時に帯状ゴム部材13が収縮したり、変形する事態が阻止される。前述した下駆動モータ48、下プーリ49、50、ベルト51は全体として、前記一側、他側下コンベア25、26に駆動力を付与してコンベアベルト30を走行させ、帯状ゴム部材13を被巻回体11に向かって搬送する下コンベア駆動手段54を構成する。そして、前記帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側下コンベア25、26によりその下流端部(前端部)まで搬送されてきたとき、前記一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40との間隔が帯状ゴム部材13の肉厚以下であると、該帯状ゴム部材13の始端部は一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40との重なり合い部53において、一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30の前端部により一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44の後端部に下側から押し付けられる。
このようにして帯状ゴム部材13の始端部は一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40とにより上下から挟持され、これにより、帯状ゴム部材13は一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に押付け転写されて該一側、他側上コンベア39、40に供給される。このとき、前記帯状ゴム部材13と一側、他側上コンベア39、40(コンベアベルト44)との間における単位面積当たりの粘着力Fを、該帯状ゴム部材13と一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)との間における単位面積当たりの粘着力Fより大としており、これにより、一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40への帯状ゴム部材13の供給転写を容易に確実なものとすることができる。
そして、この実施形態では、前述のように単位面積当たりの粘着力に差を設けるために、一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)の外表面のみに長手方向に延びる複数本の溝を形成することで、一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)と帯状ゴム部材13との接触面積を、一側、他側上コンベア39、40(コンベアベルト44)と帯状ゴム部材13との接触面積より小としているが、この発明においては、一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)と一側、他側上コンベア39、40(コンベアベルト44)との材質を異ならせたり、面粗さ(凹凸の程度)を異ならせるようにしてもよい。また、この発明においては、前記帯状ゴム部材13と一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)の下流端との間に薄板状のセパレータを位置させたり、あるいは、一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)の下流端と帯状ゴム部材13との間にエアを吹き込むことで、帯状ゴム部材13を一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)から離脱させ、これにより、一側、他側上コンベア39、40(コンベアベルト44)に転写するようにしてもよい。
前記下駆動モータ48より後方の支持プレート47上には上駆動モータ55がそれぞれ取り付けられ、これら上駆動モータ55の出力軸に固定された上プーリ56と、一側、他側上コンベア39、40の後ローラ43に固定された上プーリ57との間にはベルト58が掛け渡されており、この結果、前記上駆動モータ55が作動して上プーリ56の回転がベルト58、上プーリ57を介して一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44に伝達されると、該コンベアベルト44の下側に位置する搬送部は前方に向かって走行する。このとき、未加硫ゴムからなる帯状ゴム部材13の上面が粘着力によりコンベアベルト44に粘着していると、該帯状ゴム部材13はコンベアベルト44により上側から支持されながら被巻回体11に向かって前方に搬送される。前述した上駆動モータ55、上プーリ56、57、ベルト58は全体として、前記一側、他側上コンベア39、40に駆動力を付与してコンベアベルト44を走行させ、帯状ゴム部材13を被回転体11に向かって搬送する上コンベア駆動手段59を構成する。このように一側、他側下コンベア25、26により前方に搬送された帯状ゴム部材13は、前述のようにして一側、他側上コンベア39、40に転写されることで該一側、他側上コンベア39、40に供給された後、一側、他側下コンベア25、26と等速で走行する一側、他側上コンベア39、40により前方に向かって、変形したり長手方向に伸縮することなく搬送される。
ここで、この実施形態においては、下、上駆動モータ48、55からの駆動力を一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40にそれぞれ伝達することで、これら一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30、および、一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44を等速で個別に走行させるようにしたが、この発明においては、共通する駆動モータからの駆動力を一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40に伝達して、これらのコンベアベルト30、44を等速で走行させるようにしてもよい。前記一側、他側下コンベア25、26を構成する下フレーム27の前端部にはそれぞれ互いに離れ下フレーム27に垂直に延びる4本のガイドレール61の下端部が固定され、これらガイドレール61には前記一側、他側上コンベア39、40の上フレーム41に固定されたスライドベアリング62が摺動可能に係合している。この結果、一側、他側上コンベア39、40はガイドレール61にガイドされながら昇降することで、一側、他側下コンベア25、26と平行状態を維持しながらこれら一側、他側下コンベア25、26に接近離隔し、一側、他側下コンベア25、26との間の距離を変更することができる。このように下フレーム27に垂直に延びるガイドレール61に沿って一側、他側上コンベア39、40を昇降可能とすれば、一側、他側上コンベア39、40の昇降時における該一側、他側上コンベア39、40と一側、他側下コンベア25、26との平行度を容易に高い精度で維持することができる。
前記上駆動モータ55の直後に位置する連結ビーム19に固定された連結プレート60にはガイドレール61に平行に延びる一対のねじ軸63の中央部が回転可能に支持され、これらねじ軸63の下端部には雄ねじが形成されている。前記一側、他側上コンベア39、40の後端部にはねじブロック64がそれぞれ固定され、これらのねじブロック64には前記ねじ軸63の下端部(雄ねじ)がねじ込まれている。前記ねじ軸63より後側の連結プレート60には駆動モータ65が取り付けられ、この駆動モータ65の出力軸に固定されたプーリ66と前記ねじ軸63の上端部に固定されたプーリ67との間にはベルト68が掛け渡されている。この結果、前記駆動モータ65が作動してその出力軸の回転がプーリ66、ベルト68、プーリ67を介してねじ軸63に伝達されると、該ねじ軸63は上下動することなく回転し、これにより、ねじブロック64が固定された一側、他側上コンベア39、40がガイドレール61にガイドされながら昇降する。
前述したガイドレール61、スライドベアリング62、ねじ軸63、ねじブロック64、駆動モータ65、プーリ66、67、ベルト68は全体として、一側、他側下コンベア25、26の前端部を含む全体と、一側、他側上コンベア39、40の後端部を含む全体とを相対的に接近離隔、ここでは一側、他側上コンベア39、40の後端部(ここでは全体)を静止している一側、他側下コンベア25、26の前端部(ここでは全体)に接近離隔させる前側接離手段69を構成する。なお、この発明においては、前側接離手段として、駆動モータと、該駆動モータの回転を直線運動に変換するリンク機構またはクランク機構と、前述と同様のガイドレール、スライドベアリングとからなるものを用いてもよく、また、前記一側、他側下コンベアの前端部を静止している一側、他側上コンベアの後端部に接近離隔させるようにしてもよい。そして、一側、他側下コンベア25、26により帯状ゴム部材13が前方に向かって搬送されているときには、前記前側接離手段69により一側、他側上コンベア39、40を上昇させて、一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40との間に帯状ゴム部材13の肉厚より大である間隙を形成する。
その後、前記帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側下コンベア25、26の前端部まで搬送されてくると、前記前側接離手段69を作動して一側、他側上コンベア39、40の後端部(全体)を一側、他側下コンベア25、26の前端部(全体)に接近させるが、この接近は、前記一側、他側上コンベア39、40の後端部と一側、他側下コンベア25、26の前端部とにより帯状ゴム部材13の始端部が強力に挟持されて上下方向(厚さ方向)に 0.5〜 1.0mm程度圧縮され(押し潰され)たとき、停止する。この結果、帯状ゴム部材13の始端部は一側、他側上コンベア39、40の後端部に大きな粘着力で押付け転写され、これにより、一側、他側上コンベア39、40による帯状ゴム部材13の支持が強力なものとなって、コンベアベルト44からの帯状ゴム部材13の剥離を効果的に防止することができる。
このとき、重なり合い部53に位置する一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44の内面側には該コンベアベルト44の幅方向に延び該コンベアベルト44に転がり接触する複数の押えローラ70が設けられ、一方、重なり合い部53に位置する一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30の内面側には該コンベアベルト30が摺接する支持プレート71が設けられ、これにより、一側、他側下コンベア25、26および一側、他側上コンベア39、40から帯状ゴム部材13に押付け力(圧縮力)が確実に伝達され、帯状ゴム部材13を所定量だけ確実に圧縮しながら転写することができる。このようにして帯状ゴム部材13の始端部が一側、他側上コンベア39、40に転写されると、前側接離手段69を作動して一側、他側上コンベア39、40を、該一側、他側上コンベア39、40と一側、他側下コンベア25、26との間の間隔が帯状ゴム部材13の肉厚とほぼ同等となるまで上昇させる。その後、下、上駆動モータ48、55を同期作動して一側、他側下コンベア25、26および一側、他側上コンベア39、40を等速で走行させ、前記重なり合い部53において帯状ゴム部材13を一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に転写する一方、一側、他側上コンベア39、40によって転写後の帯状ゴム部材13を粘着力により上側から支持しながら前方に向かって搬送する。
ここで、一側、他側上コンベア39、40に帯状ゴム部材13の始端部が軽く押し付けられる(接触する)だけで、該一側、他側上コンベア39、40に帯状ゴム部材13が転写されるような場合には、前述のように一側、他側下コンベア25、26および一側、他側上コンベア39、40により帯状ゴム部材13の始端部を圧縮する作業を省略してもよく、この場合には帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側下コンベア25、26の前端部に到達後、前側接離手段69により一側、他側上コンベア39、40を一側、他側下コンベア25、26との間の間隔が帯状ゴム部材13の肉厚とほぼ同等となるまで下降させればよい。さらに、この発明においては、一側、他側上コンベアと一側、他側下コンベアとの間の間隔が、常時帯状ゴム部材の肉厚とほぼ同等となるよう固定化してもよい。
ここで、後者のように固定化した場合には、一側、他側下コンベアと一側、他側上コンベアとを等速で走行させるだけで、一側、他側下コンベアにより前方に向かって搬送された帯状ゴム部材は重なり合い部に到達したとき、一側、他側下コンベアから一側、他側上コンベアに転写される。また、前述のように、前側接離手段69により一側、他側上コンベア39、40のみを一側、他側下コンベア25、26に対して昇降させることで、一側、他側上コンベア39、40の後端部を一側、他側下コンベア25、26の前端部に対し接近離隔させるようにしている場合には、一側、他側下コンベア25、26の前後方向長さを一側、他側上コンベア39、40の前後方向長さより大とすることが好ましい。その理由は、一側、他側下コンベア25、26より小型である一側、他側上コンベア39、40を昇降させるようにすれば、構造が簡単となるとともに、昇降のための消費エネルギーを節約することができるからである。
74はメインフレーム16から一側に突出したピン17に固定されたウォームホイールであり、このウォームホイール74には前記メインフレーム16に取り付けられた駆動モータ75の出力軸76に固定されたウォーム77が噛み合っている。そして、前記駆動モータ75からの回転駆動力がウォーム77を介してウォームホイール74に伝達され、該ウォームホイール74がピン17と共に回転すると、支持フレーム18、一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40はメインフレーム16に支持されながら支持フレーム18の後端部(ピン17)を中心として一体的に上下に揺動することができ、これにより、一側、他側上コンベア39、40の前端部は被巻回体11(頂上部12)に接近離隔することができる。前述したウォームホイール74、駆動モータ75、ウォーム77は全体として、一側、他側上コンベア39、40の前端部と被巻回体11とを相対的に接近離隔させる後側接離手段78を構成する。
なお、この発明においては、一側、他側上コンベアを静止させる一方、被巻回体を昇降させることで被巻回体を一側、他側上コンベアの前端部に接近離隔させるようにしてもよく、要するに、被巻回体と一側、他側上コンベアの前端部とを相対的に接近離隔させることができればよい。また、この発明においては、一側、他側上コンベアを揺動ではなく平行移動(昇降)させてその前端部を被巻回体に接近離隔させるようにしてもよい。さらに、この発明においては、前記駆動モータの回転を外歯車、傘歯車などからなる歯車列、あるいは、偏心揺動型減速機等を用いて減速しながらピンに伝達し、支持フレーム、一側、他側下コンベア、一側、他側上コンベアを一体的に揺動させるようにしてもよい。
そして、一側、他側上コンベア39、40によって上側から支持された帯状ゴム部材13が一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40の同期作動により被巻回体11に向かって搬送され、該帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側上コンベア39、40の前端部(下流端部)まで搬送されると、前記後側接離手段78が作動して一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40が支持フレーム18の後端部(ピン17)を中心として下方に一体的に揺動する。これにより、帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側上コンベア39、40の前端部により被巻回体11の頂上部12に押し付けられ、該帯状ゴム部材13の始端部が被巻回体11の頂上部12に転写される。この状態で被巻回体11が回転するとともに、一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40が同期作動してコンベアベルト30、コンベアベルト44が被巻回体11の周速と等速で走行すると、帯状ゴム部材13は搬送途中で一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に転写される一方、一側、他側上コンベア39、40から被巻回体11に転写供給されてその周囲に次々に巻回される。
このように一側、他側上コンベア39、40の前端部と被巻回体11とを相対的に接近離隔させる後側接離手段78を設ける一方、一側、他側上コンベア39、40の前端部と被巻回体11とを前記後側接離手段78により相対的に接近させるようにすれば、帯状ゴム部材13の始端部を一側、他側上コンベア39、40の前端部により該前端部から被巻回体11の頂上部12に問題なく押付け転写することができ、これにより、帯状ゴム部材13の肉厚が長手方向でばらついていても、また、帯状ゴム部材13の肉厚に変更があった場合でも、該帯状ゴム部材13は被巻回体11に確実に押付け転写され、該帯状ゴム部材13を一側、他側上コンベア39、40から確実に被巻回体11に供給することができる。ここで、一側、他側上コンベア39、40により帯状ゴム部材13の始端部が被巻回体11に軽く押し付けられる(接触する)だけで被巻回体11に帯状ゴム部材13が転写されるような場合には、一側、他側上コンベア39、40と被巻回体11の頂上部12との間の間隔を帯状ゴム部材13の肉厚と同等の値に固定化してもよい。
このように一側、他側下コンベア25、26の前端部により帯状ゴム部材13を一側、他側上コンベア39、40の後端部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材13を一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に供給し、その後、該一側、他側上コンベア39、40によって帯状ゴム部材13をその上面を粘着力により上側から支持しながら搬送し、次に、一側、他側上コンベア39、40の前端部により帯状ゴム部材13を被巻回体11の頂上部12に押付け転写することで、該帯状ゴム部材13を被巻回体11の頂上部12に供給するようにしたので、一側、他側下コンベア25、26から被巻回体11に供給されるまでの間に帯状ゴム部材13が空中を通過することはなく、この結果、帯状ゴム部材13の部分的な収縮や変形が効果的に抑制される。これにより、帯状ゴム部材13の被巻回体11への巻付け位置、巻付け形状が規定の位置、形状に近付き、帯状ゴム部材13を良好な巻回状態で被巻回体11に巻回することができる。しかも、一側、他側上コンベア39、40は帯状ゴム部材13を上側から支持することで、該帯状ゴム部材13を一側、他側下コンベア25、26に支持されたときの姿勢を保持しながら被巻回体11に向かって搬送することができ、この結果、下面が貼付け面13aである帯状ゴム部材13を何等問題なく被巻回体11に供給して周囲に巻回することができる。ここで、前記被巻回体11の外周は金属表面または未加硫ゴムを含むタイヤ構成部材から構成されているので、該被巻回体11の外周と帯状ゴム部材13との間における単位面積当たりの粘着力Fは、一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44と帯状ゴム部材13との間における単位面積当たりの粘着力Fより大である。
ここで、前述のように帯状ゴム部材13と一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44との間における単位面積当たりの粘着力Fは、帯状ゴム部材13と一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30との間における単位面積当たりの粘着力Fより大であり、しかも、帯状ゴム部材13と被巻回体11との間における単位面積当たりの粘着力Fは、帯状ゴム部材13と一側、他側上コンベア39、40のコンベアベルト44との間における単位面積当たりの粘着力Fより大であるため、前記帯状ゴム部材13と一側、他側下コンベア25、26(コンベアベルト30)、一側、他側上コンベア39、40(コンベアベルト44)、被巻回体11との間における単位面積当たりの粘着力Fはそれぞれ前述の順序で徐々に大となり、これにより、一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40への転写供給、および、一側、他側上コンベア39、40から被巻回体11への転写供給をいずれも確実なものとすることができる。また、前述した帯状ゴム部材13の肉厚が一側と他側で異なっている場合もあるが、この場合には、前側接離手段69により一側上コンベア39または他側上コンベア40の少なくともいずれか一方を昇降させることにより、一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40との間の間隔、および、一側、他側上コンベア39、40と被巻回体11との間の間隔をそれぞれ調整し、一側、他側の帯状ゴム部材13を共に被巻回体11に均一に巻回させるようにすればよい。
81は一側、他側上コンベア39、40(上フレーム41)の前端部にそれぞれ基端が揺動可能に連結された対をなす揺動アームであり、これら揺動アーム81の先端には一側、他側上コンベア39、40の前ローラ42に平行に延びる押付け部材としての接合ローラ82が回転可能に支持されている。83は前記一側、他側上コンベア39、40(上フレーム41)の前端部にそれぞれ取り付けられた駆動モータであり、これら駆動モータ83の出力軸に固定されたプーリ84と前記揺動アーム81の基端に固定されたプーリ85との間にはベルト86が掛け渡されている。この結果、前記駆動モータ83が作動して該駆動モータ83からの駆動回転力がプーリ84、ベルト86、プーリ85を介して揺動アーム81に伝達されると、一側、他側上コンベア39、40の前端部に設置された接合ローラ82は被巻回体11に対し接近離隔することができる。前述した揺動アーム81、駆動モータ83、プーリ84、85、ベルト86は全体として、押付け部材(接合ローラ82)を帯状ゴム部材13の接合部に接近させて該接合ローラ82を前記接合部(被巻回体11)に押し付けることができる押付け手段87を構成する。
そして、前述のように被巻回体11の周囲に帯状ゴム部材13が全周に亘って巻回され、その始、終端13b、13c同士が突き合わされると、被巻回体11が若干回転し、前記始、終端13b、13c同士の突き合わせ部(接合部)が前記接合ローラ82の移動経路上まで移動される。その後、前記駆動モータ83が作動して揺動アーム81に伝達されると、該揺動アーム81が前ローラ42の軸線上に位置する基端部を中心に下方に揺動し、これにより、接合ローラ82は前記接合部を被巻回体11に押し付け、帯状ゴム部材13の始端13bと終端13cとを強力に接合させる。このように被巻回体11に対し接近離隔可能で、前記帯状ゴム部材13の始、終端13b、13c同士の接合部を被巻回体11に押付けることができる接合ローラ82を一側、他側上コンベア39、40の前端部に設置し、帯状ゴム部材13が被巻回体11の周囲に全周に亘って巻回されたとき、該帯状ゴム部材13の前記接合部を被巻回体11に押付けるようにすれば、簡単な構成で帯状ゴム部材13の接合部における接合強度を容易に向上させることができる。なお、この発明においては、前記押付け部材を非回転で直線状に延びる押付けバーから構成してもよい。そして、前述のような下、上駆動モータ48、55、駆動モータ65、75、83の駆動、停止およびそのタイミングや、回転速度等は前記制御手段34により制御している。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
今、下コンベア駆動手段54(下駆動モータ48)の作動により一側、他側下コンベア25、26のコンベアベルト30が前方に向かって走行している一方、図示していない搬送コンベアから未加硫ゴムからなり下面が貼付け面13aである帯状ゴム部材13が該一側、他側下コンベア25、26に後側から供給されているとする。このとき、前後方向に延びている一側、他側下コンベア25、26は供給された帯状ゴム部材13を下方から支持しながら被巻回体11に向かって搬送する。このときの状態が図4(a)に示されている。このような一側、他側下コンベア25、26による搬送の途中において、前検出器33および後検出器36が帯状ゴム部材13の始端13bおよび終端13c、肉厚をそれぞれ検出し、その検出結果を制御手段34に出力するが、このとき、該制御手段34は前記出力結果を基に演算を行って帯状ゴム部材13の長さおよび肉厚を求める。そして、前述した一側、他側下コンベア25、26による帯状ゴム部材13の搬送により該帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側下コンベア25、26の前端部(下流端部)に到達すると、下駆動モータ48の作動が一旦停止するが、このとき、前後方向に延びるとともに、後端部が前記一側、他側下コンベア25、26の前端部直上に位置する一側、他側上コンベア39、40は、前側接離手段69により一側、他側下コンベア25、26から帯状ゴム部材13の肉厚を超える距離だけ上方に離隔している。このときの状態が図4(b)に示されている。
次に、前側接離手段69(駆動モータ65)が作動してねじ軸63が回転すると、一側、他側上コンベア39、40は一側、他側下コンベア25、26に垂直に延びるガイドレール61に沿って下降し、一側、他側下コンベア25、26に接近する。そして、前記一側、他側上コンベア39、40の下降は、重なり合い部53に位置する帯状ゴム部材13(始端部)が一側、他側下コンベア25、26と一側、他側上コンベア39、40とにより強力に挟持されて上下方向に圧縮され(押し潰され)たとき停止する。このとき、帯状ゴム部材13の始端部は一側、他側上コンベア39、40の後端部に下方から押付けられて転写され、該帯状ゴム部材13が一側、他側上コンベア39、40に大きな粘着によって保持される。このときの状態が図4(c)に示されている。このようにして帯状ゴム部材13の始端部が一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に転写されると、前側接離手段69を作動して一側、他側上コンベア39、40を、該一側、他側上コンベア39、40と一側、他側下コンベア25、26との間の間隔が帯状ゴム部材13の肉厚とほぼ同等となるまで上昇させる。このときの状態が図4(d)に示されている。
その後、下、上駆動モータ48、55を同期作動して一側、他側下コンベア25、26および一側、他側上コンベア39、40を等速で前方に向かって走行させ、前記重なり合い部53において帯状ゴム部材13を一側、他側下コンベア25、26から一側、他側上コンベア39、40に次々に転写するとともに、一側、他側上コンベア39、40によって帯状ゴム部材13の上面を粘着力により上側から支持しながら該帯状ゴム部材13を被巻回体11に向かって搬送する。このようにして一側、他側上コンベア39、40により上側から支持された帯状ゴム部材13が、一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40の同期走行により被巻回体11に向かって搬送され、該帯状ゴム部材13の始端13bが一側、他側上コンベア39、40の前端部(下流端部)まで搬送されると、前記後側接離手段78が作動して支持フレーム18、一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40がピン17を中心として一体的に下方に揺動する。これにより、帯状ゴム部材13の始端部が被巻回体11の頂上部12直上に位置している一側、他側上コンベア39、40の前端部により該被巻回体11の頂上部12に押し付けられ、該帯状ゴム部材13の始端部が被巻回体11の頂上部12に転写される。このときの状態が図5(a)に示されている。
この状態で被巻回体11を水平な軸線を中心として回転させるとともに、一側、他側下コンベア25、26、一側、他側上コンベア39、40を同期作動させてコンベアベルト30、44を被巻回体11の周速と等速で走行させると、帯状ゴム部材13は一側、他側上コンベア39、40の前端部から回転中の被巻回体11の頂上部12に供給されて該被巻回体11の周囲に次々に巻回される。このときの状態が図5(b)に示されている。そして、被巻回体11の周囲に帯状ゴム部材13が全周に亘って1回だけ巻回され、その始、終端13b、13c同士が突き合わされると、被巻回体11がさらに若干回転し、前記始、終端13b、13c同士の突き合わせ部(接合部)が接合ローラ82の移動経路上まで移動される。その後、駆動モータ83が作動して揺動アーム81が基端を中心に下方に揺動すると、前記接合ローラ82は帯状ゴム部材13の接合部を被巻回体11に押し付け、帯状ゴム部材13の始端13bと終端13cとを強力に接合させる。このときの状態が図5(c)に示されている。
この発明は、帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に供給してその周囲に巻回する産業分野に適用できる。
11…被巻回体 12…頂上部
13…帯状ゴム部材 13a…貼付け面
25、26…下コンベア 39、40…上コンベア
69…前側接離手段 78…後側接離手段
82…押付け部材

Claims (7)

  1. 未加硫ゴムから構成され下面が貼付け面である帯状ゴム部材を、コンベアベルトの内面側に該コンベアベルトが摺接する支持プレートが設けられ、前後方向に延びる下コンベアによって前方の被巻回体に向かって搬送する工程と、コンベアベルトの内面側に該コンベアベルトの幅方向に延び該コンベアベルトに転がり接触する複数の押えローラが設けられ、前後方向に延びるとともに、後端部が前記下コンベアの前端部直上に、前端部が被巻回体の頂上部直上にそれぞれ位置する上コンベアの後端部に、前記下コンベアの前端部により帯状ゴム部材を押付け転写することで、該帯状ゴム部材を下コンベアから上コンベアに供給する工程と、前記上コンベアによって帯状ゴム部材をその上面を粘着力により上側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する工程と、前記被巻回体が水平な軸線を中心として回転している最中に、前記上コンベアの前端部により帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を上コンベアから被巻回体の頂上部に供給して周囲に巻回する工程とを備えたことを特徴とする帯状ゴム部材の巻回方法。
  2. 水平な軸線を中心とする回転中に、未加硫ゴムから構成され下面が貼付け面である帯状ゴム部材が頂上部に供給されることで、該帯状ゴム部材が周囲に巻回される被巻回体と、被巻回体の後側に設置され、コンベアベルトの内面側に該コンベアベルトが摺接する支持プレートが設けられ、前後方向に延びるとともに、前記帯状ゴム部材を下側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する下コンベアと、コンベアベルトの内面側に該コンベアベルトの幅方向に延び該コンベアベルトに転がり接触する複数の押えローラが設けられ、前後方向に延びるとともに、後端部が下コンベアの前端部直上に、前端部が被巻回体の頂上部直上にそれぞれ位置し、帯状ゴム部材をその上面を粘着力により上側から支持しながら被巻回体に向かって搬送する上コンベアとを備え、下コンベアの前端部により帯状ゴム部材を上コンベアの後端部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を下コンベアから上コンベアに供給する一方、前記上コンベアの前端部により帯状ゴム部材を被巻回体の頂上部に押付け転写することで、該帯状ゴム部材を上コンベアから被巻回体に供給するようにしたことを特徴とする帯状ゴム部材の巻回装置。
  3. 下コンベアの前端部と上コンベアの後端部とを相対的に接近離隔させる前側接離手段をさらに設け、下コンベアの前端部と上コンベアの後端部とを前記前側接離手段により相対的に接近させて、帯状ゴム部材の始端部を下コンベアの前端部と上コンベアの後端部との間において上下方向に圧縮することにより、該帯状ゴム部材の始端部を上コンベアの後端部に押付け転写するようにした請求項2記載の帯状ゴム部材の巻回装置。
  4. 前記下コンベアの前後方向長さを上コンベアの前後方向長さより大とする一方、前側接離手段により上コンベアのみを昇降させることで、上コンベアの後端部を下コンベアの前端部に対し接近離隔させるようにした請求項3記載の帯状ゴム部材の巻回装置。
  5. 前記上コンベアの前端部と被巻回体とを相対的に接近離隔させる後側接離手段を設け、上コンベアの前端部と被巻回体とを前記後側接離手段により相対的に接近させて、帯状ゴム部材の始端部を上コンベアの前端部から被巻回体の頂上部に押付け転写するようにした請求項2〜4のいずれか一項に記載の帯状ゴム部材の巻回装置。
  6. 前記帯状ゴム部材と下コンベア、上コンベア、被巻回体との間における単位面積当たりの粘着力Fを前述の順序で徐々に大とした請求項2〜5のいずれか一項に記載の帯状ゴム部材の巻回装置。
  7. 前記被巻回体に対し接近離隔可能で、前記帯状ゴム部材の始、終端同士の接合部を被巻回体に押付けることができる押付け部材を上コンベアの前端部に設置し、帯状ゴム部材が被巻回体の周囲に全周に亘って巻回されたとき、該帯状ゴム部材の前記接合部を被巻回体に押付ける請求項2〜6のいずれか一項に記載の帯状ゴム部材の巻回装置。
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