JP6926881B2 - トレッド用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物およびタイヤに関する。より詳細には、本発明は、低シビア路面および高シビア路面の両方においてグリップ性能を向上させ得るトレッド用ゴム組成物およびタイヤに関する。
トレッドに用いられるゴム組成物(特に競技用タイヤなどの高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物)は、競技初期における砂利の多い路面(低シビア路面)、および、競技後期における砂利の取り払われた硬い路面(高シビア路面)における安定した走行中のグリップ性能が強く要求されている。従来、走行初期から走行終了までの優れたグリップ性能を保つために、様々な工夫のなされたタイヤ用組成物が提案されている(たとえば特許文献1〜2参照)。
特開2016−56234号公報 特許第5920547号公報
しかしながら、低シビア路面および高シビア路面におけるグリップ性能は、トレードオフの関係にある。特許文献1〜2に記載のゴム組成物を用いて得られるタイヤは、低シビア路面および高シビア路面における両グリップ性能に関して充分に両立されておらず、改善の余地がある。
本発明は、低シビア路面および高シビア路面における優れたグリップ性能を両立させたタイヤ得るためのトレッド用ゴム組成物、および、低シビア路面および高シビア路面における優れたグリップ性能を両立させたタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)スチレンブタジエンゴム成分を95質量%以上含むゴム成分と、カーボンブラック成分と、オイルとを含み、前記スチレンブタジエンゴム成分は、前記スチレンブタジエンゴム成分中、スチレン含量が23〜38質量%、ビニル含量が30〜40質量%、重量平均分子量が70万〜95万、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.4〜2.4であるスチレンブタジエンゴムが75質量%以上含まれ、前記カーボンブラック成分は、100質量部の前記ゴム成分に対し、窒素吸着比表面積が180〜250(m2/g)であるカーボンブラックが140質量部以上含まれ、前記オイルは、100質量部の前記ゴム成分に対し、90〜160質量部含まれ、前記オイルの含有量に対する前記カーボンブラック成分の含有量の割合(カーボンブラック成分/オイル比)は、0.9〜1.4である、トレッド用ゴム組成物。
(2)(1)記載のトレッド用ゴム組成物より構成されたトレッドを有するタイヤ。
本発明によれば、低シビア路面および高シビア路面における優れたグリップ性能を両立させたタイヤ得るためのトレッド用ゴム組成物、および、低シビア路面および高シビア路面における優れたグリップ性能を両立させたタイヤを提供することができる。
<トレッド用ゴム組成物>
本発明の一実施形態のトレッド用ゴム組成物(以下、ゴム組成物ともいう)は、スチレンブタジエンゴム(SBR)成分を95質量%以上含むゴム成分と、カーボンブラック成分と、オイルとを含む。SBR成分は、SBR成分中、スチレン含量が23〜38質量%、ビニル含量が30〜40質量%、重量平均分子量が85万〜110万、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.8〜2.8であるSBRが75質量%以上含まれる。カーボンブラック成分は、100質量部のゴム成分に対し、窒素吸着比表面積が180〜250(m2/g)であるカーボンブラックが140質量部以上含まれる。オイルは、100質量部の前記ゴム成分に対し、90〜160質量部含まれる。オイルの含有量に対するカーボンブラック成分の含有量の割合(カーボンブラック成分/オイル比)は、0.9〜1.4である。
このように、本実施形態のゴム組成物は、上記配合であることにより、低温低歪領域において柔らかく、かつ、高温高歪領域において硬くなるよう物性が調整され得る。すなわち、カーボンブラック成分として、上記した窒素吸着比表面積を有する大粒径のカーボンブラックが多量に配合されていることにより、高温高歪領域における硬さが確保されていると考えられる。また、ゴム組成物は、分子量分布の狭い上記SBRと、多量の軟化剤成分(オイル)とが配合されていることにより、低温低歪領域において硬さが柔らげられると考えられる。さらに、ゴム組成物は、SBRのスチレン含量が少なくなるよう調整されていることにより、スチレンの自己凝集が抑制される。これにより、スチレンは、上記した大粒径のカーボンブラックとの結合点が増え、高温高歪領域におけるポリマーとカーボンブラックとの間の相互作用が維持され、硬さが維持されると考えられる。また、ゴム組成物は、低温低歪領域において、ゴムとしての柔らかさと多量の軟化剤(オイル)により、ポリマー鎖同士の凝集が緩和され、路面との実接触面積が増すと考えられる。
(ゴム成分)
ゴム成分は、SBR成分を95質量%以上含んでいればよく、97質量%以上含むことが好ましく、100質量%であることがより好ましい。SBR成分の含有量が95質量%未満である場合、ゴム組成物は、グリップ性能が劣りやすい傾向がある。ゴム成分は、本実施形態のゴム組成物を用いて得られるタイヤにおいて、優れたグリップ性能が示される点から、SBR成分からなることが好ましい。
ゴム成分は、SBR成分以外の他のゴム成分を含む場合、他のゴム成分は特に限定されない。一例を挙げると、他のゴム成分は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等である。他のゴム成分は、併用されてもよい。
・SBR成分
本実施形態のSBR成分は、SBR成分100質量部に対して、スチレン含量が23〜38質量%、ビニル含量が30〜40質量%、重量平均分子量が85万〜110万、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.8〜2.8であるSBR(以下、特定SBRという)が75質量%以上含まれることを特徴とする。
特定SBRにおいて、スチレン含量は、23質量%以上であればよく、25質量%以上であることが好ましく、28質量%以上であることがより好ましい。また、スチレン含量は、38質量%以下であればよく、37質量%以下であることが好ましく、36質量%以下であることがより好ましい。スチレン含量が23質量%未満である場合、発熱が低下し、グリップ性能が劣りやすく、柔らかくなる傾向がある。一方、スチレン含量が38質量%を超える場合、発熱が上昇し、グリップ性能が向上するが硬くなる傾向がある。なお、本実施形態において、SBRのスチレン含量は、H1−NMR測定により算出され得る。
特定SBRにおいて、ビニル含量は、30質量%以上であればよく、32質量%以上であることが好ましく、33質量%以上であることがより好ましい。また、ビニル含量は、40質量%以下であればよく、38質量%以下であることが好ましく、37質量%以下であることがより好ましい。ビニル含量が30質量%未満である場合、グリップ性能が向上するが、耐摩耗性が低下する傾向がある。一方、ビニル含量が40質量%を超える場合、グリップ性能が劣る傾向がある。なお、本実施形態において、なお、本実施形態において、SBRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定され得る。
特定SBRの重量平均分子量(Mw)は、85万以上であればよく、90万以上であることが好ましく、95万以上であることがより好ましい。また、特定SBRのMwは、110万以下であればよく、108万以下であることが好ましく、105万以下であることがより好ましい。Mwが85万未満である場合、加工性が向上するが、耐摩耗性能が劣る傾向がある。また、Mwが110万を超える場合、耐摩耗性能が向上するが、加工性が劣る傾向がある。なお、本実施形態において、Mw(および後述する数平均分子量(Mn))は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値として算出され得る。
特定SBRは、MwとMnとの比(Mw/Mn)が1.8以上であることが好ましく、1.9以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。また、比(Mw/Mn)は、2.8以下であればよく、2.6以下であることが好ましく、2.4以下であることがより好ましい。比(Mw/Mn)が1.8未満である場合、温度依存性が向上するが、グリップ性能が劣る傾向がある。また、比(Mw/Mn)が2.8を超える場合、グリップ性能が向上するが、温度依存性が劣る傾向がある。
特定SBRの数平均分子量(Mn)は、上記比(Mw/Mn)が1.4〜2.4となる限りにおいて特に限定されない。一例を挙げると、Mnは、29万以上であることが好ましく、35万以上であることがより好ましい。また、Mnは70万以下であることが好ましく、65万以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物は、温度依存性とグリップ性能とがバランスよく両立されやすい。
特定SBRの種類は特に限定されない。一例を挙げると、SBRは、溶液重合SBR(S−SBR)、乳化重合SBR(E−SBR)、これらの変性SBR(変性S−SBR、変性E−SBR)等である。変性SBRは特に限定されない。一例を挙げると、変性SBRは、末端または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)、水素添加されたSBR(水添S−SBR、水添E−SBR)等である。これらの中でも、SBRは、S−SBRが好ましい。また、特定SBRは、油展されていてもよい。
特定SBRの含有量は、SBR成分100質量%中、75質量%以上であればよく、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。なお、特定SBRの含有量の上限は特に限定されない。特定SBRの含有量は、SBR成分中、100質量%であってもよい。特定SBRが75質量%未満である場合、ゴム組成物は、グリップ性能が劣る傾向がある。
(カーボンブラック成分)
本実施形態のカーボンブラック成分は、100質量部のゴム成分に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が180〜250(m2/g)であるカーボンブラック(以下、特定カーボンブラックという)を140質量部以上含むことを特徴とする。
特定カーボンブラックのN2SAは、180(m2/g)以上であればよく、185(m2/g)以上であることがより好ましく、190(m2/g)以上であることがさらに好ましい。また、特定カーボンブラックのN2SAは、250(m2/g)以下であることが好ましく、240(m2/g)以下であることがより好ましく、230(m2/g)以下であることがさらに好ましい。N2SAが180(m2/g)未満である場合、ゴム組成物は、柔らかくなり、低シビア路面におけるグリップ性能が向上するが、高シビア路面におけるグリップ性能が劣る傾向がある。一方、N2SAが250(m2/g)を超える場合、ゴム組成物は、硬くなり、高シビア路面におけるグリップ性能が向上するが、低シビア路面におけるグリップ性能が劣る傾向がある。なお、本実施形態において、N2SAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定され得る。
特定カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、140質量部以上であればよく、145質量部以上であることが好ましい。また、特定カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、200質量部以下であることが好ましく、180質量部以下であることがより好ましい。特定カーボンブラックの含有量が140質量部未満である場合、高シビア路面におけるグリップ性能が劣る傾向がある。
特定カーボンブラックの種類は特に限定されない。一例を挙げると、特定カーボンブラックは、汎用のカーボンブラックであってもよく、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックであってもよい。また、特定カーボンブラックは、コロイダル特性の異なるものが併用されてもよい。
特定カーボンブラックのオイル吸収量(OAN)は特に限定されない。一例を挙げると、OANは、50mL/100g以上であることが好ましく、100mL/100g以上であることがより好ましい。また、OANは、250mL/100g以下であることが好ましく、200mL/100g以下であることがより好ましい。OANが50mL/100g以上であることにより、得られるタイヤにおいて、充分な耐摩耗性が示されやすい。一方、OANが250mL/100g以下であることにより、得られるタイヤにおいて、充分なグリップ性能が示されやすい。なお、特定カーボンブラックのOANは、たとえばJIS K6217−4 2008に準拠して測定され得る。
(オイル)
本実施形態のゴム組成物は、100質量部のゴム成分に対し、90〜160質量部となるようオイルが含まれる。オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、90質量部以上であればよく、100質量部以上であることが好ましく、110質量部以上であることがより好ましい。また、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、160質量部以下であればよく、150質量部以下であることが好ましく、140質量部以下であることがより好ましい。オイルの含有量が90質量部未満である場合、高温路面におけるグリップ性能が向上するが、低温路面でグリップ性能が悪化する傾向がある。一方、オイルの含有量が160質量部を超える場合、低温路面におけるグリップ性能が向上するが、高温路面でグリップ性能が悪化する傾向がある。
オイルの種類は特に限定されない。一例を挙げると、オイルは、ナフテンオイル、アロマオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油等である。オイルは、併用されてもよい。
本実施形態のゴム組成物は、オイルの含有量に対するカーボンブラック成分の含有量の割合(カーボンブラック成分/オイル比)が、0.9〜1.4である。カーボンブラック成分/オイル比は、0.9以上であればよく、1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましい。また、カーボンブラック成分/オイル比は、1.4以下であればよく、1.3以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましい。カーボンブラック成分/オイル比が0.9未満である場合、低シビア路面におけるグリップ性能が向上するが、高シビア路面におけるグリップ性能が劣る傾向がある。一方、カーボンブラック成分/オイル比が1.4を超える場合、高シビア路面におけるグリップ性能が向上するが、低シビア路面におけるグリップ性能が劣る傾向がある。
以上の本実施形態のゴム組成物は、上記成分を上記含有量にて含有していることにより、低シビア路面および高シビア路面におけるグリップ性能がいずれも優れる。本実施形態において、低シビア路面におけるグリップ性能は、たとえば低温E*に基づいて評価し得る。すなわち、低温E*は、たとえば、粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度−40℃、周波数10Hz、初期歪10%および動歪2%の条件下で測定されるゴム組成物の複素弾性率(E*)である。このE*が小さいほど、低温環境(−40℃)における硬度が低く、割れが発生しにくいことを示す。
一方、本実施形態において、高シビア路面におけるグリップ性能は、たとえば高温E*に基づいて評価し得る。すなわち、高温E*は、たとえば、粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、周波数10Hz、初期歪0.3%および動歪5%の条件下で測定されるゴム組成物の複素弾性率(E*)である。このE*が大きいほど、高温環境(50℃)における硬度が高く、割れが発生しにくいことを示す。
(任意成分)
次に、本実施形態のゴム組成物において、好適に配合される任意成分について説明する。本実施形態のゴム組成物は、上記した成分に加え、ゴム組成物の製造に一般に使用される他の成分が任意で配合され得る。一例を挙げると、このような任意成分は、充填剤、シランカップリング剤、軟化剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤等である。
・充填剤
充填剤は特に限定されない。充填剤は、従来、タイヤ用ゴム組成物において汎用されている各種充填剤から任意に選択して用いられ得る。一例を挙げると、充填剤は、カーボンブラック(ただし、上記した特定カーボンブラックを除く)、シリカ、炭酸カルシウム、セリサイト、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、クレー、タルク、酸化マグネシウム等である。充填剤は、併用されてもよい。これらの中でも、充填剤は、得られるタイヤにおいて、優れたグリップ性能および耐摩耗性が得られる点から、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1以上の無機充填剤を含むことが好ましく、カーボンブラックを含むことがより好ましい。
充填剤としてカーボンブラック(ただし、上記した特定カーボンブラックを除く)が用いられる場合、カーボンブラックは特に限定されない。一例を挙げると、カーボンブラックは、汎用のカーボンブラックであってもよく、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックであってもよい。また、カーボンブラックは、コロイダル特性の異なるものが併用されてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に限定されない。一例を挙げると、カーボンブラックのN2SAは、100(m2/g)以上であることが好ましく、105(m2/g)以上であることがより好ましく、110(m2/g)以上であることがさらに好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、290(m2/g)以下であることが好ましく、270(m2/g)以下であることがより好ましく、250(m2/g)以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックのN2SAが100(m2/g)以上であることにより、得られるタイヤにおいて、充分なグリップ性能が示されやすい。一方、カーボンブラックのN2SAが600(m2/g)以下であることにより、カーボンブラックは、ゴム組成物中で分散されやすく、得られるタイヤの耐摩耗性が充分に示されやすい。
カーボンブラックのオイル吸収量(OAN)は特に限定されない。一例を挙げると、OANは、50mL/100g以上であることが好ましく、100mL/100g以上であることがより好ましい。また、OANは、250mL/100g以下であることが好ましく、200mL/100g以下であることがより好ましく、135mL/100g以下であることがさらに好ましい。OANが50mL/100g以上であることにより、得られるタイヤにおいて、充分な耐摩耗性が示されやすい。一方、OANが250mL/100g以下であることにより、得られるタイヤにおいて、充分なグリップ性能が示されやすい。
充填剤としてシリカが用いられる場合、シリカは特に限定されない。一例を挙げると、シリカは、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等である。これらの中でも、シリカは、湿式シリカであることが好ましい。シリカは、併用されてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に限定されない。一例を挙げると、シリカのN2SAは、80(m2/g)以上であることが好ましく、100(m2/g)以上であることがより好ましく、110(m2/g)以上であることがさらに好ましい。また、シリカのN2SAは、250(m2/g)以下であることが好ましく、235(m2/g)以下であることがより好ましく、220(m2/g)以下であることがさらに好ましい。シリカのN2SAが80(m2/g)以上であることにより、得られるタイヤにおいて、充分な耐久性が得られやすい。また、シリカのN2SAが250(m2/g)以下であることにより、シリカは、ゴム組成物中で分散されやすく、ゴム組成物は加工されやすい。なお、本実施形態において、シリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定され得る。
充填剤として水酸化アルミニウムが用いられる場合、水酸化アルミニウムは特に限定されない。水酸化アルミニウムの平均粒子径は、0.69μm以下であることが好ましく、0.65μm以下であることがより好ましく、0.62μm以下であることがさらに好ましい。また、水酸化アルミニウムの平均粒子径は、0.20μm以上であることが好ましく、0.25μm以上であることがより好ましい。水酸化アルミニウムの平均粒子径が上記範囲内であることにより、本実施形態のゴム組成物を用いて得られるタイヤにおいて、良好な耐摩耗性およびグリップ性能が示されやすい。なお、水酸化アルミニウムの平均粒子径は、数平均粒子径であり、たとえば透過型電子顕微鏡により測定され得る。
水酸化アルミニウムの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に限定されない。一例を挙げると、水酸化アルミニウムのN2SAは、10(m2/g)以上であることが好ましく、12(m2/g)以上であることがより好ましく、14(m2/g)以上であることがさらに好ましい。また、水酸化アルミニウムのN2SAは、110(m2/g)以下であることが好ましく、100(m2/g)以下であることがより好ましく、90(m2/g)以下であることがさらに好ましい。水酸化アルミニウムのN2SAが上記範囲内であることにより、本実施形態のゴム組成物を用いて得られるタイヤにおいて、良好な耐摩耗性およびグリップ性能が示されやすい。
本実施形態のゴム組成物において、充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、充填剤は、ゴム成分100質量部に対し、180質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましい。充填剤が上記配合割合となるよう含有されることにより、得られるタイヤは、優れたグリップ性能と、耐摩耗性とが両立されやすい。
・シランカップリング剤
充填剤としてシリカが用いられる場合、シリカと、シランカップリング剤とが併用されることが好ましい。シランカップリング剤は特に限定されない。シランカップリング剤は、ゴム工業において、従来シリカと併用される任意のシランカップリング剤であってもよい。一例を挙げると、シランカップリング剤は、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社から製造販売されているメルカプト系シランカップリング剤(メルカプト基を有するシランカップリング剤)、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤等である。シランカップリング剤は、併用されてもよい。
シランカップリング剤が併用される場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、4.0質量部以上であることが好ましく、6.0質量部以上であることがより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、12質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が4.0質量部以上であることにより、ゴム組成物における充填剤の分散性が良好となり得る。また、シランカップリング剤の含有量が12質量部以下であることにより、ゴム組成物中に充填剤が良好に分散され、得られるタイヤの補強性が向上しやすい。
・軟化剤
軟化剤は特に限定されない。軟化剤は、従来、タイヤ用ゴム組成物において汎用されている各種軟化剤から任意に選択して用いられ得る。一例を挙げると、軟化剤は、粘着樹脂、液状ポリマー等である。
粘着樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、粘着樹脂は、従来、タイヤ用ゴム組成物において汎用されている芳香族石油樹脂等である。芳香族石油樹脂の種類は特に限定されない。一例を挙げると、芳香族石油樹脂は、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)等である。芳香族石油樹脂は、併用されてもよい。フェノール系樹脂は、BASF社、田岡化学工業(株)等によって製造販売されるものが例示される。クマロンインデン樹脂は、日塗化学(株)、新日鉄化学(株)、新日本石油化学(株)等によって製造販売されるものが例示される。スチレン樹脂は、Arizona chemical社等によって製造販売されるものが例示される。テルペン樹脂は、Arizona chemical社、ヤスハラケミカル(株)等によって製造販売されるものが例示される。これらの中でも、芳香族石油樹脂は、得られるタイヤにおいて、走行中のグリップ性能がより優れる点から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、アクリル樹脂が含まれることが好ましい。
芳香族石油樹脂のMwは、300以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましい。また、芳香族石油樹脂のMwは、10000以下であることが好ましく、6000以下であることがより好ましい。芳香族石油樹脂のMwが500以上であることにより、得られるタイヤは、発熱しやすく、グリップ性能が向上し得る。一方、芳香族石油樹脂のMwが6000以下であることにより、得られるタイヤは、相溶性が向上し、グリップ性能が向上し得る。
芳香族石油樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、芳香族石油樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。芳香族石油樹脂の含有量が20質量部以上であることにより、得られるタイヤは、走行中のグリップ性能が向上しやすい。一方、芳香族石油樹脂の含有量が100質量部以下であることにより、得られるタイヤは、充分な耐摩耗性が示されやすい。
芳香族石油樹脂の軟化点は特に限定されない。一例を挙げると、軟化点は、60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。また、軟化点は、170℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましい。軟化点が60℃以上であることにより、得られるタイヤは、走行中における優れたグリップ性能が示されやすい。また、軟化点が170℃以下であることにより、得られるタイヤは、低シビア路面における優れたグリップ性能が示されやすい。なお、本実施形態において、軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度として定義され得る。
液状ポリマーは特に限定されない。一例を挙げると、液状ポリマーは、液状スチレンブタジエンポリマー、液状ブタジエンポリマー、液状イソプレンポリマー、液状スチレンイソプレンポリマー等である。液状ポリマーは、併用されてもよい。これらの中でも、液状ポリマーは、得られるタイヤにおいて、グリップ性能および耐久性がバランスよく両立されやすい点から、スチレンブタジエンポリマーであることが好ましい。
スチレンブタジエンポリマーのMwは、120万以下であることが好ましく、110万以下であることがより好ましい。また、スチレンブタジエンポリマーのMwは、90万以上であることが好ましく、100万以上であることがより好ましい。Mwが上記範囲内であることにより、得られるタイヤは、グリップ性能および耐摩耗性がバランスよく両立されやすい。
スチレンブタジエンポリマーは、水素添加された水添スチレンブタジエンポリマーであることが好ましい。これにより、得られるタイヤは、耐摩耗性およびグリップ性能がバランスよく両立されやすい。スチレンブタジエンポリマーの水添率は特に限定されない。一例を挙げると、スチレンブタジエンポリマーの水添率は、50%以上である。
液状ポリマーが含有される場合、液状ポリマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、液状ポリマーの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましい。また、液状ポリマーの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、50質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であることがより好ましい。液状ポリマーの含有量が上記範囲内であることにより、得られるタイヤは、耐摩耗性が優れる。
・老化防止剤
老化防止剤は特に限定されない。老化防止剤は、従来、タイヤ用ゴム組成物において汎用されている各種老化防止剤から任意に選択して用いられ得る。一例を挙げると、老化防止剤は、キノリン系老化防止剤、キノン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤等である。老化防止剤は、併用されてもよい。
老化防止剤が含有される場合、老化防止剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上であることが好ましく、0.8質量部以上であることがより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、5.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましく、2.5質量部以下であることがさらに好ましい。老化防止剤の含有量が上記範囲内である場合、充填剤は、良好に分散されやすい。また、得られるゴム組成物は、混練されやすい。
・加硫剤
加硫剤は特に限定されない。一例を挙げると、加硫剤は、硫黄、カプロラクタムジスルフィド等の硫黄含有化合物である。加硫剤としての硫黄は、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄等である。加硫剤は、併用されてもよい。
加硫剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上であることが好ましく、0.6質量部以上であることがより好ましい。また、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。加硫剤の含有量が0.5質量部以上であることにより、ゴム組成物は、良好な加硫反応が進行されやすい。また、加硫剤の含有量が3質量部以下であることにより、得られるタイヤは、グリップ性能および耐摩耗性がバランスよく両立されやすい。
・加硫促進剤
加硫促進剤は特に限定されない。一例を挙げると、加硫促進剤は、グアニジン系加硫促進剤、アルデヒド−アミン系加硫促進剤、アルデヒド−アンモニア系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、チオ尿素系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバメート系加硫促進剤、ザンデート系加硫促進剤等である。これらの中でも、得られるタイヤにおいて、グリップ性能および耐摩耗性がバランスよく両立されやすい点から、加硫促進剤は、ベンゾチアゾリルスルフィド基を有する加硫促進剤であることが好ましい。
ベンゾチアゾリルスルフィド基を有する加硫促進剤は特に限定されない。一例を挙げると、ベンゾチアゾリルスルフィド基を有する加硫促進剤は、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BEHZ)、N,N−ジ(2−メチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BMHZ)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(ETZ)等のスルフェンアミド系加硫促進剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド(TBSI)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)等である。
加硫促進剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。加硫促進剤の含有量が0.5質量部以上であることにより、ゴム組成物は、加硫時に充分な加硫速度が得られやすい。また、加硫促進剤の含有量が10質量部以下であることにより、得られるタイヤは、ブルーミングが生じにくい。
<ゴム組成物およびタイヤの製造方法>
本実施形態のゴム組成物は、一般的な方法により製造され得る。一例を挙げると、ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等の、ゴム工業において一般的に使用される公知の混練機が使用され、上記した各成分のうち、加硫剤および加硫促進剤以外の成分が混練りされ、これに、加硫剤および加硫促進剤が加えられてさらに混練りされる。
本実施形態のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて、一般的な方法により製造され得る。一例を挙げると、未加硫の段階で各タイヤ部材の形状(たとえばトレッド部の形状)にあわせて上記ゴム組成物を押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、次いで、汎用の方法にて成型することにより未加硫タイヤを得て、その後、加硫機中で加熱加圧することにより製造され得る。
実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例および比較例で使用した各種薬品を以下に示す。
(SBR成分)
SBR1:後述のSBR1の製造方法により調製した特定SBR(油展(ゴム固形分100質量部に対してオイル分が37.5質量部含まれる)、スチレン含量:33質量%、ビニル含量:35質量%、Mw:88.2万、Mw/Mn:1.6)
SBR2:SBR1と同様の材料を用い、製造方法を適宜調整して作製した。溶液重合スチレンブタジエンゴム、Tg:−4℃、スチレン含量:43質量%、ビニル含量:40質量%、Mw:120万、Mw/Mn:1.9、油展(ゴム固形分100質量部に対してオイル分が44.0質量部含まれる)
SBR3:SBR1と同様の材料を用い、製造方法を適宜調整して作製した。溶液重合スチレンブタジエンゴム、Tg:−34℃、スチレン含量:39質量%、ビニル含量:40質量%、Mw:84万、Mw/Mn:1.3、油展(ゴム固形分100質量部に対してオイル分が37.5質量部含まれる)
(カーボンブラック成分)
カーボンブラック1:N2SA114m2/g
カーボンブラック2:N2SA78m2/g
カーボンブラック3:N2SA:40m2/g
(オイル)
オイル:ダイアナプロセスNH−70S(出光興産(株)製、プロセスオイル)
(その他)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄(株)製、加硫剤)
促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学(株)製、加硫促進剤)
SBR1の製造方法において用いた各種薬品を以下に示す。
シクロヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA):N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、関東化学(株)製
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製
メタノール:関東化学(株)製
<SBR1の製造方法>
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン12000g、スチレン350gおよびブタジエン360gを入れ、これにTMEDA3.5ミリモルおよびn−ブチルリチウム11ミリモルを加えて50℃で重合した。重合開始10分後に、残部のブタジエン340gをオートクレーブに連続的に添加した。重合転化率100%になったことを確認してから、生成重合体の活性末端(Li)に対して等モルのメタノールを添加して重合を停止し、SBR1を得た。また、SBR1は、常法により、上記オイル分が含まれるよう後入れした。
(実施例1〜4および比較例1〜8)
以下の表1に示される配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、加硫剤および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。得られた混練物を、バンバリーミキサーにより、排出温度150℃で4分間、再度混練りした(リミル)。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機でタイヤトレッドの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。得られた試験用タイヤについて、以下の評価方法にしたがって、低温E*指数および高温E*指数を評価した。結果を表1に示す。
<低温E*指数>
粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度−40℃、周波数10Hz、初期歪10%および動歪2%の条件下で、ゴム組成物の複素弾性率(E*)を測定し、比較例1を100として指数表示した。E*が小さいほど、低温環境(−40℃)における硬度が低く、割れが発生しにくいことを示す。
<高温E*指数>
粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、周波数10Hz、初期歪0.3%および動歪5%の条件下で測定されるゴム組成物の複素弾性率(E*)を測定し、比較例1を100として指数表示した。このE*が大きいほど、高温環境(50℃)における硬度が高く、割れが発生しにくいことを示す。
<低シビア路面でのグリップ>
上記試験用タイヤを車両に装着し、ドライの低μ路面(砂利が残るダート路面、低シビア路面)のテストコースにて1周の実車走行を行った。試験は、門前(石川県)で行い、気温は26℃であった。その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が高いほど、低シビア路面におけるグリップ性能が優れることを示す。指数が105以上であれば良好であると判断した。
<高シビア路面でのグリップ>
上記試験用タイヤを車両に装着し、ドライの高μ路面(砂利が掃けた超硬質路面、高シビア路面)のテストコースにて1周の実車走行を行った。試験は、タカタ(広島県)で行い、気温は26℃であった。その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が高いほど、高シビア路面におけるグリップ性能が優れることを示す。指数が100以上であれば良好であると判断した。
Figure 0006926881
表1に示されるように、本発明の実施例1〜4のタイヤは、いずれも比較例1のタイヤと比べ、低温E*指数が小さく、かつ、高温E*指数が大きくなったことから、割れが発生しにくかった。また。本発明の実施例1〜4のタイヤは、比較例1のタイヤと比べ、低シビア路面および高シビア路面におけるグリップ性能の総合性能がいずれも優れていた。

Claims (2)

  1. スチレンブタジエンゴム成分を95質量%以上含むゴム成分と、カーボンブラック成分と、オイルとを含み、
    前記スチレンブタジエンゴム成分は、前記スチレンブタジエンゴム成分中、スチレン含量が23〜38質量%、ビニル含量が30〜40質量%、重量平均分子量が85万〜110万、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.4〜2.4であるスチレンブタジエンゴムが75質量%以上含まれ、
    前記カーボンブラック成分は、100質量部の前記ゴム成分に対し、窒素吸着比表面積が114〜250(m2/g)であるカーボンブラックが140質量部以上含まれ、
    前記オイルは、100質量部の前記ゴム成分に対し、90〜160質量部含まれ、
    前記オイルの含有量に対する前記カーボンブラック成分の含有量の割合(カーボンブラック成分/オイル比)は、1.1〜1.4である、トレッド用ゴム組成物。
  2. 請求項1記載のトレッド用ゴム組成物より構成されたトレッドを有するタイヤ。
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