JP6934845B2 - 乾式塀 - Google Patents
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また、塀の高さが高くなると、控え壁などを設ける必要も出てくる。
しかし,老朽化すると、上記基準を満たしたブロック塀であっても鉄筋が錆びて所定の強度が保てなくなったり、ブロック自体に亀裂が入ったりして、地震の発生により倒壊のおそれは十分にある。
樹脂発泡体製のブロックは、軽量であり、積み上げ施工性に優れているとともに、倒壊にして下敷きになっても大きな怪我を招くおそれが少なくなる。
また、樹脂発泡体製のブロックは異型のため、特殊な金型を必要とする、あるいは、成形後に別途加工を施す必要があるなど、製造コストがかかる。
しかも、成形後に加工する場合、コンクリートブロックの厚みにあわせる必要があるため、現場加工しづらいという問題がある。
軽量金属材料としては、特に限定されないが、たとえば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の型材が挙げられ、中空筒状をしていることが好ましい。
すなわち、化粧板の下端部が、コンクリート基礎部にしっかりと固定されることによって、塀にかかる荷重が、支持脚部だけではなく化粧板にも受けられるため、塀全体の強度をよりしっかりとしたものとすることができる。
すなわち、嵌合溝への嵌合によって、発泡樹脂板の位置決めを正確に行えるとともに、上下をしっかりと支持できる。
したがって、嵌合溝の幅もこの汎用のEPS板の厚み(たとえば、30mm)に一致する幅にしておくことが好ましい。
本発明の乾式塀は、枠状芯部の枠内は、発泡樹脂材料などが充填されておらず、中空にしておくことが好ましい。
すなわち、中空部を設けることで、塀にインターフォンや門灯等の照明器具を取り付ける場合、配線しやすい。
すなわち、発泡樹脂板が上下方向の中間部で固定され、上下寸法の長い発泡樹脂板を用いたとしても、浪打ちを防止できる。
固着方法としては、特に限定されないが、たとえば、発泡樹脂部の表面側からビスを上記中間枠部にねじ込んで、ビスに嵌合したワッシャと中間枠部の壁面との間で発泡樹脂部を挟み込んで固定する方法、発泡樹脂部の中間枠部当接面を、接着剤を介して中間枠部に固定する方法などが挙げられる。
前記発泡樹脂板支持部は、特に限定されないが、前記枠状芯部の厚み方向の外側に張り出し、前記発泡樹脂板が嵌り込む嵌合溝を有し、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の型材が、前記枠状芯部の上端面および下端面にビス止めされて形成されている構成とすることが好ましい。
すなわち、長尺の型材を所望の長さに裁断して現場合わせで、壁の寸法を容易に調整することができる。
なお、縦材と横材との固定は、たとえば、L型金具を交差部に沿わしてビス止めする方法や、溶接する方法、凹部と凸部の嵌合、およびこれらの組み合わせが挙げられ、ビス止めが好適である。
すなわち、枠状芯部形成と同時に支持脚部も形成することができ、作業性がよい。
また、前記化粧板と化粧板との継ぎ目部分に見切り材が取り付けられていてもよい。
したがって、地震等で万一倒壊して、通行人等にあたったとしても怪我の度合いを少なくすることができる。
また、従来の軽量ブロック積みのように高い位置まで配筋する必要がなく、施工性もよい。
発泡樹脂部が、発泡樹脂板で形成されているので、現場合わせで、高さや幅詰めがしやすい。
しかも、発泡樹脂板は、いろいろな厚みのものが上市されているので、市販のものを利用しやすい。
また、本発明にかかる乾式塀は、前記支持脚部が地面から立ち上がるコンクリート基礎部に、略完全に埋設されていて、前記発泡樹脂部の表面に接着固定された前記化粧板の下端が、前記コンクリート基礎部の表面を覆うように設けられているので、化粧板が、コンクリート基礎部のカバーとなり、意匠性を向上させるとともに、コンクリート基礎部の風雨等自然環境による劣化を防止することができる。
そして、コンクリート基礎部が存在するため、コンクリート基礎部が土留めの働きを発揮する。
なお、上記略完全とは、施工誤差により、若干露出する部分も存在することを含む。
図1〜図4は、本発明にかかる乾式塀の第1の実施の形態をあらわしている。
塀本体11は、図1,2,4に示すように、正面および背面に3枚ずつの第1化粧板31aと、両側面に1枚ずつの第2化粧板31bと、コーナー見切り材33、中間見切り材32、下部見切り材34で形成された化粧部3aを周面に有していて、上端に笠木7が装着されている。
すなわち、この乾式塀1aは、図4に示すように、枠状芯部10と、支持脚部12と、発泡樹脂部2と、化粧部3aを備えている。
すなわち、3本の縦材15と6本の横材14は、隣接する縦材15の上端部と、中間部と、下端部のそれぞれの位置で、縦材15の側面に横材14の長辺側を水平方向に向けた状態に当接され、L型金具16を縦材15および横材14に沿わせてビス17を用いて固定されている。
横枠部となる横材14と、縦材15の上端部である縦枠部13とによって、枠状芯部10が形成されている。
また、縦材15の上端は、図6、図12、図18に示すように、その開口を塞ぐように、縦材キャップ18が嵌合されている。
縦材キャップ18は、ビス18aがねじ込まれて縦材15に固定されている。
発泡樹脂板支持材5は、固定部52と、この固定部52の両側に設けられた発泡樹脂板支持部51を備えている。
発泡樹脂板支持部51は、それぞれ第1発泡樹脂板21aの厚みと同じか少し幅の狭い発泡樹脂板嵌合溝51aを備えている。
なお、下端の横材14に固定される発泡樹脂板支持部材5は、予め、下端の横材14に固定されていてもよいし、枠状芯部10を形成後に固定されてもよい。
第1発泡樹脂板21aとしては、たとえば、一般に容易に手に入るEPS板が用いられている。
また、第1発泡樹脂板21aは、その中間の横材14に対応する部分が、図12、図13、図15、図16に示すように、ワッシャ23を介して中間の横材14の側面にビス22をねじ込むことによって、ワッシャ23と、横材14の側壁面との間で挟着された状態になっている。
なお、塀長手方向の両側に配置される第1発泡樹脂板21aは、図6、図12に示すように、その端部が縦材15より外側まで延出していて、図6、図17に示すように、延出した部分で2つの第1発泡樹脂板21aの間に長手端面側の第2発泡樹脂板21bが嵌着されている。
第2発泡樹脂板21bとしては、第1発泡樹脂板21a間に隙間に一致する幅の第1発泡樹脂板21aと同様のEPS板を切断してもよいし、薄板のEPS板を切断し貼り合わせしてもよい。
スペーサー24は、第1発泡樹脂板21aを取り付ける前に接着剤あるいは両面テープで予め縦材15の所定位置に固定することが好ましい。
なお、スペーサー24の材質は、特に限定されないが、できるだけ軽量なものが好ましく、たとえば、第1発泡樹脂板21aと同種の発泡樹脂材を用いても構わないし、ポリエチレン発泡板等の異種の発泡樹脂材を用いても構わない。
第1化粧板31aおよび第2化粧板31bとしては、特に限定されないが、たとえば、表面化粧層を備えたアルミニウムあるいはアルミニウム合金板が樹脂の芯層を両側から挟み込んだ複合板(たとえば、株式会社タカショーの商品名エバーアートボード)が使用されている。
そして、第1化粧板31aは、発泡樹脂部2の第1発泡樹脂板21a側の面に長手方向が垂直方向を向いた状態で、第1発泡樹脂板21aに両面テープで間欠的に仮止めするとともに、仮止め部以外の部分で接着剤を介して第1発泡樹脂板21aに固定されている。
第2化粧板31bは、塀の側面側で2枚の第1発泡樹脂板21aの端面とその間に嵌合された第2発泡樹脂板21bの端面を覆うとともに、第1発泡樹脂板21aと同様にして両面テープおよび接着剤を介して固定されている。
そして、コーナー見切り材33の一方の化粧板嵌合溝33aには、第1化粧板31aに側縁が嵌り込み、他方の化粧板嵌合溝33aには、第2化粧板31bの側縁が嵌り込んでいる。
そして、中間見切り材32は、水平方向に隣接する2枚の第1化粧板31aと第1化粧板31aの間に配置され、発泡樹脂部2の表面に接着されていて、中間見切り材32の2本の化粧板嵌合溝32aに、隣り合う2枚の第1化粧板31aの側縁がそれぞれ嵌り込んでいる。
そして、下部見切り材34は、その下端部がビス34bによって、コンクリート基礎部4に固定され、上端に設けられた化粧板嵌合溝34cに、第1化粧板31aおよび第2化粧板31bが嵌り込んでいる。
なお、図中、34aはビス隠しのキャップである。
下部材6aは、図5に示すように、上部材6bとの間にコーナー見切り材33の上端部を間に挟んだ状態で発泡樹脂板支持材5にビス61で固定されている。
そして、笠木7は、その端部に図ではあらわれていないが、笠木端部キャップを取り付けることによって、両端開口が塞がれている。
縦材15と、横材14とからなる枠状芯部10を、第1発泡樹脂板21a、第2発泡樹脂板21bを挟んで第1化粧板31a、第2化粧板31bで囲繞することによって形成されているため、従来のブロック積みの塀に比べ、軽量化できるので、万一倒壊事故が発生しても、被害を少なくすることができる。
しかも、ほぼ樹脂発泡体と、アルミニウムあるいはアルミニクム合金製の型材で形成されているので、鉄などに比べ腐食による劣化も少なく、長期間安定した強度を保つことができる。
しかも、コンクリート基礎部4が土圧に耐えるため、コンクリート基礎部4によって土留め効果が発揮できる。
すなわち、たとえば、塀内側が道路より高い盛り土になっていても、コンクリート基礎部4が盛り土の土留めとなる。
また、枠状芯部10の両側面に第1発泡樹脂板21aに添設されているだけで、枠状芯部10の内側が中空であるので、塀にインターフォンや門灯等の照明器具を取り付ける場合、配線しやすい。
さらに、横材14が側面に凹凸面を備えているので、ビス22を横材14にねじ込む際にビス22の先端がずれにくくビス22のねじ込みを容易かつ正確に行える。
この乾式塀1bは、図19に示すように、化粧部3bが6枚の第1化粧板31が長手方向を水平方向に向けて横張り状態で形成されている以外は、上記乾式塀1aと同様になっている。
したがって、上記乾式塀1aと同様の構成部分は、同じ符号を付している。
すなわち、図20に示すように、この乾式塀1cは、縦材15の直交する2面に横材14を直交するように固定してコーナー部を有する形状にした以外、上記乾式塀1aと同様になっている。
したがって、上記乾式塀1aと同様の構成部分は、同じ符号を付している。
上記の実施の形態では、横材が縦材間で縦材の側面に固定されるようになっていたが、最上部および最下部の横材は、縦材の上端間あるいは下端間に掛け渡した状態で、縦材に固定されても構わない。
10 枠状芯部
11 塀本体
12 支持脚部
13 縦枠部
14 横材
15 縦材
16 L型金具
17 ビス
18 縦材キャップ
18a キャップ固定ビス
2 発泡樹脂部
21a 第1発泡樹脂板
21b 第2発泡樹脂板
22 発泡樹脂板固定ビス
23 ワッシャ
24 スペーサー
3a、3b 化粧部
31a 第1化粧板
31b 第2化粧板
32 中間見切り材
32a 化粧板嵌合溝
33 コーナー見切り材
33a 化粧板嵌合溝
34 下部見切り材
34a ビス隠しキャップ
34b ビス
34c 化粧板嵌合溝
4 コンクリート基礎部
41 コンクリートブロック
5 発泡樹脂板支持材
51 発泡樹脂板支持部
51a 発泡樹脂板嵌合溝
52 固定部
53 ビス
6 笠木受け
6a 下部材
6b 上部材
61 ビス
7 笠木
71 端部キャップ
Claims (7)
- 塀本体と、この塀本体を支持する支持脚部を塀本体の水平方向に間欠的に備え、
前記塀本体が、少なくとも矩形枠状をした軽量金属材料からなる枠状芯部と、枠状芯部の側周を囲繞する発泡樹脂板からなる発泡樹脂部と、
前記発泡樹脂部の表面を覆う化粧板からなる化粧部を備えている乾式塀であって、
前記支持脚部が地面から立ち上がるコンクリート基礎部に、略完全に埋設されていて、前記発泡樹脂部の表面に接着固定された前記化粧板の下端が、前記コンクリート基礎部の表面を覆うように設けられていることを特徴とする乾式塀。 - 前記化粧板が、前記コンクリート基礎部に固定されている請求項1に記載の乾式塀。
- 前記枠状芯部の幅方向両側からそれぞれ外側に延出するように設けられ、前記発泡樹脂部を形成する発泡樹脂板の上下端が嵌り込む嵌合溝を有する発泡樹脂板支持部を備えている請求項1または請求項2に記載の乾式塀。
- 前記発泡樹脂板支持部は、固定部の両側に設けられたアルミニウムあるいはアルミニウム合金製の型材が、前記固定部を、前記枠状芯部の上端面および下端面にそれぞれビス止めして形成されている請求項3に記載の乾式塀。
- 前記枠状芯部が、枠内を上下方向に仕切る中間枠部を有し、前記発泡樹脂部を形成する発泡樹脂板が、少なくともこの中間枠部に固着されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の乾式塀。
- 前記枠状芯部が、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の型材からなる縦材と、横材とを枠状に組み立てて形成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の乾式塀。
- 前記縦材の一部が、支持脚部を兼ねている請求項6に記載の乾式塀。
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