JP6936057B2 - マイクロ流体デバイス及び反応システム - Google Patents

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Description

本発明は、流体が送液されるマイクロ流路が設けられたマイクロ流体デバイス及び該マイクロ流体デバイスを備える反応システムに関する。
従来、生化学分析などに、流体が送液されるマイクロ流路が設けられたマイクロ流体デバイスが種々提案されている。例えば、下記の特許文献1には、マイクロ流路が設けられたマイクロ流体デバイスが開示されている。上記マイクロ流路は、主流路と、該主流路から分岐している複数の分岐流路とを有する。上記複数の分岐流路は、分岐流路毎に個別に反応チャンバーに接続されており、反応チャンバー毎に個別に弁が設けられている。特許文献1では、反応チャンバー内で遺伝子増幅反応などが行われている。
特表2014−521306号公報
特許文献1のように、複数の反応チャンバー毎に個別に弁を設けた場合、部品点数が多くなるという問題がある。
また、本発明者らは、主流路の両端に弁を設け、複数の反応チャンバーをまとめて封止する場合、以下のような課題が生じることを見出した。具体的には、遺伝子増幅反応などのように、反応チャンバー内における反応液の加熱と冷却を必要とする反応を行った場合、反応チャンバー内の反応液の量が減少したり、反応チャンバー内に気泡が生じたりする場合があることを見出した。特に、遺伝子増幅反応などを外部から検出器により検出する場合、気泡が存在すると反応の程度や反応により生じた物質等を正確に検出することができなくなる。
本発明の目的は、反応チャンバー内における気泡の発生が生じ難い、マイクロ流体デバイス及び該マイクロ流体デバイスを備える反応システムを提供することにある。
本発明に係るマイクロ流体デバイスは、マイクロ流路チップ内に複数のマイクロ流路が設けられている、マイクロ流体デバイスであって、対向する第1及び第2の主面を有する、前記マイクロ流路チップと、前記マイクロ流路チップの前記第1の主面側に設けられている、温度調節装置と、を備え、前記マイクロ流路が、主流路と、該主流路から分岐している複数の分岐流路とを有し、前記主流路が、該主流路の両端に設けられている第1及び第2の弁と、該第1の弁に接続される接続流路と、該接続流路に接続されており前記複数の分岐流路の一端と連結されている入口側流路と、該入口側流路と前記第2の弁とを接続している廃液用流路とを有し、前記複数の分岐流路のうち少なくとも1つの分岐流路が、反応チャンバーとされており、前記入口側流路及び前記反応チャンバーが、前記マイクロ流路チップの第1の主面側に設けられている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのある特定の局面では、前記温度調節装置が、前記マイクロ流路チップの前記第1の主面上に設けられている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスの他の特定の局面では、前記接続流路及び前記廃液用流路が、前記マイクロ流路チップの前記第1の主面側に設けられている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、前記マイクロ流路チップが、基板と、前記基板上に設けられているカバー層とを備え、前記入口側流路及び前記反応チャンバーと、前記温度調節装置とが、前記カバー層を介して隔てられている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、前記複数の分岐流路のうち全ての分岐流路が、それぞれ、反応チャンバーとされている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、前記反応チャンバーに、反応液が充填されている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、前記マイクロ流路が、前記複数の分岐流路の他端と連結されている出口側流路をさらに有し、該出口側流路が、前記マイクロチップの第1の主面側に設けられている。
本発明に係る反応システムは、本発明に従って構成されるマイクロ流体デバイスを備える。
本発明に係る反応システムのある特定の局面では、前記反応チャンバーで行われる反応が、遺伝子の増幅反応である。
本発明に係る反応システムの他の特定の局面では、前記遺伝子の増幅反応を検出する検出器をさらに備える。
本発明によれば、反応チャンバー内における気泡の発生が生じ難い、マイクロ流体デバイスを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスのマイクロ流路を説明するための模式的平面図である。 図2中のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。 図2中のB−B線に沿う部分の模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態としての反応システムを説明するための模式的断面図である。 比較例1の反応システムを説明するための模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの外観を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスのマイクロ流路を説明するための模式的平面図である。また、図3は、図2中のA−A線に沿う部分の模式的断面図であり、図4は、図2中のB−B線に沿う部分の模式的断面図である。
図3に示すように、マイクロ流体デバイス1は、マイクロ流路チップ10と、温度調節装置24とを備える。マイクロ流路チップ10は、対向する第1及び第2の主面10a,10bを有する。マイクロ流路チップ10の第1の主面10a上に、温度調節装置24が設けられている。
図1に示すように、マイクロ流路チップ10は、特に限定されないが、本実施形態では、板状の基板2を有する。板状の基板2は、基板本体3と基板本体3の上面を覆うように設けられた第1のカバー層4と、基板本体3の下面側に積層された第2のカバー層5とを有する。第1のカバー層4は、第2の主面10b側に設けられている。第2のカバー層5は、第1の主面10a側に設けられている。なお、積層構造は特に限定されない。
板状の基板2内には、図2に平面図で示すマイクロ流路11が設けられている。マイクロ流路11とは、流体の搬送に際し、マイクロ効果が生じるような微細な流路をいう。このようなマイクロ流路11では、流体は、表面張力の影響を強く受け、通常の大寸法の流路を流れる流体とは異なる挙動を示す。
マイクロ流路11の横断面形状及び大きさは、上記のマイクロ効果が生じる流路であれば特に限定はされない。例えば、マイクロ流路11に流体を流す際、ポンプや重力を用いる場合には、流路抵抗をより一層低下させる観点から、マイクロ流路11の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。また、マイクロ流体デバイス1をより一層小型化する観点より、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
また、マイクロ流路11の横断面形状がおおむね円形の場合には、直径(楕円の場合には、短径)が、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。マイクロ流体デバイス1をより一層小型化する観点からは、直径(楕円の場合には、短径)が、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
一方、例えば、マイクロ流路11に流体を流す際、毛細管現象をより一層有効に活用するときに、マイクロ流路11の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、小さい方の辺の寸法で、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
図2に示すように、マイクロ流路11は、主流路12を有する。主流路12に、複数の分岐部12a〜12cが設けられている。分岐部12a〜12cには、それぞれ、分岐流路15〜17が接続されている。分岐流路15〜17は、分岐部12a〜12cに連なる分岐流路本体部15a〜17aを有する。分岐流路本体部15a〜17aの下流側端部に分岐流路狭窄部15b〜17bが連ねられている。分岐流路狭窄部15b〜17bの下流側端部に、分岐流路拡大部15c〜17cが連ねられている。分岐流路拡大部15c〜17cの下流側端部が出口側流路18に連結されている。また、主流路12と、出口側流路18とを結ぶように、バイパス流路19が設けられている。
分岐流路15は、図4に示す反応チャンバー23を構成している。分岐流路16,17も、同様に、それぞれ、図示しない反応チャンバー23を構成している。なお、本発明においては、複数の分岐流路15〜17のうち少なくとも1つの分岐流路が反応チャンバー23を構成していればよい。反応チャンバー23内には、それぞれ、反応液が充填されている。1つの反応チャンバー23内の反応液量は、例えば、1μL以上、100μL以下とすることができる。
マイクロ流体デバイス1は、反応チャンバー23内における遺伝子増幅反応(PCR)による反応を検出するのに用いられる。もっとも、マイクロ流体デバイス1の用途は、特に限定されるものではない。
次に、主流路12の構造を説明する。
図3に示すように、主流路12は、接続流路20と、入口側流路21と、廃液用流路22とを有する。接続流路20は、第1の弁13と、入口側流路21との間に設けられている流路である。入口側流路21は、接続流路20と廃液用流路22とを接続する流路である。入口側流路21は、分岐流路15〜17に連結されている。また、廃液用流路22は、入口側流路21と第2の弁14との間に設けられている流路である。なお、図3においては、入口側流路21と、接続流路20及び廃液用流路22との境界線をそれぞれ破線で示している。入口側流路21の幅及び深さは、それぞれ、例えば、0.1mm以上、1.0mm以下とすることができる。
本実施形態においては、分岐流路15〜17に設けられている反応チャンバー23内に充填された各反応液をまとめて封止するように、第1及び第2の弁13,14が設けられている。第1及び第2の弁13,14は、それぞれ、第1及び第2の押圧部材13a,14aによって第1のカバー層4を押圧することにより流路を開閉する弁である。従って、本実施形態において、第1のカバー層4は、柔軟性を有する材料からなることが望ましい。柔軟性を有する材料としては、合成樹脂フィルムやエラストマーが挙げられる。なお、本発明においては、第1及び第2の弁13,14は、特に限定されず、光学的に開状態と閉状態とを切り替えられる弁構造を有する弁であってもよい。
本実施形態では、上記のような弁構造を有することから、第1及び第2の弁13,14が、第1のカバー層4側に設けられている。一方、入口側流路21は、第2のカバー層5側に設けられている。特に、本実施形態では、入口側流路21が第2のカバー層5と接するように設けられている。そのため、第1及び第2の弁13,14と入口側流路21とを、それぞれ接続する接続流路20及び廃液用流路22は、基板2の厚み方向に延びている。
本実施形態では、PCR反応を反応チャンバー23内で行うため、温度調節装置24がマイクロ流路チップ10の第1の主面10a側に配置される。なお、温度調節装置24は、加熱及び冷却を繰り返し得る適宜の温度調節装置により構成することができる。また、温度調節装置24は、マイクロ流路チップ10の第1の主面10aに接触されている必要は必ずしもなく、隔てられていてもよい。もっとも、好ましくは、温度調節装置24は、マイクロ流路チップ10の第1の主面10aに接触されるように設けられる。その場合、後述する気泡の発生をより一層生じ難くすることができる。
マイクロ流体デバイス1を構成する材料は特に限定されない。例えば、基板2を構成している基板本体3、第1のカバー層4及び第2のカバー層5は、合成樹脂の成形体の積層構造であってもよい。また、基板本体3が、射出成形品からなり、第1のカバー層4及び第2のカバー層5が射出成形品の上面または下面に貼り付けられた合成樹脂フィルムであってもよい。
反応チャンバー23における反応を外部から検出器により光学的に検出する場合、反応チャンバー23の上部及び/又は下部が透光性であることが望ましい。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、第2のカバー層5の上面に入口側流路21及び反応チャンバー23が設けられており、第2のカバー層5の下面に温度調節装置24が設けられている。すなわち、入口側流路21及び反応チャンバー23が、第2のカバー層5のみを介して温度調節装置24と隔てられている。なお、本実施形態では、入口側流路21及び反応チャンバー23の全ての部分が、温度調節装置24側に設けられている。
本実施形態では、入口側流路21及び反応チャンバー23が温度調節装置24側に設けられているので、反応チャンバー23内における気泡の発生が生じ難い。この点については、以下のように説明することができる。
主流路12の両端に第1の弁13及び第2の弁14を設けて、複数の反応チャンバー23内にまとめて反応液を封止する場合、複数の反応チャンバー23を連結する入口側流路21に空き空間が発生することがある。そのため、遺伝子増幅反応などのように、反応チャンバー23内における反応液の加熱と冷却を必要とする反応を行った場合、加熱時に反応液が膨張し、冷却時に上記空き空間を有する入口側流路21の内壁が結露することがある。それによって、反応チャンバー23内の反応液の量が減少したり、反応チャンバー23内に気泡が生じたりする場合がある。
しかしながら、本実施形態では、反応チャンバー23に加えて入口側流路21が温度調節装置24側に設けられている。そのため、入口側流路21も加熱することができるので、加熱時に反応液が膨張しても、冷却時に反応液を反応チャンバー23に戻すことができる。それによって、冷却時に反応液が上記空き空間を有する入口側流路21の内壁が結露し難くなり、気泡の発生を抑制することができる。また、反応チャンバー23にコンタミを生じ難くすることもできる。従って、マイクロ流体デバイス1では、遺伝子増幅反応などを外部から検出器により検出する場合に、検出の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、主流路12の両端に第1及び第2の弁13,14を設けて、複数の反応チャンバー23内にまとめて反応液を封止した場合においても、気泡の発生を抑制することができる。そのため、複数の反応チャンバー23毎に個別に弁を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。
なお、本発明においては、入口側流路21及び反応チャンバー23が温度調節装置24側に設けられていればよく、入口側流路21及び反応チャンバー23と温度調節装置24との間には、第2のカバー層5以外の他の層が設けられていてもよい。また、入口側流路21及び反応チャンバー23が、第2のカバー層5と接していなくともよい。もっとも、気泡の発生をより一層確実に抑制する観点から、入口側流路21及び反応チャンバー23と温度調節装置24とが、第2のカバー層5のみにより隔てられていることが好ましい。この場合、第2のカバー層5の厚みは、300μm以下であることが好ましい。それによって、気泡の発生をより一層生じ難くすることができる。
本発明においては、出口側流路18やバイパス流路19も温度調節装置24側に設けられていることが好ましい。その場合、気泡の発生をさらに一層確実に抑制することができる。もっとも、出口側流路18やバイパス流路19は、温度調節装置24側に設けられていなくてもよい。
また、本発明においては、接続流路20及び廃液用流路22が設けられていなくてもよい。すなわち、第1及び第2の弁13,14と入口側流路21とが、同一平面上において直接接続されていてもよい。その場合においても、入口側流路21及び反応チャンバー23が、温度調節装置24側に設けられていればよい。
また、マイクロ流路11内における流体の送液は、マイクロ流路チップ10の内部又は外部に設けられた送液手段により送液することができる。送液手段としては、特に限定されず、例えば、マイクロポンプが挙げられる。具体的には、マイクロポンプを用いて、液体や空気、又は所定のガスをマイクロ流路11に送り込むことにより、送液する手段が挙げられる。この場合、マイクロポンプは、マイクロ流路チップ10の内部に設けられていてもよいし、マイクロ流路チップ10の外部に設けられていてもよい。
また、他の送液手段としては、第1の弁13より上流側に連結された空間に配置されたガス発生部材が挙げられる。ガス発生部材とは、光や熱等の外力によりガスを発生する部材である。ガス発生部材に所定のタイミングで外力を加えることによりガスを発生させ、マイクロ流路11内にガスを送り込むことができる。それによって、流体を送液することができる。ガス発生部材としては、例えば、ガス発生テープが挙げられる。
[反応システム]
図5は、マイクロ流体デバイス1を有する第2の実施形態としての反応システムを示す断面図である。反応システム31は、マイクロ流体デバイス1と温度調節装置24と、検出器32とを有する。
検出器32は、上述した反応チャンバー23内のPCR反応を検出するために設けられている。検出器32は、光学的検出装置など様々な測定原理による検出装置で構成することができる。
検出器32は、非接触式に反応チャンバー23内のPCR反応を測定し得るものが望ましい。従って、本実施形態では、検出器32は、マイクロ流体デバイス1から隔てられて設けられている。
もっとも、検出器32は、マイクロ流体デバイス1の第1のカバー層4側の表面や第2のカバー層5側の表面に接触されていてもよい。
なお、マイクロ流体デバイス1及び反応システム31の用途は、PCR反応を利用して核酸などを検出する用途に限定されるものではない。もっとも、PCR反応では、反応液を加熱し冷却する工程を繰り返すことにより遺伝子を増幅させる。従って、このような加熱及び冷却の繰り返しにより、反応液中の溶存酸素等が気泡となって生じるおそれがある。よって、このような気泡が生じ易い反応に用いた場合に、本発明は効果的である。
次に、反応システム31を用いた検出方法の操作を説明する。
まず、マイクロ流体デバイス1内の送液手段として第1の弁13より上流側に設けられた図示しないマイクロポンプを駆動する。そして、主流路12の上流側から供給された流体としての反応液を主流路12から、分岐流路15〜17に送液する。この場合、第1及び第2の弁13,14は開状態とされている。この場合に、分岐流路15〜17がほぼ同じタイミングで、反応液で満たされることになる。この状態で、第1及び第2の弁13,14を閉状態とする。それによって、反応チャンバー23内に反応液が閉じ込められる。好ましくは、この状態において反応液が反応チャンバー23の容積の97%を占めるように、第1,第2の弁13,14及び反応チャンバー23の容積が定められていることが望ましい。その場合には、気泡がより一層生じ難い。よって、加熱及び冷却を繰り返したとしても検出精度の低下がより一層生じ難い。
また、好ましくは、送液手段として、反応液を押圧するプッシュ式の送液手段が望ましい。それによって、反応チャンバー23内において気泡がより一層生じ難くなる。
上記のように、第1,第2の弁13,14を閉状態とし、その状態で温度調節装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を進める。設定温度については特に限定されず、PCR反応に必要な高温状態と低温状態とを繰り返せばよい。
次に、検出器32を用いて各反応チャンバー23内において増幅された核酸などの濃度を光学的に検出する。この場合、各反応チャンバー23内において気泡が生じ難いため、核酸やDNAなどを高精度に検出することができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図5に示す反応システム31を作製した。
具体的には、基板本体3が、射出成形品からなり、第1のカバー層4及び第2のカバー層5が射出成形品の上面または下面に貼り付けられた合成樹脂フィルムからなるマイクロ流路チップ10を作製し、第2のカバー層5の下面に温度調節装置24を設けた。また、第1のカバー層4の上側に第1のカバー層4と隔てて検出器32を配置した。
次に、マイクロ流体デバイス1内の送液手段として第1の弁13より上流側に設けられた図示しないマイクロポンプを駆動した。そして、主流路12の上流側から供給された流体としての反応液を主流路12から、分岐流路15〜17に送液した。それによって、分岐流路15〜17をほぼ同じタイミングで、反応液で満たした。この状態で、第1及び第2の弁13,14を閉状態とした。
第1,第2の弁13,14を閉状態とし、その状態で温度調節装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を行なった。その結果、実施例1では、反応チャンバー23内にほぼ気泡が生じていなかった。
(比較例1)
比較例1では、図6に示す反応システム101を作製した。
具体的には、実施例1では、入口側流路21及び反応チャンバー23が温度調節装置24側に設けられていたのに対し、比較例1では、入口側流路21の一部が、温度調節装置24側(第1の主面10a側)ではなく、第2の主面10b側に設けられている。その他の点は、実施例1と同様にして反応システム101を作製し、PCR反応を行なった。その結果、比較例1では、反応チャンバー23内に気泡が数多く生じていた。
1…マイクロ流体デバイス
2…基板
3…基板本体
4,5…第1,第2のカバー層
10…マイクロ流路チップ
10a,10b…第1,第2の主面
11…マイクロ流路
12…主流路
12a〜12c…分岐部
13,14…第1,第2の弁
13a,14a…第1,第2の押圧部材
15〜17…分岐流路
15a,16a,17a…分岐流路本体部
15b,16b,17b…分岐流路狭窄部
15c,16c,17c…分岐流路拡大部
18…出口側流路
19…バイパス流路
20…接続流路
21…入口側流路
22…廃液用流路
23…反応チャンバー
24…温度調節装置
31…反応システム
32…検出器

Claims (10)

  1. マイクロ流路チップ内に複数のマイクロ流路が設けられている、マイクロ流体デバイスであって、
    対向する第1及び第2の主面を有する、前記マイクロ流路チップと、
    前記マイクロ流路チップの前記第1の主面側に設けられている、温度調節装置と、
    を備え、
    前記マイクロ流路が、主流路と、該主流路から分岐している複数の分岐流路とを有し、
    前記主流路が、該主流路の両端に設けられている第1及び第2の弁と、該第1の弁に接続される接続流路と、該接続流路に接続されており前記複数の分岐流路の一端と連結されている入口側流路と、該入口側流路と前記第2の弁とを接続している廃液用流路とを有し、
    前記マイクロ流路が、前記複数の分岐流路の他端と連結されている出口側流路と、前記出口側流路及び前記主流路を結ぶように設けられているバイパス流路とをさらに有し、
    前記複数の分岐流路が、それぞれ、分岐流路本体部と、前記分岐流路本体部の下流側端部に連ねられている分岐流路狭窄部とを有し、
    前記複数の分岐流路のうち少なくとも1つの分岐流路が、反応チャンバーとされており、
    前記入口側流路及び前記反応チャンバーが、前記マイクロ流路チップの第1の主面側に設けられている、マイクロ流体デバイス。
  2. 前記温度調節装置が、前記マイクロ流路チップの前記第1の主面上に設けられている、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  3. 前記接続流路及び前記廃液用流路が、前記マイクロ流路チップの前記第1の主面側に設けられている、請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
  4. 前記マイクロ流路チップが、基板と、前記基板上に設けられているカバー層とを備え、
    前記入口側流路及び前記反応チャンバーと、前記温度調節装置とが、前記カバー層を介して隔てられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
  5. 前記複数の分岐流路のうち全ての分岐流路が、それぞれ、反応チャンバーとされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
  6. 前記反応チャンバーに、反応液が充填されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
  7. 前記複数の分岐流路が、それぞれ、前記分岐流路狭窄部の下流側端部に連ねられている分岐流路拡大部をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスを備える、反応システム。
  9. 前記反応チャンバーで行われる反応が、遺伝子の増幅反応である、請求項8に記載の反応システム。
  10. 前記遺伝子の増幅反応を検出する検出器をさらに備える、請求項9に記載の反応システム。
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