JP6932638B2 - Atp測定におけるatp分解活性の低減方法 - Google Patents
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Description
ルシフェリン+ATP+O2→オキシルシフェリン+アデノシン一リン酸(AMP)+ピロリン酸(PPi)+CO2+光
ルシフェラーゼは細菌、原生動物、軟体動物、昆虫などに見出される。ルシフェラーゼを有する昆虫としては甲虫、例えばホタルやコメツキムシが挙げられる。ルシフェラーゼ遺伝子は多数単離されておりその塩基配列も決定されている。
[1] 細胞抽出剤、ATP検出剤、及び1以上の界面活性剤ではないATP分解抑制剤を含むATP測定試薬を試料に添加する単一工程を含むATPを測定する方法。
[2] 前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、ATP分解酵素によるATP分解反応における反応生成物である、1に記載の方法。
[3] 前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アセチルリン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA、D-システイン及びその組み合わせからなる群より選択される、1に記載の方法。
[4] 前記ATP分解酵素によるATP分解反応における反応生成物が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アセチルリン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA及びその組み合わせからなる群より選択される、2に記載の方法。
[5] 前記ATP測定試薬が1以上のATP生成能を有する酵素をさらに含む、1〜4のいずれかに記載の方法。
[6] ATP生成能を有する酵素が、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸−リン酸ジキナーゼ、クレアチンキナーゼ、酢酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、フルクトースビスホスファターゼ及びその組み合わせからなる群より選択される、5に記載の方法。
[7] 試料が、微生物、培養細胞、又は微生物を含む可能性のある培地を含む、1〜6のいずれかに記載の方法。
[8] ATP検出剤がルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む、1〜7のいずれかに記載の方法。
[9] ATP測定により細胞の生死判定を行う、1〜8のいずれかに記載の方法。
[10] 細胞抽出剤、ATP検出剤、及び1以上の界面活性剤ではないATP分解抑制剤を含む、単一工程による測定のためのATP測定組成物。
[11] 前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、ATP分解酵素によるATP分解反応における反応生成物である、10に記載の組成物。
[12] 前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アセチルリン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA、D-システイン及びその組み合わせからなる群より選択される、10に記載の組成物。
[13] 前記ATP分解酵素によるATP分解反応における反応生成物が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アセチルリン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA及びその組み合わせからなる群より選択される、11に記載の組成物。
[14] さらに1以上のATP生成能を有する酵素を含む、10〜13のいずれかに記載の組成物。
[15] ATP生成能を有する酵素が、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸−リン酸ジキナーゼ、クレアチンキナーゼ、酢酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、フルクトースビスホスファターゼ及びその組み合わせからなる群より選択される、14に記載の組成物。
[16] ATP検出剤がルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む、10〜15のいずれかに記載の組成物。
細胞抽出剤
細胞抽出剤としては典型的には界面活性剤が挙げられ、他にはリゾチーム(EC 3.2.1.17)などの細胞溶解試薬及びこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態において、本発明に用いることのできる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、例えばTriton-X100、Triton X-45、Tween20、Tween60、Tween80、Span60、Span80、Thesitが挙げられるがこれに限らない。カチオン性界面活性剤としては第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、イソキノニウム塩、アルキルイソキノニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム又はベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、デシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミドテトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、エイコシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミドが挙げられる。ピリジニウム塩としては、例えば、1−デシルピリジニウムクロリド又はブロミド、1−ドデシルピリジニウムクロリド又はブロミド、1−テトラデシルピリジニウムクロリド又はブロミド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロリド又はブロミド、N−セチル−2−メチルピリジニウムクロリド、N−セチル−3−メチルピリジニウムクロリド、N−セチル−4−メチルピリジニウムクロリド、1−オクタデシルピリジニウムクロリド又はブロミド、1−エイコシルピリジニウムクロリド又はブロミドが挙げられる。ホスホニウム塩としては、例えば、テトラエチルホスホニウムクロリド又はブロミド、トリブチルメチルホスホニウムクロリド、ブロミド又はヨージド、テトラブチルホスホニウムクロリド又はブロミド、テトラ−n−オクチルホスホニウムクロリド又はブロミド、トリブチルドデシルホスホニウムクロリド又はブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムクロリド又はブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリド、ブロミド又はヨージド、テトラフェニルホスホニウムクロリド又はブロミドが挙げられる。両性イオン性界面活性剤としてはスルホベタイン系界面活性剤、例えばスルホベタイン3-10、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、CHAPS、CHAPSO、Big Chap、Brij等が挙げられるがこれに限らない。アニオン性界面活性剤としては、デオキシコール酸塩、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルファーオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩及び天然脂肪酸のアルカリ金属塩などが挙げられ、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。
ある実施形態において、ATP検出剤は、ルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む。この場合、マグネシウム、マンガン、カルシウムなどの金属イオンも含まれうる。ルシフェラーゼによりATP、O2及びルシフェリンはAMP、ピロリン酸、CO2及びオキシルシフェリンに変換され、このとき発光がもたらされる。ルシフェラーゼは、天然ルシフェラーゼでもよく、遺伝子工学的に操作された組換えルシフェラーゼ変異体であってもよい。ルシフェラーゼ変異体は、部位特異的突然変異導入又はランダム突然変異導入されたものであってもよい。他の機能を有するタンパク質との融合タンパク質でもよい。ルシフェラーゼ変異体は、耐熱性が向上したもの、界面活性剤耐性が向上したもの等、所望の性質を有するものでありうる。
本発明の方法は、測定系に内在するATP分解酵素活性を抑制するためにATP分解抑制剤を用いる。本明細書においてATP分解酵素とは、基質ATPを分解するか又はATPを別の化合物に変換する反応を触媒する酵素をいうものとする。したがって本明細書においてATP分解酵素は、ATPアーゼ(EC 3.6.1.3)やホスファターゼ等、ATPを分解する酵素のみならず、キナーゼのようなリン酸転移酵素を含む各種転移酵素や脱アミノ基反応を触媒するデアミナーゼ等の酵素、さらにはATPに官能基を付与したり、アデニル酸転移酵素やRNAポリメラーゼ等、ATPを他の化合物と結合させたりする酵素等、すなわち、ATPを別の化合物に変換する酵素も包含する。そのためATP分解酵素は、ATPを基質とする酵素と呼ぶこともでき、本明細書ではこれらの用語は相互に交換可能である。ATP分解酵素は、試料が細胞であれば、培地や培地に含まれる血清、細胞に内在する酵素が考えられるが、そのほか、培地に含まれる細胞外ATPを消去するために加えたATP分解酵素等も含まれる。
ある実施形態において、本発明の方法は、前記単一工程において1以上のATP生成能を有する酵素も添加する態様を含む。すなわちATP測定試薬は1以上のATP生成能を有する酵素を含み得る。系内に存在するATP分解酵素は1種類ではなく、複数種類のATP分解酵素が含まれている場合が多く、界面活性剤でないATP分解抑制剤により、すべてのATP分解活性を完全に停止されることが困難な場合もある。その場合、ATP分解して生じたADPなどの化合物をATP生成能を有する酵素でATPに変換することにより、安定してシグナルを得ることができる。
PEP+ADP→ピルビン酸+ATP
逆方向の反応は、糖新生において、ピルビン酸カルボキシラーゼ及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼが触媒し、ATP及びピルビン酸からPEP及びADPを生じる。細胞抽出を行うと、系には種々の酵素が混在し、上記反応は両方向進行しうる。その際、ホスホエノールピルビン酸が高濃度に存在するとADPがATPに変換され得る。また、ホスホエノールピルビン酸のみならずピルビン酸キナーゼが系に存在すれば、よりADPがATPに変換されると考えられる。
クレアチン+ATP←→クレアチンリン酸+ADP
クレアチンキナーゼ(CK)は別名をクレアチンホスホキナーゼ(CPK)又はホスホクレアチンキナーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。通常、動物の筋肉などではクレアチン及びATPからクレアチンリン酸及びADPを生じる。しかしながらこの反応は可逆反応であり、系にクレアチンリン酸及びADPが高濃度で存在すると、反応は逆方向に進行し、クレアチン及びATPが生じうる。生体内では細胞質性クレアチンキナーゼは2つのサブユニットB又はMから構成される。したがってサブユニットの組み合わせにより3種のアイソザイム、CK-MM、CK-BB及びCK-MBが存在しうる。アイソザイムパターンは組織によって異なるが、本発明ではどのような組み合わせも使用可能である。
ATP+ピルビン酸+リン酸←→AMP+PEP+PPi
ピルビン酸−リン酸ジキナーゼ(PPDK)は別名をATP:ピルビン酸,リン酸ホスホトランスフェラーゼ、ピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ、ピルビン酸リン酸リガーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。PPDKは通常、ピルビン酸をPEPに変換し、そのプロセスでATPが1分子消費されAMPに変換される。反応は次の3つの可逆反応に分けられる。
1.酵素PPDKがATPに結合し、AMPに変換と二リン酸化PPDKを生じる。
2.二リン酸化PPDKが無機リン酸に結合し、二リン酸と一リン酸化PPDKを生じる。
3.一リン酸化PPDKがピルビン酸に結合し、PEPを生じるとともにPPDKを再び生じする。
3.PEPがPPDKに結合し、一リン酸化PPDK及びピルビン酸を生じる。
2.二リン酸と一リン酸化PPDKから二リン酸化PPDKと無機リン酸が生じる。
1.二リン酸化PPDKとAMPからPPDKとATPが生じる。
ATP+酢酸←→ADP+アセチル化リン酸
酢酸キナーゼ(AK)は別名をATP:酢酸ホスホトランスフェラーゼ、アセチルキナーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。生体内ではATP及び酢酸から、ADP及びアセチル化リン酸を生じ、最終的にはアセチルCoAを生成する反応を促進する。系にアセチルCoAから生じたアセチル化リン酸及びADPが存在する場合、これを酢酸及びATPに変換しうる。
ADP+PolyPn←→ATP+PolyPn-1
ポリリン酸キナーゼ(PPK)は別名をATP:ポリリン酸ホスホトランスフェラーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。PPKは生体内では酸化的リン酸化に関与する。系にポリリン酸(n)及びADPが存在する場合、これをポリリン酸(n-1)及びATPに変換しうる。
ATP+リボフラビン←→ADP+FMN
リボフラビンキナーゼはATP:リボフラビン5'-ホスホトランスフェラーゼ(フラボキナーゼともいう)に属する。
Fru6P+ATP←→Fru1,6-BP+ADP
ホスホフルクトキナーゼ1はホスホフルクトキナーゼに属する。本明細書ではホスホフルクトキナーゼ1をFru-1,6BPKと記載することがある。
Fru1,6-BP+ADP←→Fru6P+ATP
フルクトースビスホスファターゼはFBP、FBP1とも記載されることがある。
CrPと、PEP、AcP、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合1-1〜2種混合1-10、あるいはまとめて2種混合1と表記する)、
PEPと、AcP、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合2-1〜2種混合2-9、あるいはまとめて2種混合2と表記する)、
AcPと、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合3-1〜2種混合3-8、あるいはまとめて2種混合3と表記する)、
Fru-1,6BPと、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合4-1〜2種混合4-7、あるいはまとめて2種混合4と表記する)、
FMNPと、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合5-1〜2種混合5-6、あるいはまとめて2種混合5と表記する)、
IDPと、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合6-1〜2種混合6-5、あるいはまとめて2種混合6と表記する)、
polyPnと、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合7-1〜2種混合7-4、あるいはまとめて2種混合7と表記する)、
PPiと、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合8-1〜2種混合8-3、あるいはまとめて2種混合8と表記する)、
Pと、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ2種混合9-1〜2種混合9-2、あるいはまとめて2種混合9と表記する)、
AcCoAとD-Cysとの組み合わせ(2種混合10と表記する)、
AcP及びCrPと、PEP、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合1-1〜3種混合1-9、あるいはまとめて3種混合1と表記する)、
AcP及びPEPと、CrP、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合2-1〜3種混合2-9、あるいはまとめて3種混合2と表記する)、
CrP及びPEPと、AcP、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合3-1〜3種混合3-9、あるいはまとめて3種混合3と表記する)、
AcP及びFru-1,6BPと、CrP、PEP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合4-1〜3種混合4-9、あるいはまとめて3種混合4と表記する)、
AcP及びFMNPと、CrP、PEP、Fru-1,6BP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合5-1〜3種混合5-9、あるいはまとめて3種混合5と表記する)、
CrP及びFru-1,6BPと、AcP、PEP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合6-1〜3種混合6-9、あるいはまとめて3種混合6と表記する)、
CrP及びFMNPと、AcP、Fru-1,6BP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合7-1〜3種混合7-9、あるいはまとめて3種混合7と表記する)、
PEP及びFru-1,6BPと、CrP、AcP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合8-1〜3種混合8-9、あるいはまとめて3種混合8と表記する)、
PEP及びFMNPと、CrP、AcP、Fru-1,6BP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合9-1〜3種混合9-9、あるいはまとめて3種混合9と表記する)、
Fru-1,6BP及びFMNPと、CrP、AcP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ3種混合10-1〜3種混合10-9、あるいはまとめて3種混合10と表記する)、
AcP及びCrP及びPEPと、Fru-1,6BP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合1-1〜4種混合1-8、あるいはまとめて4種混合1と表記する)、
AcP及びCrP及びFMNPと、Fru-1,6BP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合2-1〜4種混合2-8、あるいはまとめて4種混合2と表記する)、
AcP及びCrP及びFru-1,6BPと、FMNP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合3-1〜4種混合3-8、あるいはまとめて4種混合3と表記する)、
AcP及びPEP及びFMNPと、CrP、Fru-1,6BP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合4-1〜4種混合4-8、あるいはまとめて4種混合4と表記する)、
AcP及びPEP及びFru-1,6BPと、CrP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合5-1〜4種混合5-8、あるいはまとめて4種混合5と表記する)、
AcP及びFMNP及びFru-1,6BPと、CrP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合6-1〜4種混合6-8、あるいはまとめて4種混合6と表記する)、
CrP及びPEP及びFru-1,6BPと、AcP、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合7-1〜4種混合7-8、あるいはまとめて4種混合7と表記する)、
CrP及びPEP及びFMNPと、AcP、Fru-1,6BP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合8-1〜4種混合8-8、あるいはまとめて4種混合8と表記する)、
PEP及びFru-1,6BP及びFMNP及と、AcP、CrP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合9-1〜4種混合9-8、あるいはまとめて4種混合9と表記する)、
CrP及びFru-1,6BP及びFMNPと、AcP、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ4種混合10-1〜4種混合10-8、あるいはまとめて4種混合10と表記する)、
AcP及びCrP及びPEP及びFru-1,6BPと、FMNP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ5種混合1-1〜5種混合1-7、あるいはまとめて5種混合1と表記する)、
AcP及びCrP及びPEP及びFMNPと、Fru-1,6BP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ5種混合2-1〜5種混合2-7、あるいはまとめて5種混合2と表記する)、
AcP及びCrP及びFMNP及びFru-1,6BPと、PEP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ5種混合3-1〜5種混合3-7、あるいはまとめて5種混合3と表記する)、
AcP及びFMNP及びPEP及びFru-1,6BPと、CrP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ5種混合4-1〜5種混合4-7、あるいはまとめて5種混合4と表記する)、
FMNP及びCrP及びPEP及びFru-1,6BPと、AcP、IDP、polyPn、PPi、Pi、AcCoA又はD-Cysのいずれかとの組み合わせ(それぞれ5種混合5-1〜5種混合5-7、あるいはまとめて5種混合5と表記する)。
CrP/PEP/AcP/Fru-1,6BP/FMNP(5種混合1-1)
---/PEP/AcP/Fru-1,6BP/FMNP(4種混合5-2)
CrP/---/AcP/Fru-1,6BP/FMNP(4種混合2-2)
CrP/PEP/---/Fru-1,6BP/FMNP(4種混合7-2)
CrP/PEP/AcP/---------/FMNP(4種混合1-4)
CrP/PEP/AcP/Fru-1,6BP/----(4種混合1-5)
CrP/PEP/AcP/---------/----(3種混合1-1)。
クレアチンリン酸(CrP)についてはクレアチンキナーゼ(CK)、
ホスホエノールピルビン酸(PEP)についてはピルビン酸−リン酸ジキナーゼ(PPDK)および/またはピルビン酸キナーゼ(PK)、
アセチルリン酸(AcP)については酢酸キナーゼ(AK)、
フルクトース1,6−ビスリン酸(Fru-1,6BP)についてはホスホフルクトキナーゼ(Fru-1,6BPK)および/またはフルクトースビスホスファターゼ(FBPase)、
リン酸リボフラビン(FMNP)についてはリボフラビンキナーゼ(FMNK)、
イノシン5’−二リン酸(IDP)については、クレアチンキナーゼ(CK)、ピルビン酸キナーゼ(PK)、酢酸キナーゼ(AK)、アルカリホスファターゼ(ALP)、および/または酸性ホスファターゼ(ACP)、
ポリリン酸(polyPn)についてはポリリン酸キナーゼ(PPK)、
ピロリン酸(PPi)についてはアデニル酸転移酵素、アデニル酸シクラーゼ、および/またはRNAポリメラーゼ、
リン酸(Pi)についてはアルカリホスファターゼ(ALP)、および/または酸性ホスファターゼ(ACP)。
4種混合5-2と、PKおよび/またはPPDK、AK、Fru-1,6BPKおよび/またはFBPase、FMNKのいずれか1以上、2以上、3以上若しくは4以上との組み合わせ(例えば4種混合5-2+PK、4種混合5-2+PPDK、4種混合5-2+AK、4種混合5-2+Fru-1,6BPK、4種混合5-2+FBPase、4種混合5-2+FMNK)、
4種混合2-2と、CK、AK、Fru-1,6BPKおよび/またはFBPase、FMNKのいずれか1以上、2以上、3以上若しくは4以上との組み合わせ(例えば4種混合2-2+CK、4種混合2-2+AK、4種混合2-2+Fru-1,6BPK、4種混合2-2+FBPase、4種混合2-2+FMNK等)、
4種混合7-2と、CK、PKおよび/またはPPDK、Fru-1,6BPKおよび/またはFBPase、FMNKのいずれか1以上、2以上、3以上若しくは4以上との組み合わせ(例えば4種混合7-2+CK、4種混合7-2+PK、4種混合7-2+PPDK、4種混合7-2+Fru-1,6BPK、4種混合7-2+FBPase、4種混合7-2+FMNK等)、
4種混合1-4と、CK、PKおよび/またはPPDK、AK、FMNKのいずれか1以上との組み合わせ(例えば4種混合1-4+CK、4種混合1-4+PK、4種混合1-4+PPDK、4種混合1-4+AK、4種混合1-4+FMNK等)、4種混合1-5と、CK、PKおよび/またはPPDK、AK、Fru-1,6BPKおよび/またはFBPaseのいずれか1以上、2以上、3以上若しくは4以上との組み合わせ(例えば4種混合1-5+CK、4種混合1-5+PK、4種混合1-5+PPDK、4種混合1-5+AK、4種混合1-5+Fru-1,6BPK、4種混合1-5+FBPase等)、
3種混合1-1と、AK、CK、PKおよび/またはPPDKのいずれか1以上、2以上若しく3以上との組み合わせ(例えば3種混合1-1+AK、3種混合1-1+CK、3種混合1-1+PK、3種混合1-1+PPDK、例えば3種混合1-1+AK+CK、3種混合1-1+AK+PK、3種混合1-1+AK+PPDK、3種混合1-1+CK+PK、3種混合1-1+CK+PPDK、3種混合1-1+PK+PPDK、例えば3種混合1-1+AK+CK+PK、3種混合1-1+AK+CK+PPDK等)。
以下にルシフェラーゼを用いたアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
ルシフェリン 1.5mM
酢酸マグネシウム 10mM
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 1mM
ジチオトレイトール 0.1mM
BSA 0.4重量%
トリシン(pH 7.8) 100mM
Triton-X100 1重量%
上記のATP測定試薬0.1mLにATPを含む試料溶液0.1mLを添加し発光を測定する。発光量の測定は、MicroLumat Plus LB96V(ベルトールド社製)を用いて以下の設定条件で測定を行った。
測定温度: 25℃
測定時間: 30分
発光は、ある基準を定めて、それに対する相対発光単位(RLU)と記載することができる。ATP濃度が既知の基質溶液を用いて検量線を作成する。次いで、ATP濃度未知の試料溶液に上記のATP測定試薬を添加し同じ条件で発光を測定する。
細胞抽出液に含まれるATP分解酵素のATPに対する影響を調べるために、ルシフェリン及びヘイケボタル由来ルシフェラーゼ(キッコーマンバイオケミファ社、カタログ番号61314、以下、実施例1〜4及び6において同じ)を含む従来の発光試薬を細胞懸濁液にそのまま使用した。発光試薬の組成は以下のとおりである。溶液のpHは7.8とする。
トリシン 100mM
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 1mM
酢酸マグネシウム 10mM
ジチオトレイトール(DTT) 0.1mM
ウシ血清アルブミン(BSA) 0.4重量%
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
手順としてはThermo社製の96ウェルプレートに、0.1mL B16メラノーマ細胞懸濁液及び0.1mLの上記組成の発光試薬を混合し、MicroLumat Plus LB 96V装置(ベルトールド社製)を用いてその発光量を測定した。測定は60秒毎に行った。
界面活性剤ではないATP分解抑制剤の検討
上記の問題に鑑み、細胞懸濁液に含まれる内因性ATP分解酵素による発光量の減衰を抑制すべく種々の界面活性剤ではないATP分解抑制剤を検討した。発光試薬は以下を含む。溶液のpHは7.8とする。
トリシン 100mM
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 1mM
酢酸マグネシウム 10mM
ジチオトレイトール(DTT) 0.1mM
ウシ血清アルブミン(BSA) 0.4重量%
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
さらに、発光量の減衰を抑制するために界面活性剤ではないATP分解抑制剤として次のものを試験した。
ポリリン酸
ピロリン酸
リン酸
アセチルリン酸
クレアチンリン酸
ホスホエノールピルビン酸(PEP)
アセチルCoA
D-システイン
手順としてはThermo社製の96ウェルプレートに、0.1mL B16メラノーマ細胞懸濁液及び0.1mLの各界面活性剤ではないATP分解抑制剤を含有する発光試薬(2mM)を混合し、MicroLumat Plus LB 96V装置(ベルトールド社製)を用いてその発光量を測定した。B16メラノーマ細胞はDSファーマメディカルより入手した。これを10%FBS(非動化済み)及び100 Unit/mLペニシリン、0.1mg/mLストレプトマイシンを含むDMEM培地にて2〜3日培養し、0.05%トリプシン-EDTAを加えて3分間インキュベートしたのち、DMEM培地を加えて回収した。測定は60秒毎に行った。
界面活性剤ではないATP分解抑制剤の濃度について
界面活性剤ではないATP分解抑制剤のうち、アセチルリン酸、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸(PEP)、フルクトース1,6−ビスリン酸、及びイノシン5’−二リン酸の濃度による影響を調べた。
界面活性剤ではないATP分解抑制剤の組み合わせについて
界面活性剤ではないATP分解抑制剤のうち、アセチルリン酸、クレアチンリン酸、及びホスホエノールピルビン酸(PEP)を組み合わせた場合の効果を調べた。
ピルビン酸キナーゼ(PK)及びピルビン酸−リン酸ジキナーゼ(PPDK)との組み合わせ
界面活性剤ではないATP分解抑制剤が存在する系にさらにピルビン酸キナーゼ(PK)又はピルビン酸−リン酸ジキナーゼ(PPDK)を用いた場合の発光の持続性を調べた。
トリシン 100mM
EDTA 1mM
酢酸マグネシウム 10mM
DTT 0.1mM
BSA 0.4重量%
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
PEP 4.2mM
KCl 40mM
PPi 0.5mM
ただしコントロールは上記の成分のうち、PEPを含まない。
HepG2細胞に対するホスホエノールピルビン酸(PEP)とピルビン酸キナーゼ(PK)との組み合わせ
ホスホエノールピルビン酸(PEP)とピルビン酸キナーゼ(PK)との組み合わせの、HepG2細胞に対する影響について試験した。
トリシン 100mM
EDTA 1mM
酢酸マグネシウム 10mM
DTT 0.1mM
BSA 0.4重量%
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
PEP 4.2mM
KCl 40mM
PPi 0.5mM
ただしコントロールは上記の成分のうち、PEPを含まない。
各種ルシフェラーゼに対する本発明のATP分解抑制剤の作用について
種々のルシフェラーゼを用いて界面活性剤ではないATP分解抑制剤の作用を調べた。
トリシン 100mM
酢酸マグネシウム 10
mM
DTT 0.1mM
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 各濃度
TritonX-100 1重量%
さらに、界面活性剤ではないATP分解抑制剤として次のものを試験した。
アセチルリン酸 2mM〜30mM
ヘイケボタル由来ルシフェラーゼはキッコーマンバイオケミファ社のものを使用した(カタログ番号61314)。北米ボタル由来ルシフェラーゼはシグマ社のものを使用した(カタログ番号L9501)。ゲンジボタル由来ルシフェラーゼはキッコーマンバイオケミファ社製のものを使用した(カタログ番号61315)。ルシフェラーゼの添加量は、発光量が同程度になるようになるよう、ヘイケボタル由来ルシフェラーゼは0.25μg protein/mL、北米ボタル由来ルシフェラーゼは0.05μg/mL、ゲンジボタル由来ルシフェラーゼは0.18μg/mLを添加した。
アセチルリン酸 5 mM
クレアチンリン酸 5 mM
PEP 5 mM
手順としてはThermo社製の96ウェルプレートに、0.1mL B16メラノーマ細胞懸濁液及び0.1mLの各減衰抑制試薬を含有する発光試薬(各5mM)を混合し、MicroLumat Plus LB 96V装置(ベルトールド社製)を用いてその発光量を測定した。測定は60秒毎に行った。
各種細胞に対する本発明のATP分解抑制剤の作用について
種々の細胞を用いて本発明のATP分解抑制剤の作用を調べた。具体的にはB16メラノーマ細胞のみならず、ヒト胎児由来腎臓細胞(HEK293細胞)及びヒト肝癌由来細胞(HepG2細胞)を用いた。HEK293細胞及びHepG2細胞はDSファーマメディカルより入手した。細胞は10%FBS(非動化済み)及び100 Unit/mLペニシリン、0.1mg/mLストレプトマイシンを含むDMEM培地にて培養した。HEK293細胞は2〜3日間培養し、0.05%トリプシン-EDTAを加えて3分間インキュベートしたのち、DMEM培地を加えて回収した。HepG2は4〜5日間培養し、0.05%トリプシン-EDTAを加えて37℃にて4分間インキュベートしたのち、DMEM培地を加えて回収した。
トリシン 100mM
酢酸マグネシウム 10mM
DTT 0.1mM
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
界面活性剤ではないATP分解抑制剤としてアセチルリン酸、クレアチンリン酸、及びPEPを単独で又は組み合わせて試験した。単独の場合は5mM、組み合わせの場合はすべて5mM、すべて20mM又はすべて30mMとした。
さらなる界面活性剤ではないATP分解抑制剤について
さらなる界面活性剤ではないATP分解抑制剤として、リン酸リボフラビンナトリウムについて検討した。発光試薬は実施例1と同じ組成のものを用いた。
酢酸キナーゼ(AK)及びクレアチンキナーゼ(CK)との組み合わせ
界面活性剤ではないATP分解抑制剤が存在する系にさらに酢酸キナーゼ(AK)又はクレアチンキナーゼ(CK)を用いた場合の発光の持続性を調べた。
トリシン 100mM
EDTA 1mM
酢酸マグネシウム 10mM
DTT 0.1mM
BSA 0.4重量%
ルシフェリン 1.5mM
ルシフェラーゼ 0.25μg protein/mL
TritonX-100 1重量%
手順としてはThermo社製の96ウェルプレートに、0.1mL HepG2細胞懸濁液及びアセチルリン酸(5mM)+AK(50U/mL)、又はクレアチンリン酸(5mM)+CK(50U/mL)を含有する発光試薬0.1mLを混合し、MicroLumat Plus LB 96V装置を用いてその発光量を測定した。測定は60秒毎に行った。
界面活性剤ではないATP分解抑制剤のさらなる各種組み合わせについて
界面活性剤ではないATP分解抑制剤のうち、アセチルリン酸、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸(PEP)、フルクトース1,6−ビスリン酸、及びリン酸リボフラビンを組み合わせた場合の効果を調べた。便宜上、この組み合わせを「5種混合1-1」あるいは単に「5種混合」と記載することがある。
Claims (4)
- 細胞抽出剤、ATP検出剤、及び1以上の界面活性剤ではないATP分解抑制剤を含むATP測定試薬を試料に添加する単一工程を含むATPを測定する方法であって、前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA、D-システイン及びその組み合わせからなる群より選択され、
前記ATP測定試薬が1以上のATP生成能を有する酵素をさらに含み、
前記ATP生成能を有する酵素が、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸−リン酸ジキナーゼ、クレアチンキナーゼ、酢酸キナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、フルクトースビスホスファターゼ及びその組み合わせからなる群より選択され、かつ
前記ATP検出剤がルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む、前記方法。 - 試料が、微生物、培養細胞、又は微生物を含む可能性のある培地を含む、請求項1に記載の方法。
- ATP測定により細胞の生死判定を行う、請求項1又は2に記載の方法。
- 細胞抽出剤、ATP検出剤、及び1以上の界面活性剤ではないATP分解抑制剤を含む、単一工程による測定のためのATP測定組成物であって、前記界面活性剤ではないATP分解抑制剤が、クレアチンリン酸、ホスホエノールピルビン酸、フルクトース1,6−ビスリン酸、リン酸リボフラビン、イノシン5’−二リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、リン酸、アセチルCoA、D-システイン及びその組み合わせからなる群より選択され、
前記組成物がさらに1以上のATP生成能を有する酵素を含み、
前記ATP生成能を有する酵素が、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸−リン酸ジキナーゼ、クレアチンキナーゼ、酢酸キナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、フルクトースビスホスファターゼ及びその組み合わせからなる群より選択され、かつ
前記ATP検出剤がルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む、前記組成物。
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