[実施形態]
本発明を両面段ボールシート製造用のコルゲートマシンに適用した一実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。コルゲートマシンは、特開2009−160797号公報などにより公知であり、両面段ボールシートを製造するために、シングルフェーサおよびダブルフェーサを含む生産エンドと、スリッタスコアラ装置およびカットオフ装置などを含む加工エンドと、を備える。本発明は、加工エンドに含まれる装置に関連することから、加工エンドの構成のみが説明され、生産エンドの構成についてはその説明が省略される。図1は、コルゲートマシン1の加工エンド2の機械的構成を示す。図1に矢印で示される方向が、上下方向、および、左右方向であり、両方向と直交する方向が前後方向である。図2以降の図面においても、各方向が図1に示される方向に従って示される。
<加工エンド2の機械的構成>
図1において、加工エンド2は、スリッタスコアラ装置4と、カットオフ装置6と、除去装置8と、スタッカ装置10とを、主に備える。スリッタスコアラ装置4は、幅広の段ボールシートSHを搬送方向に切断するために搬送方向と直交する幅方向に配列された多数のスリッタと、搬送方向に延在する罫線を加工するために幅方向に配列された多数のスコアラとを備える。各オーダに従う所定のシート幅に段ボールシートSHを切断するために多数のスリッタの中の複数のスリッタが選択的に作動され、幅方向において位置決め制御される。また、各オーダに従う幅方向の間隔で罫線を加工するために多数のスコアラの中の複数のスコアラが選択的に作動され、幅方向において位置決め制御される。
スリッタスコアラ装置4の各スコアラは、段ボールシートSHの搬送経路FPを挟んで対向配置される上罫線ローラ20と下罫線ローラ22との組からなる。上罫線ローラ20および下罫線ローラ22は、それぞれ幅方向および上下方向に移動可能に構成される。スリッタスコアラ装置4の各スリッタは、上罫線ローラ20および下罫線ローラ22の下流側に、段ボールシートSHの搬送経路FPを挟んで対向配置される上スリッタナイフ24と下スリッタナイフ26との組からなる。上スリッタナイフ24および下スリッタナイフ26は、それぞれ幅方向および上下方向に移動可能に構成される。本実施形態では、スリッタスコアラ装置4は、上スリッタナイフ24と下スリッタナイフ26との組として、5つの組を備える。
図2は、5つの組の上スリッタナイフ24および下スリッタナイフ26のうち、5つの上スリッタナイフ24A〜24Eを示す。上スリッタナイフ24A、24Eは、前後方向における段ボールシートSHの両端縁部である前方端縁部および後方端縁部において不要部分を切断するために使用される。上スリッタナイフ24A、24Eによる切断により、前方トリム片TM11、および後方トリム片TM12が生ずる。図2に1点鎖線で示される線は、スリッタスコアラ装置4の前後方向である幅方向における中央位置MCを示す。
スリッタスコアラ装置4は、前方トリム片TM11、および後方トリム片TM12を吸引して除去するために、前方トリムダクト28、および後方トリムダクト30を備える。両トリムダクト28、30は、両トリム片TM11、TM12の前後方向の位置に合せて、段ボールシートSHの幅方向である前後方向に移動可能に構成される。前方トリムダクト28は、吸引口がシャッタなどにより開閉されるように構成される。両トリムダクト28、30を幅方向に移動可能に支持する構成としては、特許文献2に記載されるように、上スリッタナイフ24A、24Eの各上スリッタナイフと組をなす下スリッタナイフのホルダにより、各トリムダクトを支持する構成が考えられる。
カットオフ装置6は、スリッタスコアラ装置4によって搬送方向に切断された段ボールシートSHを幅方向に切断する。カットオフ装置6は、各オーダに従う所定のシート長さに段ボールシートSHを切断するために回転が制御される上ナイフシリンダ32と下ナイフシリンダ34とを備える。上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34は、段ボールシートSHの搬送経路FPを挟んで対向配置され、相互に反対方向に回転されるように構成される。上ナイフシリンダ32の周面には幅方向に延設されたナイフが備えられ、下ナイフシリンダ34の周面には幅方向に延設されたナイフが備えられる。上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34が回転して両ナイフが噛合うことにより段ボールシートSHは幅方向に切断される。
搬入用コンべア36が、カットオフ装置6の上流側に配置され、段ボールシートSHをカットオフ装置6に搬入する。搬出用コンべア38が、カットオフ装置6の下流側に配置され、幅方向に切断された段ボールシートSHをカットオフ装置6から搬出する。
除去装置8が、搬出用コンべア38の下流側に配置される。除去装置8は、デフレクタ40と、供給用コンベア42と、除去用コンベア44と、収納部46とを、備える。デフレクタ40は、良品搬送経路と除去経路とを切替える。良品搬送経路は、段ボールシートSHの搬送経路FPと水平方向に連続する経路であり、除去経路は、搬送経路FPから斜め下方に逸れる経路である。供給用コンベア42は、良品搬送経路の一部を構成し、搬出用コンベア38から搬出される段ボールシートSHを、スタッカ用コンベア48に向って搬送する。除去用コンベア44は、供給用コンベア42の下方に配置され、除去経路の一部を構成し、搬出用コンベア38から搬出される段ボールシートSHを、収納部46に向って搬送する。収納部46は、除去用コンベア44により搬送される不良品の段ボールシートを収納する。本実施形態では、不良品の段ボールシートとして、オーダチェンジの際に、スリッタスコアラ装置4による罫線加工、または搬送方向の切断であるスリット加工が正常に実行されなかった段ボールシートが考えられる。
スタッカ装置10は、スタッカ用コンベア48によって搬送される段ボールシートSHを積み上げ、製品として装置外に排出する。スタッカ装置10は、各オーダに従うサイズの段ボールシートを積載するために最適なパレットを自動的に選択するように構成される。
≪カットオフ装置6、および除去装置8の周辺の詳細な構成≫
カットオフ装置6、および除去装置8の周辺の詳細な構成について、図3、および図4を参照して説明する。図3は、カットオフ装置6、および除去装置8を拡大して示し、図4は、搬出用コンべア38、およびデフレクタ40を拡大して示す。カットオフ装置6は、装置フレーム50と、左方補助フレーム52と、右方補助フレーム54とを備える。左方補助フレーム52は、装置フレーム50から左方に延出する。右方補助フレーム54は、装置フレーム50から右方に延出する。上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34は、装置フレーム50に回転可能にそれぞれ支持される。搬入用コンべア36は、一対のプーリ60、62と、搬送ベルト64とを備える。両プーリ60、62は、装置フレーム50および左方補助フレーム52にそれぞれ回転可能に支持される。搬送ベルト64は、両プーリ60、62の間に張設される。搬出用コンべア38は、一対のプーリ66、68と、搬送ベルト70とを備える。両プーリ66、68は、右方補助フレーム54および装置フレーム50にそれぞれ回転可能に支持される。搬送ベルト70は、両プーリ66、68の間に張設される。コンベア駆動モータ72は、搬入用コンベア36のプーリ60、62を回転駆動する。コンベア駆動モータ74は、搬出用コンベア38のプーリ66、68を回転駆動する。
除去装置8は、装置フレーム80を備える。供給用コンベア42は、一対のプーリ82、84と、テンションローラ86と、搬送ベルト88とを備える。両プーリ82、84、およびテンションローラ86は、装置フレーム80にそれぞれ回転可能に支持される。搬送ベルト88は、両プーリ82、84、およびテンションローラ86に掛け渡されて張設される。コンベア駆動モータ90が、両プーリ82、84を回転駆動する。除去用コンベア44は、一対のプーリ92、94と、搬送ベルト96とを備える。両プーリ92、94は、装置フレーム80にそれぞれ回転可能に支持される。搬送ベルト96は、両プーリ92、94の間に張設される。コンベア駆動モータ98が、両プーリ92、94を回転駆動する。
デフレクタ40が、搬出用コンべア38のプーリ66と、供給用コンベア42のプーリ84との間隙に配置される。揺動支持部材100が、揺動軸102により揺動可能に装置フレーム80に取り付けられる。図4において、揺動支持部材100は、支持端部104と、連結端部106とを備える。デフレクタ40は、基端部分108と、先端部分110と、一対の案内面112、114とを備える。基端部分108は、支持端部104に固定される。搬送方向DFにおいて、先端部分110は、基端部分108から上流側に延び、徐々に細くなるように形成される。上部案内面112は、基端部分108から先端部分110まで延び、平面形状に形成される。下部案内面114は、上部案内面112より下方において基端部分108から先端部分110まで延び、平面形状に形成される。昇降シリンダ116が、装置フレーム80に取り付けられる。揺動支持部材100の連結端部106は、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aに連結される。作動ロッド116Aが引っ込んで上方に移動するときに、デフレクタ40は、図4に示されるように、先端部分110が搬送経路FPより僅かに下方に位置するとともに上部案内面112が搬送経路FPとほぼ平行になるように、良品案内位置に位置決めされる。作動ロッド116Aが突出して下方に移動するときに、デフレクタ40は、先端部分110が搬送経路FPより上方に位置するとともに下部案内面114が搬送経路FPと交差するように、不良品案内位置に位置決めされる。
デフレクタ40が、図4に示されるように、上部案内面112が搬送経路FPとほぼ平行になるように良品案内位置に位置決めされる状態において、デフレクタ40の先端部分110と、搬出用コンべア38のプーリ66に巻かれた搬送ベルト70の右方部分との間に、所定の間隙GDが形成される。
≪トリム除去装置200の詳細な構成≫
幅広のトリム片を除去するためにトリム除去装置200が加工エンド2に配置される。トリム除去装置200の詳細な構成について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、トリム除去装置200を前方から見た正面図である。図5は、昇降シリンダ254を取り除いた状態におけるトリム除去装置200を右方から見た右側面図である。図6は、トリム除去装置200のトリム押圧ローラ202と、搬出用コンべア38のプーリ66との位置関係を示す説明図である。
トリム除去装置200は、トリム押圧ローラ202と、幅方向変位機構204と、昇降機構206と、回転駆動機構208とを主に備える。トリム除去装置200は、3つの機構204〜208を支持するために、前方支持フレーム210と、後方支持フレーム212と、上方梁214と、下方梁216とを更に備える。前方支持フレーム210と、後方支持フレーム212とは、カットオフ装置6の右方補助フレーム54にそれぞれ固定される。上方梁214と、下方梁216とは、前後方向に水平に延びる状態で、前方支持フレーム210と、後方支持フレーム212との間に架設される。
(幅方向変位機構204の詳細な構成)
幅方向変位機構204の詳細な構成について、図5および図6を参照して説明する。幅方向変位機構204は、ローラキャリッジ220と、キャリッジ案内機構222と、ローラ変位モータ224と、動力伝達機構226とを主に備える。ローラキャリッジ220は、一対の支持フレーム228、230を含む。両支持フレーム228、230は、前後方向に間隔をあけた状態で、上下方向に延びる。キャリッジ案内機構222は、上方リニアガイド232と、下方リニアガイド234とを含む。図6に示されるように、上方リニアガイド232は、下方梁216の上方部分に配置され、下方リニアガイド234は、下方梁216の下方部分に配置される。両リニアガイド232、234の各リニアガイドは、下方梁216に固定され、下方梁216に沿って水平に延びるガイドレール部と、ローラキャリッジ220に固定されるガイド溝部とを含む。
ローラ変位モータ224が、上方梁214の前方端部に固定される。ローラ変位モータ224は、エンコーダを内蔵する。エンコーダは、ローラ変位モータ224の回転方向および回転量を表す検出信号を発生する。動力伝達機構226は、ねじ軸236と、ナット部238と、一対のプーリ240、242と、テンションローラ244と、伝達ベルト246とを備える。ねじ軸236は、前後方向に水平に延びる状態で、下方梁216に回動可能に支持される。ナット部238は、ローラキャリッジ220の支持フレ−ム228に回動可能に支持されるとともに、前後方向において支持フレーム228と一体的に変位するように支持フレーム228に取り付けられる。プーリ240は、ローラ変位モータ224の回転軸に固定され、プーリ242は、ねじ軸236の前方端部に固定される。テンションローラ244は、前方支持フレーム210の前面側に回動可能に支持される。伝達ベルト246は、両プーリ240、242、およびテンションローラ244に掛け渡されて張設される。ローラ変位モータ224が回転することにより、ローラキャリッジ220は前後方向において変位し、所要の位置に位置決めされる。本実施形態では、図5に1点鎖線で示される中心線CLの前後方向の位置は、前後方向における搬出用コンべア38の中央位置と一致する。ねじ軸236の後方端部、および両リニアガイド232、234の後方端部は、中心線CLを越える後方位置に配置されることから、ローラキャリッジ220は、中心線CLを越える後方位置まで変位することができる。本実施形態では、前後方向における搬出用コンべア38の中央位置は、前後方向において、スリッタスコアラ装置4の中央位置、カットオフ装置6の中央位置、および除去装置8の中央位置とそれぞれ一致する。段ボールシートSHの幅方向の中央位置が、図2に示される各装置の中央位置MCと一致する状態で、段ボールシートSHは搬送経路FPに沿って搬送される。
(昇降機構206の詳細な構成)
昇降機構206の詳細な構成について、主に図5および図6を参照して説明する。昇降機構206は、一対の揺動腕250、252と、昇降シリンダ254とを備える。一対の揺動腕250、252は、基端部分と、先端部分とを含む。図5に示されるように、両揺動腕250、252の基端部分は、揺動軸256により、両支持フレーム228、230の下方端部に揺動可能にそれぞれ支持される。両揺動腕250、252は、間隔をあけて配置される。ローラ回動軸258が、両揺動腕250、252の先端部分に回動可能に支持される。トリム押圧ローラ202は、揺動腕250から前方に突出するローラ回動軸258に固定される。
昇降シリンダ254は、ローラキャリッジ220の右方端面に取り付けられる。昇降シリンダ254の作動ロッド254Aは、両揺動腕250、252の右方上面に連結される。昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが突出するときに、トリム押圧ローラ202は下降して搬出用コンべア38のプーリ66に巻かれる搬送ベルト70に接近する。昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが引っ込むときに、トリム押圧ローラ202は上昇して搬出用コンべア38の搬送ベルト70から離間する。
(回転駆動機構208の詳細な構成)
回転駆動機構208の詳細な構成について、図5および図6を参照して説明する。回転駆動機構208は、ローラ回転モータ260と、駆動歯車262と、従動歯車264と、一対のプーリ266、268と、テンションローラ270と、伝達ベルト272とを備える。ローラ回転モータ260は、モータ支持部材274により、支持フレーム230の後方端面に固定される。駆動歯車262は、ローラ回転モータ260の回転軸に固定される。従動歯車264は、揺動軸256の後方端部に固定され、駆動歯車262と噛み合う。プーリ266は、両揺動腕250、252の間の間隙に配置され、揺動軸256に固定される。プーリ268は、両揺動腕250、252の間の間隙に配置され、ローラ回転軸258に固定される。テンションローラ270は、両揺動腕250、252の間の間隙に配置され、両揺動腕250、252により回転可能に支持される。伝達ベルト272は、両プーリ266、268、およびテンションローラ270に掛け渡されて張設される。
ローラ回転モータ260が回転するとき、トリム押圧ローラ202は、図6に矢印で示されるように反時計回り方向に回転する。搬出用コンべア38のプーリ66は、段ボールシートSH、および、図11に示される幅広の前方トリム片TM21を搬送するために、図6に矢印で示される時計回り方向に回転する。
(搬出用コンべア38のプーリ66とトリム押圧ローラ202との位置関係)
搬出用コンべア38のプーリ66とトリム押圧ローラ202との位置関係について、図6を参照して説明する。図6において、トリム押圧ローラ202は、搬出用コンべア38の搬送ベルト70に接近する作用位置に位置する。作用位置に位置する状態のトリム押圧ローラ202の回転中心位置CP1は、搬送方向DFにおいて、搬出用コンべア38のプーリ66の回転中心位置CP2より下流側に位置し、図6に示される距離DCだけ回転中心位置CP2から離れる。本実施形態では、トリム押圧ローラ202の半径は、プーリ66の半径と、搬送ベルト70の厚さとの合計値より僅かに大きい値に設定される。距離DCは、プーリ66の半径より小さい距離であって、プーリ66の半径の1/2より大きな距離に設定される。回転中心位置CP1、CP2を結ぶ線分が延びる方向において、トリム押圧ローラ202の外周面と、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70の外周表面との間に、所定の間隙GCが形成される。所定の間隙GCは、コルゲートマシン1により製造される段ボールシートSHの厚さより充分に小さい間隔に設定される。この結果、作用位置に位置する状態のトリム押圧ローラ202は、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70に向って、幅広の前方トリム片TM21を押圧することができる。また、本実施形態では、図6に示される押圧角度θは、19度に設定される。押圧角度θは、プーリ66の回転中心位置CP2を通る上下方向の線上に位置するプーリ66の最上方外周縁部分の位置から、両回転中心位置CP1、CP2を結ぶ線分と交わるプーリ66の外周縁部分の位置であるトリム押圧位置までの時計回り方向の角度である。
図6において、搬送ベルト70の上方部分の上面70Aは、段ボールシートSHの下面と接触する。作用位置に位置する状態のトリム押圧ローラ202の最も下方の外周部分202Aは、搬送ベルト70の上方部分の上面70Aより下方に位置する。この結果、回転中心位置CP1、CP2を結ぶ線分上の位置であって、トリム押圧ローラ202が幅広の前方トリム片TM21を押圧する押圧位置は、搬送ベルト70の上方部分の上面70Aより僅かに下方に位置する。トリム押圧ローラ202の押圧位置が上面70Aより僅かに下方に位置することにより、左方から右方に向う水平な搬送方向DFに搬送されてきた幅広の前方トリム片TM21を、図6において右下方に進行方向を変えて搬送することができる。
<各種の検出器>
幅広の前方トリム片TM21を除去するために、各種の検出器が加工エンド2に備えられる。カットオフ装置6の上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34が段ボールシートSHを実際に切断するタイミングを検出するために、カット検出器DCTが、下ナイフシリンダ34に連結される回転体を備える。上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34が噛み合う所定の回転角度位相に回転体が達する度に、カット検出器DCTはカットパルスを発生する。
段ボールシートSHが搬出用コンべア38により搬送される搬送量を検出するために、搬送パルス発生器PGが、搬出用コンべア38を駆動するコンベア駆動モータ74に連結される。搬送パルス発生器PGは、コンベア駆動モータ74が回転すると、搬出用コンべア38の搬送量に相当するパルス数の搬送パルスを発生する。
搬送方向DFと直交する段ボールシートSHの幅方向、すなわち前後方向において、ローラキャリッジ220の所定の原点位置を検出するために、ローラ原点検出器DHPが、図5において、上方梁214の前方端部に近い位置に配置される。ローラ原点検出器DHPは、検出作動部AHを備えるリミットスイッチから構成される。図5に示されるように、原点当接部280が、ローラキャリッジ220の上方端部に配置される。ローラキャリッジ220が所定の原点位置に到達するときに、原点当接部280が検出作動部AHに当接して検出作動部AHを上方に移動させる。検出作動部AHの上方移動により、ローラ原点検出器DHPは、原点検出信号を発生する。図5は、ローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置している状態を示す。
搬送方向DFと直交する段ボールシートSHの幅方向、すなわち前後方向において、ローラキャリッジ220の所定の限界位置を検出するために、ローラ限界検出器DLTが、図5において、中心線CLより後方の位置において上方梁214に配置される。ローラ限界検出器DLTは、検出作動部ALを備えるリミットスイッチから構成される。図5に示されるように、限界当接部282が、ローラキャリッジ220の上方端部に、原点当接部280の後方に近接して配置される。ローラキャリッジ220が所定の限界位置に到達するときに、限界当接部282が検出作動部ALに当接して検出作動部ALを上方に移動させる。検出作動部ALの上方移動により、ローラ限界検出器DLTは、限界検出信号を発生する。
<加工エンド2の電気的構成>
本実施形態のコルゲートマシン1の電気的構成について、添付図面を参照して以下に説明する。本発明は、コルゲートマシン1の加工エンド2に関連することから、加工エンド2の電気的構成のみについて説明する。図7は、本実施形態のコルゲートマシン1の加工エンド2の電気的構成を示すブロック図である。図7に示されるように、コルゲートマシン1において段ボールシートSHの生産および加工を全般的に管理するために、上位管理装置300および下位管理装置400が設けられる。上位管理装置300は、コルゲートマシン1で実行されるべき多数のオーダの全てのオーダに関する情報を記憶する。上位管理装置300は、オーダに関する情報に基づいて、段ボールシートSHを搬送するための搬送速度指令を演算する。
オーダに関する情報は、各オーダに関する段ボールシートSHのサイズ、生産シート枚数、オーダ通りの段ボールシートSHを生産するためのスリッタおよびスコアラの加工位置、および、スタッカ装置10が選択するパレットの種類などを表す情報を含む。段ボールシートSHのサイズを表す情報は、図2に示されるように、スリッタにより切断される前の段ボールシートSHの全幅WS、丁取数、丁取数に従ってスリッタにより切断された後の各シートの切断幅WD、および、搬送方向DFにおいてカットオフ装置6により切断されるシート長さを表す情報である。図2に示される実施形態では、丁取数は、「4」である。また、オーダに関する情報は、各オーダが幅広のトリムを有するオーダであるか否かを判別するための判別情報を含む。各オーダが幅広のトリムを有するオーダであるか否かは、前方トリム片の前方トリム幅と後方トリム片の後方トリム幅との合計幅が所定の許容幅を越えるか否かにより判別される。合計幅が所定の許容幅以下である場合には、判別情報は、幅広のトリムを有しないオーダを表す情報に設定される。合計幅が所定の許容幅を越える場合には、判別情報は、幅広のトリムを有するオーダを表す情報に設定される。
上位管理装置300は、実行される順番に従って所定数のオーダに関する情報を下位管理装置400に供給するとともに、演算した搬送速度指令を下位管理装置400に供給する。
下位管理装置400は、プログラムメモリ410と、作業メモリ420と、操作部430とにそれぞれ接続される。プログラムメモリ410は、コルゲートマシン1の全体動作を統括して管理する主制御プログラムなどの各種のプログラムを固定記憶するとともに、各種の設定値を固定記憶する。作業メモリ420は、上位管理装置300から供給される指令などの情報、および下位管理装置400による演算処理結果を一時記憶する。操作部430は、各種の設定値を調整するために操作可能である。たとえば、搬送速度指令に基く段ボールシートSHの搬送速度を調整するために、作業者は操作部430を操作することができる。トリム押圧ローラ202の下降開始タイミングおよび上昇開始タイミングを決定する昇降シリンダ254の動作遅れ時間を調整するために、作業者は操作部430を操作することができる。また、操作部430は、オーダの実行開始または実行停止を指令するために操作可能である。
下位管理装置400は、カット検出器DCT、ローラ原点検出器DHP、ローラ限界検出器DLT、および搬送パルス発生器PGにそれぞれ接続される。
下位管理装置400は、スリッタスコアラ制御装置440、カットオフ制御装置442、除去制御装置444、デフレクタ制御装置446、およびスタッカ制御装置448にそれぞれ接続される。スリッタスコアラ制御装置440は、オーダに関する情報および搬送速度指令を含む制御指令が下位管理装置400から供給されると、その制御指令に従い、スリッタスコアラ駆動部450、およびトリムダクト駆動部452の駆動を制御する。制御指令中の搬送速度指令は、上位管理装置300により演算された搬送速度指令、または、操作部430により、その演算された搬送速度指令から調整変更された搬送速度指令である。スリッタスコアラ駆動部450は、スコアラを構成する罫線ローラ20、22、および、スリッタを構成するスリッタナイフ24、26を幅方向に位置決めするための多数のサーボモータと、罫線ローラ20、22、および、スリッタナイフ24、26を上下方向に昇降させるための多数のモータと、罫線ローラ20、22、および、スリッタナイフ24、26を回転させるための多数のモータとを含む。スリッタスコアラ駆動部450は、下位管理装置400からの制御指令に従い、罫線ローラ20、22、および、スリッタナイフ24、26の幅方向の位置決めと、昇降動作と、回転駆動とを実行する。
トリムダクト駆動部452は、トリムダクト28、30にそれぞれ連結される吸引用のモータと、前方トリムダクト28の吸引口を開閉するための開閉シリンダとを含む。トリムダクト駆動部452は、下位管理装置400からの制御指令に従い、吸引用のモータの回転駆動と、開閉シリンダの作動とを実行する。
カットオフ制御装置442は、下位管理装置400から供給される制御指令に従って、カットオフ装置6の上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34の組を回転させるナイフ回転モータ454の駆動および停止とその回転位置とを制御する。また、カットオフ制御装置442は、下位管理装置400から供給される制御指令中の搬送速度指令に従って、コンベア駆動部456の駆動を制御する。コンベア駆動部456は、コンベア駆動モータ72と、コンベア駆動モータ74とを含む。カットオフ制御装置442は、コンベア駆動モータ74の回転速度がコンベア駆動モータ72の回転速度よりも速い速度となるように、各モータの回転速度を制御する。コンベア駆動モータ72、74の回転駆動により、搬入用コンべア36、および搬出用コンべア38は駆動される。
除去制御装置444は、下位管理装置400から供給される制御指令に従って、コンベア駆動部458の駆動を制御する。コンベア駆動部458は、供給用コンベア42を駆動するコンベア駆動モータ90と、除去用コンベア44を駆動するコンベア駆動モータ98とを含む。除去制御装置444は、下位管理装置400から供給される制御指令中の搬送速度指令に従って、コンベア駆動モータ90の回転速度を制御するとともに、コンベア駆動モータ98の回転および停止と、その回転速度とを制御する。除去制御装置444は、供給用コンベア42を駆動するコンベア駆動モータ90の回転速度が搬出用コンベア38を駆動するコンベア駆動モータ74の回転速度と同じ速度になるように、コンベア駆動モータ90の回転速度を制御する。また、除去制御装置444は、除去用コンベア44を駆動するコンベア駆動モータ98の回転速度がコンベア駆動モータ74の回転速度よりも速い速度となるように、コンベア駆動モータ98の回転速度を制御する。コンベア駆動モータ90の回転駆動により、供給用コンベア42は駆動される。コンベア駆動モータ98の回転駆動により、除去用コンベア44は駆動される。
デフレクタ制御装置446は、プログラムメモリ470と、作業メモリ472とにそれぞれ接続される。プログラムメモリ470は、図10に示されるデフレクタ制御処理を実行するプラグラムを固定記憶するとともに、各種の設定値を固定記憶する。作業メモリ472は、下位管理装置400から供給される制御指令などの情報、およびデフレクタ制御装置446の演算処理結果を一時記憶する。各種の設定値として、図3に示される距離DS1と、昇降シリンダ116の上昇動作遅れ時間と、昇降シリンダ116の下降動作遅れ時間とが、プログラムメモリ470に固定記憶される。デフレクタ制御装置446は、下位管理装置400から制御開始指令を受け取ったときに、プログラムメモリ470に記憶されるプログラムに従って、昇降シリンダ116の駆動を制御する。図3に示される距離DS1は、左右方向において、カットオフ装置6のナイフシリンダ32、34の回転中心位置を結ぶ線分から、デフレクタ40の上部案内面112が搬送方向DFとほぼ平行になるように位置する状態におけるデフレクタ40の先端部分110の位置までの距離である。
スタッカ制御装置448は、プログラムメモリ474と、作業メモリ476とにそれぞれ接続される。プログラムメモリ474は、図8に示されるローラ制御処理を実行するプラグラム、および図9に示されるローラ幅方向位置決め処理を実行するサブルーチンを固定記憶するとともに、各種の設定値を固定記憶する。作業メモリ476は、下位管理装置400から供給される制御指令などの情報、およびスタッカ制御装置448の演算処理結果を一時記憶する。各種の設定値として、図3に示される距離DS2と、昇降シリンダ254の上昇動作遅れ時間と、昇降シリンダ254の下降動作遅れ時間と、図5に示される距離LHとが、プログラムメモリ474に固定記憶される。距離LHは、ローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置する状態におけるトリム押圧ローラ202の幅方向の中央位置と、中心線CLの前後方向の位置との間の距離である。スタッカ制御装置448は、下位管理装置400から制御開始指令を受け取ったときに、プログラムメモリ474に記憶されるプログラムおよびサブルーチンに従って、ローラ変位モータ224、ローラ回転モータ260、および昇降シリンダ254の駆動をそれぞれ制御する。図3に示される距離DS2は、左右方向において、カットオフ装置6のナイフシリンダ32、34の回転中心位置を結ぶ線分から、トリム押圧ローラ202が搬出用コンべア38のプーリ66に接近する作動位置に位置する状態におけるトリム押圧ローラ202の回転中心位置CP1までの距離である。
また、スタッカ制御装置448は、下位管理装置400から供給される制御指令中の搬送速度指令に従って、コンベア駆動モータ460の回転速度を制御する。コンベア駆動モータ460の回転駆動により、スタッカ用コンベア48は駆動される。
<加工エンド2の動作および作用>
加工エンド2の動作および作用について、図2、および図8乃至図11を主に参照して説明する。図8は、ローラ制御処理を示すフローチャートであり、図9は、ローラ幅方向位置決め処理を示すフローチャートであり、図10は、デフレクタ制御処理を示すフローチャートである。図11は、幅広の前方トリム片TM21と幅狭の後方トリム片TM22とが形成される状態を示す。図8に示されるステップSA1〜SA20の処理、および、図9に示されるステップSB1〜SB6の処理は、スタッカ制御装置448により実行される処理である。図10に示されるステップSC1〜SC9の処理は、デフレクタ制御装置446により実行される処理である。
コルゲートマシン1の電源が投入されると、上位管理装置300は、運転開始指令を下位管理装置400に供給する。下位管理装置400は、上位管理装置300から受け取った運転開始指令に従って、5つの制御装置440〜448に制御動作を開始させるための制御開始指令をそれぞれ供給する。また、下位管理装置400は、順次実行される多数のオーダに関する情報および搬送速度指令を、上位管理装置300から受け取って作業メモリ420に一時記憶する。本実施形態では、作業メモリ420は、順次実行される少なくとも6つのオーダに関する情報を一時記憶する。下位管理装置400は、制御開始指令を5つの制御装置440〜448に供給した後に、作業メモリ420に記憶される多数のオーダに関する情報のうちから、これから実行される現在のオーダに関する情報を読み出し、現在のオーダに関する情報および搬送速度指令を含む制御指令を5つの制御装置440〜448に供給する。順次実行される一連のオーダの実行開始は、作業者による操作部430の操作により下位管理装置400に指令され、また、現在実行しているオーダの実行停止は、作業者による操作部430の操作により下位管理装置400に指令される。下位管理装置400は、操作部430の操作によるオーダ実行開始指令またはオーダ実行停止指令に従って、5つの制御装置440〜448によるオーダの実行を開始させ、または、停止させる。
本実施形態では、下位管理装置400が制御開始指令を5つの制御装置440〜448に供給したときに、スタッカ制御装置448は、ローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置決めされるように初期設定動作を実行する。この初期設定動作において、スタッカ制御装置448は、ローラキャリッジ220が図5において前方に変位するようにローラ変位モータ224を回転させる。ローラキャリッジ220の原点当接部280が検出作動部AHに当接したときに、ローラ原点検出器DHPは原点検出信号を下位管理装置400に供給し、下位管理装置400は原点検出信号をスタッカ制御装置448に供給する。スタッカ制御装置448は、原点検出信号を受け取ったときに、ローラ変位モータ224の回転を停止させる。ローラ変位モータ224の回転を停止させることにより、ローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置決めされる。初期設定動作においてローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置決めされたときに、スタッカ制御装置448は、プログラムメモリ474から距離LHを読み出し、作業メモリ476に定められる2つの目標位置記憶領域の一方の目標位置記憶領域に、その距離LHを一時記憶する。
ローラキャリッジ220が前後方向において位置決めされる際に、ローラキャリッジ220の限界当接部282が検出作動部ALに当接したとき、ローラ限界検出器DLTは、限界検出信号を下位管理装置400に供給し、下位管理装置400は限界検出信号をスタッカ制御装置448に供給する。スタッカ制御装置448は、限界検出信号を受け取ったときに、ローラ変位モータ224の回転を停止させ、図示しない警報装置を作動させる。
スリッタスコアラ制御装置440は、オーダに関する情報に従って、罫線ローラ20、22およびスリッタナイフ24、26の幅方向の位置決めと、昇降動作とを、スリッタスコアラ駆動部450に実行させるとともに、搬送速度指令に従って、罫線ローラ20、22およびスリッタナイフ24、26の回転駆動を、スリッタスコアラ駆動部450に実行させる。罫線ローラ20、22およびスリッタナイフ24、26の幅方向の位置決めと、昇降動作と、回転駆動とを制御する動作は、よく知られているので、その詳細な説明は省略される。
カットオフ制御装置442は、オーダに関する情報および搬送速度指令に従って、ナイフ回転モータ454の駆動および停止とその回転位置とを制御するとともに、コンベア駆動モータ72およびコンベア駆動モータ74の回転速度を制御する。各オーダのシート長さに段ボールシートSHを幅方向に切断するために上ナイフシリンダ32および下ナイフシリンダ34の回転を制御する動作は、よく知られているので、その詳細な説明は省略される。除去制御装置444は、搬送速度指令に従って、コンベア駆動モータ90の回転速度を制御するとともに、コンベア駆動モータ98の回転および停止と、その回転速度とを制御する。スタッカ制御装置448は、搬送速度指令に従って、コンベア駆動モータ460の回転速度を制御する。
≪トリミング動作≫
スリッタスコアラ制御装置440は、段ボールシートSHの前後両端縁部の不要部分を搬送方向DFに切断するトリミング動作を行う。このトリミング動作について、図2および図11を参照して説明する。トリミング動作として、図2に示される通常のトリミング動作と、図11に示される幅広のトリミング動作とが存在する。図2において、通常のトリミング動作は、段ボールシートSHの前方端縁部に生ずる前方トリム片TM11の前方トリム幅WT11と、後方端縁部に生ずる後方トリム片TM12の後方トリム幅WT12との合計幅が、所定の許容幅以下である場合におけるトリミング動作である。図11において、幅広のトリミング動作は、段ボールシートSHの前方端縁部に生ずる前方トリム片TM21の前方トリム幅WT21と、後方端縁部に生ずる後方トリム片TM22の後方トリム幅WT22との合計幅が、所定の許容幅を越える場合におけるトリミング動作である。所定の許容幅は、2つのトリムダクト28、30の各トリムダクトが吸引することができるトリム片の最大幅に基いて予め定められる。本実施形態では、所定の許容幅は、180mmに予め定められる。
現在のオーダに関する情報が、幅広のトリムを有しないオーダを表す判別情報を含む場合には、スリッタスコアラ制御装置440は、図2に示されるように、前方トリム幅WT11と後方トリム幅WT12とが同じ幅になるように、トリム幅を算出する。具体的には、段ボールシートSHの全幅WSと、切断幅WDと、丁取数CNとから、各トリム片のトリム幅WTが算出される。トリム幅WTの算出式は、WT=[WS−(WD×CN)]/2である。
本実施形態では、段ボールシートSHの幅方向の中央位置が、スリッタスコアラ装置4などの各装置の中央位置MCと一致する状態で、段ボールシートSHは搬送経路FPに沿って搬送される。スリッタスコアラ制御装置440は、図2に示される5つの上スリッタナイフ24A〜24Eの幅方向の位置を、算出されたトリム幅WTと、切断幅WDとに基いて、決定する。この決定された幅方向の位置に従って、スリッタスコアラ制御装置440は、上スリッタナイフ24A〜24E、および、対応する下スリッタナイフを幅方向に位置決めする動作をスリッタスコアラ駆動部450に実行させる。また、スリッタスコアラ制御装置440は、前方トリム片TM11、および後方トリム片TM12を吸引するために、2つのトリムダクト28、30の吸引動作をトリムダクト駆動部452に実行させる。
現在のオーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含む場合には、スリッタスコアラ制御装置440は、図11に示されるように、前方トリム幅WT21と後方トリム幅WT22とが異なる幅になるように、前方トリム幅WT21と後方トリム幅WT22とを決定する。具体的には、後方トリム幅WT22は、所定の狭い幅WTminに決定される。前方トリム幅WT21は、段ボールシートSHの全幅WSと、切断幅WDと、丁取数CNと、所定の狭い幅WTminとから、算出される。前方トリム幅WT21の算出式は、WT21=[WS−(WD×CN)−WTmin]である。本実施形態では、所定の狭い幅WTminは、20mmに予め定められる。
本実施形態では、段ボールシートSHの幅方向の中央位置が、スリッタスコアラ装置4などの各装置の中央位置MCと一致する状態で、段ボールシートSHは搬送経路FPに沿って搬送される。スリッタスコアラ制御装置440は、図11に示される4つの上スリッタナイフ24A、24B、24D、24Eの幅方向の位置を、所定の狭い幅WTminと、算出された前方トリム幅WT21と、切断幅WDとに基いて、決定する。この決定された幅方向の位置に従って、スリッタスコアラ制御装置440は、4つの上スリッタナイフ24A、24B、24D、24E、および、対応する下スリッタナイフを幅方向に位置決めする動作をスリッタスコアラ駆動部450に実行させる。また、スリッタスコアラ制御装置440は、後方トリム片TM22を吸引するために、後方トリムダクト30の吸引動作をトリムダクト駆動部452に実行させるとともに、前方トリム片TM21の吸引を停止するために、前方トリムダクト28の吸引口がシャッタにより閉鎖されるようにトリムダクト駆動部452を制御する。図11に示される段ボールシートSHの丁取数は、「3」であるので、上スリッタナイフ24Cは使用されない。
≪トリム除去装置200の動作および作用≫
図11に示される前方トリム片TM21は、前方トリムダクト28により吸引することができない幅広のトリム片であるので、この前方トリム片TM21は、トリム除去装置200により除去される。トリム除去装置200の動作は、トリム押圧ローラ202の幅方向の位置決めと、昇降動作とを含む。トリム押圧ローラ202の幅方向の位置決めと、昇降動作とは、図8および図9に示されるローラ制御処理により実行される。幅広のトリム片を除去する際には、デフレクタ40の昇降動作がトリム押圧ローラ202の昇降動作と関連する。デフレクタ40の昇降動作は、図10に示されるデフレクタ制御処理により実行される。
(ローラ制御処理)
ローラ制御処理について、図8を参照して説明する。スタッカ制御装置448は、コルゲートマシン1の電源投入時に下位管理装置400から供給される制御開始指令に従って、プログラムメモリ474からプログラムを読み出してローラ制御処理の実行を開始する。本実施形態では、順次実行される多数のオーダのうちで、ローラ制御処理の実行が開始されるときに最初に実行されるオーダとしては、幅広のトリムのオーダでないオーダが設定されているものとする。
ローラ幅方向位置決め処理が実行される(SA1)。ローラ幅方向位置決め処理は、トリム押圧ローラ202が幅方向において位置決めされる処理である。現在のオーダに関する情報が、幅広のトリムを有しないオーダを表す判別情報を含む場合には、ローラキャリッジ220が所定の原点位置に位置めされ、トリム押圧ローラ202が、図2に示されるように、段ボールシートSHの前方端縁部よりも前方の位置に位置決めされる。現在のオーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含む場合には、ローラキャリッジ220が所定の原点位置から後方に変位し、トリム押圧ローラ202が、図11に2点鎖線で示される位置から、前方トリム片TM21の幅方向の位置と一致する位置まで変位して位置決めされる。ローラ幅方向位置決め処理の詳細な処理は、後述される。
現在のオーダの生産シート枚数が計数される(SA2)。生産シート枚数を計数するカウンタは、スタッカ制御装置448に内蔵される。そのカウンタの計数内容は、各オーダの最後のシートが切断されたときに、クリアされる。スタッカ制御装置448が、カット検出器DCTにより発生されるカットパルスを下位管理装置400から受け取る度に、カウンタは、計数内容を「1」だけ増加させる。ただし、オーダチェンジの際にカットオフ装置6が不良品の段ボールシートSHを切断するときに、カット検出器DCTにより発生されるカットパルスは、カウンタにより計数されない。
最後のシートが切断されたか否かが判断される(SA3)。具体的には、カウンタの計数内容が現在のオーダについて定められた生産シート枚数と同じになったときに、最後の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断されたと判断する。最後のシートが切断されたと判断されないとき(SA3:NO)、処理はステップSA2に戻る。最後のシートが切断されたと判断されたとき(SA3:YES)、処理はステップSA4に移行する。
次のオーダは幅広のトリムのオーダであるか否かが判断される(SA4)。具体的には、次のオーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含むか否かにより、判断される。次のオーダは幅広のトリムのオーダであると判断されないとき(SA4:NO)、処理はステップSA1に戻る。次のオーダは幅広のトリムのオーダであると判断されたとき(SA4:YES)、処理はステップSA5に移行する。
搬出用コンべア38の搬送パルスの計数が開始される(SA5)。搬送パルスの数を計数するカウンタは、スタッカ制御装置448に内蔵される。そのカウンタの計数内容は、段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたときに、クリアされる。スタッカ制御装置448が、搬送パルス発生器PGにより発生される搬送パルスを下位管理装置400から受け取る度に、カウンタは、計数内容を「1」だけ増加させる。
段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたか否かが判断される(SA6)。段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたと判断されないとき(SA6、NO)、ステップSA6の判断が繰り返される。段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたと判断されたとき(SA6、YES)、処理はステップSA7に移行する。ローラ下降開始距離は、搬送速度指令に従う搬出用コンべア38の搬送速度と、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが突出するときの下降動作遅れ時間とを掛けた値を、図3に示される距離DS2から差し引いた値である。
トリム押圧ローラ202の下降が指令される(SA7)。具体的には、スタッカ制御装置448は、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが引っ込んだ状態から突出するように昇降シリンダ254を作動させる。昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが突出することにより、トリム押圧ローラ202が、図4および図6に示されるように搬出用コンべア38の搬送ベルト70に接近した作用位置まで下降する。
現在のオーダの生産シート枚数が計数される(SA8)。ステップSA8は、ステップSA2と同様に実行される。
最後のシートが切断されたか否かが判断される(SA9)。ステップSA9は、ステップSA3と同様に実行される。最後のシートが切断されたと判断されないとき(SA9:NO)、処理はステップSA8に戻る。最後のシートが切断されたと判断されたとき(SA9:YES)、処理はステップSA10に移行する。
搬出用コンべア38の搬送パルスの計数が開始される(SA10)。ステップSA10は、ステップSA5と同様に実行される。
段ボールシートSHがローラ上昇開始距離だけ搬送されたか否かが判断される(SA11)。段ボールシートSHがローラ上昇開始距離だけ搬送されたと判断されないとき(SA11、NO)、ステップSA11の判断が繰り返される。段ボールシートSHがローラ上昇開始距離だけ搬送されたと判断されたとき(SA11、YES)、処理はステップSA12に移行する。ローラ上昇開始距離は、搬送速度指令に従う搬出用コンべア38の搬送速度と、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが引っ込むときの上昇動作遅れ時間とを掛けた値を、図3に示される距離DS2から差し引いた値である。
トリム押圧ローラ202の上昇が指令される(SA12)。具体的には、スタッカ制御装置448は、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが突出した状態から引っ込むように昇降シリンダ254を作動させる。昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが引っ込むことにより、トリム押圧ローラ202が、図12に示されるように搬出用コンべア38の搬送ベルト70から離間した不作用位置まで上昇する。
次のオーダは幅広のトリムのオーダであるか否かが判断される(SA13)。ステップSA13は、ステップSA4と同様に実行される。次のオーダは幅広のトリムのオーダであると判断されないとき(SA13:NO)、処理はステップSA1に戻る。次のオーダは幅広のトリムのオーダであると判断されたとき(SA13:YES)、処理はステップSA14に移行する。
次のオーダについて、幅広のトリムの幅が算出される(SA14)。具体的には、図11に示されるように、幅広のトリムの幅として、前方トリム片TM21の前方トリム幅WT21が、WT21=[WS−(WD×CN)−WTmin]の算出式に従って算出される。算出された前方トリム幅WT21は、作業メモリ476の所定のトリム幅記憶領域に一時記憶される。
ローラ幅方向目標位置が算出される(SA15)。具体的には、図11に示されるように、ローラ幅方向目標位置は、段ボールシートSHの全幅WSの半分(WS/2)から、ステップSA14において算出された前方トリム幅WT21の半分(WT21/2)を差し引いた値だけ、スリッタスコアラ装置4の幅方向の中央位置MCから前方に離れた位置である。作業メモリ476は、先回算出されたローラ幅方向目標位置を記憶する目標位置記憶領域と、今回算出されたローラ幅方向目標位置を記憶する目標位置記憶領域とを有する。今回算出されたローラ幅方向目標位置は、先回算出されたローラ幅方向目標位置を記憶する目標位置記憶領域とは別の目標位置記憶領域に一時記憶される。
トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされる(SA16)。具体的には、スタッカ制御装置448は、作業メモリ476に一時記憶された先回算出されたローラ幅方向目標位置に対して、作業メモリ476に一時記憶された今回算出されたローラ幅方向目標位置の相対的変位量を算出する。スタッカ制御装置448は、算出された相対的変位量と、ローラ変位モータ224が内蔵するエンコーダからの検出信号とに基いて、ローラ変位モータ224の回転方向および回転量を制御する。このローラ変位モータ224の回転制御により、トリム押圧ローラ202の幅方向の中央位置が、次のオーダの前方トリム片TM21の幅方向の中央位置と一致するように、トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされる。
不良品のシートが切断されたか否かが判断される(SA17)。具体的には、ステップSA9において最後のシートが切断されたと判断された後に、スタッカ制御装置448が、カット検出器DCTにより発生されるカットパルスを下位管理装置400から受け取ったときに、不良品のシートが切断されたと判断する。すなわち、ステップSA9において最後のシートが切断されたと判断された後で、スリッタスコアラ装置4はオーダチェンジのための動作を行うことから、罫線加工およびスリット加工が正常に実行されない不良品の段ボールシートSHが生ずる。スタッカ制御装置448は、不良品の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断される動作の完了は、ステップSA9において最後のシートが切断されたと判断された後で、最初のカットパルスがカット検出器DCTから発生されることにより認識することができる。本実施形態では、オーダチェンジの際に、スリッタスコアラ装置4が備える公知のトリムカッタにより、現在のオーダで生じたトリム片と、次のオーダで生じたトリム片との連結部分が幅方向に切断される。
搬出用コンべア38の搬送パルスの計数が開始される(SA18)。ステップSA18は、ステップSA5と同様に実行される。
段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたか否かが判断される(SA19)。ステップSA19は、ステップSA6と同様に実行される。段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたと判断されないとき(SA19、NO)、ステップSA19の判断が繰り返される。段ボールシートSHがローラ下降開始距離だけ搬送されたと判断されたとき(SA19、YES)、処理はステップSA20に移行する。
トリム押圧ローラ202の下降が指令される(SA20)。ステップSA20は、ステップSA7と同様に実行される。ステップSA20の実行後に、処理はステップSA8に戻る。
(ローラ幅方向位置決め処理SA1)
ローラ幅方向位置決め処理SA1について、図9を参照して説明する。現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダに関する情報が受信される(SB1)。具体的には、スタッカ制御装置448は、これから実行される現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダに関する情報を、下位管理装置400に要求する。下位管理装置400は、作業メモリ420に記憶する多数のオーダに関する情報のうちから、要求されたオーダに関する情報をスタッカ制御装置448に供給する。スタッカ制御装置448は、下位管理装置400から受け取ったオーダに関する情報を作業メモリ476に一時記憶する。
現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダが幅広のトリムのオーダを含むか否かが判断される(SB2)。具体的には、現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含むか否かにより、判断される。幅広のトリムのオーダを含むと判断されないとき(SB2:NO)、ローラ幅方向位置決め処理は終了し、処理は、図8に示されるステップSA2に移行する。幅広のトリムのオーダを含むと判断されたとき(SB2:YES)、処理はステップSB3に移行する。
トリム押圧ローラ202の上昇が指令される(SB3)。ステップSB3は、ステップSA12と同様に実行される。
幅広のトリムのオーダのうちの最初のオーダについて、幅広のトリムの幅が算出される(SB4)。具体的には、現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダのうちで、幅広のトリムのオーダであると判断されたオーダが複数存在する場合には、最も早く実行されるオーダが最初のオーダである。幅広のトリムのオーダであると判断されたオーダが1つのみ存在する場合には、その1つのオーダが最初のオーダである。最初のオーダについて幅広のトリムの幅を算出する処理は、ステップSA14と同様に実行され、図11に示されるように、幅広のトリムの幅として、前方トリム片TM21の前方トリム幅WT21が、WT21=[WS−(WD×CN)−WTmin]の算出式に従って算出される。
ローラ幅方向目標位置が算出される(SB5)。ステップSB5は、ステップSA15と同様に実行される。スタッカ制御装置448が、初期設定動作を実行した後に、最初にローラ幅方向位置決め処理を実行するときには、作業メモリ476の2つの目標位置記憶領域の一方の目標位置記憶領域には、距離LHが、先回算出されたローラ幅方向目標位置として記憶されている。初期設定動作を実行した後に、最初にステップSB5が実行されるときには、ステップSB5により今回算出されたローラ幅方向目標位置は、距離LHを記憶する目標位置記憶領域とは別の目標位置記憶領域に一時記憶される。
トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされる(SB6)。ステップSB6は、ステップSA16と同様に実行される。ステップSB6の実行後に、ローラ幅方向位置決め処理は終了し、処理は、図8に示されるステップSA2に移行する。
(デフレクタ制御処理)
デフレクタ制御処理について、図10を参照して説明する。デフレクタ制御装置446は、コルゲートマシン1の電源投入時に下位管理装置400から供給される制御開始指令に従って、プログラムメモリ470からプログラムを読み出してデフレクタ制御処理の実行を開始する。
現在のオーダの生産シート枚数が計数される(SC1)。生産シート枚数を計数するカウンタは、デフレクタ制御装置446に内蔵される。そのカウンタの計数内容は、各オーダの最後のシートが切断されたときに、クリアされる。デフレクタ制御装置446が、カット検出器DCTにより発生されるカットパルスを下位管理装置400から受け取る度に、カウンタは、計数内容を「1」だけ増加させる。
最後のシートが切断されたか否かが判断される(SC2)。具体的には、カウンタの計数内容が現在のオーダについて定められた生産シート枚数と同じになったときに、最後の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断されたと判断する。最後のシートが切断されたと判断されないとき(SC2:NO)、処理はステップSC1に戻る。最後のシートが切断されたと判断されたとき(SC2:YES)、処理はステップSC3に移行する。
搬出用コンべア38の搬送パルスの計数が開始される(SC3)。搬送パルスの数を計数するカウンタは、デフレクタ制御装置446に内蔵される。そのカウンタの計数内容は、段ボールシートSHがデフレクタ上昇開始距離だけ搬送されたときに、クリアされる。デフレクタ制御装置446が、搬送パルス発生器PGにより発生される搬送パルスを下位管理装置400から受け取る度に、カウンタは、計数内容を「1」だけ増加させる。
段ボールシートSHがデフレクタ上昇開始距離だけ搬送されたか否かが判断される(SC4)。段ボールシートSHがデフレクタ上昇開始距離だけ搬送されたと判断されないとき(SC4、NO)、ステップSC4の判断が繰り返される。段ボールシートSHがデフレクタ上昇開始距離だけ搬送されたと判断されたとき(SC4、YES)、処理はステップSC5に移行する。デフレクタ上昇開始距離は、搬送速度指令に従う搬出用コンべア38の搬送速度と、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが突出するときの上昇動作遅れ時間とを掛けた値を、図3に示される距離DS1から差し引いた値である。
デフレクタ40の上昇が指令される(SC5)。具体的には、デフレクタ制御装置446は、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが引っ込んだ状態から突出するように昇降シリンダ116を作動させる。昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが突出することにより、デフレクタ40は、図13に示されるように、先端部分110が搬送経路FPより上方に位置するとともに下部案内面114が搬送経路FPと交差するように位置決めされる。
不良品のシートが切断されたか否かが判断される(SC6)。具体的には、ステップSC2において最後のシートが切断されたと判断された後に、デフレクタ制御装置446が、カット検出器DCTにより発生されるカットパルスを下位管理装置400から受け取ったときに、不良品のシートが切断されたと判断する。すなわち、ステップSC2において最後のシートが切断されたと判断された後で、スリッタスコアラ装置4はオーダチェンジのための動作を行うことから、罫線加工およびスリット加工が正常に実行されない不良品の段ボールシートSHが生ずる。デフレクタ制御装置446は、不良品の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断される動作の完了は、ステップSC2において最後のシートが切断されたと判断された後で、最初のカットパルスがカット検出器DCTから発生されることにより認識することができる。
搬出用コンべア38の搬送パルスの計数が開始される(SC7)。ステップSC7は、ステップSC3と同様に実行される。
段ボールシートSHがデフレクタ下降開始距離だけ搬送されたか否かが判断される(SC8)。段ボールシートSHがデフレクタ下降開始距離だけ搬送されたと判断されないとき(SC8、NO)、ステップSC8の判断が繰り返される。段ボールシートSHがデフレクタ下降開始距離だけ搬送されたと判断されたとき(SC8、YES)、処理はステップSC9に移行する。デフレクタ下降開始距離は、搬送速度指令に従う搬出用コンべア38の搬送速度と、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが引っ込むときの下降動作遅れ時間とを掛けた値を、図3に示される距離DS1から差し引いた値である。
デフレクタ40の下降が指令される(SC9)。具体的には、デフレクタ制御装置446は、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが突出した状態から引っ込むように昇降シリンダ116を作動させる。昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが引っ込むことにより、デフレクタ40は、図4に示されるように、先端部分110が搬送経路FPより僅かに下方に位置するとともに上部案内面112が搬送経路FPとほぼ平行になるように位置決めされる。ステップSC9の実行後に、処理はステップSC1に戻る。
≪一連のオーダの実行に伴うトリム除去動作の具体的態様≫
一連のオーダの実行に伴うトリム除去動作の具体的態様について、図4、および、図12乃至図14を参照して説明する。一連のオーダは、N番目のオーダから(N+7)番目のオーダまでのオーダとする。N番目のオーダから(N+5)番目のオーダまでのオーダは、幅広のトリムのオーダでないものとし、(N+6)番目のオーダと(N+7)番目のオーダとは、幅広のトリムのオーダであるとする。図4、および、図12乃至図14は、トリム押圧ローラ202が作用位置と不作用位置との間で昇降するとともに、デフレクタ40が良品案内位置と不良品案内位置との間で昇降する状態をそれぞれ示す。
図8に示されるローラ制御処理の実行が開始され、図9に示されるステップSB1が実行されると、N番目のオーダから(N+5)番目のオーダまでの6つのオーダに関する情報が受信される。N番目のオーダから(N+5)番目のオーダまでのオーダは、幅広のトリムのオーダでないことから、現在のオーダであるN番目のオーダを実行するときには、トリム押圧ローラ202は、図2に示されるように、装置の中央位置MCから前方に距離LHだけ離れた所定の位置に位置決めされている。前方トリム幅WT11と後方トリム幅WT12とが同じ幅になるように、前方トリム片TM11と後方トリム片TM12とがトリミングされ、前方トリムダクト28および後方トリムダクト30によりそれぞれ吸引されて除去される。両トリム片TM11、TM12が両トリムダクト28、30により吸引されることから、トリム押圧ローラ202は、図12に示されるように、不作用位置まで上昇した状態にある。また、デフレクタ40は、図12に示されるように、良品案内位置に位置し、N番目のオーダの実行により製造される良品の段ボールシートSHを供給用コンベア42に案内する。
現在のオーダであるN番目のオーダの実行が終了し、次のオーダである(N+1)番目のオーダへオーダチェンジするときに、ステップSA4が実行され、(N+1)番目のオーダが幅広のトリムのオーダであるか否かが判断される。(N+1)番目のオーダは幅広のトリムのオーダでないことから、再度ステップSA1が実行される。ステップSA1が実行されるときに現在のオーダになった(N+1)番目のオーダから(N+6)番目のオーダまでの6つのオーダに関する情報が受信される。(N+6)番目のオーダは幅広のトリムのオーダであることから、図11に示されるように、トリム押圧ローラ202は、その幅方向の中央位置が(N+6)番目のオーダの実行により生ずる前方トリム片TM21の中央位置と一致するように、幅方向に位置決めされる。
(N+1)番目のオーダへオーダチェンジするときに、不良品の段ボールシートSHが生ずることから、デフレクタ40は、図14に示されるように、不良品案内位置に上昇し、不良品の段ボールシートSHを除去用コンベア44に案内する。不良品の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断された後に、デフレクタ40は、図12に示されるように、良品案内位置に下降する。
現在のオーダである(N+1)番目のオーダの実行が終了し、次のオーダである(N+2)番目のオーダへオーダチェンジするときに、ステップSA4が実行され、(N+2)番目のオーダが幅広のトリムのオーダであるか否かが判断される。(N+2)番目のオーダは幅広のトリムのオーダでないことから、再度ステップSA1が実行される。ステップSA1が実行されるときに現在のオーダになった(N+2)番目のオーダから(N+7)番目のオーダまでの6つのオーダに関する情報が受信される。(N+7)番目のオーダは幅広のトリムのオーダであるが、幅広のトリムのオーダのうちで最初のオーダは(N+6)番目のオーダであることから、図11に示されるように、トリム押圧ローラ202は、その幅方向の中央位置が(N+6)番目のオーダの実行により生ずる前方トリム片TM21の中央位置と一致するように、幅方向に位置決めされる。
(N+2)番目のオーダから(N+5)番目のオーダまでのオーダが実行されると、ステップSA4において、次のオーダになる(N+6)番目のオーダが幅広のトリムのオーダか否かが判断される。(N+6)番面のオーダは幅広のトリムのオーダであることから、すでに幅方向に位置決めされているトリム押圧ローラ202が、ステップSA5〜SA7の実行により、図4に示されるように、作用位置まで下降する。トリム押圧ローラ202の作用位置への下降は、(N+5)番目のオーダにおいて最後のシートが切断された後であって、(N+5)番目のオーダから(N+6)番目のオーダへオーダチェンジするときに生ずる不良品の段ボールシートSHが切断される前に、実行される。
現在のオーダである(N+5)番目のオーダから(N+6)番目のオーダへオーダチェンジするときに、不良品の段ボールシートSHが生ずることから、デフレクタ40は、図13に示されるように、不良品案内位置に上昇し、不良品の段ボールシートSHを除去用コンベア44に案内する。(N+5)番目のオーダから(N+6)番目のオーダへオーダチェンジするときに生ずる不良品の段ボールシートSHには、(N+6)番目のオーダの実行により最初に生ずる前方トリム片TM21の先端部分が付随することから、搬出用コンべア38は、不良品の段ボールシートSHと、それに付随する前方トリム片TM21の先端部分とを一緒に搬送する。この付随する前方トリム片TM21の先端部分は、トリム押圧ローラ202により押圧されて除去用コンベアに案内される。不良品の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断された後に、デフレクタ40は、図4に示されるように、良品案内位置に下降する。
現在のオーダになった(N+6)番目のオーダを実行するときには、図11に示されるように、幅狭の後方トリム片TM22と幅広の前方トリム片TM21とがトリミングされ、幅狭の後方トリム片TM22が後方トリムダクト30により吸引されて除去される。幅広の前方トリム片TM21は、トリム押圧ローラ202により、図4に示される間隙GDに案内され、間隙GDを通過して除去用コンベア44に案内される。幅広の前方トリム片TM21は、除去用コンベア44により搬送されて収納部46に収納される。
現在のオーダである(N+6)番目のオーダの実行が終了し、次のオーダである(N+7)番目のオーダへオーダチェンジするときに、トリム押圧ローラ202は、ステップSA10〜SA12の実行により、図12に示されるように、不作用位置まで上昇する。その後に、ステップSA13の実行により、次のオーダになる(N+7)番目のオーダが幅広のトリムのオーダであるか否かが判断される。(N+7)番目のオーダは幅広のトリムのオーダであることから、ステップSA14〜SA16の実行により、図11に示されるように、トリム押圧ローラ202は、その幅方向の中央位置が(N+7)番目のオーダの実行により生ずる前方トリム片TM21の中央位置と一致するように、幅方向に位置決めされる。
現在のオーダである(N+6)番目のオーダから(N+7)番目のオーダへオーダチェンジするときに、不良品の段ボールシートSHが生ずることから、デフレクタ40は、図14に示されるように、不良品案内位置に上昇し、不良品の段ボールシートSHを除去用コンベア44に案内する。不良品の段ボールシートSHがカットオフ装置6により切断された後に、デフレクタ40は、図12に示されるように、良品案内位置に下降する。
不良品の段ボールシートSHが切断された後に、すでに幅方向に位置決めされているトリム押圧ローラ202が、ステップSA18〜SA2の実行により、図4に示されるように、作用位置まで下降する。
現在のオーダになった(N+7)番目のオーダを実行するときには、(N+6)番目のオーダと同様に、図11に示されるように、幅狭の後方トリム片TM22と幅広の前方トリム片TM21とがトリミングされ、幅狭の後方トリム片TM22が後方トリムダクト30により吸引されて除去される。幅広の前方トリム片TM21は、トリム押圧ローラ202により、図4に示される間隙GDに案内され、間隙GDを通過して除去用コンベア44に案内される。幅広の前方トリム片TM21は、除去用コンベア44により搬送されて収納部46に収納される。
[実施形態の効果]
本実施形態では、前方トリム片TM21の前方トリム幅WT21と、後方トリム片TM22の後方トリム幅WT22との合計値が、所定の許容幅を越える場合に、後方トリム幅WT22は、所定の狭い幅WTminに設定され、前方トリム幅WT21は、ステップSA14、またはステップSB4により算出される幅広のトリムの幅に設定される。前方トリム片TM21は、トリム押圧ローラ202により押圧されることにより、図4に示されるように、上部案内面112が搬送経路FPとほぼ平行になるように良品案内位置に位置決めされるデフレクタ40の先端部分110と、搬出用コンべア38のプーリ66に巻かれた搬送ベルト70の右方部分との間の所定の間隙GDに、案内される。案内された前方トリム片TM21は、既存の除去用コンベア44により搬送されて除去される。この結果、前方トリムダクト28により吸引することができない幅広のトリム片であっても、既存の除去装置8により確実に除去することができる。また、幅広のトリム片が細裁断機構により裁断できない極めて広い幅である場合に良品の段ボールシートとともに幅広のトリム片がスタッカ装置に搬送される特許文献2に記載の装置では、スタッカ装置において作業者が幅広のトリム片を手作業で取り出す必要があり、良品の段ボールシートの積載動作に支障を来すおそれがある。これに対して、本実施形態では、幅広のトリム片TM21は、既存の除去用コンベア44により搬送されて収納部46に収納されることから、スタッカ装置10における良品の段ボールシートSHの積載動作に支障を来すことはない。
本実施形態では、トリム押圧ローラ202は、ローラ回転モータ260により回転駆動される。幅広の前方トリム片TM21は、トリム押圧ローラ202と、搬出用コンべア38の搬送ベルト70との間に挟持され、図6において搬送方向DFから右下方に向う方向に搬送力が前方トリム片TM21に付与される。この結果、幅広の前方トリム片TM21を所定の間隙GDに確実に案内することができ、幅広の前方トリム片TM21を円滑に除去することができる。
本実施形態では、前方トリム片TM21の前方トリム幅WT21と、後方トリム片TM22の後方トリム幅WT22との合計値が、所定の許容幅を越える場合に、後方トリム幅WT22は、所定の狭い幅WTminに設定され、前方トリム幅WT21は、ステップSA14、またはステップSB4により算出される幅広のトリムの幅に設定される。幅狭の後方トリム片TM22は、後方トリムダクト30により吸引されて除去される。トリム押圧ローラ202は、幅広の前方トリム片TM21の幅方向の位置に合せて、ステップSA16、またはステップSB5により幅方向に位置決めされる。この位置決めされたトリム押圧ローラ202により、幅広の前方トリム片TM21が所定の間隙GDに案内される。この結果、幅広の前方トリム片TM21が、幅方向において、いずれの位置にある場合でも、また、いずれのトリム幅である場合でも、1つのトリム押圧ローラ202により幅広の前方トリム片TM21を既存の除去装置8に確実に案内して除去することができる。特に、トリム押圧ローラ202の幅方向の中央位置が、幅広の前方トリム片TM21の幅方向の中央位置と一致するように、トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされることから、幅広の前方トリム片TM21を除去用コンベア44に向って真っ直ぐに搬送することができる。
本実施形態では、トリム押圧ローラ202を幅方向に位置決めするとともに、作用位置と不作用位置との間で昇降させるトリム除去装置200が、カットオフ装置6の右方補助フレーム54の上方に配置される。この結果、幅広のトリム片を細かく裁断するような切断ナイフが搬送経路の上下両側に配置される構成に比べて、極めて幅広のトリム片でも簡単な構成で確実に除去することができる。
本実施形態では、ステップSB1の実行により、現在のオーダが実行される前に、現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダに関する情報が受信される。現在のオーダから6番目のオーダまでのオーダが、幅広のトリムのオーダを含む場合には、ステップSB3〜SB6の実行により、その幅広のトリムのオーダの実行により生ずる前方トリム片TM21の位置に合わせて、トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされる。この結果、幅広のトリムのオーダの実行直前に、トリム押圧ローラ202が幅方向に位置決めされる構成に比べて、トリム押圧ローラ202を幅方向に精度よくかつ確実に位置決めすることができる。
本実施形態では、トリム押圧ローラ202が作用位置への下降を開始するタイミングは、ステップSA5〜SA7の実行、または、ステップSA18〜SA20の実行により、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが突出するときの下降動作遅れ時間を考慮して決定される。この結果、トリム押圧ローラ202が下降動作遅れ時間だけ早めに作用位置への下降を開始することから、トリム押圧ローラ202は、幅広の前方トリム片TM21の先端部分から、幅広の前方トリム片TM21を押圧して除去用コンベア44に確実に案内することができる。
本実施形態では、トリム押圧ローラ202が不作用位置への上昇を開始するタイミングは、ステップSA10〜SA12の実行により、昇降シリンダ254の作動ロッド254Aが引っ込むときの上昇動作遅れ時間を考慮して決定される。この結果、トリム押圧ローラ202が上昇動作遅れ時間だけ早めに不作用位置への上昇を開始することから、トリム押圧ローラ202は、幅広の前方トリム片TM21の後端部分が通過した後でも作用位置に留まることを防止することができ、次のオーダの実行により製造される良品の段ボールシートSHを除去用コンベア44に向って誤って押圧することを防止することができる。
<構成の対応関係>
コルゲートマシン1、または加工エンド2は、本発明の段ボールシート製造装置の一例である。スリッタスコアラ装置4と、スリッタスコアラ制御装置440との組み合わせは、本発明のスリッタ装置の一例である。カットオフ装置6と、カットオフ制御装置442との組み合わせは、本発明の切断装置の一例である。デフレクタ40と、昇降シリンダ116と、デフレクタ制御装置446との組み合わせは、本発明の経路切替部の一例である。供給用コンベア42により形成される経路が、本発明の良品搬送経路の一例であり、除去用コンベア44により形成される経路が、本発明の除去経路の一例である。トリム押圧ローラ202と、昇降シリンダ254との組み合わせは、本発明の作用力付与部の一例である。トリム押圧ローラ202は、本発明の作用部材、および作用回転体の一例である。デフレクタ40は、本発明の案内部材の一例である。幅方向変位機構204は、本発明の支持機構の一例である。ローラ変位モータ224と、スタッカ制御装置448との組み合わせは、本発明の制御部の一例である。搬出用コンべア38、およびプーリ66は、本発明の搬送部、および搬送回転体の一例である。搬送ベルト70の上面70Aは、本発明の搬送面の一例である。ローラ回転モータ260は、本発明の駆動部の一例である。トリム押圧ローラ202の回転中心位置CP1は、本発明の作用回転体の回転中心の一例であり、搬出用コンべア38のプーリ66の回転中心位置CP2は、本発明の搬送回転体の回転中心の一例である。トリムダクト28、30は、本発明のトリム吸引部の一例である。搬送経路FP、および搬送方向DFは、本発明の搬送経路、および搬送方向の一例である。
<変形例>
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)本実施形態では、1つのトリム押圧ローラ202が、昇降機構206により、ローラキャリッジ220に昇降可能に支持される。ローラキャリッジ220が、幅方向変位機構204により、幅方向に変位可能に支持される。ローラ変位モータ224の回転により、トリム押圧ローラ202が幅広の前方トリム片TM21の幅方向の位置に合うように、ローラキャリッジ220が、幅方向に位置決めされる。しかし、1つのトリム押圧ローラ202を幅方向に位置決めする構成に限定されない。たとえば、図5に示される中心線CLの位置より前方の領域において、多数のトリム押圧ローラが、前後方向に定められる多数の一定の位置にそれぞれ配置される構成であってもよい。この変形例では、多数のトリム押圧ローラの各ローラは、搬出用コンべア38の搬送ベルト70に近接する作用位置と、搬送ベルト70から離間する不作用位置との間で、昇降シリンダにより昇降可能にトリム除去装置200の下方梁216に支持される。多数のトリム押圧ローラのうちから、幅広の前方トリム片TM21の幅方向の位置に近い位置に配置される1つ、または2つのトリム押圧ローラが選択され、この選択されたトリム押圧ローラが作用位置まで下降される。多数のトリム押圧ローラが配置される多数の一定の位置は、カットオフ装置などの装置の前後方向における幅である最大通紙可能幅の半分の値と、1つのトリム押圧ローラの幅と、隣接する2つのトリム押圧ローラの向き合う2つの側面に存在するローラ間隙とに基いて、予め定められる。ローラ間隙は、各トリム押圧ローラと、その支持部材とが昇降するときに、隣り合うトリム押圧ローラと、その支持部材とに干渉しないために必要な間隙である。
(2)本実施形態では、搬送方向DFにおいて、デフレクタ40の上流側に配置される搬送部として、搬出用コンべア38が備えられる構成であるが、搬送部は搬出用コンべア38に限定されない。たとえば、多数の搬送ローラが搬送方向DFに配置され、駆動モータにより回転駆動される構成であってもよい。この変形例では、多数の搬送ローラのうちで最も下流側に配置される搬送ローラが、本発明の搬送回転体の一例である。
(3)本実施形態では、幅広の前方トリム片TM21を除去用コンベア44に案内するために、トリム押圧ローラ202が、昇降機構206により作用位置まで下降される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、搬出用コンべア38により搬送される前方トリム片TM21の先端部分を、図4に示される所定の間隙GDから除去用コンベア44に案内するために、搬送経路FPに対して右斜め下に傾斜する板状案内体が、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70に近接した位置に配置され、前後方向において前方トリム片の位置に合せて位置決めされる構成であってもよい。この変形例では、上方コンベアが、段ボールシートおよび前方トリム片を搬出用コンべア38との間で挟持して搬送するために備えられることが好ましい。
(4)本実施形態では、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有しないオーダを表す判別情報を含む場合には、スリッタスコアラ制御装置440は、図2に示されるように、前方トリム幅WT11と後方トリム幅WT12とが同じ幅になるように、トリム幅を算出する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有しないオーダを表す判別情報を含む場合でも、後方トリム幅は、所定の狭い幅WTminに設定され、前方トリム幅は、ステップSA14、またはステップSB4により算出される幅広のトリムの幅に設定される構成であってもよい。この変形例では、前方トリムダクト28が備えられることなく、幅広の前方トリム片がトリム押圧ローラ202により常に除去用コンベア44に案内される構成であってもよい。前方トリム片が常に幅広のトリム片に切断されることから、幅広の前方トリム片を隙間材などの別の用途に利用することができる。
(5)本実施形態では、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含む場合には、スリッタスコアラ制御装置440は、図11に示されるように、前方トリム幅WT21と後方トリム幅WT22とが異なる幅になるように、前方トリム幅WT21と後方トリム幅WT22とを決定する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含む場合でも、前方トリム幅と後方トリム幅とが同じ幅になるように、トリム幅を算出する構成であってもよい。この変形例では、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含む場合には、2つのトリムダクトの吸引口を閉鎖するシャッタが備えられ、前方トリム片と後方トリム片とを除去用コンベア44に案内するために、前方トリム片および後方トリム片にそれぞれ対応する2つのトリム押圧ローラが備えられる。
(6)本実施形態では、供給用コンベア42により形成される良品搬送経路と、除去用コンベア44により形成される除去経路とが、デフレクタ40の揺動動作により切替えられる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、搬出用コンべア38のプーリ66と、供給用コンベア42のプーリ84との間に存在する間隙を開閉する開閉部材と、その間隙が開放されている間に、不良品の段ボールシートの先端部分を間隙の中に押し込むために昇降可能な押え部材とを備える構成であってもよい。この変形例では、押え部材が本発明の案内部材の一例である。
(7)本実施形態では、オーダが幅広のトリムのオーダであるか否かを判断するために、ステップSA4、SA13、SB2では、オーダに関する情報が、幅広のトリムを有するオーダを表す判別情報を含むか否かにより、判断される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、スタッカ制御装置448が、丁取数と、切断幅WDとを掛け合わせた値を、段ボールシートSHの全幅WSから差し引いた値が、所定の許容幅を越えるか否かを判断することにより、オーダが幅広のトリムのオーダであるか否かを判断する構成であってもよい。
(8)本実施形態では、オーダチェンジの際にスリッタスコアラ装置4が正常に罫線加工およびスリット加工を行うことができない段ボールシートが、不良品の段ボールシートとして、除去装置8により除去される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、段ボールシートを構成する原紙が継ぎ合わされた場合には、段ボールシートには紙継ぎ部分が存在し、この紙継ぎ部分を有する段ボールシートは、不良品の段ボールシートとして除去装置により除去される構成であってもよい。この変形例では、搬送方向において紙継ぎ部分の位置を追跡する手段が備えられ、紙継ぎ部分を有する段ボールシートがデフレクタ40の先端部分110に接近したときに、昇降シリンダ116の作動ロッド116Aが突出するように昇降シリンダ116が作動される。
(9)本実施形態では、順次実行される多数のオーダのうちで、ローラ制御処理の実行が開始されるときに最初に実行されるオーダとしては、幅広のトリムのオーダでないオーダが設定されているものとして、ローラ制御処理が説明されたが、ローラ制御処理の実行が開始されるときに最初に実行されるオーダとして、幅広のトリムのオーダが設定されていてもよい。この場合、図9に示されるローラ幅方向位置決め処理において、ステップSB1の実行後に、ローラ制御処理の実行が開始されるときに最初に実行されるオーダが、幅広のトリムのオーダか否かが判断され、最初に実行されるオーダが幅広のトリムのオーダでないと判断されるときには、ステップSB2以降の処理が実行される。最初に実行されるオーダが幅広のトリムのオーダであると判断されるときには、その最初に実行されるオーダについてステップSB3〜SB6が実行され、トリム押圧ローラ202の下降が指令される。
(10)本実施形態では、1基のスリッタスコアラ装置4が備えられる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、特許文献1に記載の装置のように、搬送方向に沿って2基のスリッタスコアラ装置が備えられてもよい。また、本実施形態では、スリッタスコアラ装置4は、上罫線ローラ20と下罫線ローラ22との組を搬送方向DFにおいて1組備える構成であるが、特許文献1に記載の装置のように、上罫線ローラ20と下罫線ローラ22との組を搬送方向DFにおいて2組備える構成であってもよい。更に、本実施形態では、スリッタスコアラ装置4の各スリッタは、上スリッタナイフ24と下スリッタナイフ26とを備える構成であるが、スリッタナイフと、スリッタナイフが嵌合する溝を有するナイフ受けとを備える構成であってもよい。
(11)本実施形態では、1つのトリム押圧ローラ202について幅方向変位機構204と昇降機構206とが備えられる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、2つのトリム押圧ローラの各ローラについて幅方向変位機構と昇降機構とが備えられ、各トリム押圧ローラが独立して前後方向に位置決めされるとともに、搬出用コンべア38のプーリ66に巻かれた搬送ベルト70に対して昇降可能に支持される構成であってもよい。この変形例では、2つの幅広のトリムのオーダが連続して実行されるときに、一方のトリム押圧ローラは、先のオーダの実行により生ずる幅広のトリム片を押圧するために作用位置まで下降し、その間に、他方のトリム押圧ローラは、次のオーダの実行により生ずる幅広のトリム片の前後方向の位置に合わせて前後方向に位置決めされる。
(12)本実施形態では、図6に示される押圧角度θは、19度に設定されるが、押圧角度θは、19度に限定されない。たとえば、搬出用コンベア38により搬送される幅広の前方トリム片TM21が、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70とトリム押圧ローラ202との間に、詰まることなく円滑に進入して除去用コンベア44に向って案内されるのであれば、押圧角度θは、15度から30度までの範囲内で変更されてもよい。また、本実施形態では、トリム押圧ローラ202の半径が、プーリ66の半径と、搬送ベルト70の厚さとの合計値より僅かに大きい値に設定されるが、前方トリム片TM21が、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70とトリム押圧ローラ202との間に円滑に進入するのであれば、プーリ66の半径、トリム押圧ローラ202の半径、および距離DCは、特に限定されない。更に、本実施形態では、作用力付与部としてトリム押圧ローラ202が備えられるが、トリム押圧ローラ202に代えて板状の押圧部材が備えられる場合でも、プーリ66に巻かれた搬送ベルト70と板状の押圧部材との間で前方トリム片TM21が押圧される押圧角度θは、15度から30度までの範囲内で変更されてもよい。この変形例では、板状の押圧部材は、押圧角度θでプーリ66の回転中心位置CP2から延びる線と直交する押圧案内面を有する。