JP6934284B2 - ハードコートフィルム、透明導電性フィルムおよびタッチパネル - Google Patents

ハードコートフィルム、透明導電性フィルムおよびタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、ハードコートフィルム、透明導電性フィルムおよびタッチパネルに関し、詳しくは、ハードコートフィルム、それを備える透明導電性フィルム、および、それを備えるタッチパネルに関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパーなどの画像表示装置において、偏光子の視認側に光学積層体を配置することが知られている。
しかし、画像表示装置の表示画面を斜めから視認したときに、画像表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」という。)を生じ、液晶表示装置の表示品質が損なわれるという不具合がある。
そこで、例えば、面内に複屈折率を有する光透過性基材の一方の面上に光学機能層を有し、画像表示装置の表面に配置して用いられる光学積層体であって、前記光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸が、前記画像表示装置の表示画面の上下方向と平行に配置される光学積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016−27405号公報
しかし、特許文献1の光学積層体では、光学機能層の屈折率と光透過性基材との屈せ率との相違に基づき、干渉ムラを生じるという不具合がある。
しかるに、光学機能層の屈折率を、光透過性基材の遅相軸側の屈折率に合わせれば、光学機能層の屈折率と、光透過性基材の進相軸側の屈折率との差が大きくなる。一方、光学機能層の屈折率を、光透過性基材の進相軸側の屈折率に合わせれば、光学機能層の屈折率と、光透過性基材の遅相軸側の屈折率との差が大きくなる。
他方、光学機能層の屈折率を、光透過性基材の遅相軸側の屈折率と進相軸側の屈折率との中間値(平均値)に合わせれば、光学機能層の屈折率は、光透過性基材の遅相軸側の屈折率および進相軸側の屈折率の両方に対しても相違する。そのため、干渉ムラを抑制することができない。
本発明の目的は、ニジムラを抑制しながら、干渉ムラを抑制することができるハードコートフィルム、それを備える透明導電性フィルム、および、それを備えるタッチパネルを提供することにある。
本発明(1)は、複屈折性を有する透明基材と、前記透明基材の少なくとも厚み方向一方面に配置されるハードコート層とを備え、前記透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有し、前記透明基材の遅相軸方向の屈折率nsxから、進相軸方向の屈折率nsyを差し引いた値(nsx−nsy)が、0.05を超過し、前記ハードコート層の前記厚み方向一方面は、0.1°を超過する平均傾斜角θaと、0.05μmを超過する算術平均粗さRaとを有するハードコートフィルムを含む。
本発明のハードコートフィルムでは、透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有し、透明基材の遅相軸方向の屈折率nsxから、進相軸方向の屈折率nsyを差し引いた値(nsx−nsy)が、0.05を超過するので、ニジムラを抑制することができる。
また、本発明のハードコートフィルムでは、ハードコート層の厚み方向一方面は、0.1°を超過する平均傾斜角θaと、0.05μmを超過する算術平均粗さRaとを有するので、干渉ムラを抑制することができる。
本発明(2)は、(1)に記載のハードコートフィルムと、前記ハードコートフィルムの前記ハードコート層の前記厚み方向一方側に配置される透明導電層とを備える透明導電性フィルムを含む。
本発明の透明導電性フィルムは、上記したハードコートフィルムを備えるので、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
本発明(3)は、前記ハードコート層および前記透明導電性層の間に介在される光学調整層をさらに備える(2)に記載の透明導電性フィルムを含む。
本発明の透明導電性フィルムは、光学調整層を備えるので、透明導電層を配線パターンに形成したときに、配線パターンの視認を抑制することができる。
本発明(4)は、(2)または(3)に記載の透明導電性フィルムを備えるタッチパネルを含む。
本発明のタッチパネルは、上記した透明導電性フィルムを備えるので、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
本発明のハードコートフィルムは、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
本発明の透明導電性フィルムは、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
本発明のタッチパネルは、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
図1は、本発明のハードコートフィルムの一実施形態(透明基材の厚み方向一方側に、ハードコート層が配置される態様)の断面図を示す。 図2は、図1に示すハードコートフィルムを備える透明導電性フィルム(透明基材の厚み方向一方側に、ハードコート層、光学調整層および透明導電層が順次配置される態様)の断面図を示す。 図3は、図2に示す透明導電性フィルムの変形例(透明基材の厚み方向一方側に、ハードコート層および透明導電層が順次配置される態様)の断面図を示す。 図4は、図1に示すハードコートフィルムの変形例(透明基材の厚み方向両側にハードコート層が配置される態様)の断面図を示す。 図5は、図2に示す透明導電性フィルムの変形例(透明基材の厚み方向両側に、ハードコート層、光学調整層および透明導電層が順次配置される態様)の断面図を示す。 図6は、図3に示す透明導電性フィルムの変形例(透明基材の厚み方向両側に、ハードコート層および透明導電層が順次配置される態様)の断面図を示す。 図7は、粗さ曲線、高さおよび基準長さlの関係の一例の模式図を示す。
図1において、紙面上下方向は、厚み方向(後述するX軸方向およびY軸方向に直交するZ軸方向)である。紙面上側が、厚み方向一方側(Z軸方向一方側)である。紙面下側が、厚み方向他方側(Z軸方向他方側)である。
1.ハードコートフィルム
本発明のハードコートフィルムの一実施形態を図1を参照して説明する。
このハードコートフィルム1は、図1に示すように、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)をなし、厚み方向に直交する面方向に延びる。ハードコートフィルム1は、凸凹な厚み方向一方面、および、平坦な厚み方向他方面(2つの主面)を有する。
ハードコートフィルム1は、例えば、後述する透明導電性フィルム6(図2参照)に備えられる一部品であり、つまり、透明導電性フィルム6ではない。すなわち、ハードコートフィルム1は、透明導電性フィルム6を作製するための部品であり、光学調整層4および透明導電層5などの機能層を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
具体的には、ハードコートフィルム1は、透明基材2と、ハードコート層3とを順次備える。つまり、ハードコートフィルム1は、透明基材2と、透明基材2の厚み方向一方面に配置されるハードコート層3とを備える。好ましくは、ハードコートフィルム1は、透明基材2と、ハードコート層3とのみからなる。以下、各層について詳述する。
2.透明基材
透明基材2は、ハードコートフィルム1の厚み方向他方側層である。透明基材2は、ハードコートフィルム1の機械強度を確保する支持材である。また、透明基材2は、ハードコートフィルム1が、例えば、画像表示装置に備えられるときに、ニジムラを抑制することができるニジムラ抑制部材でもある。なお、ニジムラは、画像表示装置において本来同一色が表示されるべき箇所において、異なる複数の色が観察される現象である。
透明基材2は、面方向に延びるフィルム形状を有しており、平坦な厚み方向一方面、および、平坦な厚み方向他方面(2つの主面)を有する。
透明基材2は、透明性を有する高分子からなる。高分子としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーなどのオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、例えば、ポリエーテルスルフォン樹脂、例えば、ポリアリレート樹脂、例えば、メラミン樹脂、例えば、ポリアミド樹脂、例えば、ポリイミド樹脂、例えば、セルロース樹脂、例えば、ポリスチレン樹脂、例えば、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。これら高分子は、単独使用または2種以上併用することができる。複屈折性などの観点から、好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられ、より好ましくは、PENが挙げられる。
透明基材2の全光線透過率は、例えば、90%以上、好ましくは、95%以上、より好ましくは、99%以上である。
透明基材2は、複屈折性を有する。
詳しくは、透明基材2の遅相軸方向sxの屈折率nsxから、進相軸方向syの屈折率nsyを差し引いた値(nsx−nsy)(Δns)が、0.05を超過する。
なお、遅相軸方向sxは、透明基材2の面方向において、屈折率が最も大きい方向(X軸方向)であり、また、進相軸方向syは、屈折率が最も小さい方向(Y軸方向)である。また、X軸方向とY軸方向とは、透明基材2の面方向(同一平面)において、互いに直交する。
Δnsは、好ましくは、0.10以上、より好ましくは、0.15以上であり、また、例えば、0.50未満である。Δnsが上記した下限を下回れば、透明基材2が高い複屈折性を有することができず、そのため、ニジムラを有効に抑制することができない。
なお、透明基材2のΔnsが0.05以下と過小であっても、次に説明する透明基材2の厚みが十分に厚い場合には、後述するリタデーションが8000nm以上の要件を満足する。しかし、その場合には、透明基材2の厚みが過度に厚くなってしまい、ハードコートフィルム1を光学フィルムとして用いるのに適さない厚みとなる。
透明基材2の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下である。透明基材2の厚みが上記した下限以上であれば、ハードコートフィルム1の強度を十分に確保できるとともに、透明基材2が次に説明する高いリタデーションを有することができる。そのため、ニジムラを有効に抑制することができる。一方、透明基材2の厚みが上記した上限以下であれば、高い透明性を確保することができる。
透明基材2は、8000nm以上のリタデーション(位相差)を有する。透明基材2は、好ましくは、10000nm以上のリタデーションを有し、より好ましくは、12000nm以下のリタデーションを有する。透明基材2のリタデーションが上記した下限を上回れば、ニジムラを十分に抑制することができる。
なお、リタデーションは、Δnsに厚みを乗じた値である。また、リタデーションは、透明基材2を直接測定することによって、得られる。
一方、透明基材2のリタデーションが8000nm未満であれば、たとえ、透明基材2のΔnsが0.05を超過しても、ニジムラを十分に抑制することができない。
3.ハードコート層
ハードコート層3は、ハードコートフィルム1の厚み方向一方側層である。ハードコート層3は、透明基材2の厚み方向一方面の全面に接触している。ハードコート層3は、ハードコートフィルム1の耐擦傷性を高める耐擦傷層である。ハードコート層3は、面方向に延びるフィルム形状(シート形状を含む)を有する。ハードコート層3は、凸凹な厚み方向一方面、および、平坦な厚み方向他方面(2つの主面)を有する。
3−1.ハードコート層の組成
ハードコート層3は、例えば、粒子を含有する。ハードコート層3は、好ましくは、粒子および樹脂を含有する組成物(ハードコート層形成用組成物)からなる。組成物は、好ましくは、粒子および樹脂のみからなる。
粒子は、ハードコート層3の厚み方向一方面7に凸凹形状を付与する成分である。粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用される。
有機粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、アクリルスチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、ポリフッ化エチレン樹脂粒子などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどからなる金属酸化物粒子、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。
粒子のうち、好ましくは、有機粒子、より好ましくは、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、アクリルスチレン樹脂粒子が挙げられる。なお、アクリルスチレン樹脂粒子は、スチレンおよびアクリルの共重合樹脂からなる粒子である。
粒子の平均粒子径は、例えば、0.5μm以上、好ましくは、2μm以上であり、また、例えば、25μm以下、好ましくは、10μm以下である。粒子の平均粒子径が上記した範囲内にあれば、ハードコート層3の厚み方向一方面7が後述する平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRaを有することができる。
粒子の平均粒子径は、粒子の1次粒子の平均粒子径である。また、好ましくは、粒子は、粒子径の分布の標準偏差が10%以内の単分散粒子である。
粒子の配合割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.07質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、6質量部以下である。また、粒子の配合割合は、樹脂の残部であって、組成物に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.07質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上であり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、6質量%以下である。
粒子の含有割合が、上記した下限以上であれば、ハードコート層3の厚み方向一方面7が後述する平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRaを有することができる。また、粒子の含有割合が、上記した上限以下であれば、過剰な散乱を防止することができる。
樹脂としては、例えば、粒子を透明基材2に接着させるためのバインダー樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線(具体的には、紫外線、電子線など)の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば、加熱により硬化する熱硬化性樹脂などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの(メタ)アクリル系紫外線硬化性樹脂、例えば、ウレタン樹脂、例えば、メラミン樹脂、例えば、アルキド樹脂、例えば、シロキサン系ポリマー、例えば、有機シラン縮合物などが挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル系紫外線硬化性樹脂が挙げられる。
また、樹脂は、例えば、特開2008−88309号公報に記載の反応性希釈剤を含むことができ、具体的には、多官能(メタ)アクリレートを含むことができる。
樹脂の含有割合は、組成物に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、75質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、97質量%以下である。また、反応性希釈剤の樹脂における含有割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、50質量%未満、好ましくは、30質量%以下である。
3−2.ハードコート層の厚み方向一方面の形状
ハードコート層3の厚み方向一方面7は、面方向全部にわたって、凸凹形状を有する。
そのため、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、所定の平均傾斜角θa、および、所定の算術平均粗さRaを併有する。
(1)平均傾斜角θa
ハードコート層3の厚み方向一方面7は、0.1°を超過する平均傾斜角θaを有する。
また、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、好ましくは、0.2°以上の平均傾斜角θaを有し、より好ましくは、0.25°以上の平均傾斜角θaを有し、さらに好ましくは、0.3°以上の平均傾斜角θaを有し、とりわけ好ましくは、0.4°以上の平均傾斜角θaを有し、最も好ましくは、0.5°以上の平均傾斜角θaを有する。ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaが上記した下限を下回ると、干渉ムラを抑制することができない。
一方、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、例えば、0.9°以下の平均傾斜角θaを有し、好ましくは、0.7°以下の平均傾斜角θaを有する。ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaが上記した上限を下回ると、過剰な散乱を防止することができる。
平均傾斜角θaは、下記式で表される
平均傾斜角θa=tan−1Δa
式中、Δaは、図7に示すように、互いに隣接する山(凹部)の頂点(最上点)と谷(凹部)の最下点の差(h)の合計(h1+h2+h3・・・+hn)を基準長さLで割った値である。基準長さLは、JIS B 0601(2013年版)に規定される粗さ曲線における基準長さである。
平均傾斜角θaの定義および測定方法は、JIS B 0601(2013年版)に記載される。具体的には、平均傾斜角θaの定義および測定方法は、特許5252811号公報、特開2015−034955号公報などにも詳細に記載されている。なお、ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaは、例えば、微細形状測定機で測定することにより、得られる。
(2)算術平均粗さRa
ハードコート層3の厚み方向一方面7は、0.05μmを超過する算術平均粗さRaを有する。また、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、好ましくは、0.07μm以上の算術平均粗さRaを有する。
ハードコート層3の厚み方向一方面7の算術平均粗さRaが上記した下限を下回ると、ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaが上記した範囲内にあっても、干渉ムラを抑制することができない。
一方、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、例えば、0.25μm以下の算術平均粗さRaを有し、好ましくは、0.10μm以下の算術平均粗さRaを有し、より好ましくは、0.09μm以下の算術平均粗さRaを有する。ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaが上記した上限を下回れば、ハードコート層3の厚み方向一方面7における白濁の発生を抑制することができる。
算術平均粗さRaの定義および測定方法は、JIS B 0601(2013年版)に記載される。
(3)平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRaの関係
要するに、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、(1)0.1を超過する平均傾斜角θaと、(2)0.05μmを超過する算術平均粗さRaとの両方を有するので、干渉ムラを抑制することができる。
一方、ハードコート層3の厚み方向一方面7が、(1)の要件を満たすが、(2)の要件を満たさない場合には、干渉ムラを十分に抑制することができない。
他方、ハードコート層3の厚み方向一方面7が、(1)の要件を満たさないが、(2)の要件を満たす場合には、干渉ムラを十分に抑制することができない。
従って、本発明が成立するには、上記した(1)および(2)の両方の要件を満たす必要がある。
3−3.ハードコート層の他の物性
ハードコート層3の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、2μm以上、さらに好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、10μm以下である。ハードコート層3の厚みが上記した下限以上であれば、ハードコートフィルム1の耐擦傷性を十分に高めることができる。一方、ハードコート層3の厚みが上記した上限以下であれば、耐屈曲性を保つことができる。
ハードコート層3の厚みは、後述する実施例の評価方法に基づいて、測定される。
4.ハードコートフィルムの製造方法
次に、ハードコートフィルム1の製造方法について説明する。
このハードコートフィルム1は、例えば、ロール・トゥ・ロール法によって、製造される。
この方法は、まず、複屈折性を有する透明基材2を用意する。
例えば、複屈折性を有する、市販品の透明基材2を用意する。
あるいは、まず、等方性の透明基材2を用意し、その後、透明基材2を延伸することもできる。具体的には、未延伸の透明基材2を一軸延伸する。透明基材2を延伸することにより、透明基材2が複屈折性を有する。
次いで、この方法では、上記した組成物からなるハードコート層3を透明基材2の厚み方向一方面全面に配置する。
具体的には、まず、組成物を調製する。
組成物の調製において、樹脂が硬化性樹脂である場合には、重合開始剤(例えば、ラジカル系光重合開始剤)を樹脂に対して適宜の割合で配合することができる。
また、組成物の調製において、必要により、溶媒(希釈溶剤)を配合して、組成物を希釈して、希釈液を調製する。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン化合物、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル化合物、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、ケトン化合物、エーテル化合物が挙げられる。
溶媒を、希釈液の固形分(粒子および樹脂)濃度が、例えば、10質量%以上、好ましくは、25質量%以上、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、75質量%以下となるように、粒子および樹脂に対して配合する。
次いで、組成物(希釈液)を透明基材2の厚み方向一方面全面に塗布して、その後、乾燥して塗膜を形成する。組成物(希釈液)を透明基材2の厚み方向一方面全面に塗布するには、例えば、グラビヤロールコータ、リバースロールコータ、キスロールコータ、ディップロールコータ、バーコータ、ナイフコータ、スプレーコータなどのコータが用いられる。
その後、組成物が活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合には、塗膜に活性エネルギー線(具体的には、紫外線など)を照射する。
これにより、透明基材2と、その厚み方向一方面に配置されるハードコート層3とを備えるハードコートフィルム1が得られる。
そして、このハードコートフィルム1は、各産業用途に用いられ、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパーなどの画像表示装置に用いられる。好ましくは、タッチパネルに用いられる透明導電性フィルムに備えられる。
5.透明導電性フィルム
次に、ハードコートフィルム1を備える透明導電性フィルム6について図2を参照して説明する。
図2に示すように、透明導電性フィルム6は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)をなし、面方向に延び、凸凹な厚み方向一方面、および、平坦な厚み方向他方面(2つの主面)を有する。透明導電性フィルム6は、例えば、光学装置(例えば、画像表示装置、調光装置)に備えられるタッチパネル用基材や調光パネルなどの一部品であり、つまり、光学装置ではない。すなわち、透明導電性フィルム6は、光学装置などを作製するための部品であり、LCDモジュールなどの画像表示素子や、LEDなどの光源を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
そして、この透明導電性フィルム6は、ハードコートフィルム1と、光学調整層4と、透明導電層5とを順次備える。具体的には、透明導電性フィルム6は、透明基材2と、ハードコート層3と、光学調整層4と、透明導電層5とを順次備える。透明導電性フィルム6は、好ましくは、透明基材2と、ハードコート層3と、光学調整層4と、透明導電層5とのみからなる。
光学調整層4は、透明導電層5が後の工程で配線パターンに形成された後に、非パターン部とパターン部との相違が認識されないように(すなわち、配線パターンの視認を抑制するように)、透明導電性フィルム6の光学物性を調整する層である。
光学調整層4は、ハードコート層3の厚み方向一方面7の全面に接触している。光学調整層4は、面方向に延びるフィルム形状を有する。光学調整層4は、ハードコート層3の厚み方向一方面7の凸凹形状に対応(追随)する形状を有する。そのため、光学調整層4は、凸凹な厚み方向一方面、および、凸凹な厚み方向他方面(2つの主面)を有する。
光学調整層4の厚み方向他方面は、ハードコート層3の厚み方向一方面7が有する平均傾斜角θaと算術平均粗さRaと同一の平均傾斜角θaと算術平均粗さRaとを有する。また、好ましくは、光学調整層4の厚み方向一方面は、ハードコート層3の厚み方向一方面7が有する平均傾斜角θaと算術平均粗さRaと同一の平均傾斜角θaと算術平均粗さRaとを有する。
光学調整層4は、樹脂組成物から調製されている。樹脂組成物は、例えば、樹脂と、粒子とを含有する。樹脂組成物は、好ましくは、樹脂のみを含有し、より好ましくは、樹脂のみからなる。樹脂としては、ハードコート層3で例示した樹脂が挙げられる。
光学調整層4の厚みは、例えば、30nm以上、好ましくは、50nm以上であり、また、例えば、150nm以下、好ましくは、130nm以下である。
また、光学調整層4の厚みの、ハードコート層3の厚み対する比(光学調整層4の厚み/ハードコート層3の厚み)は、例えば、0.5以下、好ましくは、0.1以下、より好ましくは、0.05以下であり、また、例えば、0.001以上である。比(光学調整層4厚み/ハードコート層3の厚み)が上記した上限以下であれば、光学調整層4が、ハードコート層3の厚み方向一方面7の凸凹形状に追随することができる。
透明導電層5は、後の工程で配線パターンに形成して、パターン部を形成するための導電層である。透明導電層5は、透明導電性フィルム6の厚み方向における最一方側層であって、面方向に延びるフィルム形状(シート形状を含む)を有する。透明導電層5は、光学調整層4の凸凹形状に対応する形状を有する。これにより、透明導電層5は、凸凹な厚み方向一方面、および、凸凹な厚み方向他方面を有する。好ましくは、透明導電層5の厚み方向一方面および他方面は、それぞれ、ハードコート層3の厚み方向一方面7が有する平均傾斜角θaと算術平均粗さRaと同一の平均傾斜角θaと算術平均粗さRaとを有する。
透明導電層5を形成する材料としては、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などが挙げられる。
透明導電層5の厚みは、例えば、10nm以上、好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、35nm以下、好ましくは、30nm以下である。
透明導電層5の厚みの、ハードコート層3の厚みに対する比(透明導電層5の厚み/ハードコート層3の厚み)は、例えば、0.05以下、好ましくは、0.01以下、より好ましくは、0.005以下であり、例えば、0.0005以上である。
透明導電層5の厚みの、光学調整層4の厚みに対する比(透明導電層5の厚み/光学調整層4の厚み)は、例えば、0.7以下、好ましくは、0.5以下、より好ましくは、0.3以下であり、例えば、0.05以上である。
透明導電層5の比が上記した上限以下であれば、透明導電層5が、光学調整層4の凸凹形状に追随することができる。
透明導電性フィルム6を得るには、ハードコートフィルム1のハードコート層3の厚み方向一方面7に、光学調整層4および透明導電層5を順次配置する。
具体的には、ハードコート層3の厚み方向一方面7に、樹脂組成物を、例えば、塗布により、配置して、その後、必要により、加熱および乾燥して、光学調整層4をハードコート層3の厚み方向一方面7の全面に設ける。
その後、例えば、スパッタによって、上記した材料からなる透明導電層5を、光学調整層4の厚み方向一方面の全面に配置する。
6.効果
そして、このハードコートフィルム1では、透明基材2は、8000nm以上のリタデーションを有し、nsx−nsyが、0.05を超過するので、ニジムラを抑制することができる。
また、ハードコート層3の厚み方向一方面7は、0.1を超過する平均傾斜角θaと、0.05μmを超過する算術平均粗さRaとを有するので、干渉ムラを抑制することができる。
具体的には、ハードコート層3の厚み方向一方面7が上記した平均傾斜角θaと算術平均粗さRaとを有するので、ハードコート層3の厚み方向一方面7からハードコート層3内に進入し、ハードコート層3の厚み方向他方面(ハードコート層3および透明基材2の界面)において反射して、ハードコート層3の厚み方向一方面7から厚み方向一方側に照射(放出)される反射光における光路差をまばらにする(分散させる)ことができる。そうすると、各反射光の位相がずれて、それらが互いに強めたり、弱めたりする干渉を抑制して、リップル(反射スペクトルの波形の振幅)が小さくなると推測される。
また、この透明導電性フィルム6は、上記したハードコートフィルム1を備えるので、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
この透明導電性フィルム6は、光学調整層4を備えるので、透明導電層5を配線パターンに形成したときに、配線パターンの視認を抑制することができる。
上記した透明導電性フィルム6を備えるタッチパネルは、ニジムラおよび干渉ムラを抑制することができる。
7.変形例
上記した一実施形態では、ハードコート層3に粒子を含有させることにより、ハードコート層3の厚み方向一方面7に凸凹形状を付与している。
しかし、例えば、ハードコート層3に粒子を含有させず、ハードコート層3の厚み方向一方面7に防眩処理を施すことにより、ハードコート層3の厚み方向一方面7に凸凹形状を付与することもできる。防眩処理としては、例えば、エンボス加工、サンドブラスト加工、エッチング加工などが挙げられる。この場合には、ハードコート層3は、樹脂のみからなる。
さらに、ハードコート層3に粒子を含有させるとともに、ハードコート層3の厚み方向一方面7に上記した防眩処理を施すこともできる。
A. 図3に示す変形例
図2に示す一実施形態では、透明導電性フィルム6は、光学調整層4を備える。
しかし、図3に示すように、ハードコートフィルム1は、光学調整層4を備えず、透明基材2、ハードコート層3および透明導電層5を順次備えることもできる。このハードコートフィルム1は、好ましくは、ハードコートフィルム1、透明基材2および透明導電層5のみからなる。
透明導電層5は、ハードコート層3の厚み方向一方面7に接触している。透明導電層5は、ハードコート層3の厚み方向一方面7に対応する形状を有する。透明導電層5の厚み方向一方面は、ハードコート層3の厚み方向一方面7に追従した凸凹形状を有する。要するに、透明導電層5は、凸凹な厚み方向一方面、および、凸凹な厚み方向他方面を有する。
図3に示す透明導電性フィルム6によっても、図2に示す透明導電性フィルム6と同様の作用効果を奏する。
好ましくは、ハードコートフィルム1は、図2に示すように、ハードコート層3および透明導電層5の間に介在される光学調整層4を備える。透明導電性フィルム6が光学調整層4を備えれば、透明導電層5を配線パターンに形成したときに、配線パターンの視認を抑制することができる。
B. 図4に示す変形例
図1に示す一実施形態では、ハードコートフィルム1は、透明基材2の厚み方向一方面のみに配置されたハードコート層3を備える。
しかし、ハードコート層3の配置は上記に限定されず、例えば、図4に示すように、ハードコートフィルム1は、透明基材2の厚み方向両面(一方面および他方面)のそれぞれに配置されたハードコート層3を備えることもできる。
透明基材2の厚み方向他方面に位置するハードコート層3は、平坦な厚み方向一方面、および、凸凹な厚み方向他方面8(2つの主面)を有する。透明基材2の厚み方向他方面に位置するハードコート層3は、透明基材2の厚み方向一方面に位置する上記したハードコート層3と同一の組成および形状を有する。
図4に示すハードコートフィルム1によっても、図1に示すハードコートフィルム1と同様の作用効果を奏することができる。
C. 図5に示す変形例
図2に示す一実施形態では、透明導電性フィルム6は、透明基材2の厚み方向一方側のみに順次配置されたハードコート層3、光学調整層4および透明導電層5を備える。
しかし、ハードコート層3、光学調整層4および透明導電層5の配置は上記に限定されない。例えば、図5に示すように、透明基材2の厚み方向両側(一方側および他方側)のぞれぞれに順次配置された、ハードコート層3、光学調整層4および透明導電層5を備えることもできる。透明基材2の厚み方向他方側に位置するハードコート層3、光学調整層4および透明導電層5のそれぞれは、透明基材2の厚み方向一方側に位置する上記したハードコート層3、光学調整層4および透明導電層5のそれぞれと、同一の組成および形状を有する。
この変形例の透明導電性フィルム6によっても、図2に示す透明導電性フィルム6と同様の作用効果を奏することができる。
D. 図6に示す変形例
図3の変形例では、透明基材2の厚み方向一方側のみに順次配置されたハードコート層3および透明導電層5を備える。
しかし、ハードコート層3および透明導電層5の配置は上記に限定されない。例えば、図6に示すように、透明基材2の厚み方向両側(一方側および他方側)のぞれぞれに順次配置された、ハードコート層3および透明導電層5を備えることもできる。透明基材2の厚み方向他方側に位置するハードコート層3および透明導電層5のそれぞれは、透明基材2の厚み方向一方側に位置するハードコート層3および透明導電層5のそれぞれと、同一の組成および形状を有する。
この変形例の透明導電性フィルム6によっても、図3の変形例と同様の作用効果を奏することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。
また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
また、「部」および「%」は、特に言及しない限り、質量基準である。
実施例1
まず、50μmの厚み、および、12000nmの位相差(リタデーション)を有する、PEN(ポリエチレンナフタレート)からなる透明基材2を用意した。
続いて、透明基材2の厚み方向一方面の全面に、ハードコート層形成用組成物をバーコーターを用いて、硬化後の厚みが8μmとなるように塗布し、乾燥して、塗膜を形成した。その後、塗膜に紫外線照射して、塗膜を硬化させて、8μmの厚みを有するハードコート層3を形成した。
なお、ハードコート層形成用組成物は、バインダー樹脂A(日本合成社製、紫外線硬化性ウレタンアクリレート、商品名「UV1700B」)80質量部、バインダー樹脂B(大阪有機化学社製、反応性希釈剤(ペンタエリスリトールとアクリル酸との縮合物)、商品名「ビスコート#300」)20質量部、アクリルスチレン樹脂粒子(積水化学社製、有機粒子、平均粒子径5.5μm、商品名「SSX1055QXE」)1質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「Irgacure907」)5質量部、希釈溶剤としてのメチルエチルケトン100質量部を配合し、それらを混合することにより、調製した。
これにより、図1に示すように、透明基材2と、その厚み方向一方面に配置されるハードコート層3とを備えるハードコートフィルム1を得た。
実施例2
ハードコート層形成用組成物の調製において、アクリルスチレン樹脂粒子の配合割合を1質量部から4.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、ハードコートフィルム1を得た。
実施例3
バインダー樹脂C(DIC社製、メタクリル系紫外線硬化性樹脂、商品名「RS28−605」)50質量部、バインダー樹脂D(DIC社製、メタクリル系紫外線硬化性樹脂、商品名「ELS−888」)50質量部、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子(綜研化学社製、有機粒子、平均粒子径1.5μm、商品名「MX−150」)3質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「Irgacure907」)3質量部、希釈溶剤として酢酸エチル100質量部を配合し、それらを混合することにより、ハードコート層形成用組成物を調製する点、および、ハードコート層3の硬化後の厚みを8μmから1.2μmに変更した以外は、実施例1と同様に処理して、ハードコートフィルム1を得た。
比較例1
ハードコート層形成用組成物の調製において、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子の配合割合を3質量部から0.05質量部に変更した以外は、実施例3と同様に処理して、ハードコートフィルム1を得た。
比較例2
ハードコート層形成用組成物の調製において、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を配合しなかった以外は、実施例3と同様に処理して、ハードコートフィルム1を得た。
(評価)
以下の各項目を評価した。その結果を表1に示す。
1.ハードコート層
1−1.ハードコート層の厚み方向一方面の平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRa
ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRaを、JIS B 0601(2013年版)に記載の方法に従って、算出した。
具体的には、ハードコート層3の厚み方向一方面7の形状を、微細形状測定機(小坂研究所社製、ET−4000)で評価した。
測定時の条件を以下に記載する。
・測定長 : カットオフ×5
・カットオフ値 : 0.8mm
・送り速さ : 1mm/sec
これによって、ハードコート層3の厚み方向一方面7の平均傾斜角θaおよび算術平均粗さRaを得た。
1−2.厚み
ハードコート層3の厚みを、ダイアルゲージにより測定した。
2.ハードコートフィルムの干渉ムラ
ハードコートフィルム1をハードコート層3側から、目視で観察することにより、ハードコートフィルム1の干渉ムラを以下の基準に従って、評価した。
◎:干渉ムラがほぼ視認されなかった。
○:干渉ムラが若干視認されたが、実用上許容できるレベルであった。
△:干渉ムラが視認され、実用上許容できるレベルを超えるレベルであった。
×:干渉ムラが視認され、実用上許容できるレベルをはるかに超えるレベルであった。
3.白濁
ハードコートフィルム1の厚み方向他方面(透明基材2においてハードコート層3が接触する面に対向する面)に、透明粘着剤を介して、黒アクリル板に貼り、暗室で卓上スタンド(3波長蛍光灯管)の下で、白濁感を観察し、以下の基準により評価した。
◎:白濁感が観察されなかった。
○:白濁感がわずかに観察されたが、実用上許容できるレベルであった。
4.ニジムラ
透過光を以下の手順に従って観察し、以下の基準に従って、ニジムラを評価した。
(1)2枚の偏光板の0度設置
2枚の偏光板と、それらに挟まれるハードコートフィルム1とを、LED光源の上に配置した。
具体的には、まず、第1の偏光板を設置し、次いで、ハードコートフィルム1を、ハードコートフィルム1の透明基材2の遅相軸方向sxが第1の偏光板の偏光軸に沿う方向に対して45度をなすように、第1の偏光板の表面に設置した。
その後、第2の偏光板を、第1の偏光板の偏光軸に沿う方向と第2の偏光板の偏光軸に沿う方向が同一となるように、ハードコートフィルム1の表面に設置(0度設置)した。
そして、それらを透過した透過光を観察した。
(1)2枚の偏光板の90度設置
2枚の偏光板と、それらに挟まれるハードコートフィルム1とを、LED光源の上に配置した。
具体的には、まず、第1の偏光板を設置し、次いで、ハードコートフィルム1を、ハードコートフィルム1の透明基材2の遅相軸方向sxが第1の偏光板の偏光軸に沿う方向に対して45度をなすように、第1の偏光板の表面に設置した。
その後、第2の偏光板を、第1の偏光板の偏光軸に沿う方向と第2の偏光板の偏光軸に沿う方向が直交するように、ハードコートフィルム1の表面に設置(90度設置)した。
そして、それらを透過した透過光を観察した。
(3)評価
上記した(1)および(2)の透過光について色づきの差を下記の通り評価した。
○:(1)および(2)の色づきの差が小さい。
Figure 0006934284
1 ハードコートフィル
2 透明基材
3 ハードコート層
4 光学調整層
5 透明導電層
6 透明導電性フィルム
7 ハードコート層の厚み方向一方面

Claims (4)

  1. 複屈折性を有する透明基材と、
    前記透明基材の少なくとも厚み方向一方面に配置されるハードコート層とを備え、
    前記透明基材は、8000nm以上のリタデーションを有し、
    前記透明基材の遅相軸方向の屈折率nsxから、進相軸方向の屈折率nsyを差し引いた値(nsx−nsy)が、0.24以上であり
    前記ハードコート層の前記厚み方向一方面は、
    0.1°を超過し、0.9°以下の平均傾斜角θaと、
    0.05μmを超過し、0.25μm以下である算術平均粗さRaと
    を有することを特徴とする、ハードコートフィルム。
  2. 請求項1に記載のハードコートフィルムと、
    前記ハードコートフィルムの前記ハードコート層の前記厚み方向一方側に配置される透明導電層と
    を備えることを特徴とする、透明導電性フィルム。
  3. 前記ハードコート層および前記透明導電性層の間に介在される光学調整層
    をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 請求項2または3に記載の透明導電性フィルムを備えることを特徴とする、タッチパネル。
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