JP6929192B2 - 止水パネル - Google Patents

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本発明は、止水パネルに係り、詳しくは、建物開口部の下方部位に取り付けて防水構造を構成する止水パネルに関するものである。
建物開口部を開閉する扉装置は、室内への雨水の浸入を防止する機能を備えているが、台風等による集中豪雨や局所的な豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)が発生した場合の増水時には、建物開口部と、閉鎖姿勢の扉体との隙間から建物内への浸水のおそれがある。
本出願人は、建物開口部の下方部位に取り付けて防水構造を構成する止水パネルを提案している(特許文献1)。この止水パネルは、パネルの幅方向両端部位に高さ方向に亘って設けた左右の側方水密部材、パネル本体下面に幅方向に亘って設けた下方水密部材、固定手段を備え、下方水密部材を前記床面に圧接し、側方水密部材を前記縦枠の室外側見付面に圧接した状態で、固定手段の掛止部を建物開口部両端の縦枠の室内側角部に掛止させ、固定手段の締め具によって建物開口部の室外側下方部位に取り付けられる。止水パネルの水密性能において、水密部材によって扉体と建物開口部の隙間を閉塞することが重要であり、水密部材の押し付け作業は重要である。水密部材の押し付け作業が不十分であると、適切な防水性能が発揮できないおそれがある。
止水パネルの下端と床面の良好な防水性能を確保するためには、押し付け具を用いて止水パネルを下方に押し込んで下方水密部材を床面に圧接することが考えられるが、この場合、以下の課題がある。
(ア)止水パネルと別体の押し付け具を採用した場合には、いざ止水パネルを設置しようとした時に、押し付け具がすぐに見つからないような事態は避けなければならない。
(イ)止水パネルの設置時に、押し付け具の位置の調整が必要な場合があり、その場合、手間をかけずに容易に押し付け具の位置調整を行うことが望ましい。
(ウ)止水パネルの雨天時にのみ使用するものであることから、保管および持ち運びが容易であり、また、なるべく省スペースで保管できることが望ましい。
特開2016−28182号
本発明は、上記課題の1つあるいは複数を解決することができる止水パネルを提供することを目的とする。
本発明が採用した技術手段は、
下面に幅方向に亘って設けた下方水密部材と、
上端の幅方向両端部に設けた下方押し込み手段と、
を備え、
前記下方押し込み手段によって前記下方水密部材が床面に圧接された状態で建物開口部に取り付けられる止水パネルであって、
前記下方押し込み手段は、
当該止水パネルの上面に幅方向に移動可能に載置されるベースと、
縦枠に係止する係止部と、前記ベースを押圧することで当該止水パネルに下向きの力を作用させる押圧部とを備えた押し付け具と、を備え、
前記押し付け具は、前記ベースに対して押圧姿勢と収納姿勢の間で姿勢変更可能であり、
押圧姿勢では、前記係止部は、前記縦枠に係止可能なように平面視において前記止水パネルの面部から突出しており、
収納姿勢では、前記係止部は、平面視において前記止水パネルの厚さ内に納まるか、あるいは、前記押圧姿勢時よりも小さい突出寸法で前記止水パネルの面部から突出しており、前記押し付け具は前記ベースに仮固定可能となっている、
止水パネル、である。
押し付け具の前記係止部は、後述する実施形態では、断面視コ字形状を備えた掴持部であるが、例えば、断面視L形状の要素でもよく、この断面視L形状の要素が縦枠に当接した状態で押圧部がベースを押圧するような係止部でもよい。
1つの態様では、前記係止部は、第1の方向に延びる少なくとも1つの短辺と、第2の方向に延びる少なくとも1つの長辺と、を備え、
収納姿勢では、前記押し付け具は、前記係止部の前記長辺が前記止水パネルの幅方向に沿って延び、前記短辺が前記止水パネルの厚さ方向に延びる第2の向きにあり、
押圧姿勢では、前記押し付け具は、前記係止部の前記長辺が前記止水パネルの厚さ方向に延び(止水パネルの面部に実質的に垂直である)、前記短辺が前記止水パネルの幅方向に延びる(止水パネルの面部に実質的に平行する)第1の向きにある。
1つの態様では、収納姿勢では、前記係止部を含む押し付け具全体が当該止水パネルの直上に位置する。
1つの態様では、前記押圧部は螺子を備えており、押圧時には、前記螺子が回転することで、当該螺子の下端が前記ベースを押圧可能であり、収納時には、前記螺子が前記ベースに形成された第1螺子孔に螺合することで前記押し付け具は前記ベースに仮固定可能である。
1つの態様では、前記ベースは被押圧部と仮固定部を備え、前記押し付け具が押圧姿勢にある時に前記螺子が前記被押圧部の上方に位置して当該被押圧部を押圧可能となっており、収納姿勢にある時に前記螺子が前記仮固定部の上方に位置して当該仮固定部に仮固定可能となっている。
1つの態様では、前記螺子の軸部は、先端が前記係止部(掴持部)に近づくような傾斜姿勢にあり、収納姿勢では、止水パネル端部に向かって斜め下向きに延びており、押圧姿勢では、止水パネルの第1面部から第2面部に向かって斜め下向きに延びている。
1つの態様では、前記押し付け具は、押圧姿勢と収納姿勢との間で変更可能なように前記ベースに対して可動に連結されている。
1つの態様では、前記押し付け具は、軸部を介して前記ベースに連結されており、前記押し付け具には、前記軸部の挿通孔が形成されており、前記押し付け具は、前記軸部を中心として、前記ベースに対して回動可能である。
1つの態様では、前記挿通孔はルーズ孔であり、後述する実施形態では長孔であるが、丸孔であってもよい。
1つの態様では、前記軸部には雄螺子が形成されており、前記軸部の雄螺子は前記ベースの第2螺子孔に螺合されており、
押圧時に、前記ベース及び前記軸部が、当該止水パネルと一体で下動する。
1つの態様では、押圧前に、前記軸部の頭部が前記挿通孔の上方に離間しており、押圧時に、前記軸部が下動して前記頭部が前記挿通孔の周縁部に当接可能となっている。
押圧前の状態において、前記軸部は前記挿通孔の上側に位置する上側部位を有し、前記上側部位の高さ寸法によって下方水密部材の適切な圧縮の程度を設定できる。
1つの態様では、当該止水パネルの上端には、前記上面を底面とする溝部が形成されており、前記ベースは前記溝部内を幅方向に移動可能となっている。
1つの態様では、当該止水パネルの幅方向両端には、当該止水パネルの側面を塞ぐ塞ぎプレートが設けてあり、前記塞ぎプレートの上端部位は、前記上面を越えて延びており、前記溝部の幅方向端部を塞いでいる。
1つの態様では、前記係止部(掴持部)は、対向する第1辺と第2辺を備え、押圧時には、前記第1辺の少なくとも部分、前記第2辺の少なくとも部分がそれぞれ前記縦枠の見付面に当接することで、前記第1辺と前記第2辺間に前記縦枠を掴持する。
1つの態様では、前記第1辺及び前記第2辺の寸法は、止水パネルの厚さ方向と略同じであり、押し付け具の収納姿勢において、前記係止部(掴持部)の前記第1辺及び前記第2辺は、止水パネルの厚さ方向(見込方向)に延びている。
1つの態様では、前記押圧部に対して、前記第1辺が遠い側、前記第2辺が近い側に位置しており、
前記第1辺及び前記第2辺は、前記押圧部による前記パネル本体の下方への押圧時の反力によって、前記第1辺の上端が対応する見付面から離れ、前記第2辺の下端が対応する見付面から離れるように傾動可能に構成されており、
下端部位が縦枠の見付面に当接した第1辺と上端部位が縦枠の見付面に当接した第2辺との間で前記縦枠を掴持する。
1つの態様では、前記第1辺と前記第2辺間の距離は、前記第1辺、前記第2辺がクリアランスを存して前記縦枠に近接対向する寸法となっている。
1つの態様では、前記係止部(掴持部)が前記縦枠を掴持した状態で、前記第1辺の前記下端部位、前記第2辺の前記上端部位の一方あるいは両方は、縦枠の見付面に面接触する。
1つの態様では、前記第1辺の前記下端部位が縦枠の見付面に面接触する場合には、当該下端部位は、前記第2辺の下端よりも下方に延びる下側延長部であり、
前記第2辺の前記上側部位が縦枠の見付面に面接触する場合には、当該上端部位は、前記第1辺の上端よりも上方に延びる上側延長部である。
1つの態様では、押し付け具の収納姿勢において、前記係止部(掴持部)の前記第2辺の下側延長部が止水パネル側面(塞ぎプレート)の上端に係止することで、前記押し付け具及び前記ベースのパネル幅方向の位置決めが行われる。
1つの態様では、前記第1辺の前記下端部位、前記第2辺の前記上端部位の接触面(縦枠の見付面に接触する内面)の一方あるいは両方は、前記第1辺及び前記第2辺の傾動前姿勢において、縦枠の見付面(典型的には垂直面)に対して傾斜状の傾斜面であり、前記第1辺及び前記第2辺の傾動姿勢において、縦枠の見付面に面接触する。
1つの態様では、前記第1辺及び第2辺の内面において、少なくとも前記縦枠の見付面に当接する部位には、当該第1辺及び第2辺を形成する材質よりも柔軟な当接シートが設けてある。当接シートは、押し付け具を用いたパネル本体の押圧時における、ズレ止め機能及び縦枠の保護機能を提供する。当接シートは、例えば、樹脂やゴムから形成される。
1つの態様では、前記止水パネルは、当該止水パネルの第2面部の幅方向両端部位に高さ方向に亘って設けた左右の側方水密部材を備えており、
前記止水パネルは、前記下方水密部材が前記床面に圧接され、前記側方水密部材が前記縦枠の室外側見付面に圧接された状態で建物開口部の室外側下方部位に取り付けられ、
前記押し付け具は、前記傾斜姿勢にある軸部によって斜め下向きの力を前記止水パネルに作用させて、前記下方水密部材及び前記側方水密部材を圧接する。
1つの態様では、前記押し付け具が、前記側方水密部材の圧接手段及び当該止水パネルの建物開口部への取付手段を兼用する。
1つの態様では、前記止水パネルは、可撓性長尺部と、可撓性長尺部の一端側の掛止部と、可撓性長尺部の他端側の締め具と、からなる固定手段によって建物開口部へ取り付けられ、より具体的には、前記止水パネルは、当該止水パネルを押し込むことで前記下方水密部材を床面に圧接し、前記掛止部を建物開口部両端の縦枠の室内側見付面と見込面とで形成される室内側角部に掛止させた状態で、前記締め具によって前記可撓性長尺部を引張することで、建物開口部の室外側下方部位に取り付けられる。
1つの態様では、固定手段によって止水パネルを取り付けた状態で、さらに、前記押し付け具によって止水パネルを下方に押し込むことで、下方水密部材をさらに床面に圧接させる。
本発明では、前記押し付け具は、前記ベースに対して押圧姿勢と収納姿勢の間で姿勢変更可能であり、押圧姿勢では、前記係止部は、前記縦枠に係止可能なように平面視において前記止水パネルの面部から突出しており、収納姿勢では、前記係止部は、平面視において前記止水パネルの厚さ内に納まるか、あるいは、前記押圧姿勢時よりも小さい突出寸法で前記止水パネルの面部から突出しており、前記押し付け具は前記ベースに仮固定可能となっているので、押し付け具を収納姿勢とすることで、収納時にパネルをより省スペースで収納することができ、止水パネルの設置時には、仮固定を解除して収納姿勢にある押し付け具を押圧姿勢として押し込み操作を行うことができる。
特に、収納姿勢において、押し付け具が止水パネルの直上に位置するものでは(特に、押し付け具が止水パネルの厚さ内に実質的に納まる場合には)、押し付け具が止水パネルの面部から出っ張ることを極力防止でき、パネルをより省スペースで収納することができ、収納時に複数枚のパネルを重ねて収納することも可能となる。
押し付け具が、押圧姿勢と収納姿勢との間で変更可能なようにパネル上面に取り付けたベースに対して可動に連結されているものでは、押し付け具を収納姿勢とすることで、止水パネルと一体で持ち運び、保管することができ、押し付け具の紛失のおそれがなく、止水パネルの設置時には、仮固定を解除して収納姿勢にある押し付け具を押圧姿勢として押し込み操作を行うことができ、簡単な操作で効率的に設置作業を行うことができる。
本発明では、押し込み具は、止水パネルの上面に幅方向に移動可能に載置されるベースに対して可動に連結されているので、現場での押し付け具の位置調整が必要な場合、例えば、止水パネルが設けられる建物開口部の実測寸法に誤差があった場合であっても、押し付け具をパネル本体の幅方向に移動調整することができる。
建物開口部の室外側の下方部位に取り付けられた止水パネルを示す正面図である。 本実施形態に係る止水パネルの正面図(室内側面部)である。本図において、押し付け具は収納姿勢にあり、また、固定手段の掛止部は省略されている。 図2の縦断面図である。 (A)は、建物開口部(全閉状態)の室外側の下方部位に取り付けられた止水パネルを示す平面図である。(B)は、建物開口部(全開状態)の室外側の下方部位に止水パネルを取り付ける前段階(固定手段によりパネル本体を固定する前)を示す平面図である。 本実施形態のパネル本体を構成するパネルを示し、(A)はガイドプレート及び取付プレートが設けられた部位における縦断面図、(B)は側面図である。 図5(B)において、固定手段のベルトが引き出された状態を示す図である。 止水パネルの固定手段を示す図である。 (A)はガイドプレートを示す図であり、(B)は取付プレートを示す図である。 建物開口部左右端部の縦枠に取り付けられた止水パネルを示す部分平面図であり、側方水密部材は圧縮状態にある。 建物開口部左右端部の縦枠に取り付けられた止水パネルを示す部分平面図であり、側方水密部材は圧縮状態にある。ベルトの第2部分の基端部位(ガイド部)が、掛止部よりも内側に位置している。 図4(B)の部分拡大図である。 図4(A)の部分拡大図である。 押し付け具(押し付け金具)を示す図である。 ベース(台座金具)を示す図である。 (A)は止水パネルの一部切り欠き部分平面図であって、押し付け具を取り外した状態(ベースのみが装着された状態)を示している。(B)は図15(A)を第2面部側から見た正面図であり、一部切り欠いて内部を示している。 図15の縦断面図である。 (A)は止水パネルの部分平面図であって、押し付け具は収納姿勢にある。(B)は止水パネルの部分正面図であって、押し付け具は収納姿勢にある(図2の部分拡大図である)。 (A)は図17(A)の部分拡大図である。(B)は図17(B)の部分拡大図である。 (A)は止水パネルの部分平面図であって、押し付け具は押圧姿勢にある。(B)は止水パネルの部分正面図であって、押し付け具は押圧姿勢にある。 (A)は図19(A)の部分拡大図である。(B)は図19(B)の部分拡大図である。 図1の部分拡大図であり、押し付け具は押圧姿勢にある。 図21の部分拡大図であり、溝内に位置するベースの部分を点線で示している。 押圧姿勢(押圧前)にある止水パネルの側面図である。 (A)は、パネル本体が下方に押圧された状態(下方水密部材の圧縮)を示す縦断面図である。(B)は、パネル本体が下方に押圧される前の状態を示す縦断面図である。 図24(A)、(B)と類似の図であり、パネルの下方押し込み手段の作用を説明する図である。
[A]止水パネルの全体構成
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る止水パネルが設置された建物開口部の正面図である。図示の態様では、止水パネルは、2枚のスライド扉体1からなる自動ドアによって開閉される建物開口部の下方部位の室外側に設置される。建物開口部は、左右の壁ないし固定パネル2の端部に設けた左右の縦枠(方立て)3間に形成されている(図4(B)参照)。縦枠3は、断面視方形状を有しており、室外側の第1見付面30、室内側の第2見付面31、建物開口部に面する第1見込面32、第1見込面32と反対側の第2見込面33を備えている(図9、図10、図20(A)参照)。
図1、図2、図4に示すように、止水パネルは、開口幅方向に横長の長方形のパネル本体4を備えている。パネル本体4は、建物開口部に設置した時に室外側に面する第1面部40と、第1面部40の反対側の(室内側に面する)第2面部41と、上面42と、下面43と、左右の側面を密閉する塞ぎプレート44と、を備えており、第2面部41を室内側に向けて、建物開口部の下方部位の室外側に取り付けられる。パネル本体4の第2面部41の上方部位には取手45が設けてある。本明細書において、パネル本体4の幅方向とは、左右方向、すなわち横幅方向を意味する。幅方向外側は、パネル本体4の左右の端部に近い側を意味し、幅方向内側は、パネル本体4の幅方向中央に近い側を意味する。
止水パネルは、さらに、パネル本体4の第2面部41の幅方向両端部位に高さ方向に亘って設けた左右の側方水密部材5と、パネル本体4の下面43に幅方向に亘って設けた下方水密部材6と、左右の側方水密部材5にそれぞれ隣接してパネル本体4の第2面部41に設けた左右の当接部材7と、パネル本体4の第2面部41の幅方向両端にそれぞれ設けた固定手段8と、パネル本体4の幅方向両端の上端部位にそれぞれ設けた押し込み手段(押し付け具9、ベース13)と、を備えている。
図7に示すように、固定手段8は、帯状のベルト80と、ベルト80の第1端部800に設けた掛止部81と、ベルト80の第2端部801に設けた締め具82と、からなる。止水パネルは、下方水密部材6を床面FLに圧接し、固定手段8の掛止部81を建物開口部両端の縦枠3の室内側角部に掛止させた状態で、固定手段8の締め具82によってベルト80を引張することで、下方水密部材6を床面FLに圧接させ、かつ、側方水密部材5を縦枠3の第1見付面30に圧接した状態で、建物開口部の室外側下方部位に取り付けられる。固定手段8の締め具82を締めた後で、さらに、押し込み手段によってパネル本体4の上面42を上から下方向に押し込んで下方水密部材6を床面FLに押し付けて圧接させることで、止水パネル下端の水密性能を確保する。なお、本明細書において、床面は、建物開口部の下面を広く含み、床面には沓摺や下枠を含む。
開口部全閉時(図4(A)、図12参照)において、扉体1の戸尻側縦框1aと縦枠3(第2見付面31)との間には隙間が存在しており、また、開口部全開時(図4(B)、図11参照)において、扉体1の戸先側縦枠1bと縦枠3(第2見付面31)との間には隙間が存在しており、この隙間を利用して固定手段8の掛止部81を縦枠3の室内側角部に掛止させることができ、また、止水パネルを取り付けた状態において、掛止状態にある掛止部81が妨げとなることなく、扉体1の開閉が可能であり、建物開口部を開放して止水パネルを跨いで出入りすることができる。なお、止水パネルの設置対象は、スライド式のドアに限定されるものではなく、2枚の扉体からなる両開きドアによって開閉される建物開口部の下方部位の室外側に設置されてもよい。この場合、側方水密部材5、当接部材7を、パネル本体4の第2面部41に固定したスペーサ(特許文献1参照)に設けてもよい。
パネル本体4の幅寸法は、止水パネルが設置される開口幅寸法(左右の縦枠3の第1見込面32間の距離)よりも幾分(例えば+100mm)大きい寸法を備えており、パネル本体4の第2面部41の幅方向両端部位が左右の縦枠3の第1見付面30に対向するようになっている。パネル本体4は、想定水位(例えば、床面から400mm)よりも大きい高さ寸法(例えば、500mm)を備えている。図示の態様では、パネル本体4は、低背の2枚のパネル4A、4Bを高さ方向に重ねて連結することで構成されている(図1、図3参照)。パネル4Aの下端とパネル4Bの上端との間には全幅に亘って防水テープ(図示せず)が設けてあり、パネル本体4の正面(高さ方向中央部位)からの水の浸入を防止している。図示の態様では、パネル4A、4Bの2部材を高さ方向に連結してパネル本体4を形成しているが、パネル本体4を一部材から一体的に形成してもよい。
図2、図17(B)、図19(B)に示すように、パネル本体4の第2面部41は、高さ方向の2箇所(各パネル4A、4Bの高さ方向中間部位)において幅方向に亘って切り欠かれており横長の開口410が形成されている。開口410は上側垂直片411と下側垂直片412との間に形成されている。図5、図6に示すように、パネル4A、4Bの内部には、2つの水平状の中間壁46、47が高さ方向に間隔を存して形成されており、上下の中間壁46、47間に開口410が形成されている。図5に示すように、上側垂直片411は上側の中間壁46の第2面部41寄りの部位から垂下しており、下側垂直片412は下側の中間壁47の第2面部41寄りの部位から立ち上がり形成されている。上側垂直片411及び下側垂直片412は、第2面部41に対してパネル4A、4Bの内方に位置している。なお、図示の態様では、パネル本体4の第2面部41に開口410を形成しているが、第2面部41は必ずしも開口を備えていなくてもよい。
パネル本体4の第2面部41の幅方向両端部には、全高に亘って側方水密部材5が突設されており、側方水密部材5の下端面は、パネル本体4の下面43を超えて下方に突出している。パネル本体4の下面43には、全幅に亘って下方水密部材6が設けてある。側方水密部材5の下端面と下方水密部材6の下端部は略同一水平面上にある。パネル本体4には、幅方向両端の側方水密部材5及び下端の下方水密部材6の三方において水密部材が連続状に設けられている。側方水密部材5及び下方水密部材6は、弾性部材であり、止水パネルの取付時の押圧力である程度圧縮され、圧縮状態で縦枠3の第1見付面30、床面FLに密着して三方連続状の水密構造を提供する。本実施形態では、側方水密部材5、下方水密部材6は、シリコーンスポンジから形成されているが、その他、クロロプレンゴム、EPDM等から形成してもよい。
図3、図24に示すように、パネル本体4の下面43の室内側端部(第2面部41側)には、下面43よりも下方に垂直に延びる垂直片430が形成されている。下方水密部材6は水平面と垂直面と傾斜面とから断面視直角三角形の形状を有し、水平面を下面43に当接させ、垂直面の上半部を垂直片430に当接させてパネル本体4の下面43に取り付けられている。垂直片430は、下方水密部材6の垂直面の上半部に当接支持することで、下方水密部材6が倒れることを防止している。下方水密部材6の下端は、垂直面と傾斜面から形成されており、下方水密部材6が床面FLに圧接された状態において垂直片430の下端は床面FLから上方に離間している。
第2面部41の幅方向両端部には、側方水密部材5の内側(開口幅方向端部から離間する側)に隣接して、側方水密部材5よりも低い突出寸法の当接部材7が突設されている。当接部材7は、前面、後面、左右の側面を備え、後面が第2面部41に固定されたベース70と、ベース70の前面に設けたズレ止め部材(本実施形態では、ズレ止め緩衝ゴム)71からなる。ズレ止め部材71は、縦枠3の第1見付面30に圧接ないし密着した時に、密着力ないし摩擦力によって、縦枠3の第1見付面30に対する止水パネルの持ち上がりを防止する。ズレ止め部材71は典型的には弾性を備えているが、当接部材7のベース70は非弾性部材であり、止水パネルの取り付け時の押圧力によって圧縮されない。なお、当接部材7は、ベース70の側面が側方水密部材5の隣接する立ち上がり面に接触することで、側方水密部材5の倒れ防止の役割も有する。当接部材7のベース70は、例えば、螺子によってパネル本体4の第2面部41に固定される。
[B]固定手段を用いた止水パネルの取り付け
止水パネルは、パネル本体4に設けた固定手段8によって、建物開口部の下方部位に室外側から取り付けられる。図7に示すように、固定手段8は、帯状のベルト80と、ベルト80の第1端部800に設けた掛止部81と、ベルト80の第2端部801に設けた締め具82と、からなる。本実施形態では、図2に示すように、止水パネルは、各左右端部に上下に離間して合計4つの固定手段8を備えている。なお、固定手段8は、少なくとも左右に1つずつあればよく、その数は4つに限定されない。また、図示の固定手段8は、パネル本体4を建物開口部に取り付ける取付手段の1つの実施例であって、本発明において、前記取付手段は固定手段8に限定されるものではなく、例えば、押し付け具9の押圧力を用いてパネル本体4を建物開口部の縦枠3に圧接させて取り付けるものでもよい。
本実施形態では、固定手段8は、第2面部41の横長の開口410に位置して設けてある。より具体的には、締め具82の取付ベース820は、パネル本体4の幅方向端部から内側に離間した位置で開口410を跨ぐように第2面部41に取り付けられており、第2端部が締め具82に連結されたベルト80は、締め具82から開口410に沿ってパネル本体4の幅方向端部に向かって延びている。第2面部41の幅方向端部に近い部位には、ベルト80のガイド部(後述するガイドプレート10のガイド片100)が設けてある。締め具82から開口410に沿って水平方向にパネル本体4の幅方向端部に向かって延びるベルト80は、ベルトのガイド部によって折り曲げられて変向して第2面部41から離間するように室内側に延びるようになっている。
本実施形態では、締め具82は、いわゆるキャッチクリップであり、第2面部41に固定された取付ベース820と、支軸を介して取付ベース820に回動可能に連結された回動操作レバー821と、一端が回動操作レバー821に連結され、他端がベルト80の第2端部801に連結されたアーム822と、アーム822に外装したコイルスプリング823と、を備えており、回動操作レバー821は、第2面部41に近接対向した第1姿勢と、第2面部41に対して垂直状の第2姿勢との間で回動可能である。このようなキャッチクリップ自体は公知であるので、さらなる詳細な説明は省略する。回動操作レバー821を第2姿勢から第1姿勢とすることで、ベルト80を引っ張って緊張状態で締め付けるようになっている。
本実施形態では、ガイド部は、当接部材7に隣接して、開口410を跨ぐように固定されたガイドプレート10からなる。図8(A)に示すように、ガイドプレート10は、第1面と第2面を有する方形状のプレートであり、第1面を室内側に向けて開口410を跨ぐように設けられ、締め具82から離間する側(幅方向外側)の縁部には第2面部41から離間するようにプレートから湾曲状に立ち上がるガイド片100が形成されている。プレートには4つの螺子12の螺子孔(雌螺子)101が形成されている。
ガイドプレート10は取付プレート11、取付用の螺子12を用いて、パネル本体4の第2面部41の幅方向の所定位置に固定される。図8(B)に示すように、取付プレート11は、第1面と第2面を有する方形状のプレートである。プレートには4つの螺子12の挿通孔110が形成されている。ガイドプレート10と取付プレート11を対向させた時には、取付プレート11の螺子孔101と取付プレート11の挿通孔110が一致するようになっている。
ガイドプレート10の高さ寸法は、開口410の縦幅寸法よりも大きく、上側の中間壁46の下面と下側の中間壁47の上面間の高さ寸法と略同じである。ガイドプレート10は、開口410を跨ぐようにして、ガイドプレート10の第1面の上側部位(上側の螺子孔101より上側の部位)、下側部位(下側の螺子孔101より下側の部位)を、上側垂直片411、下側垂直片412の後面(パネル本体4の第2面部41から遠い側の面)4111、4121に当接させて仮配置される。この時、ガイドプレート10は下側の中間壁47に載置した状態で仮配置されている。
取付プレート11の高さ寸法は、開口410の縦幅寸法よりも大きく、上側の中間壁46の下面と下側の中間壁47の上面間の高さ寸法と略同じである。また、取付プレート11の厚さは、第2面部41と上側垂直片411、下側垂直片412との段差に対応している。取付プレート11は、第1面を室内側に向けて開口410を跨ぐようにして、取付プレート11の第2面の上側部位(上側の挿通孔110よりも上側の部位)、下側部位(下側の挿通孔110よりも下側の部位)を、上側垂直片411、下側垂直片412の前面(パネル本体4の第2面部41に近い側の面)前面4110、4120に当接させて仮配置される。この時、ガイドプレート10は下側の中間壁47に載置した状態で仮配置されている。取付プレート11の第1面とパネル本体4の第2面部41とは面一となっている。
ガイドプレート10及び取付プレート11の仮配置状態において、ガイドプレート10の上側の2つの螺子孔101と取付プレート11の上側の2つの挿通孔110は、上側垂直片411の下方、すなわち、開口410に位置して対向一致しており、ガイドプレート10の下側の2つの螺子孔101と取付プレート11の下側の2つの挿通孔110は、下側垂直片412の上方、すなわち、開口410に位置して対向一致している。
4本の螺子12を取付プレート11の挿通孔110からガイドプレート10の螺子孔101に締め込むことで、ガイドプレート10の上側部位と取付プレート11の上側部位で上側垂直片411を前後から挟持し、ガイドプレート10の下側部位と取付プレート11の下側部位で下側垂直片412を前後から挟持し、螺子12を締めることで、ガイドプレート10がパネル本体4の第2面部41の幅方向の所定位置に固定される。
第2面部41の幅方向の所定位置にガイドプレート10が固定された状態において、第2面部41の幅方向において、ガイド部(ガイドプレート10のガイド片100)の位置を変更したい場合には、螺子12を緩めることで、ガイドプレート10、取付プレート11を上側垂直片411、下側垂直片412に沿って第2面部41の幅方向に移動させることができ、所望の位置にガイドプレート10、取付プレート11を移動させた状態で螺子12を締めることで、ガイドプレート10を固定することができる。
ベルト80は、締め具82からパネル本体4の幅方向端部に向かって、横長の開口410に沿ってパネル本体4の幅方向に延び(第1部分80A)、ガイドプレート10の裏側を通って、ガイド片100に掛け回され、ガイド片100によって、パネル本体4の第2面部41から離れる方向に引き出されて延びる(第2部分80B)。なお、ベルト80の長さは現場において調整可能となっている。
ベルト80の第1端部800に連結された掛止部81は、基端がベルト80の第1端部800に連結された第1片810と、第1片810の延びる方向に対して垂直状に延びる第2片811と、を備え、略L形状に形成されており、いわば引掛金具を構成している。第1片810、第2片811は共に所定幅を備えた板状体であり、第2片811の内面には、滑り止め要素(本実施形態では、滑り止めゴム)812が設けてある。図示の態様では、第1片810の傾斜状の先端部と第2片811の基端部からV形状の突出部Vが突成されており、掛止部81の角部の内側には空間Sが形成されている。より具体的には、第2片811は、第1片810を通る面に対して第1側(掛止部81が縦枠3に掛止した時に、縦枠3の第2見込面33側)に延びており、第1片810の先端部は、前記面に対して第2側(掛止部81が縦枠3に掛止した時に、縦枠3の第1見込面32から離間する開口部側)に傾斜しており、第2片811の基端部は、前記面を越えて第2側に延びており、第1片810の先端部と第2片811の基端部が接続されている。
図9に示すように、止水パネルが取り付けられた状態において、掛止部81の第2片811が滑り止め要素812を介して縦枠3の第2見付面31に当接しており、縦枠3の第2見付面31と第1見込面32で形成される角部は空間Sに対向している。出願人が鋭意研究したところ、掛止部81の角部の内側には空間Sを形成する形状の掛止部81を採用することで、掛止部81が縦枠3からより外れ難いことがわかった。また、角が出ているような縦枠(方立て)に対しても、空間Sによって掛止部81と角との干渉を防止して良好に掛止することができる。なお、空間Sを備えた図示の掛止部81は掛止部の例示態様であって、空間Sを備えないL形状の掛止部であってもよく、あるいは、第1片810と第2片811の角度を90度よりも僅かに鋭角にして、第1片810が第1見込面32に対してより密着するようにしてもよい。
本実施形態に係る止水パネルの取付について説明する。止水パネルのパネル本体4は、建物開口部の開口幅寸法よりもやや大きい幅寸法を備えており、建物開口部の室外側に位置して、左右の縦枠3間に当該縦枠3を跨ぐように左右の縦枠3間に取り付けられる。止水パネルは、下面43の下方水密部材6を床面FLに圧接した状態で、第2面部41の幅方向両端部に設けた側方水密部材5を、建物開口部左右の縦枠3の第1見付面30に当接させ(この状態では、当接部材7と第1見付面30は離間している)、固定手段8の掛止部81の第1片810を縦枠3の第1見込面32に当接ないし近接させると共に、第2片811を縦枠3の第2見付面31に当接させることで、当該掛止部81を縦枠3の室内側の角部に掛止させた状態とし(締め具82による固定を確実に行うために、必要に応じてベルト80の長さを調整する)、その状態から、締め具82の回動操作レバー821を回動して、ベルト80を引っ張って緊張状態に締め付けて固定する。
掛止部81が縦枠3の室内側の角部(第2見付面31と第1見込面32)に掛止した状態で、ベルト80を引っ張ることで、縦枠3に対してパネル本体4が押圧され、側方水密部材5は縦枠3の第1見付面30に圧接され、側方水密部材5が圧縮されることで、第2面部41に側方水密部材5に隣接して設けた当接部材7のズレ止め部材71が縦枠3の第1見付面30に圧接される(図9参照)。
止水パネルを取り付けた状態において、ベルト80は、ガイド部(ガイドプレート10のガイド片100)によって折り曲げられた状態(第2面部41に沿って幅方向に延びる第1部分80Aと第2面部41から離間するように室内側へ向かって延びる第2部分80B)で緊張状態にあり、掛止部81の第1片810は、第2部分80Bと略直線状にある。
図9に示すように、止水パネルが取り付けられた状態において、ベルト80の第2部分80B(第2面部41から離間するように室内側へ向かって延びる)と掛止部81の第1片810は直線状にあり、かつ、縦枠3の第1見込面32に沿って延びている。より安定した掛止状態を得るためには、このように、第2部分80Bと第1片810が縦枠3の第1見込面32に沿って延びることが望ましいが、そのためには、ガイドプレート10のガイド片100と縦枠3の第1見込面32との位置関係が重要である。
実際の現場では寸法誤差もあり、掛止部81は左右両側に存在することから、そのためには、ガイドプレート10のガイド片100と縦枠3の第1見込面32との位置関係が設計通りではない場合もある。例えば、図10に示す態様では、ガイドプレート10のガイド片100の位置が、掛止部81が掛止する縦枠3の室内側角部よりも所定量内側に位置しており、ベルト80の第2部分80Bは平面視において傾斜状に延びている。掛止部81の第2片811と縦枠3の第2見付面31が十分に密着していないことから、この掛止状態は不安定であり、場合によっては、掛止部81と縦枠3との掛止状態が外れてしまうおそれがある。
この場合、ベルト80の第2部分80B及び掛止部81の第1片810を、縦枠3の第1見込面32に沿って延びるように配置するためには、縦枠3の第1見込面32を延長した仮想面とパネル本体4の第2面部41が交わる位置にベルト80の第2部分80Bの基端800Bを位置させる必要がある。また、図示の例では、止水パネルの取付状態において、パネル本体4の第2面部41と縦枠3の第1見込面32は垂直状に延びているが、実際の現場では、図10のように、縦枠3の第1見込面32が第2面部41に対して僅かに斜めに延びることも起こり得る。この場合も、ベルト80の第2部分80B及び掛止部81の第1片810を、縦枠3の第1見込面32に沿って延びるように配置するためには、縦枠3の第1見込面32を延長した仮想面とパネル本体4の第2面部41が交わる位置にベルト80の第2部分80Bの基端800Bを位置させる必要がある。なお、ベルト80の第2部分80Bの基端800Bが縦枠3の第1見込面32よりも幅方向外側(当接部材7側)に寄っていてもよい(この場合は、掛止部81と縦枠3との掛止状態が維持される)。
本実施形態では、ガイドプレート10のガイド片100の位置を、パネル本体4の幅方向において調節可能とすることで、固定手段8のベルト80の第2部分80Bの基端800Bの位置を、パネル本体4の幅方向に調整可能となっており、現場における位置調整を可能としている。図10に示す態様において、現場において、螺子12を緩めて、ガイドプレート10と取付プレート11による上側垂直片411、下側垂直片412の挟持状態を解除し、ガイドプレート10、取付プレート11、螺子12をセットで矢印方向に所定位置まで移動させ、螺子12を締めることによって、ガイドプレート10のガイド片100の位置をパネル本体4の幅方向の端部側に位置調整し、図9に示す態様を得ることができる。このように、固定手段8のベルト80の第2部分80Bの基端800Bの位置を、パネル本体4の幅方向に調整可能とすることで、ベルト80の第2部分80Bの第1部分80Aに対する引き出し方向(第1部分80Aないし第2面部41に対する第2部分80Bの角度)が調整可能となっている。
[C]パネルの下方押し込み手段
下方水密部材6を床面FLに押し付けるためのパネルの下方押し込み手段について説明する。下方押し込み手段は、押し付け具(押し付け金具)9と、ベース(台座金具)13とを備え、押し付け具9は、ベース13を介してパネル本体4の上面42を下方に押し込むようになっている。ベース13はパネル本体4の上面42上に幅方向に移動可能に載置されており、押し付け具9は、収納姿勢と押圧姿勢との間で姿勢(向き)が変更可能なように、ベース13に対して可動連結されている。
[C−1]押し付け具(押し付け金具)
図13を参照しつつ、押し付け具9の構成について説明する。押し付け具9は、止水パネルの下方押し込み時に縦枠3を掴むように当該縦枠3に装着される掴持部90と、掴持部90を支持する支持部91と、支持部91に設けられ、パネルの下方押し込み時にパネル本体4に下向きの力を作用させる押圧部92と、を備えている。
掴持部90は、対向状の第1辺900、第2辺901と、第1辺900と第2辺901を連結する第3辺902とから断面視コ字形状に形成され、所定高さを備えている。図示の態様では、第1辺900と第2辺901の幅寸法(第3辺902からの突出寸法)は同じであるが、第1辺900と第2辺901は、異なる幅寸法を備えていてもよい。本実施形態では、第1辺900と第2辺901の幅寸法はパネル本体4の厚さ寸法と略同じである。図18(A)に示すように、収納姿勢(第1辺900、第2辺901がパネル本体4の厚さ方向に延びる)において、パネル本体4の直上に位置して、掴持部90の第1辺900と第2辺901がパネル本体4の厚さ方向(見込方向)に延び、第3辺902がパネル本体4の幅方向(見付方向)に延びており、掴持部90がパネル本体4の第1面部40、第2面部41から実質的に突出することがないようにしている。本明細書において、「実質的に突出することがない」とは、止水パネルの保管時に複数枚のパネルを重ねて収納することに支障が無い程度の突出は含む趣旨であり、図18(A)の態様を含む。押圧姿勢では、図20(A)に示すように、掴持部90の第1辺900と第2辺901がパネル本体4の第2面部41に平行状に延び、第3辺902がパネル本体4の第2面部41に対して垂直状に延びており、掴持部90がパネル本体4の第2面部41から突出して、縦枠3を掴持可能となっている。
掴持部90の第1辺900の下端部位には、第2辺901の下端9011、第3辺902の下端9021を越えて下方に延びる下側延長部9001が形成されており、第2要素901の上端部位には、第1辺900の上端9000、第3辺902の上端9020を越えて上方に延びる上側延長部9010が形成されている。なお、本実施形態では、第1辺900に下側延長部9001、第2辺901に上側延長部9010をそれぞれ形成したが、これには限定されず、例えば、第1辺900、第2辺901、第3辺902を同一高さ寸法とし、第1辺900、第2辺901、第3辺902の上端、下端がそれぞれ同一高さにあって一致するようにしてもよい。
図20(A)に示すように、掴持部90が縦枠3を掴持した時には、第1辺900が縦枠3の第2見付面31に当接し、第2辺901が縦枠3の第1見付面30に当接し、第3辺902が縦枠3の第1見込面32に近接ないし当接する。第1辺900の内面、第2辺901の内面には、第1辺900及び第2辺901を形成する部材(スチール等の金属)よりも柔軟な材質からなり、ズレ止め機能及び縦枠3の保護機能を備えた当接シート903、904がそれぞれ設けてある。当接シート903は第1辺900の下側延長部9001の内面にも設けてあり、当接シート904は第2辺901の上側延長部9010の内面にも設けてある。1つの態様では、当接シートはウレタンシート等のゴムである。
第1辺900の下側延長部9001は、第2辺901から離間するように下側に向かって外側に緩やかに傾斜しており、下側延長部9001の内面(当接シート903)は傾斜面となっている。第2辺901の上側延長部9010は、第1辺900から離間するように上側に向かって外側に緩やかに傾斜しており、上側延長部9010の内面(当接シート904)は傾斜面となっている。なお、図示の態様では、当接シート903、904は、第1辺900、第2辺901の全面に亘って設けてあるが、縦枠3と当接する部分(第1辺900の下側延長部9001、第2辺901の上側延長部9010)を含む部分面にのみ当接シート903、904を設けてもよい。なお、第3辺902の内面に当接シートを設けてもよい。
支持部91は、側面視三角形ないし台形状で断面視略コ字状の形状を有している。支持部91は、基端が掴持部90の第2辺901に固定(例えば、溶接)ないし一体形成されており、先端に向かって下向き傾斜状の上壁910と対向状の第1側壁911、第2側壁912とからなる。図示の態様では、第1側壁911、第2側壁912は垂直壁である。第1側壁911の下端の一部は、第2側壁912の水平状の下端よりも下方に突出する突縁9111となっている。図示の態様では、第1側壁911の下端(突縁9111を除く)、第2側壁912の下端は、第2辺901、第3辺902の下端と一致しており(この態様に限定されるものではなく、一致していなくてもよい)、突縁9111の水平状の下端は、第2側壁912の下端よりも下方に位置している。
支持部91の上壁910の幅寸法(第1側壁911と第2側壁912間の寸法)は、掴持部90の第1辺900、第2辺901の幅寸法(パネル本体4の厚さ寸法)と略一致している。第2側壁912の下端には、掴持部90に隣接して舌状の連結片913が第1側壁911から離間する方向に水平に突成されている。連結片913は、掴持部90の外側(第3辺902に対して第2辺901とは反対側)に延出している。連結片913にはルーズ孔として例示する長孔914が形成されている。長孔914は、平面視において、掴持部90から遠い側の第1端部9140が第2側壁912に近く、掴持部90に近い側の第2端部9141が第2側壁912から遠くなるように傾斜状に形成されている。
押圧部92は、円板状のハンドル920と、少なくとも下方の先端側に雄螺子が形成された軸部921と、支持部91の傾斜状の上壁910の下面に固定されたナット922と、からなり、軸部921の雄螺子をナット922の雌螺子に螺合させることで、傾斜姿勢で支持部91に取り付けられている。押圧部92のハンドル920を第1の方向に回転させると、支持部91に対して、軸部921は傾斜姿勢(軸部921の下端が掴持部90に近づく方向に傾斜)で斜め下方に移動し、ハンドル920を第2の方向に回転させると、支持部91に対して斜め上方に移動する。押圧部92の軸部921は、先端(ハンドル920から遠い側)が掴持部90に近づくような傾斜姿勢となっている。押し付け具9は、パネル本体4の上面42に斜め(第1面部40から第2面部41に向かう)下方の力を作用させるため、下方水密部材6の床面FLへの押し付けに加えて、側方水密部材5の縦枠3の第1見付面30への押し付けの効果もある。なお、押し付け具によって下向きのみを力をパネル本体4に作用させる場合には、押圧部92の軸部は垂直姿勢であってもよい。
[C−2]ベース(台座金具)
本実施形態では、押し付け具9は、ベース13を介してパネル本体4の上面42を押し込むようになっている。ベース13は、パネル本体4の上面42に幅方向に移動可能に載置される。押し付け具9は、ベース13に対して可動に連結されており、収納姿勢と押圧姿勢をとることができる。
先ず、ベース13が幅方向に移動可能に設けられるパネル本体4の上端の構成について説明する。パネル本体4の上面42には、第1面部40側の第1立ち上がり辺420と、第2面部41側の第2立ち上がり辺421が対向状に形成されている(図16参照)。パネル本体4の上端には、水平状の上面42と、第1立ち上がり辺420と、第2立ち上がり辺421とから溝部が形成されており、押し付け具9は、当該溝部をガイド溝としてパネル本体4の幅方向にスライド可能となっている。より具体的には、第1立ち上がり辺420は、上面42の第1面部40側の端部から立ち上がる下側垂直部4200と、第2立ち上がり辺421側に上向き傾斜する傾斜部4201と、上側垂直部4202と、上側水平部4203と、から形成されており、第2立ち上がり辺421は、上面42の第2面部41側の端部から立ち上がる垂直部4210と、垂直部4210の上端から第1立ち上がり辺420に向かって水平に延びる上側水平部4211と、から形成されている。図示の態様では、上側水平部4203の高さは、上側水平部4211の高さよりも少し高いが、これには限定されない。
図14を参照しつつ、ベース13の構成について説明する。ベース13は、パネル押し込み時に押し付け具9の押圧部92の軸部921の下端が当接し、ハンドル920の回転操作に伴い斜め下方に移動する軸部921によって押圧される被押圧部130と、押し付け具9が移動可能に連結される連結部131と、収納姿勢にある押し付け具9が仮固定される仮固定部132と、パネル本体4の上端の溝部内を摺動するスライド部133(本実施形態では2つのスライド部133を備えているが、これには限定されない)と、ベース13を溝内でスライドさせて位置調整するための操作部134と、を備えている。
ベース13は全体として長尺部材であり、一端側に被押圧部130が形成され、第1のスライド部133を挟んで被押圧部130に連結部131が隣接しており、連結部131に隣接して仮固定部132が設けてあり、仮固定部132に隣接して操作部134が設けてあり、他端側に第2のスライド部133が位置している。ベース13は、一端側をパネル本体4の端部に近い側、他端側をパネル本体4の端部から遠い側に位置させて、パネル本体4の上端の溝部内に設けられる。
被押圧部130は、側面視直角三角形状の長辺の第1傾斜片1300、短辺の第2傾斜片1301と、からなり、第1傾斜片1300の先端、第2傾斜片1301の先端がパネル本体4の上面42に当接している。図16に示すように、ベース13がパネル本体4の上端の溝部に設けられた状態において、第1傾斜片1300は、先端側が第1立ち上がり辺420の下端(下側垂直部4200)に位置し、基端側が第2立ち上がり辺421の上端(上側水平部4211)に位置しており、パネル本体4の第1面部40から第2面部41へ向かって(パネル本体4の見込方向に)上向き傾斜状に延びており、この傾斜面が被押圧面となっている。
図14に示すように、連結部131は、水平状の面部1310と、面部1310に形成された螺子孔1311と、を備えている。面部1310は、パネル本体4の第2面部41側に向かって(ベース13の長さ方向に直交する方向に)延出しており、パネル本体4の第2面部41を越えて延びる延出部位1310´を備えている。延出部位1310´に螺子孔1311が形成されている。図15に示すように、ベース13がパネル本体の上端の溝部に設けられた状態において、連結部131の面部1310は、パネル本体4の第1立ち上がり辺420(上側水平部4203)及び第2立ち上がり辺421(上側水平部4211)の上方に位置して水平状に延びている。
仮固定部132は、連結部131から下向きに傾斜する傾斜面部1320を備えており、傾斜面部1320には螺子孔1321が形成されている。押し付け具9が収納姿勢にある時には、軸部921の延長線上に螺子孔1321が位置するようになっている。本実施形態では、仮固定部132の傾斜面部1320と被押圧部130の第1傾斜片1300の傾斜角度は同じであり、押し付け具9の押圧部92の傾斜状の軸部921に対して直角方向となっている。
図14に示すように、本実施形態では、ベース13は、離間対向する垂直壁状の2つのスライド部133を備えている。図15(B)に示すように、ベース13がパネル本体の上端の溝部に設けられた状態において、スライド部133の下端がパネル本体4の上面42に載置するようになっている。図16に示すように、スライド部133は、パネル本体4の上端の溝部の断面形状に沿った形状を有しており、スライド部133の上端側は、上側水平部4203と上側水平部4211の間の開口を通って上方に延びており、連結部131及び操作部134は、上側水平部4203及び水平部4211の上方に位置している。
操作部134は、ベース13の長さ方向に直交する方向に水平状に延びており、連結部131の延出部位1310´と同じ側に延びる第1部分1340と、反対側に延びる第2部分1341を備えており、図示の態様では、第1部分1340が長片、第2部分1341が短片となっている。操作部134は、連結部131と同じ高さで水平状に延びており、ベース13がパネル本体の上端の溝部に設けられた状態において、第1部分1340、第2部分1341は、パネル本体4の上側水平部4203及び水平部4211の上方に位置している。第1部分1340ないし第2部分1341に指を掛けることでベース13を適切な位置にスライド移動させることができ、ベース13の位置調整の際の操作性が良い。
図15、図16に示すように、ベース13は、パネル本体4の上端に形成した溝部内にパネル本体4の幅方向にスライド可能に嵌め込まれる。ベース13をパネル本体4の幅方向に移動可能とすることによって、止水パネルの設置時において、ベース13に連結された押し付け具9の位置調整を容易に行うことができ、また、押し付け具9を収納姿勢と押圧姿勢の間で向きを変える時に、必要に応じてベース13をスライド移動させることもできる。ベース13が溝部内に設けられた状態において、スライド部133の上方への移動が、第1立ち上がり辺420(傾斜部4201)と第2立ち上がり辺421(上側水平部4211)によって規制されるため、溝部内のベース13が上方へ抜けてパネル本体4から脱落することが防止される。また、塞ぎプレート44の上端は、溝部の幅方向端部を塞ぐようにパネル本体4の上面42よりも上方に延びているので、ベース13がパネル本体4の幅方向端部から抜け出ることが防止される。したがって、止水パネルの運搬時や収納時に、ベース13(及びベース13に連結された押し付け具9)を止水パネルと一体で運搬、収納することができ、また、ベース13(及びベース13に連結された押し付け具9)がパネル本体4から離脱して紛失するような事態を未然に防止することができる。
[C−3]押し付け具とベースの連結構造
本実施形態では、押し付け具9は、押し付け具9の連結片913をベース13の連結部131の面部1310の上方に位置させ、連結片913の長孔914と連結部131の螺子孔1311を一致させて、長孔914と螺子孔1311を通る螺子14を用いて連結されている(図18、図20参照)。螺子14の軸部140は垂直状に延び、押し付け具9の長孔914を挿通し、先端側の雄螺子がベース13の螺子孔1311に螺合している。螺子14の軸部140の下端部位にはナット141が装着されている。
螺子14の軸部140は、クリアランスを有して長孔914を挿通しており、軸部140を中心としてベース13に対して押し付け具9が回転可能であり、かつ、軸部140は長孔914内を長さ方向に(第1端部9140と第2端部9141の間)移動可能であることから、押し付け具9は軸部140に対して長孔914の長さ方向に移動可能となっている。押し付け具9の連結片913は、螺子14の軸部140に対して軸方向に移動可能であり、したがって、連結片913に対して螺子14(及び螺子14と螺合されたベース13)は軸方向に移動可能である。螺子14の軸部140はベース13の連結部131の螺子孔1311に螺合しており、螺子14とベース13は一体で上下動するようになっている。
図24(B)、図25(B)に示すように、押圧前の状態では、押し付け具9の連結片913がベース13の連結部131の面部1310(図24(B)、図25(B)では、実際には同じ高さ位置にある操作部134の第1部分1340に隠れているが、説明の便宜上、参照番号“1310”を示す)上に載置した状態であり、図24(A)、図25(A)に示すように、押圧後の状態では、押し付け具9の連結片913に対して、ベース13の連結部131の面部1310が下方に離間した状態となる。連結片913に対する連結部131の下方への移動量が押し込み量となる。図24(B)、図25(B)に示すように、押圧前の状態では、螺子14の頭部が押し付け具9の連結片913の上方に離間しており、図24(A)、図25(A)に示すように、押圧後の状態では、螺子14の頭部が押し付け具9の連結片913の上面に当接している。したがって、押圧前の状態において、軸部140の連結片913と頭部との間の部分140´(図25(B)参照)の高さ寸法によってパネルの押し込み量が決定される。ベース13の連結部131の面部1310(延出部位1310´)に対する螺子14の軸部140の位置を調整することで適切な押し込み量を設定することができる。
押し付け具9を軸部140を介してベース13に対して可動に連結するためには、押し付け具9側の孔はいわゆるルーズ孔(当該ルーズ孔に対する軸部の移動を許容するクリアランスを有している)であればよく、長孔に限定されず、丸孔でもよい。本実施形態では連結のための軸部として螺子14を用いたが、軸部が押し付け具9側の孔及びベース13側の孔を共に挿通するようにしてもよい。例えば、軸部に対するベース13の位置を固定せずに、パネルの押し込み時に、軸部がベース13の連結部131に形成した挿通孔(図示せず)を下動するようにしてもよい(この場合、押し込み量の設定が必要な場合には、上記手法とは異なる手法で行う)。
[C−4]押し付け具の収納姿勢と押圧姿勢
押し付け具9は、パネル本体4の上端に設けられたベース13に可動に連結されており、収納姿勢と押圧姿勢の間で姿勢(向き)が変更可能となっている。止水パネルの保管時、運搬時には、押し付け具9を収納姿勢とし、止水パネルの下方押し込み時には、押し付け具9を押圧姿勢とする。
図17、図18に、収納姿勢(第1の姿勢ないし向き)にある押し付け具9を示す。図18(A)に示すように、収納姿勢において、押し付け具9の掴持部90は、第1辺900、第2辺901がパネル本体4の厚さ方向に延び、第3辺902がパネル本体4の幅方向に延びた姿勢となり、パネル本体4の幅方向端部の直上に位置している。第1辺900がパネル本体4の幅方向端部に位置し、第2辺901がパネル本体4の幅方向端部から遠い側に位置する。図18(B)に示すように、第1辺900の下側延長部9001を塞ぎプレート44の上端部位に外側から当接させることで収納姿勢の位置決めが可能である。螺子14の軸部140は、押し付け具9の連結片913の長孔914の第1端部9140に位置している。
収納姿勢では、支持部91はベース13の連結部131、仮固定部132の直上に位置しており、押し付け具9の収納姿勢の位置決め時に、支持部91に設けた押圧部92の軸部921の延長線上に仮固定部132の螺子孔1321が位置するようになっており、ハンドル920を回して軸部921を斜め下方に移動させることで、軸部921の先端側の雄螺子が螺子孔1321に螺合して仮固定される。収納姿勢において、押し付け具9は、パネル本体4の直上に位置して、概ね、パネル本体4の厚さ内に納まっており、複数枚の止水パネルを重ねて保管する場合も省スペースで済む。押し付け具9はパネル本体14に設けたベース13に仮固定されているので、押し付け具9を止水パネルと一体で持ち運ぶことができ運搬が容易である。また、押し付け具9は、パネル本体4に設けたベース13に連結されているので、止水パネルと一体で保管することができ、止水パネルと異なる場所に保管してしまうおそれや、紛失のおそれがない。
収納姿勢にある押し付け具9において、ハンドル920を回して軸部921の下端側の雄螺子と螺子孔1321の螺合を解除することで、螺子14の軸部140を中心として、ベース13に対して押し付け具9が可動(軸部140を中心とする回動、長孔914の長さ方向のスライド移動、軸部140の軸方向の移動)となる。このようにして、収納姿勢にある押し付け具9の向きを変えて押圧姿勢とすることができる。
図19〜図22に、押圧姿勢(第2の姿勢ないし向き)にある押し付け具9を示す。押圧姿勢において、押し付け具9の掴持部90は、パネル本体4の第2面部41より室内側に位置しており、第1辺900、第2辺901がパネル本体4の第2面部41に平行して延び、第3辺902はパネル本体4の第2面部41から離間する方向に延びた姿勢となる。押圧姿勢において、支持部91の第2側壁912の下端の連結片913がベース13の連結部131上に載置しており、第1側壁911の下端の突縁9111がパネル本体4の上端(上側水平部4203、上側水平部4211)に載置する。こうすることで、押圧時にパネル本体4の上端に対する押圧部9の水平姿勢が保たれる。押圧姿勢において、押圧部92の軸部921の下端が第1傾斜片1300に当接可能となっており、押圧部92のハンドル920を第1の方向に回すことで、軸部921の下端が第1傾斜片1300を下方に押圧する。本実施形態では、押圧姿勢では、螺子14の軸部140は、押し付け具9の連結片913の長孔914の第2端部9141に位置している。図18(B)と図20(B)を比べるとわかるように、ベース13の位置は、押し付け具9が収納姿勢の場合に比べて、押圧姿勢の場合の方がパネル本体4の幅方向端部側に寄っている。このように、図示の態様では、収納姿勢と押圧姿勢では、長孔914における軸部140の位置が移動しており、かつ、パネル本体4の幅方向に対するベース13の位置も変わっているが、これには限定されない。
掴持部90の第1辺900、第2辺901、第3辺902を、縦枠3の第2見付面31、第1見付面30、第1見込面32にそれぞれ近接対向させた状態において、掴持部90の第1辺900と縦枠3の第2見付面31の間の遊び(クリアランス)、掴持部90の第2辺901と縦枠3の第1見付面30の間の遊び(クリアランス)が存在しており、押し込み時に、掴持部90は僅かに傾動可能である(図24(A)、図25(A))。図24(B)、図25(B)の状態において、第1辺900の下側延長部9001は縦枠3の第2見付面(垂直面)31から離間するように下側に向かって外側に緩やかに傾斜しており、第2辺901の上側延長部9010の内面は縦枠3の第1見付面(垂直面)30から離間するように上側に向かって外側に緩やかに傾斜している。図24(B)、図25(B)の状態において、掴持部90及び支持部91が傾くことで、第1辺900の下側延長部9001(当接シート903)が縦枠3の第2見付面31に当接し、第2辺901の上側延長部9010(当接シート904)が縦枠3の第1見付面30に当接する。この時、第1辺900の下側延長部9001の内面(傾斜面)がほぼ垂直姿勢となって、縦枠3の第2見付面(垂直面)31に面接触し、第2辺901の上側延長部9010の内面(傾斜面)がほぼ垂直姿勢となって、縦枠3の第1見付面(垂直面)30に面接触する(図24(A)、図25(A))。
第1辺900の下側延長部9001が縦枠3の第2見付面31に面接触し、第2辺901の上側延長部9010が縦枠3の第1見付面30に面接触した初期の傾動姿勢から、押圧部92のハンドル920を回転させることで、軸部921が斜め下方に移動し、ベース13の被押圧部130の第1傾斜片1300を下方に押圧し、パネル本体4の上面42を押圧して、パネル本体4を斜め下方へ押し付ける。図24(B)、図25(B)に示すように、押圧前の状態では、押し付け具9の連結片913がベース13の連結部131の面部1310上に載置した状態であり、螺子14の頭部が押し付け具9の連結片913の上方に離間している。この状態から、軸部921の下端がベース13の被押圧部130の第1傾斜片1300を下方に押し込むと、ベース13と螺子14とパネル本体4が一体で下方に移動し、連結片913に対してベース13の連結部131の面部1310が下方に離間するように下動し、螺子14が長孔914を通って下動し、螺子14の頭部が連結片913の上面に当接することで押し込み完了となる。押圧後の状態では、図24(A)、図25(A)に示すように、押し付け具9の連結片913に対して、ベース13の連結部131の面部1310が下方に離間した状態となり、螺子14の頭部が押し付け具9の連結片913の上面に当接する。
押し付け具9による押圧時に、パネル本体4から反力によって、支持部91の先端側を持ち上げようとする力を作用させながらパネル本体4を斜め下方に押し付けるが、支持部91の先端側を持ち上げようとする力は、掴持部90を傾動させて、掴持部90と縦枠3との当接部分(第1辺900の下側延長部9001と縦枠3の第2見付面31との当接、第2辺901の上側延長部9010と縦枠3の第1見付面30との当接)をさらに押し付ける力として作用し、掴持部90と縦枠3の当接部分に摩擦が発生し、掴持部90(第1辺900、第2辺901)が縦枠3を掴持した状態となって、軸部921が斜め下方に移動する力がより確実にパネル本体4に作用してパネル本体4を斜め下方に押し付ける。
本実施形態では、押し付け具9を用いた下方への押し込み操作時に、第1辺900の下側延長部9001の内面(当接シート903)が縦枠3の第2見付面31に面接触し、第2辺901の上側延長部9010の内面(当接シート904)が縦枠3の第1見付面30に面接触しているので、内面に貼り付けられた滑り難い当接シート903、904と相俟って、より大きな下方への押し付け力でパネル本体4を下方に押圧することができ、より安定した防水性能を得ることができる。
3 縦枠
30 第1見付面(室外側見付面)
31 第2見付面(室内側見付面)
32 第1見込面
4 パネル本体
40 第1面部
41 第2面部
42 上面
43 下面
44 塞ぎプレート
5 側方水密部材
6 下方水密部材
8 固定手段
9 押し付け具
90 掴持部(係止部)
900 第1辺
9001 下側延長部(下端部位)
901 第2辺
9010 上側延長部(上端部位)
902 第3辺
92 押圧部
913 連結片
914 長孔(挿通孔)
920 ハンドル
921 軸部(螺子)
13 ベース
130 被押圧部
131 連結部
1311 螺子孔(第2螺子孔)
132 仮固定部
1321 螺子孔(第1螺子孔)
14 螺子
140 軸部

Claims (9)

  1. 下面に幅方向に亘って設けた下方水密部材と、
    上端の幅方向両端部に設けた下方押し込み手段と、
    を備え、
    前記下方押し込み手段によって前記下方水密部材が床面に圧接された状態で建物開口部に取り付けられる止水パネルであって、
    前記下方押し込み手段は、
    当該止水パネルの上面に幅方向に移動可能に載置されるベースと、
    縦枠に係止する係止部と、前記ベースを押圧することで当該止水パネルに下向きの力を作用させる押圧部とを備えた押し付け具と、を備え、
    前記押し付け具は、前記ベースに対して押圧姿勢と収納姿勢の間で姿勢変更可能であり、
    押圧姿勢では、前記係止部は、前記縦枠に係止可能なように平面視において前記止水パネルの面部から突出しており、
    収納姿勢では、前記係止部は、平面視において前記止水パネルの厚さ内に納まるか、あるいは、前記押圧姿勢時よりも小さい突出寸法で前記止水パネルの面部から突出しており、前記押し付け具は前記ベースに仮固定可能となっている、
    止水パネル。
  2. 前記係止部は、第1の方向に延びる少なくとも1つの短辺と、第2の方向に延びる少なくとも1つの長辺と、を備え、
    収納姿勢では、前記押し付け具は、前記係止部の前記長辺が前記止水パネルの幅方向に沿って延び、前記短辺が前記止水パネルの厚さ方向に延びる第2の向きにあり、
    押圧姿勢では、前記押し付け具は、前記係止部の前記長辺が前記止水パネルの厚さ方向に延び、前記短辺が前記止水パネルの幅方向に延びる第1の向きにある、
    請求項1に記載の止水パネル。
  3. 収納姿勢では、前記係止部を含む押し付け具全体が当該止水パネルの直上に位置する、
    請求項1、2いずれか1項に記載の止水パネル。
  4. 前記押圧部は螺子を備えており、押圧時には、前記螺子が回転することで、当該螺子の下端が前記ベースを押圧可能であり、収納時には、前記螺子が前記ベースに形成された第1螺子孔に螺合することで前記押し付け具は前記ベースに仮固定可能である、
    請求項1〜3いずれか1項に記載の止水パネル。
  5. 前記押し付け具は、押圧姿勢と収納姿勢との間で変更可能なように前記ベースに対して可動に連結されている、
    請求項1〜4いずれか1項に記載の止水パネル。
  6. 前記押し付け具は、軸部を介して前記ベースに連結されており、
    前記押し付け具には、前記軸部の挿通孔が形成されており、
    前記押し付け具は、前記軸部を中心として、前記ベースに対して回動可能である、
    請求項5に記載の止水パネル。
  7. 前記軸部には雄螺子が形成されており、前記軸部の雄螺子は前記ベースの第2螺子孔に螺合されており、
    押圧時に、前記ベース及び前記軸部が、当該止水パネルと一体で下動する、
    請求項6に記載の止水パネル。
  8. 押圧前に、前記軸部の頭部が前記挿通孔の上方に離間しており、押圧時に、前記軸部が下動して前記頭部が前記挿通孔の周縁部に当接可能となっている、
    請求項7に記載の止水パネル。
  9. 前記止水パネルは、当該止水パネルの前記面部の幅方向両端部位に高さ方向に亘って設けた左右の側方水密部材を備えており、
    前記止水パネルは、前記下方水密部材が前記床面に圧接され、前記側方水密部材が前記縦枠に圧接された状態で建物開口部の室外側下方部位に取り付けられ、
    前記押し付け具は、前記押圧部によって斜め下向きの力を前記止水パネルに作用させて、前記下方水密部材及び前記側方水密部材を圧接する、
    請求項1〜8いずれか1項に記載の止水パネル。


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