JP6932350B2 - マグネシウム空気電池用電解質添加剤 - Google Patents

マグネシウム空気電池用電解質添加剤 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウム空気電池用電解質添加剤に関する。
マグネシウム空気電池、即ち、マグネシウム又はマグネシウム合金を含む、或いは、マグネシウム又はマグネシウム合金から構成される負極(アノード)を備える電池は、マグネシウムが、例えば、リチウムよりも大きい容積を有する(つまり、リチウムが2061mAh cm-3であるのに対して、マグネシウムは3832mAh cm-3である)ことから、益々注目を集めている。
現在一般に使用されているリチウムイオン電池に比べて、マグネシウム空気電池は、その大きい容積のために約2倍強力であると考えられる。加えて、リチウムイオン電池と比べて、マグネシウム空気電池の場合、質量当たりのエネルギが遥かに高い。
しかしながら、より重要なことには、その可逆的なめっき/剥離にかかわる電気化学的プロセスがデンドライトの形成を生じないことが証明されており、それを電池の負極として採用することに関連する安全上の懸念は大きく緩和されている。最後に、マグネシウムは、地殻中に天然に豊富に存在することから、電池のコストを削減できることが期待されている。
しかしながら、幾つかの技術的な課題が、依然としてマグネシウム空気電池の商用化を妨げている。実際、実用的な電解質及びカソードがないため、充電可能なマグネシウム空気電池の実証は研究所に限定されている(下記非特許文献1を参照)。つまり、数百ワット時毎キログラム程度の低い質量エネルギ密度と、非常に弱い動力学に伴う限界があることが示されている耐久性のために、マグネシウム空気電池は、現在、実用化には程遠い状況にある。
マグネシウム金属を論じる際、その電解質との相互作用の性質は、重要且つ複雑なテーマを孕んでいると認識されている。つまり、金属−電解質間の相互作用の結果、金属上に形成される界面は、金属の溶解及びめっき、即ち、電池の放電及び論理充電に関係する電気−化学的特性に直接的な影響を及ぼす。
金属−電解質間の化学的/電気化学的相互作用の結果としてのマグネシウムアノード上の表面層の形成が、マグネシウムイオンの移動を遮断することにより可逆的な電気化学的な溶解及びめっきが生じるのを妨げるため、可逆的なマグネシウムの堆積にとって障害となることはよく立証されている(下記非特許文献1を参照)。
特に、マグネシウム空気電池に水性電解質を使用することは、アノード腐食や電圧降下、電解質の不安定性を促進する等の問題に繋がり、特に、自己腐食プロセスは、マグネシウムアノードの制御不可能な劣化及び破壊に繋がる。これらのプロセスは、すべて、全体的な電池の性能及び寿命の低下をもたらす。
これまで、マグネシウムアノードと水性電解質との相互作用を制御することによって電池性能を向上する試みは、非常に少なく、また、こうした試みは、過充電や、容量の退化、アノード表面の非導電性パッシベーション、経時的な電圧降下等、多くの欠点を示している。
例えば、マグネシウム電池の性能を向上するために、Wangら(下記非特許文献2を参照)は、アノード材料として、アノードの微細構造の調整の可能性及びより高い自由度に繋がる様々なマグネシウム合金(例えば、AZシリーズやAMシリーズ、Mg−Li)を適用している。しかしながら、そのような合金の使用は、不要な反応といった望ましくない副次的影響や経時的な電圧降下に繋がる。
従って、水性電解質雰囲気下で動作する、マグネシウム空気電池用の新規な電解質組成物の必要性が依然としてあり、特に、水性電解質を備えるマグネシウム空気電池の全体的な性能を向上させる有効な手段を提供する必要性がある。
R. Mohtadi, F. Mizuno "Magnesium batteries: Current state of the art, issues and future perspectives", Beilstein J. Nanotechnol. 2014, 5, 1291-1311 N. Wang et al., Research progress of magnesium anodes and their applications in chemical power sources, T Nonferr Metal Soc., 24 (2014) 2427-2439 Data for Biochemical Research, 1995, 3rd edition, R. M. C. Dawson, O. C. Elliot, W. H. Elliot, K. M. Jones Critical stability constants, 1975-1976, volumes 2-6, A. E. Martell, R.M. Smith (Eds.) Sequestrants in food, in : T. E. Furia (Ed.),CRC Handbook of Food Additives, V. I, 2nd ed. 1972, pp. 271-294 (Chapter 6). T. E. Furia Lange's Handbook of Chemistry, 15th Ed. 13 McGraw-Hill, Inc., 1999 (Section 8, Table 8.12-8.13). J. A. Dean (Ed.) Analytical and Biological Products, p. 252, Metal Chelates, Dojindo catalogue
従って、本発明の目的は、水性電解質を備えるマグネシウム空気電池の性能を向上させる新規な手段を提供することである。より詳細には、本発明の目的は、マグネシウム空気電池の電圧を増加させ且つ経時的な電圧降下を最低限に抑えることである。更に、本発明の目的は、電池の性能を向上させ、その電池の電圧を増加させ、且つ、経時的な電圧降下を最低限に抑えるマグネシウム空気電池用水性電解質を提供することである。また、本発明の目的は、既知のマグネシウム系電池と比較して、性能が向上し、電圧が増加し、且つ電圧降下が最低限に抑えられた新規なマグネシウム空気電池を提供することである。
驚くべきことに、この目的は、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと錯体を形成することが可能で、そのFe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、6.0以上であり、且つ、Mg(II)イオンとも錯体を形成することが可能で、そのMg(II)イオンとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、4.0以上であるキレート剤を含む、マグネシウム空気電池用電解質添加剤によって達成される。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「安定度定数」(K)という用語は、全体的な置換反応に対する配位子置換反応における、水分子の配位子により囲まれる金属イオンと、他の種類の配位子により囲まれる同じ遷移金属イオンとの間に存在する平衡のための平衡定数を指す。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「室温」という用語は、約25℃の温度を指す。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「キレート剤」という用語は、金属イオンに結合する合成又は天然分子を指す。キレート剤は、二価金属イオン及び多価金属イオンを溶液中に封じ込めるのに使用される。
本発明者らは、驚くべきことに、鉄内の不活性な不純物が、侵食機構によってマグネシウムアノードから離れ、Fe(II)又はFe(III)イオンを形成することによって溶解することを見出した。続いて、これらのイオンが還元されてアノードの表面に再堆積することによって、自己腐食を促進する。従って、この知見に基づき、これらの不純物の再堆積を防止することによって、水性電解質中におけるマグネシウムアノードの有害な自己腐食速度を大幅に低下させることができることを見出した。溶解していた鉄の再堆積が、錯化剤を用いてそのイオンを化学的に結合することによって、効果的に避けられる。
電解質添加剤(キレート剤)を含む電解質としてのNaCl水溶液中での、三電極構成における、工業用純度でマグネシウムを含むマグネシウムアノードの放電挙動を定電流放電した試験結果のグラフである。 純粋なNaCl電解質に晒したサンプル及びタイロンを添加したNaClに晒したサンプルの光学写真である。
本発明の一実施形態において、適切なキレート剤としては、少なくとも一つのアミノポリカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、ヒドロキシスルホン酸系若しくはアミノ酸系キレート剤、又はそれらの塩及び/若しくはそれらの混合物が挙げられる。
本発明の一実施形態において、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンN,N’−ビス(2−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン−N,N,N’−三酢酸(HEDTA)、エチレングリコール−ビス(アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−酢酸(BAPTA)、N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタミン酸(GLDA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、それらの塩、及びそれらの混合物等のようなアミノポリカルボン酸が挙げられる。
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本発明の他の実施形態において、キレート剤としては、サリチル酸及びその誘導体、例えばスルホサリチル酸、好ましくは5−スルホサリチル酸、メチルサリチル酸、好ましくは5−メチルサリチル酸、アミノサリチル酸、好ましくは4−アミノサリチル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物のようなヒドロキシカルボン酸、好ましくは芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
本発明の更に他の実施形態において、キレート剤としては、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸(8HQ SO3)又はピロカテコール−3,5−ジスルホン酸(タイロン)、それらの塩、及びそれらの混合物のようなヒドロキシスルホン酸、好ましくは芳香族ヒドロキシスルホン酸が挙げられる。
本発明の更に他の実施形態において、キレート剤としては、アスパラギン、システイン、又はそれらの塩、及びそれらの混合物のようなアミノ酸系キレート剤が挙げられる。
本発明により採用されるキレート剤は、Fe(II)又はFe(III)と安定した錯体を形成することによって、アノード上への鉄の再堆積を防止して自己腐食速度を大幅に低下させる。加えて、本発明により採用されるキレート剤は、Mg(II)と錯体を形成し、それによってアノード上の表面層の形成を防止する。
本発明により採用されるキレート剤は、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが6.0以上、好ましくは10.0以上の錯体を形成し、且つ、Mg(II)イオンと、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが4.0以上、好ましくは5.5以上の錯体を形成する。
しかしながら、最も好ましくは、このキレート剤は、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンの全てと、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが6.0以上の錯体を形成し、且つ、Mg(II)イオンと、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが4.0以上の錯体を形成する。
各安定度定数は、例えば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる上記非特許文献3〜7から知ることができる。
キレート剤は、電解質の総容積に対して、1.0×10-5〜2.0mol/L、好ましくは5.0×10-5〜1.5mol/L、より好ましくは1.0×10-4〜1.0mol/Lの濃度で、マグネシウム空気電池の電解質に使用されることが好ましい。
本発明の上述の目的は、更に、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと錯体を形成することが可能で、そのFe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、6.0以上であり、且つ、Mg(II)イオンとも錯体を形成することが可能で、そのMg(II)イオンとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、4.0以上であるキレート剤を含む電解質添加剤を含む、マグネシウム空気電池用電解質によって実現される。
電解質添加剤を含む電解質は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、好ましくはNaCl、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、好ましくはNaNO3、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の亜硝酸塩、好ましくはNaNO2、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のチオシアン酸塩、好ましくはNaSCN、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硫酸塩、好ましくはNa2SO4、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの無機塩を含む水溶液であることが好ましい。
好ましくは、電解質添加剤を含む電解質は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、好ましくはNaCl、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、好ましくはNaNO3、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のチオシアン酸塩、好ましくはNaSCN又はそれらの混合物を含む水溶液である。より好ましくは、電解質添加剤を含む電解質は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、好ましくはNaNO3、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のチオシアン酸塩、好ましくはNaSCN又はそれらの混合物を含む水溶液である。
好ましくは、電解質添加剤を含む電解質は、少なくとも一つの無機塩を、電解質の総容積に対して、0.05〜1mol/L、好ましくは0.05〜0.8mol/L、より好ましくは0.07〜0.5mol/L、更により好ましくは0.07〜0.3mol/L、特に0.1mol/Lの濃度で含む水溶液である。
好ましい実施形態によれば、電解質は、キレート剤の一つ以上を、電解質の総容積に対して、1.0×10-5〜2.0mol/L、好ましくは5.0×10-5〜1.5mol/L、より好ましくは1.0×10-4〜1.0mol/Lの濃度で含む。
本発明の上述の目的は更に、マグネシウム又はマグネシウム合金を含むか、それから構成される少なくとも一つのアノードと、少なくとも一つのカソードと、それら少なくとも一つのアノード及びカソードと組み合わせられた電解質とを備えるマグネシウム空気電池であって、電解質が、Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと錯体を形成することが可能で、そのFe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、6.0以上であり、且つ、Mg(II)イオンとも錯体を形成することが可能で、そのMg(II)イオンとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、4.0以上であるキレート剤を含む電解質添加剤を少なくとも一つ含む、マグネシウム空気電池によって実現される。
好ましくは、カソードは、ガス拡散電極である。更に好ましい実施形態によれば、カソードは、活性炭を含むか、それから構成される。
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、以下の非限定の実施例により更に説明する。
0.05Mの電解質添加剤(キレート剤)を含む電解質としてのNaClの0.5%(0.086mol/L)水溶液中での、三電極構成における、工業用純度(220ppm Fe、5ppm Cu、<2ppm Ni)でマグネシウムを含むマグネシウムアノードの放電挙動を、約24時間に亘って0.5mA cm-2の電流密度で定電流放電することにより調べた。これらの試験の結果を図1に示す。
マグネシウムアノードの不純物含有量は、スパーク発光分光分析法によって測定した。元の材料を、小片に切断し、研削、研磨そしてエタノールで洗浄した。
〈放電試験〉
本発明に係る電解質添加剤を使用すると、マグネシウム空気電池の放電挙動を大幅に向上できる。すなわち、電池電圧を増加させ、且つ、経時的な電圧降下を抑制、更には防止できる。
特に、工業用純度(220ppm Fe、5ppm Cu、<2ppm Ni)のマグネシウムのアノードを備えるマグネシウム空気電池に関して、本発明に係る電解質添加剤を電池の電解質中に使用すると、長時間に亘ってコンスタントに、電池電圧を大幅に増加させることができる。
例えばタイロンを、電解質の総容積に対して0.05mol/L添加すると、電池電圧が、24時間を超える時間に亘ってコンスタントに、約−1.47Vから約−1.75Vまで増加する。結果を以下の表1にまとめた。
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本発明に係る電解質添加剤を電解質に添加することによって、経時的に安定した電池電圧、及び、電圧降下の防止に繋がる。例えば、タイロンを添加することによって、24時間に亘って−1.7Vを超える大幅に安定した電池電圧が得られる。これは、純粋な0.5%NaCl電解質に浸漬した基準サンプルの場合よりも250mV高い。
0.5%NaCl電解質に24時間晒した場合、マグネシウムサンプルの表面は、マグネシウムに典型的な白黒の腐食生成物の厚い層で完全に被覆される。この腐食生成物の遮断効果によって、電池電圧の低下が生じる。対照的に、表1に列記した10種類のキレート剤(電解質添加剤)のいずれかを0.05mol/L添加した0.5%NaCl電解質に24時間晒した場合、サンプルの表面には全く堆積物が生じておらず、高い光沢を示した。
図2に、純粋なNaCl電解質に晒したサンプル及びタイロンを添加したNaClに晒したサンプルの光学写真を示す。
本発明は、マグネシウム空気電池の電解質添加剤に利用できる。

Claims (12)

  1. Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと錯体を形成することが可能で、そのFe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、6.0以上であり、且つ、Mg(II)イオンとも錯体を形成することが可能で、そのMg(II)イオンとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、4.0以上であるキレート剤を含む、マグネシウム空気電池の電圧を増加させ且つ経時的な電圧降下を最低限に抑えるための、マグネシウム空気電池用電解質添加剤であって、
    サリチル酸及びその誘導体、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つ、または、
    8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸(8HQ SO 3 )又はピロカテコール−3,5−ジスルホン酸(タイロン)、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つ、または、
    アスパラギン、システイン、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つ、を含む電解質添加剤
  2. 請求項に記載の電解質添加剤であって、
    前記キレート剤の塩が、それらのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩又はアンモニウム塩から選択される電解質添加剤。
  3. Fe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つと錯体を形成することが可能で、そのFe(II)イオン及びFe(III)イオンのうち少なくとも一つとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、6.0以上であり、且つ、Mg(II)イオンとも錯体を形成することが可能で、そのMg(II)イオンとの錯体の、室温(約25℃)での水溶液中の安定度定数logKが、4.0以上であるキレート剤の、マグネシウム空気電池の電解質に対する、マグネシウム空気電池の電圧を増加させ且つ経時的な電圧降下を最低限に抑えるための添加剤としての使用であって、
    電解質添加剤は、サリチル酸及びその誘導体、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つを含むか、または、
    電解質添加剤は、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸(8HQ SO 3 )又はピロカテコール−3,5−ジスルホン酸(タイロン)、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つを含むか、または、
    電解質添加剤は、アスパラギン、システイン、それらの塩、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つを含む、使用
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電解質添加剤を含む、
    マグネシウム空気電池用電解質。
  5. 請求項に記載の電解質であって、
    アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の亜硝酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のチオシアン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硫酸塩、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの無機塩を含む水溶液である電解質。
  6. 請求項に記載の電解質であって、
    前記少なくとも一つの無機塩を、前記電解質の総容積に対して、0.05〜1mol/Lの濃度で含む電解質。
  7. 請求項のいずれか一項に記載の電解質であって、
    前記キレート剤が、前記電解質の総容積に対して、1.0×10-5〜2.0mol/Lの濃度でその中に存在する電解質。
  8. マグネシウム又はマグネシウム合金を含むか、それから構成される少なくとも一つのアノードと、少なくとも一つのカソードと、前記少なくとも一つのアノード及びカソードと組み合わせられた電解質とを備えるマグネシウム空気電池において、
    前記電解質が、請求項1〜のいずれか一項に記載の電解質添加剤を少なくとも一つ含む
    ことを特徴とするマグネシウム空気電池。
  9. 請求項に記載のマグネシウム空気電池であって、
    前記カソードが、ガス拡散電極であるマグネシウム空気電池。
  10. 請求項又はに記載のマグネシウム空気電池であって、
    前記電解質が、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硝酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の亜硝酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のチオシアン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硫酸塩、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの無機塩を含む水溶液であるマグネシウム空気電池。
  11. 請求項10に記載のマグネシウム空気電池であって、
    前記電解質が、前記少なくとも一つの無機塩を、前記電解質の総容積に対して、0.05〜1mol/Lの濃度で含むマグネシウム空気電池。
  12. 請求項10に記載のマグネシウム空気電池であって、
    前記電解質添加剤が、前記電解質の総容積に対して、1.0×10-5〜2.0mol/Lの濃度で前記電解質中に存在するマグネシウム空気電池。
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