JP2019163949A - マイクロ流体デバイス及び反応システム - Google Patents

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一彦 今村
Kazuhiko Imamura
一彦 今村
正太郎 小原
Shotaro Kobaru
正太郎 小原
延彦 乾
Nobuhiko Inui
延彦 乾
根本 栄治
Eiji Nemoto
栄治 根本
一也 宇賀神
Kazuya Ugajin
一也 宇賀神
高野 努
Tsutomu Takano
努 高野
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Abstract

【課題】複数の反応チャンバー内における気泡の発生が生じ難い、マイクロ流体デバイス、及び該マイクロ流体デバイスを有する反応システムを提供する。【解決手段】マイクロ流体デバイス1の主流路11には、複数の分岐流路が接続されている。各々の分岐流路(代表的な分岐流路として分岐流路12を例示する)において、分注時の反応液を自発的に停止させる流路抵抗部12dが設けられており、流路抵抗部12dの上流側において、第1及び第2の弁21,22が設けられており、第1の弁21と第2の弁22とで挟まれた部分が反応チャンバー23とされている。各分岐流路は、第1の弁21及び第2の弁22により、個別に開閉でき、反応チャンバー23における流体の充填量が、反応チャンバー23の容積の97%以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、流体が送液されるマイクロ流体デバイス及び該マイクロ流体デバイスを用いた反応システムに関する。
従来、流体が送液される流路が設けられたマイクロチップが種々提案されている。例えば下記の特許文献1では、遺伝子増幅反応などを利用した生物学的分析に用いられるマイクロ流体デバイスが開示されている。このマイクロ流体デバイスでは、複数の反応チャンバーにおいてそれぞれ遺伝子増幅反応を生じさせるために主流部に複数の分岐流路の一端が接続されている。各分岐流路内に、反応チャンバーが構成されている。
特開2008−139237号公報
ところで、遺伝子増幅反応などを外部から検出器により検出する場合、反応液中に気泡が生じていないことが望ましい。気泡が生じていると反応の程度や反応により生じた物質等を正確に検出することができなくなる。
しかしながら、遺伝子増幅反応などでは、反応チャンバー内の反応液を加熱し、冷却する冷熱サイクル工程を複数回実施する。従って、加熱が繰り返されることにより気泡が生じ易かった。
本発明の目的は、複数の反応チャンバー内における気泡の発生が生じ難い、マイクロ流体デバイス、及び該マイクロ流体デバイスを有する反応システムを提供することにある。
本発明に係るマイクロ流体デバイスは、流体が送液される流路が設けられている基板を含むマイクロチップであって、前記流路は、主流路と、該主流路から分岐している複数の分岐流路とを備え、前記複数の分岐流路の少なくとも1つは、分注時の送液を自発的に停止させる流路抵抗部を有し、前記分岐流路は、前記流路抵抗部よりも上流側において、分岐流路毎に個別に分岐流路を開閉する第1及び第2の弁で挟まれた反応チャンバーを有し、前記反応チャンバーにおける流体の充填量が、前記反応チャンバーの容積の97%以上である。
本発明に係るマイクロ流体デバイスでは、前記反応チャンバーにおける前記マイクロ流体の充填量が反応チャンバーの容積の97%以上である。よって、気泡の原因となる蒸気圧よりチャンバー内圧力を高く維持できるため気泡の発生がより一層生じ難い。
本発明に係るマイクロ流体デバイスでは、好ましくは、全ての分岐流路に、前記流路抵抗部及び前記第1及び第2の弁が設けられている。この場合には、全ての分岐流路における反応チャンバーにおいて気泡の発生を効果的に抑制することができる。
本発明に係るマイクロ流体デバイスの他の特定の局面では、前記主流路及び前記複数の分岐流路に前記流体を送液するための送液手段がさらに備えられている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、前記送液手段が、前記主流路の上流側から前記分岐流路に向かって前記流体を押圧するプッシュ式送液手段である。この場合には、送液圧力によりチャンバー内圧力を高めることができるため気泡の発生がより一層生じ難い。
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに別の特定の局面では、前記送液手段がマイクロポンプである。この場合には、マイクロ流体デバイスにおいて送液手段の小型化を図ることができる。
本発明に係る反応システムでは、前記流体が反応液であって、該反応システムは、本発明に従って構成されているマイクロ流体デバイスと、前記マイクロ流体デバイスの前記反応チャンバー内の反応液の温度を調整するための温度調整装置とを備える。
本発明に係る反応システムのある特定の局面では、前記温度調整装置が、加熱及び冷却を繰り返す冷熱サイクル処理を行う装置である。この場合には、加熱の繰り返しにより気泡が生じ易いおそれがあるが、本発明に従って、反応チャンバー内の気泡の発生を確実に抑制することができる。
本発明に係る反応システムのさらに他の特定の局面では、前記反応チャンバーで行われる反応が、遺伝子の増幅反応である。
本発明に係る反応システムのさらに別の特定の局面では、前記反応チャンバーで行われる遺伝子の前記増幅反応を検出する検出器がさらに備えられている。この場合には、マイクロ流体デバイス外に設けられた検出器を用いて、遺伝子の増幅反応を高精度に検出することができる。
本発明に係るマイクロ流体デバイス及び反応システムによれば、複数の反応チャンバー内における反応液中での気泡の発生を効果的に抑制することができる。従って、各反応チャンバーにおける反応の検出に際し、その精度を効果的に高めることができる。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの要部を示す模式的平面図である。 図2中のA−A線に沿う部分の断面図である。 図2中のB−B線に沿う部分の断面図である。 本発明の第2の実施形態としての反応システムであり、実施例1で用いた反応システムを説明するための断面図である。 実施例2で用いた反応システムを説明するための断面図である。 比較例1で用いた反応システムを説明するための断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの外観を示す斜視図であり、図2はその要部を示す模式的平面図である。また、図3は、図2中のA−A線に沿う部分の断面図であり、図4は、図2中のB−B線に沿う部分の断面図である。
マイクロ流体デバイス1は、液体が送液される基板2を有するマイクロチップである。特に限定されないが、本実施形態では、マイクロ流体デバイス1は、板状の基板2を有する。板状の基板2は、基板本体3と基板本体3の上面を覆うように設けられたカバー層4と、底面側に積層されたベース層5とを有する。なお、積層構造は特に限定されない。
上記マイクロ流体デバイス1内においては、図2に模式的に平面図で示すマイクロ流路が示されている。マイクロ流路とは、流体の搬送に際し、マイクロ効果が生じるような微細な流路をいう。このようなマイクロ流路では、流体は、表面張力の影響を強く受け、通常の大寸法の流路を流れる流体とは異なる挙動を示す。
マイクロ流路の横断面形状及び大きさは、上記のマイクロ効果が生じる流路であれば特に限定はされない。例えば、マイクロ流路に流体を流す際、ポンプや重力を用いる場合には、流路抵抗をより一層低下させる観点から、マイクロ流路の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。また、マイクロ流体デバイス1をより一層小型化する観点より、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
また、マイクロ流路の横断面形状がおおむね円形の場合には、直径(楕円の場合には、短径)が、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。マイクロ流体デバイス1をより一層小型化する観点からは、直径(楕円の場合には、短径)が、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
一方、例えば、マイクロ流路に流体を流す際、毛細管現象をより一層有効に活用するときに、マイクロ流路の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、小さい方の辺の寸法で、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
図2に示すように、このマイクロ流路は、上流側に位置している主流路11を有する。主流路11に、複数の分岐流路12〜16及び廃液流路17が接続されている。
本実施形態では、分岐流路13〜16及び廃液流路17は、接続流路18を介して主流路11に接続されている。もっとも、分岐流路12も、接続流路18を介して主流路11に接続されていてもよい。
上記分岐流路12〜16のうち、分岐流路12〜15が、それぞれ、反応チャンバーを構成している。マイクロ流体デバイス1は、遺伝子増幅反応(PCR)による反応を検出するのに用いられる。もっとも、マイクロ流体デバイス1の用途は特に限定されるものではない。
分岐流路12を代表して、分岐流路12〜15の構造を説明する。
図3に示すように、主流路11は、基板本体3内においてカバー層4側の高さ位置に設けられている。他方、分岐流路12は第1の分岐流路部12a、第2の分岐流路部12b及び第3の分岐流路部12cを有する。第2の分岐流路部12bは、基板2において、ベース層5側に設けられている。第1の分岐流路部12a及び第3の分岐流路部12cは、基板2の厚み方向に延びている。
第1の分岐流路部12aの上端が主流路11に接続されており、下端が第2の分岐流路部12bに接続されている。
第2の分岐流路部12bでは、下流側端部に流路の横断面積が小さい流路抵抗部12dが設けられている。この流路抵抗部12dは、第2の分岐流路部12bに送液されてきた流体としての反応液が流路抵抗により自発的に停止する横断面積を有するように構成されている。なお、流路抵抗部は、分注時の反応液の送液を自発的に停止させる流路抵抗を有する限り、構造は特に限定されない。すなわち、流路の横断面積が急激に拡大するようにして、反応液の流路抵抗を高めた流路抵抗部であってもよい。
第2の分岐流路部12bにおいては、流路抵抗部12dよりも上流側に、第1の弁21及び第2の弁22が設けられている。第1の弁21と第2の弁22とで挟まれた部分が反応チャンバー23である。第1,第2の弁21,22は、反応チャンバー23内に反応液を封止するために設けられている。
第1の弁21は、反応液を第2の分岐流路部12bに移動させる際に開状態とされている。第2の弁22も反応液が流路抵抗部12d側に向かう場合に開状態とされている。他方、反応チャンバー23内に反応液を封止する際には、第1の弁21,第2の弁22は閉状態とされる。上記第1の弁21,第2の弁22は逆止弁などの反応液の通過を許容する開状態と、通過を禁止する閉状態との間で切り替えられ得る限り特に限定されない。従って、逆止弁のほか、流路上を覆うように柔軟性を有する材料が設けられており、押圧等により流路を開閉する弁であってもよい。また、光学的に開状態と閉状態とを切り替えられる弁構造を有する弁であってもよい。また第2の弁が流路抵抗部として機能し、送液を自発的に停止させる役割を兼ねても良い。
本実施形態では、PCR反応を反応チャンバー23内で行うため、温度調整装置24がマイクロ流体デバイス1の下面側に配置される。なお、温度調整装置24は、加熱及び冷却を繰り返す冷熱サイクル処理を可能とする適宜の温度調整装置により構成することができる。また、温度調整装置24は、マイクロ流体デバイス1のベース層5の下面に接触されている必要は必ずしもなく、隔てられていてもよい。好ましくは、温度調整装置24は、ベース層5の下面に接触されるように設けられる。
図4に示すように、接続流路18においては、分岐流路13〜15の第1〜第3の分岐流路部13a〜15aの上端が接続されている。また、図2に示すように、接続流路18には廃液流路17も接続されている。
上記接続流路18は主流路11と同じ高さ位置に設けられている。分岐流路16及び廃液流路17も同じ高さ位置に設けられている。他方、分岐流路13〜15は、分岐流路12と同様に構成されている。従って、全ての分岐流路12〜15に第1,第2の弁11,12が設けられている。すなわち、第1の分岐流路部13a,14a,15aの上端が接続流路18に接続されている。第1の分岐流路部13a,14a,15aの下端が第2の分岐流路部13b,14b,15bに接続されている。第3の分岐流路部13c,14c,15cの下端が、第2の分岐流路部13b,14b,15bに接続されている。第2の分岐流路部13b,14b,15bにおいても、第2の分岐流路部12bと同様に、流路抵抗部13d,14d,15dが設けられている。また、第1の弁21及び第2の弁22が、各第2の分岐流路部13b,14b,15bに設けられている。
上記分岐流路12〜15では、分岐流路毎に個別に第1及び第2の弁21,22を用いて、各分岐流路12〜15を開閉することができる。
もっとも、各流路抵抗部12dの流路抵抗については、主流路11から反応液を供給した場合、分岐流路12〜15の第2の分岐流路部12b,13b,14b,15bに同時に反応液が満たされるように調整されていることが望ましい。
分岐流路12〜15の第3の分岐流路部12c〜15cが、接続流路19に接続されている。他方、分岐流路16の上流側端部が接続流路18に接続されており、下流側端部は接続流路19に接続されている。図4に示すように、分岐流路16は、接続流路18と同じ高さ位置に設けられている。接続流路19も、接続流路18と同じ高さ位置に設けられている。
マイクロ流体デバイス1を構成する材料は特に限定されない。例えば、基板2を構成している基板本体3、カバー層4及びベース層5は、合成樹脂の成形体の積層構造であってもよい。また、基板本体3が、射出成形品からなり、カバー層4及びベース層5が射出成形品の上面または下面に貼り付けられた合成樹脂フィルムであってもよい。
好ましくは、上記反応チャンバー23における反応を外部から検出器により光学的に検出する場合、反応チャンバー23の上部及び/または下部が透光性であることが望ましい。
図5は、上記マイクロ流体デバイス1を有する第2の実施形態としての反応システムを示す断面図である。反応システム31は、マイクロ流体デバイス1と温度調整装置24と、検出器32とを有する。
検出器32は、前述した反応チャンバー23内のPCR反応を検出するために設けられている。検出器32は、光学的検出装置など様々な測定原理による検出装置で構成することができる。
検出器32は、非接触式に反応チャンバー23内のPCR反応を測定し得るものが望ましい。従って、本実施形態では、検出器32は、マイクロ流体デバイス1から隔てられて設けられている。
もっとも、検出器32は、マイクロ流体デバイス1のカバー層4側の表面やベース層5側の表面に接触されていてもよい。
なお、マイクロ流体デバイス1及び反応システム31の用途は、PCR反応を利用して核酸などを検出する用途に限定されるものではない。もっとも、PCR反応では、反応液を加熱し冷却する工程を繰り返すことにより遺伝子を増幅させる。従って、このような加熱及び冷却の繰り返しにより、反応液中の溶存酸素等が気泡となって生じるおそれがある。よって、このような気泡が生じ易い反応に用いた場合に、本発明は効果的である。
次に、反応システム31を用いた検出方法の操作を説明する。
まず、マイクロ流体デバイス1内の送液手段としてプッシュ式送液手段であるマイクロポンプを駆動する。なお、送液手段としては、プッシュ式送液手段に限定されない。そして、主流路11の上流側から供給されたマイクロ流体としての反応液を主流路11から、分岐流路12〜15に送液する。この場合に、例えば分岐流路12では、第1の分岐流路部12aを介して、第2の分岐流路部12bに反応液が流れる。この場合、第1の弁21及び第2の弁22は開状態とされている。そのため、反応液が流路抵抗部12dに至る。分岐流路13〜15においても、同様に流路抵抗部13d,14d,15dの手前まで反応液が流れ込むことになる。そして、分岐流路12〜15は接続流路19、分岐流路16により接続流路18と接続されている。このため上流側の接続流路18内の圧力と、下流側の接続流路19内の圧力に大きな差が生じにくくなり、送液の安定性が高まることで第2の分岐流路部12b〜15bがほぼ同じタイミングで、反応液で満たされることになる。この状態で、第1の弁21及び第2の弁22を閉状態とする。それによって、反応チャンバー23内に反応液が閉じ込められる。
好ましくは、第1の弁21及び第2の弁22が閉状態とされているときに、反応液の充填量が反応チャンバー23の容積の97%以上を占めるように、第1,第2の弁21,22及び反応チャンバー23の容積が定めされていることが望ましい。その場合には、気泡がより一層生じ難い。よって、加熱及び冷却を後程繰り返したとしても検出精度の低下がより一層生じ難い。
また、好ましくは、上記送液手段として、主流路11の上流側に設けられたマイクロポンプのように送液する反応液を押圧するプッシュ式の送液手段が望ましい。それによって、第2の分岐流路部12b内において気泡がより一層生じ難い。
なお、流路抵抗部12d,13d,14d,15dが機能すれば、弁を閉じなくとも余った反応液は廃液流路17に流れる。
上記のように、第1,第2の弁21,22を閉状態とし、その状態で温度調整装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を進める。設定温度については特に限定されず、PCR反応に必要な高温状態と低温状態とを繰り返せばよい。
次に、検出器32を用いて各反応チャンバー23内において増幅された核酸などの濃度を光学的に検出する。この場合、反応チャンバー23内において気泡が生じ難いため、核酸やDNAなどを高精度に検出することができる。
また、上記実施形態では、同時に第1の弁21及び第2の弁22を閉状態としたが、本実施形態のマイクロ流体デバイス1では、分岐流路12〜15において個別に第1の弁21及び第2の弁22を閉状態とすることができる。すなわち、各分岐流路12〜15のそれぞれにおいて、気泡が生じ難いタイミングで第1の弁21及び第2の弁22を閉状態とすればよい。従って、複数の反応チャンバー23を有するマイクロ流体デバイス1において、各反応チャンバー間の測定精度のばらつきも生じ難い。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図5に示す反応システム31を作製した。
具体的には、基板本体3が射出成形品からなる。カバー層4及びベース層5が、射出成形品の上面または下面に貼り付けられた合成樹脂フィルムからなる。ベース層5の下面に温度調整装置24を設けた。また、カバー層4の上側にカバー層4と隔てて検出器32を配置した。次に、マイクロ流体デバイス1内の送液手段として第1の弁21より上流側に設けられた、図示しないマイクロポンプを駆動した。そして、主流路11の上流側から供給された流体としての反応液を主流路11から、分岐流路12〜15に送液した。それによって、分岐流路12〜15を反応液で満たした。この状態で、第1,第2の押圧部材21a,22aを用いて第1及び第2の弁21,22を閉状態とした。このとき第1及び第2の弁21,22に挟まれた反応チャンバー23の反応液の充填率は100%であった。第1,第2の弁21,22を閉状態とし、その状態で温度調整装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を行なった。その結果、実施例1では、反応チャンバー23内にほぼ気泡が生じていなかった。
(実施例2)
実施例2では、図6に示す反応システム31Bを作製した。
第1及び第2の弁21,22として、第1,第2の磁石21b,22b、および第1,第2の磁性金属球21c,22cを用いたこと以外は、実施例1と同様とした。反応チャンバー23の反応液の充填率は100%であった。第1,第2の弁21,22を閉状態とし、その状態で温度調整装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を行なった。その結果、実施例2では、反応チャンバー23内にほぼ気泡が生じていなかった。
(比較例1)
比較例1では、図7に示す反応システム31Cを作製した。
比較例1では流路抵抗部12dの下流に第2の弁22を配置した。実施例1と同様に主流路11の上流側から供給された流体としての反応液を、主流路11から、分岐流路12〜15に送液した。それによって、分岐流路12〜15を反応液で満たした。この状態で、第1,第2の押圧部材21a,22aを用いて第1及び第2の弁21,22を閉状態とした。このとき第1及び第2の弁21,22に挟まれた反応チャンバー23の反応液の充填率は95%であった。第1,第2の弁21,22を閉状態とし、その状態で温度調整装置24を用いて加熱及び冷却を繰り返し、PCR反応を行なった。その結果、比較例1では反応チャンバー23内に多くの気泡が発生した結果、検出器32を用いた検出が困難であった。
1…マイクロ流体デバイス
2…基板
3…基板本体
4…カバー層
5…ベース層
11…主流路
12〜16…分岐流路
12a,13a,14a,15a…第1の分岐流路部
12b,13b,14b,15b…第2の分岐流路部
12c,13c,14c,15c…第3の分岐流路部
12d,13d,14d,15d…流路抵抗部
17…廃液流路
18,19…接続流路
21,22…第1,第2の弁
21a,22a…第1,第2の押圧部材
21b,22b…第1,第2の磁石
21c,22c…第1,第2の磁性金属球
23…反応チャンバー
24…温度調整装置
31,31B,31C…反応システム
32…検出器

Claims (9)

  1. 流体が送液される流路が設けられている基板を含むマイクロチップであって、
    前記流路は、
    主流路と、
    該主流路から分岐している複数の分岐流路とを備え、
    前記複数の分岐流路の少なくとも1つは、分注時の送液を自発的に停止させる流路抵抗部を有し、前記分岐流路は、前記流路抵抗部よりも上流側において、分岐流路毎に個別に分岐流路を開閉する第1及び第2の弁で挟まれた反応チャンバーを有し、
    前記反応チャンバーにおける流体の充填量が、前記反応チャンバーの容積の97%以上である、マイクロ流体デバイス。
  2. 全ての分岐流路に、前記流路抵抗部及び前記第1及び第2の弁が設けられている、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  3. 前記主流路及び前記複数の分岐流路に前記流体を送液するための送液手段をさらに備える、請求項1または2に記載のマイクロ流体デバイス。
  4. 前記送液手段が、前記主流路の上流側から前記分岐流路に向かって前記流体を押圧するプッシュ式送液手段である、請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
  5. 前記送液手段がマイクロポンプである、請求項4に記載のマイクロ流体デバイス。
  6. 前記流体が反応液であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスと、
    前記マイクロ流体デバイスの前記反応チャンバー内の反応液の温度を調整するための温度調整装置とを備える、反応システム。
  7. 前記温度調整装置が、加熱及び冷却を繰り返す冷熱サイクル処理を行う装置である、請求項6に記載の反応システム。
  8. 前記反応チャンバーで行われる反応が、遺伝子の増幅反応である、請求項7に記載の反応システム。
  9. 前記反応チャンバーで行われる遺伝子の前記増幅反応を検出する検出器をさらに備える、請求項8に記載の反応システム。
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