以下、図面と共に本発明に係る通信制御システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る通信制御システム10を示す。通信制御システム10は、移動体通信網Nに含まれる。移動体通信網Nは、端末20,30に移動体通信機能を提供する通信網である。端末20,30は、移動体通信網Nを介して、互いに通信を行うことができる。通信制御システム10は、他の端末への送信のためにテキスト(文字列)及び音声での入力が可能な端末の通信に係る制御を行うシステムである。通信制御システム10は、例えば、サーバ装置によって実現される。
具体的には、通信制御システム10は、通話音声テキスト化サービスを提供するシステムである。通話音声テキスト化サービスは、音声を発したり、音声を聞き取ったりすることが困難な人(例えば、耳が聞こえにくいと共に自身の声で話すのが難しい聴覚障がい者)向けに通話コミュニケーションをスムーズに行えるようにするものである。本実施形態では、通話音声テキスト化サービスを利用するユーザによって用いられる端末をスマートフォン20として説明し、スマートフォン20の通信相手である他の端末を相手端末30として説明する。なお、当該ユーザによって用いられる端末は、必ずしもスマートフォン20である必要はなく、以下の機能を有している端末であればどのような端末でもよい。
スマートフォン20は、通信(通話)における相手端末30への送信のためにテキスト及び音声での入力が可能な端末である。例えば、スマートフォン20は、マイクを備えており、スマートフォン20のユーザの発話に応じて、マイクによって音声を入力する。スマートフォン20は、通信時には、音声を入力して、その都度、移動体通信網Nに送信する。
また、スマートフォン20は、タッチパネル等の入力装置を備えており、入力装置でユーザの操作を検出することでテキストを入力する。なお、テキストの入力は、タッチパネル以外、例えば、物理的に設けられる文字入力キーで行われてもよい。スマートフォン20において、テキストが入力される際にはユーザの操作によってテキストを入力することが可能な状態に遷移されてもよい。例えば、スマートフォン20は、テキストが入力される際には、ユーザの操作に応じて(通常、通話時には表示されていない)文字入力キー及び入力されたテキストを表示するテキストボックスを表示することとしてもよい。スマートフォン20は、通信時に、例えば、テキストを移動体通信網Nに送信するためのボタンである発話ボタンがユーザの操作によって押下されると、入力したテキスト(テキストボックスの中のテキスト)を移動体通信網Nに送信する。なお、スマートフォン20は、上記以外のユーザの操作又はそれ以外のトリガに応じて、入力したテキストを移動体通信網Nに送信することとしてもよい。
また、スマートフォン20は、相手端末30における入力に応じて送信されるテキスト又は音声の出力(表示出力又は音声出力)が可能である。スマートフォン20には、予め通話音声テキスト化サービスを利用するためのアプリケーション(アプリUI(ユーザインタフェース))がインストールされている。当該アプリケーションを用いて通信(通話)を行うことで、スマートフォン20は通信制御システム10の制御を受ける。
引き続いて、本実施形態に係る通信制御システム10の機能を説明する。図1に示すように通信制御システム10は、変換部11と、検出部12と、通知部13とを備えて構成される。
変換部11は、スマートフォン20と相手端末30との間で送受信される音声のテキストへの変換、及びテキストの音声への変換の少なくとも何れかを行う機能部である。即ち、変換部11は、通話音声テキスト化サービスを実現する機能部である。
上述したようにスマートフォン20は、相手端末30との通信時に、相手端末30向けのテキストを移動体通信網Nに送信する。変換部11は、スマートフォン20から相手端末30向けのテキストを受信して、受信したテキストを音声に変換する。テキストから音声への変換は、従来の技術、例えば、音声合成技術によって行うことができる。変換部11は、変換した音声(例えば、機械音声)を相手端末30に送信する。相手端末30は、音声を受信して、自端末30に備えられるスピーカ等によって音声出力する。この出力によって相手端末30のユーザは、スマートフォン20のユーザがテキストで入力した内容を音声で聞くことができる。即ち、変換部11の上記の機能によって、スマートフォン20のユーザに入力発話機能を提供することができる。
相手端末30は、スマートフォン20との通信時に、スマートフォン20向けの音声を、相手端末30のユーザの発話に応じて入力して、当該音声を移動体通信網Nに送信する。変換部11は、相手端末30からスマートフォン20向けの音声を受信して、受信した音声をテキストに変換する。音声からテキストの変換は、従来の技術、例えば、音声認識技術によって行うことができる。変換部11は、変換したテキストをスマートフォン20に送信する。スマートフォン20は、テキストを受信して、自端末20に備えられるディスプレイ等によって表示出力する。この出力によってスマートフォン20のユーザは、相手端末30のユーザが音声で入力した内容の表示を見ることができる。
上記の機能よって、スマートフォン20のユーザはテキストで、相手端末30のユーザは音声で、それぞれ通話を行うことができる。一方、上述したようにスマートフォン20は、相手端末30との通信時に、相手端末30向けの音声を、ユーザのスマートフォン20への発話に応じて受け付けて、当該音声を移動体通信網Nに送信することもできる。スマートフォン20からの相手端末30向けの音声は、従来の通話と同様に移動体通信網Nを介してスマートフォン20から相手端末30に送信される。上記の音声の送受信によって、発話がある程度可能なユーザであれば、例えば、簡単な内容(例えば、同意のための単純な返事)を音声で伝えることができる。
上述したように、発話が難しい内容、又は発話にて伝えることが難しい内容については、テキスト入力にて通話相手に伝えることが想定される。この場合、テキスト入力に時間を要すると、その間、無音(音声なし)が続くことになり、円滑なコミュニケーションが阻害されるおそれがある。例えば、無音が続くと、相手端末30のユーザは、相手側の状況がわからず、通話(通信)を終了させてしてしまうおそれがある。検出部12及び通知部13の機能は、一定の条件下でスマートフォン20のユーザがテキスト入力を行っている旨を相手端末30に通知するためのものである。この通知によって、相手端末30のユーザが無音のために通話を終了させること等を防ぐことができ、ユーザ同士の円滑なコミュニケーションを実現することができる。
検出部12は、スマートフォン20と相手端末30との通信時に、当該スマートフォン20におけるテキスト及び音声でのそれぞれの入力状態を検出する機能部である。例えば、検出部12は、以下のようにテキストでの入力状態、及び音声での入力状態を検出する。
検出部12は、通信時にスマートフォン20から移動体通信網Nに送信される音声を入力(受信)して、音声での入力状態を検出する。例えば、検出部12は、スマートフォン20から移動体通信網Nに送信される音声の音量と、予め設定した閾値とを比較する。当該音量が閾値以上であれば、検出部12は、スマートフォン20において音声での入力がある(即ち、発話中である)と判断する。当該音量が閾値未満であれば、検出部12は、スマートフォン20において音声での入力がない(即ち、発話中でない)と判断する。検出部12は、スマートフォン20の通信中、音声での入力状態の検出をリアルタイムあるいは定期的に行う。検出部12は、当該判断結果を音声での入力状態として通知部13に通知する。
スマートフォン20は、自端末20におけるテキストでの入力状態を示す情報を通信制御システム10に送信する。テキストでの入力状態を示す情報は、例えば、文字入力キーがスマートフォン20において表示されているか否か、即ち、テキストでの入力が行われ得るか否かを示す情報である。あるいは、テキストでの入力状態は、上記に加えて又は上記に代えて、テキストボックスに文字が入力されている(発話ボタン押下前)か否か、即ち、テキストでの入力が実際に行われているか否かを示す情報であってもよい。スマートフォン20は、相手端末30との通信時に、自端末20におけるテキストでの入力状態を示す情報を定期的(例えば、数秒毎)に、通信制御システム10に送信する。スマートフォン20による当該情報の送信は、例えば、スマートフォン20にインストールされた上記のアプリケーションによって、WebSocketによって行われてもよい。検出部12は、スマートフォン20から送信されたテキストでの入力状態を示す情報を受信して、当該入力状態を検出する。検出部12は、受信した情報によって示される(検出した)スマートフォン20におけるテキストでの入力状態を通知部13に通知する。
なお、音声での入力状態についても、上記のテキストでの入力状態と同様に、スマートフォン20から入力状態を示す情報を定期的に、通信制御システム10に送信し、検出部12は、当該情報を受信して当該入力状態を検出することとしてもよい。例えば、スマートフォン20は、アプリケーションで音声での入力の有無(発話中であるか否か)を判断して、音声での入力の有無を示す情報を、入力状態を示す情報として送信する。
通知部13は、検出部12によって検出された入力状態に応じて、相手端末30に対して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨の通知を行う機能部である。通知部13は、検出部12によって検出された入力状態が、音声での入力が所定時間の間なく、かつテキストでの入力が行われている又は行われ得る状態である場合に通知を行う。
通知部13は、検出部12から、テキストでの入力状態及び音声での入力状態の通知を受ける。通知部13は、音声での入力状態が、予め設定されて記憶された閾値以上の期間、スマートフォン20において音声での入力がないことを示すものであるか否かを判断する。閾値は、例えば、ユーザ間のコミュニケーションにおいて無音が続くことが不自然とならない程度の時間であり、数秒とされる。閾値以上の時間、スマートフォン20において音声での入力がないと判断した場合、通知部13は、その時点でのテキストでの入力状態が、テキストでの入力が行われている又は行われ得る状態であれば、相手端末30に対する通知を行うと判断する。
通知部13は、移動体通信網Nにスマートフォン20から相手端末30向けのテキストが送信されている場合(例えば、変換部11によって当該テキストが受信されている場合)には、音声での入力がない期間を、当該テキストの送信時点からの期間としてもよい。また、通知部13は、音声での入力がない期間を、スマートフォン20における音声での入力状態だけでなく、相手端末30における音声での入力状態を考慮したものとしてもよい。その場合、相手端末30における音声での入力状態も検出部12によって、スマートフォン20における音声での入力状態の検出と同様に検出しておく。例えば、通知部13は、スマートフォン20及び相手端末30の両方における音声での入力状態が、閾値以上の期間、入力がないことを示すものであるか否かを判断してもよい。閾値以上の時間、両方における音声での入力がないと判断した場合以降は、上記と同様とする。
通知部13は、例えば、相手端末30に対して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨の音声を送信することで通知を行う。具体的には、通知部13は、相手端末30に「入力中です。少し待ってください」といった音声ガイダンスの音声を送信(再生)する。相手端末30は、当該音声を受信して、相手端末30が備えるスピーカ等によって音声出力する。
通知部13は、上記に加えて又は上記に代えて、相手端末30に対して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨のテキストを送信することで通知を行う。相手端末30は、当該テキストを受信して、相手端末30が備えるディスプレイ等によって表示出力する。相手端末30のユーザは、その通知を聞く、あるいは見ることで、スマートフォン20のユーザがテキストによる入力を行っていることを認識することができ、テキストによる入力を待つことができる。
相手端末30にテキストを送信して通知を行う場合には、変換部11がスマートフォン20から相手端末30向けのテキストを受信した(即ち、スマートフォン20において発話ボタンが押下された)ことをトリガとして、通知部13は、相手端末30にテキスト入力完了通知を送付してもよい。相手端末30は、テキスト入力完了通知を受信して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨のテキストの表示出力を停止する。なお、表示出力の停止は、必ずしも上記のように行われる必要はなく、例えば、一定時間で表示出力が停止される等でもよい。以上が、本実施形態に係る通信制御システム10の機能である。
引き続いて、図2のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る通信制御システム10で実行される処理(通信制御システム10が行う動作方法)を説明する。スマートフォン20と相手端末30との通信(通話)が開始されると、通信制御システム10では、検出部12によって、スマートフォン20における音声での入力状態が検出される(S01)。なお、音声での入力状態の検出は、図2に示すタイミングだけでなく、スマートフォン20と相手端末30との通信が行われている間、リアルタイムあるいは定期的に行われる。
また、検出部12によって、スマートフォン20におけるテキストでの入力状態が検出される。例えば、図2のシーケンス図に示すようにスマートフォン20においてテキストでの入力が実際に行われている(S02)際は、スマートフォン20から、テキストでの入力が行われている旨の情報が通信制御システム10に送信される(S03)。通信制御システム10では、検出部12によって、当該情報が受信されてスマートフォン20におけるテキストでの入力状態が検出される(S03)。なお、スマートフォン20からのテキストでの入力状態を示す情報の送信は、図2に示すタイミングだけでなく、スマートフォン20と相手端末30との通信が行われている間、定期的に行われる。
また、スマートフォン20と相手端末30との通信(通話)の際には、変換部11によって、音声のテキストへの変換、及びテキストの音声への変換が行われる(図示せず)。
検出部12によって入力状態が検出されると、通知部13によって、当該入力状態に基づいて、相手端末30に対して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨の通知を行うか否かが判断される。入力状態が、音声での入力が所定時間の間なく、かつテキストでの入力が行われている又は行われ得る状態である場合、当該通知を行うと判断される(S04)。当該通知を行うと判断されたら、通知部13から相手端末30に対して、当該通知が行われる(S05)。相手端末30では、当該通知が受け付けられて、当該通知に応じた音声出力及び表示出力が行われる(S06)。
スマートフォン20において発話ボタンが押下される(S07)と、スマートフォン20から通信制御システム10に入力されたテキストが送信される(S08)。通信制御システム10では、変換部11によって、当該テキストが受信されて、音声へ変換されて相手端末30に送信される。相手端末30では、当該音声が受信されて、音声出力される(図示せず)。一方で、変換部11によるテキストの受信をトリガとして、通知部13から相手端末30にテキスト入力完了通知が送信される(S09)。相手端末30では、テキスト入力完了通知が受信されて、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨のテキストの表示出力が停止される(S10)。なお、相手端末30において、通知の表示出力が行われない場合(音声出力のみの場合)には、テキスト入力完了通知の送信は必要ない。以上が、本実施形態に係る通信制御システム10で実行される処理である。
本実施形態では、相手端末30と通信を行っているスマートフォン20におけるテキスト及び音声でのそれぞれの入力状態に応じて、相手端末30に対して、スマートフォン20においてテキストによる入力中である旨の通知が行われる。従って、例えば、音声による入力が無くても、テキストによる入力が行われていれば、その旨が相手端末30に通知される。よって本実施形態によれば、音声入力とテキスト入力とが併用される通信において円滑なコミュニケーションを可能にすることができる。例えば、スマートフォン20のユーザが聴覚障がい者であることを、相手端末30のユーザが知らない場合(例えば、スマートフォン20のユーザに配送業者が再配達の連絡を行う場合)であっても、円滑なコミュニケーションを可能にすることができる。
また、本実施形態のように、入力状態が、音声での入力が所定時間の間なく、かつテキストでの入力が行われている又は行われ得る状態である場合に通知を行うこととしてもよい。この場合に通知を行うこととすれば、適切な通知を行うことができる。但し、必ずしも上記の場合に通知を行う必要はなく、テキスト及び音声でのそれぞれの入力状態に応じた通知が行われればよい。
また、本実施形態のように、スマートフォン20と相手端末30との間で送受信される音声のテキストへの変換、及びテキストの音声への変換の少なくとも何れかを行うこととしてもよい。この構成によれば、スマートフォン20のユーザはテキストで、もう一方のユーザは音声での通信(通話)を適切に行うことができる。但し、上記の変換は、必ずしも行われなくてもよい。また、上記の変換は、本実施形態に係る通信制御システム10以外の移動体通信網Nにおける装置で行われてもよい。
なお、本実施形態では、通信制御システム10は、移動体通信網Nに含まれることとしたが、移動体通信網N以外の通信網に含まれていてもよい。例えば、通信制御システム10の制御対象となる通信は、無線通信である必要はなく、有線通信であってもよい。
また、本実施形態に係る通信制御システム10の一部の機能が、スマートフォン20(通信を行う端末)に含まれていてもよい。その場合、通信制御システム10とスマートフォン20とが、本発明に係る通信制御システムを構成する。また、本実施形態に係る通信制御システム10の全ての機能が、スマートフォン20に含まれていてもよい。その場合、スマートフォン20が、本発明に係る通信制御システムを構成する。
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態における通信制御システム10は、本実施形態の通信制御システム10の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図3は、本実施形態に係る通信制御システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の通信制御システム10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。また、スマートフォン20及び相手端末30も、同様のハードウェア構成を取ってもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。通信制御システム10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
通信制御システム10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、通信制御システム10の各機能は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば通信制御システム10の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の通信制御システム10の各機能は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、通信制御システム10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC ConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において特定の装置によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。例えば、特定の装置が基地局であった場合においては、当該基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
移動通信端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。