以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
<貯湯式電気温水器の構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器について説明する。なお、以下においては、図中に示す方向を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器の構成を例示する模式的接続図である。図2は、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器の制御ブロック図である。
図1及び図2に示すように、貯湯式電気温水器1は、飲料水等に用いられる湯水を貯湯するものであり、貯湯槽10と、排水配管20と、電磁弁30と、制御部40と、排水トラップ50と、水位検知部60と、報知部70と、を備える。この貯湯式電気温水器1において、図示しない給水源から内部に水が供給されて貯水されるとともに、貯水された水がヒータ(図示せず)によって加熱される。加熱された湯水は、貯湯式電気温水器1内に貯水されて、飲料水等に用いられる。
貯湯式電気温水器1は、本体部5を備える。本体部5は、キッチンシンク2よりも下方に設けられている。また、本体部5の内部には、貯湯槽10、電磁弁30、制御部40、及び報知部70が設けられている。
また、キッチンシンク2の下方であってキッチンシンク2の排水口から続く排水管の途中には、キッチントラップ3が設けられており、キッチントラップ3には、封水が形成されている。このキッチントラップ3は、後述する排水トラップ50の継手管53を介して、床面から延出した建物配管4に接続されている。つまり、キッチンシンク2からの排水は、キッチントラップ3及び継手管53を通って、建物配管4に排出される。
貯湯槽10は、その内部に湯水を蓄えるタンクであり、この貯湯槽10には、図示しない給水源から水を供給するための給水配管11が接続されている。また、貯湯槽10の内部には、貯湯槽10内の水を温めるヒータ(図示せず)と、貯湯槽10内の湯水の温度を計測する温度センサ(図示せず)と、が設けられている。
排水配管20は、貯湯槽10に接続されており、貯湯槽10内の湯水を貯湯槽10外に排水する。排水配管20の下流側は排水トラップ50に接続されており、貯湯槽10からの排水は、排水配管20から排水トラップ50を通って建物配管4に排出される。
排水配管20の流路途中には、排水配管20を開閉する電磁弁30が設けられている。
この電磁弁30は、貯湯式電気温水器1の内部に設けられた制御部40によって開閉制御される。
排水トラップ50は、建物配管4から臭気などが逆流してしまうことを抑制する。また、排水トラップ50に設けられた逆止弁55(図4参照)によって、建物配管4から排水が逆流してくることも抑制するように構成されている。排水トラップ50において、排水トラップ50の流入口51a(図4参照)が排水配管20の下流側に接続されるとともに、後述する排水トラップ50の継手管53の出口部53bが建物配管4に接続される。言い換えると、排水トラップ50の上流側に排水配管20が接続されるとともに、排水トラップ50の下流側に建物配管4が接続される。また、排水トラップ50には、外部と連通する大気開放孔54が設けられている。この大気開放孔54には、水位検知部60が取り付けられている。水位検知部60は、排水配管20よりも下流であって大気開放孔54よりも下方の水位が所定の高さ位置になったことの検知に基づいて、制御部40に信号を送信して電磁弁30を制御させて排水配管20を開閉させる。また、本実施形態においては、水位検知部60は、排水トラップ50内の水位を検知する。
排水トラップ50及び水位検知部60については、後に詳述する。
ここで、制御部40は、タイマ41と、判定部42と、開閉指令部43と、を有する。
また、貯湯式電気温水器1は、制御部40によって、貯湯槽10内の湯水を清潔に保つために貯湯槽10内の湯水と給水配管から給水される水とを自動で入れ替える、湯水入替モードを実行することができる。湯水入替モードは、例えば、図示せぬ外部操作装置の操作により実行されたり、時間的な制御により所定の設定時間に自動的に実行されたりする。
タイマ41は、湯水入替モードの開始からの経過時間等を計測する。そして、計測した時間の情報は、判定部42に送信される。
判定部42は、水位検知部60による水位が所定の高さ位置になったことの検知に基づく制御信号を、水位検知部60より受信し、受信した制御信号に応じて開閉指令部43及び報知部70に制御信号を送信する。
開閉指令部43は、判定部42からの制御信号に基づいて電磁弁30に制御信号を送信し、電磁弁30を開閉制御する。
ここで、報知部70は、判定部42からの制御信号に基づいて、水位検知部60によって検知された、水位が所定の高さ位置になったことを報知する。なお、報知部70による報知は、例えば音によるものでもよいし、ランプなどの光によるものでもよい。
<排水トラップの構成>
つぎに、図3及び図4を参照して、本発明の一実施形態に係る排水トラップ50について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る排水トラップ及び水位検知部の斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る排水トラップ及び水位検知部の側面断面図である。
図3及び図4に示すように、排水トラップ50は、トラップ本体51と、上流端がトラップ本体51に接続されている枝管52と、枝管52の下流端が接続され、建物配管4に接続される継手管53と、を有している。
トラップ本体51は、全体として略円柱状の外形を有し、内部に流路が形成されている。トラップ本体51の上部には、排水配管20が接続される流入口51aが形成されており、流入口51aは、排水配管20とトラップ本体51の内部の流路とを連通している。
トラップ本体51の下部には、トラップ部51bが形成されている。また、トラップ本体51の上下方向における中央部分からは枝管52が延びており、枝管52の流路とトラップ本体51の内部の流路とが連通している。
ここで、トラップ本体51についてより詳細に説明する。トラップ本体51は、上部に流入口51aが形成されている上ケース51cと、上ケース51cの下方に設けられている下ケース51dと、上ケース51c及び下ケース51dの内部に収容されている内筒51eと、を有する。
上ケース51c及び下ケース51dは、全体として略円筒状の外形を有し、上ケース51cと下ケース51dとの外径は、互いに略同一である。
内筒51eは、トラップ本体51内において上ケース51cから下ケース51dの下部に向かって下方向に延びる円筒であり、上方から下方に向かって縮径している。内筒51eの上端には入口部51fが形成されており、この入口部51fによって上ケース51c内の流路と内筒51e内の流路とが連通している。また、内筒51eの下端には、出口部51gが形成されており、内筒51eの出口部51gによって下ケース51d内の流路と内筒51e内の流路とが連通している。つまり、上ケース51c内の流路と下ケース51d内の流路は、内筒51eを介して連通している。そして、下ケース51d内の流路は、枝管52と連通している。
流入口51aから流入した水は、上ケース51c内の流路を通り、内筒51eの入口部51fを介して内筒51e内に流入する。内筒51e内に流入した水は、内筒51eの出口部51gを介して、下ケース51d内の流路の下部へ流出する。下ケース51d内の流路の下部へ流出した水は、下ケース51dの内壁と内筒51eの外壁との間に形成された流路を上方に向かって流れる。下ケース51dには、内筒51eの出口部51gよりも上方であって入口部51fより下方の筒壁を内外に貫通する排出口51hが形成されており、当該排出口51hには枝管52が連結されている。このため、下ケース51dと内筒51eの間に形成された流路を上方に向かって流れた水は、排出口51hに至ると枝管52へ流出する。すなわち、内筒51eと、下ケース51dとによって、トラップ部51bを形成している。
また、内筒51eの出口部51gは、右斜め上方向から左斜め下方向にカットしたような断面を有している。つまり、出口部51gの開口端面は、傾斜面に沿っている。そのため、内筒51eの出口部51gの開口端面が水平面に沿う場合と比べて、内筒51eの出口部51gにおける水の表面張力が弱くなり、内筒51eの出口部51gにて水膜が形成されることが抑制される。その結果、内筒51eの出口部51gから下ケース51d内の流路へスムーズに排水することができる。
トラップ本体51の上部外周面(上ケース51cの上部外周面)には、トラップ本体51の内部の流路と外部とを連通する大気開放孔54が設けられている。大気開放孔54は、上下方向に長い縦状の開口であり、トラップ本体51の外周面の周方向に沿って等間隔に複数設けられている。大気開放孔54は、トラップ本体51の左方側の一部には設けられていない。また、この大気開放孔54には水位検知部60が取り付けられ、複数の大気開放孔54は、後述する水位検知部60の爪部61bと電極板62が設けられている位置に対応した位置にそれぞれ開口している。
枝管52は、トラップ本体51と継手管53とを接続する管であり、トラップ本体51の上下方向における中央部分から、斜め下方向に向かって滑らかに湾曲するように延びている。具体的には、枝管52の上流端はトラップ本体51の下ケース51dの排出口51hに接続されており、枝管52が下ケース51dの流路と連通するように設けられている。また、枝管52と排出口51hとの接続部分には、逆止弁55が設けられている。
継手管53は、上下方向に延びる円筒状の管であり、その上端にはキッチントラップ3に接続される入口部53aが開口し、その下端には建物配管4に接続される出口部53bが開口している。また、継手管53の上下方向における中央部分には、枝管52が接続されている。
なお、継手管53の出口部53bが、排水トラップ50の流出口としての機能を果たす。
以上のように、排水トラップ50は、トラップ本体51において排水配管20の接続を受ける流入口51aを有し、継手管53において建物配管4の接続を受ける流出口としての出口部53bを有し、トラップ本体51の上部に大気開放孔54を有する。
排水配管20から流入口51aを介してトラップ本体51内に流入した湯水は、トラップ部51bへ流入して、トラップ部51bから枝管52へ流れる。枝管52へ流れた湯水は、継手管53へ流れ、継手管53の出口部53bから建物配管4へ排出される。
<水位検知部の構成>
つぎに、図5〜図7を参照して、本発明の一実施形態に係る水位検知部60について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る水位検知部の斜視図である。図6は、本発明の一実施形態に係る水位検知部の側面断面図である。図7は、本発明の一実施形態に係る水位検知部の底面図である。
図5及び図6に示すように、水位検知部60は、ユニット化されており、排水トラップ50の大気開放孔54に取り付け自在に構成されている。この水位検知部60は、ケーシング61と、電極板62と、信号線63と、中継コネクタ64と、を有している。
水位検知部60のケーシング61は、上面視において略扇形状を有し、ケーシング61の左方側(トラップ本体51側)の面は、トラップ本体51の外形の円周形状に添うような形に形成されている。また、ケーシング61の内部には、後述する中継コネクタ64の一部を収納する収納空間Sが設けられている。つまり、ケーシング61は、トラップ本体51の外周面に臨む側を開放側とするボックス状に構成されており、その開放側において、トラップ本体51の外周面に対応して、上面視で円弧状に沿う形状を有する。
このケーシング61の前方側及び後方側の端部には、上下方向に延びる突条としての係止部61aが左方向(トラップ本体51側)に向かって突設されている。前後の係止部61aは、互いの板面を略前後方向に対向させるように、前後方向について対称に設けられた一対の板状の突片部である。
また、ケーシング61の左方側(トラップ本体51側)の面の下端には、前後一対の爪部61bが形成されている。爪部61bは、全体として略L字形状を有しており、ケーシング61の左方側(トラップ本体51側)の面から左方向(トラップ本体51側)に向かって水平に延びて下方に屈曲するように形成されている。一対の爪部61bは、前後に所定の間隔を隔てた位置に設けられており、前後方向について対称に設けられている。
水位検知部60の電極板62は、ケーシング61の下部において少なくとも2つ設けられている。2つの電極板62は、全体として略L字形状を有しており、ケーシング61の左方側(トラップ本体51側)の端部から左方向(トラップ本体51側)向かって水平に延びて下方に屈曲するように形成されている。2つの電極板62は、一対の爪部61bの前方側及び後方側にそれぞれ設けられている。より具体的には、2つの電極板62は、前方側の係止部61a及び爪部61bの間と、後方側の係止部61a及び爪部61bの間と、にそれぞれ位置し、前後方向について対称に設けられている。
水位検知部60は、この2つの電極板62の間における電気抵抗値の変化により、排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定高さ位置になったことを検知する。また、2つの電極板62には、水による腐食等の耐性に優れた材料として、黄銅にスズ鍍金を施したものが採用される。
図7に示すように、ケーシング61の下面において、各電極板62の一端と、各電極板62の一端に接触するように設けられた丸端子66とが、固定ネジ65によってそれぞれ固定されている。各丸端子66からは、ケーシング61の下面に沿うようにケーシング61の中央に向かって2本の信号線63が延びている。2つの電極板62から丸端子66を介して延びる各信号線63は、ケーシング61の下面中央から収納空間S内に向かって延び、中継コネクタ64に集約されている(図5参照)。
中継コネクタ64は一部が収納空間S内に設けられており、収納空間S内において、2本の信号線63が中継コネクタ64に集約されている。この中継コネクタ64は、収納空間Sを形成しているケーシング61の内側の底面からケーシング61の外部に向かって挿通されている。つまり、中継コネクタ64の一部(信号線63が集約されている部分と反対側の部分)は、収納空間Sの外部に露出している。また、収納空間Sの外部に露出している中継コネクタ64には、中継コネクタ64に対応したコネクタ(図示せず)が接続され、このコネクタから1本の信号線が延びて制御部40に接続される(図1参照)。このように、中継コネクタ64は2本の信号線63を1本の信号線に集約し、中継コネクタ64によって、水位検知部60が制御部40と接続される。
<水位検知部の取り付け手順>
つぎに、図8〜図10を参照して、排水トラップ50への水位検知部60の取り付け手順を説明する。
図8は、図4のVIII−VIII線に沿って見た概略断面図である。図9は、図4のIX−IX線に沿って見た断面図である。図10は、本発明の一実施形態に係る排水トラップと水位検知部との取り付け方法を表した説明図である。
なお、図10において、図10の(a)は、図8のX1−X1線に沿って見た概略断面図であり、図10の(b)は、図8のX2−X2線に沿って見た概略断面図である。
図8及び図9に示すように、排水トラップ50に水位検知部60を取り付けた状態においては、爪部61bと電極板62の一部がトラップ本体51内部に突出している。また、係止部61aの先端は、大気開放孔54を形成する部分の側縁部分に引っ掛かるように係止している。
図10に示すように、排水トラップ50への水位検知部60の取り付け手順は、まず、排水トラップ50の大気開放孔54に、水位検知部60の爪部61bと電極板62を挿入する。そして、水位検知部60の爪部61b及び電極板62を、大気開放孔54を形成する部分の下縁部分に引掛け(図10の(a)参照)、引掛けた状態のまま、引掛けた部分を軸として水位検知部60の上端を左斜め上方に向かって回転させる。この水位検知部60の回転に併せて、水位検知部60の係止部61aを大気開放孔54に挿入する。このとき、前方側の係止部61aは対向する1つの大気開放孔54の後方側縁部と干渉して前方に向かって開くように弾性変形し、後方側の係止部61aは対向する1つの大気開放孔54の前方側縁部と干渉して後方に向かって開くように弾性変形する。さらに各係止部61aを大気開放孔54に押し込むと、各係止部61aの弾性変形が解除されるとともに、前方側の係止部61aが対向する1つの大気開放孔54の後方側縁部に係止し、後方側の係止部61aが対向する1つの大気開放孔54の前方側縁部に係止される。このようにして、水位検知部60が排水トラップ50に取り付けられる(図10の(b)参照)。
このように、水位検知部60は、爪部61b及び電極板62を大気開放孔54に対するフックとして機能させるとともに、前後一対の係止部61aにより複数の大気開放孔54が形成された周面部を挟み込んだ態様で、排水トラップ50に取り付けられる。したがって、水位検知部60における係止部61a、爪部61b及び電極板62は、大気開放孔54の開口の寸法・形状や複数の大気開放孔54の配置等に対応して設けられる。なお、大気開放孔54を形成する部分の側縁部分から係止部61aの先端を外し、水位検知部60の爪部61b及び電極板62を大気開放孔54から引き抜くことで、水位検知部60を排水トラップ50から取り外すことができる。
<貯湯式電気温水器の動作及び作用>
つぎに、図11及び図12を参照して、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器の動作及び作用について説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器の第一の動作フロー図である。
図12は、本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器の第二の動作フロー図である。
貯湯式電気温水器1は、第一の動作フローまたは第二の動作フローのどちらか一方の動作フローに基づいて動作する。
図11に示すように、第一の動作フローは、水位検知部60において水位が所定の高さ位置に到達したことを検知して電磁弁30を閉弁するステップと、電磁弁30が閉弁されてから所定時間後に電磁弁30を開弁するステップと、を含む。さらに、第一の動作フローは、電磁弁30が閉弁されてから所定時間後に水位を検知して、その水位に基づいて電磁弁30を開閉するステップと、所定期間内に電磁弁30が所定回数閉弁されると、電磁弁30の開弁を一定時間停止するステップと、を含む。
この第一の動作フローにおいて、制御部40は、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達したことを検知して電磁弁30が閉弁されてから所定時間後に電磁弁30を開弁する。また、制御部40は、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達したことを検知して電磁弁30が閉弁されてから所定時間後にトラップ本体51内の水位を検知する。このとき、水位が所定の高さ位置以上であれば電磁弁30を閉弁し続け、水位が所定の高さ位置未満であれば、電磁弁30を開弁する。
まず、図示しない外部操作装置の操作や、湯水入替モードの開始時間に設定された時間になる等によって、湯水入替モードが開始される(ステップS100)。それと同時に、電磁弁30が開弁され、タイマ41による計測が開始される。電磁弁30が開弁されると、給水配管11の給水配管11から貯湯槽10内に水が供給されて、貯湯式電気温水器1の貯湯槽10内の湯水が、排水配管20及び排水トラップ50を介して建物配管4へ排水される。このとき、貯湯槽10内の湯水は、給水配管11から供給される水の圧力(給水圧)によって排水配管20に排出される。ステップS100の処理が終了すると、ステップS101に進む。
ステップS101では、制御部40において、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知を開始する。ステップS101の処理が終了すると、ステップS102へ進む。
ステップS102では、水位検知部60による検知の下、トラップ本体51内の水位が所定の高さ以上であるか否かが判断される。このステップS102では、制御部40において、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知を監視する。具体的には、水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値の変化を監視する。そして、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置(2つの電極板62の下端の位置)に到達した、つまり、制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化したか否かを判断する。制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化したと判断した場合、つまり水位検知部60による検知の下、トラップ本体51内の水位が所定の高さ以上である場合は(ステップS102、YES)、ステップS103へ進む。制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化していないと判断した場合、つまり水位検知部60による検知の下、トラップ本体51内の水位が所定の高さ以上でない場合は(ステップS102、NO)、ステップS104へ進む。
なお、2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化したか否かの判断の基準は、例えば、電気抵抗値の変化量が所定の閾値を超えたか否かである。
ステップS103では、制御部40からの指令信号によって電磁弁30を閉弁する。具体的には、判定部42から開閉指令部43に制御信号が送られ、開閉指令部43によって電磁弁30が閉弁される。ステップS103の処理が終了するとステップS106へ進む。
ステップS104では、湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了したか否かを判断する。湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了したと判断した場合は(ステップS104、YES)、ステップS105へ進む。湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了するまで、ステップS102の処理を繰り返す。
ここで、貯湯槽10内の湯水の入替が完了したか否かの判断は、貯湯槽10の内部に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値に基づいて行われる。具体的には、貯湯槽10内の湯水と給水配管11から供給される水との温度差を利用し、湯水入替開始時の貯湯槽10内の温度から、貯湯槽10内の温度が所定温度低下したかどうかを判断する。そして、貯湯槽10内の温度が所定温度低下してから一定時間が経過すると、制御部40は、貯湯槽10内の湯水の入替が完了したと判断する。
なお、貯湯槽10内の湯水の入替が完了したか否かの判断は、例えば排水配管20に流量計を設けて貯湯槽10から排水配管20へ排出された流量を算出し、その値に基づいて入替完了と判断してもよいし、その他の方法によって判断されてもよい。
ステップS105では、湯水入替モードを終了する処理が行われる。それと同時に、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知が終了し、電磁弁30は閉弁される。
ステップS106では、湯水入替モードが開始されてから所定時間以内に電磁弁30が閉弁された回数が所定回数を超えたか否かを判断する。上述のとおり、電磁弁30は、トラップ本体51内の水位が所定の高さに達したことが検知されることで閉弁される(S102、S103)。したがって、ここでは、具体的には、制御部40の判定部42によって、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置(2つの電極板62の下端の位置)に到達した回数を記憶する。つまり、制御部40の判定部42によって、水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化した回数を記憶する。そして、タイマ41によって計測された時間と、判定部42に記憶された回数に基づいてステップS106の処理が行われる。
本実施形態では、例えば、湯水入替モードが開始されてから60分以内に電磁弁30が閉弁された回数が5回以上か否かを判断する。60分以内に電磁弁30が閉弁された回数が5回以上であると判断した場合(ステップS106、YES)、ステップS111へ進む。60分以内に電磁弁30が閉弁された回数が5回以上でない、つまり5回未満であると判断した場合(ステップS106、NO)、ステップS107へ進む。
ここでの所定時間は、例えば貯湯式電気温水器1から建物配管4へ湯水をスムーズに排水できた場合の湯水入替にかかる時間以内に設定される。ここで、湯水入替にかかる時間は、貯湯槽10の容量や給水圧、配管の径等に影響を受ける。そのため、この所定時間は、貯湯式電気温水器1のタイプや貯湯式電気温水器1が設置される現場に応じて適宜変更することができる。
また、ここでの所定回数も、貯湯式電気温水器1のタイプや設置現場に応じて適宜変更することができる。
ステップS107では、制御部40において、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知の監視を一定時間停止する。言い換えると、電磁弁30が閉弁された状態で、水位検知部60による水位検知を行わずに、制御部40及び水位検知部60を待機状態とする。ここでの一定時間は、例えば5分〜10分であり、この時間は適宜変更することができる。ステップS107の処理が終了すると、ステップS108へ進む。
ステップS108では、ステップS102と同様に、制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化したか否かを判断する。制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化した(水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達している)と判断した場合は(ステップS108、YES)、ステップS110へ進む。制御部40の判定部42によって水位検知部60の2つの電極板62の間における電気抵抗値が変化していない(水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達していない)と判断した場合は(ステップS108、NO)、ステップS109へ進む。
なお、このステップS108は必ずしも実行されなくてもよい。この場合、ステップS110も省略され、ステップS107において一定時間待機した後、ステップS109へ進み、電磁弁が開弁される。つまり、水位検知部60において水位が所定の高さ位置に到達したことを検知(ステップS102、YES)して電磁弁30が閉弁されて(ステップS103)から一定時間経過後(ステップS107)に、水位検知部60による検知を行わずに、電磁弁30を開弁(ステップS109)するようにしてもよい。
ステップS109では、制御部40からの指令信号によって電磁弁30を開弁する。具体的には、判定部42から開閉指令部43に制御信号が送られ、開閉指令部43によって電磁弁30が開弁される。ステップS109の処理が終了するとステップS114へ進む。
ステップS110では、制御部40の判定部42によって、ステップS107及びステップS108の処理を実行してから、所定回数連続してステップS110の処理を行ったか否かを判断する。言い換えると、制御部40の判定部42によって、ステップS107、ステップS108、ステップS110の一連の処理を所定回数連続で繰り返したか否かを判断する。
本実施形態では、例えば、ステップS107、ステップS108、ステップS110の一連の処理を連続で5回以上繰り返したか否かを判断する。5回以上繰り返したと判断した場合は(ステップS110、YES)、ステップS111へ進む。5回未満繰り返したと判断した場合は(ステップS110、NO)、ステップS107へ進む。
なお、このステップS110は必ずしも実行されなくてもよい。つまり、電磁弁30が閉弁されて(ステップS103)から一定時間待機後(ステップS107)、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達していると判断した場合(ステップS108、YES)、処理を5回以上繰り返したことを判断せずに、湯水入替を中断する(ステップS111)ようにしてもよい。
ステップS111では、制御部40の判定部42において、建物配管4や排水トラップ50等に詰りが発生していると判断し、湯水入替モードを一時中断する。つまり、電磁弁30が閉弁された状態で一定時間待機状態とし、電磁弁30の開弁を一定時間停止する。
ステップS111の処理が終了するとステップS112へ進む。
このように、制御部40は、所定期間内に電磁弁30が所定回数閉弁されると、電磁弁30の開弁を一定時間停止する(湯水入替モードを中断する)。これにより、排水トラップ50内の排水の水位が上昇することが一定時間抑制される。そのため、貯湯槽10からの排水によって排水トラップ50の大気開放孔54から漏水してしまうことをより確実に抑制することができる。
なお、このステップS111は必ずしも実行されなくてもよい。つまり、60分以内で5回以上電磁弁30が閉弁された場合(ステップS106、YES)や、水位検知部60において排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達していると判断した場合(ステップS108、YES)、湯水入替モードが開始されてから60分経過したと判断した場合(ステップS114、YES)に、湯水入替モードを中断せずに、直ちに異常報知(ステップS113)を行う、または、湯水入替モードを終了するようにしてもよい。
ステップS112では、湯水入替モード中にステップS111の処理を行った回数が所定回数を超えたか否かを判断する。具体的には、制御部40の判定部42において、建物配管4や排水トラップ50等に詰りが発生していると判断して湯水入替モードを中断した回数をカウントする。そして、カウントした回数が所定回数を超えたか否かを判断する。
本実施形態では、例えば、湯水入替モードが中断された回数が5回以上か否かを判断する。湯水入替モードが中断された回数が5回以上であると判断した場合(ステップS112、YES)、ステップS113へ進む。湯水入替モードが中断された回数が5回以上でない、つまり5回未満であると判断した場合(ステップS112、NO)、ステップS101へ進む。
なお、ステップS112の処理を行わずに、ステップS111の処理が実行された後ステップS113へ進むように構成してもよい。つまり、湯水入替モードが中断された回数をカウントせずに、湯水入替モードが中断された後、報知部70による報知(ステップS113)を行ってもよい。さらに、報知部70による報知(ステップS113)を行った後、湯水入替モードを終了するようにしてもよい。
また、ステップS112において、湯水入替モードが中断された回数が5回以上でない、つまり5回未満であると判断した場合(ステップS112、NO)でも、湯水入替モードを終了するようにしてもよい。さらに、湯水入替モードが中断された回数が5回以上でない場合(ステップS112、NO)から湯水入替モードの終了へ進んだとき、例えば湯水入替モードを終了した翌日に、湯水入替モードを再び開始する(ステップS100から開始する)ようにしてもよい。
ステップS113では、報知部70を作動させ、排水トラップ50の下流側における異常を報知する。具体的には、報知部70は、判定部42からの制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて報知する。
このように、所定時間経過後の水位検知時に、排水トラップ50のトラップ本体51内水位が所定の高さ位置に到達していれば、報知部70を作動させることができる。そのため、例えば貯湯式電気温水器1の使用者や管理者が、排水トラップの下流側の異常により確実に気づくことができる。
ステップS113の処理が終了すると第一の動作フローが終了する。
ステップS114では、湯水入替モードが開始されてから所定時間経過したか否かを判断する。具体的には、タイマ41によって計測された時間に基づいて、判定部42において湯水入替モードが開始されてから所定時間経過したか否かを判断する。
本実施形態では、例えば、湯水入替モードが開始されてから60分経過したか否かを判断する。60分経過したと判断した場合(ステップS114、YES)、ステップS111へ進む。60分経過していないと判断した場合(ステップS114、NO)、ステップS102へ進む。
ここでの所定時間は、例えば貯湯式電気温水器1から建物配管4へ湯水をスムーズに排水できた場合の湯水入替にかかる時間を目安に設定される。前述したように、湯水入替にかかる時間は、貯湯槽10の容量や給水圧、配管の径等に影響を受けるため、ここでの初手時間も適宜変更することができる。なお、ここでの所定時間は、ステップS106における所定時間と同じ時間に設定されてもよいし、ステップS106における所定時間と異なる時間に設定されてもよい。
このように、第一の動作フローを行う本実施形態の貯湯式電気温水器1によれば、水位検知部60は、排水配管20よりも下流であって大気開放孔54よりも下方の水位が所定の高さ位置になったことを検知し、制御部40は、水位検知部60の検知に基づいて排水配管20を開閉する。これにより、排水の水位が所定の高さ位置まで上昇したときに、排水配管20を閉止することができる。そのため、排水の水位が大気開放孔54の高さ以上になることが抑制され、大気開放孔54からの漏水を抑制することができる。
また、第一の動作フローを行う本実施形態の貯湯式電気温水器1によれば、水位検知部60において排水の水位が所定の高さ位置に到達したことを検知して電磁弁30が閉弁されてから所定時間後に電磁弁30が開弁される。これにより、例えば時間の経過によって建物配管4の排水の水位が徐々に低下した場合に、貯湯槽10から建物配管4への排水を再開することができる。そのため、貯湯槽10から建物配管4へより確実に排水することができる。
さらに、第一の動作フローを行う本実施形態の貯湯式電気温水器1によれば、制御部40は、水位検知部60において水位が所定の高さ位置に到達したことを検知して電磁弁30が閉弁されてから所定時間経過後に、水位を検知する。そして、電磁弁30が閉弁されてから所定時間経過後に検知した水位に基づいて電磁弁30を開閉する。これにより、例えば時間が経過しても排水水位が所定の高さ位置以上である場合、電磁弁を閉弁し続けることができる。一方で、時間が経過して排水水位が所定の高さ位置未満になった場合、電磁弁30を開弁することができる。そのため、貯湯槽10からの排水によって排水トラップ50の大気開放孔54から漏水してしまうことをより確実に抑制することができる。
図12に示すように、第二の動作フローは、排水配管20から湯水を排水するとき、制御部40が電磁弁30を制御して排水配管20を間欠的に開閉させるステップを含む。
この第二の動作フローにおいて、湯水入替モードの間、つまり、排水配管20から湯水を排水するとき、制御部40は、電磁弁30を制御して排水配管20を間欠的に開閉させる。
まず、第一の動作と同様に、図示しない外部操作装置の操作や、湯水入替モードの開始時間に設定された時間になる等によって、湯水入替モードが開始されて電磁弁30が開弁される(ステップS200)。それと同時に、タイマ41による計測が開始される。電磁弁30が開弁されると、貯湯式電気温水器1の貯湯槽10内の湯水が、排水配管20及び排水トラップ50を介して建物配管4へ排水される。このとき、貯湯槽10内の湯水は、給水配管11から供給される水の圧力(給水圧)によって排水配管20に排出される。ステップS200の処理が終了すると、ステップS201に進む。
ここで、第二の動作フローにおいて、湯水入替モード中は常に水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知を行う。この場合、水位検知部60において、排水トラップ50のトラップ本体51内の水位が所定の高さ位置に到達したことを検知すると、制御部40は、例えば電磁弁30を閉弁して湯水入替モードを中断するように構成されていてもよい。加えて、湯水入替モードを中断した後、例えばステップS200に戻るように構成されていてもよい。また例えば、湯水入替モードを中断した後、報知部70による報知を行ってもよい。
なお、第二の動作フローにおいて、常に水位検知部60による水位の検知を行わずに、例えばステップS201の直前や、ステップS203とステップS204との間等において、水位検知部60による水位の検知を行うようにしてもよい。
ステップS201では、電磁弁30が開弁されてから一定時間経過したか否かを判断する。具体的には、タイマ41によって計測された時間に基づいて、判定部42において電磁弁30が開弁されてから一定時間経過したか否かを判断する。電磁弁30が開弁されてから一定時間経過したと判断した場合は、ステップS202へ進む。電磁弁30が開弁されてから一定時間経過するまでは、ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS202では、制御部40からの指令信号によって電磁弁30を閉弁する。具体的には、判定部42から開閉指令部43に制御信号が送られ、開閉指令部43によって電磁弁30が閉弁される。ステップS202の処理が終了するとステップS203へ進む。
ステップS203では、制御部40において、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知の監視を一定時間停止する。言い換えると、電磁弁30が閉弁された状態で、水位検知部60による水位検知を行わずに、制御部40及び水位検知部60を待機状態とする。ここでの一定時間は、例えば5分〜10分であり、この時間は適宜変更することができる。ステップS203の処理が終了すると、ステップS204へ進む。
ステップS204では、制御部40からの指令信号によって電磁弁30を開弁する。具体的には、判定部42から開閉指令部43に制御信号が送られ、開閉指令部43によって電磁弁30が開弁される。ステップS204の処理が終了するとステップS205へ進む。
ステップS205では、湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了したか否かを判断する。湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了したと判断した場合は、ステップS206へ進む。湯水入替モードによって貯湯槽10内の湯水の入替が完了したと判断していないと場合は、ステップS201へ進む。
ステップS206では、湯水入替モードを終了する処理が行われる。それと同時に、水位検知部60による排水トラップ50のトラップ本体51内の水位の検知が終了し、電磁弁30は閉弁される。
このように、第二の動作フローを行う本実施形態の貯湯式電気温水器1によれば、湯水入替モードにおいて排水配管20から貯湯槽10内の湯水を排水するとき、制御部40が電磁弁30を制御して排水配管20を間欠的に開閉させる。これにより、貯湯槽10から排水される湯水の瞬間流量が、排水トラップ50から建物配管4へ排出される排水の瞬間流量よりも大きい場合であっても、排水トラップ50内の水位を所定の水位以下に保ちつつ、排水トラップ50から建物配管4へ排水することができる。そのため、貯湯槽10から建物配管4へより確実に排水することができる。したがって、電磁弁30の間欠的な開閉動作における開弁時間と閉弁時間、つまりステップS201及びステップS203それぞれにおける一定時間は、貯湯槽10から排水トラップ50に流入する水量や、排水トラップ50から建物配管4に排出される水量等に基づき、排水トラップ50内の水位が所定の水位以下に保たれるように設定される。
また、上述した本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器1によれば、水位検知部60は、ユニット化されているとともに、中継コネクタを有している。そして、水位検知部60の2つの電極板62から延びる信号線63がこの中継コネクタに集約されているので、電極板62から延びる信号線63を制御部40に直接接続する必要がない。そのため、水位検知部60と制御部40とを別々に設置することができるとともに、制御部40と水位検知部60とを簡便に接続することができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態に係る貯湯式電気温水器1によれば、水位検知部60が排水トラップ50のトラップ本体51に設けられた大気開放孔54に取り付け自在に構成されている。これにより、排水トラップ50の既存の構造を変更することなく、水位検知部60を取り付けることができる。そのため、排水トラップ50に水位検知部60を簡便に増設することができる。
<他の実施形態>
つぎに、図13を参照して、本発明の他の実施形態に係る水位検知部の構成について説明する。
図13は、本発明の他の実施形態に係る貯湯式電気温水器の模式図である。
なお、本実施形態において、上述した本発明の一実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図13に示すように、本発明の他の実施形態に係る貯湯式電気温水器1は、水位検知部60aを備える。水位検知部60aは、鉛直方向に延びる継手管であり、建物配管4に接続されている。また、水位検知部60aは、全体として円筒形状を有し、その内部に少なくとも2つの電極板62が設けられている。この2つの電極板62は、水位検知部60aの管内周面に沿うように水平方向に並べて設けられている。
また、水位検知部60aの内側(流路側)には、2つの電極板62を覆うように傘部67が設けられている。この傘部67は、電極板62の上方及び側方全体を覆うように設けられている。言い換えると、電極板62において電極板62の下方以外の部分は、傘部67に覆われている。これにより、上流(上方)から水位検知部60a内に流れてきた排水が、電極板62に接触することが抑制される。そのため、上流(上方)から水位検知部60a内に流れてきた排水を検知せずに、例えば建物配管4などに詰りが生じて排水水位が上昇したことを正確に検知することができる。
本実施形態においては、水位検知部60aが建物配管4に設けられているので、建物配管4の詰りの発生を素早く検知することができる。これにより、例えば使用者や管理者が建物配管4に詰りが生じたことにいち早く気付くことができ、建物配管4の詰りの初期において建物配管4の清掃等の対策をとることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
貯湯式電気温水器1の本体部5は、キッチンシンク2よりも下方に設けられる構成を説明したが、この構成に限らず、キッチンシンク2と同じ高さ位置等に設けられていてもよい。
貯湯式電気温水器1の排水トラップ50は、キッチンシンク2の下方に設けられる建物配管4に接続される構成を説明したが、建物配管4に接続可能な場所であればよく、例えば洗面所やその他の場所であってもよい。
また、水位検知部60及び水位検知部60aは、少なくとも2つの電極板62を用いて水位の検知を行う構成を説明したが、構造が簡便であることのメリットを考慮しなければ、例えば、フロートスイッチのような水位検知機構を用いてもよい。また例えば、超音波を発信して、液面で反射した超音波を受信し、発信波と受信波の差によって水位検知を行うような超音波式の水位検知機構を用いてもよい。
また、貯湯式電気温水器1において、水位検知部60と水位検知部60aとが両方設けられていてもよい。
また、水位検知部60aの設置位置は、排水配管20よりも下流であって、大気開放孔54の開口の下端よりも下方の高さ位置であればよい。すなわち、大気開放孔54の開口の下端よりも下方の高さ位置であれば、水位検知部60aは、例えば、枝管52、継手管53、キッチントラップ3に続く流路内において継手管53の上流側等に設けられていてもよい。
前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。