以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
呼制御システムは、発信端末と着信端末との間の呼を制御するコンピュータシステムである。呼とは発信端末と着信端末との間で一時的に占有される通信経路のことをいう。発信端末とは最初に呼接続を要求する通信端末のことをいい、着信端末とはその呼接続要求に応答する通信端末のことをいう。これら二つの通信端末間で呼が確立されることで、発信者(発信端末のユーザ)および着信者(着信端末のユーザ)は会話することができる。通話とは、発信端末と着信端末との間で送受信される音声を意味し、また、発信端末と着信端末との間での音声の送受信も意味する。
本実施形態では、呼制御システムは、接続された呼に関連する任意のサービス機能を付加サービスとして提供することができる。付加サービスの例として、発信端末と着信端末との間の通話をテキストに変換して、変換されたテキストを発信端末および着信端末の少なくとも一方に表示させる音声テキスト化サービス(これは音声認識サービスともいう。)が挙げられる。しかし、付加サービスはこれに限定されるものではなく、呼制御システムは任意の付加サービスを提供してよい。
図1は実施形態に係る呼制御システム1の全体構成を示す図である。呼制御システム1は、発信端末31が在圏する発側ネットワーク21と、着信端末32が在圏する着側ネットワーク22と、発側ネットワーク21および着側ネットワーク22を接続するコアネットワーク10とを備える。呼制御システム1では、複数の装置および端末の間で制御信号が伝送されることで呼(通信経路)が確立され、音声を示すデータ信号がその呼を介して伝送されることで、通話が可能になる。
発信端末31および着信端末32はいずれも、通話機能を有する通信端末である。発信端末31および着信端末32のそれぞれは固定端末でもよいし携帯端末でもよい。発信端末31および着信端末32の例として、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、またはパーソナルコンピュータが挙げられるが、端末の種類はこれらに限定されない。発信端末31と着信端末32とで端末の種類が同じでもよいし異なってもよい。
発側ネットワーク21および着側ネットワーク22はいずれも、端末が直接に接続するアクセスネットワークである。アクセスネットワークの構成は限定されない。例えば、アクセスネットワークは任意の無線ネットワークまたは有線ネットワークであってもよい。発側ネットワーク21と着側ネットワーク22との間でアクセスネットワークの種類(プロトコル)が同じでもよいし異なってもよい。
コアネットワーク10は、呼制御システム1の中核を成すネットワークであり、様々な通信制御装置を備える。本実施形態では、コアネットワーク10はIMSネットワークであるとする。IMSネットワークは、通信プロトコルとしてSIPを用い、データ通信だけでなく音声または動画のリアルタイム通信を実現するマルチメディアサービスを提供できるネットワークである。IMSネットワークでは、呼セッション制御機能(CSCF:Call Session Control Function)、アプリケーションサーバ(AS:Application Server)、ゲートウェイ、加入者管理機能(HSS:Home Subscriber Server)などの複数の通信制御装置により呼が処理される。CSCFは、呼またはセッションを設定したり、予め定められたサービスを起動したりする呼制御装置である。アプリケーションサーバは、予め定められた付加サービス(例えば、音声テキスト化サービス)を実行したり、その付加サービスの実行の可否を判定したりする装置である。ゲートウェイは、アクセスネットワークとコアネットワークとを接続する装置である。HSSはユーザのプロファイル(加入者情報)を記憶する装置(データベース)である。
図1は、付加サービスを伴う呼の制御に特に関連する通信制御装置を示し、具体的には、発側CSCF11、着側CSCF12、発側AS13、着側AS14、発側MCE15、および発側SMS-GW16を示す。
発側CSCF11および着側CSCF12はいずれも、発信端末31と着信端末32とを通信接続するための呼制御を実行する。発側CSCF11と着側CSCF12との間で制御信号およびデータ信号(例えば音声データ)が送受信されることで、発側と着側とが相互に接続される。発側AS13は発側のアプリケーションサーバであり、着側AS14は着側のアプリケーションサーバである。発側MCE(Media Composition Enabler)15は通話の付加機能を提供するメディア処理装置である。発側SMS-GW(SMSゲートウェイ)16はコアネットワークと他のネットワークとを接続するゲートウェイの一種であり、ショートメッセージサービス(SMS)を提供する装置である。発側MCE15および発側SMS-GW16はいずれも、発側AS13と連携して付加サービスを実行するサービス制御装置の一例である。発側MCE15および発側SMS-GW16はいずれも発側に位置する。
図1はさらに発側サービス基盤40を示す。発側サービス基盤40は、付加サービスに関連する処理を実行するコンピュータシステムである。発側サービス基盤40はコアネットワーク10とは別の通信ネットワーク内に設けられ、発信端末31および発側AS13のそれぞれとデータ通信を実行することができる。発側サービス基盤40も、発側AS13と連携して付加サービスを実行するサービス制御装置の一例である。発信端末31は発側サービス基盤40と接続することで付加サービスを発信者に提供することができる。本実施形態では、発側サービス基盤40は、発信端末31および発側AS13のそれぞれと接続する発側Webサーバ41と、付加サービスの主たる処理を実行するサービスエンジン42とを備える。付加サービスが音声テキスト化サービスであれば、サービスエンジン42は、音声認識を用いて音声をテキストに変換する音声認識エンジンである。発側サービス基盤40の構成は何ら限定されず、例えば、一つのコンピュータがWebサーバおよびサービスエンジンの双方の機能を有してもよい。
図1に示す各装置は、少なくとも一つのコンピュータを用いて構成される。複数のコンピュータが用いられる場合には、これらのコンピュータが通信ネットワークを介して相互に接続することで、論理的に一つの装置が構築される。
図2は、本実施形態で特に説明する発側AS13の機能構成の一例を示す図である。発側AS13は機能要素としてサービス制御部131、セッション制御部132、およびサービスシナリオ部133を備える。
サービス制御部131は発側CSCF11との間でデータを送受信することができる機能要素である。このサービス制御部131は、付加サービスを実行するサービス制御装置が利用可能であるか否かを判定する。サービス制御装置が利用できないと判定した場合には、サービス制御部131は発側CSCF11と発側AS13とを接続させることで、付加サービスを実行することなく発信端末31と着信端末32との間で呼を確立する。したがって、サービス制御部131は判定部および呼制御部として機能する。
セッション制御部132は発側MCE15との間でデータを送受信することができる機能要素である。
サービスシナリオ部133は発側SMS-GW16および発側Webサーバ41のそれぞれとの間でデータを送受信することができる機能要素である。このサービスシナリオ部133は、発信者などのユーザに関する情報を記憶するデータベースであるユーザプロファイル134にアクセスすることができる。ユーザプロファイル134は呼または付加サービスに関するユーザ情報を記憶する。このユーザ情報を参照することで、発信者が利用可能な付加サービスを特定することができる。このユーザプロファイル134も、発側AS13と連携して付加サービスを実行するサービス制御装置の一例である。ユーザプロファイル134は発側AS13内の記憶装置に構築されてもよいし、発側AS13とは異なるコンピュータに構築されてもよい。
図3~図6を参照しながら、本実施形態に係る呼制御システム1の動作の例を説明する。図3~図6はいずれも呼制御システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図3は付加サービスの提供に成功する例を示し、図4~図6は付加サービスの提供に失敗する例を示す。理解を容易にするために、図3~図6では、通話および付加サービスの制御に特に関係する構成要素、処理、およびデータ信号に限って示す。
まず、図3を参照しながら、呼の確立と付加サービスの提供とに成功する例を処理フローS1として説明する。
ステップS101では、発信端末31が発信者の発信操作に応じてINVITEメッセージを送信し、発側CSCF11がそのINVITEメッセージを発側AS13に転送する。INVITEメッセージは、発信端末31と着信端末32との間に呼(セッション)を確立するために伝送される制御信号(呼確立要求信号)である。このINVITEメッセージは発側ネットワーク21を経由してコアネットワーク10に入る。コアネットワーク10では、発側CSCF11がそのINVITEメッセージを発側AS13に転送する。
ステップS102では、サービス制御部131がそのINVITEメッセージに応答して発信端末31(発信者)のために付加サービスを起動する。
ステップS103では、サービスシナリオ部133がサービス制御部131からの指示に応答してユーザプロファイル134にアクセスして発信者のユーザ情報を取得する。サービスシナリオ部133はそのユーザ情報に基づいて付加サービスの契約状態を判定し、発信者に付加サービスを提供できるか否かを判定する。本実施形態では、発信者が付加サービスを享受する資格を有することを前提とする。
ステップS104では、サービスシナリオ部133が発側SMS-GW16にプッシュ通知を送信し、ステップS105では、発側SMS-GW16がそのプッシュ通知に応答して発信端末31にプッシュ要求を送信する。プッシュ要求は、発信端末31が発側Webサーバ41から付加サービスを受けるために必要な情報(例えばデバイストークンなど)を含み、プッシュ通知は、そのプッシュ要求を構成する情報の少なくとも一部を含む。
ステップS106では、セッション制御部132が発側MCE15との接続のためにINVITEメッセージを発側MCE15に送信する。発側MCE15はそのINVITEメッセージに応答して付加サービスのための処理を実行した後に、ステップS107において200_OKメッセージを送信する。200_OKメッセージは、INVITEメッセージに対応する処理が正常に実行されたことを示す応答信号である。すなわち、200_OKメッセージはINVITEメッセージに対応する成功応答信号である。
ステップS108では、サービス制御部131が発側CSCF11にINVITEメッセージを返し、ステップS109では、発側CSCF11がそのINVITEメッセージを着信端末32に向けて送信する。INVITEメッセージは発側CSCF11から着側CSCF12に転送され、最終的に、着側CSCF12から着側ネットワーク22を経由して着信端末32に送信される。着信端末32がそのINVITEメッセージを受信することで、着信端末32に対する呼出処理が完了する。
ステップS110では、着信者が電話に出たことに応答して、着信端末32が200_OKメッセージを送信し、この200_OKメッセージが着側ネットワーク22、コアネットワーク10、および発側ネットワーク21を介して発信端末31に到達する。コアネットワーク10では、発側CSCF11は着側CSCF12から受信した200_OKメッセージを発側AS13に転送する。発側AS13では、サービス制御部131、セッション制御部132、およびサービスシナリオ部133のそれぞれがそのメッセージを処理し、最後にサービス制御部131が200_OKメッセージを発側CSCF11に返す。発側CSCF11はその200_OKメッセージを発信端末31に転送する。
ステップS111では、発信端末31が200_OKメッセージを受信することで、発信端末31と着信端末32との間に、データ信号を伝送するためのU-Plane(ユーザ・プレイン)のバスが確立される。すなわち、発信端末31と着信端末32との間に呼が確立される。この結果、発信端末31と着信端末32との間で通話が可能になる。
ステップS112では、発信端末31が付加サービスのためのアプリケーションプログラムを起動するために接続要求を発側Webサーバ41に送信する。接続要求は発信端末31と発側Webサーバ41との間に通信接続を確立するためのデータ信号であり、プッシュ要求により提供された情報の少なくとも一部(例えばデバイストークン)を含む。
ステップS113では、発側Webサーバ41と発側AS13のサービスシナリオ部133との間で、発信者を認証するための処理が実行される。発側Webサーバ41は、接続要求により提供された情報の少なくとも一部(例えばデバイストークン)を含む認証要求を発側AS13に送信する。サービスシナリオ部133はその認証要求に応答して認証処理を実行する。例えば、サービスシナリオ部133はデバイストークンが有効か否かを検査する。サービスシナリオ部133はその処理結果を発側Webサーバ41に送信する。本実施形態では、発信者が認証されることを前提とする。
ステップS114では、発信端末31が付加サービスのためのアプリケーションプログラムを起動させて起動信号を発側Webサーバ41に送信する。起動信号はそのアプリケーションプログラムを実行するためのデータ信号である。
ステップS115では、発側Webサーバ41と発側AS13のサービスシナリオ部133との間で、そのアプリケーションプログラムを起動するための処理が実行される。この起動が完了すると、ステップS116において、発信端末31は発側Webサーバ41から付加サービスの提供を受けることができる。付加サービスが提供される際には、発側Webサーバ41は必要に応じてサービスエンジンに処理を指示し、その処理結果を発信端末31に送信する。例えば、付加サービスが音声テキスト化サービス(音声認識サービス)であれば、サービスエンジン42が発信者または着信者の発話をテキストに変換し、発側Webサーバ41がそのテキストを発信端末31に送信し、発信端末31がそのテキストをモニタ上に表示する。
次に、図4を参照しながら、ユーザプロファイル134へのアクセスに失敗した場合の処理の例を処理フローS2として説明する。
ステップS201,S202の処理は、処理フローS1でのステップS101,S102の処理と同じである。
ステップS203では、サービスシナリオ部133がユーザプロファイル134の異常を検知する。ステップS103と同様にサービスシナリオ部133はサービス制御部131からの指示に応答してユーザ情報を取得しようとするが、ユーザプロファイル134に異常が発生しているのでユーザプロファイル134にアクセスできない。したがって、サービスシナリオ部133はユーザプロファイル134の異常を検知し、この結果をサービス制御部131に出力する。
ステップS204では、サービス制御部131が、サービスシナリオ部133から入力された結果に基づいて、ユーザプロファイル(サービス制御装置)134が利用可能であるか否かを判定する。この判定は、発信端末31に対応する発側CSCF11から発側AS13にINVITEメッセージ(呼確立要求信号)が伝送されたこと(ステップS201)に応答して実行される処理である。ここでは、サービス制御部131はユーザプロファイル134が利用できないと判定する。
ステップS205では、ステップS108と同様にサービス制御部131が発側CSCF11にINVITEメッセージを返す。すなわち、サービス制御部131は、ユーザプロファイル(サービス制御装置)134が利用できないと判定した場合に発側CSCF11にINVITEメッセージを返す。
ステップS206~ステップS208の処理は、処理フローS1でのステップS109~S111と同じである。ステップS206では、発側CSCF11がそのINVITEメッセージを着信端末32に向けて送信し、着信端末32がそのINVITEメッセージを受信することで、着信端末32に対する呼出処理が完了する。ステップS207では、発側CSCF11は着信端末32から着側CSCF12を経由して送られてきた200_OKメッセージを発側AS13に転送する。発側AS13では、サービス制御部131、セッション制御部132、およびサービスシナリオ部133のそれぞれがそのメッセージを処理し、最後にサービス制御部131が200_OKメッセージを発側CSCF11に返す。発側CSCF11はその200_OKメッセージを発信端末31に転送する。ステップS208では、発信端末31が200_OKメッセージを受信することで、発信端末31と着信端末32との間に呼が確立される。
次に、図5を参照しながら、発側MCE15に異常が発生した場合の処理の例を処理フローS4として説明する。
ステップS401~S406の処理は、処理フローS1でのステップS101~S106の処理と同じである。
ステップS407では、発側MCE15が内部異常を検知して異常通知を発側AS13に送信する。この異常通知は、発側MCE15の内部異常を示すデータ信号である。発側AS13ではセッション制御部132がその異常通知を受信し、発側MCE15の異常を示すデータをサービス制御部131に出力する。
ステップS408では、サービス制御部131が、セッション制御部132から入力されたデータに基づいて、発側MCE(サービス制御装置)15が利用可能であるか否かを判定する。この判定は、発信端末31に対応する発側CSCF11から発側AS13にINVITEメッセージ(呼確立要求信号)が伝送されたこと(ステップS401)に応答して実行される処理である。ここでは、サービス制御部131は発側MCE15が利用できないと判定する。
ステップS409では、ステップS108と同様にサービス制御部131が発側CSCF11にINVITEメッセージを返す。すなわち、サービス制御部131は、発側MCE(サービス制御装置)15が利用できないと判定した場合に発側CSCF11にINVITEメッセージを返す。
ステップS410~ステップS412の処理は、処理フローS1でのステップS109~S111と同じである。ステップS410では、発側CSCF11がそのINVITEメッセージを着信端末32に向けて送信し、着信端末32がそのINVITEメッセージを受信することで、着信端末32に対する呼出処理が完了する。ステップS411では、発側CSCF11は着信端末32から着側CSCF12を経由して送られてきた200_OKメッセージを発側AS13に転送する。発側AS13では、サービス制御部131、セッション制御部132、およびサービスシナリオ部133のそれぞれがそのメッセージを処理し、最後にサービス制御部131が200_OKメッセージを発側CSCF11に返す。発側CSCF11はその200_OKメッセージを発信端末31に転送する。ステップS412では、発信端末31が200_OKメッセージを受信することで、発信端末31と着信端末32との間に呼が確立される。
処理フローS2,S4で示すように、発側AS13のサービス制御部131は、サービス制御装置が利用できないと判定した場合であっても、発側CSCF11にINVITEメッセージを返すことで、発側CSCF11と発側AS13とを接続させ、発信端末31と着信端末32との間で呼を確立させる。しかし、サービス制御装置(ユーザプロファイル134または発側MCE15)に異常が発生しているので、付加サービスを提供するための後続の処理は実行されない。処理フローS2,S4では、サービス制御部131は、付加サービスを実行することなく発信端末31と着信端末32との間で呼を確立させるために、発側CSCF11と発側AS13とを接続する。
次に、図6を参照しながら、サービスエンジン42に異常が発生した場合の処理の例を処理フローS5として説明する。処理フローS5は、処理フローS1のステップS116で付加サービスが提供されようとする際にサービスエンジン42に異常が発生した場合に対応する。
ステップS501では、付加サービスを提供するために発側MCE15がサービスエンジン42にセッション開始を要求する。
ステップS502では、サービスエンジン42が内部異常を検知して異常通知を発側MCE15に送信する。この異常通知は、サービスエンジン42の内部異常を示すデータ信号である。
ステップS503では、発側MCE15が発側AS13にその異常通知を転送する。発側AS13ではサービスシナリオ部133がその異常通知を受信し、サービスエンジン42の異常を示すデータをサービス制御部131に出力する。
ステップS504では、サービス制御部131が、サービスシナリオ部133から入力されたデータに基づいて、発側サービス基盤40(具体的には、サービスエンジン42)が利用可能であるか否かを判定する。この時点では既に発信端末31と着信端末32との間で呼が確立されているので、サービス制御部131は呼が確立された後にこの判定を行うことになる。ここでは、サービス制御部131は発側サービス基盤40(具体的には、サービスエンジン42)が利用できないと判定する。
ステップS505では、サービス制御部131が、既に確立されている呼を維持する。サービス制御部131は、サービスエンジン(サービス制御装置)42が利用できないと判定した場合に、発信端末31と着信端末32との間の呼を維持させるために発側CSCF11と発側AS13とを接続させ続ける。
処理フローS5で示すように、発側AS13のサービス制御部131は、サービス制御装置が利用できないと判定した場合であっても、発信端末31と着信端末32との間に既に確立されている呼を維持する。しかし、サービス制御装置(サービスエンジン42)に異常が発生しているので、付加サービスを提供するための後続の処理は実行されない。処理フローS5では、サービス制御部131は、付加サービスを実行することなく発信端末31と着信端末32との間で呼を維持させるために、発側CSCF11と発側AS13とを接続し続ける。
本実施形態ではコアネットワーク10がIMSネットワークであるが、本開示に係る呼制御システムは任意の種類のコアネットワークに適用されてもよい。これに関連して、本開示に係る呼制御システムはSIP以外の通信プロトコルを用いてもよい。
本実施形態では発側AS13を例として説明したが、発側AS13の機能要素は別の通信制御装置に実装されてもよい。また、その機能要素は着側の通信制御装置(例えば着側AS14)に実装されてもよい。すなわち、本開示に係る呼制御システムは、発側および着側の少なくとも一方でサービス制御装置が利用できない場合でも、付加サービスを実行することなく発信端末と着信端末との間で呼を確立することができる。
呼制御システム1は、処理フローS2,S4,S5のうち少なくとも一つを実行してもよい。したがって、処理フローS2,S4,S5はいずれも必須の処理ではない。
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における通信制御装置は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、その通信制御装置(例えば発側AS13)として機能するコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含んでもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。通信制御装置(例えば発側AS13)のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
通信制御装置(例えば発側AS13)における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、通信制御装置(例えば発側AS13)の各機能要素は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、コンピュータ100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
以上説明したように、本開示の一側面に係る呼制御システムは、付加サービスを伴う呼を発信端末と着信端末との間で確立することが可能である。呼制御システムは、発信端末に対応する呼制御装置に接続可能なアプリケーションサーバと連携して付加サービスを実行するサービス制御装置が利用可能であるか否かを判定する判定部と、サービス制御装置が利用できないと判定された場合に、付加サービスを実行することなく発信端末と着信端末との間で呼を確立させるために、呼制御装置とアプリケーションサーバとを接続させる呼制御部とを備える。
このような側面においては、サービス制御装置が利用できない場合でも、呼制御装置とアプリケーションサーバとが接続されて、付加サービスを実行することなく発信端末と着信端末との間で呼が確立される。したがって、付加サービスが実行できない場合でも呼を確立することができ、これにより、少なくとも音声通話サービスを提供することができる。
付加サービスが実行できない場合でも、付加サービスを実行可能な場合と同様に、呼制御装置とアプリケーションサーバとが接続される。そのため、呼制御装置から見た場合には、付加サービスが実行可能な場合と実行不可能な場合とで処理が変わらない。呼制御装置はサービス制御装置が利用可能であるか否かを判断することができないので、アプリケーションサーバがその判断を実行する必要がある。また、端末から見た場合には、呼制御装置はコアネットワーク内で前側に位置するのに対して、アプリケーションサーバは奥側に位置する。また、一種類のアプリケーションサーバは複数の呼制御装置と接続し得る。したがって、呼制御装置ではなくアプリケーションサーバが、付加サービスを実行可能な場合と実行不可能な場合とで異なる処理を実行することで、呼制御に関する処理が集約される。呼制御装置のアーキテクチャを変更する必要が無いので、呼制御システムの設計およびメンテナンスをより簡単にすることができる。
他の側面に係る呼制御システムでは、判定部が、呼制御装置からアプリケーションサーバに呼確立要求信号が伝送されたことに応答して、サービス制御装置が利用可能であるか否かを判定してもよい。この場合には、サービス制御装置が利用できない場合でも、呼確立要求信号の伝送に応答して、発信端末と着信端末との間で呼を確立することができる。
他の側面に係る呼制御システムでは、呼制御部が、サービス制御装置が利用できないと判定された場合に、呼確立要求信号をアプリケーションサーバから呼制御装置に返すことで呼制御装置とアプリケーションサーバとを接続させてもよい。サービス制御装置が利用できない場合でも、サービス制御装置が利用できる場合と同様に呼確立要求信号がアプリケーションサーバから呼制御装置に返されるので、呼制御装置のアーキテクチャを変更する必要が無い。したがって、呼制御システムの設計およびメンテナンスをより簡単にすることができる。
他の側面に係る呼制御システムでは、呼制御部が、呼確立要求信号を呼制御装置に返した後に、呼制御装置からアプリケーションサーバに送信された、呼確立要求信号に対応する成功応答信号を取得するステップと、成功応答信号を処理するステップと、成功応答信号をアプリケーションサーバから呼制御装置に返すステップとを実行することで、呼制御装置とアプリケーションサーバとを接続させてもよい。サービス制御装置が利用できない場合でも、サービス制御装置が利用できる場合と同様に成功応答信号がアプリケーションサーバと呼制御装置との間で伝送されるので、呼制御装置のアーキテクチャを変更する必要が無い。したがって、呼制御システムの設計およびメンテナンスをより簡単にすることができる。
他の側面に係る呼制御システムでは、呼制御部が、呼が確立された後に、サービス制御装置が利用可能であるか否かを判定し、サービス制御装置が利用できないと判定された場合に、付加サービスを実行することなく発信端末と着信端末との間で呼を維持させるために呼制御装置とアプリケーションサーバとを接続させ続けてもよい。サービス制御装置が利用できない場合でも、確立された呼が維持されるので、付加サービスが実行できない場合でも呼を確立し続けることができる。
他の側面に係る呼制御システムでは、付加サービスが、発信端末と着信端末との間の通話をテキストに変換して、該テキストを発信端末および着信端末の少なくとも一方に表示させる音声テキスト化サービスであり、サービス制御装置が、ユーザプロファイルと、メディア処理装置と、音声認識を用いて音声をテキストに変換する音声認識エンジンとのうちのすくなくとも一つを含んでもよい。サービス制御装置が利用できない場合でも、呼制御装置とアプリケーションサーバとが接続されて、音声テキスト化サービスを実行することなく発信端末と着信端末との間で呼が確立される。したがって、音声テキスト化サービスが実行できない場合でも呼を確立することができ、これにより、少なくとも音声通話サービスを提供することができる。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、ユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。