JP6931179B2 - 無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法及び無水酢酸ナトリウム結晶 - Google Patents

無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法及び無水酢酸ナトリウム結晶 Download PDF

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Description

本発明は、無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法に関し、更に詳しくは、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶を製造する方法、及び、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶に関するものである。
一般的に、無水酢酸ナトリウムは、日持ち向上剤、酸味料、pH調整剤などの食品添加物や、試薬として有用な化合物であり、近年では、血液透析液の粉末製剤など医薬品用途への使用も増加している。
上記用途の中でも特に、食品添加物用途への使用においては、目的に応じて複数の有機酸や有機塩類を組み合わせて混合して用いることが一般的となっており、そのような使用方法においては、混合後に占める無水酢酸ナトリウムの割合が大きいことが多い。そのため混合後の全体の体積に対して無水酢酸ナトリウムが与える影響が大きく、混合品の体積を小さくすることができるように、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウムが望まれている。
一般的に、無水酢酸ナトリウム結晶を製造する方法としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどのナトリウム化合物に酢酸を反応させて、酢酸ナトリウム・3水塩を生成させ、これを120℃以上で脱水することにより無水酢酸ナトリウム結晶を製造する方法が知られている。
また、前記製造方法以外にも、無水酢酸ナトリウム結晶を製造する方法として、酢酸ナトリウム水溶液を200mmHg以下の減圧下で脱水する方法(例えば、特許文献1参照。)や、酢酸ナトリウム水溶液を噴霧乾燥する方法(例えば、特許文献2参照)なども知られている。
特開平05−320090号公報 特開昭55−007236号公報
かかる特許文献等に記載の方法では、通常、嵩密度の小さい結晶、例えば0.70g/mL程度の無水酢酸ナトリウム結晶が得られるため、これらを嵩密度の大きい結晶とするには、例えば、(1)無水酢酸ナトリウムの粒子を粉砕し、粒子を小さくする方法や、(2)粒子を圧縮する方法などが考えられる。
しかしながら、無水酢酸ナトリウムにおいては、上記(1)や(2)の方法では、十分に嵩密度を上げることができず、例えば、食品添加物用途に適用することが困難であった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶を効率的に提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定揮発分率の、無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物とした後に、特定温度で乾燥することにより、良好に嵩密度を上げることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、嵩密度が0.75g/mL以上の無水酢酸ナトリウム結晶を製造するにあたり、揮発分率が2.0重量%以上で嵩密度が0.4〜0.75g/mL未満の無水酢酸ナトリウムとの混合物を、58〜90℃、ガス流量18L/min・kg以下で、揮発分率を2.0重量%未満にまで、撹拌、乾燥することを特徴とする無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法に関するものである。
本発明においては、上記の無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物を乾燥するにあたり、加熱することで、結晶表面の一部が溶解し、その後乾燥する段階で撹拌しながら充填しやすい結晶形状に変化させているものであり、これにより嵩密度が向上するものと推察される。
本発明の製造方法によれば、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶を得ることができ、日持ち向上剤、酸味料、pH調整剤などの食品添加物や、試薬、血液透析液の粉末製剤など医薬品用途として有用な化合物であり、とりわけ、食品添加物用途への使用に大いに期待されるものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、嵩密度0.75g/mL未満の無水酢酸ナトリウム結晶と溶媒の混合物から嵩密度0.75g/mL以上の無水酢酸ナトリウム結晶を得る方法である。
なお、本発明において、嵩密度は、JIS K 6891に示されるような見掛け嵩密度測定装置にて測定されるものであり、例えば、嵩密度測定器(蔵持科学器械製作所)を用いて、100mLの容器へ粉体を上方から落下させ、あふれ出た粉体をすりきり、内容物の重量から嵩密度を算出することができる。
本発明において、無水酢酸ナトリウム結晶は、例えば、以下のようにして製造される。例えば、(1)酢酸ナトリウム溶液(例えば、酢酸ナトリウム水溶液)を加熱や減圧などの操作を実施して濃縮を行い、無水酢酸ナトリウム結晶の晶析を行い、溶媒を振り切ることで得る方法、(2)酢酸ナトリウム・3水塩等の酢酸ナトリウム水和物粉末を融点以上に加熱し、水などの溶媒を揮発させる方法等があげられる。特に無水酢酸ナトリウム結晶を得る工程が短いという観点から、(1)が好適である。
酢酸ナトリウム溶液から無水酢酸ナトリウムの晶析を行い、溶媒を振り切って得る方法においては、運転が連続で行われることがあり、本製造方法によって得られる無水酢酸ナトリウムと溶媒(例えば、水)の混合物の嵩密度・平均粒子径・揮発分率等はある一定の幅を有するのが通常である。
本発明においては、上記で得られた無水酢酸ナトリウム結晶と溶媒を混合して、揮発分率2.0重量%以上、好ましくは2.3〜20重量%、更に好ましくは2.5〜10.0重量%、殊に好ましくは2.8〜6.0重量%となるように調整される。揮発分率が低すぎると加熱時に結晶の一部を溶解させるのに不十分となるため嵩密度を上げる操作が困難となる。
なお、揮発分の測定は、乾燥減量を求めることにより測定され、例えば、加熱式水分計MF−50(エーアンドディー社製)を用いて、試料約0.5g中の揮発分量を測定し、その揮発分量から揮発分率を算出することができる。
溶媒との混合においては、上記無水酢酸ナトリウムの製造時に調整してもよく、また、溶媒を加えることにより揮発分率を調整してもよい。
かかる溶媒としては、酢酸ナトリウムが溶解する溶媒であればよく、食品添加物としての用途に使用する観点から、例えば、水や炭素数1〜5のアルコール、酢酸等の水性溶媒が好ましく、特には溶解を開始する温度の点で水が好ましい。
無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物の具体的な調整方法としては、無水酢酸ナトリウム結晶と溶媒を混合して得る方法、無水酢酸ナトリウム結晶と酢酸ナトリウム・3水塩と溶媒を混合して得る方法、酢酸ナトリウム3水塩と溶媒の混合物を乾燥させて得る方法などが挙げられる。特には、揮発分率の調整が容易であるという観点から、無水酢酸ナトリウム結晶と溶媒を混合する方法が好ましい。
上記のようにして、無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物が得られるわけであるわけであるが、かかる無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物の嵩密度は0.75g/mL未満、好ましくは0.4〜0.74g/mL、更に好ましくは0.5〜0.73g/mL、特に好ましくは0.55〜0.72g/mLである。なお、初期の嵩密度が小さすぎると、嵩密度を上昇させる処理の際、粒子形状の変化が小さく、嵩密度が十分に上昇しがたい傾向がある。
本発明においては、揮発分率が調整された無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物を、揮発分率を2.0重量%未満、好ましくは1.5重量%以下、更に好ましくは1.2重量%以下にまで乾燥する。揮発分率が高すぎると結晶同士が融着し、空隙が多くなり、嵩密度の低い結晶となる傾向がある。
なお、本発明における乾燥とは、加熱等の操作を行って固体中の溶媒を揮発させることをいう。
かかる乾燥においては、通常加熱して乾燥するが、乾燥温度は、無水酢酸ナトリウムと溶媒の混合物から揮発分を乾燥させる目的であることから、50〜140℃であり、更には55〜110℃、特には60〜90℃であることが好ましい。とりわけ、溶媒が水である場合においては、例えば、無水酢酸ナトリウム・3水塩の融点である58℃以上であることが好ましい。
また、乾燥温度が高すぎると無水酢酸ナトリウムと水の混合物の一部に存在する無水酢酸ナトリウム・3水塩から水分が急激に乾燥し空隙が発生することがあるため嵩密度が上昇しない傾向があり、乾燥温度が低すぎると無水酢酸ナトリウムは吸湿性を有するため、十分に乾燥ができない可能性がある。
本発明においては、更に、乾燥の際には、例えば、蒸発温度や速度を調整するために、系内に空気や窒素、アルゴンなどのガスを導入することも有用であり、ガスの導入方法としては、装置の空間部に導入する方法や、シールガスとして軸部から導入する方法等が挙げられる。
導入するガスの流量としては、乾燥速度の調整を行う目的から、導入量が多いと乾燥が急激に進む可能性があり、空気の場合、通常は20L/min・kg以下であり、特には1〜16L/min・kgが好ましく、更には2〜13L/min・kgが好ましく、殊には3〜10L/min・kgが好ましい。
また、乾燥時間は、かかる乾燥操作を行って揮発分率が2.0重量%未満となり、また、急激な乾燥が起こらないような条件であればよく、通常30分以上であり、好ましくは30〜250分、特に好ましくは40〜200分である。かかる時間が短すぎると蒸発速度が速くなり空隙の多い結晶となるため嵩密度が低くなる傾向があり、長すぎると結晶の形が変わらず嵩密度が変化しなくなる傾向がある。
更に、本発明において、混合撹拌及び乾燥を行うに際しては、例えば、ハイスピードミキサー(アーステクニカ社製)、バーチカルグラニュエータ(パウレック社製)、レディゲミキサー(マツボー社製)、プロシェアミキサー(太平洋機工社製)、ゲーリッケミキサー(明治機械社製)、VMTミキサー(amixon社製)、パドルドライヤー(奈良機械製作所社製)、ハイビスディスパーミックス(プライミクス社製)などの装置を用いることができるが、中でも混合性の点でハイスピードミキサー(アーステクニカ社製)、パドルドライヤー(奈良機械製作所社製)、ハイビスディスパーミックス(プライミクス社製)が好適である。
本発明において、例えば、アーステクニカ社製のハイスピードミキサーで製造する場合は、撹拌するに際して、主翼(アジテータ)の撹拌速度は周速8m/s以下が好ましく、特には0.5〜6.0m/sが好ましく、更には1〜5m/sが好ましく、主翼の撹拌速度が速すぎると粉砕が起き平均粒子径が低下する傾向がある。更に、副翼(ディスパー)の撹拌速度は、8.0m/s以下が好ましく、特には0.2〜6.0m/s、更には0.5〜5.0m/sが好ましく、速すぎると粉砕が起き、平均粒子径が低下する傾向がある。
また、例えば、奈良機械製作所製のパドルドライヤーで製造する場合は、撹拌するに際して主翼(パドル翼)の撹拌速度は周速1.0m/s以下が好ましく、特には0.1〜0.5m/sが好ましく、更には0.15〜0.4m/sが好ましく、撹拌速度が速すぎると粉砕が起き平均粒子径が低下する傾向がある。
さらに、例えば、プライミクス社製のハイビスディスパーミックスで製造する場合は、撹拌するに際して、主翼(プラネタリー)の撹拌速度は周速1.0m/s以下が好ましく、特には0.1〜0.5m/sが好ましく、更には0.15〜0.4m/sが好ましく、撹拌速度が速すぎると粉砕が起き平均粒子径が低下する傾向がある。副翼(ディスパー)に関しては、粒子が凝集した際の解砕用途として、粒子が粉砕しない範囲で使用してもよい。
上記の例における装置において、撹拌速度が異なるのは、それぞれの装置において粉体を均一に混合するために最適な撹拌速度が異なるためであり、均一に混合が行われ、粉砕が起こらない撹拌速度であればよい。
かくして本発明においては、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶を得ることができるわけであるが、かかる嵩密度は0.75g/mL以上であり、好ましくは0.78g/mL以上であり、特に好ましくは0.80g/mL以上、更に好ましくは0.82g/mL以上、殊に好ましくは0.85g/mL以上である。食品に使用する場合、かかる嵩密度が小さすぎると、製品に対する無水酢酸ナトリウム結晶の配合量が増えたり、他の成分との混合が不十分となり、混合後に分級することになる。
また、本発明において得られる無水酢酸ナトリウム結晶の平均粒子径は100〜500μmであることが好ましく、特には150〜450μm、更には200〜400μmであることが好ましい。かかる平均粒子径が小さすぎると微粉が舞うため作業性が低下する傾向があり、大きすぎると他成分との混合性が低下する傾向がある。
なお、平均粒子径は、直径200mm、目開1000μm、500μm、355μm、255μm、150μm、106μm、75μmの篩を用い、CMT社製の「DA型篩振盪機」で試料100gを18分間振盪させて分級し、得られた粒度データを用いて、算出される値である。
かくして嵩密度の大きな本発明の無水酢酸ナトリウム結晶を得ることができ、かかる無水酢酸ナトリウム結晶は、血液透析液の粉末製剤など医薬品用途への使用や、試薬として有用な化合物であり、とりわけ、日持ち向上剤、酸味料、pH調整剤などの食品添加物への使用が大いに期待されるものである。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、揮発分率、嵩密度、平均粒子径は、下記の通り測定した。
(揮発分率)
乾燥減量による方法で、加熱式水分計(加熱乾燥式水分計MF−50(エーアンドディー社製))を用いて、試料約0.5g中の揮発分量を測定し、揮発分量を初期重量で割ることにより揮発分率(%)を算出した。
(嵩密度)
嵩密度測定器(蔵持科学器械製作所)を用いて、100mLの容器へ粉体を上方から落下させ、あふれ出た粉体をすりきり、内容物の重量から嵩密度(g/mL)を算出した。
(平均粒子径)
直径200mm、目開1000μm、500μm、355μm、255μm、150μm、106μm、75μmの篩を用い、CMT社製の「DA型篩振盪機」で試料100gを18分間振盪させて分級し、それぞれ篩の上に残った試料の質量から累積分布を記載した粒度データを作成し、これより累積頻度が50%となる粒子径を平均粒子径(μm)とした。
<製造例1>
直径350mmDP型晶析機(月島機械製)に70℃に加熱した濃度57%の酢酸ナトリウム水溶液を仕込み、周速4.5m/sで撹拌し、缶内温度が80℃、缶内圧力が24kPaとなるよう温度、圧力を調整して濃縮を行った。缶内の酢酸ナトリウム濃度が66%付近に到達したところで、種晶を添加して結晶を晶析させた。その後、滞留時間が3時間程度、スラリー濃度が30%となるように濃度57%の酢酸ナトリウム水溶液を連続で仕込み、晶析した無水酢酸ナトリウムを含むスラリーを抜き出し、抜き出したスラリーを遠心分離機で結晶と母液に分離し、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率1.0〜6.0%、嵩密度0.50〜0.70g/mL、平均粒子径200〜450μm)を得た。
<製造例2>
直径250mmDP型晶析機(月島機械製)に70℃に加熱した濃度57%の酢酸ナトリウム水溶液を仕込み、周速4.5m/sで撹拌し、缶内温度が80℃、缶内圧力が24kPaとなるよう温度、圧力を調整して濃縮し、結晶を晶析させた。その後、滞留時間が2時間程度、スラリー濃度が15%となるように濃度57%の酢酸ナトリウム水溶液を連続で仕込み、晶析した無水酢酸ナトリウムを含むスラリーを抜き出し、抜き出したスラリーを遠心分離機で結晶と母液に分離し、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率1.0〜6.0%、嵩密度0.50〜0.70g/mL、平均粒子径250〜500μm)を得た。
<製造例3>
製造例2において、周速を5.7m/s、滞留時間を4.5時間、平均粒子径100μmの8%無水酢酸ナトリウム結晶のスラリー溶液約2kgを30分ごとに間欠で仕込む以外は同様にして、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率1.0〜6.0%、嵩密度0.50〜0.73g/mL、平均粒子径200〜450μm)を得た。
<製造例4>
製造例2において、周速を5.7m/s、滞留時間を3時間にすること以外は同様にして、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率1.0〜6.0%、嵩密度0.50〜0.70g/mL、平均粒子径200〜450μm)を得た。
<製造例5>
製造例2において、周速を3.9m/s、滞留時間を1.5時間、スラリー濃度を30%にすること以外は同様にして、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率1.0〜6.0%、嵩密度0.50〜0.70g/mL、平均粒子径400〜700μm)を得た。
(実施例1)
製造例1より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.2%、嵩密度0.63g/mL、平均粒子径331μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を、撹拌乾燥機へ5kg投入し、下記条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.6%、嵩密度は0.84g/mL、平均粒子径274μmであった。撹拌乾燥機としては、ハイスピードミキサー「FSGS25J」(アーステクニカ社製)を使用した。
<条件>
主翼(アジテータ)撹拌速度:周速4.0m/s
副翼(チョッパー)撹拌速度:周速4.2m/s
加熱温度:70℃
ガス流量:10L/min・kg
乾燥時間:40分
(実施例2)
製造例1より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率2.9%、嵩密度0.62g/mL、平均粒子径323μm)を得た。上記で得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例1の条件から、主翼(アジテータ)撹拌速度を、周速2.0m/s、乾燥時間を50分へ変更した以外は実施例1と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.4%、嵩密度は0.83g/mL、平均粒子径は266μmであった。
(実施例3)
製造例2より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率5.2%、嵩密度0.53g/mL、平均粒子径425μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ0.5kg投入し、下記条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.6%、嵩密度は0.78g/mL、平均粒子径は250μmであった。撹拌乾燥機としては、ハイスピードミキサー「LFS−2」(アーステクニカ社製)を使用した。
<条件>
主翼(アジテータ)撹拌速度:周速1.4m/s
副翼(チョッパー)撹拌速度:周速0.9m/s
加熱温度:70℃
ガス流量:18L/min・kg
乾燥時間:190分
(実施例4)
製造例3より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.0%、嵩密度0.70g/mL、平均粒子径399μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、さらに実施例1の条件から、主翼撹拌速度を2.0m/s、乾燥時間を60分へ変更した以外は実施例1と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.5%、嵩密度は0.82g/mL、平均粒子径は311μmであった。
(実施例5)
製造例4より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.3%、嵩密度0.62g/mL、平均粒子径436μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ6.8kg投入し、下記条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.6%、嵩密度は0.81g/mL、平均粒子径は361μmであった。撹拌乾燥機としては、パドルドライヤーNPD−1.6W−12L(奈良機械製作所社製)を使用した。
<条件>
主翼撹拌速度(パドル翼):周速0.3m/s
加熱温度:70℃
ガス流量:9L/min・kg
乾燥時間:30分
(実施例6)
製造例4より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.5%、嵩密度0.61g/mL、平均粒子径436μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、加熱温度を65℃、乾燥時間を40分へ変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.6%、嵩密度は0.79g/mL、平均粒子径は289μmであった。
(実施例7)
製造例4より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.4%、嵩密度0.62g/mL、平均粒子径436μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、加熱温度を60℃、乾燥時間を60分へ変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.3%、嵩密度は0.77g/mL、平均粒子径は376μmであった。
(実施例8)
製造例5より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率4.3%、嵩密度0.56g/mL、平均粒子径629μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと溶媒(水)の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、乾燥時間を40分へ変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は1.1%、嵩密度は0.75g/mL、平均粒子径は341μmであった。
(実施例9)
製造例5より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.3%、嵩密度0.59g/mL、平均粒子径614μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、加熱温度を65℃、ガス流量を6L/min・kg、乾燥時間を50分へ変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.6%、嵩密度は0.78g/mL、平均粒子径は367μmであった。
(実施例10)
製造例5より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率4.4%、嵩密度0.52g/mL、平均粒子径638μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと溶媒(水)の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、加熱温度を65℃、ガス流量を3L/min・kg、乾燥時間を60分へ変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は1.1%、嵩密度は0.75g/mL、平均粒子径は340μmであった。
(実施例11)
製造例5より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率4.3%、嵩密度0.60g/mL、平均粒子径622μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物1.2kgを撹拌乾燥機へ投入し、下記条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.9%、嵩密度は0.86g/mL、平均粒子径は391μmであった。撹拌乾燥機としては、ハイビスディスパーミックス3D−2(プライミクス社製)を使用した。
<条件>
主翼(プラネタリー)撹拌速度:周速0.3m/s
加熱温度:70℃
ガス流量:3L/min・kg
乾燥時間:125分
(実施例12)
製造例3より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.0%、嵩密度0.66g/mL、平均粒子径397μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例11の条件から、加熱温度80℃、乾燥時間を70分へ変更した以外は実施例11と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.5%、嵩密度は0.75g/mL、平均粒子径は282μmであった。
(比較例1)
製造例5より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率4.0%、嵩密度0.59g/mL、平均粒子径614μm)を得た。得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を撹拌乾燥機へ投入し、実施例5の条件から、加熱温度を150℃、ガス量を6L/min・kg変更した以外は実施例5と同条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.2%、嵩密度は0.58g/mL、平均粒子径は614μmであった
(比較例2)
製造例1より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率5.4%、嵩密度0.53g/mL、平均粒子径320μm)を得た。
上記で得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を、乾式圧縮造粒機へ投入し、下記条件で造粒操作を行った。最終的に揮発分率に変化はなく、嵩密度は0.67g/mL、平均粒子径は960μmであった。乾式圧縮造粒機としては、ローラーコンパクター「FT160x60型」(フロイント産業社製)を使用した。
<条件>
ロール圧縮圧:0.3t/cm
間隔:0.5mm
加熱温度:加熱なし
回転数:7.5rpm
(比較例3)
製造例1より、無水酢酸ナトリウムと水の混合物(揮発分率3.2%、嵩密度0.63g/mL、平均粒子径311μm)を得た。
上記で得られた無水酢酸ナトリウムと水の混合物を、下記条件で乾燥を行った。最終的に揮発分率は0.4%、嵩密度は0.58g/mL、平均粒子径の変化はなかった。乾燥機としてはDP−32(ヤマト科学社製)を使用した。
<条件>
加熱温度 150℃
乾燥時間 30分
実施例及び比較例の諸条件及び評価結果を表1〜4に示す。
Figure 0006931179
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上記評価結果から、実施例においては、嵩密度の大きい結晶が得られているのに対して、比較例では処理前とほとんど変わらない嵩密度となっており、嵩密度の大きい結晶を得ることができなかった。
本発明で得られた無水酢酸ナトリウム結晶は、嵩密度の大きい無水酢酸ナトリウム結晶を得ることができ、日持ち向上剤、酸味料、pH調整剤などの食品添加物や、試薬、血液透析液の粉末製剤など医薬品用途として有用な化合物であり、とりわけ、食品添加物用途への使用に大いに期待されるものである。

Claims (2)

  1. 嵩密度が0.75g/mL以上の無水酢酸ナトリウム結晶を製造するにあたり、揮発分率が2.0重量%以上で嵩密度が0.4〜0.75g/mL未満の無水酢酸ナトリウムとの混合物を、58〜90℃、ガス流量18L/min・kg以下で、揮発分率を2.0重量%未満にまで、撹拌、乾燥することを特徴とする無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法。
  2. 乾燥時間が30分以上であることを特徴とする請求項1記載の無水酢酸ナトリウム結晶の製造方法。
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