JP6929702B2 - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、物体の色の差を求めるための情報処理に関する。
2つの物体の色の差の評価式として、CIE(国際照明委員会)で提案された色差式であるCIE1976色差式、CIE1994色差式、CIEDE2000色差式などがある。これらの色差式は、プリント物等の評価において広く用いられている。しかし、これらの色差式は屋内の照度環境での実験データを基に作られたものであり、屋外のような高照度環境において目視と一致した色差が算出できるかは保証されていない。
自動車や住宅などの外観検査は屋外照度環境で行う必要があるため、屋外照度環境に対応した色差式が必要となる。照度環境の変化によって発生する色差を算出する技術として、例えば、CIECAM02のようなカラーアピアランスモデルを用いて色差を算出する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術は、環境照度をパラメータとして用いているCIECAM02を用いることで、環境照度の違いを考慮した色差を算出することができる。
特開2009−159580号公報
しかしながら、特許文献1に示すCIECAM02も、屋内照度環境下での実験を基に作られたモデルであるため、屋外のような高照度環境において目視と一致した評価ができるかどうかは不明である。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、屋外照度環境においても目視と一致した色差を算出することを目的とする。
本発明に係る情報処理装置は、第一の色及び第二の色を取得する色情報取得手段と、前記第一の色及び前記第二の色を観察する観察環境の明るさを示す照度に基づいて、両者の色差を算出する色差算出手段とを備え、前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど両者の色差が小さくなるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記照度に基づいて決定することを特徴とする。
本発明によれば、屋外照度環境においても目視と一致した色差を算出することができる。
実施形態1、実施形態2、実施形態7の処理手順を示すフローチャートである。 撮影画像を説明する模式図である。 UIの一例を示す模式図である。 輝度特徴量の算出手順を示すフローチャートである。 実施形態1、実施形態4の色差画像の生成手順を示すフローチャートである。 実施形態1の評価結果を表示するUIの一例を示す模式図である。 実施形態1、実施形態7のハードウエア構成を示すブロック図である。 実施形態1、実施形態2、実施形態7の機能構成を示すブロック図である。 実施形態2のUIの一例を示す模式図である。 実施形態2の評価結果を表示するUIの一例を示す模式図である。 実施形態3の輝度特徴量Y0と色差値Dの関係を示す図である。 実施形態4の部分領域の設定方法を説明する図である。 実施形態4、実施形態5の輝度特徴量の算出手順を示すフローチャートである。 実施形態6の評価領域設定UIの一例を示す模式図である。 実施形態7の明度差と観察照度との関係を示すグラフである。 実施形態7の色差式導出のための主観評価実験の様子を示す模式図である。 実施形態7の色差式導出のための主観評価実験の結果を示すグラフである。 実施形態7の色差式の精度を説明するグラフである。 実施形態7のある2環境に対する第一の色、第二の色の関係を示す模式図である。 実施形態7の色差と観察照度との関係を示すグラフである。 実施形態9のUIの一例を示す模式図である。 評価領域と基準点との位置関係を説明する模式図である。 情報処理装置が算出する色差値の条件を示すテーブルである。 実施形態7のある2環境に対する第一の色、第二の色の関係を示す表である。 実施形態9の観察照度を決定するルックアップテーブルである。
本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、フローチャートにおける各工程(ステップ)についてはSで始まる符号を用いて示す。
[実施形態1]
図1(a)は、本実施形態の情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。まず、S101において、評価対象の撮影画像を入力する。撮影画像は、例えば、各画素にR(赤)、G(緑)、B(青)各8ビットの色信号を格納するカラー画像データである。図2は、撮影画像に係る撮影範囲と評価対象の関係を示す模式図である。撮影画像に係る撮影範囲は、図に示すように評価対象の一部でもよいし、評価対象の全体を含んでもよい。なお、目視観察と同じ照明下で撮影した撮影画像に基づいて色差値を算出することによって、目視観察と異なる光源で照明する測色器で測定した色差値よりも、観察者の感じる色の差に近い評価ができるが照明と光源とは異なってもよい。また、目視観察と同じ方向から評価対象を撮影した撮影画像に基づいて色差値を算出することによって、目視観察と異なる照明と受光の幾何条件で測定する測色器で測定した色差値よりも、観察者の感じる色の差に近い評価ができる。一方で、目視観察と異なる照明と受光の幾何条件で測定する測色器で測定してもよい。
次にS102において、撮影画像上に基準点を設定する。ここで設定する基準点は、撮影画像上の水平位置(PS0X)と垂直位置(PS0Y)によって示される。本実施形態の情報処理装置は、設定した基準点における評価対象の色と、後述する評価点における評価点の色との色差値を算出する。なお、基準点や評価点などの点とは、所定の面積を備えた領域を指し、例えば、撮影画像の1つの画素に対応する領域を意味する。図3は、基準点を設定するUIの一例を示す模式図である。基準点を設定するUIは、撮影画像表示部301と、ポインタ302と、OKボタン303と、キャンセルボタン304とを含む。撮影画像表示部301には、S101で入力した撮影画像が表示される。ポインタ302は、マウス等の入力デバイスからの入力に応じて、UI画面上を移動する。ポインタ302が撮影画像表示部301に表示された撮影画像上にあるときにマウスボタンをクリックすると、ポインタ302の位置に対応した撮影画像上の点の水平位置PS0Xと垂直位置PS0Yが基準点として仮設定される。基準点が仮設定されると、撮影画像表示部301には、基準点における位置に赤色の丸印などのマーク(不図示)が表示される。その後、OKボタン303をクリックすると、上記のPS0XとPS0Yの値が基準点として設定される。キャンセルボタン304をクリックすると、仮設定された基準点はクリアされる。なお、ボタンをクリックするとは、ポインタを当該ボタンに重ねてマウスボタンをクリックすることを示す。基準点の取得方法は上記の方法に限らず、マウスボタンをクリックする代わりにキーボードの所定のキーを入力することで設定するようにしてもよいし、タッチパネルに表示した撮影画像上の点をタッチすることで設定するようにしても良い。
次にS103において、S101で入力した撮影画像に基づいて、輝度特徴量を算出する。輝度特徴量は、例えば、撮影画像の平均輝度値である。図4は、輝度特徴量の算出手順を示すフローチャートである。まず、S401において、ガンマ補正によって、撮影画像を構成するRGB色信号を輝度に線形なR’G’B’色信号に変換する。ガンマ補正は、例えば、公知の1次元ルックアップテーブル法による。すなわち、離散的なR信号に対応する輝度に線形なR’信号を格納した1次元ルックアップテーブル(以下、1DLUTとも言う)を参照して、入力したR信号に対応するR’信号を補間演算で求める。G’信号、B’信号についても同様に求める。各信号の1DLUTは、撮影デバイスや撮影条件毎に、あらかじめ用意しておく。ガンマ補正は、撮影画像を構成する全ての色信号について行う。
次にS402において、RGB色信号からXYZ色信号への変換行列(以降RGB/XYZ変換行列とも呼ぶ)を使った公知の行列演算によって、R’G’B’色信号からXYZ色信号を算出する。XYZ色信号は、撮影デバイスや撮影条件に非依存の信号であり、例えば、分光放射輝度計で測定された分光放射輝度の値と等色関数を畳み込み演算して求められる三刺激値の信号である。RGB/XYZ変換行列は、例えば3行3列の行列であり、この行列と、R’G’B’色信号に対応した3行1列の行列との行列積は、XYZ色信号に対応した3行1列の行列を示す。よって、行列積を計算することによって、R’G’B’色信号をXYZ色信号に変換できる。RGB/XYZ変換行列は、撮影デバイスや撮影条件毎に、あらかじめ用意しておく。XYZ色信号への変換は、撮影画像を構成する全てのRGB色信号に対応したR’G’B’色信号について行う。
次にS403において、輝度特徴量を算出する。本実施形態では、S402で算出した全てのXYZ色信号のY信号について平均値を計算し、この値を輝度特徴量とする。
ここで、本実施形態の情報処理装置が算出する色差値について説明する。本実施形態の情報処理装置は、前記輝度特徴量に基づいて色差値を算出する。撮影画像中の基準点における色と評価点における色との色差値を算出するとき、基準点における色の三刺激値と評価点における色の三刺激値の組み合わせが等しい場合であっても、輝度特徴量が異なれば、異なる色差値を算出する。例えば、輝度特徴量の異なる2つの撮影画像を画像1および画像2とし、画像1の輝度特徴量が示す輝度値をY0_Hi、画像2の輝度特徴量が示す輝度値をY0_Lowとする。ここで、Y0_Hiは、Y0_Lowよりも大きいとする。また、2つの異なる三刺激値をXYZ_AおよびXYZ_Bとし、画像1と画像2にこれらの三刺激値に対応する点が含まれるとする。そして、画像1および画像2において、XYZ_Aに対応する点の一つを基準点とし、XYZ_Bに対応する点の一つを評価点とする。さらに、画像1の基準点における色と評価点における色との色差値をD1、同様に、画像2における色差値をD2とする。図23は、以上の関係をまとめた表である。このとき、本実施形態の情報処理装置は、色差値D1が色差値D2よりも小さくなるように、色差値を算出する。すなわち、画像1と画像2の様に、基準点における三刺激値と評価点における三刺激値が異なり、かつ、その組み合わせが等しい組同士を比べた場合について述べる。この場合、輝度特徴量の示す輝度値が大きい組ほど、基準点における色と評価点における色との色差値が小さくなるように色差値を算出する。
人の視覚特性によれば、三刺激値の組み合わせが等しい場合であっても、視野の一部に輝度の高い光が含まれるような場合には、このような光が含まれない場合に比べて、色の差を感じにくくなる。輝度特徴量の示す輝度値は、撮影画像の一部に輝度の高い領域が含まれると大きくなる。すなわち、本実施形態の情報処理装置によれば、人の視覚特性に準じた色差値が算出される。その結果、色の差を目視と合うように評価することができる。なお、色差値の算出方法の詳細は、後述する。
次にS104において、色差画像を生成する。ここで色差画像とは、撮影画像の各画素における評価対象の色と、前記基準点における評価対象の色との色差値に応じた色信号値で構成される画像である。図5(a)は、色差画像の生成手順を示すフローチャートである。まず、S501において、基準点における評価対象の色のXYZ色信号を算出する。すなわち、撮影画像の基準点(水平位置PS0X、垂直位置PS0Y)のRGB色信号をXYZ色信号に変換する。RGB色信号からXYZ色信号への変換は、前述した輝度特徴量の算出手順における、S401乃至S402の処理による。ここで、算出したXYZ色信号のX、Y、Z信号の値をそれぞれ、X1、Y1、Z1とする。
次にS502において、撮影画像に最初の評価点(水平位置PS1X、垂直位置PS1Y)を設定する。最初の評価点は、例えば、撮影画像の左上の画素とする。
次にS503において、評価点における評価対象の色のXYZ色信号を算出する。すなわち、撮影画像の評価点のRGB色信号をXYZ色信号に変換する。RGB色信号からXYZ色信号への変換は、前述した輝度特徴量の算出手順における、S401乃至S402の処理による。ここで、算出したXYZ色信号のX、Y、Z信号の値をそれぞれ、X2、Y2、Z2とする。
次にS504において、基準点と評価点の色差値を算出する。本実施形態の色差値Dは、基準点のXYZ色信号(X1,Y1,Z1)、評価点のXYZ色信号(X2,Y2,Z2)、上述した輝度特徴量Y0とから、次の式(1)によって算出する。
D=(((X1−X2)^2+(Y1−Y2)^2+(Z1−Z2)^2)^(1/2))/Y0・・・(1)
ただし、^はべき乗の演算を表す。
次にS505において、撮影画像の全ての点の処理が完了したか否かを判定する。全ての点の処理が完了していたらS507に進み、他の場合は、S506に進む。S506では、撮影画像から未処理の画素を選択して評価点に設定し、S503へ進む。
最後にS507では、各点の色差値に基づいて色差画像を生成して終了する。色差画像は、色差値に対応したRGB色信号で構成される。例えば、DMaxを所定の色差値とするとき、色差画像を構成するRGB色信号(Rde,Gde,Bde)は、色差値Diから次の式(2)および式(3)によって算出される。
Di≦Dmaxのとき、Rde=Gde=Bde=255−(Di/Dmax)x255・・・(2)
上記以外のとき、Rde=Gde=Bde=0・・・(3)
式(2)および式(3)によれば、色差画像はR、G、Bの各信号の値が等しいモノクロの画像となる。また、色差値Diが0の画素は、RGB色信号が(255,255,255)の白色、色差値DiがDmax以上の画素は、RGB色信号が(0,0,0)の黒色となる。
最後にS105において、色の差の評価結果として、生成した色差画像を表示して処理を終了する。図6に評価結果を表示するUIの一例を示す。この例では、色差画像602は、撮影画像601と並べて表示され、撮影画像601の基準点における位置には、丸印603が表示される。色差画像の各画素の色は、当該画素の位置における評価対象の色と、基準点の位置における評価対象の色との色の差の評価値を表す。
図7(a)は、本実施形態の情報処理装置11のハードウエア構成を示すブロック図である。マイクロプロセッサ(CPU)701は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ802をワークメモリとする。また、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶部703やリードオンリメモリ(ROM)804に格納されたプログラムを実行する。また、システムバス705を介して、キーボードやマウス等の入力装置12や、ディスプレイ等の表示装置14を制御する。尚、記憶部703やROM804には、本実施形態に係るフローチャートによって説明される情報処理を実現するプログラムや各種データが格納される。USB(Universal Serial Bus)などの汎用インターフェース(I/F)706には、各種デバイスが接続される。例えば、キーボードやマウス等の入力装置12や、USBメモリやメモリカードなどの記録メディア(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)13などが接続される。また、表示装置14は、ビデオカード(VC)707に接続され、CPU701によって、ユーザインタフェース(UI)や、情報処理の処理経過や処理結果を示す情報が表示される。
CPU701は、例えば、入力装置12を介して入力されるユーザ指示に従い、ROM804、記憶部703または記録メディア13に格納されたアプリケーションプログラム(AP)や各種データをメインメモリ802の所定領域にロードする。そして、APを実行し、APに従って表示装置14にUIを表示する。CPU701は、UIを用いて撮影画像の情報を入力し、入力した情報をメインメモリ802や記憶部703に格納する。また、CPU701は、UIを用いて基準点の情報を設定し、設定した情報をメインメモリ802や記憶部703に格納する。さらに、CPU701は、APに従ってメインメモリ802に格納した撮影画像に所定の演算処理を施す。そして、CPU701は、ユーザ指示に従い演算処理結果を表示装置14に表示したり、記憶部703や記録メディア13に格納したりする。また、CPU701は、システムバス705に接続された図示しないネットワークI/Fを介して、有線または無線ネットワーク上のコンピュータ装置やサーバ装置との間でプログラム、データ、演算処理結果および中間処理データの送受信を行うこともできる。
図8(a)は、本実施形態の情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。前述した情報処理手順におけるS101では、制御部701が、入力部702に指示して撮影画像を入力し、撮影画像格納部803に格納する。S102では、制御部801が、基準点設定部804に指示して基準点の情報を設定し、基準点格納部805に格納する。基準点の情報とは、前述したPS0X、PS0Yの値である。基準点設定部804は、基準点設定UIによって、出力部811と入力部802を介して基準点の情報を設定する。S103では、制御部801が、輝度特徴量算出部806に指示して輝度特徴量を算出し、特徴量格納部807に格納する。輝度特徴量とは前述した撮影画像の平均輝度値Y0の値である。輝度特徴量算出部806は、撮影画像格納部803に格納された撮影画像と、データ格納部810に格納された各種データに基づいて、輝度特徴量を算出する。データ格納部810には、あらかじめ、前述したルックアップテーブルやRGB/XYZ変換行列などのデータを格納しておく。S104では、制御部801が、色差画像生成部808に指示して色差画像を生成し、色差画像格納部809に格納する。色差画像生成部808は、撮影画像格納部803に格納された撮影画像と、基準点格納部805に格納された基準点の情報と、807に格納された輝度特徴量と、データ格納部810に格納された各種データに基づいて、色差画像を生成する。S105では、制御部801が、出力部811に指示して色差画像格納部809に格納された色差画像と、撮影画像格納部803に格納された撮影画像とを表示装置14に出力する。
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置によれば、2点の三刺激値の組み合わせが同じ場合、輝度特徴量の示す輝度値が大きいほど、当該2点の色差値が小さくなるように色差値を算出する。その結果、物体の2点間の色の差を目視と合うように評価できる。
[実施形態2]
実施形態1では、撮影画像の全ての点について色差値を算出して色差画像を生成する例を説明したが、実施形態2では指定した点の色差値を出力する構成について説明する。なお、実施形態1と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図1(b)は、実施形態2の情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。S101乃至S103は、実施形態1と同じため、説明を省略する。実施形態2では、S103に続いてS114において、撮影画像に評価点を設定する。ここで評価点とは、撮影画像上の水平位置(PS1X)と垂直位置(PS1Y)の情報である。本実施形態の情報処理装置は、評価点における評価対象の色と、S102で取得した基準点における評価対象の色との色差値を算出する。図9は、評価点を設定するUIの一例を示す模式図である。本UIは、前述した基準点を設定するUIの構成に加えて、クリアボタン901、全クリアボタン902を備える。また、基準点の位置を示すマーク903が撮影画像表示部301に表示される。このUIでは、ポインタ302が撮影画像表示部301に表示された撮影画像上にあるときにマウスボタンをクリックすると、ポインタ302の位置に対応した撮影画像上の点が評価点として仮設定される。評価点は、複数設定できる。評価点が仮設定されると、撮影画像表示部301には、評価点における位置に×印と評価点番号などのマーク(904、905)が表示される。クリアボタン901をクリックすると設定解除モードに入る。設定解除モードでは、ポインタ302が仮設定された評価点に近づくと、マークの色が変換し、当該評価点が選択状態になる。この状態でマウスボタンをクリックすると、選択状態にあった評価点の仮設定が解除される。クリアボタン901を再度クリックすると、設定解除モードが終了する。全クリアボタン902をクリックすると、全ての評価点の仮設定が解除される。OKボタン303をクリックすると、評価点が決定され、仮設定した評価点の数だけ、上記のX1とY1の値が取得される。キャンセルボタン304をクリックすると仮設定された評価点はクリアされる。
次にS115において、取得した評価点の各々について色差値を算出する。色差値Dの算出方法は、前述した式(1)による。
最後にS116において、色の差の評価結果として、算出した色差値を表示して処理を終了する。図10に評価結果を表示するUIの一例を示す。この例では、各評価点の色差値を示す表1002は、撮影画像1001と並べて表示される。また、撮影画像には、基準点の位置を示す丸印1003と、各評価点の位置を示す×印と評価点番号(1004、1005)が表示される。
実施形態2のハードウエア構成は、実施形態1と同じため、説明を省略する。図8(b)は、実施形態2の機能構成を示すブロック図である。前述した情報処理手順におけるS114では、制御部801が、評価点設定部818に指示して評価点の情報を取得し、評価点格納部819に格納する。評価点の情報とは、前述したPS1XとPS1Yの値である。評価点設定部818は、評価点設定UIによって、出力部811と入力部702を介して評価点の情報を設定する。S115では、制御部801が、色差値算出部820に指示して各評価点における色差値を算出し、色差値格納部821に格納する。色差値算出部820は、以下に基づいて、色差値を算出する。すなわち、撮影画像格納部803に格納された撮影画像と、基準点格納部805に格納された基準点の情報と、特徴量格納部807に格納された輝度特徴量と、810に格納された各種データと、819に格納された評価点の情報である。S116では、制御部801が、出力部811に指示して色差値格納部821に格納された色差値と、撮影画像格納部803に格納された撮影画像とを表示装置14に出力する。撮影画像格納部803、基準点設定部704、基準点格納部805、輝度特徴量算出部806、特徴量格納部807は、実施形態1と同じため説明を省略する。
以上説明したように、実施形態2の情報処理装置によれば、指定した評価点の色差値のみを評価する。これによって、撮影画像全体の色差値の算出が不要となり、処理を高速化できる。
[実施形態3]
実施形態3では、実施形態1と異なる方法で色差値を算出する例を説明する。なお、実施形態1と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
実施形態3は、S504の処理が実施形態1と異なる。実施形態3のS504では、色差値Dの値を、基準点のXYZ色信号(X1,Y1,Z1)、評価点のXYZ色信号(X2,Y2,Z2)、輝度特徴量Y0とから、次の式(4)によって算出する。
D=(((L1−L2)^2+(a1−a2)^2+(b1−b2)^2)^(1/2)・・・(4)
ただし、^はべき乗の演算を表す。また、L1、a1、b1、L2、a2、b2は、次の式(5)乃至式(10)による。
L1=116(Y1/Yw)^(1/3)−16・・・(5)
a1=500((X1/Xw)^(1/3)−(Y1/Yw)^(1/3))・・・(6)
b1=200((Y1/Yw)^(1/3)−(Z1/Zw)^(1/3))・・・(7)
L2=116(Y2/Yw)^(1/3)−16・・・(8)
a2=500((X2/Xw)^(1/3)−(Y2/Yw)^(1/3))・・・(9)
b2=200((Y2/Yw)^(1/3)−(Z2/Zw)^(1/3))・・・(10)
なお、Xw、Yw、Zwは、次の式(11)乃至式(13)による。
Xw=95.039/100.0xY0・・・(11)
Yw=Y・・・(12)
Zw=108.880/100.0xY・・・(13)
式(5)乃至式(7)および、式(8)乃至式(10)は、CIEXYZ色空間の信号からCIELAB色空間の信号を算出するときの算出式であり、式(4)は、CIE1976色差式に基づく色差の算出式である。なお、上記のXw、Yw、Zwは、CIE(国際照明員会)の定義では基準白色面の三刺激値であるが、実施形態3では、輝度特徴量Y0に係る値に置き換えて利用している。詳細には、白色面のY値であるYwの値の代わりに輝度特徴量Y0を利用し、Xw、Zwの値は、三刺激値Xw、Yw、Zwの色度がCIEの定めるD65光源の色度となるようにY0から算出した値を利用している。図11は、輝度特徴量Y0と、色差値Dの関係を示す模式図である。横軸が輝度特徴量Y0、縦軸が上記の式(4)に基づく色差値Dであり、基準点と評価点の三刺激値を所定の定数としたときの、Y0とDの関係を示す。図に示すように、輝度特徴量Y0が大きくなるほど、色差値Dの値が小さくなる。すなわち、実施形態3の情報処理装置によれば、2点の三刺激値の組み合わせが同じ場合、輝度特徴量の示す輝度値が大きいほど、当該2点の色差値が小さくなるように色差値が算出される。また、CIELAB色空間は、CIEXYZ色空間と比べて均等性が高いため、評価対象の色の違いによらず、人の感じる色の差に対応した色差値が得られる。例えば、彩度の高い緑色の2つの色(第一色差対)と、無彩色の白色の2つの色(第二色差対)とでは、CIEXYZ色空間上の距離が等しかったとしても、人の感じる色の差は異なり、第二色差対の方により大きな色の差を感じる。一方、CIELAB色空間では、色空間上の距離が等しければ、人の感じる色の差も略等しい。よって、色の異なる評価対象間で色差値を比較するような場合には、CIELAB色空間を利用する実施形態3の構成が有効である。
以上説明したように、実施形態3の情報処理装置によれば、CIEXYZ色空間の代わりに均等色空間であるCIELAB色空間を利用して色差値を算出する。その結果、色の異なる評価対象間で色差値を比較するような場合でも、色の差を目視と合うように評価できる。
[実施形態4]
実施形態4では、実施形態1と異なる方法で輝度特徴量を算出する例を説明する。なお、実施形態1と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
基準点と評価点から大きく外れた点の輝度値は、基準点と評価点との色の差の評価に影響しない。よって、輝度特徴量は、基準点と評価点とに近い所定の領域の輝度値に基づいて算出するのがよい。実施形態4の情報処理装置は、撮影画像全体の平均輝度ではなく、基準点と評価点とに近い所定の領域の輝度値に基づいて輝度特徴量を算出する。
図12は、部分領域の設定方法を説明する模式図である。図において、点1201は基準点、点1202は評価点、点1203は点1201と点1202の中点、距離L1は点1201と点1203との距離を示す。また、距離L2は距離L1の例えば0.5倍であり、部分領域の境界を表す円1204は、点1203を中心とし、半径がL1の1.5倍となる円を示す。実施形態4の情報処理装置は、撮影画像において、基準点と評価点との位置によって決定される円1204の内部の点を輝度特徴量の算出における対象点とする。そして、全対象点のXYZ色信号のY信号について平均値を計算し、この値を輝度特徴量とする。
実施形態4の情報処理手順は、実施形態1の処理手順におけるS103をスキップする。また、S104の色差画像の生成は、図5(a)の手順で行う。5(a)は、実施形態4の色差画像性を生成する手順を示すフローチャートである。実施形態1の処理との違いは、S503とS504の間に、輝度特徴量を算出するS511が追加されている。S511では、設定された基準点と評価点とから輝度特徴量を算出する。詳細は後述する。S504の色差値の算出では、S511で算出した輝度特徴量に基づいて色差値を算出する。他の工程の処理は、実施形態1と同じである。
図13は、実施形態4の輝度特徴量の算出手順を示すフローチャートである。まずS1301において、前述した中点の座標と部分領域の境界を表す円1204の半径を算出する。中点の座標(PS2X、PS2Y)は、基準点の情報(PS0X、PS0Y)と、評価点の情報(PX1X、PS1Y)とから次の式(14)および式(15)で算出する。
PS2X=(PS0X+PS1X)/2・・・(14)
PS2Y=(PS0Y+PS1Y)/2・・・(15)
円1404の半径Rは、次の式(16)で算出する。
R=(((PS2X−PS0X)^2+(PS2Y−PS0Y)^2)^(1/2))x1.5・・・(16)
次にS1302において、対象点数カウンタcntと、累積輝度値格納バッファSYに初期値0を設定する。
次にS1303において、最初の着目点(水平位置PS3X、垂直位置PS3Y)を設定する。最初の着目点は、例えば、撮影画像の左上の画素とする。
次にS1304において、中点と着目点との距離Lを次の式(17)で算出する。
L=((PS3X−PS2X)^2+(PS3Y−PS2Y)^2)^(1/2)・・・(17)
次にS1305において、距離Lが半径Rよりも小さいか判定する。距離Lが半径Rよりも小さい場合には、輝度特徴量の算出の対象点であり、S1306に進む。他の場合は、S1310へ進む。
次にS1306において、対象点数カウンタcntの値をインクリメントする。
次にS1307において、累積輝度値格納バッファSYに、着目点のXYZ色信号のY信号の値を加算する。
次にS1308において、全画素の処理が終了したか否かを判定する。全ての画素の処理が完了していたらS1309に進み、他の場合はS1310へ進む。S1310では、撮影画像から未処理の画素を選択して着目点に設定し、S1304へ進む。
最後にS1309では、輝度特徴量Y0の値を次の式(18)で算出する。
Y0=SY/cnt・・・(18)
以上説明したように、実施形態4の情報処理装置によれば、輝度特徴量を撮影画像全体の平均輝度ではなく、基準点と評価点を含む所定の部分領域に基づいて算出する。その結果、色の差の評価に影響する領域を考慮して算出した好適な輝度特徴量に基づいて色差値が算出され、色の差をより目視と合うように評価できる。
[実施形態5]
実施形態5では、実施形態1および実施形態4と異なる方法で輝度特徴量を算出する例を説明する。なお、実施形態4と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
実施形態4では、輝度特徴量に、所定の部分領域の輝度の平均値を使用した。実施形態5では、輝度特徴量に、撮影画像の各点の輝度値を、基準点と評価点の位置に基づいて重み付けした、重み付け平均値を使用する。すなわち、基準点と評価点に近い点の輝度値は重みを大きくし、基準点と評価点から遠い点の輝度値は重みを小さくして、重み付け平均する。
図13(b)は、実施形態5の輝度特徴量の算出手順を示すフローチャートである。S1303、S1304、S1310は、実施形態4と同じ処理のため、説明を省略する。
まずS1311では、基準点と評価点の中点の座標と、中点と基準点との距離L1を算出する。中点の座標(PS2X、PS2Y)は、前記式(14)および式(15)による。L1の値は、次の式(19)で算出する。
L1=((PS2X−PS0X)^2+(PS2Y−PS0Y)^2)^(1/2)・・・(19)
次にS1312では、累積輝度値格納バッファSYと、累積ウエイト格納バッファSWに初期値0を設定する。
S1315では、重みWの値を設定する。重みWの値は、例えば、次の式(20)および式(21)で計算される値を設定する。
(L/L1)<1のとき、W=1・・・(20)
上記以外のとき、W=L1/L・・・(21)
次にS1316において、累積ウエイト格納バッファSWに、着目点の重みWの値を加算する。
次にS1317において、着目点のXYZ色信号のY信号の値に重みWを乗算し、その結果を累積輝度値格納バッファに加算する。
次にS1318において、全画素の処理が終了したか否かを判定する。全ての画素の処理が完了していたらS1319に進み、他の場合はS1310へ進む。
最後にS1319では、輝度特徴量Y0の値を次の式(22)で算出する。
Y0=SY/SW・・・(22)
まずS1311において、実施形態4と同様に、基準点と評価点の中点の座標と、部分領域の境界を表す円1204の半径を算出する。この処理は、実施形態4の処理手順S1301と同じである。
以上説明したように、実施形態5の情報処理装置によれば、輝度特徴量に、基準点と評価点の位置に基づいて重み付けした、重み付け平均値を使用する。その結果、色の差の評価への影響度を考慮して算出した好適な輝度特徴量に基づいて色差値が算出され、色の差をより目視と合うように評価できる。
[実施形態6]
実施形態6では、撮影画像の一部の領域について色差画像を生成する構成について説明する。なお、実施形態1と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
広画角の撮影データを用意しておき、その一部分の色の差を詳細に評価した場合がある。この場合、撮影画像の一部のみについて色差画像を生成することで、必要なメモリ容量や計算コストを低減できる。実施形態6では、撮影画像の一部を評価領域に設定し、評価領域に関する色差画像を生成する構成を説明する。
実施形態6の情報処理手順は、実施形態1の処理手順におけるS101の後に、評価領域を設定する工程が追加される。その後の工程では、撮影画像に替えて、設定した評価領域に対して処理を行う。
図14は、評価領域設定UIの一例を示す模式図である。評価領域を設定するUIは、撮影画像表示部1401と、ポインタ1402と、OKボタン1403と、キャンセルボタン1404を含む。撮影画像表示部1401には、S101で入力した撮影画像が表示される。ポインタ1402は、マウス等の入力デバイスからの入力に応じて、UI画面上を移動する。ポインタ1402が撮影画像表示部1401に表示された撮影画像上にあるときにマウスボタンをクリックすると、ポインタ1402の位置に対応した撮影画像上の点の水平位置PS4Xと垂直位置PS4Yが評価領域の中心点として仮設定される。評価領域の中心点が仮設定されると、撮影画像表示部1401には、評価領域を示す矩形1405が表示される。その後、OKボタン303をクリックすると、上記のPS4XとPS4Yの値が評価領域の中心点として設定される。キャンセルボタン304をクリックすると、仮設定された評価領域の中心点はクリアされる。評価領域の大きさは、固定値で幅ER_W、高さER_Hであるとする。この場合、撮影画像の位置(PS4X−(ER_W/2)、PS4Y−(ER_H/2))を左上点、位置(PS4X+(ER_W/2)、PS4Y+(ER_H/2))を右下点とする矩形領域が評価領域となる。なお、左上点および右下点が撮影画像の領域外となる場合は、評価領域を水平移動および垂直移動させ、評価領域が撮影画像の領域内に入るように、PS4XおよびPS4Yの値が補正される。
以上説明したように、実施形態6の情報処理装置によれば、撮影画像の一部を評価領域に設定し、評価領域に関する色差画像を生成する。その結果、処理に必要なメモリ容量や計算コストを低減することができる。
[実施形態7]
実施形態7では、観察環境の明るさに基づいて色差を算出する構成について説明する。なお、実施形態1と同じ構成については、詳細な説明を省略する。また、実施形態1〜6において基準点の色情報および評価点の色情報と記載した内容について、実施形態7以降においては第一の色、第二の色と記す。
図1(c)は実施形態7の情報処理装置11の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、S121において、第一の色及び第二の色を観察する環境の明るさ情報を取得する。明るさ情報とは、例えば、第一の色及び第二の色を観察する環境の照度を示し、後述する照度計などの測定装置15や、撮像機器に搭載されている不図示の照度センサなどを用いることで取得することができる。ここで、S121で取得した観察照度をEvとする。
次に、S122において、第一の色及び第二の色の色情報を取得する。第一の色及び第二の色の色情報は、例えば、分光放射輝度計などの測定装置15を用いて取得したCIEXYZ表色系で示されるXYZ色信号を示す。ここで、第一の色のXYZ値を(X1,Y1,Z1)とし、第二の色のXYZ値を(X2,Y2,Z2)とする。
次にS123において、S121で取得した観察照度Evに基づいて、S2で取得した第一の色及び第二の色との色差Dを算出する。以下、色差Dの算出手順に沿って説明する。まず、第一の色(X1,Y1,Z1)及び、第二の色(X2,Y2,Z2)をCIEXYZ表色系の信号からCIELAB表色系の信号へそれぞれ変換する。 XYZ値からLAB値への変換は公知の方法を用いることができる。なお、算出に用いる基準白色板の三刺激値(Xw,Yw,Zw)は、分光放射輝度計などの測定装置15を用いて取得しても良いし、S121で取得した観察照度Evから式(23)により算出しても良い。
Yw=Ev*ρ/π ・・・(23)
Xw=95.04/100.0*Yw
Zw=108.88/100.0*Yw
ただし、*は乗算の演算を示す。ρは反射率を示し、ここでは1を代入する。観察照度Evから基準白色板のYwを算出し、Xw及びZwの値はCIEの定めるD65光源の色度となるように算出している。第一の色のLab値を(L1,a1,b1)、第二の色のLab値を(L2,a2,b2)とする。
次に、a1,b1,a2,b2から、CIELCH表色系で定義される彩度Cab、色相角habを算出する。CIELCH表色系とは極座標系を用いた均等色空間であり、CIELAB表色系の値から公知の方法を用いて変換することができる。第一の色における彩度及び色相角をCab1,hab1とし、第二の色おける彩度及び色相角をCab2,hab2とする。
次に、色差Dを算出する。色差Dは、CIE1994色差式をベースとした計算式により算出する。色差式(24)にCIE1994色差式を示す。
Figure 0006929702

kL=kC=kH=1
Cab_gm=√(Cab1*Cab2)
SL=1
SC=1+0.045*Cab_gm
SH=1+0.015*Cab_gm
ΔL=L1−L2
Δa=a1−a2
Δb=b1−b2
ΔCab=Cab1−Cab2
Dab=√{(ΔL)^2+(Δa)^2+(Δb)^2}
ΔHab=√{(Dab)^2−(ΔL)^2−(ΔCab)^2)}
実施形態7では、上記CIE1994色差式のSLを式(25)に置き換えることで照度に応じた色差を算出する。
SL=1+d*Ev・・・(25)
ただし、^はべき乗の演算を示す。式(25)に示すdの値は、後述する主観評価実験結果にフィッティングした係数である。図15は観察照度と、明度差(ΔL/SL)の関係を示すグラフである。なお、最大値が1となるように正規化して示している。図15より、CIE1994色差式における明度差は観察照度によらず一定である。一方、式(24),(25)で示す色差式の明度差は、観察照度が高くなるほど減少する。また、観察照度が高くなるほど明度差の減少率が小さくなり、下に凸の形状をもつ。つまり、観察照度が高くなるほど色差Dに対する明度差が減少するため、色差Dが小さく算出される。式(24),(25)で示す色差式を導出した主観評価実験の詳細については後述する。
最後にS124において、S123で算出した色差を表示装置14に表示し、情報処理装置11の処理を終了する。なお、表示装置14が表示する内容は、S123で算出した色差だけとは限らない。例えば、S123で算出した色差Dと、任意の閾値thに基づき、D≦thであれば「合格」、D>thであれば「不合格」といった判定をさせ、判定結果を表示させても良い。
<屋外照度環境における色差主観評価実験>
ここで、実施形態7における色差式を導出した色差主観評価実験について説明する。図16は主観評価実験環境を上から見た模式図である。図16に示すように、被験者の右眼側は高出力の光源が複数設置された高照度環境(照度7,500lx、15,000lx、35,000lxの3条件)、左眼側は屋内照度環境(照度1,500lx)となるように被験者の右眼と左眼の間に壁を設置した。なお、照度条件間で光源の色温度は一定である。まず、被験者は右眼で高照度環境におけるテスト刺激対1601の色差を観察し、左眼で屋内照度環境におけるリファレンス色差対1602の見えを観察した。ここで、テスト刺激対1601として金属光沢のある板を使用し、リファレンス色差対1602として明度のみが異なる刺激対を複数使用した。テスト刺激対1601のXYZ値をそれぞれ(Xa,Ya,Za)、(Xb,Yb,Zb)とする。次に、被験者は右眼側のテスト刺激対1601の色差と等しい大きさに感じる左眼側のリファレンス色差対1602を選択する。すなわち、ここで選ばれたリファレンス色差対1602の色差が、被験者がテスト刺激対1601に対して知覚した色差の大きさを示している。なお、図16では右眼側にテスト刺激対、左眼側にリファレンス刺激対1602を設置しているが、これが逆であっても良い。
図17に実験結果の一部を示す。図17(a)〜(c)は、高照度環境における照度条件の違いを示し、グラフの縦軸は被験者がテスト刺激対1601に対して知覚した色差Dp、グラフの横軸は各観察環境における基準白色板の輝度Ywに対するテスト刺激対の相対輝度差(|Ya−Yb|/Yw)を示す。また、図17(a)〜(c)に示す各グラフのプロットに近似直線を引いている。この近似直線の傾きが色差に対する感度を示しており、傾きが大きいほど色差に対する感度が高いことを示す。図17(a)〜(c)を比較して、観察照度が高くなるほど近似直線の傾きが小さくなるため、観察照度が高くなるほど色差に対する感度が低下することがわかった。
この実験結果に基づき、式(24),(25)で示す色差式を導出した。観察照度が変化すると、色差を構成する明度差、彩度差、色相差のうち、明度差が大きく変化すると考えられるため、式(25)は環境照度が高くなるほど明度差を小さく算出する式である。さらに、人の明るさ知覚が非線形であることを考慮し、観察照度が高くなるほど明度差の減少率が小さくなる。
図18は、テスト刺激対1601に対して被験者が知覚した色差と、色差式(CIE1994色差式及び式(24),(25)で示す色差式)から算出した色差との関係を示すグラフである。図18(a)のグラフの横軸はCIE1994色差式から算出した色差を示し、図18(b)のグラフの横軸は式(24),(25)で示した色差式から算出した色差を示している。図18(a)(b)のグラフの縦軸は、被験者がテスト刺激対1601に対して知覚した色差であり、グラフ内に示す破線は縦軸と横軸の値が等しい値をとる軌跡である。図18(a)(b)を比較すると、図18(b)が図18(a)よりも破線上にプロットが集中している。これは式(24),(25)に示す色差式が、従来色差式と比べて、人の知覚した色差とより近い色差値を算出していることを意味している。したがって、観察照度が高くなるほど色差に対する明度差の寄与度が減少するという色差式を用いた結果、人の知覚とより一致した色差が算出できる。
<実施形態7に示す色差式と従来色差式との違い>
次に、式(24),(25)で示す色差式により算出する色差値と、CIE1994色差式等の従来色差式が算出する色差値を比較する。図19は2つの環境(A環境とB環境)において、第一の色及び第二の色の組み合わせをそれぞれ示した模式図である。A環境における観察照度をEva、第一の色を(Xa1,Ya1,Za1)、第二の色を(Xa2,Ya2,Za2)とする。また、B環境における観察照度をEvb、第一の色を(Xb1,Yb1,Zb1)、第二の色を(Xb2,Yb2,Zb2)とする。A環境とB環境の観察照度にはEva>Evbの関係があるとする。また、A環境の照度Evaに対する第一の色とB環境の照度Evbに対する第一の色とが等しく、さらに、A環境の照度Evaに対する第二の色とB環境の照度Evbに対する第二の色が等しいとする。このとき、式(26)及び式(27)の関係が成り立ち、図24(a)(b)にその具体例を示す。
(Xa1,Ya1,Za1)/Eva=(Xb1,Yb1,Zb1)/Evb・・・(26)
(Xa2,Ya2,Za2)/Eva=(Xb2,Yb2,Zb2)/Evb・・・(27)
このとき、観察照度と各色差式で算出する色差値との関係を図20(a)(b)に示す。
図20(a)と図20(b)は、第一の色及び第二の色のXYZ値が異なり、それぞれ図24(a),(b)に示す値をとる。グラフの縦軸は色差を示し、横軸は観察照度を示している。図20(a)(b)において、点線のグラフはCIE1994式を用いて算出した色差D94を、破線のグラフは色の見えモデルであるCIECAM02の値を用いて算出した色差D_CAM02を、実線のグラフは式(24),(25)に示す色差式を用いて算出した色差Dを示している。なお、グラフ中の各色差値は、見やすさのために観察照度0〜50,000lxの範囲における最大値でそれぞれ正規化して示している。また、CIECAM02を用いた色差式はCIEで定義されていないため、式(28)で算出する値をD_CAM02として述べている。
D_CAM02=√((ΔJ)^2+(Δa_CAM)^2+(Δb_CAM)^2))・・・(28)
なお、ΔJ、Δa_CAM、Δb_CAMはCIECAM02を用いて算出した明度差、a軸の色度差、b軸の色度差をそれぞれ示している。
図20(a)(b)において、A環境およびB環境で算出した色差値を比較する。まず、色差D94は、図20(a)(b)ともに、A環境、B環境で算出する色差値が等しい。次に、色差D_CAM02は、図20(a)においてA環境で色差がより小さく、図20(b)においてB環境で色差がより小さくなる。色差Dは、図20(a)(b)ともに、A環境での色差値がB環境での色差値以下となる。これについて、まず、CIE1994色差式は、第一、第二の色の各Lab値に基づいて色差を算出する式である。そのため、式(26),(27)が成り立つとき、照度間で第一の色、第二の色のLab値がそれぞれ等しくなり、色差値も等しい値をとる。これはCIE1974色差式及びCIEDE2000色差式を用いた場合でも同様である。次に、色の見えモデルであるCIECAM02は算出パラメータに観察照度が含まれているが、周囲条件などの別のパラメータも関係するため照度間で色差の大小関係が一意に定まらない。最後に、式(24),(25)で示す色差式は、観察照度が高いほど色差を小さく算出する特徴を持つため、A環境で算出した色差は、B環境で算出した色差値以下の値をとる。
図7(b)は実施形態7の情報処理装置11のハードウエア構成を示すブロック図である。実施形態7のハードウエア構成は、実施形態1のハードウエア構成に加え、さらに測定装置15を有する。測定装置15は、照度計や分光放射輝度計などを指し、汎用インターフェース(I/F)706によって情報処理装置11と接続される。
図8(c)は、実施形態7の情報処理装置11の機能構成を示すブロック図である。実施形態7の機能構成は、実施形態1の機能構成の制御部801、データ格納部810、出力部811に加え、更に、明るさ情報取得部832、明るさ情報格納部833、色情報取得部834、色情報格納部835を有する。前述した情報処理手順におけるS121では、制御部801が、明るさ情報取得部832に指示して、第一の色及び第二の色を観察する環境の明るさ情報を取得し、明るさ情報格納部833へ格納する。S2では、制御部801が色情報取得部834に指示して、第一の色及び、第二の色を取得し、色情報格納部835へ格納する。S123では、制御部801が色差値算出部820に指示して、明るさ情報格納部833に格納された明るさ情報と、色情報格納部835に格納された第一の色、第二の色とを用いて、第一の色と第二の色との色差を算出し、色差値格納部821へ格納する。また制御部801が表示部14に指示して、色差値格納部821へ格納された色差値を表示装置14に出力する。
以上説明したように、実施形態7の情報処理装置は、観察環境の照度が高いほど色差に対する感度が低下するという視覚特性に基づいて、観察照度が高いほど色差が小さくなるように色差を算出する。その結果、高照度環境において、より目視と一致した色差を算出することができる。
(実施形態7の変形例1)
実施形態7では、S121において、第一の色及び第二の色を観察する環境の観察照度Evを取得したが、分光放射輝度計などの測定装置15を用いて測定した基準白色板の三刺激値(Xw,Yw,Zw)から計算した値でも良い。観察照度Evは下記の式(29)により算出できる。
Ev=Yw×π/ρ・・・(29)
なお、ρは反射率を示し、ここでは1を代入する。この場合でも実施例7と同様の結果が得られる。
(実施形態7の変形例2)
実施形態7では、S2において、色差DはCIE1994色差式をベースとした計算式により算出したが、CIE1976色差式やCIE2000色差式をベースとした計算式でも構わない。例えば、CIE1976色差式をベースとする場合、式(30)で示す色差式のSLを式(25)に置き換えることで照度に応じた色差を算出する。
Figure 0006929702

kL=kC=kH=1
SL=1
Sa=1
Sb=1
ΔL=L1−L2
Δa=a1−a2
Δb=b1−b2
また、第一の色、第二の色の色情報としてXYZ値を取得したが、CIEXYZ表色系の数値でなくとも構わない。例えば、S2においてCIELAB表色系の値を色情報として取得した場合、S2におけるCIEXYZ表色系からCIELAB色空間への変換は不要となる。また、S2において、HSV表色系のHSV値を色情報として取得した場合、S123において下記の式(31)を用いて算出すればよい。なお、式(31)に示すdの値は、実施形態7で述べた主観評価実験結果にフィッティングした係数である。
Figure 0006929702

SV=1+d*Ev
SS=1+0.045*S_gm
SH=1+0.015*S_gm
S_gm=√(S1*S2)
kV=kS=kH=1
ΔV=V1−V2
ΔS=S1−S2
ΔH=H1−H2
[実施形態8]
実施形態7では、観察環境の明るさ情報として、観察照度を用いる場合について説明した。実施形態8では、観察環境の明るさ情報として、第一の色及び、第二の色を含む色分布情報の平均輝度値を用いる構成について説明する。なお、実施形態1〜7と同じ構成については、詳細な説明を省略する。実施形態8の処理の流れは、図1(c)に示す実施形態7のフローチャートを用いて説明する。
S121において、第一の色、第二の色を観察する環境の明るさに関する情報を取得する。実施形態8では、ここで取得する観察環境の明るさ情報が実施形態7と異なり、第一の色及び第二の色を含む色分布情報から平均輝度値を取得する。ここで、色分布情報とは、例えば、実施形態1のS101で説明した、第一の色(基準点)と第二の色(評価点)を含む領域を撮影した撮影画像を指し、各画素にR(赤)、G(緑)、B(青)各8ビットの色信号を格納するカラー画像データである。また、色情報を二次元的に測定することのできる測色計を用いて、第一の色と第二の色を含む領域を測色した二次元測色データを用いても良い。さらに、実施形態4や実施形態6で説明したように、撮影画像の部分領域から平均輝度値を求めても良い。撮影画像から平均輝度値を取得する方法は、実施形態1、4、6におけるS103で説明したため、これを省略する。また、実施形態5で述べたように平均輝度値ではなく、第一の色・第二の色からの位置に基づいて重み付け平均値を用いても良い。実施形態8のS121で取得した撮影画像の平均輝度値をYaveとする。
S122において、第一の色及び第二の色の色情報を取得する。実施形態2のS102及びS114で説明したように、撮影画像上に第一の色(基準点)及び第二の色(評価点)を設定し色情報を取得しても良い。また、実施形態7のS122で説明したように、分光放射輝度計などの測定装置15を用いてXYZ色信号を取得しても良い。
S123において、S121で取得した撮影画像の平均輝度Yave及び、S122で取得した第一の色及び、第二の色に基づいて、第一の色と第二の色との色差Dを算出する。実施形態8の色差Dは、実施形態7の式(25)の代わりに式(31)を用いて算出する。
SL=1+d´*Yave・・・(31)
式(31)は、式(25)における環境照度Evが、撮影画像の平均輝度Yaveに置き換わった式である。式(31)に示すd´の値は、実施形態7で述べた主観評価実験結果にフィッティングした係数である。実施形態7では、観察照度が高くなるほど色差を小さく算出する色差式について説明したが、観察照度Evが変化すると、一般的に撮影画像の平均輝度Yaveも同様に変化する。したがって、明るさ情報として、第一の色及び第二の色を含む領域を撮影した撮影画像の平均輝度を用いても実施形態7と同等の結果が得られる。
S124は実施形態7と同様であるため説明を省略し、情報処理装置11の処理を終了する。実施形態8におけるハードウエア構成及び機能構成は、実施形態7と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、実施形態2の情報処理装置によれば、明るさ情報として、第一の色及び第二の色を含む領域を撮影した撮影画像の平均輝度を用いる。その結果、照度計のような計測機器が不要となり、簡易に色差の算出をすることができる。
(実施形態9)
実施形態8では、観察環境の明るさ情報として、第一の色と第二の色を含む領域を撮影した撮影画像の平均輝度を用いる場合について説明した。実施形態9では、観察環境の明るさ情報として、ユーザが明るさ情報を設定する構成について説明する。なお、実施形態1〜8と同じ構成については、詳細な説明を省略する。実施形態9の処理の流れは、図1(c)に示す実施形態7のフローチャートを用いて説明する。
S121において、第一の色、第二の色を観察する環境の明るさに関する情報を取得する。実施形態9では、観察環境の明るさ情報を取得する方法が実施形態7と異なり、ユーザの指示に基づいた値を取得する。ユーザの指示に基づいた値とは、例えば、表示装置14に表示されたUIにおいて、入力装置12を介してユーザに選択された、天気や時刻などの環境照度が変動する因子(以下、環境照度因子と呼ぶ)から設定される値である。図21はUIの一例であり、ポインタ2101、第一の色設定部2102、第二の色設定部2103、環境照度因子指定部2104及び2105、色差算出ボタン2106、色差表示部2107を備える。ポインタ2101は、マウス等の入力装置12からの入力に応じて、UI画面上を移動する。ユーザがポインタ2101を操作し、環境照度因子指定部2104をクリックすると、天候を示す環境照度因子(晴れ、曇り、雨)が記載されたリストボックスが展開される。同様の方法で、環境照度因子指定部2105をクリックすると、時刻の環境照度因子(9時、12時、17時)が記載されたリストボックスが展開される。リストボックスに表示された所望の環境照度因子上でポインタ2101をクリックすると、該当する環境照度因子が選択され、リストボックスが畳まれる。環境照度因子指定部2104及び2105において、観察照度因子がそれぞれ選択されると、観察照度因子と環境照度値Evを対応させたルックアップテーブル(LUT)を参照して観察照度値Evを設定する。図25にLUTの一例を示す。例えば、観察照度因子が「天候:曇り、時刻:12時」であるとき32,000lxが観察照度Evとして決定される。また、実施形態9では観察照度因子として天気と時刻を挙げたが、季節や緯度・経度などの因子を用いても良い。また、観察環境の照度値をユーザが直接入力できるようにしても良い。
S122において、第一の色及び第二の色の色情報を取得する。ユーザはキーボードなどの入力装置12を介して、第一の色設定部2103及び第二の色設定部2104にXYZ値などを入力することで第一の色、第二の色の色情報を取得する。また、分光放射輝度計などの測定装置15を接続し、不図示の測定ボタンをクリックすることで、測定装置15で測色した測定値が反映されても良い。さらに実施形態8で説明した、撮影画像から第一の色及び第二の色を設定し、それぞれの色情報が反映されても良い。
S123において、ユーザがポインタ2101で色差算出ボタン2106をクリックすると、S121で設定された環境照度値と、S122で設定された第一の色、第二の色の色情報に基づいて色差が算出される。色差算出の手順は実施形態7のS123と同様であるため、説明を省略する。
次に、S124において、S123で算出された色差値が色差表示部2107に表示され、情報処理装置の処理を終了する。なお、色差表示部2107への表示は、色差値に限らず、例えば、色差の大きさをバーの長さで示すような、色差の大きさを可視化して図示したものでもよい。
実施形態9におけるハードウエア構成及び機能構成は実施形態1と同じであるため、説明を省略する。
以上説明したように、実施形態9の情報処理装置によれば、天候や時間帯など、照度が変動する因子をユーザが指定することで明るさ情報を取得する。その結果、計測機器や撮影画像が不要となり、簡易に色差の算出ができる。さらに、ユーザが想定する環境における色差を算出することができる。
[その他の実施形態]
実施形態では、撮影画像がRGBカラー画像の例を説明したが、モノクロ画像や、マルチバンド画像、分光画像であってもかまわない。モノクロ画像の場合は、実施形態の説明における三刺激値は、輝度値Yに置き換えればよい。マルチバンド画像、分光画像の場合は、マルチバンド色信号や、分光信号からXYZ色信号に変換する公知の色変換方法によって、XYZ色信号を算出すればよい。
また、実施形態では、輝度特徴量に三刺激値の平均値を利用したが、平均値に限らず、他の統計量を使用してもよい。例えば、中央値や、四分位数を使用しても良い。
また、色差値と、色差画像を構成するRGB色信号との関係は、上記の式(2)および式(3)で計算される関係に限らない。例えば、色差値が0からDmaxに変化するに従って、RGB色信号が白から赤に変化するような関数を使用してもよい。
また、実施形態3の三刺激値Xw、Yw、Zwの色度は、D65光源に限らず、被写体を撮影したときの照明の色度や、CIEが定めるその他の標準光源でもよい。また、均等色空間もCIELAB色空間に限らない。例えば、CIELUV色空間を利用する構成でもかまわない。この場合、前記の式(5)乃至(7)および式(8)乃至式(10)の代わりに、CIEXYZ色空間の信号からCIELUV色空間の信号を算出するときの算出式を使用する。また、色差の算出もCIE1976色差式に限らず、CIE1994色差式や、CIE2000色差式を使用してもかまわない。この場合、前記式(4)の代わりに、各色差式を使用する。また、色差値として明度差、色度差を用いてもよい。また、実施形態3の色差値の算出方法は、他の実施形態に適用してもよい。例えば、実施形態2の処理手順S115において、色差値Dの算出に前記式(1)の代わりに前記式(4)を使用してもよい。
また、上述の実施形態では、評価領域のサイズを固定する構成について説明したが、ユーザからの指示に基づいて評価領域のサイズを設定するようにしてもよい。また、基準点に応じて評価領域が設定されるように構成してもよい。この場合、例えば、前記評価領域の中心点の位置(PS4X,PS4Y)を基準点の位置(PS0X,PS0Y)に設定するように構成する。これによって、評価領域の設定を省略できる。一方で基準点も画像に対して固定の位置としてもよい。さらに、評価領域の中心点は、基準点に対して、オフセットするように設定してもよい。例えば、評価領域の中心点の水平位置PS4XをPS0X+(ER_W)x(2/5)とする。このときの評価領域と基準点との位置関係を図22に示す。この場合、基準点2202に対して、評価領域2201の中心点がオフセットして設定されるため、基準点2202からより離れた点を評価点とすることができる。
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路によっても実現可能である。
11 情報処理装置
702 入力部
704 基準点設定部
806 輝度特徴量算出部
808 色差画像生成部

Claims (22)

  1. 第一の色及び第二の色を取得する色情報取得手段と、
    前記第一の色及び前記第二の色を観察する観察環境の明るさを示す照度に基づいて、前記第一の色と前記第二の色との色差を算出する色差算出手段と、を備え、
    前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど前記色差が小さくなるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記照度に基づいて決定することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど、前記色差に対する明度差の寄与度を減少させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど、前記寄与度の減少率を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. ΔL*を前記第一の色と前記第二の色のCIELab色空間における明度差、Δa*を前記第一の色と前記第二の色のCIELab色空間におけるa軸の色度差、Δb*を前記第一の色と前記第二の色のCIELab色空間におけるb軸の色度差とするとき、
    前記色差算出手段は、
    D=√((ΔL*)/(WL))^2+((Δa*)/(Wa))^2+((Δb*)/(Wb))^2
    で示される式において、前記観察環境が明るいほどWLを大きく算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  5. ΔL*を前記第一の色と前記第二の色のCIELCH色空間における明度差、ΔCを前記第一の色と前記第二の色のCIELCH色空間における彩度差、ΔHを前記第一の色と前記第二の色のCIELCH色空間における色相差とするとき、
    前記色差算出手段は、
    D=√((ΔL*)/(WL))^2+((ΔC*)/(WC))^2+((ΔH*)/(WH))^2
    で示される式において、前記観察環境が明るいほどWLを大きく算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記第一の色及び前記第二の色は、CIEXYZ表色系、CIELAB表色系、CIELUV表色系、CIELCH表色系、HSV表色系、のうちの何れかの表色系で示される色信号であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 第一の色及び第二の色を取得する色情報取得手段と、
    前記第一の色及び前記第二の色を観察する観察環境の明るさを示す情報に基づいて、前記第一の色と前記第二の色との色差を算出する色差算出手段と、を備え、
    前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど前記色差が小さくなるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記情報に基づいて決定し、
    前記情報は、前記第一の色及び前記第二の色を含む所定の観察範囲の平均輝度値であることを特徴とする情報処理装置。
  8. 第一の色及び第二の色を取得する色情報取得手段と、
    前記第一の色及び前記第二の色を観察する観察環境の明るさを示す情報に基づいて、前記第一の色と前記第二の色との色差を算出する色差算出手段と、を備え、
    前記色差算出手段は、前記観察環境が明るいほど前記色差が小さくなるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記情報に基づいて決定し、
    前記情報は、ユーザーインタフェースを介してユーザ操作により指定された値であることを特徴とする情報処理装置。
  9. 第一の色及び第二の色を取得する色情報取得手段と、
    前記第一の色及び第二の色を観察する観察環境の明るさを示す照度に基づいて、前記第一の色と前記第二の色との色差を算出する色差算出手段と、を備え、
    前記色差算出手段は、第一の観察環境と、前記第一の観察環境よりも明るい第二の観察環境がある場合に、前記第二の観察環境で算出する色差が前記第一の観察環境で算出する色差以下となるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記照度に基づいて決定することを特徴とする情報処理装置。
  10. 第一の色及び第二の色を取得する色情報取得工程と、
    前記第一の色及び前記第二の色を観察する観察環境の明るさを示す照度に基づいて、前記第一の色と前記第二の色との色差を算出する色差算出工程と、を有し、
    前記色差算出工程において、前記観察環境が明るいほど前記色差を小さくなるように、前記色差を算出するための明度に関する係数を前記照度に基づいて決定することを特徴とする情報処理方法。
  11. 評価対象を撮影した撮影画像を入力する入力手段と、
    前記撮影画像から輝度特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記輝度特徴量に基づいて、前記撮影画像中の基準点における前記評価対象の色と、前記撮影画像中の評価点における前記評価対象の色との色差値を算出する色差値算出手段と、を備え、
    前記色差値算出手段は、前記基準点における前記評価対象の色を示す三刺激値が第一の値であり、前記評価点における前記評価対象の色を示す三刺激値が第二の値であり、前記輝度特徴量が示す輝度値が第三の値である場合には、前記基準点における前記評価対象の色を示す三刺激値が前記第一の値であり、前記評価点における前記評価対象の色を示す三刺激値が前記第二の値であり、前記輝度特徴量が示す輝度値が前記第三の値よりも小さい第四の値である場合よりも、値が小さくなるように前記色差値を算出することを特徴とする情報処理装置。
  12. 前記評価点は、複数であることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記複数の評価点の各々の位置と該位置における前記色差値とに基づいて、色差画像を生成する生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  14. 前記撮影画像の一部を評価領域に設定する領域設定手段をさらに備え、
    前記評価点は、前記評価領域に設定されることを特徴とする請求項11乃至請求項13の何れか1項に記載の情報処理装置。
  15. 前記領域設定手段は、前記評価領域の中心点を前記基準点からオフセットした位置に設定することを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 前記色差値は、前記基準点の三刺激値と前記評価点の三刺激値との差を前記輝度特徴量の示す輝度値で除した値であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の情報処理装置。
  17. 前記色差値は、前記基準点の三刺激値と前記輝度特徴量が示す輝度値から求めた均等色空間の色信号を第一の色信号、前記評価点の三刺激値と前記輝度特徴量が示す輝度値から求めた均等色空間の色信号を第二の色信号とするとき、前記第一の色信号と前記第二の色信号との色差の値であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の情報処理装置。
  18. 前記特徴量算出手段は、前記撮影画像について輝度値の平均値を算出することを特徴とする請求項11乃請求項17の何れか1項に記載の情報処理装置。
  19. 前記特徴量算出手段は、前記基準点と前記評価点とを含む前記撮影画像の部分領域について輝度値の平均値を算出することを特徴とする請求項11乃至請求項17の何れか1項に記載の情報処理装置。
  20. 前記特徴量算出手段は、前記基準点及び前記評価点からの距離に応じて輝度値の重み付け平均値を算出することを特徴とする請求項11乃至請求項17の何れか1項に記載の情報処理装置。
  21. コンピュータを、請求項1乃至請求項のいずれか1項、又は、請求項11乃至請求項20のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  22. 評価対象を撮影した撮影画像を入力する入力工程と、
    前記撮影画像から輝度特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記輝度特徴量に基づいて、前記撮影画像中の基準点における前記評価対象の色と、前記撮影画像中の評価点における前記評価対象の色との色差値を算出する色差値算出工程と、を有し、
    前記色差値算出工程において、前記基準点における前記評価対象の色を示す三刺激値が第一の値であり、前記評価点における前記評価対象の色を示す三刺激値が第二の値であり、前記輝度特徴量が示す輝度値が第三の値である場合には、前記基準点における前記評価対象の色を示す三刺激値が前記第一の値であり、前記評価点における前記評価対象の色を示す三刺激値が前記第二の値であり、前記輝度特徴量が示す輝度値が前記第三の値よりも小さい第四の値である場合よりも、値が小さくなるように前記色差値を算出することを特徴とする情報処理方法。
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