JP6933011B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Description
また、内部電極層がNiを含み、硫黄Sが存在する領域では、Niに対する硫黄濃度が0.9mol%以上、かつ11.1mol%以下の範囲にある場合は、より安定して静電容量の向上を図ることができる。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図である。図3は、
この発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面
図である。
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と複数の内部電極層16を含む。また、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。また、積層体12は、角部または稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。さらに、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの主面、側面、端面の一部または全体に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12の誘電体層14は外層部14aと内層部14bとを含む。外層部14aは、積層体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する誘電体層14、および第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層との間に位置する誘電体層14、である。そして、両外層部に挟まれた領域が内層部14bである。
積層体12の複数の内部電極層16は、略矩形状の複数の第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bは、積層体12の積層方向xに沿って誘電体層14を挟んで等間隔に交互に配置されるよう積層される。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極層16bの一端に位置し、第2の対極電極部18bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
さらに、積層体12は、第1の内部電極層16aの第1引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの第2引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
図4に示すように、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bと誘電体層14との界面16cおよびその界面16cから内部電極層の厚み方向に沿って内部電極層の内部電極側に5nm入った領域(界面近傍領域)16dにおいて、硫黄Sが存在しており、内部電極層の厚み方向中央部(内部電極中央領域)には、硫黄Sが存在しない。なお、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bと誘電体層14との界面16cおよび界面近傍領域16dにおいて、硫黄Sの検出は、TEM−EDX(透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)を用いて確認することができる。また、硫黄濃度(S濃度)による静電容量の変化の測定は、自動ブリッジ式測定器を用いて確認することができる。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して、第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dのそれぞれの一部を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aと電気的に接続される。
第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して、第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dのそれぞれの一部を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極は、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bと電気的に接続される。
第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dのそれぞれを覆うように形成される。もっとも、第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面上にのみ配置されていてもよい。
ここで、焼付け層で形成された第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26bについて説明する。
同様に、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bを覆うように配置される。具体的には、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層26bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2の下地電極層26bが、積層体12の第2の端面12fの表面上にのみ配置される場合には、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bの表面のみを覆うように設けられていればよい。
また、めっき層は、複数層により形成されていてもよい。この場合、Niめっき層、Snめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層は、下地電極層の表面を覆うように設けられることで、下地電極層が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されることを防止するために用いられる。Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
第1の下地電極層26aは、第1の内部電極層16aと直接接続されるめっき層から構成され、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dのそれぞれを覆うように形成される。
第2の下地電極層26bは、第2の内部電極層16bと直接接続されるめっき層から構成され、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、および、第2の側面12dのそれぞれを覆うように形成される。
このような場合、前処理として積層体の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
例えば、下層めっき電極は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。また、第1の内部電極16aおよび第2の内部電極16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。
なお、上層めっき電極は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bのそれぞれは、下層めっき電極のみで構成されてもよい。上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
次に本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
この積層セラミックコンデンサ10を作製するために、誘電体層14の材料が準備される。最初に、BaCO3粉末、TiO2粉末を所定量秤量し、ボールミルにより一定時間混合した後、熱処理を行い、主成分のBaTiO3粉末が得られる。
次に、この誘電体セラミック原料にポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール等の有機溶剤を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーが調整される。このセラミックスラリーをドクターブレード法によりシート成形することにより、短形のセラミックグリーンシートAが得られる。セラミックグリーンシートAの厚みは、例えば、2.2μmである。
L方向1/2程度において、試料の内部電極層が積層されている領域をT方向に三等分に分割し、それぞれのW方向における中央部を上部領域、中央領域、下部領域と3つの領域に分け(図5)、その3つの領域のそれぞれにおいて集束イオンビーム(FIB)によるマイクロサンプリング加工法を用いて、薄片化した分析試料を準備する。薄片試料厚みは60nm以下となるように加工する。なお、FIB加工時に形成された試料表面のダメージ層は、Arイオンミリングによって除去する。分析試料の加工には、FIBはSMI3050SE(セイコーインスツル社製)を、ArイオンミリングはPIPS(Gatan社製)を用いる。
また、内部電極層がNiを含み、硫黄Sが存在する領域では、Niに対する硫黄濃度(S濃度)(mol%)が0.9mol%以上、かつ11.1mol%以下の範囲にある場合は、より安定して静電容量の向上を図ることができる。
次に上述した本発明にかかる積層セラミックコンデンサ10の効果を確認するために、積層セラミックコンデンサの内部電極内の硫黄濃度および静電容量を測定した。
以下、上述の製造方法を使用して、以下の条件に基づいて実験例の各試料(試料番号1ないし試料番号8)の積層コンデンサが作製された。
最初に、BaCO3粉末、TiO2粉末を所定量秤量し、ボールミルにより一定時間混合した後、熱処理を行い、主成分のBaTiO3粉末を得た。
次に、この誘電体セラミック原料にポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール等の有機溶剤を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを調整した。このセラミックスラリーをドクターブレード法によりシート成形し、厚み2.2μmのセラミックグリーンシート1−Aおよび厚み2.8μmのセラミックグリーンシート1−Bを得た。
線の断面のL方向1/2程度において、試料の内部電極層が積層されている領域をT方向に3等分に分割し、それぞれのW方向における中央部を上部領域、中央領域、下部領域と3つの領域に分け、その3つの領域のそれぞれにおいてFIBによるマイクロサンプリング加工法を用いて、薄片化した分析試料を準備した。
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
14a 外層部
14b 内層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
16c 界面
16d 界面近傍領域
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28a 第1のめっき層
28b 第2のめっき層
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向
Claims (1)
- 積層された複数の誘電体層を含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
前記誘電体層と交互に積層され、前記端面に露出する複数の内部電極層と、
前記内部電極層に接続され、前記端面上に配置される外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサにおいて、
前記内部電極層と前記誘電体層との界面および前記界面から前記内部電極層の厚み方向に沿って内部電極層側に5nm入った領域において、硫黄Sが存在しており、前記内部電極層の厚み方向中央部には、硫黄Sが存在せず、
前記内部電極層はNiを含み、前記硫黄Sが存在する領域では、Niに対する硫黄濃度が0.9mol%以上、かつ11.1mol%以下の範囲にある、積層セラミックコンデンサ。
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