JP6933761B1 - ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン - Google Patents

ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン Download PDF

Info

Publication number
JP6933761B1
JP6933761B1 JP2020138129A JP2020138129A JP6933761B1 JP 6933761 B1 JP6933761 B1 JP 6933761B1 JP 2020138129 A JP2020138129 A JP 2020138129A JP 2020138129 A JP2020138129 A JP 2020138129A JP 6933761 B1 JP6933761 B1 JP 6933761B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blow
gas
oil
filter
flow velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020138129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022034370A (ja
Inventor
祐 鈴木
祐 鈴木
雅保 高見
雅保 高見
智大 鈴木
智大 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2020138129A priority Critical patent/JP6933761B1/ja
Priority to US17/786,494 priority patent/US11739669B2/en
Priority to PCT/JP2021/009371 priority patent/WO2021187250A1/ja
Priority to EP21771985.5A priority patent/EP4123131A4/en
Priority to CN202180007285.XA priority patent/CN114846225A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP6933761B1 publication Critical patent/JP6933761B1/ja
Publication of JP2022034370A publication Critical patent/JP2022034370A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができるブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジンを提供すること。【解決手段】ブローバイガス処理装置は、ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部330を備える。分離部330は、ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部120と、流速上昇操作部120により流速の上がったブローバイガスを通すフィルタ130と、フィルタ130を通ったブローバイガスを衝突させてオイルとガスとに分離する衝突板133と、流速上昇操作部120に締結され、流速上昇操作部120と衝突板133との間にフィルタ130を保持する締結部材139と、流速上昇操作部120と衝突板133との間に配置され、フィルタ130が締結部材139の締結により変形することを抑制する変形抑制部材140と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関に搭載されて、ブローバイガスをオイルとガスとに分離して処理をするブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジンに関する。
特許文献1には、内燃機関内のブローバイガスからオイルミストを分離するオイルミストセパレータが開示されている。特許文献1に記載されたオイルミストセパレータに配置されたセパレータユニットは、ブローバイガスの流速を高めるためのオリフィスが貫通形成された合成樹脂製の多孔板と、高速流となったブローバイガスを受ける衝突板を備えた合成樹脂製のリアフレームと、オイルの分離性能を高めるために衝突板に重ねられる繊維材と、から構成されている。
特許文献1では、繊維材として、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、PPS(ポリフェニレンスルファイド)繊維、などの繊維が挙げられている。また、繊維材の形態として、不織布、フリース等の織物などが挙げられている。そして、特許文献1に記載された繊維材は、多孔板に設けられた脚部に押圧されることで、適宜な圧縮率で圧縮されて脚部と衝突板との間に保持されている。
ここで、特許文献1に記載された繊維材のようなオイルの分離性能を高めるためのフィルタやエレメントは、脱落防止や保持性能の向上を考慮すると、例えば接着剤が塗布されたボルトなどの締結部材を用いて保持されることが望ましい。しかし、フィルタやエレメントは、例えば前述した繊維やグラスウールやスチールウールなどにより形成されている。そのため、締結部材を用いてフィルタやエレメントを保持すると、締結部材のトルクに応じてフィルタやエレメントの変形量が異なる。そうすると、フィルタやエレメントの形状が安定しない。これにより、締結部材を用いてフィルタやエレメントを保持すると、オイルの分離性能が不安定になるという問題がある。
特開2016−114035号公報
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができるブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジンを提供することを目的とする。
前記課題は、エンジンに生じるブローバイガスを処理するブローバイガス処理装置であって、ブローバイガス取り入れ部から取り入れられた前記ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部を備え、前記分離部は、前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、前記流速上昇操作部に締結され、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に前記フィルタを保持する締結部材と、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、を有することを特徴とする本発明に係るブローバイガス処理装置により解決される。
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部のフィルタは、締結部材が流速上昇操作部に締結されることにより、流速上昇操作部と衝突板との間に保持される。ここで、変形抑制部材が、流速上昇操作部と衝突板との間に配置されている。変形抑制部材は、流速上昇操作部と衝突板との間に保持されたフィルタが締結部材の締結により変形することを抑制する。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、フィルタの変形を抑制することができる。例えば、締結部材のトルクに応じてフィルタの変形量が異なったり、フィルタの形状が不安定になったりすることを抑制することができる。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記締結部材は、前記流速上昇操作部に締結される軸部と、前記軸部の一方の端部に設けられた頭部と、を有し、前記変形抑制部材は、前記軸部を通す孔を有する筒状部材であり、前記軸部を前記孔に通した状態で前記流速上昇操作部と前記頭部との間に配置されたことを特徴とする。
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、変形抑制部材は、締結部材の軸部を通す孔を有する筒状部材である。そして、変形抑制部材は、締結部材の軸部を変形抑制部材の孔に通した状態で流速上昇操作部と締結部材の頭部との間に配置されている。そのため、変形抑制部材は、締結部材の締結により流速上昇操作部および締結部材の頭部から伝わる力を流速上昇操作部と締結部材の頭部との間で受けることができる。そのため、変形抑制部材は、流速上昇操作部と衝突板との間に保持されたフィルタが締結部材の締結により変形することをより確実に抑制することができる。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能をより確実に実現することができる。
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記変形抑制部材は、前記締結部材の締結により前記衝突板を介して前記頭部から伝わる力および流速上昇操作部から伝わる力を前記筒状部材の端部で受けることを特徴とする。
本発明に係るブローバイガス処理装置によれば、変形抑制部材は、締結部材の締結により衝突板を介して締結部材の頭部から伝わる力および流速上昇操作部から伝わる力を筒状部材の端部で受ける。そのため、変形抑制部材は、締結部材の頭部から伝わる力であって衝突板を介することで比較的均等化された力を端部で受けることができる。そのため、変形抑制部材は、流速上昇操作部と衝突板との間に保持されたフィルタが締結部材の締結により変形することをより確実に抑制することができる。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能をより確実に実現することができる。
本発明に係るブローバイガス処理装置において、好ましくは、前記孔の軸の方向における前記変形抑制部材の長さは、前記フィルタの厚さと同じであることを特徴とする。
本発明に係るローバイガス処理装置によれば、変形抑制部材の孔の軸方向における長さは、フィルタの厚さと同じである。そのため、変形抑制部材は、フィルタが変形抑制部材の孔の軸方向における長さよりも短い長さに潰れることを抑制できる。そのため、締結部材のトルクに応じてフィルタの変形量が異なることをより確実に抑えることができる。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
前記課題は、エンジンに生じるブローバイガスを処理するブローバイガス処理装置を備えるエンジンであって、前記ブローバイガス処理装置は、ブローバイガス取り入れ部から取り入れられた前記ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部を有し、前記分離部は、前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、前記流速上昇操作部に締結され、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に前記フィルタを保持する締結部材と、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、を有することを特徴とする本発明に係るエンジンにより解決される。
本発明に係るエンジンによれば、ブローバイガスをオイルとガスとに分離するブローバイガス処理装置の分離部のフィルタは、締結部材が流速上昇操作部に締結されることにより、流速上昇操作部と衝突板との間に保持される。ここで、変形抑制部材が、流速上昇操作部と衝突板との間に配置されている。変形抑制部材は、流速上昇操作部と衝突板との間に保持されたフィルタが締結部材の締結により変形することを抑制する。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、フィルタの変形を抑制することができる。例えば、締結部材のトルクに応じてフィルタの変形量が異なったり、フィルタの形状が不安定になったりすることを抑制することができる。これにより、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができる。
本発明によれば、締結部材を用いてフィルタを保持する場合において、安定したオイルの分離性能を実現することができるブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジンを提供することができる。
本発明の実施形態に係るブローバイガス処理装置を備えるエンジンを示す断面図である。 本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を示すX−Z平面における断面図である。 本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す斜視図である。 図3に表した切断面A−Aにおける断面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るブローバイガス処理装置を備えるエンジンを示す断面図である。
図1に示すエンジン1は、内燃機関であって、例えば産業用ディーゼルエンジンである。エンジン1は、例えばターボチャージャ付きの過給式の高出力な3気筒エンジンや4気筒エンジン等の多気筒エンジンである。エンジン1は、例えば建設機械、農業機械、芝刈り機のような車両等に搭載される。
エンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、ヘッドカバー4と、オイルパン7と、ブローバイガス処理装置100と、を備える。シリンダヘッド3は、シリンダブロック2の上に組付けられている。ヘッドカバー4は、シリンダヘッド3の上に組付けられている。シリンダブロック2は、上部のシリンダ5と、下部のクランクケース6と、を有する。オイルパン7は、クランクケース6の下部に配置されている。ピストン8は、シリンダ5内に配置されている。クランク軸9は、クランクケース6内に配置されている。ピストン8は、コンロッド10を介してクランク軸9に連結されている。
図1に示すように、シリンダ5は、動弁カム室11を有する。動弁カム室11には、動弁カム軸12が収容されている。タペット13がタペットガイド孔14に沿って上下動可能になっている。タペット13の下部は、動弁カム軸12に載っている。プッシュロッド15は、挿通孔16に通っている。ロッカーアーム17は、ヘッドカバー4内に配置されている。プッシュロッド15の上端部は、ロッカーアーム17に当接している。
ロッカーアーム17は、スプリング18によりプッシュロッド15の上端部側に付勢されている。吸気弁19および排気弁20は、動弁カム軸12が回転することで、プッシュロッド15とロッカーアーム17とを介して伝えられた動力により上下動し、吸気口と排気口とをそれぞれ開閉する。
図1に示すように、例えばオイル流出孔21が、タペット13に設けられている。オイル落下孔22が、動弁カム室11からクランクケース6まで設けられている。これにより、挿通孔16と、タペット13の内部と、オイル流出孔21と、動弁カム室11と、オイル落下孔22は、オイル戻し経路99を構成している。オイル戻し経路99は、ヘッドカバー4内のオイルを、クランクケース6内を通ってオイルパン7に戻すことができる。シリンダヘッド3の各気筒は、吸気通路30と、排気通路31と、に接続されている。
図1に示すように、エンジン1の圧縮行程および燃焼行程の少なくともいずれかにおいて、ブローバイガスBGが発生することがある。ブローバイガスBGは、図1に示すピストン8とシリンダ5との隙間を通ってクランクケース6内に流入するガスであり、未燃焼の燃料成分や燃焼済みのガス成分やオイル等のミストを含んでいる。シリンダ5とピストン8との隙間からクランクケース6に漏れ出したブローバイガスBGは、例えば上述したオイル戻し経路99を通じて、ヘッドカバー4内へ上昇する。すなわち、ブローバイガスBGは、シリンダ5とピストン8との隙間からクランクケース6に漏れ出すと、例えばブローバイガス通過経路としてのオイル戻し経路99のオイル落下孔22と、動弁カム室11と、タペット13のオイル流出孔21と、挿通孔16と、を通じて、ヘッドカバー4内に侵入する。なお、上述したオイル戻し経路99は、ブローバイガス通過経路の一例である。ブローバイガス通過経路は、上述したオイル戻し経路99だけに限定されるわけではない。
図1に示すように、ブローバイガス処理装置100が、ヘッドカバー4内に設けられている。ブローバイガス処理装置100は、ブローバイガスBGを、オイルOL(図2参照)と、オイルOLのミストを分離したガス(処理後のガス)G(図2参照)と、に分離する役割を有する。例えばブローバイガスBGに含まれるガスGは、ブローバイガス処理装置100を介して、ヘッドカバー4の外部の吸気系に接続された配管41に送られる。ブローバイガスBGに含まれるガスGは、ブローバイガスBGからオイルOLとオイルOLのミストとを除いた例えば未燃焼ガス成分や燃焼ガス成分である。なお、オイル(潤滑剤成分)OLは、例えばヘッドカバー4とシリンダヘッド3内とオイル戻し経路99とを通じて、オイルパン7に回収される。
図1に示す吸気配管50の接続管50Tと配管41とは、ブローバイガス混合継手70により互いに接続されている。新規な吸気ARは、吸気配管50に吸入されると、エアクリーナ52と接続管50Tとを通過して、ブローバイガス混合継手70の主配管71に入る。一方、ブローバイガス処理装置100によりオイルOLがブローバイガスBGから分離された後のガスGは、ブローバイガス処理装置100の出口部40から配管41を通じてブローバイガス混合継手70の副配管72に入る。これにより、新規な吸気ARとガスGとが、ブローバイガス混合継手70において混合されて、吸入空気Bとなる。
一方、排気通路31からの排気は、ターボチャージャ60のタービン62に供給されることで、タービン62とブロア61とを高速回転させる。混合された吸入空気Bは、ターボチャージャ60のブロア61へ供給されて圧縮される。圧縮された吸入空気Cは、吸気系の吸気通路30へ過給される。
次に、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の構造例を示すX−Z平面における断面図である。
ここで、図1および図2に示すX方向は、図1に示すエンジン1の前後方向、すなわちクランク軸9の軸方向である。Y方向は、エンジン1の左右方向である。Z方向は、エンジン1の上下方向である。X、Y、Z方向は、互いに直交している。
図1および図2に示すように、ブローバイガス処理装置100は、ブリーザ装置あるいはブレザともいい、ヘッドカバー4内に配置されている。図2に示すように、ブローバイガス処理装置100は、ブローバイガスBGを、オイルOLと、ガスGと、に分離して、オイルOLおよびガスGを別々の経路で案内できる。
図2に示すブローバイガス処理装置100は、主要構造部101と、出口部40と、を有する。主要構造部101は、ヘッドカバー4内に設けられている。出口部40は、ヘッドカバー4の上方に突出して設けられている。しかも、図2に示すように、出口部40は、主要構造部101のX方向である前後方向に関して、例えば略中央の位置CPに配置されている。出口部40は、エンジン1の例えば略中央の位置CPにおいて、エンジン1の吸気系に対して供給しようとするガスGの圧力を調整して、主要構造部101から導かれたガスGだけをエンジン1の吸気系の配管41へ送る。出口部40には、例えば調圧弁(ダイヤフラム)が設けられている。出口部40に設けられた調圧弁は、新規な吸気ARが図1に示すブローバイガス混合継手70および吸気系の配管41を介してエンジン1内に流入することを抑える。
まず、ブローバイガス処理装置100の主要構造部101の構造例を、図1および図2を参照して説明する。
図1および図2に示すように、主要構造部101は、ヘッドカバー4内に収容されている。具体的には、ヘッドカバー4は、上面部4Aと、前面部4Bと、後面部4Cと、左右面部4Dと、を有している。主要構造部101は、上面部4Aと、前面部4Bと、後面部4Cと、左右面部4Dと、で囲まれた空間に配置されている。図2に示すように、主要構造部101は、ブローバイガスBGを取り入れて案内し、ブローバイガスBGから、ブローバイガスBGに含まれるオイルOLと、ガスGと、を分離する。そして、主要構造部101は、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLおよびガスGがエンジン1の外部に漏れないように、オイルOLおよびガスGを別々の経路で案内する。そのために、ヘッドカバー4は、ヘッドカバー4の内部がヘッドカバー4の外部に対して気密性を保った状態でシリンダヘッド3に保持されている。これにより、ブローバイガスBGと、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLおよびガスGと、がエンジン1の外部に漏れることが抑えられている。
図2に示すように、主要構造部101は、概略的には、第1ブローバイガス取り入れ部111と、第2ブローバイガス取り入れ部112と、分離部330と、第1オイル案内溝部151と、第2オイル案内溝部152と、第1オイルドレン161と、第2オイルドレン162と、を有する。第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152のそれぞれは、本発明の「オイル案内部」の一例である。
図2に示すように、主要構造部101は、上述した構成要素を構成するために、仕切り壁部200と、案内壁部203と、案内板295と、を有する。仕切り壁部200は、ヘッドカバー4内においてX−Y平面に、すなわち水平に配置されており、ヘッドカバー4の下部領域4Pと、上部領域4Q、4Rと、を仕切っている。従って、下部領域4Pと、上部領域4Q、4Rと、は、互いに独立した空間になっている。
図2に示すように、案内壁部203は、処理後のガスG、すなわちブローバイガスBGからオイルOLのミストを分離した後のガスGだけを出口部40へ確実に案内する。案内壁部203は、仕切り壁部200と、ヘッドカバー4の上面部4Aと、の間に配置されており、上部領域4Qと、上部領域4Rと、を仕切っている。従って、上部領域4Qと、上部領域4Rと、は、互いに独立した空間である。
次に、第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112について、図2を参照して説明する。
第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112とは、仕切り壁部200と案内板295とにより形成された孔であり、ブローバイガスBGを取り入れる。仕切り壁部200は、分離部330を中心にして、第1案内下面部231側と第2案内下面部232側とに分かれている。第1ブローバイガス取り入れ部111は、前面部4B寄りの位置(すなわちエンジン1の前側)に設けられて前側からブローバイガスBGを取り入れる。また、第2ブローバイガス取り入れ部112は、後面部4C寄りの位置(すなわちエンジン1の後側)に設けられて後側からブローバイガスBGを取り入れる。図2に示す案内板295は、第1案内下面部231と第2案内下面部232とに対面するようにして仕切り壁部200から離れた部分を有し、X−Y平面に沿って配置されている。
図1に示すように、クランクケース6内を上昇してきたブローバイガスBGは、図2に示すヘッドカバー4の下部領域4Pに達すると、第1ブローバイガス取り入れ部111を通って仕切り壁部200の第1案内下面部231と案内板295との間に取り入れられ、分離部330に向かって案内される。あるいは、ブローバイガスBGは、第2ブローバイガス取り入れ部112を通って第2案内下面部232と案内板295との間に取り入れられ、分離部330に向かって案内される。そして、ブローバイガスBGは、図2に表した矢印のように、前後方向であるX方向に関して中央位置RPにある分離部330のインパクタ120に達する。
次に、分離部330の構造例を、図2〜図4を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るブローバイガス処理装置の分離部を表す斜視図である。
図4は、図3に表した切断面A−Aにおける断面図である。
図2に示す分離部330は、インパクタ式セパレータとも言い、インパクタ120と、フィルタ130と、衝突板133と、を有し、エンジン1の前後方向において第1ブローバイガス取り入れ部111と第2ブローバイガス取り入れ部112との間に設けられている。より具体的には、分離部330は、エンジン1の前後方向において第1オイルドレン161と第2オイルドレン162との間の中央部すなわち中央位置RPに設けられている。
インパクタ120は、ノズルあるいはオリフィスの機能を有している。インパクタ120の絞り孔121の軸121Cの方向は、Z方向である鉛直方向あるいは上下方向に沿っている、いわゆる縦型の絞り孔である。インパクタ120は、ブローバイガスBGを絞り孔121に沿って上方に向けて通すことで、ブローバイガスBGの流速を上昇させることができる流速上昇操作部である。インパクタ120は、仕切り壁部200のX方向に関して中央位置RPに配置されている。これにより、第1ブローバイガス取り入れ部111により取り入れられるブローバイガスBGと、第2ブローバイガス取り入れ部112により取り入れられるブローバイガスBGと、は、均等にインパクタ120へと案内される。インパクタ120は、絞り孔121に流入するブローバイガスBGの流速を高めた上で、ブローバイガスBGをフィルタ130へ導く。なお、絞り孔121の軸121Cの方向は、鉛直方向あるいは上下方向に限定されるわけではなく、Z方向に対して傾斜していてもよい。
図2〜図4に示すように、フィルタ130は、仕切り壁部200の上、すなわちインパクタ120の設定部400,400の上に交換可能に取り付けられている。フィルタ130は、ブローバイガスBGからオイルOLを分離する性能(すなわちオイルOLの分離性能)を向上させるための部材であり、例えばグラスウールやスチールウール等の材質により作られている。但し、フィルタ130の材質は、特に限定されるわけではない。フィルタ130は、衝突板133と、インパクタ120の設定部400,400と、の間に挟まれるようにして、取付用のネジ139,139により固定されている。つまり、フィルタ130の下面には、流速上昇操作部としてのインパクタ120が配置されている。フィルタ130の上面には、衝突板133が配置されている。衝突板133は、例えば金属板であり、インパクタ120の上面122に対して平行方向に延びている。衝突板133は、例えば2つの取付用のネジ139,139を通すためのネジ孔138,138を有する。本実施形態のネジ139は、本発明の「締結部材」の一例である。
図3および図4に表したように、インパクタ120の上面122には、インパクタ120の上面122から外側に向かって突出した凸部状の設定部400,400が設けられている。設定部400,400は、フィルタ130および衝突板133を第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって下方に傾斜させるための部分であり、具体的には、フィルタ130および衝突板133を所定の傾斜角度で傾斜させた状態で、着脱可能に固定するための部分である。但し、設定部400,400は、必ずしも、フィルタ130および衝突板133を第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって下方に傾斜させなくともよい。設定部400,400は、インパクタ120の上面122において円形状に盛り上がるように形成されている。各設定部400,400の位置は、衝突板133のネジ孔138,138の位置にそれぞれ対応している。各設定部400,400は、ブローバイガスBGから分離されたオイルOLを、オイル案内部としての第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ導く方向に傾斜して設けられている。
図3に示すように、2つの設定部400,400の間にはオイル案内隙間領域401が形成されている。オイル案内隙間領域401は、インパクタ120の上面122とフィルタ130の下面131との間に形成された空間である。つまり、設定部400,400は、インパクタ120の上面122とフィルタ130の下面131との間の空間としてオイル案内隙間領域401を形成する。図4に表したように、絞り孔121は、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の部分を貫通するように設けられている。インパクタ120の絞り孔121は、ブローバイガスBGの流速を上方向に沿って上昇させながらフィルタ130へ供給する。設定部400,400には、それぞれメネジ部402が設けられている。各取付用のネジ139は、衝突板133のネジ孔138およびフィルタ130を通り、設定部400のメネジ部402に締結される。これにより、フィルタ130は、衝突板133とインパクタ120の設定部400との間に、着脱可能に固定されている。言い換えれば、ネジ139は、設定部400に設けられたメネジ部402に締結されることにより、衝突板133とインパクタ120の設定部400との間にフィルタ130を保持する。
ここで、フィルタ130の脱落防止や保持性能の向上を考慮すると、前述したように、フィルタ130は、ネジ139などの締結部材を用いて保持されることが望ましい。しかし、前述したように、フィルタ130は、例えばグラスウールやスチールウール等の材質により作られている。そのため、単に締結部材を用いてフィルタ130を保持すると、締結部材のトルクに応じてフィルタ130の変形量が異なる。そうすると、フィルタ130の形状が安定しない。これにより、単に締結部材を用いてフィルタ130を保持すると、オイルOLの分離性能が不安定になることがある。
これに対して、図3および図4に表したように、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100では、変形抑制部材140が、インパクタ120の設定部400と、衝突板133と、の間に配置されている。変形抑制部材140は、例えば金属により形成されており、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する。変形抑制部材140は、孔141を有する筒状部材である。ここで、本願明細書において「筒状部材」とは、部材の長手方向に対して垂直方向の孔の断面形状が円形の部材だけに限定されるわけではなく、部材の長手方向に対して垂直方向の孔の断面形状が三角形、四角形、五角形および六角形などの多角形の部材を含むものとする。図3では、変形抑制部材140の一例として、断面形状が円形の孔141を有する円筒の部材を挙げている。但し、変形抑制部材140の例は、これだけに限定されるわけではなく、断面形状が多角形の孔を有する角筒の部材であってもよい。図4に表したように、変形抑制部材140の孔141の軸は、衝突板133に設けられたネジ孔138の軸および設定部400に設けられたメネジ部402の軸と略同一直線上に存在する。そして、変形抑制部材140の孔141は、ネジ139の軸部139bを通す。
すなわち、図4に表したように、ネジ139は、インパクタ120の設定部400に設けられたメネジ部402に締結される軸部139bと、軸部139bの一方の端部に設けられた頭部139aと、を有する。そして、図4に表したように、変形抑制部材140は、ネジ139の軸部139bを孔141に通した状態で、インパクタ120の設定部400と、ネジ139の頭部139aと、の間に配置されている。
図4に表したように、変形抑制部材140は、ネジ139の締結により衝突板133を介してネジ139の頭部139aから伝わる力F1と、ネジ139の締結によりインパクタ120の設定部400から伝わる力F2を筒状部材の端部142、143で受ける。具体的には、変形抑制部材140は、ネジ139の締結により衝突板133を介してネジ139の頭部139aから伝わる力F1を一方の端部(図4では上端部)142で受ける。また、変形抑制部材140は、ネジ139の締結によりインパクタ120の設定部400から伝わる力F2を他方の端部(図4では下端部)143で受ける。このようにして、変形抑制部材140は、フィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する。孔141の軸の方向における変形抑制部材140の長さL1は、フィルタ130の厚さL2と同じである。
ブローバイガスBGは、インパクタ120の絞り孔121に流入して上方向に向けて上昇することで、流速が上がる。流速の上がったブローバイガスBGは、フィルタ130を通って異物を除去され、衝突板133の下面に衝突することで、オイルOLと、ガスGと、に分離される。つまり、衝突板133は、フィルタ130を通ったブローバイガスBGを衝突させてオイルOLとガスGとに分離する。
分離部330によりブローバイガスBGから分離されたガスGは、フィルタ130から放出される。前述したように、案内壁部203は、仕切り壁部200と、ヘッドカバー4の上面部4Aと、の間に設けられている。そのため、フィルタ130から放出されたオイルOLのミストを含まないガスGは、案内壁部203により案内され上部領域4Qの通路135を通って、出口部40へ導かれる。
一方で、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLは、フィルタ130を通って落ちていき、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の上面122に落下する。インパクタ120の上面122に落下したオイルOLは、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の上面122に沿って流れ、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に向かって流れていく。
上述した構造を有する分離部330は、図2に示すX方向の中央位置RPに位置しており、ブローバイガスBGを、エンジン1の前側および後側からX方向の中央部に向かって集合させることができる集合部としての役割を果たす。このように、分離部330は、ヘッドカバー4のX方向に関して中央位置RPにあるので、ヘッドカバー4内において、X方向に関して前側および後側からブローバイガスBGを中央部に集めて、オイルOLと、オイルOLのミストを含まないガスGと、に分離することができる。
次に、オイル出口傾斜案内部500とオイル傾斜案内戻し部600とを、図3を参照して、説明する。
図3に表したように、オイル出口傾斜案内部500が、オイル案内隙間領域401と、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152と、の間に設けられている。オイル出口傾斜案内部500は、オイル案内隙間領域401におけるインパクタ120の上面122と、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152と、に接続され、インパクタ120の上面122から第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ向かって下がる方向に傾斜して形成されている。すなわち、オイル出口傾斜案内部500は、分離部330によりブローバイガスBGから分離されインパクタ120の上面122に沿って流れたオイルOLを、オイル案内部としての第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ導くために、インパクタ120の上面122から第1オイル案内溝部151と第2オイル案内溝部152へ向かって下がる方向に傾斜して形成されている。
オイル出口傾斜案内部500が水平面(X−Y平面)に対して傾斜している傾斜角度は、インパクタ120の上面122の水平面に対する傾斜角度よりも大きいことが望ましい。なお、インパクタ120の上面122は、水平面に対して必ずしも傾斜していなくともよく、水平面と平行であってもよい。オイル出口傾斜案内部500の水平面に対する傾斜角度がインパクタ120の上面122の水平面に対する傾斜角度よりも大きい場合には、分離部330によりブローバイガスBGから分離されインパクタ120の上面122に沿って流れ落ちてきたオイルOLがオイル出口傾斜案内部500を下る際に、オイルOLがインパクタ120の上面122を流れる際と比較してオイルOLの流速が速くなる。このため、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLをインパクタ120の上面122から第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へと速やかに導くことができる。また、オイルOLがインパクタ120の上面122に滞留しにくくなるので、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLが再びブローバイガスBG中に混入することを抑えることができる。
また、図3に表したように、オイル傾斜案内戻し部600が、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152からみてオイル出口傾斜案内部500とは反対側に設けられている。つまり、オイル出口傾斜案内部500が第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152の一方の側(分離部330が設けられた側)に設けられ、オイル傾斜案内戻し部600が第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152の他方の側に設けられている。オイル傾斜案内戻し部600は、オイル出口傾斜案内部500の最も下部の位置から、オイル出口傾斜案内部500の勾配とは逆勾配を有するように傾斜して形成されている。すなわち、図3に例示するように、オイル出口傾斜案内部500とオイル傾斜案内戻し部600とは、断面で見てほぼV字型に形成されている。オイル傾斜案内戻し部600の水平面に対する傾斜角度は、特に限定されるわけではなく、例えばオイル出口傾斜案内部500の水平面に対する傾斜角度と同程度か、あるいはオイル出口傾斜案内部500の水平面に対する傾斜角度よも小さい角度に設定されている。オイル傾斜案内戻し部600の水平面に対する傾斜角度は、例えば5度以上、10度以下程度である。オイル傾斜案内戻し部600の水平面に対する傾斜角度が5度よりも小さいと、オイル傾斜案内戻し部600に一時的に貯留もしくはプールされたオイルOLを、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ速やかに誘導しにくくなる。また、オイル傾斜案内戻し部600の水平面に対する傾斜角度が10度よりも大きいと、オイル傾斜案内戻し部600に一時的に貯留もしくはプールされたオイルOLを、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152へ誘導する速度が速すぎてしまい、オイルOLが反対側のオイル出口傾斜案内部500へ戻ってしまうおそれがある。
オイル傾斜案内戻し部600は、分離部330でブローバイガスBGから分離されたオイルOLがインパクタ120の上面122からオイル出口傾斜案内部500を経て流れてきたときに、オイルOLが流れてくる際の勢いによりオイル出口傾斜案内部500、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152から流出するのを防ぐために、オイルOLを一時的に貯留もしくはプールする。そして、オイル傾斜案内戻し部600は、オイルOLを第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に案内して戻す。このように、オイル傾斜案内戻し部600は、分離部330でブローバイガスBGから分離されたオイルOLを一時的に貯留し、第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152に案内して戻すための一時的なオイルのバッファ機能あるいはプール機能を有する。
図3に示すように、オイル出口傾斜案内部500の最も下の部分と、オイル傾斜案内戻し部600の最も下の部分と、は、互いに接続されている。オイル出口傾斜案内部500とオイル傾斜案内戻し部600との互いの接続位置は、X方向に沿って延びており、第1オイル案内溝部151と第2オイル案内溝部152との間に位置している。
図2に示す第1オイル案内溝部151は、溝形状を呈し、ヘッドカバー4の前面部4Bからフィルタ130の近傍にまで設けられ、フィルタ130からヘッドカバー4の前面部4Bへ向かって下方に傾斜している。同様にして、第2オイル案内溝部152は、溝形状を呈し、ヘッドカバー4の後面部4Cからフィルタ130の近傍にまで設けられ、フィルタ130からヘッドカバー4の後面部4Cへ向かって下方に傾斜している。第1オイル案内溝部151および第2オイル案内溝部152は、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLを案内する。第1オイル案内溝部151は、本発明の「第1オイル案内部」の具体的な構造例であり、フィルタ130から放出されるオイルOLを、図1のエンジン1が前側に傾斜した時にはX1方向で示す前方へ案内して前側の第1オイルドレン161に導くことができる。同様にして、第2オイル案内溝部152は、本発明の「第2オイル案内部」の具体的な構造例であり、フィルタ130から放出されるオイルOLを、図1のエンジン1が後側に傾斜した時にはX2方向で示す後方へ案内して後側の第2オイルドレン162に導くことができる。
第1オイル案内溝部151と第2オイル案内溝部152とは、上述したオイル出口傾斜案内部500とオイル傾斜案内戻し部600とを介して互いに繋がっている。
第1オイルドレン161は、エンジン1の前側に設けられ、例えば筒状を呈する。第1オイルドレン161は、仕切り壁部200の第1案内下面部231の前方位置において、ヘッドカバー4内においてZ1方向である下向きに設けられている。第1オイルドレン161は、逆止弁を有し、第1オイル案内溝部151により案内されたオイルOLを一時的に貯留するとともにエンジン1内に排出する。同様にして、第2オイルドレン162は、エンジン1の後側に設けられ、例えば筒状を呈する。第2オイルドレン162は、仕切り壁部200の第2案内下面部232の後方位置において、ヘッドカバー4内においてZ1方向である下向きに設けられている。第2オイルドレン162は、逆止弁を有し、第2オイル案内溝部152により案内されたオイルOLを一時的に貯留するとともにエンジン1内に排出する。
これにより、エンジン1が前側に傾くと、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLは、第1オイル案内溝部151によりX1方向に案内され、第1オイルドレン161に一時的に貯留された後、第1オイルドレン161を通じてZ1方向に排出される。同様にして、エンジン1が後側に傾くと、分離部330によりブローバイガスBGから分離されたオイルOLは、第2オイル案内溝部152によりX2方向に案内され、第2オイルドレン162に一時的に貯留された後、第2オイルドレン162を通じてZ1方向に排出される。ヘッドカバー4内において、第1オイルドレン161および第2オイルドレン162から排出されたオイルOLは、例えば図1に示すヘッドカバー4から上述したオイル戻し経路99を通じて、オイルパン7に回収される。あるいは、排出されたオイルOLは、例えば図示しないオイル容器に回収することも可能である。これにより、第1オイルドレン161および第2オイルドレン162から排出されるオイルOLは、エンジン1内に排出され、エンジン1の外部に漏れることがない。
以上説明したように、本実施形態に係るブローバイガス処理装置100およびエンジン1によれば、ブローバイガスBGをオイルOLとガスGとに分離する分離部330のフィルタ130は、ネジ139がインパクタ120の設定部400に設けられたメネジ部402に締結されることにより、インパクタ120の設定部400と衝突板133との間に保持される。ここで、変形抑制部材140が、インパクタ120の設定部400と衝突板133との間に配置されている。変形抑制部材140は、インパクタ120の設定部400と衝突板133との間に保持されたフィルタ130がネジ139の締結により変形することを抑制する。これにより、ネジ139を用いてフィルタ130を保持する場合において、フィルタ130の変形を抑制することができる。例えば、ネジ139のトルクに応じてフィルタ130の変形量が異なったり、フィルタ130の形状が不安定になったりすることを抑制することができる。これにより、ネジ139を用いてフィルタ130を保持する場合において、安定したオイルOLの分離性能を実現することができる。
また、変形抑制部材140は、ネジ139の軸部139bを通す孔141を有する筒状部材である。そして、変形抑制部材140は、ネジ139の軸部139bを変形抑制部材140の孔141に通した状態でインパクタ120の設定部400とネジ139の頭部139aとの間に配置されている。そのため、変形抑制部材140は、ネジ139の締結によりインパクタ120の設定部400およびネジ139の頭部139aから伝わる力F1、F2をインパクタ120の設定部400とネジ139の頭部139aとの間で受けることができる。そのため、変形抑制部材140は、インパクタ120の設定部400と衝突板133との間に保持されたフィルタ130がネジ139の締結により変形することをより確実に抑制することができる。これにより、ネジ139を用いてフィルタ130を保持する場合において、安定したオイルOLの分離性能をより確実に実現することができる。
また、変形抑制部材140は、ネジ139の締結により衝突板133を介してネジ139の頭部139aから伝わる力F1を一方の端部(図4では上端部)142で受け、ネジ139の締結によりインパクタ120の設定部400から伝わる力F2を他方の端部(図4では下端部)143で受ける。そのため、変形抑制部材140は、ネジ139の頭部139aから伝わる力であって衝突板133を介することで比較的均等化された力F1を一方の端部142で受けることができる。そのため、変形抑制部材140は、インパクタ120の設定部400と衝突板133との間に保持されたフィルタ130がネジ139の締結により変形することをより確実に抑制することができる。これにより、ネジ139を用いてフィルタ130を保持する場合において、安定したオイルOLの分離性能をより確実に実現することができる。
また、変形抑制部材140の孔141の軸方向における長さL1は、フィルタ130の厚さL2と同じである。そのため、変形抑制部材140は、フィルタ130が変形抑制部材140の孔141の軸方向における長さL1よりも短い長さに潰れることを抑制できる。そのため、ネジ139のトルクに応じてフィルタ130の変形量が異なることをより確実に抑えることができる。これにより、ネジ139を用いてフィルタ130を保持する場合において、安定したオイルOLの分離性能を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、本実施形態では、変形抑制部材140が筒状部材である場合を例に挙げた。但し、変形抑制部材140は、筒状部材であることに限定されず、例えば孔141の軸に沿って筒状部材が半分に切断された半筒状の部材であってもよい。また、本実施形態では、2つの変形抑制部材140が設けられた場合を例に挙げた。但し、変形抑制部材140の設置数は、2つに限定されるわけではなく、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
1:エンジン、 2:シリンダブロック、 3:シリンダヘッド、 4:ヘッドカバー、 4A:上面部、 4B:前面部、 4C:後面部、 4D:左右面部、 4P:下部領域、 4Q、4R:上部領域、 5:シリンダ、 6:クランクケース、 7:オイルパン、 8:ピストン、 9:クランク軸、 10:コンロッド、 11:動弁カム室、 12:動弁カム軸、 13:タペット、 14:タペットガイド孔、 15:プッシュロッド、 16:挿通孔、 17:ロッカーアーム、 18:スプリング、 19:吸気弁、 20:排気弁、 21:オイル流出孔、 22:オイル落下孔、 30:吸気通路、 31:排気通路、 40:出口部、 41:配管、 50:吸気配管、 50T:接続管、 52:エアクリーナ、 60:ターボチャージャ、 61:ブロア、 62:タービン、 70:ブローバイガス混合継手、 71:主配管、 72:副配管、 99:オイル戻し経路、 100:ブローバイガス処理装置、 101:主要構造部、 111:第1ブローバイガス取り入れ部、 112:第2ブローバイガス取り入れ部、 120:インパクタ、 121:絞り孔、 121C:軸、 122:上面、 130:フィルタ、 131:下面、 133:衝突板、 135:通路、 138:ネジ孔、 139:ネジ、 139a:頭部、 139b:軸部、 140:変形抑制部材、 141:孔、 142、143:端部、 151:第1オイル案内溝部、 152:第2オイル案内溝部、 161:第1オイルドレン、 162:第2オイルドレン、 200:仕切り壁部、 203:案内壁部、 231:第1案内下面部、 232:第2案内下面部、 295:案内板、 330:分離部、 400:設定部、 401:オイル案内隙間領域、 402:メネジ部、 500:オイル出口傾斜案内部、 600:オイル傾斜案内戻し部、 AR:吸気、 B:吸入空気、 BG:ブローバイガス、 C:吸入空気、 F1、F2:力、 G:ガス、 OL:オイル

Claims (5)

  1. エンジンに生じるブローバイガスを処理するブローバイガス処理装置であって、
    ブローバイガス取り入れ部から取り入れられた前記ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部を備え、
    前記分離部は、
    前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
    前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
    前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
    前記流速上昇操作部に締結され、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に前記フィルタを保持する締結部材と、
    前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、
    を有することを特徴とするブローバイガス処理装置。
  2. 前記締結部材は、
    前記流速上昇操作部に締結される軸部と、
    前記軸部の一方の端部に設けられた頭部と、
    を有し、
    前記変形抑制部材は、前記軸部を通す孔を有する筒状部材であり、前記軸部を前記孔に通した状態で前記流速上昇操作部と前記頭部との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のブローバイガス処理装置。
  3. 前記変形抑制部材は、前記締結部材の締結により前記衝突板を介して前記頭部から伝わる力および流速上昇操作部から伝わる力を前記筒状部材の端部で受けることを特徴とする請求項2に記載のブローバイガス処理装置。
  4. 前記孔の軸の方向における前記変形抑制部材の長さは、前記フィルタの厚さと同じであることを特徴とする請求項2または3に記載のブローバイガス処理装置。
  5. エンジンに生じるブローバイガスを処理するブローバイガス処理装置を備えるエンジンであって、
    前記ブローバイガス処理装置は、
    ブローバイガス取り入れ部から取り入れられた前記ブローバイガスをオイルとガスとに分離する分離部を有し、
    前記分離部は、
    前記ブローバイガスの流速を上昇させる流速上昇操作部と、
    前記流速上昇操作部により流速の上がった前記ブローバイガスを通すフィルタと、
    前記フィルタを通った前記ブローバイガスを衝突させて前記オイルと前記ガスとに分離する衝突板と、
    前記流速上昇操作部に締結され、前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に前記フィルタを保持する締結部材と、
    前記流速上昇操作部と前記衝突板との間に配置され、前記フィルタが前記締結部材の締結により変形することを抑制する変形抑制部材と、
    を有することを特徴とするエンジン。

JP2020138129A 2020-03-16 2020-08-18 ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン Active JP6933761B1 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020138129A JP6933761B1 (ja) 2020-08-18 2020-08-18 ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
US17/786,494 US11739669B2 (en) 2020-03-16 2021-03-09 Blow-by gas treating device and engine including blow-by gas treating device
PCT/JP2021/009371 WO2021187250A1 (ja) 2020-03-16 2021-03-09 ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
EP21771985.5A EP4123131A4 (en) 2020-03-16 2021-03-09 DEVICE FOR BLOW-BY GAS TREATMENT AND MOTOR COMPRISING SUCH A BLOW-BY GAS TREATMENT DEVICE
CN202180007285.XA CN114846225A (zh) 2020-03-16 2021-03-09 窜漏气体处理装置以及具有窜漏气体处理装置的发动机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020138129A JP6933761B1 (ja) 2020-08-18 2020-08-18 ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6933761B1 true JP6933761B1 (ja) 2021-09-08
JP2022034370A JP2022034370A (ja) 2022-03-03

Family

ID=77550045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020138129A Active JP6933761B1 (ja) 2020-03-16 2020-08-18 ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6933761B1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS564802Y2 (ja) * 1972-09-19 1981-02-02
JPS6039718U (ja) * 1983-08-27 1985-03-19 トヨタ自動車株式会社 ブロ−バイガスのオイル分離装置
JPH0218259Y2 (ja) * 1986-06-02 1990-05-22
JPS632822U (ja) * 1986-06-24 1988-01-09
JPH0653709U (ja) * 1992-12-25 1994-07-22 株式会社クボタ 縦乃至傾斜型の頭上弁式多気筒エンジンのブリーザ装置
US6290738B1 (en) * 1999-07-16 2001-09-18 Nelson Industries, Inc. Inertial gas-liquid separator having an inertial collector spaced from a nozzle structure
JP2010248934A (ja) * 2009-04-10 2010-11-04 Toyota Boshoku Corp オイルセパレータ
JP6347736B2 (ja) * 2014-12-18 2018-06-27 株式会社マーレ フィルターシステムズ オイルミストセパレータ
JP6790870B2 (ja) * 2017-01-25 2020-11-25 トヨタ紡織株式会社 オイルミストセパレータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022034370A (ja) 2022-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3184765B1 (en) Oil separator
JP5778009B2 (ja) 内燃機関のヘッドカバー構造
JP4639999B2 (ja) 内燃機関のオイル戻し構造
EP3273019A1 (en) Gas-liquid separation device for blow-by gas in engine and engine
JP6702037B2 (ja) オイルセパレータ
JP6200074B2 (ja) エンジン
WO2021187250A1 (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP6933761B1 (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
CN100451302C (zh) 发动机的通气装置
EP2050935A2 (en) Blow-by gas processing device for internal combustion engine
JP2007064155A (ja) オイルミスト処理装置
JP6010011B2 (ja) 内燃機関のブリーザシステム
JP6970252B1 (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP6970228B2 (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP2005201159A (ja) 2サイクルエンジン
JP6970253B1 (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP2007009746A (ja) オイルミスト処理装置
WO2012073586A1 (ja) 4ストロークエンジンの気液分離装置及び4ストロークエンジンの潤滑装置
JP2023094477A (ja) ブローバイガス処理装置
JP2022034371A (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP2004084646A (ja) 内燃機関
JP2022061558A (ja) ブローバイガス処理装置およびブローバイガス処理装置を備えるエンジン
JP2013147949A (ja) ブローバイガス処理装置
JP2016194276A (ja) 内燃機関およびオイルセパレータ
JP4528734B2 (ja) エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210621

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6933761

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150