以下、図面を参照して、実施形態における包装装置1、および、包装方法について説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
(用語の定義)
本明細書において、包装フィルムFの搬送方向を「第1方向DR1」と定義する。また、包装フィルムFの搬送方向上流側を、「上流側」と呼び、包装フィルムFの搬送方向下流側を、「下流側」と呼ぶ。
(第1の実施形態)
図1乃至図5を参照して、第1の実施形態における包装装置1Aおよび包装方法について説明する。図1は、第1の実施形態における包装装置1Aを模式的に示す図である。図2は、第1の実施形態における包装装置1Aが第1制御モードを実行している様子を模式的に示す図である。図3は、第1の実施形態における包装装置1Aが第2制御モードを実行している様子を模式的に示す図である。図4は、第1の実施形態における包装装置1Aが第1制御モードを実行している様子を模式的に示す図である。図5は、第1の実施形態における包装方法の一例を示すフローチャートである。
第1の実施形態における包装装置1Aは、横シーラー10と、第1搬送コンベヤ20と、制御装置30とを具備する。包装装置1Aは、横シーラー10の位相を特定するための第1センサ41、および/または、物品を検出する物品検出センサ43を備えていてもよい。なお、本明細書において、位相とは、周期的な運動をするもの(例えば、横シーラー10、第1搬送コンベヤ20の第1領域AR1または第2領域AR2等)が一周期のうちのどのタイミングにいるかを示す量のことを意味する。
横シーラー10は、包装フィルム(より具体的には、筒状の包装フィルム)に、当該包装フィルムを横断する横シール部を形成する。図1に記載の例では、横シーラー10は、第1の横シーラー10aと、第2の横シーラー10bとを含む。そして、包装フィルムが、第1の横シーラー10aのシール形成面11aと第2の横シーラー10bのシール形成面11bとによって挟まれることにより、包装フィルムに横シール部が形成される。なお、シール形成面11a、11bは、第1方向DR1に垂直な第2方向DR2に延在している。横シーラー10には、切断刃12が設けられていてもよい。横シーラー10に切断刃12が設けられている場合には、包装フィルムFに横シール部が形成されるときに、当該包装フィルムFは、切断刃12によって切断される。
第1搬送コンベヤ20は、物品を支持可能な第1領域AR1と、横シーラー10の少なくとも一部(図1に記載の例では、第1の横シーラー10aのシール形成面11a)が通過可能な第2領域AR2とを含む。
図1に記載の例では、第1領域AR1は、第1方向DR1に交差する方向(より具体的には、第1方向DR1に直交する第2方向DR2)に延在する複数の横断部材21によって規定される。1つの第1領域AR1に配置される横断部材21の数は、例えば、5本以上、10本以上、あるいは、15本以上である。横断部材21は、例えば、棒部材(より具体的には、断面円形の棒部材)である。第2領域AR2は、隣接する2つの第1領域AR1の間の開口部OP(より具体的には、横シーラー10のシール形成面11が通過可能な開口部)によって規定される。
図1に記載の例では、コンベヤ駆動装置25によって駆動されるエンドレス部材22(例えば、エンドレスチェーン)に、横断部材21が取り付けられている。エンドレス部材22は、少なくとも2つのホイール(例えば、スプロケットホイール)によって案内される。図1に記載の例では、第1ホイール26aと第2ホイール26b(第1ホイール26aの下流側に配置された第2ホイール26b)との間に位置する横断部材21によって、物品搬送面が規定される。第1搬送コンベヤ20が駆動されると、エンドレス部材22が、少なくとも2つのホイール(26a、26b)によって案内されつつ移動する。また、エンドレス部材22が移動すると、第1ホイール26aと第2ホイール26bとの間に位置する横断部材21は第1方向DR1に移動する。その結果、横断部材21によって支持された物品は、第1方向DR1に移動することとなる。
図1に記載の例では、第1搬送コンベヤ20は、3個の第1領域AR1と、3個の第2領域AR2を含み、第1領域AR1と第2領域AR2とが交互に配置されている。なお、第1搬送コンベヤ20が備える第1領域AR1(または、第2領域AR2)の数は、3個に限定されない。例えば、Kを「2」以上の任意の自然数と定義するとき、第1搬送コンベヤ20は、K個の第1領域AR1とK個の第2領域AR2を含み、第1領域AR1と第2領域AR2とが交互に配置されていてもよい。なお、1つの第1領域AR1と1つの第2領域AR2とからなる連続した領域ARは、第1搬送コンベヤ20における1周期分の領域に対応する。よって、第1搬送コンベヤ20が、K個の第1領域AR1とK個の第2領域AR2とを含む場合、第1搬送コンベヤ20は、1周期分の領域ARを、K個有することとなる。
制御装置30は、横シーラー10の駆動、および、第1搬送コンベヤ20の駆動を制御する。制御装置30は、有線または無線を介して、横シーラー10を駆動する横シーラー駆動装置15と信号伝達可能に接続され、有線または無線を介して、第1搬送コンベヤを駆動するコンベヤ駆動装置25と信号伝達可能に接続されていることが好ましい。また、制御装置30は、後述の第1センサ41、および/または、物品検出センサ43と、有線または無線を介して、信号伝達可能に接続されていることが好ましい。制御装置30は、図2または図4において例示される第1制御モードと、図3において例示される第2制御モードとを実行可能である。
(第1制御モード)
図2を参照して、第1制御モードについて説明する。第1制御モードでは、制御装置30は、横シーラー10と、第1搬送コンベヤ20とを同期的に駆動する。横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とが同期的に駆動されることにより、複数の物品Dが、包装フィルムFとともに、第1方向DR1に搬送され、かつ、隣接する2つの物品Dの間の領域AT1において、横シール部S(図2(c)を参照。)が形成される。
横シーラー10(より具体的には、横シーラー10のシール形成面11)は、包装フィルムFと接触していない第1位置(図2(a)を参照。)から、包装フィルムFに横シール部Sを形成する第2位置(図2(c)を参照。)に移動するときに、物品搬送面PL、より具体的には、第1搬送コンベヤ20の第2領域AR2を横切る。
第1の実施形態では、制御装置30は、横シーラー10および第1搬送コンベヤ20を同期的に駆動することにより、第1搬送コンベヤ20の第2領域AR2を横切るように横シーラー10を移動させる第1制御モードを実行可能である。このため、第1搬送コンベヤ20によって複数の物品Dを搬送しつつ、隣接する2つの物品Dの間において、包装フィルムFに横シール部Sを形成することが可能である。
(第2制御モード)
図3を参照して、第2制御モードについて説明する。第2制御モードでは、制御装置30は、横シーラー10を第1搬送コンベヤ20(より具体的には、第1搬送コンベヤ20の物品搬送面PL)および物品Dと干渉しない退避位置に移動させ(図3(b)を参照。)、横シーラー10を当該退避位置に維持した状態で、第1搬送コンベヤ20を駆動する(より具体的には、第1搬送コンベヤ20を駆動することにより、物品を支持する横断部材21を第1方向DR1に移動させる)。第2制御モードの実行により、物品D3は、退避位置にある横シーラー10を横切るように、第1方向DR1に搬送される(図3(c)を参照。)。また、図3(c)に記載の例では、第2制御モードにおいて、第1搬送コンベヤ20が駆動されることにより、物品D3を支持する複数の横断部材21が退避位置にある横シーラー10の上方または下方(より具体的には、第1の横シーラー10aの上方かつ第2の横シーラー10bの下方)を横切るように移動する。
図3(b)および図3(c)に記載の例(第2制御モード)では、横シーラー10は退避位置にある。このため、第2制御モードでは、物品D3と、物品D3の直ぐ下流側の物品(第2の物品D2)との間の領域AT2において、包装フィルムFには、横シール部Sが形成されない。なお、横シーラー10の「退避位置」とは、少なくとも横シーラー10と物品搬送面PLとが干渉しない位置を意味する。横シーラー10の「退避位置」とは、より好ましくは、横シーラー10と、横断部材21に支持されて搬送される物品および当該横断部材21とが干渉しない位置を意味する。例えば、第1の横シーラー10aのシール形成面11aの中心(あるいは、シール形成面11aの少なくとも一部)が、第1の横シーラー10aの第1回転軸AX1と同じ高さか第1回転軸AX1よりも下方にあるとき、第1の横シーラー10aは退避位置にあると言える。また、例えば、第2の横シーラー10bのシール形成面11bの中心(あるいは、シール形成面11bの少なくとも一部)が、第2の横シーラー10bの第2回転軸AX2と同じ高さか第2回転軸AX2よりも上方にあるとき、第2の横シーラー10bは退避位置にあると言える。
物品D3が位置ずれ物品である場合(例えば、物品D3と、物品D3の直ぐ下流側の第2の物品D2との間の間隔が所望の間隔よりも小さい場合)を想定する。この場合、第1制御モードが実行されて、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とが同期的に駆動されると、横シーラー10が物品D3と干渉する。このため、特許文献1に記載の包装装置のように、横シーラーの運動と第1搬送コンベヤの運動とが機械的にリンクされている場合には、横シーラー10と物品D3との干渉を避けるために、横シーラーおよび第1搬送コンベヤの両方を駆動停止する必要がある。また、横シーラーおよび第1搬送コンベヤの駆動停止後、人手で、横シーラーの近傍にある位置ずれ物品D3を排除する必要がある。
これに対し、第1の実施形態では、制御装置30は、横シーラー10を第1搬送コンベヤ20(より具体的には、第1搬送コンベヤ20の物品搬送面PL)と干渉しない退避位置に維持した状態で、第1搬送コンベヤ20を駆動することにより、退避位置にある横シーラー10を横切るように物品D3を搬送する第2制御モードを実行可能である。このため、物品D3が位置ずれ物品である場合であっても、当該位置ずれ物品を、第1搬送コンベヤ20を用いて、横シーラー10の下流側に搬送することができる。
制御装置30は、位置ずれ物品D3が検出されることに応じて、制御モードを、図2に例示される第1制御モードから、図3に例示される第2制御モードに切り替えるように構成されていることが好ましい。
また、上述の切り替えは、人手によらず、制御装置30によって自動的に実行されるように構成されることが好ましい。例えば、制御装置30は、横シーラー10の位相を特定するための第1センサ41(必要であれば、図1を参照。)から受信する信号と、物品検出センサ43から受信する信号とに基づいて、物品D3が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定する。そして、物品D3が位置ずれ物品であると判定された場合、制御装置30は、制御モードを、第1制御モードから第2制御モードに自動的に切り替える。
付加的に、制御装置30は、位置ずれ物品D3が検出された後に正常位置物品D4が検出されることに応じて、制御モードを、図3に例示される第2制御モードから図4に例示される第1制御モードに切り替えるように構成されていることが好ましい。
また、上述の切り替えは、人手によらず、制御装置30によって自動的に実行されるように構成されることが好ましい。例えば、制御装置30は、第1センサ41から受信する信号と、物品検出センサ43から受信する信号とに基づいて、物品D4が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定する。そして、物品D4が正常位置物品であると判定された場合、制御装置30は、制御モードを、第2制御モードから第1制御モードに自動的に切り替える。
(包装方法)
図1乃至図5を参照して、第1の実施形態における包装方法について説明する。
第1の実施形態における包装方法は、位置ずれが生じていない正常位置物品を包装する正常位置物品包装工程と、位置ずれ物品を処理する位置ずれ物品処理工程とを含む。
正常位置物品包装工程では、第1ステップST1において、横シーラー10および第1搬送コンベヤ20が同期的に駆動される。
図2(a)に記載の例では、第1ステップST1において、第1の横シーラー10aが、第1回転軸AX1まわりを回転し、第2の横シーラー10bが、第2回転軸AX2まわりを回転する。図2(a)に記載の例では、第1の横シーラー10aは、第2の横シーラー10bの下方に配置された下側の横シーラーであり、第2の横シーラー10bは、第1の横シーラー10aの上方に配置された上側の横シーラーである。図2(a)に記載の例では、第1回転軸AX1が、第1搬送コンベヤ20の物品搬送面PLの下方に配置され、第2回転軸AX2が、当該物品搬送面PLの上方に配置されている。なお、第1回転軸AX1および第2回転軸AX2は、第2方向DR2に平行である。
図2(a)に記載の例では、第1ステップST1において、第1領域AR1(換言すれば、物品D1を支持する横断部材21)は、第1方向DR1に移動する。その結果、第1領域AR1上の物品D1、すなわち、複数の横断部材21上の物品D1は、包装フィルムFとともに、第1方向DR1に移動する。
横シーラー10および第1搬送コンベヤ20が同期的に駆動されることにより、横シーラー10は、第1搬送コンベヤ20の物品搬送面PL(より具体的には、第2領域AR2)を横切るように移動する(図2(b)を参照。)。
第2ステップST2において、第1搬送コンベヤ20の物品搬送面PL(より具体的には、第2領域AR2)を横切るように移動した横シーラー10によって、包装フィルムFに横シール部Sが形成される。図2(c)に記載の例では、物品を支持可能な第1領域AR1と、物品を支持可能な他の第1領域AR1との間に、横シーラー10の少なくとも一部が通過可能な第2領域AR2が形成されている。このため、第1領域AR1において支持された物品D1、D2を第1方向DR1に搬送するとともに、第2領域AR2を横切って移動する横シーラー10によって横シール部Sを好適に形成することができる。
図2(d)に記載の例では、物品D1と、物品D1よりも上流側に配置された物品D2との間の領域において、横シーラー10によって横シール部Sが形成される。その結果、物品D1を包装した包装体E1が形成される。なお、横シーラー10内に切断刃12が設けられている場合には、包装フィルムFに横シール部Sが形成されるとともに、包装フィルムFが切断刃12によって切断される。
続いて、図3および図4を参照して、位置ずれ物品を処理する位置ずれ物品処理工程について説明する。
位置ずれ物品処理工程の第1ステップST101において、位置ずれ物品D3が検出される。第1ステップST101は、位置ずれ物品検出工程である。位置ずれ物品の検出は、例えば、制御装置30が、第1センサ41(横シーラー10の位相を特定するためのセンサ)から受信する信号と、物品検出センサ43から受信する信号とに基づいて、物品D3が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定することを含む。
当該判定は、例えば、物品D3が検出されたタイミングと、横シーラー10の位相とに基づいて行われる。例えば、制御装置30が、物品検出センサ43(図3(a)を参照。)から物品D3を検出したことを示す信号を受信した時、横シーラー10の位相(例えば、第1回転軸AX1まわりの回転角)が予め設定された数値範囲内にある場合、制御装置30は、物品D3が位置ずれ物品であると判定してもよい。
位置ずれ物品処理工程の第2ステップST102において、横シーラー10が退避位置に移動される。第2ステップST102は、横シーラー退避工程である。第2ステップST102は、制御装置30が、制御モードを、第1制御モードから第2制御モードに切り替えることを含む。
第2ステップST102(換言すれば、第2制御モード)は、制御装置30が位置ずれ物品D3を検出することに応じて、横シーラー10を、第1搬送コンベヤ20および物品Dと干渉しない退避位置に移動させることを含む。横シーラー10の退避位置への移動は、例えば、横シーラー10および第1搬送コンベヤ20を同期的に駆動して、横シーラー10を、第1搬送コンベヤ20および物品Dと干渉しない位置に移動させ、その後、第1搬送コンベヤ20を駆動しつつ、横シーラー10を減速して停止させることにより行われる。なお、横シーラー10が退避位置に向けて移動している時に、位置ずれ物品D3を支持する横断部材21は、位置ずれ物品D3とともに、第1方向DR1に移動する。図3(b)には、横シーラー10が退避位置に移動して停止した後の状態が示されている。
第3ステップST103において、退避位置にある横シーラー10を横切るように位置ずれ物品D3が搬送される。第3ステップST103は、位置ずれ物品搬送工程である。第3ステップST103は、横シーラー10を退避位置に維持した状態で、第1搬送コンベヤ20を駆動することにより行われる。
第3ステップST103では、第1搬送コンベヤ20が、横シーラー10と非同期的に駆動される。より具体的には、横シーラー10の移動(より具体的には、横シーラー10の回転軸まわりの回転)が停止された状態で、第1搬送コンベヤ20が駆動される。その結果、位置ずれ物品D3を支持する横断部材21は、位置ずれ物品D3とともに、横シーラー10を横切るように第1方向DR1に移動する。
図3(b)および図3(c)に記載の例では、横シーラー10は退避位置にある。このため、第3ステップST103では、位置ずれ物品D3と、位置ずれ物品D3の直ぐ下流側の物品(第2の物品D2)との間の領域AT2において、包装フィルムFには、横シール部Sが形成されない。
第1の実施形態における包装方法は、位置ずれが生じていない正常位置物品を包装する正常位置物品包装工程と、位置ずれ物品を処理する位置ずれ物品処理工程とを含む。また、位置ずれ物品処理工程は、退避位置にある横シーラー10を横切るように位置ずれ物品D3を搬送する位置ずれ物品搬送工程を含む。このため、位置ずれ物品D3が検出された場合に、当該位置ずれ物品D3を、横シーラー10の下流側に速やかに搬送することができる。
正常位置物品包装工程において形成される包装体(図2乃至図4における包装体E1を参照。)に含まれる物品D1の数を第1物品数と定義する。図4に記載の例では、位置ずれ物品処理工程が、上述の第1物品数よりも数が多い物品を包装した第2包装体E2を形成することを含む。なお、図4に記載の例では、第1物品数(包装体E1に含まれる物品の数)が1個であり、第2包装体E2に含まれる物品の数が2個である。
図4を参照して、第2包装体E2として、第1物品数(例えば、1個)よりも数が多い物品を包装した包装体を形成する手順の一例について説明する。
第4ステップST104において、正常位置物品D4が検出される。第4ステップST104は、正常位置物品検出工程である。正常位置物品の検出は、例えば、制御装置30が、第1センサ41(横シーラー10の位相を特定するためのセンサ)から受信する信号と、物品検出センサ43から受信する信号とに基づいて、物品D4が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定することを含む。
当該判定は、例えば、物品D4が検出されたタイミングと、横シーラー10の位相とに基づいて行われる。例えば、制御装置30が、物品検出センサ43(図4(a)を参照。)から物品D4を検出したことを示す信号を受信した時、横シーラー10の位相(例えば、第1回転軸AX1まわりの回転角)が予め設定された数値範囲内にない場合、制御装置30は、物品D4が正常位置物品であると判定してもよい。
物品D4が正常位置物品であると判定されると、第5ステップST105において、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との間の同期運転が再開される。例えば、制御装置30によって算出されたタイミングで、横シーラー10の運転が再開されるとともに横シーラー10が加速され、その後、横シーラー10と、第1搬送コンベヤ20とが同期的に駆動される。なお、第5ステップST105において、制御装置30は、制御モードを、第2制御モードから第1制御モードに切り替える。
横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との間の同期運転が再開されることにより、正常位置物品D4と、正常位置物品D4の直ぐ下流側の物品D3との間の領域AT3において、横シール部Sが形成される(図4(c)を参照。)。当該横シール部Sの形成により、位置ずれ物品D3を含む複数の物品を包装した第2包装体E2が形成される。図4(c)から把握されるように、第2包装体E2には、包装体E1に含まれる物品数である第1物品数(例えば、1個)よりも数が多い物品が含まれる。
図4に記載の例では、位置ずれ物品処理工程は、第1物品数よりも数が多い物品を包装した第2包装体E2を形成することを含む。このため、位置ずれ物品D3の発生を容易に認識することができ、かつ、位置ずれ物品D3の取り扱いが容易となる。例えば、位置ずれ物品D3を含む第2包装体E2が搬送ラインから取り除かれるようにしてもよい。また、位置ずれ物品D3が、第2包装体E2の形態で包装されていることにより、位置ずれ物品D3の衛生状態が良好に維持される。よって、搬送ラインから取り出された第2包装体E2を開封して、物品(D2、D3)を取り出し、取り出された物品(D2、D3)を、再度、包装フィルムF内に物品を供給する供給コンベヤ上に供給することが許容される。
第2包装体E2が形成された後、正常位置物品包装工程が再開される。より具体的には、第5ステップST105の実行後、第1ステップST1に戻る。その結果、図4(d)に示されるように、第2包装体E2の形成に続いて、正常位置物品D4を包装した包装体E3の形成が行われる。
第1の実施形態における包装方法では、位置ずれ物品が検出された場合に、当該位置ずれ物品を、横シーラー10の下流側に速やかに搬送することができる。また、位置ずれ物品D3が、第2包装体E2として包装される場合には、位置ずれ物品D3の取り扱いが容易である。更に、第2包装体E2の形成に続いて、正常位置物品D4を包装した包装体E3の形成が行われる場合には、位置ずれ物品の検出の有無に関わらず、包装装置1Aの駆動を停止させることなく、正常位置物品の包装を継続して行うことができる。このため、位置ずれ物品が検出された場合であっても、包装装置1Aの駆動を停止し、包装装置1Aを再調整し、包装プロセスを再開するという一連の作業を省略することができる。
なお、横シーラー10の下流側に搬送された位置ずれ物品D3(あるいは、第2包装体E2)は、手動で、搬送ラインから取り除かれてもよいし、ダイバータなどによって自動的に搬送ラインから取り除かれるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図6乃至図17を参照して、第2の実施形態における包装装置1B、および、包装方法について説明する。図6は、第2の実施形態における包装装置1Bを模式的に示す概略断面図である。図7は、第2の実施形態における包装装置1Bを模式的に示す概略正面図である。図8は、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との配置関係を示す概略斜視図である。図9は、制御装置30と、センサと、モータとの間の接続関係を模式的に示す機能ブロック図である。図10は、第1入力部81を模式的に示す図である。図11は、第2入力部86を模式的に示す図である。図12は、第2の実施形態における包装装置1Bを模式的に示す概略断面図である。図13および図14は、第2の実施形態における包装方法を模式的に示す図である。図15は、第2の実施形態における包装方法の一例を示すフローチャートである。図16は、モード選択部88を模式的に示す図である。図17は、物品スルーモードを説明するための図である。
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
図6に示されるように、第2の実施形態における包装装置1Bは、横シーラー10、第1搬送コンベヤ20、制御装置30(図9を参照。)、および、物品検出センサ43を含む。包装装置1Bは、第2搬送コンベヤ60、および/または、第3搬送コンベヤ70を含んでいてもよい。
また、図7に示されるように、第2の実施形態における包装装置1Bは、第1モータ15a(例えば、第1のサーボモータ)、横シーラー10の位相を特定するための第1センサ41(例えば、第1のエンコーダ)、第1搬送コンベヤ20を駆動する第2モータ25a(例えば、第2のサーボモータ)、第1搬送コンベヤ20の位相を特定するための第2センサ42のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
(第2搬送コンベヤ60)
図6に記載の例では、第2搬送コンベヤ60は、第1搬送コンベヤ20の上流側に配置されている。より具体的には、第2搬送コンベヤ60の下流端は、第1搬送コンベヤ20の第1ホイール26aに隣接配置されている。第2搬送コンベヤ60は、第1搬送コンベヤ20に向けて、物品Dおよび包装フィルムFを送る。図6に記載の例では、第2搬送コンベヤ60は、搬送路の下側に配置された下側コンベヤ60aと、搬送路の上側に配置された上側コンベヤ60bとを含む。この場合、物品Dおよび包装フィルムFは、下側コンベヤ60aおよび上側コンベヤ60bによって挟まれた状態で、第1方向DR1に、搬送される。第2搬送コンベヤ60は、例えば、ベルトコンベヤである。
図6に例示の第2搬送コンベヤ60は、物品Dが筒状の包装フィルムFの内部に配置された状態で、物品Dおよび筒状の包装フィルムFを、第1方向DR1に搬送する。なお、第2搬送コンベヤ60には、シート状の包装フィルムFを筒状の包装フィルムに成形するフィルム成形機(すなわち、フォーマー)が設けられていてもよい。代替的に、第2搬送コンベヤ60よりも更に上流側に、当該フィルム成形機が設けられていてもよい。また、第2搬送コンベヤ60には、筒状の包装フィルムFに縦シール部を形成する縦シーラーが配置されていてもよい。代替的に、第2搬送コンベヤ60よりも更に上流側に、当該縦シーラーが配置されていてもよい。
図6に記載の例では、第2搬送コンベヤ60に物品検出センサ43が配置されている。物品検出センサ43は、第2搬送コンベヤ60の搬送路を通る物品Dを検出する。物品検出センサ43の種類に特に制限はないが、物品検出センサ43は、例えば、光電センサ(光を使い、非接触で物体の有無を検出するセンサ)である。
(第3搬送コンベヤ70)
図6に記載の例では、第3搬送コンベヤ70は、第1搬送コンベヤ20の下流側に配置されている。より具体的には、第3搬送コンベヤ70の上流端は、第1搬送コンベヤ20の第2ホイール26bに隣接配置されている。第3搬送コンベヤ70は、第1搬送コンベヤ20から、物品Dを包装した包装体Eを受け取り、受け取った包装体Eを第1方向DR1に搬送する。図6に記載の例では、第3搬送コンベヤ70は、包装体Eを下側から支持するように構成されたコンベヤである。第3搬送コンベヤ70は、例えば、ベルトコンベヤである。
(第1モータ15a)
図7に記載の例では、横シーラー10は、第1モータ15aによって駆動される。より具体的には、第1モータ15aは、横シーラー10を回転駆動する。第1モータ15aは、例えば、サーボモータである。
第1モータ15aの出力軸と、横シーラー10とは動力伝達機構M1を介して、動力伝達可能に接続されている。図7に記載の例では、第1モータ15aは、第1の横シーラー10aおよび第2の横シーラー10bの両方に、動力伝達機構M1を介して、動力伝達可能に接続されている。動力伝達機構M1は、第1の横シーラー10aと第2の横シーラー10bとが同期的に駆動されるように、第1の横シーラー10aと第2の横シーラー10bとを機械的にリンクする。図7に記載の例では、第1の横シーラー10aの第1回転軸AX1上に配置された第1歯車13aと、第2の横シーラー10bの第2回転軸AX2上に配置された第2歯車13bとが互いに噛合している。そして、第1歯車13aまたは第2歯車13bに、第1モータ15aからの駆動力が付与されることにより、第1の横シーラー10aと第2の横シーラー10bとが同期回転する。
(第1センサ41)
図7に記載の例では、包装装置1Bは、横シーラー10の位相を特定するための第1センサ41を備える。図7に記載の例では、第1センサ41は、ロータリエンコーダ41aを含む。図7に記載の例では、第1モータ15aまたは動力伝達機構M1と、第1センサ41(より具体的には、ロータリエンコーダ41a)とが機械的に接続されている。図7に例示されるように、第1モータ15aまたは動力伝達機構M1と、第1センサ41(より具体的には、ロータリエンコーダ41a)とは、伝動ベルト14(より具体的には、タイミングベルト)を介して接続されていてもよい。代替的に、第1センサ41は、第1モータ15aに内蔵されていてもよい。例えば、第1モータ15aが、ロータリエンコーダ41aを内蔵したモータであってもよい。
図7に記載の例では、第1モータ15aと、動力伝達機構M1(より具体的には、第1歯車13a、第2歯車13b等)と、横シーラー10(より具体的には、第1の横シーラー10a、第2の横シーラー10b)とが、機械的に接続されている。よって、第1モータ15a、動力伝達機構M1、または、横シーラー10に設けられた第1センサ41は、横シーラー10(例えば、第1の横シーラー10a、または、第2の横シーラー10b)の位相を特定することが可能である。
ロータリエンコーダ41aは、アブソリュートエンコーダであってもよい。アブソリュートエンコーダは、位相の絶対的な値を出力することができるエンコーダ、換言すれば、電源OFF状態でも位相情報を保持可能なエンコーダである。また、第1センサ41(より具体的には、ロータリエンコーダ41a)は、例えば、横シーラー10の回転角度を示す情報を出力するセンサであってもよい。この場合、第1センサ41は、横シーラー10の現在の回転角度に応じて、「0」度(例えば、横シーラー10の回転角度のデフォルト値)以上「360」度未満の値を出力する。
(第2モータ25a)
図7に記載の例では、第1搬送コンベヤ20は、第2モータ25aによって駆動される。第2モータ25aは、例えば、サーボモータである。
第2モータ25aの出力軸と、第1搬送コンベヤ20のエンドレス部材22とは動力伝達機構M2を介して、動力伝達可能に接続されている。図8に記載の例では、動力伝達機構M2は、第1スプロケット23aおよび第2スプロケット23bを含む。第1スプロケット23aは、第1のエンドレス部材22a(例えば、エンドレスチェーン、エンドレスベルト等)と係合可能であり、第2スプロケット23bは、第2のエンドレス部材22b(例えば、エンドレスチェーン、エンドレスベルト等)と係合可能である。
(第2センサ42)
図7に記載の例では、包装装置1Bは、第1搬送コンベヤ20の位相を特定するための第2センサ42を備える。図7に記載の例では、第2センサ42は、ロータリエンコーダ42aを含む。図7に記載の例では、第2モータ25aまたは動力伝達機構M2と、第2センサ42(より具体的には、ロータリエンコーダ42a)とが機械的に接続されている。図7に例示されるように、第2モータ25aまたは動力伝達機構M2と、第2センサ42(より具体的には、ロータリエンコーダ42a)とは、伝動ベルト24(より具体的には、タイミングベルト)を介して接続されていてもよい。代替的に、第2センサ42は、第2モータ25aに内蔵されていてもよい。例えば、第2モータ25aが、ロータリエンコーダ42aを内蔵したモータであってもよい。
図7に記載の例では、第2モータ25aと、動力伝達機構M2(より具体的には、第1スプロケット23a、第2スプロケット23b等)と、エンドレス部材22(より具体的には、第1のエンドレス部材22a、第2のエンドレス部材22b)と、横断部材21とが、機械的に接続されている。よって、第2モータ25a、動力伝達機構M2、エンドレス部材22、または、横断部材21に設けられた第2センサ42は、第1搬送コンベヤ20(例えば、横断部材21)の位相を特定することが可能である。
ロータリエンコーダ42aは、アブソリュートエンコーダ(位相の絶対的な値を出力することができるエンコーダ)であってもよい。また、第2センサ42(より具体的には、ロータリエンコーダ42a)は、例えば、ロータリエンコーダ42aの軸まわりの回転角度を示す情報を出力するセンサであってもよい。例えば、第1搬送コンベヤ20の1つの第1領域AR1の長さ(横断部材21の移動方向に沿う方向における1つの第1領域AR1の長さ)と、第1搬送コンベヤ20の1つの第2領域AR2の長さ(横断部材21の移動方向に沿う方向における1つの第2領域AR2の長さ)との合計値が、ロータリエンコーダ42aの軸まわりの1回転に対応するように、ロータリエンコーダ42aが設定されてもよい。この場合、第2センサ42は、第1搬送コンベヤ20の1つの第1領域AR1、および、1つの第2領域AR2によって構成される1周期分の領域のうちのどの部分が、現在、横シーラー10を横切っているかに応じて、「0」度以上「360」度未満の値を出力する。
(横断部材21)
図8に記載の例では、横断部材21は、第1のエンドレス部材22aと第2のエンドレス部材22bとの間に配置される。より具体的には、横断部材21の第1端部が、第1のエンドレス部材22aに接続され、横断部材21の第2端部が第2のエンドレス部材22bに接続される。横断部材21の配置された領域が、第1搬送コンベヤ20の第1領域AR1(すなわち、物品を支持可能な領域)に対応する。また、隣接する2つの第1領域AR1の間の領域(すなわち、2つの隣接する第1領域AR1の間の開口部OP)が、第2領域AR2に対応する。なお、図8に記載の例では、開口部OPは、先行する第1領域AR1の最後端に配置された横断部材と、後行する第1領域AR1の最前端に配置された横断部材と、2つのエンドレス部材(22a、22b)とによって規定された開口部である。
複数の横断部材21のうちの少なくとも1つは(より好ましくは、複数の横断部材21の全ては)、第1のエンドレス部材22aおよび第2のエンドレス部材22bに対して着脱可能であることが好ましい。横断部材21が着脱可能な部材である場合、横断部材21を第1のエンドレス部材22aおよび第2のエンドレス部材22bに取り付けることにより、第1領域AR1のサイズをより大きくするとともに第2領域AR2のサイズをより小さくすることができる。また、横断部材21を第1のエンドレス部材22aおよび第2のエンドレス部材22bから取り外すことにより、第1領域AR1のサイズをより小さくするとともに第2領域AR2のサイズをより大きくすることができる。こうして、搬送する物品Dの種類等に応じて、第1領域AR1および第2領域AR2のサイズを好適に設定することが可能となる。
複数の横断部材21は、各第1領域AR1において、等間隔で配置されることが好ましい。また、第1搬送コンベヤ20が複数の第1領域AR1を備える場合、各第1領域AR1に配置される横断部材21の数は、他の1つの第1領域AR1に配置される横断部材21の数と等しいことが好ましい。換言すれば、第1搬送コンベヤ20は、サイズが同一の複数の第1領域AR1を備えることが好ましい。同様に、第1搬送コンベヤ20は、サイズが同一の複数の第2領域AR2を備えることが好ましい。
(制御装置30)
図9に記載の例では、制御装置30は、プロセッサ31と記憶装置32とを含む。制御装置30は、記憶装置32に記憶されたプログラムをプロセッサ31が実行することにより、第1の実施形態において説明された第1制御モード、および/または、第2制御モードを実行することができる。
図9に記載の例では、制御装置30は、第1モータ15a、第2モータ25a、第1センサ41、第2センサ42、および、物品検出センサ43と信号伝達可能に接続されている。制御装置30は、包装装置1Bの電源スイッチ45、および/または、後述のモニタ80と信号伝達可能に接続されていてもよい。
制御装置30が、第1制御モードを実行するとき、制御装置30は、第1モータ15aおよび第2モータ25aに駆動信号を送信するようにしてもよい。制御装置30は、第1モータ15aおよび第2モータ25aに駆動信号を送信することにより、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを同期的に駆動することが可能である。
制御装置30が、第2制御モードを実行するとき、制御装置30は、第1モータ15aに所定のタイミングで駆動停止信号を送信し、第2モータ25aに駆動信号を送信するようにしてもよい。この場合、第2モータ25aによって駆動される第1搬送コンベヤ20は、横シーラー10と非同期的に駆動される。より具体的には、第2制御モードにおいて、横シーラー10は、第1搬送コンベヤ20と干渉しない退避位置に移動した後、減速されて停止され、第1搬送コンベヤ20は継続的に駆動される。
制御装置30は、物品が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定する判定手段を有することが好ましい。例えば、制御装置30は、記憶装置32に記憶されたプログラムをプロセッサ31が実行することにより、物品が、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定する判定手段として機能する。
上述の判定手段は、第1センサ41から受信する第1信号と、物品検出センサ43から受信する第3信号とに基づいて、物品Dが、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定する。
例えば、制御装置30が、物品検出センサ43から物品を検出したことを示す信号を受信した時、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が、予め設定された第1角度範囲内にある場合、制御装置30の判定手段は、上述の物品が位置ずれ物品であると判定する。他方、制御装置30が、物品検出センサ43から物品を検出したことを示す信号を受信した時、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が、予め設定された第2角度範囲内にある場合(換言すれば、上述の第1角度範囲内にない場合)、制御装置30の判定手段は、上述の物品が正常位置物品であると判定する。
なお、横シーラー10の位相と第1搬送コンベヤ20の位相との間の関係が制御装置30によって取得されている場合には、第1センサ41から受信する第1信号の代わりに、第2センサ42から受信する第2信号を用いて、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかの判定が行われてもよい。換言すれば、判定手段は、第2センサ42から受信する第2信号と、物品検出センサ43から受信する第3信号とに基づいて、物品Dが、正常位置物品であるか位置ずれ物品であるかを判定してもよい。
判定手段が、物品を位置ずれ物品であると判定することに応じて、換言すれば、制御装置が位置ずれ物品を検出することに応じて、制御装置30は、制御モードを、第1制御モードから第2制御モードに切り替える。上述の切り替えは、人手によらず、制御装置30によって自動的に実行されるように構成されることが好ましい。
(第1入力部81)
図10に例示されるように、包装装置1Bは、横シーラー10の位置に対する物品Dの位置ずれを判定するための数値範囲を入力する第1入力部81を備えていてもよい。
図10に記載の例では、第1入力部81は、モニタ80が備えるタッチパネルによって構成されている。具体的には、第1入力部81をタップした後、テンキーを用いて、第1入力部81に数値を入力することができる。代替的に、第1入力部81への数値の入力は、キーボード、マウス等の入力装置によって行われてもよい。
図10に記載の例では、第1入力部81は、下限値入力部81aおよび上限値入力部81bを含む。下限値入力部81aには、物品が位置ずれ物品であると判定される数値の下限設定値が入力され、上限値入力部81bには、物品が位置ずれ物品であると判定される数値の上限設定値が入力される。図10に記載の例では、下限値入力部81aに、50度を示す値(すなわち、「50」)が入力され、上限値入力部81bに150度を示す値(すなわち、「150」)が入力されている。この場合、物品検出センサ43が物品を検出した時、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が50度以上150度未満である場合に、制御装置30は、物品検出センサ43によって検出された物品を位置ずれ物品と判定する。他方、物品検出センサ43が物品を検出した時、第1センサ41が示す角度情報が0度以上50度未満、または、150度以上360度未満である場合に、制御装置30は、物品検出センサ43によって検出された物品を正常位置物品と判定する。
代替的に、下限値入力部81aに、物品が正常位置物品であると判定される数値の下限設定値が入力され、上限値入力部81bに、物品が正常位置物品であると判定される数値の上限設定値が入力されるようにしてもよい。
図8に記載の例では、横断部材21を着脱することにより、第1領域AR1のサイズおよび第2領域AR2のサイズを変更することが可能である。第1領域AR1のサイズおよび第2領域AR2のサイズが変更された場合には、第1入力部81を用いて、物品が位置ずれ物品(または、正常位置物品)であると判定される数値の上限設定値、および/または、下限設定値が変更されることが好ましい。
なお、図10に記載の例では、モニタ80に、物品が位置ずれ物品(または、正常位置物品)であると判定される数値の上限設定値(図10では「150」度)、および、下限設定値(図10では「50」度)が表示されている。加えて、モニタ80には、横シーラー10の現在の位相情報(図10では「100」度)を表示する横シーラー位相表示部83が設けられてもよい。
(包装方法)
続いて、第2の実施形態における包装方法について説明する。
第1ステップST201において、包装装置1Bの電源スイッチ45がOFFからONに切り換えられる。包装装置1Bの電源がONになると、第1センサ41は、横シーラー10の現在の位相を示す情報を制御装置30に送信し、第2センサ42は、第1搬送コンベヤ20の現在の位相を示す情報を制御装置30に送信する。
制御装置30は、第1センサ41から受信した情報と、前回電源スイッチがONからOFFに切り替えられたときの横シーラー10の位相を示す情報とを比較する。制御装置30は、その差(すなわち、電源OFF時の横シーラー10の位相と電源ON時の横シーラー10の位相との差)が、予め設定された許容値(例えば、10度)を超える場合には、包装装置1Bの通常運転の実行を禁止する。
同様に、制御装置30は、第2センサ42から受信した情報と、前回電源スイッチがONからOFFに切り替えられたときの第1搬送コンベヤ20の位相を示す情報とを比較する。制御装置30は、その差(すなわち、電源OFF時の第1搬送コンベヤ20の位相と電源ON時の第1搬送コンベヤ20の位相との差)が、予め設定された許容値(例えば、10度)を超える場合には、包装装置1Bの通常運転の実行を禁止する。
第1ステップST201において、包装装置1Bの通常運転の実行が禁止された場合、第2ステップST202に進む。
他方、制御装置30は、電源OFF時の横シーラー10の位相と電源ON時の横シーラー10の位相との差が、予め設定された許容値以内であり、かつ、電源OFF時の第1搬送コンベヤ20の位相と電源ON時の第1搬送コンベヤ20の位相との差が、予め設定された許容値以内である場合には、包装装置1Bの通常運転の実行を許可する。
第1ステップST201において、包装装置1Bの通常運転の実行が許可された場合、第3ステップST203に進む。なお、許容値以内の各位相のずれ分は、電源ON後の最初の通常運転において自動的に補正されるように構成されることが好ましい。
第2ステップST202において、制御装置30は、横シーラー10の位相と第1搬送コンベヤ20の位相を合わせる第3制御モードを実行する。第3制御モードは、位相合わせ制御モードである。
横シーラー10が、シール実行位置の近傍にある状態(換言すれば、2つの横シーラー10a、10bが、互いに対向する位置か、互いに対向する位置に近い位置にある状態)を想定する。この状態で、横シーラー10および第1搬送コンベヤ20を自由に運転させると、両者の位相合わせが完了する前に、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20の横断部材21とが互いに干渉する可能性がある。
そこで、上述の第3制御モードにおいて、制御装置30は、横シーラー10がシール実行位置の近傍にあるときには(換言すれば、横シーラー10の位置が非同期的移動禁止範囲にあるときには)、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを同期的に移動させる。他方、上述の第3制御モードにおいて、制御装置30は、横シーラー10がシール実行位置の近傍にないときには(換言すれば、横シーラー10の位置が非同期的移動許可範囲にあるときには)、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを非同期的に移動させることにより、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを自動的に位相合わせする。
なお、非同期的移動禁止範囲、および/または、非同期的移動許可範囲の設定は、例えば、包装装置1Bが備える第2入力部86を介して行われる。
図11に記載の例では、第2入力部86は、モニタ80が備えるタッチパネルによって構成されている。具体的には、第2入力部86をタップした後、テンキーを用いて、第2入力部86に数値を入力することができる。代替的に、第2入力部86への数値の入力は、キーボード、マウス等の入力装置によって行われてもよい。
図11に記載の例では、第2入力部86は、下限値入力部86aおよび上限値入力部86bを含む。下限値入力部86aには、非同期的移動禁止範囲の下限設定値が入力され、上限値入力部86bには、非同期的移動禁止範囲の上限設定値が入力される。図11に記載の例では、下限値入力部86aに、150度を示す値(すなわち、「150」)が入力され、上限値入力部86bに210度を示す値(すなわち、「210」)が入力されている。この場合、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が150度以上210度未満である場合に、制御装置30は、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを同期的に移動させる。換言すれば、横シーラー10が、横シール実行位置の前後30度の角度範囲にある場合に、制御装置30は、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを同期的に移動させる。
上述の構成により、横シーラー10が非同期的移動禁止範囲にあるとき、換言すれば、横シーラー10がシール実行位置の近傍にあるとき、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とが同期的に駆動される。その結果、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20の横断部材21とが互いに干渉することが防止される。
他方、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が0度以上150度未満、あるいは、210度以上360度未満である場合に、制御装置30は、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを非同期的に移動させる。当該非同期的移動により、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とが自動的に位相合わせされる。位相合わせ完了後、第3ステップST203に進む。
上述の例では、第2入力部86に、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との間の非同期的移動を禁止する非同期的移動禁止範囲が入力される。代替的に、第2入力部86に、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との間の非同期的移動を許可する非同期的移動許可範囲が入力されるようにしてもよい。この場合、制御装置30は、横シーラー10の位置が非同期的移動許可範囲にないとき、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とを同期的に移動させればよい。
第2の実施形態における包装方法の第3ステップST203において、正常位置物品包装工程が実行される。正常位置物品包装工程については、第1の実施形態(より具体的には、第1ステップST1、第2ステップST2)において説明済みである。よって、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
第2の実施形態における正常位置物品包装工程では、図12に例示されるように、第2搬送コンベヤ60から第1搬送コンベヤ20に、物品Dが概ね等間隔で供給される。なお、第1搬送コンベヤ20に供給される物品Dは、筒状の包装フィルムF内に配置されている。また、第1搬送コンベヤ20上では、横シーラー10によって、物品Dの前後に2つの横シール部Sが形成される。また、2つの横シール部Sが形成された包装体Eは、第1搬送コンベヤ20から第3搬送コンベヤ70に移送される。
正常位置物品包装工程は、位置ずれ物品が検出されるまで、第1搬送コンベヤ20に供給される複数の物品について連続的に実行される。正常位置物品包装工程では、横シーラー10は、一時停止されることなく連続的に駆動されることが好ましい。また、正常位置物品包装工程では、第1搬送コンベヤ20は、一時停止されることなく連続的に駆動されることが好ましい。
制御装置30によって位置ずれ物品が検出されると、第4ステップST104において、位置ずれ物品処理工程が実行される。位置ずれ物品処理工程については、第1の実施形態(より具体的には、第1ステップST101乃至第5ステップST105)において説明済みである。よって、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
位置ずれ物品処理工程では、図13(a)に例示されるように、第1に、位置ずれ物品D3が検出される。例えば、物品検出センサ43が物品D3を検出したタイミングで、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が予め設定された数値範囲(例えば、50度以上150度未満)にある場合、制御装置30は、当該物品D3を位置ずれ物品であると判定する。なお、上述の数値範囲の設定は、例えば、第1入力部81(図10を参照。)への数値入力により行われる。
位置ずれ物品処理工程では、図13(b)に例示されるように、第2に、横シーラー10が、第1搬送コンベヤ20および物品Dと干渉しない退避位置に移動される。横シーラー10が退避位置に移動するとき、第1搬送コンベヤ20は駆動されている。よって、横シーラー10が退避位置に移動するときにも、位置ずれ物品D3は、継続的に第1方向DR1に搬送される。
位置ずれ物品処理工程では、図13(c)に例示されるように、第3に、退避位置にある横シーラー10を横切るように位置ずれ物品D3が搬送される。横シーラー10は、退避位置に維持されているため(より具体的には、横シーラー10は、退避位置で停止しているため)、横シーラー10を横切るように移動する位置ずれ物品D3と、横シーラー10とが干渉することはない。
位置ずれ物品処理工程では、図13(b)に例示されるように、位置ずれ物品D3が検出された後に、正常位置物品D4が検出される。例えば、物品検出センサ43が物品D4を検出したタイミングで、第1センサ41(例えば、ロータリエンコーダ41a)が示す角度情報(換言すれば、横シーラー10の回転角度を示す情報)が予め設定された数値範囲(例えば、50度以上150度未満)にない場合、制御装置30は、物品D4を正常位置物品であると判定する。
物品D4が正常位置物品であると判定されると、制御装置30は、制御モードを、第2制御モードから第1制御モードに切り替える。その結果、横シーラー10および第1搬送コンベヤ20が同期的に駆動される。より具体的には、横シーラー10の運転が再開されるとともに横シーラー10が加速され、その後、横シーラー10と第1搬送コンベヤ20とが同期的に駆動される。
横シーラー10と第1搬送コンベヤ20との間の同期運転が再開されると、正常位置物品D4と、正常位置物品D4の直ぐ下流側の物品D3との間の領域AT3において、横シール部Sが形成される(図14(a)を参照。)。当該横シール部Sの形成により、位置ずれ物品D3を含む複数の物品を包装した第2包装体E2が形成される。図14(b)から把握されるように、第2包装体E2には、包装体E1に含まれる物品数である第1物品数(例えば、1個)よりも数が多い物品が包装されている。図14(b)に記載の例では、最初に検出された位置ずれ物品D3の直後の物品D4が正常位置物品である。このため、第2包装体E2には、包装体E1に含まれる物品数である第1物品数(例えば、1個)の2倍の物品が包装されている。代替的に、最初に検出された位置ずれ物品から、更に位置ずれ物品が「N」個連続し(「N」は「1」以上の任意の自然数。)、その後、正常位置物品が検出される場合には、第2包装体E2に、包装体E1に含まれる物品数である第1物品数の(2+N)倍の物品が包装されていてもよい。
第2包装体E2が形成された後、正常位置物品包装工程が再開される。換言すれば、第4ステップST204(位置ずれ物品処理工程)から、第3ステップST203(正常物品包装工程)に戻る。その結果、図14(c)に示されるように、第2包装体E2の形成に続いて、正常位置物品D4を包装した包装体E3の形成が行われる。
(モード選択部88)
図16に例示されるように、包装装置1Bは物品包装モードと、物品スルーモードとを手動で切り替えるモード選択部88を備えていてもよい。物品スルーモードでは、図17に例示されるように、第1搬送コンベヤ20が、物品包装処理を実行しない搬送装置として利用される。物品スルーモードでは、横シーラー10が第1搬送コンベヤ20および物品Dと干渉しない退避位置に維持された状態で、第1搬送コンベヤ20が駆動される。このため、第1搬送コンベヤ20によって搬送される物品Dと、横シーラー10とが互いに干渉することはない。
図16に記載の例では、モード選択部88は、モニタ80が備えるタッチパネルによって構成されている。具体的には、モード選択部88の所定領域をタップすることにより、物品包装モード、または、物品スルーモードの選択が可能である。代替的に、モード選択部88におけるモードの選択は、キーボード、マウス等の入力装置を介して行われてもよい。
図16に記載のモード選択部88において、物品スルー運転「入」が選択されると(換言すれば、物品スルーモードが選択されると)、制御装置30によって、物品スルーモードが実行される。なお、物品スルーモードにおける第1搬送コンベヤ20および横シーラー10の動作は、上述の第2制御モードにおける第1搬送コンベヤ20および横シーラー10の動作と同一であってもよい。他方、図16に記載のモード選択部88において、製品スルー運転「切」が選択されると(換言すれば、物品包装モードが選択されると)、制御装置30によって、物品包装モードが実行される。物品包装モードでは、上述の包装方法(例えば、図5、または、図15を参照。)が実行される。
包装装置1Bが、製品スルーモードを手動で選択できるように構成されている場合、横シーラー10の駆動が停止された状態で、物品Dを搬送することができる。このため、横シーラー10が物品Dを噛み込むことが確実に回避される。また、横シーラー10を駆動することによって無駄な電力が消費されることがない。
なお、第1搬送コンベヤ20には、横断部材21が配置されていない第2領域AR2が存在する。このため、第2搬送コンベヤ60から第1搬送コンベヤ20への物品Dの移載のタイミングと、第1搬送コンベヤ20の位相とが、適切に同期されていないと、物品Dが、第2領域AR2を通って、第1搬送コンベヤ20から脱落する可能性がある。
そこで、物品スルーモードが選択された場合、制御装置30は、仮想的な横シーラーの回転角度が周期的に変化しているとみなして、当該仮想的な横シーラーに同期して、第1搬送コンベヤ20を駆動する。制御装置30は、物品検出センサ43から受信する物品検出信号と、仮想的な横シーラーの仮想的な回転角度とに基づいて、物品Dと仮想的な横シーラーとが干渉しないように、仮想的な横シーラーおよび当該仮想的な横シーラーに同期する第1搬送コンベヤ20を制御する。その結果、第1搬送コンベヤ20に向けて搬送される物品Dが、第1搬送コンベヤ20の第1領域AR1(より具体的には、横断部材21)で確実に支持される。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態にも適用可能である。さらに、各実施形態における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。